JP2015112312A - 塵芥収集車用消火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】火災があった場合に、蓄熱されたゴミによる二次的な火災を防ぐためにゴミ収容室を開放してゴミを取り出してもゴミが再び発火せず、消火するために使用する薬剤の量を少なくすることができる塵芥収集車用消火装置を提供する。
【解決手段】煙感知器3、熱感知器4又はガス感知器のうち少なくとも二種類以上の感知器と、不活性ガス消火器及び強化液消火器6と、不活性ガス消火器と第1配管により接続され、ゴミ収容室1内に位置する不活性ガス噴出ノズル52と、強化液消火器6と第2配管により接続され、ゴミ収容室1内に位置する強化液噴霧ノズル52と、不活性ガスの噴出と強化液の噴霧とを制御する制御装置7を備え、少なくとも二種類以上の感知器がゴミ収容室1内の火災を感知することにより、制御装置7によって不活性ガスがゴミ収容室1内に所定の時間噴出された後に強化液がゴミ収容室内に噴霧される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゴミ収容室を備えた車両に使用される消火装置であって、ゴミ収容室内で火災を複数の感知器により感知することにより複数の消火手段を組み合わせることで確実に火災を抑える、又は未然に火災を防止する消火装置に関する。
塵芥収集車は、車両と車両に搭載されたゴミ収容室と、ゴミ収容室の開口部に設けられたゴミ投入室とを備え、ゴミ投入室に配設されたゴミ押し込み装置などによって投入されたゴミを圧縮してゴミ収容室に収容する。
収容されたゴミには、紙製品、プラスチックなどの可燃物の他に、マッチ、ライター、可燃性ガスが封入されたスプレー缶などの引火性を有する物品が混入されていることがあるため、これらの引火性を有する物品が圧縮されることにより、圧縮による温度上昇、摩擦により発火して塵芥収集車が炎上することがしばしばある。
このような火災を防止するために、例えば、特許文献1には、ゴミ収納室に炭酸ガスなどの不活性ガスを噴射し、窒息消火により鎮火するゴミ収集車に搭載された消火装置が開示されている。
また、特許文献2には、ゴミ収集室に、火災を検知して消火薬剤を放射させて消火させる塵芥収集車用消火装置が開示されている。
特開2007−21134 特開2012−239484
しかしながら、先行特許文献1に記載のゴミ収集車に搭載された消火装置では、ゴミ収集室が閉じられた空間であるため炭酸ガスにより一時的に鎮火されているが、火災によりゴミが蓄熱しており二次的な火災を防ぐためにゴミ収集室のゴミを取り除こうとすると、外部から空気がゴミ収集室に流入し、再度ゴミに火が点くため作業者にとっても危険であった。
また、先行特許文献2に記載の塵芥収集車用消火装置では、火災の発生を熱により検知してから消火薬剤を噴射して消火を行うため、近年増加している夏場における猛暑日などには内部の温度が上昇し火災が発生しないにも係わらず消火作業を行うという誤作動があった。
そのため、本発明において、火災があった場合に、蓄熱されたゴミによる二次的な火災を防ぐためにゴミ収容室を開放してゴミを取り出してもゴミが再び発火することなく確実に消火することができ、夏場などにおける外気温が高いときにおいても誤作動することを防ぐことができる塵芥収集車用消火装置を提供することを目的とする。
