JP5301345B2 - 塵芥収集車及び塵芥収集車の消火方法 - Google Patents

塵芥収集車及び塵芥収集車の消火方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5301345B2
JP5301345B2 JP2009107946A JP2009107946A JP5301345B2 JP 5301345 B2 JP5301345 B2 JP 5301345B2 JP 2009107946 A JP2009107946 A JP 2009107946A JP 2009107946 A JP2009107946 A JP 2009107946A JP 5301345 B2 JP5301345 B2 JP 5301345B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water vapor
fire
dust
storage box
foam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009107946A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010254449A (ja
Inventor
赤虹 廖
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Morita Holdings Corp
Original Assignee
Morita Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Morita Holdings Corp filed Critical Morita Holdings Corp
Priority to JP2009107946A priority Critical patent/JP5301345B2/ja
Publication of JP2010254449A publication Critical patent/JP2010254449A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5301345B2 publication Critical patent/JP5301345B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Refuse-Collection Vehicles (AREA)

Description

本発明は、塵芥収集車及び塵芥収集車の消火方法に関する。
塵芥収集車は、塵芥を収容する塵芥収容箱と、塵芥収容箱の後部開口に取付けられた塵芥投入箱と、塵芥投入箱に設けられた押込み手段とを主に備え、塵芥投入箱に投入された塵芥を押込み手段により塵芥収容箱に押込んで収容するものである。
ところで、廃棄物は、家庭などから排出される一般廃棄物と、生産活動に伴って生じる産業廃棄物と、し尿等に分類される。そして、それぞれの工程で種々の事故が発生する。一般廃棄物における事故の22%が火災である。この火災も、貯蔵時に34%であり、収集運搬時(塵芥収集車を使用した運搬時)に40%で発生していた。試算によると塵芥収集車の火災・爆発事故は、全国で1000件以上発生している。
塵芥収集車によって収集する廃棄物には、内部ガスが残っているLPG缶等の爆発物や発火物が含まれている場合がある。このように爆発物や発火物等が含まれていれば、火災が発生するおそれがある。特に、プレス式塵芥収集車の場合、塵芥を押圧プレートにより圧縮しながら塵芥収容箱の奥側に押し込んで収納する。このため、廃棄物に、内部ガスが残っているLPG缶等の爆発物等が含まれている場合、LPG缶が前記圧縮によって、押圧力が付与されてガス漏れを起し、このガスが圧縮により発生した熱や摩擦の花火で発火して塵芥収容箱の内部で火災が発生する。塵芥収集車の塵芥収容箱内部で火災が生じれば、塵芥収集車の外部から消火することが困難であった。なお、LPGはプロパンとブタンを主とした炭化水素の混合物である。
このような塵芥収集車の火災に対する消火方法としては、液体消火剤(水)とガス系消火剤(CO2等)を注入する方法がある。このため、塵芥収集車に消火剤を収容したタンクを積載し、このタンク内の消火剤を塵芥収容箱内に投入する導入管を設け、消火剤を塵芥収容箱内に散布することで塵芥収容箱の内部の火災を消火することができる車両用消火装置を備えた塵芥収集車が提案されている(特許文献1から特許文献3)。特許文献1及び特許文献3では、液体消火剤を用いている。特許文献2では、消火剤の種類について直接的な記載はないが、ガス系消火剤等が用いられている。
さらには、塵芥収容箱に排気ガスを導入することによって、塵芥収容箱の内部の火災を消火する塵芥収集車が提案されている(特許文献4)。
また、塵芥収集車自体に消火装置を設けず、外部の消防車、または消火栓や貯水槽等から水を散水する方法もある。
特開2003−95404号公報 特開2003−250925号公報 実用新案登録第3086167号公報 特開2005−323855号公報
しかしながら、前記特許文献1及び特許文献3に示すように、消火剤を収容したタンクを積載するものでは、消火剤が液体消火剤であり、消火装置全体の重量が大となり、塵芥収集車の有効載積量を損なうことになる。また、消火剤を塵芥収容箱に散布するために、散水ノズルを塵芥収容箱内に配置することになる。しかしながら、塵芥収容箱では、塵芥の積み込みと排出とを行う必要があり、塵芥収集車内にこのような散水ノズルがあれば、塵芥の積み込み・排出作業の妨げとなる。しかも、液体消火剤では、拡散性に劣り、効率よく消火することができない。また、特許文献1及び特許文献3に示すように、天井壁内面に密着状に散水ノズルを配置することによって、塵芥の積み込み・排出作業の妨げを防止することができる。しかしながら、このように、散水ノズルを天井壁内面に密着させれば、消火剤の散布範囲が狭くなるとともに、塵芥内部への消火剤の供給が困難となる。このため、密集した可燃物内部にある火元に消火剤が届きにくく、消火が困難となる。
