JP2015113633A - 水洗大便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の水洗大便器1は、洗浄水を貯水する貯水タンク6と、ボウル形状の汚物受け面16と、上縁部に形成されその内周面がオーバーハング形状又は略鉛直方向に立ち上がるように形成されたリム部18と、を備えたボウル部12と、このボウル部12の下方の排水路14と、リム部の内周面に旋回流を形成するリム吐水部26と、貯水タンクに貯水された洗浄水をリム吐水口へ導く導水路と、を備えた便器本体と、を有し、導水路23に、貯水タンク6の給水流量が大きいほど導水路23の通水断面積が小さくなるように調節可能な絞り部材30が設けられ、この絞り部材30は、便器本体とは別部材で形成されていることを特徴とする。
【選択図】図4
Description
一方、便器上に直接設置される貯水タンクではなく、便器とは離れた位置の壁に設置されるタイプの貯水タンクが知られている。このタイプの貯水タンクは、貯水タンクが配置される高さ位置に応じてLOWタイプ(ロウタイプ)、MIDDLEタイプ(ミドルタイプ)、HIGHタイプ(ハイタイプ)の3種類があり、施工現場に応じて選択して便器に取り付けられていた。この3種類のタイプの貯水タンクは、設置される高さ位置が異なるために、便器本体までの落差が異なり、便器に供給する給水流量もそれぞれ異なっていた。
この問題を解決するために、3種類のタイプの貯水タンクに対応した導水路の設計の異なる3種類の便器を用意することが考えられるが、3種類の便器を別々に用意することは、製品の品番が増えコスト高になり、近年のニーズには合致しないものとなる。
このように構成された本発明においては、貯水タンクの給水流量が大きいほど導水路の通水断面積が小さくなるように調節可能な絞り部材が導水路に設けられることにより、異なる給水流量を生じさせる貯水タンクが便器本体に取付けられた場合でも便器洗浄のための適切な給水流量の洗浄水をボウル部へ供給することができる。よって、ボウル部のリム部の内周面がオーバーハング形状又は略鉛直方向に立ち上がるように形成されている便器において、リム吐水部から吐水される洗浄水の給水流量が増大されることにより、リム部を旋回する洗浄水がリム部を越えて便器外に溢れ出すことを防止することができる。また、リム吐水部から吐水される洗浄水の給水流量が減少されることにより、リム部を旋回する洗浄水の勢いが弱くなり、ボウル部内を十分に洗浄できなくなることを防止することができる。
このように構成された本発明においては、導水路の上流側において、縮径部がゼット吐水部の出口の断面積と上記リム吐水部の出口の断面積との合計よりも小さい通水断面積を有するように形成されている。これにより、絞り部材を取り替えることにより、縮径部の通水断面積を変更でき、導水路内を通過する洗浄水が受ける最大の圧力損失を絞り部材で調節することができる。従って、異なる給水流量を生じさせる貯水タンクが取付けられた場合でも便器洗浄のための適切な給水流量の洗浄水をボウル部へ供給することができる。
このように構成された本発明においては、導水路の上流側において、縮径部がリム吐水部の出口の断面積よりも小さい通水断面積を有するように形成されている。これにより、絞り部材を取り替えることにより、縮径部の通水断面積を変更でき、導水路内を通過する洗浄水が受ける最大の圧力損失を絞り部材で調節することができる。従って、異なる給水流量を生じさせる貯水タンクが取付けられた場合でも便器洗浄のための適切な給水流量の洗浄水をボウル部へ供給することができる。
このように構成された本発明においては、絞り部材が、通水断面積が上流端から下流端に向かって徐々に減少するように縮径され、絞り部材を通過する洗浄水に乱流が発生することが抑制できるため、絞り部材により洗浄水が受ける最大の圧力損失を調節し易くなる。また、絞り部材が下流端において最小通水断面積を有しているので、下流端を通過する洗浄水が受ける最大の圧力損失を絞り部材で調節することができる。従って、異なる給水流量を生じさせる貯水タンクが便器本体に取付けられた場合でも、便器洗浄のための適切な給水流量の洗浄水をボウル部へ供給することができる。
このように構成された本発明においては、給水接続管から絞り部材に流れ込む洗浄水の圧力損失を抑制することができ、絞り部材によって、圧力損失を調節し易くすることができ、異なる給水流量を生じさせる貯水タンクが便器本体に取付けられた場合でも、便器洗浄のための適切な給水流量の洗浄水をボウル部へ供給することができる。
