JP3179000U - 自動消火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】火災を初期の段階で電気を使用して装置を作動させることなく安全且つ確実に自動消火させる自動消火装置を提供する。
【解決手段】内部に消火剤及び圧力剤を収容している耐圧容器10と、耐圧容器10の開口部に連結されている容器弁12と、容器弁12に設けられている2以上の放出口14,14と、放出口14,14に各々連結されている2以上の火災探知チューブ16,16とを備え、火災探知チューブ16,16は火災の熱で穴が開く合成樹脂からなり、各火災探知チューブ16,16は別々の出火危険領域に配設されている。
【選択図】図3

Description

本考案は、電気を使用したセンサーや制御装置を使用せず、火災の熱だけで火災を感知し、この火災の火元に消火剤を自動的に放出させて火災を初期の段階で消し止めるようにした自動消火装置に関するものである。
従来のこの種の自動消火装置としては、図5に示すようなものが知られている。この自動消火装置は、同図に示すように、内部に消火剤及び圧力剤が充填された耐圧容器10と、耐圧容器10の出口に連結された容器弁12と、容器弁12の放出口14に連結された火災探知チューブ16とを備えたものからなり、火災探知チューブ16は火災の熱で穴が空く特殊な合成樹脂からなる。
火災探知チューブ16は出火の危険性がある機器、例えば発電機、エスカレーター機械室、配・分電盤、変圧器、車のエンジンルーム、船舶のエンジンルーム、建設重機のエンジンルーム等の出火危険領域Zに蛇行させた状態で配設される。火災探知チューブ16の端部にはエンドアダプター18が連結されている。
この自動消火装置は、図6に示すように、火災の感知から火災の消火までを行っている。
すなわち、火災探知チューブ16は出火危険領域Zをカバーし、出火危険領域Zのどこかで出火して火災になると、この火災の熱によって出火箇所の近傍で火災探知チューブ16の出火箇所に面した側に穴が空く。自動消火装置の容器弁12は開状態になっていて、火災探知チューブ16の内部と耐圧容器10の内部は連通しているので、この穴から火災探知チューブ16内の圧力剤及び耐圧容器10内の圧力剤が放出され、耐圧容器10の内部の消火剤が圧力剤によってこの穴まで運ばれ、この穴から消火剤が圧力剤とともに外に噴出し、出火箇所に吹き付けられ、火災が消し止められる。
この自動消火装置は、電気を用いて火災を検知したり作動するものではないので、火災の検知や作動の際に電気の火花を生ずることがなく、可燃性のガスや粉塵が多い場所に設置しても電気の火花で可燃性のガスや粉塵に火が付いて爆発する心配が無く、防爆エリアにおいても安心して使用することができるという利点がある。
また、この自動消火装置は、火災発生を光学的に検知するわけではなく、合成樹脂製の火災探知チューブに火災の熱で穴が開くことにより火災を検知するので、センサーである火災探知チューブが長期間の設置で汚れても、火災を検知する機能が低下したり、機能しなくなるおそれはないという利点がある。
また、この自動消火装置は、電気を用いたセンサーや制御装置を使用しておらず、火災探知チューブがセンサーになっていて、しかも消火剤を火元まで自動的に運ぶようになっているので、停電等により電源喪失した場合でも火災がすみやかに消火されるという利点がある。
また、この自動消火装置は、電気を用いたセンサーや制御装置を使用していないので、電源として電池が不要で、電池の交換ないしメンテナンスをしなくて済み、長期間設置による電池の自然放電でセンサーや制御装置の機能停止を心配をしなくて済むという利点がある。
従来のこの種自動消火装置はこのように種々の利点を有するものである。しかし、この自動消火装置の火災探知チューブ16を、図5に示すように、広い範囲の出火危険領域Zに蛇行させて配設させた場合、複数箇所で同時に出火すると、一本の火災探知チューブ16の複数箇所が同時に破れる可能性が高くなる。
そして、火災探知チューブ16がこのように破れた場合、消火剤は耐圧容器10に近い破れ箇所(火災1)から先に放出され、そこから先の火災探知チューブ16内の圧力が低下し、耐圧容器10から遠い破れ箇所(火災2)からは消火剤が十分に放出されず、その箇所の消火が難しくなるおそれがあるという問題がある。
特開2004−202415号公報 特開2005−034431号公報 特開2006−068294号公報
本考案が解決しようとする課題は、広い範囲の出火危険領域において発生した2以上の火災を同時に並行して確実に消火できるようにする自動消火装置を提供する点である。