〔1〕すなわち、本発明は、塵芥収集車のゴミ収容室内に設けられた煙感知器、熱感知器又はガス感知器のうち少なくとも二種類以上の感知器と、前記ゴミ収容室外に設けられ、不活性ガスを充填する不活性ガス消火器及び強化液を充填する強化液消火器と、前記不活性ガス消火器と第1配管により接続され、前記ゴミ収容室内に位置する不活性ガス噴出ノズルと、前記強化液消火器と第2配管により接続され、前記ゴミ収容室内に位置する強化液噴霧ノズルと、前記ゴミ収容室外に設けられ、前記不活性ガス消火器からの前記不活性ガスの噴出と前記強化液消火器からの前記強化液の噴霧とを制御する制御装置を備え、前記複数の感知器のうち少なくとも二種類以上の感知器がゴミ収容室内の火災を感知することにより、前記制御装置によって前記不活性ガスが前記ゴミ収容室内に所定の時間噴出された後に前記強化液が前記ゴミ収容室内に噴霧される制御が行われることを特徴とする塵芥収集車用消火装置である。
〔2〕そして、前記複数の感知器のうち少なくとも二種類以上の感知器がゴミ収容室内の火災を感知することにより、前記制御装置によって運転席に通報する制御を行うことを特徴する前記〔1〕に記載の塵芥収集車用消火装置である。
〔3〕そして、前記熱感知器が50℃以上の熱を感知したときに、前記制御装置によって前記不活性ガスの噴出と前記強化液の噴霧の制御が行われることを特徴する前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の塵芥収集車用消火装置である。
〔4〕そして、前記ゴミ収容室内の少なくとも一つの内面に凹凸を有する板状部材を備えることを特徴とする〔1〕から〔3〕のいずれかに記載の塵芥収集車用消火装置である。
前記〔1〕に記載の塵芥収集車用消火装置によれば、火災があった場合に、蓄熱されたゴミによる二次的な火災を防ぐためにゴミ収容室を開放してゴミを取り出してもゴミが再び発火することなく確実に消火することができ、また、夏場などにおける外気温が高いときにおいても誤作動することを防ぐことができる。
また、前記〔2〕に記載の塵芥収集車用消火装置によれば、さらに、塵芥収集車を運転しているときにでも運転者等に火災を知らせることができ、運転者等に対して塵芥収集車から離れるなどの行動を喚起して運転者等の身の安全を図ることができる。
また、前記〔3〕に記載の塵芥収集車用消火装置によれば、さらに、迅速に消火を行うことができる。
また、前記〔4〕に記載の塵芥収集車用消火装置によれば、さらに、ゴミ収容室にあるゴミとの間に隙間が生じるため、ゴミ収容室内の下の方に位置するゴミにも不活性ガスを送ることができ、窒息消火の効果を高めることができる。
本発明の一実施形態における消火装置を備えた塵芥収集車を一部破断した正面図である。 本発明の一実施形態における消火装置を備えた塵芥収集車を一部破断した正面図の部分拡大図である。 本発明の一実施形態における消火装置を備えた塵芥収集車を一部破断した平面図である。 本発明の一実施形態における消火装置を備えた塵芥収集車を一部破断した平面図の部分拡大図である。
以下、本発明に係る塵芥収集車用消火装置に関する実施の形態について、添付の図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この形態に限定されるものではない。なお、数値の範囲を示す表現については上限と下限を含むものである。
図1は、本発明に係る消火装置を備えた塵芥収集車Aのゴミ収容室1の一部を破断して外観を示した正面図である。図2は、図1のゴミ収容室1を部分拡大した図である。図3は、本発明に係る消火装置を備えた塵芥収集車Aのゴミ収容室1の天井を除いて当該消火装置を見易くした平面図である。図4は、図3のゴミ収容室1の天井を除いた消火装置を部分拡大した図である。ゴミ収容室1の内部の天井には、煙感知器3及び熱感知器4が設置され、そして、不活性ガス消火器5に接続された第1配管51の一部とその第1配管51の端部に不活性ガス噴出ノズル52が設置され、そして、強化液消火器6に接続された第2配管61の一部とその第2配管61の端部に強化液噴霧ノズル62が設置されている。