このように構成された本発明においては、便器本体に製造誤差が生じた場合にも、絞り部材を便器本体の縮径部に容易に取り付けることができる。
このように構成された本発明においては、絞り部材の外周面にはテーパー面が形成され、このテーパー面が便器本体の縮径部と当接するので、絞り部材が水圧により縮径部に押し付けられるときに、絞り部材の中心軸線を縮径部の中心軸線に位置合わせさせることができ、絞り部材の中心の位置合わせを確実に行うことができる。
このように構成された本発明においては、絞り部材が縮径部の下流側に掛かる爪部を備えているので、便器に絞り部材を設置した状態で便器を移動させる場合、絞り部材が離脱することを防ぐことができる。
このように構成された本発明においては、導水路に、貯水タンクの給水流量が大きいほど導水路の通水断面積が小さくなるように調節可能な絞り部材が設けられている場合に、絞り部材は、貯水タンクの給水流量が所定値よりも小さい場合には、取り外すことができることにより、比較的小さい給水流量を生じさせる貯水タンクが取付けられた場合でも便器洗浄のための適切な給水流量の洗浄水をボウル部へ供給することができる。よって、ボウル部のリム部の内周面がオーバーハング形状又は略鉛直方向に立ち上がるように形成されている便器において、リム吐水部から吐水される洗浄水の給水流量が減少されることにより、リム部を旋回する洗浄水の勢いが弱くなり、ボウル部内を十分に洗浄できなくなることを防止することができる。
また、壁4の裏側には、汚物を排出するための排水管10が設けられ、この排水管10により、便器本体2からの汚物を外部へ排出するようになっている。
本発明の第1実施形態による水洗大便器1においては、いわゆるHIGHタイプの貯水タンクを貯水タンク6として使用しているが、貯水タンクは、貯水タンクが配置される高さ位置に応じて、例えば、貯水タンクが床からの全体の高さが約1120mmの高さになるような比較的高い高さ位置に配置されるHIGHタイプ、貯水タンクが床からの全体の高さが約820mmの高さになるような比較的低い高さ位置に配置されるLOWタイプ、貯水タンクが床からの全体の高さが約980mmの高さになるような比較的高い高さ位置と比較的低い高さ位置との中間に配置されるMIDDLEタイプ、の3種類の異なる貯水タンクを使用することができる。これらの貯水タンクは、便器本体と共に新規に施工される場合の他、便器本体とは別に既に設置されている貯水タンクを利用することもでき、施工後に貯水タンクを取り替えて新規な貯水タンクを使用してもよい。
便器本体導水路24は、貯水タンク6から延びる給水接続管25の出口部25aに接続される入口部24aからボウル部12の背面側近傍まで延びる共通導水路24bと、ボウル部12の背面側近傍において共通導水路24bから分岐されるゼット導水路24cと、リム導水路24dとを備えている。共通導水路24bには、上述した貯水タンク6から洗浄水が供給されるようになっている。
便器本体2を前方から見て、リム部18の左側の前方領域の内周側には、リム吐水口26が形成され、上述したリム導水路24dがリム吐水口26まで延び、洗浄水がリム吐水口26まで供給されるようになっている。このリム吐水口26から前方に向けて洗浄水が吐水され、ボウル部12内において旋回流を形成するようになっている。
また、ゼット吐水口及びゼット導水路を備えずに、リム吐水口及びリム導水路のみを備える便器の場合は、縮径部の通水断面積は、リム吐水口の通水断面積の合計よりも小さくされる。例えば、1つのリム吐水口及びリム導水路のみを備える便器の場合は、縮径部の通水断面積は、リム吐水口の通水断面積よりも小さくされ、2つのリム吐水口及びリム導水路を備える便器の場合は、縮径部の通水断面積は、2つのリム吐水口の通水断面積の合計よりも小さくされる。
図4は、図1に示す本発明の第1実施形態による水洗大便器において、便器本体導水路の入口のBで示す部分を拡大した部分拡大断面図であり、図5は本発明の第1実施形態による水洗大便器の絞り部材を斜め上方から見た斜視図であり、図6は本発明の第1実施形態による水洗大便器の絞り部材の平面図であり、図7は図6のVII−VII線に沿って見た絞り部材の側面断面図である。