本考案は、2以上の箇所から同時に出火しても同時に消火可能とするため、耐圧容器の消火剤放出口を複数カ所設け、該消火剤放出口に複数の火災探知チューブを各々取り付け、複数の出火危険領域を複数の火災探知チューブで別々にカバーするようにしたことを最も主要な特徴とする。
本考案は、更に詳しく説明すれば、内部に消火剤及び圧力剤を収容している耐圧容器と、該耐圧容器の開口部に連結されている容器弁と、該容器弁に設けられている2以上の放出口と、該放出口に各々連結されている2以上の火災探知チューブとを備え、該火災探知チューブは火災の熱で穴が開く合成樹脂からなり、該火災探知チューブは出火危険箇所に配設され、該火災探知チューブの該放出口に連結されていない側の端部は各々閉じられ、該火災探知チューブの内部と該耐圧容器の内部とは該容器弁が開状態で連通しているものである。
ここで、前記耐圧容器の内部の圧力は、1.0MPa〜1.8MPaにして、火災が2カ所以上で発生し、2以上の放出口から消火剤が同時に放出された場合の消火剤の放出圧力の低下を防止できるようにするのが好ましい。また、前記火災探知チューブの端部には圧力ゲージをエンドアダプターを介して取り付けて、火災探知チューブ内の圧力をチェックできるようにしてもよい。また、前記火災探知チューブにプロテクションスプリングを被覆させて火災探知チューブが物理的に押し潰されて破損しないようにしてもよい。
本考案の自動消火装置は、複数箇所が同時に出火して火災になっても、1本の火災探知チューブの複数箇所が同時に破れる可能性が少なくなり、火災を消し損じる可能性がより少なくなり、安全性がより高くなるという利点がある。
図1は本考案の一実施例に係る自動消火装置の容器弁の説明図である。 図2は本考案の一実施例に係る自動消火装置の容器弁の斜視図である。 図3は本考案に係る自動消火装置の一例の説明図である。 図4は本考案に係る自動消火装置の動作工程を示す説明図である。 図5は従来の自動消火装置の説明図である。 図6は従来の自動消火装置の動作工程を示す説明図である。
同時に発生した複数の火災を初期の段階で自動的且つ確実に消火するという目的を、簡単な構成で、コストを高めることなく実現した。
図1は本考案の一実施例に係る自動消火装置の容器弁の説明図、図2は本考案の一実施例に係る自動消火装置の容器弁の斜視図、図3は本考案に係る自動消火装置の一例の説明図であり、これらの図において、10は耐圧容器であり、耐圧容器10の内部には消火剤及び圧力剤が収容されている。消火剤としては、粉末、泡、水(添加剤等を含む)及びFK−5−1−12(ドデカフルオロ−2−メチルペンタン)等が使用され、圧力剤としては窒素ガスが使用されている。耐圧容器10の内部は圧力剤によって1.0MPa〜1.8MPaに加圧されている。
耐圧容器10の上部には消火剤及び圧力剤の出口としての容器弁12が取り付けられている。容器弁12には2個の放出口14,14が接続され、放出口14,14には2本の火災探知チューブ16の端部が各々接続されている。火災探知チューブ16は2カ所の出火危険箇所に各々蛇行設置されている。火災探知チューブ16の他方の端部はエンドアダプター18によって閉じられている。
設置された自動消火装置の容器弁12及び放出口14は開状態になっていて、耐圧容器10の内部と火災探知チューブ16の内部とは連通し、火災探知チューブ16の内部は前記圧力剤によって火災探知チューブ16が膨張する方向に加圧されている。そして、火災探知チューブ16は、火災の熱によって加熱されると、内部の圧力が作用して局部的に破裂して穴が開く、そのような材質の合成樹脂で形成されている。
なお、火災探知チューブ16の他方の端部に圧力ゲージをエンドアダプター18を介して取り付け、火災探知チューブ16の内部の圧力をチェックして、自動消火装置が正常に作動するか否かを監視するようにしても良い。
また、火災探知チューブ16の他方の端部にエンドアダプター18を介して圧力スイッチを取り付け、火災探知チューブ16内の圧力の低下によって警報機を作動させたり、火災監視対象機械を停止させるようにしてもよい。
また、火災探知チューブ16の外側にプロテクションスプリングを同軸に被覆させて、火災探知チューブ16が物理的に押し潰されて消火剤及び圧力剤の送給機能が低下した状態にならないようにしても良い。
次に、この自動消火装置の動作を、図4を参照しながら説明する。
まず、出火危険領域Zのどこかで出火して火災になると、出火危険領域Zをカバーしていた火災探知チューブ16は、出火箇所の近傍において出火箇所に面した側の一部がこの火災の熱で所定温度以上に熱せられて弱くなり、この弱くなった部分が圧力剤の圧力により破裂し、火災探知チューブ16に穴が形成される。