また、ゴミ収容室1の開口部と連接して設けられたゴミ投入室2の内部には、図示しないが、ゴミ投入室2の扉を開けてゴミを投入すると、投入したゴミをかき上げる回転板と、回転板によりかき上げられたゴミをゴミ収容室1に圧縮して押し込むための押し込み板を備える。
なお、ゴミ収容室1とゴミ投入室2は、図1に示した汎用的に使用されている形状に限定されず、略楕円柱形状などの他の形状であってもよい。
煙感知器3は、マッチ、ライター、可燃性ガスが封入されたスプレー缶などによって発熱することにより、ゴミ収容室1内のゴミが熱せられ発火点近傍まで温度上昇したときに発せられる煙、又は発火したときに生じる煙を感知するものであり、略円盤状の形状をしている。煙感知器3は、ゴミ収容室1の内部の天井において、ゴミ収容室1の左右幅の中央であって、ゴミ収容室1の前後方向における前方側である運転席8寄りに設けられている。
煙感知器3は、煙を感知するとゴミ収容室1の外部に設けられた制御装置7に情報を送り、ゴミ収容室1の内部で火災があることを伝える。
なお、煙感知器3は、感知器内に煙が入ることで極微弱な放射性物質による空気の電離状態が弱められることによりイオン電流の減少として煙を感知するイオン化式スポット型感知器であっても、感知器内に煙が入ることで内部の光源から発せられる光が屈折して受光素子に届くことより煙を感知する光電式スポット型感知器であってもよい。本実施形態においては、光電式スポット型感知器を用いている。
熱感知器4は、マッチ、ライター、可燃性ガスが封入されたスプレー缶などによって発熱することにより、ゴミ収容室1内のゴミが熱せられ発火点近傍まで温度上昇したときに発せられる熱、又は発火したときに生じる熱を感知するものであり、略円盤状の形状をしている。熱感知器4は、ゴミ収容室1の内部の天井において、ゴミ収容室1の左右幅の中央であって、ゴミ収容室1の前後方向における後方寄りに設けられている。
熱感知器4は、熱を感知するとゴミ収容室1の外部に設けられた制御装置7に情報を送り、ゴミ収容室1の内部で火災があることを伝える。熱感知器4は、50℃以上の熱を感知できることが好ましく、さらに60℃以上の熱を感知できることが好ましい。これらの温度以上から熱を感知できるものであれば、夏など外気温が高いときに誤作動せずに、大きな火災に発展する前の初期の段階から消火活動を行うことができることにより、被害の拡大を防ぎ、噴霧する強化剤の量を抑制することができる。
なお、熱感知器4は、バイメタルという2種類の熱膨張率の異なる金属板を貼り合わせたもので熱を受けるとよく膨張する金属が外側に、あまり膨張しない金属が内側になって曲がり、一定温度での曲がり具合によって電気的な接点を生じることにより熱を感知する定温式スポット型感知器や、2本の絶縁樹脂被服されたピアノ線(電線)を螺旋状に撚ったもので、火災の熱を受けて一定温度以上になると樹脂被服が融け、電線同士が接触することにより熱を感知する定温式感知線型感知器であっても、生じた熱により内部にある空気室内の空気が急激に膨張され、ダイヤフラムという隔膜が押し上げられ電気的な接点を生じることにより熱を感知する差動式スポット型熱感知器であってもよい。本実施形態においては、定温式スポット型感知器を用いている。その他、温度設定が可能な熱電対を用いることもできる。
本実施形態において、ゴミ収容室内1にガス感知器は設けられていないが、ガス感知器は、ゴミ収容室1内において、不完全燃焼により発生した一酸化炭素、燃料ガス容器から漏洩したプロパンガスなどの可燃性ガスなどの気体を感知するものであり、ゴミ収容室1の内部の天井の所定箇所に設けられる。そして、ガス感知器は、一酸化炭素などの気体を感知すると、ゴミ収容室1の外部に設けられた制御装置7に情報を送り、ゴミ収容室1の内部で火災があることを伝える。