ガス系消火剤を用いた場合、液体消火剤よりも拡散しやすく、密集した可燃物内部の火元まで届きやすくなる。しかしながら、ガス系消火剤を用いた場合には、一定のガス濃度を一定時間以上維持させなけば、完全消火を図ることができない。ところが、火災が起こり易いプレス式塵芥収集車の塵芥収容箱の気密性が低く、しかも、消火剤収納するタンクの容量も限られるため、塵芥収容箱内を前記濃度にし難いものである。このため、気密性が低いままでは、一旦火災が発生すれば、完全消火が困難であった。そこで、密封性を高めようとすれば、隙間をシールする必要があり、この塵芥収集車の組立性が劣ることになるとともに、コスト高となる。しかも、酸素濃度を低下させるまでは消火できず、この間に、塵芥収容箱のシール構造部が火炎で損壊するおそれがある。このように、シール構造部が損壊すれば、この損壊した部位から、ガス系消火剤が外部へ流出して、塵芥収容箱内の酸素濃度を低下させることができず、塵芥収容箱内での消火が困難となる。さらには、使用後においては、タンクへ再度ガス系消火剤を充填する必要があり、そのため、詰め替え作業があって、作業性に劣るものとなっていた。
特許文献4に記載のものように排気ガスを利用するものでは、エンジンが停止している状態では、排気ガスが排出されない。このため、このようにエンジンが停止している状態で火災が発生した場合、排気ガスを塵芥収容箱に供給することができず、消火機能を発揮することができなかった。
また、排気ガスを利用するものでは、塵芥収容箱全体を排気ガスで充満させて、塵芥収容箱内部の酸素濃度を低下させ、これによって消火するものである。このため、供給された排気ガスが塵芥収容箱から流出しないように、ガス系消火剤を用いた場合と同様、塵芥収容箱を密封性に優れたものとする必要がある。
消防車両から水を散水する場合、火災が発生してから消防車両の到着を待つ必要があり、その間に、火災が拡大することになる。このように火災が拡大すれば、塵芥収容箱を切断等して内部の塵芥を掻き出し、この状態で消火することになる。このような事態となれば、煙、臭気、及び汚水による周辺環境へ悪影響を及ぼすことになる。
また、貯水槽等から散水する場合、火災が発生した場所に、貯水槽等がなければ、消火作業を行うことができない。
上記課題に鑑みて、塵芥収容箱において発生した火災を抑制または消火できることが可能な塵芥収集車を提供する。
本発明の塵芥収集車は、塵芥収容箱を備えた塵芥収集車において、消火用の水蒸気を前記塵芥収容箱内に供給する水蒸気発生手段と、塵芥収容箱と外気とを遮断するための泡を発生する泡発生手段を備え、水蒸気発生手段は、塵芥収集車の天井壁が下壁を構成する水蒸気発生室と、水蒸気発生室と塵芥収容箱内とを連通する水蒸気注入路とを有し、塵芥収容箱内の火災発生により前記天井壁が加熱されて、この加熱によって、水蒸気発生室に供給された液体から水蒸気を生成し、この水蒸気を水蒸気注入路を介して塵芥収容箱内に供給するとともに、前記泡発生手段から塵芥収容箱へ泡を供給することによって、塵芥収容箱内を密封状態に維持し、火災発生により塵芥収容箱内の環境温度を60℃以上に上昇することによって、塵芥収容箱内の水蒸気濃度を有炎燃焼抑制可能な20%程度とするものである。
ところで、二酸化炭素の消炎濃度は22%であり、不活性ガスの中で最も消火性能が高い。しかしながら、二酸化炭素を貯蔵するには、専用の高圧容器が必要であり、補給するには手間と費用がかかるため、塵芥収集車の消火装置として普及しにくい。水蒸気は二酸化炭素と同等の消火能力をもっているとの研究がある(「水蒸気の燃焼限界に及ぼす影響」日本火災学会研究発表概要集(第232頁〜第235頁)2001年5月発行)。このため、塵芥収容箱1内の水蒸気濃度を20%程度に維持できれば、有炎燃焼が抑制される。すなわち、水蒸気は、不活性ガス的な性質を持ち、その窒息効果・希釈効果により火災を抑制または消火することができる。通常、常温における飽和水蒸気の濃度は約3%である。しかしながら、環境温度が60℃に上昇すれば、飽和水蒸気の濃度は、燃焼を抑制することができる前記20%程度に達する。
そこで、本発明の塵芥収集車では、液体を加熱することによって発生する水蒸気を塵芥収容箱に供給するようにした。これによって、塵芥収容箱内の水蒸気の濃度を高くして、水蒸気の窒息効果・希釈効果により、塵芥収容箱内の火災を抑制または消火することが可能となった。しかも、液体消火剤(例えば、水)を直接的に噴射する場合に比べて、水蒸気は水の状態に比べて体積が大きくなる(1気圧100℃の状態であれば、1700倍となる)。このため、水蒸気とする液体(例えば、水)の使用量を大幅に少なくできる。
このような水蒸気発生手段では、火災発生によって、水蒸気発生室に供給された液体が蒸発して水蒸気を発生する。この際、水蒸気注入路にて、水蒸気発生室と塵芥収容箱内とを連通しているので、水蒸気発生室内で発生した水蒸気が水蒸気注入路を介して塵芥収容箱内に供給される。
水蒸気生成用の液体を収容されたタンクと、タンク内の液体を水蒸気発生室に供給するポンプと、消火基準温度を決定する基準部位での温度を検出する温度センサと、基準部位の温度が前記消火基準温度である設定温度を越えたときにポンプを駆動して水蒸気発生室にタンク内の液体を供給するとともに前記基準部位の温度が設定温度よりも低くなったときにポンプの駆動を停止して液体の水蒸気発生室への供給を停止する制御手段とを設けるのが好ましい。この場合、基準部位としては、少なくとも、水蒸気発生室が付設される塵芥収集箱の壁部と、水蒸気発生室を構成するケーシング壁と、水蒸気発生室内部とのいずれかの1つの部位又は複数の部位とすることができる。また、設定温度としては、水蒸気を発生してその水蒸気が塵芥収容箱に供給されて塵芥収容箱内の飽和水蒸気を常温の飽和水蒸気以上の濃度とする温度である。ここで、壁部とは、塵芥収容箱の天井壁及び側壁を含むものである。このため、本発明において、壁部と言う場合、天井壁を指す場合や側壁を指す場合がある。
火災が発生して基準部位(例えば、塵芥収容箱の壁部)の温度が設定温度を越えたときには、この制御手段によって、水蒸気発生室内に液体が供給され、この液体が水蒸気を発生(生成)して塵芥収容箱内にその水蒸気を供給することができる。また、基準部位(例えば、塵芥収容箱の壁部)の温度が消火と判断するに足りる設定の温度よりも低下すれば、火災が抑制しているので、水蒸気発生室内への液体の供給を停止することができる。水蒸気発生室が塵芥収集箱の天井壁に付設され、この天井壁を介して前記水蒸気発生室の水蒸気が塵芥収集箱内に供給され、かつ前記基準部位が、天井壁であるようにできる。
また、塵芥収容箱と外気とを遮断するための泡を発生する泡発生手段を備えるようにするのが好ましい。すなわち、泡発生手段にて発生させた泡にて、塵芥収容箱と外気とを遮断することができる。このように塵芥収容箱と外気とを遮断した状態とすれば、火災が発生した場合に、火災によって塵芥収容箱内の酸素が消費され、酸素濃度が低下する。
