JP2015112039A - 油脂組成物および当該油脂組成物を含有する食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】菓子類、パン類等に配合した際に、ボリューム感に優れた菓子類等を製造することができる油脂組成物を提供する。【解決手段】乳化剤Aを7質量%以上35質量%以下、および、乳化剤Bを0.8質量%以上15質量%以下含有する油脂組成物であって、乳化剤Aがプロピレングリコール脂肪酸エステルであり、乳化剤Bがオレイン酸エステルを含有する乳化剤(プロピレングリコール脂肪酸エステルを除く)であることを特徴とする油脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、油脂組成物、及び、当該油脂組成物を含有する食品に関するものである。更に詳しくは、菓子類やパン類等に配合される油脂組成物であり、生地を焼成した際にボリューム感と食感を向上させることができる油脂組成物、及び、当該油脂組成物を含有する食品を提供するものである。
パン類はショートニングやマーガリン等の油脂を配合するのが一般的である。これらの油脂は、製パン性の改良、パン類への風味の付与、パン類のソフト化、食感の改良等を目的として配合されている。これらの効果のうち、パン類のソフト化に関しては、融点の低い油脂程効果が大きい。しかしながら、液状又は流動状の油脂は、パン類の生地に於いてグルテン膜の形成を阻害する作用を持ち、製パン性を著しく低下させる。また、パン類の食感をソフトにする効果は優れているものの、歯切れ、口溶けに関しては必ずしも好ましい効果が得られない。
特許文献1(特開平6−217693号公報)では、これらの欠点を改善するために、プロピレングリコール脂肪酸エステルを配合した製パン用油脂組成物を開示している。当該油脂組成物は、グリセリンモノ脂肪酸エステル等に比べ食感が良好で製パン性が優れることが記載されている(段落0016、表1)。しかしながら、後述に示すように、その効果は充分ではなかった。
特開平6−217693号公報
このように、菓子類等の食感や外観を良好にできる油脂組成物はまだ見出されていない。従って、本発明は、このような問題点に鑑み、菓子類等に配合した際に、ボリューム感と食感を向上した菓子類等を製造することができる油脂組成物、及び、当該油脂組成物を含有する食品を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、プロピレングリコール脂肪酸エステルおよびオレイン酸エステルを含有する乳化剤(プロピレングリコール脂肪酸エステルを除く)を所定量含有することにより、ボリューム感と食感を向上した菓子類等を製造することができる油脂組成物を見出した。
すなわち、本発明は、乳化剤Aを7質量%以上35質量%以下、および、乳化剤Bを0.8質量%以上15質量%以下含有する油脂組成物であって、
乳化剤Aがプロピレングリコール脂肪酸エステルであり、
乳化剤Bがオレイン酸エステルを含有する乳化剤(プロピレングリコール脂肪酸エステルを除く)であることを特徴とする油脂組成物である。
前記乳化剤Bが、モノグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、蔗糖オレイン酸エステルおよびソルビタンオレイン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましい。
さらに、前記プロピレングリコール脂肪酸エステルの脂肪酸が飽和脂肪酸であることが好ましい。
さらに、前記ポリグリセリンオレイン酸エステルのHLBが2以上8以下であることが好ましい。
さらに、前記ポリグリセリンオレイン酸エステルの平均重合度が2以上20以下であることが好ましい。
また、本発明は、乳化剤Aを7質量%以上35質量%以下、および、乳化剤Bを0.8質量%以上15質量%以下含有する油脂組成物であって、乳化剤Aがプロピレングリコール脂肪酸エステルであり、乳化剤Bがオレイン酸エステルを含有する乳化剤(プロピレングリコール脂肪酸エステルを除く)であることを特徴とする油脂組成物を含有する食品である。
前記食品は、小麦粉100質量部に対し、前記油脂組成物を5質量部以上70質量部以下含有することが好ましい。