絞り部材30は、便器本体2とは別部材であるポリプロピレン等の樹脂材料によって形成され、上述したように給水流量の異なる貯水タンク6の種類に応じて、貯水タンク6の給水流量が大きいほど導水路23の通水断面積が小さくなるように調節することができる部材である。この絞り部材30は、脱着可能に縮径部24eに取付けられ、この絞り部材30を形状の異なる他の絞り部材に取り替える或いは絞り部材30を取り外すことにより、縮径部24e近傍の通水断面積を容易に変更できる。水洗大便器1は、出荷時には、絞り部材30が縮径部24eに挿入された状態となっており、絞り部材30を後述する本発明の第2実施形態の水洗大便器101に使用する絞り部材130と取り替えることができ、また、絞り部材30を縮径部24eから取り外して本発明の第3実施形態の水洗大便器201を構成することができる。
基部リング部30aは、数ミリ程度の厚みを有し、縮径部24eの内径D1よりも大きな外径D2に形成されている。基部リング部30aは、後述する爪部30gが便器本体の縮径部24eに係合できることにより、便器本体2の縮径部24e近傍に配置された状態で維持されている。ひだ状のパッキン32が出口部25aと便器本体導水路24の入口部24aとの接続部分をシールするようになっている。基部リング部30aは、接着剤等により出口部25a及びパッキン32と固定されておらず、出口部25aと縮径部24eの間に配置されている。
なお、圧損リング部30bは、自身の長さをより長く形成することにより圧力損失を増大させることができ、また、自身の内径をより小さく形成することにより圧力損失を増大させることができる。逆に、圧損リング部30bは、自身の長さをより短く形成することにより圧力損失を減少させることができ、また、自身の内径をより大きく形成することにより圧力損失を減少させることができる。このようにして貯水タンク6の給水流量が大きくなるにつれて、圧損リング部30bの形状を導水路23の通水断面積が小さくなるように形成させることができ、また、貯水タンク6の給水流量が小さくなるにつれて、圧損リング部30bの形状を導水路23の通水断面積が大きくなるように形成させることができる。
基部リング部30a及び圧損リング部30bは、その内側に、洗浄水の流れ方向に所定距離の長さL1にわたって延びる縮径流路31を形成し、基部リング部30aがこの縮径流路31の上流端30cを形成し、圧損リング部30bがこの縮径流路の下流端30dを形成している。従って、絞り部材30の縮径流路31は、通水断面積が上流端30cから下流端30dに向かって徐々に減少するように形成されている。図4において、基部リング部30aの上流端30cの通水断面積C4は、圧損リング部30bの下流端30dの通水断面積C5よりも大きくなっていることが示される。
また、縮径部24eの内径D1は、絞り部材30の圧損リング部の外径D3よりも大きく形成されているので、絞り部材30が便器本体2の縮径部24eに取付けられた状態において、圧損リング部30bの外側向き外周面30iと便器本体2の縮径部24eの内側向き内周面24hとの間には所定間隔の隙間Gが形成されている。隙間Gにより、絞り部材30を組み付ける際に便器本体2の縮径部24eの寸法誤差を吸収することができる。
よって、絞り部材30が水圧を受けて縮径部24eに押し付けられるとき、複数の突起30fのテーパー面30hが、縮径部24eの上流側縁部24fに押し付けられ、絞り部材30は、複数のテーパー面30hから絞り部材30の中心軸線A1に向かう力を受ける。従って、絞り部材30は、その中心軸線A1と給水接続管25の中心軸線A2と、縮径部24eの中心軸線A3とが一致するような位置に確実に位置合わせ及び位置修正を行うことができる。
この爪部30gは、図4に示すように、絞り部材30が水圧を受けて縮径部24eに押し付けられるとき、縮径部24eの下流側縁部24gから離間された状態となる。この爪部30gは、絞り部材30が縮径部24eに取付けられた状態で便器本体2を移動する場合に、絞り部材30が縮径部24eから外れて離脱又は脱落することを防ぐことができる。例えば、水洗大便器1の製造出荷時、輸送時、設置時等において、絞り部材30を縮径部24eに仮に又は正式に取付けた状態で、便器本体2を容易に移動することができる。また、便器本体2を移動しない場合でも、意図せずに絞り部材30が縮径部24eから外れて脱落することを防ぐことができる。
使用者が操作スイッチ8をON操作すると、貯水タンク6内の洗浄水が、貯水タンク6の出口6aから給水接続管25の出口部25aを通って便器本体2に向かって給水される。比較的高い位置に貯水タンク6が配置されているので、貯水タンク6から便器本体2までの落差(高低差)が比較的大きく、出口部25aから給水される洗浄水は、単位時間あたりの給水流量が比較的大きくなっている。この出口部25aから給水される洗浄水は、絞り部材30に流入し、圧力損失を受けて、給水流量が減少される。