水蒸気発生手段の水蒸気発生室へ供給される液体を、前記泡発生手段に供給されてこの泡発生手段にて泡を発生する泡発生用溶液にて構成することができる。すなわち、水蒸気を生成する液体と、泡を発生させる液体との共有化を図ることができる。
泡発生手段は、泡発生用溶液と空気とを混合させる泡発生器を備えたものであってもよい。また、水に泡発生剤と空気を泡発生器内で混合する発泡装置を用いるものであってもよい。
本発明の塵芥収集車の消火方法は、塵芥収容箱に付設された水蒸気発生室を火災の発生熱によって加熱して、水蒸気発生室内に水蒸気を発生させ、この水蒸気を前記塵芥収容箱に供給し、塵芥収容箱に付設される泡発生手段から塵芥収容箱へ泡を供給することによって、塵芥収容箱と外気とを遮断して塵芥収容箱内を密封状態に維持し、火災発生により塵芥収容箱内の環境温度を60℃以上に上昇することによって、塵芥収容箱内の水蒸気濃度を有炎燃焼抑制可能な20%程度として、この塵芥収容箱の塵芥に発生した火災を消火するものである。
本発明によれば、水蒸気の窒息効果・希釈効果によって、塵芥収容箱内の火災を抑制または消火することが可能となり、この消火によって塵芥収容箱の焼損を防止できる。しかも、水蒸気はガスであるので、重量の影響を受けることなく、塵芥内部まで充満でき、液体消火剤(例えば、水)では困難であった塵芥内部における火災を消火することができる。また、液体消火剤(例えば、水)を直接的に噴射する場合に比べて、水蒸気とする液体(例えば、水)の使用量を大幅に少なくでき、低コスト化を図ることができる。
水蒸気発生手段は、水蒸気発生室と、水蒸気発生室と塵芥収容箱内とを連通する水蒸気注入路とを備えたものでは、水蒸気を発生させるために、別途加熱手段を必要とせず、装置全体のコンパクト化を図ることができるとともに、コスト低下を達成できる。また、水蒸気発生室への水蒸気の供給は水蒸気注入路にて行うものであるので、水蒸気注入路は、水蒸気発生室および塵芥収容箱に開口していればよく、水蒸気注入路の塵芥収容箱側の開口部が大きく塵芥収容箱内に突出する必要がなく、水蒸気注入路によって塵芥の積み込み・排出作業が妨げられない。
制御手段を備えたものでは、火災が発生して基準部位(例えば、塵芥収容箱の壁部)の温度が設定温度を越えたときには、水蒸気発生室内に液体を供給して、火災発生中に順次水蒸気を塵芥収容箱に供給することができる。このため、火災発生中においては、水蒸気による消火機能を安定して発揮させることができる。また、火災が鎮火すれば、水蒸気発生室内への液体の供給を停止することができる。しかも、液体消火剤(例えば、水)を直接的に噴射する場合に比べて、水蒸気とする液体(例えば、水)の使用量を大幅に少なくでき、この液体(例えば、水)を貯水するためのタンクの容量を小さくできる。これによって、装置の軽量化を図ることができ、この塵芥収集車の有効積載量を損なわずに済む。さらに、水蒸気にて消火するものであるので、ガス系消火剤を使用する必要がなく、その分、塵芥収集車に搭載される液体を短時間で、オペレータ(ユーザ)がタンク等に簡単に供給することができる。
泡発生手段を備えたものでは、泡発生手段にて発生させた泡にて、塵芥収容箱と外気とを遮断することができる。このため、塵芥収容箱内において、火災が発生した場合、酸素濃度が低下することによって、短時間で消火することができる。また、塵芥収納箱の密封性確保のためにシール装置(パッキン等のシール材)を配置することなく、火災発生時に泡を発生させればよい。このため、この塵芥収集車を、密封性に優れたものとして組み立てる必要がなく、組立性の向上を図ることができる。
水蒸気を生成する液体と、泡を発生させる液体との共有化を図ることができるものでは、水蒸気を生成する液体と泡を発生させる液体との2種類の液体をこの塵芥収集車に搭載する必要がなくなって、塵芥収集車の軽量化を図ることができる。また、水に泡発生剤と空気を泡発生器内で混合する発泡装置を用いれば、水蒸気発生室へ供給される液体としては、泡発生用溶液を用いる必要がなくなるので、この水蒸気発生室へ供給される液体は、水道水等の水100%を用いることができ、水蒸気発生室等の洗浄の簡略化を図ることができる。
本発明の実施形態を示す塵芥収集車の簡略斜視図である。 前記塵芥収集車の水蒸気発生手段の要部拡大断面図である。 前記塵芥収集車の泡発生手段の要部拡大断面図である。 他の泡発生手段の簡略構成図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
図1に本発明に係る塵芥収集車を示している。この塵芥収集車は、後方開口部を有する塵芥収容箱1と、この塵芥収容箱1の後方開口部に開閉自在に取付けられる塵芥投入箱2とを備える。塵芥収容箱1は図示省略の車体枠に配置され、この車体枠の前部に運転席が配置されている。この塵芥収集車には、消火システム3が搭載されている。消火システム3は、水蒸気発生手段5と泡発生手段6とを備える。塵芥収容箱1は、一対の側壁4、4と、天井壁7と、前壁15と、底壁14とを備える。この塵芥収容箱1の側壁4、4と天井壁7と前壁15と底壁14とを塵芥収容箱1の壁部と呼ぶ。このため、本発明において、壁部と呼んだ場合、側壁4、4と天井壁7と前壁15と底壁14とを含むものとする。
水蒸気発生手段5は、塵芥収容箱1の壁部、この場合天井壁7に、前後方向に沿って所定ピッチで3つ設けられている。すなわち、図2に示すように、各水蒸気発生手段5は、塵芥収容箱1の天井壁7に設けられる水蒸気発生室8と、水蒸気発生室8と塵芥収容箱1内とを連通する水蒸気注入路9とを備える。水蒸気発生室8は、塵芥収容箱1の天井壁7の上面7a側に、上壁10aと周囲壁10bとを有するケーシング壁(箱体)10を配置することによって、その内部でもって構成される。また、箱体10に対応して、天井壁7には前記水蒸気注入路9を構成する短寸配管11が配置されている。この場合、この短寸配管11は、上下方向に沿って、その下方開口部が塵芥収容箱1内に開口するとともに、その上方開口部が水蒸気発生室8内に開口するように配置される。この短寸配管11の下端面11bは、天井壁7に内面(下面)7bと略同一面上に配置され、この短寸配管11の上端面11aは、天井壁7の上面7aよりも所定寸Tだけ突出している。