なお、ガス感知器は、半導体の表面に気体が吸着することによって半導体の電気抵抗が減少することで感知する半導体式、電流を流している白金線に気体が接触するとわずかな燃焼を起こし白金線の電気抵抗が増加することで感知する接触燃焼方式、空気との熱伝導の差を利用して電流を流している白金線に気体が接触することによる温度変化で生じる電気抵抗が変化することで感知する気体熱伝導式などの感知器であってもよい。
このように、本実施形態において、ゴミ収容室1内に煙感知器3と熱感知器4の二種類の感知器が設けられているが、他の実施形態において、ゴミ収容室内1に煙感知器3とガス感知器の二種類の感知器が設けられていたり、熱感知器4とガス感知器の二種類が設けられていたり、煙感知器3と熱感知器4とガス感知器の三種類の感知器が設けられていてもよい。本実施形態において、煙感知器3と熱感知器4の二種類の感知器がともにゴミ収容室1内の火災を感知すると後述する制御装置によって消火作業が行われる。また、他の実施形態において、ゴミ収容室内1に煙感知器3とガス感知器の二種類の感知器が設けられているときには、煙感知器3とガス感知器の二種類の感知器がともにゴミ収容室1内の火災を感知すると後述する制御装置によって消火作業が行われ、そして、熱感知器4とガス感知器の二種類が設けられているときには、熱感知器4とガス感知器の二種類の感知器がともにゴミ収容室1内の火災を感知すると後述する制御装置によって消火作業が行われ、さらに、煙感知器3と熱感知器4とガス感知器の三種類の感知器が設けられているときには、三種類の感知器のうち少なくとも二種類又は全ての感知器がゴミ収容室1内の火災を感知すると後述する制御装置によって消火作業が行われる。このように、複数種類の感知器を設けて、それら複数種類の感知器がともに火災を感知することにより、火災の可能性が高いときのみ消火活動を行い、消火装置の誤作動を防止することができる。
また、本実施形態において、煙感知器3と熱感知器4の二種類の感知器がそれぞれ1個ずつ設けられている、他の実施形態において、煙感知器3と熱感知器4とガス感知器ぞれぞれの種類の感知器の個数は、特に限定されるものでなく、必要に応じて任意の個数に選択することができる。また、煙感知器3と熱感知器4とガス感知器ぞれぞれの種類の感知器は、それぞれ別個独立した感知器とすることもできるが、それらの感知器を一つの筐体にまとめることも出来る。
不活性ガス消火器5は、加圧された不活性ガスが耐圧ボンベに充填されたものであり、ゴミ収容室1の内部を不活性ガスで充満して酸素濃度を低下させて火災の延焼を防ぐ窒息消火を行うものである。不活性ガス消火器5は、図2に示すように、ゴミ収容室1の外部であって運転席側8に位置する。また、不活性ガス消火器5の上方には、不活性ガスの流路の開閉を行うソレノイドなどを有する図示しない起動部501と、不活性ガスを噴出する時間を制御するタイマーなどを有する制御部502とがある。
不活性ガスとしては、二酸化炭素、窒素、アルゴン、又はこれらのうち複数を所定の割合で混合した混合気体であってもよい。
第1配管51は、不活性ガス消火器5と接続されており、ゴミ収容室1に設けられた図示しない穿孔からゴミ収容室1の内部に入り、図2に示すように、コの字状に分岐して、煙感知器3及び熱感知器4の近傍まで張り巡らされている。第1配管51は、ゴミ収容室1内の熱などにより変形せず、生ゴミによる水分などに腐食されない材質であるステンレス、又は外層に防食処理が施された金属であることが好ましい。
不活性ガス噴出ノズル52は、第1配管51の分岐先に位置し、不活性ガス消火器5に充填された不活性ガスを噴出する出口である。不活性ガス噴出ノズル52は、煙感知器3及び熱感知器4の近傍に位置し、不活性ガスをゴミ収容室1内のゴミ全体に噴出する。