便器洗浄のための適切な給水流量の洗浄水がリム吐水口26からボウル部12へ吐水される場合には、ボウル部12内の旋回流が、リム部18を越えて溢れ出ることなく汚物受け面16を良好に洗浄することができる。
このようないわゆるMIDDLEタイプの貯水タンク106を便器本体102に取り付ける場合、MIDDLEタイプの貯水タンク106と便器本体102との落差(高低差)は、HIGHタイプの貯水タンクの落差より小さく且つLOWタイプの貯水タンクの落差より大きい中程度であるために、便器本体102に給水される単位時間辺りの給水流量が、HIGHタイプの貯水タンクからの給水流量より小さく且つLOWタイプの貯水タンクからの給水流量より大きくなっている。
また、貯水タンク106の出口106aから便器本体102内の入口部24aまで延びる給水接続管125と接続し、便器本体2内に延びる導水路123が形成されている。導水路123は、便器本体102内の後部に延びる便器本体導水路24を備えている。給水接続管125は、貯水タンク106の出口106aから鉛直方向に下方へと延びる上流側給水接続管125bと、上流側給水接続管125bの出口125cから便器本体102内の入口部24aまで延びる下流側給水接続管125dとを備えている。第2実施形態による水洗大便器101の上流側給水接続管125bの長さは、第1実施形態による水洗大便器1の上流側給水接続管25bの長さよりも短く形成されている。従って、貯水タンク106から便器本体102までの水流の落差は、第1実施形態における貯水タンク6から便器本体2までの水流の落差よりも低く設定されている。
基部リング部30a及び圧損リング部130bは、その内側に、洗浄水の流れ方向に所定距離の長さL4にわたって延びる縮径流路131を形成し、基部リング部30aがこの縮径流路131の上流端30cを形成し、圧損リング部130bがこの縮径流路131の下流端130dを形成している。従って、本発明の第2実施形態における絞り部材130の縮径流路131は、本発明の第1実施形態における絞り部材30の縮径流路31よりも短く形成されている。
さらに、図9及び図12において、基部リング部30aの上流端30cの通水断面積C4は、圧損リング部130bの下流端130dの通水断面積C7よりも大きく形成され、本発明の第1実施形態における絞り部材30の圧損リング部30bの下流端30dの通水断面積C5よりも大きく形成されている。
従って、本発明の第2実施形態における絞り部材130において圧損リング部130bの内部を通過する流体が受ける圧力損失は、本発明の第1実施形態における絞り部材30の圧損リング部30bの内部を通過する流体が受ける圧力損失よりも小さくなっている。
使用者が操作スイッチ8をON操作すると、貯水タンク106内の洗浄水が、貯水タンク106の出口106aから給水接続管125の出口部125aを通って便器本体102に向かって給水される。いわゆるHIGHタイプの貯水タンク6の位置より低い位置に貯水タンク106が配置されているので、貯水タンク106から便器本体102までの落差(高低差)がHIGHタイプのものより小さく、出口部125aから給水される洗浄水の単位時間あたりの給水流量も、HIGHタイプのものより小さくなっている。この出口部125aから給水される洗浄水は、絞り部材130に流入し、圧力損失を受けて、給水流量が減少される。
洗浄水が縮径流路131に流入した後、通水断面積が上流端から下流端に向かって徐々に減少するので、洗浄水が徐々に大きな圧力損失を受けて給水流量が低減される。本発明の第2実施形態における絞り部材130は、本発明の第1実施形態における絞り部材30の縮径流路31よりも短い縮径流路131に形成され、且つ本発明の第1実施形態における絞り部材30の圧損リング部30bの下流端30dの通水断面積C5よりも大きい圧損リング部130bの下流端130dの通水断面積C7を有している。従って、絞り部材130から共通導水路24bに流入する洗浄水は、MIDDLEタイプの貯水タンク106に応じた比較的小さい給水流量から、本発明の第1実施形態における水洗大便器1の便器洗浄に適した給水流量と同じ便器洗浄に適した所定の給水流量に調節される。
従って、この洗浄水が共通導水路24bからリム導水路24dに流れ、リム吐水口26から吐水される場合に、リム吐水口26から吐水された洗浄水がオーバーハング又は略鉛直形状のリム部18を越えて溢れ出ることを抑制することができる。
また、便器洗浄のための適切な給水流量の洗浄水がリム吐水口28からボウル部12へ吐水される場合には、ボウル部12内の旋回流が、リム部18を越えて溢れ出ることなく且つ汚物受け面16を良好に洗浄することができる。