また、図1に示すように、塵芥収容箱1には送液配管12が配設され、この送液配管12に、各水蒸気発生室8の箱体10に対応して流量分配器13が接続されている。すなわち、送液配管12は、塵芥収容箱1の天井壁7の上面7aの前後方向に延びる本体部12aと、塵芥収容箱1の前壁15に付設される送液用ポンプ16と本体部12aとを連結する連結管12bとを備える。そして、各流量分配器13と水蒸気発生室8とは配管17(図2参照)を介して連結されている。すなわち、各箱体10の周囲壁10bの一部に配管17が連結されている。なお、連結管12bには逆止弁18が介設されている。この逆止弁18は、送液配管12からの送液用ポンプ16への逆流を防止するものである。また、送液用ポンプ16としては、ターボ式(非容積式ポンプ)や容積式ポンプ等の種々のポンプを用いることができる。
塵芥収容箱1の前壁15には、前記ポンプ16と、水蒸気発生室8に水蒸気が発生するための液体(この場合、泡発生用溶液)が収容されるタンク20とが付設され、このタンク20と送液用ポンプ16とが連結配管21にて接続されている。このため、送液用ポンプ16が駆動することによって、タンク20内の泡発生用溶液が流出して、送液配管12に流入することになる。なお、泡発生用溶液としては、水と界面活性剤との混合液であり、例えば、水が99%〜98%で、界面活性剤が1%〜2%とされる。
ところで、送液配管12には、図1に示すように、塵芥収容箱1の天井壁7の上面7aの後方側に塵芥収容箱1の幅方向に沿って配設される分岐配管12cが設けられ、この分岐配管12cの両端部側に泡発生手段6が設けられている。
泡発生手段6は、図3に示すように、下方開口部に網状体25が付設された泡放射ヘッド26と、この泡放射ヘッド26に突入される噴射ノズル27とを備える。噴射ノズル27が、前記分岐配管12cの両端部から垂下されて塵芥収容箱1に突入される配管30に接続される。
このため、送液用ポンプ16が駆動することによって、タンク20内の泡発生用溶液が流出して、送液配管12に流入すれば、泡発生用溶液が流量分配器13から図2の矢印Aのように配管17を介して水蒸気発生室8に供給される。また、発生用溶液が流出して、送液配管12に流入すれば、図3に示す矢印Bのように、配管30を介して噴射ノズル27に供給される。
そして、図2に示すように、塵芥収容箱1内において火災が発生すれば、天井壁7が加熱され、この加熱によって、泡発生用溶液が水蒸気発生室8に供給され、水蒸気発生室8内の泡発生用溶液が水蒸気となっていく。このように水蒸気が発生すれば、図2の破線の矢印Cのように、水蒸気が水蒸気注入路9を介して塵芥収容箱1内に供給されることになる。この実施形態では、後述するように、火災が発生して天井壁7が加熱され、この天井壁7が設定温度以上になったときに、水蒸気発生室8への泡発生用溶液の供給が開始される。すなわち、この実施形態では、火災が発生する前の状態では、水蒸気発生室8には泡発生用溶液が供給されず、火災が発生したときに、泡発生用溶液の供給が開始されるものである。しかしながら、可能ならば(例えば、水蒸気の通過が可能な水蒸気通過フイルタ等にて水蒸気注入路9を塞ぐようにして、走行中等に泡発生用溶液が水蒸気注入路9から塵芥収容箱1内へ流出しないようにできれば、)火災が発生する前の状態においても水蒸気発生室8に泡発生用溶液をある程度の量だけ供給しておき(貯水しておき)、火災が発生して水蒸気発生室8内の泡発生用溶液が減少した場合に補充するような制御を行ってもよい。なお、図2において、50は塵芥S内の火元を示し、この火元50から矢印Dのように、熱気流が発生している。
このように、本発明における消火システム3では、湿式と乾式との両者を用いることができる。湿式とは、予め配管及び水蒸気発生室8等に消火液体(水蒸気生成用の液体)を入れておき、火災が発生する際自然に蒸発する方式である。また、乾式とは、火災が発生する前においては、配管及び水蒸気発生室8等に消火液体(水蒸気生成用の液体)を入れず、火災が発生してから、送液用ポンプ16の駆動することによって、消火液体を配管及び水蒸気発生室8等に送り込み蒸発させる方式である。
湿式を使用した場合、水蒸気発生室8とその近傍にある天井(天井壁7)の熱容量が大きくなるため、火災時の天井温度の上昇が遅くなる。そのため、火災の感知が遅れる可能性がある。しかしながら、水蒸気の放出タイミングが遅れることがない(もはや早くなる)ため、火災の抑制効果に影響しないと予想される。これに対して、乾式の場合では、天井温度の上昇が早いため、火災の早期感知ができる。また、非火災時における液漏れ等の心配がなく、装置(システム)がより簡略化を図ることができる。
配管30を介して噴射ノズル27に泡発生用溶液が供給されれば、この噴射ノズル27の噴射口27aから、泡放射ヘッド26に泡発生用溶液が矢印Eのように噴霧され、この泡放射ヘッド26内において矢印Fのように流入される空気と混ざって、網状体25を通過して泡となって塵芥収容箱1内に矢印Gのように噴射される。
一般に、可燃物は酸素濃度が15%以下になると燃え難くなる。このため、固定窒素消火設備等においては酸素濃度が12.5%となるように設計される。このように、火災時の塵芥収集車の塵芥収容箱1が密閉状態に維持できれば、燃焼により塵芥収容箱1の酸素が消費され、濃度が低下する。
そこで、本発明では、塵芥収容箱1内に泡を噴射することによって、塵芥収容箱1と外気とを遮断するようにしている。すなわち、この泡にて塵芥収容箱1に有る隙間(特に、後方開口部側の隙間)を埋めるようにしている。
ところで、火災が発生して、水蒸気発生室8内の水蒸気が順次塵芥収容箱1内に供給されれば、水蒸気発生室8内の泡発生用溶液は減っていく。このため、前記ポンプ16の駆動して水蒸気発生室8内に泡発生用溶液を補充する必要がある。この場合、水蒸気となって、塵芥収容箱1内に供給される液量と、泡発生用溶液を補充する液量とが同じであれば、図2に示すように、泡発生用溶液の液面が短寸配管11の上端面11aを越えない状態で、かつ、水蒸気発生室8内の泡発生用溶液が無くならない状態を維持できる。
しかしながら、水蒸気となって塵芥収容箱1内に供給される液量が、泡発生用溶液を補充する液量よりも多ければ、水蒸気発生室8内の泡発生用溶液が無くなるおそれがあり、逆に、水蒸気となって塵芥収容箱1内に供給される液量が、泡発生用溶液を補充する液量よりも少なければ、発生用溶液の液面が短寸配管11の上端面11aを越えて、この発生用溶液が直接的に塵芥収容箱1内に供給されることになる。なお、このように、発生用溶液が直接的に塵芥収容箱1内に供給されたとしても、消火に対しては問題とならない。すなわち、発生用溶液が直接的に塵芥収容箱1内に供給された場合、供給されることによって、発生用溶液の液面が短寸配管11の上端面11aと同一乃至上端面11aよりも低くなる。この状態では、短寸配管11からなる水蒸気注入路9から水蒸気が塵芥収容箱1内に供給され、また、短寸配管11の上端面11aを発生用溶液の液面が越える状態となれば、発生用溶液が直接的に塵芥収容箱1内に供給される。このため、水蒸気となって塵芥収容箱1内に供給される液量が、泡発生用溶液を補充する液量よりも少ない場合、水蒸気の供給と発生用溶液の供給とが交互に繰り返される。