強化液消火器6は、種々化合物の水溶液である強化液が空気により例えば9.8kPaなどに加圧され耐圧ボンベに充填されたものであり、不活性ガスを所定の時間噴出した後に、ゴミ収容室1の内部に強化液を噴霧しゴミの熱を奪い発火点より温度を下げて火災の延焼を防ぐものである。強化液消火器6は、図2に示すように、ゴミ収容室1の外部であって運転席側8に位置する。また、強化液消火器6の上方には、強化液の流路の開閉を行うソレノイドなどを有する起動部601と、強化液を噴霧する時間を制御するタイマーなどを有する制御部602とがある。
強化液としては、界面活性剤に多糖類やリン酸塩水溶液などを配合した「リン酸塩系」やカリウム塩などの無機塩を有する水溶液を配合した「カリ塩系」である中性水溶液であることが好ましい。リン酸塩系の強化液では、冷却による消火作用だけでなく窒息により消火作用も有する。
第2配管61は、強化液消火器6と接続されており、ゴミ収容室1に設けられた図示しない穿孔からゴミ収容室1の内部に入り、図2に示すように、四方に分岐して、ゴミ収容室1の四隅の近傍まで張り巡らされている。第2配管61は、ゴミ収容室1内の熱などにより変形せず、生ゴミによる水分などに腐食されない材質であるステンレス、又は外層に防食処理が施された金属であることが好ましい。
強化液噴霧ノズル62は、第2配管61の分岐先に位置し、強化液消火器6に充填された強化液を噴出する出口である。強化液噴霧ノズル62は、ゴミ収容室1の四隅の近傍に位置し、強化液をゴミ収容室1内のゴミ全体に噴霧する。また、強化液は、強化液噴霧ノズル62により直径20μm以下の細かな粒子群からなる霧状として吐出され、ゴミ収容室1内で発生した熱による対流によってゴミの内部にまで浸透して消火する。
制御装置7は、煙感知器3及び熱感知器4からの信号を処理する制御回路、不活性ガス消火器5及び強化液消火器6などを制御する制御回路、運転席8に火災発生の通報を行う制御回路、外部電源からの配線を繋げる端子などが収納されている装置である。なお、制御装置7は、図1及び図2に示すように、不活性ガス消火器5の下方に設けられているが、他の場所に配置しても良い。
制御装置7は、煙感知器3及び熱感知器4の両方の感知器からの信号によって火災が発生したことを検知し、不活性ガス消火器5に取り付けられた起動部501に対してその内部にあるソレノイドを不活性ガスが噴出されるによう流路を開けるための制御を行う。そして、不活性ガス消火器5に取り付けられた制御部502が不活性ガスの噴出時間を計測し、予め設定された30〜50秒の所定時間が経過したことを制御装置7に通知する。その後、制御装置7は、起動部501に対してその内部にあるソレノイドを不活性ガスが噴出されないによう流路を閉じるための制御を行う。
その後、制御装置7は、強化液消火器6に取り付けられた起動部601に対してその内部にあるソレノイドを強化液が噴霧されるによう流路を開けるための制御を行う。そして、強化液消火器6に取り付けられた制御部602が強化液の噴霧時間を計測し、予め設定された70〜100秒の所定時間が経過したことを制御装置7に通知する。その後、さらに制御装置7は、2本目の強化液消火器6から強化液を噴霧させる同様の制御を行う。
このようにして、制御装置7は、煙感知器3及び熱感知器4の両方がゴミ収容室内1の火災を感知することにより、不活性ガスがゴミ収容室1内に所定の時間噴出された後に強化液がゴミ収容室1内に噴霧される制御を行う。先に不活性ガスを噴出させて鎮火させゴミ収容室1の内部温度を数百度から数十度に下げてから強化液でさらに温度を下げるので、ゴミが着火してから数分内に完全に消火することができる。なお、本実施形態において、不活性ガス消火器5内の不活性ガスが全て噴出した後に、強化液消火器6内の強化液が噴霧されるように制御しているが、まず不活性ガス消火器5内の不活性ガスを噴出した後に強化液消火器6内の強化液が噴霧されるように制御すればよく、他の実施形態において、不活性ガス消火器5内の不活性ガスを噴出している最中に強化液消火器6内の強化液が噴霧されるように制御することができる。