また、本発明は、小麦粉を含む生地に乳化剤Aを7質量%以上35質量%以下、および、乳化剤Bを0.8質量%以上15質量%以下含有する油脂組成物であって、乳化剤Aがプロピレングリコール脂肪酸エステルであり、乳化剤Bがオレイン酸エステルを含有する乳化剤(プロピレングリコール脂肪酸エステルを除く)であることを特徴とする油脂組成物を含有させる工程と、得られた生地を焼成する工程を含む食品の製造方法である。
本発明の油脂組成物は、菓子類やパン類等に配合することで、ボリューム感と食感を向上した菓子類等を製造することができる。
本発明の油脂組成物を配合して作製したパンの写真である。(A)菜種油(比較例13−1)、および、(B)菜種油:PGMS:PO(85:10:5)(実施例13−1)である。
本発明は、乳化剤Aを7質量%以上35質量%以下、および、乳化剤Bを0.8質量%以上15質量%以下含有する油脂組成物であって、
乳化剤Aがプロピレングリコール脂肪酸エステルであり、
乳化剤Bがオレイン酸エステルを含有する乳化剤(プロピレングリコール脂肪酸エステルを除く)であることを特徴とする油脂組成物である。
本発明で使用する乳化剤Aであるプロピレングリコール脂肪酸エステルの脂肪酸は、特に限定されないが、炭素数は、6〜24のものが好ましく、14〜20のものがさらに好ましい。また、飽和脂肪酸が好ましく、ステアリン酸及び/またはパルミチン酸がより好ましく、ステアリン酸がさらに好ましい。また、プロピレングリコールステアリン酸エステルとプロピレングリコールパルミチン酸エステルを併用することが好ましい。所定の脂肪酸を選択することにより安定的に効果を得ることができる。
また、プロピレングリコール脂肪酸エステルのHLB(親水性親油性バランス)は、2以上6以下が好ましく、3以上5以下がより好ましい。
また、プロピレングリコール脂肪酸エステルの含有量は、7質量%以上35質量%以下である。含有量の下限は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上であり、さらに好ましくは14質量%以上であり、特に好ましくは15質量%以上である。また、含有量の上限は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下であり、さらに好ましくは23質量%以下であり、特に好ましくは20質量%以下である。含有量が少なすぎると充分な効果が得られない場合があり、多すぎるとミキシング中に乳化剤が析出してしまい、生地中に均一に分散しないために良好な効果が得られない場合がある。
本発明で使用する乳化剤Bであるオレイン酸エステルを含有する乳化剤(プロピレングリコール脂肪酸エステルを除く)の含有量は、0.8質量%以上15質量%以下である。含有量の下限は、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは4質量%以上であり、さらに好ましくは5質量%以上であり、特に好ましくは6質量%以上である。また、含有量の上限は、好ましくは13質量%以下であり、より好ましくは12質量%以下であり、さらに好ましくは11質量%以下であり、特に好ましくは10質量%以下である。所定の含有量にすることで、特に良好な効果を得ることができる。
前記乳化剤Bは、好ましくは、モノグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、蔗糖オレイン酸エステルおよびソルビタンオレイン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である。より好ましくは、ポリグリセリンオレイン酸エステル、蔗糖オレイン酸エステルおよびソルビタンオレイン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、さらに好ましくは、ポリグリセリンオレイン酸エステルおよび/又は蔗糖オレイン酸エステルである。
モノグリセリンオレイン酸エステルとは、グリセリンにオレイン酸がエステル結合したものである。また、蔗糖オレイン酸エステルおよびソルビタンオレイン酸エステルとは、蔗糖およびソルビタンにオレイン酸がエステル結合したものである。