このため、この消火システム3は、消火基準温度を決定する基準部位(この実施形態では天井壁7)の温度を監視する温度センサ32と、前記ポンプ16の駆動を制御する制御手段33と、警報手段34とを備え、塵芥収容箱1内に供給される泡発生用溶液が無くならないようにしている。温度センサ32としては、熱電対や温度サーミスタ等の種々のセンサを用いることができる。また、制御手段33は、マイクロコンピュータ等に構成することができる。
制御手段33には、予め、液供給温度(設定温度)(例えば、100℃)が設定され、温度センサ32の温度がこの液供給温度を越えれば、制御手段33の指令によって、ポンプ16を駆動して水蒸気発生室8内の泡発生用溶液を供給する。すなわち、温度センサ32の温度(つまり、天井壁7の温度)が100℃を越えれば、塵芥収容箱1内において火災が発生しており、この温度によって、水蒸気発生室8内の泡発生用溶液が水蒸気となって、塵芥収容箱1内にこの水蒸気が供給されていく。このため、水蒸気発生室8内の泡発生用溶液が減少していくので、泡発生用溶液を補充するように作動する。
この際、泡発生用溶液は泡発生手段6に供給され、この泡発生手段6から泡が塵芥収容箱1内に供給される。これによって、火災時において、塵芥収集車の塵芥収容箱1を密閉状態に維持できる。また、前記制御手段33によって、天井壁7の温度が低下すれば、泡発生用溶液の供給を停止するものであり、塵芥収容箱1内を一定の温度に維持することができる。このため、塵芥収容箱1の水蒸気濃度を消火できる濃度に保つようにできる。しかも、制御手段33の制御と泡発生手段6による泡発生とで、塵芥収容箱1内の温度と水蒸気濃度とを維持するための塵芥収容箱1の気密性を高めることができ、塵芥収容箱1の水蒸気濃度の維持と酸素濃度の低下を実現できる。
また、温度センサ32の温度がこの液供給温度を越えれば、警報手段34によって、この塵芥収集車のオペレータに、このこと、すなわち、火災が発生していることを知らせる。この警報手段34としては、警報音を発生させるととも、警報用の有色ライト(LEDライト等)を点灯させる。
そして、天井壁7の温度が消火と判断するに足りる設定の温度よりも低下すれば、火災が制御されていることである。このため、天井壁7の温度が前記設定温度よりも低下すれば、制御手段33からの指令によって、ポンプ16の駆動が停止して、水蒸気発生手段5および泡発生手段6への泡発生用溶液の供給が停止する。
ところで、水蒸気発生室8内の泡発生用溶液は、図2に示すような状態に維持するのが好ましい。このため、この水蒸気発生室8内に泡発生用溶液の液量を検出するセンサ(例えば、液面計)を設け、泡発生用溶液の液量を図2に示すような状態に維持するようにできる。すなわち、前記制御手段33に液量基準値を予め入力し、水蒸気発生室8内の泡発生用溶液の液面が液量基準値となるように、ポンプ16を制御手段33にて制御すればよい。
また、前記制御方法では、天井壁7が予め設定された液供給温度(例えば、100℃)に達するまで、水蒸気発生手段5および泡発生手段6へは泡発生用溶液が供給されない。しかしながら、天井壁7が100℃に達しなくても、火災は発生している。このため、この消火システム3には、図1に示すように、手動起動スイッチ35が設けられている。すなわち、天井壁7が100℃に達する前に、オペレータ等が火災を検知した場合、手動起動スイッチ35を操作して、ポンプ16を駆動するようにして、水蒸気発生手段5および泡発生手段6へ泡発生用溶液を供給するようにできる。
消火システム3の制御手段33は、例えば、運転席がある運転室にその制御ボックス等を設け、この制御ボックスのボタンやスイッチ等をオペレータ等が設定温度等を入力するようにできる。また、警報手段34は、この塵芥収集車の任意の部位に設定できるが、警報手段34の警報用のライトとしては、オペレータ等が検知しやすい位置、例えば運転室内、及び/又は外部の人が検知しやすい位置、例えば、塵芥収容箱1の側面等に配置することができる。手動起動スイッチ34も、オペレータ等が操作し易い位置、例えば運転室内に配置するのが好ましい。なお、図1においては、消火システム3の簡略化のために、制御手段33、警報手段34、手動起動スイッチ34、及びこれらを接続する配線等は、この塵芥収集車の外側に配置されているが、実際には、塵芥収集車に搭載されている。
本発明の塵芥収集車では、天井壁7側から消火用水蒸気が塵芥収容箱1に供給される。水蒸気は、不活性ガス的な性質を持ち、その窒息効果・希釈効果により、塵芥収容箱内の火災を抑制または消火することが可能となる。すなわち、消火することによって、塵芥収容箱1の焼損を防止できる。また、液体消火剤(例えば、水)を直接的に噴射する場合に比べて、水蒸気は水の状態に比べて体積が大きくなる(1気圧100℃の状態であれば、1700倍となる)。このため、水蒸気とする液体(例えば、水)の使用量を大幅に少なくでき、低コスト化を図ることができる。しかも、この液体(例えば、水)を貯水するためのタンクの容量を小さくできて、装置の軽量化を図ることができ、この塵芥収集車の有効積載量を損なわずに済む。さらに、水蒸気にて消火するものであるので、ガス系消火剤を使用する必要がなく、その分、塵芥収集車に搭載される水蒸気となる液体を短時間で、オペレータ(ユーザ)がタンク等に簡単に供給することができる。
前記制御手段33によって、天井壁7の温度が設定温度を越えたときには、水蒸気発生室8内の液体を供給して、液体を水蒸気発生室8に補充することができ、火災発生中に順次水蒸気を塵芥収容箱1に供給することができる。このため、火災発生中においては、水蒸気による消火機能を安定して発揮させることができる。また、火災が鎮火すれば、水蒸気発生室内への液体の供給を停止することができる。しかも、液体消火剤(例えば、水)を直接的に噴射する場合に比べて、水蒸気とする液体(例えば、水)の使用量を大幅に少なくでき、この液体(例えば、水)を貯水するためのタンクの容量を小さくできる。これによって、装置の軽量化を図ることができ、この塵芥収集車の有効積載量をその損なわずに済む。さらに、水蒸気にて消火するものであるので、ガス系消火剤を使用する必要がなく、その分、塵芥収集車に搭載される液体を短時間で、オペレータ(ユーザ)がタンク等に簡単に供給することができる。