また、制御装置7は、煙感知器3及び熱感知器4から火災があるとの信号を受けてとると、有線又は無線により運転席8内に設けられた図示しないディスプレイに火災があることを表示させる命令を発したり、運転席8内に設けられた図示しない警報機に警告音を鳴らさせる命令を発したりすることができる。これにより、運転席に通報して運転者及び同乗する作業者に対して塵芥収集車Aから離れるなどの行動を喚起して運転者の身の安全を図ることができる。また、運転席8内にディスプレイに設けられている場合には、消火の状況、すなわち、不活性ガスが噴出されている、強化液が噴霧されているなどの経過情報、及び、煙感知器3又は熱感知器4がなおも火災を感知しているかなどの消火の具体を表示させることもできる。
さらに、ゴミ収容室1内の天井、内周側面、底面のうち少なくとも1つの内面に、図示しない横又は縦に互い違いに所定幅の突部と溝部を有する洗濯板様の板状部材、又は格子状に突部と溝部を有する板状部材が、突部と溝部がゴミに接触するように設置することができる。このように、凹凸を有する板状部材をゴミ収容室1内の内周側面に設置することにより、不活性ガスが、不活性ガス噴出ノズル52と対向するゴミだけでなく、板状部材とゴミとの隙間に入り込み窒息消火の効果を高めることができる。なお、板状部材は、ゴミ収容室1内の熱などにより変形せず、生ゴミによる水分などに腐食されない材質であるステンレス、又は外層に防食処理が施された金属であることが好ましい。
A・・・塵芥収集車
1・・・ゴミ収容室
2・・・ゴミ投入室
3・・・煙感知器
4・・・熱感知器
5・・・不活性ガス消火器
501・起動部
502・制御部
51・・第1配管
52・・不活性ガス噴出ノズル
6・・・強化液消火器
601・起動部
602・制御部
61・・第2配管
62・・強化液噴霧ノズル
7・・・制御装置
8・・・運転席

Claims (4)

  1. 塵芥収集車のゴミ収容室内に設けられた煙感知器、熱感知器又はガス感知器のうち少なくとも二種類以上の感知器と、
    前記ゴミ収容室外に設けられ、不活性ガスを充填する不活性ガス消火器及び強化液を充填する強化液消火器と、
    前記不活性ガス消火器と第1配管により接続され、前記ゴミ収容室内に位置する不活性ガス噴出ノズルと、
    前記強化液消火器と第2配管により接続され、前記ゴミ収容室内に位置する強化液噴霧ノズルと、
    前記ゴミ収容室外に設けられ、前記不活性ガス消火器からの前記不活性ガスの噴出と前記強化液消火器からの前記強化液の噴霧とを制御する制御装置を備え、
    前記複数の感知器のうち少なくとも二種類以上の感知器がゴミ収容室内の火災を感知することにより、前記制御装置によって前記不活性ガスが前記ゴミ収容室内に所定の時間噴出された後に前記強化液が前記ゴミ収容室内に噴霧される制御が行われることを特徴とする塵芥収集車用消火装置。
  2. 前記複数の感知器のうち少なくとも二種類以上の感知器がゴミ収容室内の火災を感知することにより、前記制御装置によって運転席に通報する制御を行うことを特徴する請求項1に記載の塵芥収集車用消火装置。
  3. 前記熱感知器が50℃以上の熱を感知したときに、前記制御装置によって前記不活性ガスの噴出と前記強化液の噴霧の制御が行われることを特徴する請求項1又は請求項2に記載の塵芥収集車用消火装置。
  4. 前記ゴミ収容室内の少なくとも一つの内面に凹凸を有する板部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の塵芥収集車用消火装置。
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