ポリグリセリンオレイン酸エステルとは、グリセリンが2個以上重合したものにオレイン酸がエステル結合したものである。平均重合度は、2以上20以下が好ましく、2以上12以下がより好ましく、3以上8以下がさらに好ましく、4以上6以下が特に好ましい。また、ポリグリセリンオレイン酸エステルのHLB(親水性親油性バランス)は2以上8以下が好ましく、2.8以上7.2以下がより好ましく、3以上7以下がさらに好ましい。所定の平均重合度、あるいは、所定のHLBを選択することで安定的な効果を得ることができる。
本発明で使用する油脂としては以下のようなものが挙げられる。すなわち、食用の大豆油、菜種油、コーン油、パーム油、パームオレイン、綿実油、落花生油、紅花油、ひまわり油、米油、小麦胚芽油、ぶどう油、ゴマ油、シソ油、パーム核油、やし油、カカオ脂、えごま油、牛脂、ラード、鶏油、魚油、乳脂、MCT及びこれらの水添油、分別油、エステル交換油、さらにはこれらの油を1種あるいは2種以上配合した油脂である。大豆油、菜種油、パームオレインを含むことが好ましく、パームオレインを30質量%以上含むことがより好ましい。また、油脂組成物中の油脂含量は特に限定されないが、好ましくは45質量%であり、より好ましくは50質量%以上であり、さらに好ましくは55質量%以上である。
本発明の油脂組成物には、機能を阻害しない限り、通常の油脂に用いられる添加剤を適宜配合することができる。例えば、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、γ-オリザノール、ジグリセリド、香料、カロテノイド等の着色料等が挙げられる。
本発明の食品は特に限定されないが、菓子類、パン類が好ましい。特に、小麦粉を主原料とし、油脂、食塩、水などと混捏した生地を焼成して得られる菓子類、パン類が好ましい。菓子類には、例えば、スポンジケーキ、バターケーキなどのケーキ類やドーナツやビスケットが挙げられる。ケーキ類とパン類がより好ましく、スポンジケーキが特に好ましい。
また、本発明の油脂組成物の食品への配合量は、小麦粉100質量部に対し、5〜70質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。少なすぎると充分な効果が得られず、多すぎると異味を感じる場合がある。
また、本発明の食品の製造方法は、本発明の油脂組成物を小麦粉を含む生地に含有させる工程と、得られた生地を焼成する工程を含む食品の製造方法である。本発明の油脂組成物を生地への添加タイミングは特に限定されない。また、本発明の油脂組成物に含まれる乳化剤が所定範囲になるように生地へ添加すればよく、例えば、乳化剤Aを含む油脂組成物と乳化剤Bを含む油脂組成物に分けて添加してもよいが、好ましくは、乳化剤Aおよび乳化剤Bを含む油脂組成物として添加する。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。
実施に際しては、以下のものを使用した。

プロピレングリコールステアリン酸エステル(PGMS)
(理研ビタミン(株)社製、型番 PS100)HLB 3.7
プロピレングリコールパルミチン酸エステル(PGMP)
(理研ビタミン(株)社製、型番 PP100)HLB 3.8
ポリグリセリンオレイン酸エステル(PO)
(三菱化学フーズ(株)社製、型番 O−50D)HLB 7、
平均重合度 10、構成脂肪酸 オレイン酸
菜種油 (株式会社J-オイルミルズ社製)
大豆油 (株式会社J-オイルミルズ社製)
パームオレイン(ヨウ素価56) (株式会社J-オイルミルズ社製)
エステル交換油A(上昇融点:40.1℃) (株式会社J-オイルミルズ社製)
〔油脂組成物の調製〕
50℃に保温した油脂に所定量の乳化剤を添加した。混合を30分間程度おこない、乳化剤を充分に溶解し、実施例に用いる油脂組成物とした。
スポンジケーキを作製し、焼成生地の比容量を測定することにより、油脂組成物の性能を評価した。
〔生地の作成〕
砂糖300g、卵300g、および油脂組成物120gを、縦型ミキサー(ホバート社製、型番N-50)のミキサーボウルに投入し、撹拌羽(ワイヤーホイップ)を使用し1速で30秒混捏をした。その後、薄力粉300gを添加し、1速で30秒混捏をした。さらに、2速で3分間混捏をした。その後、生地の比容積を測定した。
〔生地の比容積の測定〕
100cmの円柱型容器に作成した生地を満たして擦り切った後、そのときの生地重量を測定することにより生地の比容積を求めた。
〔焼成生地の評価〕
上記生地40gを焼成用カップに入れた。180℃、19分間焼成した。室温で放冷し、ポリエチレン製の袋に密封した。焼成翌日に焼成生地の重量を測定し、下記の菜種置換法により体積を測定し、比容積を算出した。