水蒸気発生手段5は、塵芥収容箱1の天井壁7に設けられる水蒸気発生室8と、水蒸気発生室8と塵芥収容箱1内とを連通する水蒸気注入路9とを備えているので、火災発生によって塵芥収容箱1の天井壁7が加熱された場合に、水蒸気発生室8に供給された液体が蒸発して水蒸気を発生する。この際、水蒸気注入路9にて、水蒸気発生室8と塵芥収容箱1内とを連通しているので、水蒸気発生室8内で発生した水蒸気が水蒸気注入路9を介して塵芥収容箱1内に供給される。このため、水蒸気を発生させるために、別途加熱手段を必要とせず、装置全体のコンパクト化を図ることができるとともに、コスト低下を達成できる。また、水蒸気発生室8への水蒸気の供給は水蒸気注入路9にて行うものであるので、水蒸気注入路9は、水蒸気発生室8および塵芥収容箱1に開口していればよく、水蒸気注入路9の塵芥収容箱1側の開口部が大きく塵芥収容箱1内に突出する必要がなく、水蒸気注入路9によって塵芥の積み込み・排出作業が妨げられない。
塵芥収容箱1と外気とを遮断するための泡を発生する泡発生手段6を備えているので、泡発生手段6にて発生させた泡にて、塵芥収容箱1と外気とを遮断することができる。このように塵芥収容箱1と外気とを遮断した状態において、塵芥収容箱1内において、火災が発生した場合、火災によって塵芥収容箱1内の酸素が消費され、酸素濃度が低下する。このように、酸素濃度が低下すれば、燃焼が自然に抑制され、安定してしかも短時間で消火することができる。また、塵芥収納箱1の密封性確保のためにシール装置(パッキン等のシール材)を配置することなく、火災発生時に泡を発生させればよい。このため、この塵芥収集車を、密封性に優れたものとして組み立てる必要がなく、組立性の向上を図ることができる。
水蒸気を生成する液体と、泡を発生させる液体との共有化を図ることができる。このため、水蒸気を生成する液体と泡を発生させる液体との2種類の液体をこの塵芥収集車に搭載する必要がなくなって、塵芥収集車の軽量化を図ることができる。
なお、この実施形態では、警報手段34によって、この塵芥収集車のオペレータに火災が発生していることを知らせることができるので、オペレータ等は、火災が発生していることをいち早く知ることができ、安全な場所に避難したりできる。
次に、図4は他の泡発生手段6を示し、この場合の泡発生手段6は、圧縮空気泡消火装置(CAFSシステム)であって、泡発生器40と、コンプレッサ41等を備える。すなわち、ポンプ16の駆動によって、泡発生用溶液を泡発生器40に供給するとともに、コンプレッサ41から泡発生器40にエアを圧送する。これによって、圧縮空気泡を作成し、塵芥収容箱1に突入された排出用配管42からこの泡を塵芥収容箱1内に矢印Hのように、供給することができる。このため、図4に示す泡発生手段6を用いても、前記図3に示す泡発生手段6と同様の作用効果を奏する。すなわち、このCAFSシステムによる泡発生手段6では、前記図3に示す泡発生手段6と同等のシール性を発揮できる。
ところで、図4に示すような泡発生手段6を用いた場合、タンク20に泡発生用溶液を入れないで水のみ入れておき、別途、泡発生器40に界面活性剤を供給するようにできる。すなわち、泡発生器40内で、水と泡発生剤(界面活性剤)とを混合した泡発生用溶液を生成し、この溶液に圧縮空気を注入し、泡を生成するようにできる。すなわち、泡発生手段6は、水に泡発生剤と空気を泡発生器40で混合する泡発生装置を備えたものとできる。このようにすれば、水蒸気発生室8へ供給される液体としては、泡発生用溶液を用いる必要がなくなるので、この水蒸気発生室8へ供給される液体は、水道水等の水100%を用いることができ、水蒸気発生室8等の洗浄の簡略化を図ることができる。
前記水蒸気発生手段5では、泡発生用溶液を水蒸気とするための加熱は、火災に基づく天井壁7の加熱を用いたものであるが、図示省略するが、他の実施形態として、このような天井壁7の熱を利用することなく、別途、加熱ヒータ等の種々の加熱手段を用いてもよい。このような加熱手段を用いれば、天井壁7があまり高温になっていない火災初期段階で、水蒸気による消火を行うことができる利点がある。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、水蒸気発生室8は前記実施形態では、天井壁7の前後方向に沿って3箇所設けられていたが、その数の増減は任意である。また、水蒸気発生室8毎の水蒸気注入路9の数も1個に限るものではなく、各水蒸気注入路9の孔径等の変更も任意にできる。すなわち、水蒸気の塵芥収容箱1への供給部位および数等を任意に設定できる。また、水蒸気発生室8に発生した水蒸気を天井壁7を介することなく、塵芥収容箱1の壁部を構成する他の側壁4,4や前壁15等を介して水蒸気を供給するようにしてもよい。このため、水蒸気発生室8の配置部位としても、天井壁7に限るものではなく、側壁4,4や前壁15であってもよい。すなわち、水蒸気は塵芥収容箱1内に供給されればよいので、天井壁7の近傍の塵芥収容箱内部の上部、側壁4,4近傍の塵芥収容箱内部の側部等の種々の位置に水蒸気を供給することができる。さらに、水蒸気発生室8を塵芥収容箱1の外側に設けることなく、壁部の内側、つまり塵芥収容箱1内部に設けてもよい。また、水蒸気発生室8の液体収容量としても、火災が発生した際に塵芥収容箱1内に水蒸気を供給できて、火災を抑制または消火することができるものであればよい。このため、図2に示す短寸配管11の突出量Tとしても任意に設定できる。
実施形態の制御手段33のポンプ駆動の制御は、天井壁7の温度に基づくものであり、かつ、設定温度を100℃としていた。しかしながら、設定温度としては、100℃でなくても、水蒸気発生室8内の液体(泡発生用溶液)が気化して、水蒸気を発生して、水蒸気発生室8の飽和水蒸気の濃度を高くしていく温度であればよい。また、消火基準温度を決定する基準部位としては、天井壁7に限るものではなく、側壁4,4、前壁15、水蒸気発生室8内の液体、水蒸気発生室8の内部(液体外)、水蒸気発生室8を構成する箱体10、塵芥収容箱1の内部等であってもよい。この場合、基準部位は、一つの部位に限らず、複数の部位であってもよい。水蒸気発生室8内の液体の温度や水蒸気発生室8の内部温度に基づく場合、温度センサを水蒸気発生室8内に配置すればよい。また、箱体10の温度に基づくものであれば、温度センサを箱体10に付設すればよい。このように、天井壁7以外の温度以外に基づく場合であっても、制御の基準となる設定温度としても100℃に限るものではない。