図13に示すように、水洗大便器201は、便器本体202を備え、この便器本体202は、壁4に取り付けられている。壁4の裏側には、比較的低い高さ位置(例えば床からの貯水タンクの頂部までの高さが約820mmの高さになるような位置)に配置される貯水タンク(いわゆるLOWタイプの貯水タンク)206が取り付けられている。
このようないわゆるLOWタイプの貯水タンク206を便器本体202に取り付ける場合、LOWタイプの貯水タンク206と便器本体202との落差(高低差)は、MIDDLEタイプの貯水タンクと便器本体との落差よりも小さくなり、比較的小さい落差とされるために、便器本体202に給水される単位時間辺りの給水流量は、HIGHタイプの貯水タンク及びMIDDLEタイプの貯水タンクからの給水流量よりさらに小さくなっている。
例えば、LOWタイプの貯水タンク206を便器本体202に取り付ける場合、貯水タンク206からの給水流量が比較的小さくなるので、仮に絞り部材30を取付けたままとすると、絞り部材30を通過した後の給水流量が便器洗浄に必要な洗浄水量からさらに不足してしまう。このようにLOWタイプの貯水タンク206は、仮に絞り部材30を取付けたままとすると便器洗浄を十分に行うことができる所定量の給水流量よりも小さな給水流量を生じさせる高さに配置されている。
また、貯水タンク206の出口206aから便器本体202内の入口部24aまで延びる給水接続管225と接続し、便器本体202内に延びる導水路223が形成されている。導水路223は、便器本体202内の後部に延びる便器本体導水路24を備えている。給水接続管225は、貯水タンク206の出口206aから鉛直方向に下方へと延びる上流側給水接続管225bと、上流側給水接続管225bの出口225cから便器本体102内の入口部24aまで延びる下流側給水接続管225dとを備えている。第3実施形態による水洗大便器201の上流側給水接続管225bの長さは、第2実施形態による水洗大便器101の上流側給水接続管125bの長さよりもさらに短く形成されている。従って、貯水タンク206から便器本体202までの水流の落差は、第2実施形態における貯水タンク106から便器本体102までの水流の落差よりも低く設定されている。
縮径部24eの内径D1(φ45±2)は、給水接続管225の出口部225aの内径D4(φ41)とほぼ同じ大きさに形成されている。従って、洗浄水が、給水接続管225の出口部225aから縮径部24e内に流入するときに圧力損失を受けない。
従って、本発明の第3実施形態による水洗大便器201において縮径部24eの内部を通過する流体が受ける圧力損失は、本発明の第2実施形態における絞り部材130の圧損リング部130bの内部を通過する流体が受ける圧力損失よりも小さくなっている。
使用者が操作スイッチ8をON操作すると、貯水タンク206内の洗浄水が、貯水タンク206の出口206aから給水接続管225の出口部225aを通って便器本体202に向かって給水される。比較的低い位置に貯水タンク206が配置されているので、貯水タンク206から便器本体202までの落差(高低差)が比較的小さく、出口部225aから給水される洗浄水の単位時間あたりの給水流量も、MIDDLEタイプのものよりさらに小さくなっている。この出口部225aから給水される洗浄水は、縮径部24eに直接流入する。従って、縮径部24eから共通導水路24bに流入する洗浄水は、比較的小さい給水流量から、本発明の第1実施形態における水洗大便器1の便器洗浄に適した給水流量と同じ便器洗浄に適した所定の給水流量に調節される。このように、絞り部材30を取り外すことにより、導水路223において圧力損失を抑制させることができる。
従って、この洗浄水が共通導水路24bからリム導水路24dに流れ、リム吐水口26から吐水される場合に、リム吐水口26から吐水された洗浄水が、給水流量が不足して、汚物受け面16を良好に洗浄できなくなることを抑制することができる。
また、便器洗浄のための適切な給水流量の洗浄水がリム吐水口28からボウル部12へ吐水されるので、ボウル部12内の旋回流が、リム部18を越えて溢れ出ることなく且つ汚物受け面16を良好に洗浄することができる。
2、102、202 便器本体
6、106、206 貯水タンク
6b 出口部
12 ボウル部
14 排水トラップ管路
16 汚物受け面
18 リム部
23 導水路
24 便器本体導水路
24a 入口部
24b 共通導水路