自動消火装置の容器弁12は開状態になっていて、火災探知チューブ16の内部と耐圧容器10の内部は連通しているので、破裂により形成された穴から火災探知チューブ16内の圧力剤及び耐圧容器10内の圧力剤が放出され、耐圧容器10の内部の消火剤が圧力剤によってこの穴まで運ばれ、この穴から消火剤が圧力剤とともに外に噴出する。
火災探知チューブ16に形成された穴は火元の熱で形成されたものなので、穴は火元のすぐ近くにおいて火元に面して形成されているので、消火剤は穴から噴出し、火元に対してすぐ近くから正確に吹き付けられ、従って、火災は極めて効果的に消し止められることになる。
このように、この自動消火装置の火災探知チューブ16は、穴が開くことによって火災をいち早く感知するセンサーとし働き、また、消火剤を火元に運ぶパイプとして働き、更に、消火剤を火元に対して自動的に放出するノズルとして働く。
この自動消火装置は、上述のように、電源を用いることなく作動するので、作動させるための電源が不要で、停電等の影響を受けず、しかも火災の熱で直接作動するので、極めて信頼性に優れている。
また、この自動消火装置は、電気配線が一切不要で、作動のために電気を使用しないので、電気火花が発生せず、可燃性のガス・蒸気を取り扱う工場の防爆エリアに設置することができる。
また、この自動消火装置は、火災感知のメカニズムが以上説明した通りなので、火災探知チューブが埃・油汚れ等で汚れても、センサーとしての機能の低下は全くなく、従って、極めて信頼性に優れている。
また、この自動消火装置は、簡単に曲げることのできる合成樹脂製の火災探知チューブを用いているので、設置場所の形状を問わなくて済み、ボックスのような空間やアクセスの難しい場所、もしくはガードしにくい所などにも火災探知チューブを這わせることができる。
また、この自動消火装置は、このようにシンプルな構造で、メンテナンスが簡単(一定の期限毎に圧力計のチェックで足りる)なので、ランニングコストが最小限に抑えられ、非常に経済的である。
また、オプションの圧力センサーを付けることで、作動時のアラーム警報や移報出力も可能になり、より高い防災効果が得られる。
本考案は消火剤がCOの場合、レーザー加工機、集塵機、NC旋盤、発電機、エスカレーター機械室、配・分電盤、変圧器、可燃物保管庫、化学実験装置、トランクルーム、NC旋盤、超仕上盤、研磨機、圧延機、集塵機、印刷機、焼き入れ設備、塗装ブース、溶接機、その他各種自動機械、IPA洗浄機、スピンコータ、自動半田槽、混合機、調合機他の火災の消火に適用できる。また、本考案の消火剤がABC粉末の場合、車のエンジンルーム、船舶のエンジンルーム、建設重機のエンジンルーム、油類貯蔵庫、自動車、列車、レジャーボートのエンジンルーム、発電機、織物機械他の火災の消火に適用できる。
10 耐圧容器
12 容器弁
14 放出口
16 火災探知チューブ
18 エンドアダプター

Claims (6)

  1. 内部に消火剤及び圧力剤を収容している耐圧容器と、該耐圧容器の開口部に連結されている容器弁と、該容器弁に設けられている2以上の放出口と、該放出口に各々連結されている2以上の火災探知チューブとを備え、該火災探知チューブは火災の熱で穴が開く合成樹脂からなり、該火災探知チューブは出火危険箇所に配設され、該火災探知チューブの該放出口に連結されていない側の端部は各々閉じられ、該火災探知チューブの内部と該耐圧容器の内部とは該容器弁が開状態で連通していることを特徴とする自動消火装置。
  2. 前記耐圧容器の内部が1.0MPa〜1.8MPaの範囲の圧力になっていることを特徴とする請求項1に記載の自動消火装置。
  3. 前記火災探知チューブの端部に圧力ゲージがエンドアダプターを介して取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動消火装置。
  4. 前記火災探知チューブの端部に、警報機を作動させたり、火災監視対象機械を停止させる圧力スイッチがエンドアダプターを介して取り付けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動消火装置。
  5. 前記火災探知チューブがプロテクションスプリングによって被覆されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動消火装置。
  6. 防爆エリアに設置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動消火装置。
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