なお、前記制御手段33においては、水蒸気発生室8内への液体の供給開始と供給停止とは、一つの設定温度に基づいていた。しかしながら、水蒸気発生室8内への液体の供給開始と供給停止との基準温度を相違させてもよい。すなわち、水蒸気発生室8内への液体の供給開始の基準の温度を100℃とした場合に、供給停止の基準温度を100℃よりも低い例えば70℃として、一旦供給が開始された後、70℃よりも低くなるまでは、供給を継続するようにしてもよい。また、前記制御手段33が塵芥収容箱1の内部の温度に基づいて制御するものであれば、塵芥収容箱1の水蒸気濃度の維持がより安定する。
さらに、泡発生手段6にて発生させた泡の塵芥収容箱1への供給部位としては、図1に示すように、塵芥収容箱1の後方開口側の塵芥収容箱幅方向の両端部とするのが、塵芥収容箱1のシール性を考慮してこの部位とするのが好ましい。すなわち、塵芥収容箱1後部には、塵芥を塵芥収容箱の奥側に押し込むための押圧プレート等を作動するためのケーブル類が配置され、このケーブル類を泡によって保護できるからである。しかしながら、この部位に限るものではなく、塵芥収容箱1への泡の供給部位を任意に設定できる。
水蒸気発生室8は、実施形態ではその底板を天井壁7の一部で構成した。すなわち、水蒸気発生室8を構成する箱体10は、底板を有さないものであったが、箱体10として底板を有するものであってもよい。
前記実施形態では、塵芥収容箱1の気密性を高める方法として、泡発生手段6を設け、この泡発生手段6にて発生する泡を利用したものであったが、このような泡を利用しないものであってもよい。泡を利用しないものとして、軟質耐熱材料で製作したチューブ状のシール材を用いる方法、二重の樹脂製軟質チューブを用いる方法、水密性熱膨張シーリング材に電熱線を埋め込んだものを用いる方法等がある。
軟質耐熱材料で製作したチューブ状のシール材を用いる方法では、このチューブ状のシール材を、荷箱(塵芥収容箱1)の運動部分の隙間の付近に取り付ける。この場合、普段は扉などの運動部分に当たらないように畳んでおき、火災が発生したら、このシール材に接続された配管を通して、シール材に水または空気を送り込み、このシール材を膨らませる。これによって、前記隙間を封鎖するようにするものである。
二重の樹脂製軟質チューブを用いる方法では、外側のチューブを防水性とするとともに、内側のチューブの壁に孔を設けたものとし、さらに、外側のチューブと内側のチューブとの間に、吸水性ポリマーを充填する。そして、このように構成された二重の樹脂製軟質チューブを前記隙間の付近に取り付ける。火災が発生したら、樹脂製軟質チューブに接続された配管を通して、内側のチューブに水を送り込む(注水する)。この注水によって、内側のチューブから孔を介して吸水性ポリマーに水が供給される。吸水性ポリマーに水が供給されれば、吸水性ポリマーが膨張する。これによって、前記隙間を封鎖するようにするものである。
水密性熱膨張シーリング材に電熱線を埋め込んだものを用いる方法では、水密性熱膨張シーリング材を前記隙間の付近に取り付ける(接着する)。火災が発生したら、電熱線に電気を通してこの電熱線を発熱させる。これによって、水密性熱膨張シーリング材が膨張し、前記隙間を封鎖するようにするものである。
なお、本発明においては、塵芥収容箱1に水蒸気を供給して、塵芥収容箱1の火災を消火するものであったが、この塵芥投入箱2に水蒸気、さらには泡を供給して塵芥投入箱2の火災も消火するようにしてもよい。
1 塵芥収容箱
5 水蒸気発生手段
6 泡発生手段
7 天井壁
8 水蒸気発生室
9 水蒸気注入路
16 送液用ポンプ
20 タンク
32 温度センサ
33 制御手段
40 泡発生器

Claims (8)

  1. 塵芥収容箱を備えた塵芥収集車において、
    消火用の水蒸気を前記塵芥収容箱内に供給する水蒸気発生手段と、塵芥収容箱と外気とを遮断するための泡を発生する泡発生手段を備え、水蒸気発生手段は、塵芥収集車の天井壁が下壁を構成する水蒸気発生室と、水蒸気発生室と塵芥収容箱内とを連通する水蒸気注入路とを有し、塵芥収容箱内の火災発生により前記天井壁が加熱されて、この加熱によって、水蒸気発生室に供給された液体から水蒸気を生成し、この水蒸気を水蒸気注入路を介して塵芥収容箱内に供給するとともに、前記泡発生手段から塵芥収容箱へ泡を供給することによって、塵芥収容箱内を密封状態に維持し、火災発生により塵芥収容箱内の環境温度を60℃以上に上昇することによって、塵芥収容箱内の水蒸気濃度を有炎燃焼抑制可能な20%程度とすることを特徴とする塵芥収集車。
  2. 水蒸気生成用の液体を収容されたタンクと、タンク内の液体を水蒸気発生室に供給するポンプと、消火基準温度を決定する基準部位での温度を検出する温度センサと、基準部位の温度が前記消火基準温度である設定温度を越えたときにポンプを駆動して水蒸気発生室にタンク内の液体を供給するとともに前記基準部位の温度が設定温度よりも低くなったときにポンプの駆動を停止して液体の水蒸気発生室への供給を停止する制御手段とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車。
  3. 前記基準部位が、少なくとも、水蒸気発生室が付設される塵芥収集箱の壁部と、水蒸気発生室を構成するケーシング壁と、水蒸気発生室内部とのいずれかの1つの部位又は複数の部位であることを特徴とする請求項2に記載の塵芥収集車。
  4. 天井壁にて構成される水蒸気発生室下壁を介して水蒸気発生室の水蒸気が塵芥収集箱内に供給され、かつ前記基準部位が天井壁であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の塵芥収集車。
  5. 水蒸気発生手段の水蒸気発生室へ供給される液体を、前記泡発生手段に供給されてこの泡発生手段にて泡を発生する泡発生用溶液にて構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の塵芥収集車。
  6. 泡発生手段は、泡発生用溶液と空気とを混合させる泡発生器を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に塵芥収集車。
  7. 泡発生手段は、水に泡発生剤と空気を泡発生器で混合する泡発生装置を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に塵芥収集車。