24c ゼット導水路
24d リム導水路
24e 縮径部
25、125、225 給水接続管
26 リム吐水口
28 ゼット吐水口
30、130 絞り部材
30a 基部リング部
30b、130b 圧損リング部
30c 上流端
30d 下流端
30e 外周面
30f 突起
30g 爪部
30h テーパー面
30i 外側向き外周面
G 隙間
L 溜水水位
W0 溜水面
Claims (9)
- 便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、
洗浄水を貯水する貯水タンクと、
ボウル形状の汚物受け面と、上縁部に形成されその内周面がオーバーハング形状又は略鉛直方向に立ち上がるように形成されたリム部と、を備えたボウル部と、このボウル部の下方にその入口が接続され汚物を排出する排水路と、上記リム部の内周面に洗浄水を吐水して旋回流を形成するリム吐水部と、上記貯水タンクに貯水された洗浄水を上記リム吐水部へ導く導水路と、を備えた便器本体と、を有し、
上記導水路に、上記貯水タンクの給水流量が大きいほど導水路の通水断面積が小さくなるように調節可能な絞り部材が設けられ、この絞り部材は、上記便器本体とは別部材で形成されていることを特徴とする水洗大便器。 - 上記便器本体は、上記ボウル部の汚物受け面の側方部分に開口するゼット吐水口から洗浄水を吐水するゼット吐水部を備え、上記導水路は、上記便器本体の上記ゼット吐水部まで延びるように分岐され、
上記導水路の上流側には、上記ゼット吐水部のゼット吐水口の断面積と上記リム吐水部の出口の断面積との合計よりも小さい通水断面積を有する縮径部が形成され、
上記絞り部材は、脱着可能に上記縮径部に取付けられ、この絞り部材を取り替えることにより、上記縮径部の通水断面積を変更できる請求項1に記載の水洗大便器。 - 上記導水路の上流側には、上記リム吐水部の出口の合計断面積よりも小さい通水断面積を有する縮径部が形成され、
上記絞り部材は、脱着可能に上記縮径部に取付けられ、この絞り部材を取り替えることにより、上記縮径部の通水断面積を変更できる請求項1に記載の水洗大便器。 - 上記絞り部材は、洗浄水の流れ方向に所定距離の長さにわたって延びる流路を形成し、通水断面積が上流端から下流端に向かって徐々に減少するように縮径されている請求項2又は3に記載の水洗大便器。
- 上記絞り部材の上流端の通水断面積は、上記絞り部材の上流側に接続される給水接続管の通水断面積とほぼ同一であり、且つ上記絞り部材の上流端における流路断面形状と上記給水接続管における流路断面形状とがほぼ同一断面形状に形成され、上記絞り部材の中心軸線と上記給水接続管の接続部分の中心軸線とはほぼ同軸上に配置されている請求項2乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 絞り部材が便器本体の縮径部に取付けられた状態において、上記絞り部材の外側向き外周面と上記便器本体の上記縮径部の内側向き内周面との間には所定間隔の隙間が形成されている請求項2乃至5の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 上記絞り部材は、外周面において、その円周上に所定間隔で設けられた複数の突起を備え、この突起の頂部には、内側から外側に向けて下り傾斜するテーパー面が形成され、このテーパー面が上記便器本体の上記縮径部と当接するようになっている請求項6に記載の水洗大便器。
- 上記絞り部材は、縮径部の下流側に掛かる爪部を備えている請求項2乃至7の何れか1項に記載の水洗大便器。
- 便器を洗浄して汚物を排出する水洗大便器であって、
洗浄水を貯水する貯水タンクと、
ボウル形状の汚物受け面と、上縁部に形成されその内周面がオーバーハング形状又は略鉛直方向に立ち上がるように形成されたリム部と、を備えたボウル部と、このボウル部の下方にその入口が接続され汚物を排出する排水路と、上記リム部の内周面に洗浄水を吐水して旋回流を形成するリム吐水部と、上記貯水タンクに貯水された洗浄水を上記リム吐水口へ導く導水路と、を備えた便器本体と、
上記導水路に、上記貯水タンクの給水流量が大きいほど導水路の通水断面積が小さくなるように調節可能な絞り部材が設けられ、この絞り部材は、上記便器本体とは別部材で形成され且つ便器本体に着脱可能であり、
上記絞り部材は、上記貯水タンクの給水流量が所定値よりも小さい場合には、取り外すことを特徴とする水洗大便器。
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