〔菜種置換法〕
焼成生地よりも大きな容器に菜種を満たして擦り切った。容器の中の菜種を取り出して焼成生地を容器に入れ、再び菜種を満たして擦り切った。溢れた菜種の容積をメスシリンダーで測定することにより焼成生地の体積を求めた。
〔プロピレングリコール脂肪酸エステルの添加量〕
表1に記載の油脂組成物を調製し、性能の評価をおこなった。その結果を表1に示す。
Figure 2015112039
表1に示すように、プロピレングリコール脂肪酸エステルを8〜30質量%含有させることで、ポリグリセリンオレイン酸エステル単独より焼成生地の比容積を約50%以上大きくできるという効果が得られ、特に15〜20質量%のときに、効果が高かった。また、生地の比容積は焼成生地の比容積と正の相関関係があり、生地の比容積で油脂組成物の性能評価をおこなえることが判った。
〔ポリグリセリンオレイン酸エステルの添加量〕
表2に記載の油脂組成物を調製し、性能の評価をおこなった。その結果を表2に示す。
Figure 2015112039
表2に示すように、プロピレングリコール脂肪酸エステルのみでは十分な効果は得られなかった。一方、比較例1−2に示したように単独では比容積を低減させるポリグリセリンオレイン酸エステルを1〜12質量%で併用することで、プロピレングリコール脂肪酸エステル単独より焼成生地の比容積を約10%以上大きくできるという効果が得られた。特に5〜12質量%のときに、より高い効果を得ることができた。
〔モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル〕
表3に記載の油脂組成物を調製し、性能の評価をおこなった。その結果を表3に示す。なお、使用したグリセリン脂肪酸エステルを表4にまとめた。
Figure 2015112039
Figure 2015112039
オレイン酸エステルを有するグリセリン脂肪酸エステルでのみ効果が得られた。特に平均重合度が4〜6のポリグリセリン脂肪酸エステルで効果が高かった。
〔蔗糖脂肪酸エステル〕
表5に記載の油脂組成物を調製し、性能の評価をおこなった。その結果を表5に示す。なお、使用した乳化剤を表6にまとめた。
Figure 2015112039
Figure 2015112039
表5に示すように、オレイン酸エステルを有する蔗糖脂肪酸エステルのみに効果が得られた。
〔ソルビタン脂肪酸エステル〕
表7に記載の油脂組成物を調製し、性能の評価をおこなった。その結果を表7に示す。なお、使用した乳化剤を表8にまとめた。
Figure 2015112039
Figure 2015112039
表7に示すように、オレイン酸エステルを有するソルビタン脂肪酸エステルのみに効果が得られた。
〔油種〕
表9に記載の油脂組成物を調製し、性能の評価をおこなった。その結果を表9に示す。
Figure 2015112039
表9に示すように、いずれの油種でも効果は確認された。特にパームオレインを40質量%以上含有する油脂組成物で効果が高かった。
〔複数のプロピレングリコール脂肪酸エステルの併用〕
薄力粉200g、砂糖200g、卵286g、液糖(Brix 75%)28.6g、水28.6g、ベーキングパウダー4gおよび表10に記載の油脂組成物100gを、縦型ミキサー(ホバート社製、型番N-50)のミキサーボウルに投入し、撹拌羽(ワイヤーホイップ)を使用し1速で25秒混捏をした。さらに、2速で5分間混捏をした。その後、生地の比容積を測定し、油脂組成物の性能を評価した。その結果を表10に示す。
Figure 2015112039
実施例10−1は、乳化剤の含有していない比較例10−1に比して、3倍以上の比容積を有していた。
〔含水油脂組成物〕
60℃に保温した油脂に所定量の乳化剤を添加し、60℃で撹拌して充分に溶解した後、撹拌しながら水を加えて得た乳化物をボテーターパイロット機により急冷捏和して得られた油中水型乳化油脂組成物を表11の実施例に用いる油脂組成物とした。
薄力粉250g、砂糖250g、卵350g、ベーキングパウダー5gおよび表11に記載の油脂組成物70gを、縦型ミキサー(ホバート社製、型番N-50)のミキサーボウルに投入し、撹拌羽(ワイヤーホイップ)を使用し1速で25秒混捏をした。さらに、2速で5分間混捏をした。その後、生地の比容積を測定し、油脂組成物の性能を評価した。その結果を表11に示す。