  8. 塵芥収容箱に付設された水蒸気発生室を火災の発生熱によって加熱して、水蒸気発生室内に水蒸気を発生させ、この水蒸気を前記塵芥収容箱に供給し、塵芥収容箱に付設される泡発生手段から塵芥収容箱へ泡を供給することによって、塵芥収容箱と外気とを遮断して塵芥収容箱内を密封状態に維持し、火災発生により塵芥収容箱内の環境温度を60℃以上に上昇することによって、塵芥収容箱内の水蒸気濃度を有炎燃焼抑制可能な20%程度として、この塵芥収容箱の塵芥に発生した火災を消火することを特徴とする塵芥収集車の消火方法。
JP2009107946A 2009-04-27 2009-04-27 塵芥収集車及び塵芥収集車の消火方法 Active JP5301345B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009107946A JP5301345B2 (ja) 2009-04-27 2009-04-27 塵芥収集車及び塵芥収集車の消火方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009107946A JP5301345B2 (ja) 2009-04-27 2009-04-27 塵芥収集車及び塵芥収集車の消火方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010254449A JP2010254449A (ja) 2010-11-11
JP5301345B2 true JP5301345B2 (ja) 2013-09-25

Family

ID=43315845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009107946A Active JP5301345B2 (ja) 2009-04-27 2009-04-27 塵芥収集車及び塵芥収集車の消火方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5301345B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107336659A (zh) * 2017-06-28 2017-11-10 成都航天万欣科技有限公司 一种废旧电池收集运输车
KR102397617B1 (ko) * 2020-07-14 2022-05-13 주식회사 에코비트프리텍 폐리튬배터리 운송용 차량
JP2022124832A (ja) * 2021-02-16 2022-08-26 寳坂 昭博 回転式放水ノズル構造による家屋火災の消火方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5543020U (ja) * 1978-09-14 1980-03-19
JPH09313633A (ja) * 1996-05-27 1997-12-09 Maruyama Mfg Co Ltd 消火方法、消火装置、消防自動車、及び駐車施設
JP2000107311A (ja) * 1998-09-30 2000-04-18 Nohmi Bosai Ltd 自動車のエンジンルーム用フォグ消火装置
JP2003095404A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Uni Shokai:Kk ゴミ収集車

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010254449A (ja) 2010-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2118551C1 (ru) Способ пожаротушения (его вариант), устройство для его осуществления (его варианты) и система пожаротушения
CZ64995A3 (en) Fire extinguishing apparatus and fire extinguishing method
SE538229C2 (sv) Brandsläckningssystem med ett fast drivmedel
KR102289709B1 (ko) 전기추진 선박의 배터리 적재함 화재진화 시스템
JP5301345B2 (ja) 塵芥収集車及び塵芥収集車の消火方法
JP2005530526A (ja) 大型炭化水素貯蔵タンクの消火のための固定据付型装置として特に用いられる自動泡消火装置
JP2007068605A (ja) 風力発電設備用自動消火システム
JP2010210878A (ja) 消火体験装置
JP4182102B2 (ja) 消火設備
KR20120103216A (ko) 차량용 소화시스템
KR20120121496A (ko) 선박용 쓰레기통 유닛
MXPA01000808A (es) Entradas de aire para calentadores de agua con gas.
JP2008005998A (ja) 消火設備
JP4107947B2 (ja) 自動消火装置
WO2019204832A1 (en) Automatic fire suppression system for internal combustion device
JP2007252636A (ja) 消火システム
CN217978824U (zh) 一种低温裂解炉的安全防护设备
JPH0962178A (ja) 模擬火災発生装置
JP2007006932A (ja) 消火設備
RU2209100C2 (ru) Устройство для предупреждения и тушения горения жидкостей в резервуарах
JP4827572B2 (ja) 高膨張泡消火設備
JPH09262307A (ja) 消火装置
FI119224B (fi) Palovalvonta- ja sammutusjärjestelmä
US3441087A (en) Fire extinguisher apparatus
KR100395901B1 (ko) 탱크화재 진압용 소화장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130610

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5301345

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250