JP2015109318A - ボンディングキャピラリ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐磨耗性の向上を図ることができるボンディングキャピラリを提供する。【解決手段】酸化アルミニウムの結晶を主相とする多結晶セラミックスを含み、前記多結晶セラミックスの中におけるポアの占有率が90ppm以下であり、かつ、径が3μm以上のポアが13個/mm2以下であることを特徴とするボンディングキャピラリが提供される。【選択図】図1
Description
本発明の態様は、一般に、ボンディングキャピラリに関し、具体的には、銅などを含む硬い金属細線(ボンディングワイヤ)を用いる場合に適したボンディングキャピラリに関する。
半導体素子とリードフレームのリードとを金属細線で接続するワイヤボンディングにおいては、ボンディングキャピラリを用いて金属細線の一端を電極パッドに接合し(ファーストボンド)、次いで金属細線を引き回してリードに接合する(セカンドボンド)。金属細線を接合する際には、ボンディングキャピラリで金属細線を押圧した状態で超音波を印加するようにしている。
近年では、金属細線の材質として金よりも低コストである銅を用いる試みが広がっている。しかしながら、金よりも硬い銅を含む金属細線を用いる場合には、接合時に印加する超音波の振幅を大きくする必要がある。そのため、金属細線を接合する際にボンディングキャピラリに大きなせん断応力がかかり先端部分の結晶粒子が脱落して磨耗が進行しやすくなる。その結果、金を含む金属細線を用いる場合に比べてボンディングキャピラリの寿命が短くなるという問題がある。
そこで、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径を0.1μm(マイクロメートル)〜2.5μm、二酸化ジルコニウムの結晶粒子の粒子径を0.1μm〜1.0μm、表面ボイド率を0.1%としたボンディングキャピラリが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に開示された技術を用いる場合であっても、結晶粒子の粒子径が均一でないと、粗大粒子を起点に破壊が進行することがある。単一原料での微粒子化および単一原料での粒子径の均一化は、セラミックスにおいては、一般的に容易ではない。そのため、特許文献1に開示された技術を用いる場合であっても、耐磨耗性の向上に改善の余地がある。
しかしながら、特許文献1に開示された技術を用いる場合であっても、結晶粒子の粒子径が均一でないと、粗大粒子を起点に破壊が進行することがある。単一原料での微粒子化および単一原料での粒子径の均一化は、セラミックスにおいては、一般的に容易ではない。そのため、特許文献1に開示された技術を用いる場合であっても、耐磨耗性の向上に改善の余地がある。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、耐磨耗性の向上を図ることができるボンディングキャピラリを提供する。
第1の発明は、酸化アルミニウムの結晶を主相とする多結晶セラミックスを含み、前記多結晶セラミックスの中におけるポアの占有率が90ppm以下であり、かつ、径が3μm以上のポアが13個/mm2以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、多結晶セラミックスの組織内に存在するポアの割合を低減させることができるので、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をより向上させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が、0.68μm以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をより向上させることができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が、0.35μm以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をさらに向上させることができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が、0.49以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をより向上させることができる。
第5の発明は、第1〜3のいずれか1つの発明において、前記酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が、0.40以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をさらに向上させることができる。
第6の発明は、第1〜5のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスのビッカース硬度が、2093HV以上であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をより向上させることができる。
第7の発明は、第1〜5のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスのビッカース硬度が、2163HV以上であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をさらに向上させることができる。
第8の発明は、第1〜7のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスの中における前記酸化アルミニウムの割合は、96.94wt%以上であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をより向上させることができる。
第9の発明は、第1〜7のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスの中における前記酸化アルミニウムの割合は、98.98wt%以上であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をさらに向上させることができる。
第10の発明は、第1〜9のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスは、第2A属、第3A属、および第4A属から選択された少なくともいずれかの金属元素の酸化物を含み、前記多結晶セラミックスの中における前記酸化物の割合は、50ppm以上、600ppm以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をより向上させることができる。
第11の発明は、第1〜9のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスは、第2A属、第3A属、および第4A属から選択された少なくともいずれかの金属元素の酸化物を含み、前記多結晶セラミックスの中における前記酸化物の割合は、50ppm以上、200ppm以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をさらに向上させることができる。
第12の発明は、第1〜11のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスは、酸化クロムをさらに含み、前記多結晶セラミックスの中における前記酸化クロムの割合は、0.1wt%以上、3.0wt%以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をより向上させることができる。