Figure 2015112039
実施例11−1、実施例11−2は、乳化剤の含有していない比較例11−1に比して、1.9倍以上の比容積を有していた。また、実施例11−3、実施例11−4は、乳化剤の含有していない比較例11−2に比して、1.7倍以上の比容積を有していた。実施例11−1、実施例11−2の対比から、プロピレングリコールステアリン酸エステルとプロピレングリコールパルミチン酸エステルを併用することで、非常に高い比容積を得ることができ、プロピレングリコールステアリン酸エステルを含有することが好ましいことが判った。
〔スポンジケーキ〕
砂糖300g、卵300g、および表12に記載の油脂組成物120gを、縦型ミキサー(ホバート社製、型番N-50)のミキサーボウルに投入し、撹拌羽(ワイヤーホイップ)を使用し1速で30秒混捏をした。その後、薄力粉300gを添加し、1速で30秒混捏をした。さらに、2速で3分間混捏をし、生地を作製した。生地40gを焼成用カップに入れ、180℃、19分間焼成し、スポンジケーキを作製した。室温で放冷し、ポリエチレン製の袋に密封した。焼成翌日にスポンジケーキを食して食感を評価した。その結果を表12に示す。
Figure 2015112039
〔パン〕
ロールパンを直捏法で作製することにより、油脂組成物のパン性能を評価した。油脂組成物は(A)菜種油、および、(B)菜種油:PGMS:PO(85:10:5)を使用した。生地作製の作業性およびできた生地の評価をおこなった。また、焼成後、比容積を測定した(平均値(n=5))。
その結果を表13に示す。また、作製したパンの写真を図1に示す。
〔配合(質量部)〕
強力粉 80
薄力粉 20
イースト 1
上白糖 10
食塩 1.6
脱脂粉乳 3
油脂組成物 10
全卵 8
水 56
〔工程〕
ミキシング 低速3分中速5分高速3分
油脂投入
ミキシング 低速3分中速5分高速2分
発酵時間 60分
ベンチタイム 30分(ベンチ25分、休5分)
分割 50g
ホイロ条件 38℃、75%RH、60分
焼成条件 210℃、12分
Figure 2015112039
本発明の油脂組成物をパン生地に配合しても充分な比容積を有するパンを作成することができた。また、作製したパンは、しっとりとした食感で、口どけの良いものであった。

Claims (8)

  1. 乳化剤Aを7質量%以上35質量%以下、および、乳化剤Bを0.8質量%以上15質量%以下含有する油脂組成物であって、
    乳化剤Aがプロピレングリコール脂肪酸エステルであり、
    乳化剤Bがオレイン酸エステルを含有する乳化剤(プロピレングリコール脂肪酸エステルを除く)であることを特徴とする前記油脂組成物。
  2. 前記乳化剤Bが、モノグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、蔗糖オレイン酸エステルおよびソルビタンオレイン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である請求項1に記載の油脂組成物。
  3. 前記プロピレングリコール脂肪酸エステルの脂肪酸が飽和脂肪酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載の油脂組成物。
  4. 前記ポリグリセリンオレイン酸エステルのHLBが2以上8以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の油脂組成物。
  5. 前記ポリグリセリンオレイン酸エステルの平均重合度が2以上20以下であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の油脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の油脂組成物を含有する食品。
  7. 小麦粉100質量部に対し、前記油脂組成物を5質量部以上70質量部以下含有することを特徴とする請求項6に記載の食品。
  8. 小麦粉を含む生地に請求項1乃至5のいずれか一項に記載の油脂組成物を含有させる工程と、得られた生地を焼成する工程を含む食品の製造方法。
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