第13の発明は、第1〜11のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスは、酸化クロムをさらに含み、前記多結晶セラミックスの中における前記酸化クロムの割合は、0.1wt%以上、1.0wt%以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
このボンディングキャピラリによれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をさらに向上させることができる。
本発明の態様によれば、耐磨耗性の向上を図ることができるボンディングキャピラリが提供される。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(ボンディングキャピラリの形態)
図1は、本発明の実施の形態に係るボンディングキャピラリを例示する模式的平面図である。
図1(a)は、ボンディングキャピラリを例示する模式的平面図である。図1(b)は、図1(a)におけるA部の模式的拡大図である。
図2は、ボンディングキャピラリの先端部分を例示する模式的斜視図である。
(ボンディングキャピラリの形態)
図1は、本発明の実施の形態に係るボンディングキャピラリを例示する模式的平面図である。
図1(a)は、ボンディングキャピラリを例示する模式的平面図である。図1(b)は、図1(a)におけるA部の模式的拡大図である。
図2は、ボンディングキャピラリの先端部分を例示する模式的斜視図である。
図1(a)および図1(b)に示すように、ボンディングキャピラリ110は、本体部10を備えている。本体部10の内部には、金属細線を通すための孔11h(図2を参照)が軸方向に貫通するようにして設けられている。
本体部10は、円筒部11と、円錐台部12と、ボトルネック部13と、を有する。
円筒部11の外形は、円柱状を呈する。円筒部11は、ワイヤボンディング装置に機械的に固定される。円筒部11の断面寸法は、ワイヤボンディング装置に機械的に固定するのに適したものとなっている。
本体部10は、円筒部11と、円錐台部12と、ボトルネック部13と、を有する。
円筒部11の外形は、円柱状を呈する。円筒部11は、ワイヤボンディング装置に機械的に固定される。円筒部11の断面寸法は、ワイヤボンディング装置に機械的に固定するのに適したものとなっている。
円錐台部12の外形は、円錐台状を呈する。円錐台部12は、円筒部11の端部であって金属細線を接合する側の端部に設けられている。
円錐台部12の断面寸法は、先端側に向かうに従い小さくなる。円錐台部12の円筒部11側の断面寸法は、円筒部11の断面寸法とほぼ等しくなっている。
円錐台部12の断面寸法は、先端側に向かうに従い小さくなる。円錐台部12の円筒部11側の断面寸法は、円筒部11の断面寸法とほぼ等しくなっている。
ボトルネック部13の外形は、円錐台状を呈する。ボトルネック部13は、円錐台部12の端部であって金属細線を接合する側の端部に設けられている。
ボトルネック部13の金属細線を接合する側の端面が先端面50となる。
ボトルネック部13は、既に配線されている隣の金属細線を避けて所定の位置に金属細線を接合することができるような断面寸法を有する。ボトルネック部13の断面寸法は、円錐台部12側から先端面50側に向けて徐々に小さくなる。
ボトルネック部13の金属細線を接合する側の端面が先端面50となる。
ボトルネック部13は、既に配線されている隣の金属細線を避けて所定の位置に金属細線を接合することができるような断面寸法を有する。ボトルネック部13の断面寸法は、円錐台部12側から先端面50側に向けて徐々に小さくなる。
ボトルネック部13を設けるようにすれば、金属細線の配線ピッチが短い場合であっても、金属細線を接合する際にボンディングキャピラリ110と配線済みの金属細線とが干渉するのを防止することができる。
例えば、ボトルネック部13の断面寸法を小さくすることで、金属細線を接合する位置(接合位置)のピッチ寸法が、例えば、50μm以下と短い場合であってもボンディングキャピラリ110と配線済みの金属細線とが干渉するのを防止することができる。
例えば、ボトルネック部13の断面寸法を小さくすることで、金属細線を接合する位置(接合位置)のピッチ寸法が、例えば、50μm以下と短い場合であってもボンディングキャピラリ110と配線済みの金属細線とが干渉するのを防止することができる。
図2に示すように、ボンディングキャピラリ110の先端面50側には、金属細線を通すための孔11hが開口している。孔11hの開口部分には、面取り部13c(チャンファー部)が設けられている。面取り部13cの壁面は、例えば、曲面とすることができる。また、先端面50は、傾斜面となっており、面取り部13c側が突出している。
図3は、他の実施形態に係るボンディングキャピラリを例示する模式的平面図である。 図3に示すように、ボンディングキャピラリ110aは、本体部10aを備えている。本体部10aの内部には、金属細線を通すための孔11hが軸方向に貫通するようにして設けられている。
本体部10aは、円筒部11と、円錐台部12と、を有する。
すなわち、ボンディングキャピラリ110aは、ボトルネック部13が設けられていない場合である。
この場合、円錐台部12の金属細線を接合する側の端面が先端面50となる。ボンディングキャピラリ110aの先端面50側には、金属細線を通すための孔11hが開口している。孔11hの開口部分には、面取り部13cが設けられている。面取り部13cの壁面は、例えば、曲面とすることができる。
なお、ボンディングキャピラリの形態は図1〜図3に例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
本体部10aは、円筒部11と、円錐台部12と、を有する。
すなわち、ボンディングキャピラリ110aは、ボトルネック部13が設けられていない場合である。
この場合、円錐台部12の金属細線を接合する側の端面が先端面50となる。ボンディングキャピラリ110aの先端面50側には、金属細線を通すための孔11hが開口している。孔11hの開口部分には、面取り部13cが設けられている。面取り部13cの壁面は、例えば、曲面とすることができる。
なお、ボンディングキャピラリの形態は図1〜図3に例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
次に、金属細線を接合する際の状態について説明する。
なお、ここではボンディングキャピラリ110の場合について説明するが、ボンディングキャピラリ110aの場合も同様である。
図4は、金属細線を接合する際の状態について例示する模式的断面図である。
なお、図4においては、リードに接合する(セカンドボンド)際の状態を例示する。
なお、ここではボンディングキャピラリ110の場合について説明するが、ボンディングキャピラリ110aの場合も同様である。
図4は、金属細線を接合する際の状態について例示する模式的断面図である。
なお、図4においては、リードに接合する(セカンドボンド)際の状態を例示する。
ボンディングキャピラリ110の孔11hに通された金属細線BWは、まず、図示しない半導体素子に設けられた電極パッドに接合される(ファーストボンド)。その後、ボンディングキャピラリ110を所定の軌道でリード250上まで移動させて、金属細線BWをループ状にする。
次に、図4に示すように、ボンディングキャピラリ110をリード250の上に押圧して、金属細線BWを先端面50とリード250との間に挟み込む。先端面50は傾斜面となっているため、先端面50とリード250との間隔は、先端面50の外側から内側にかけて狭くなる。そのため、先端面50とリード250との間に挟まれた金属細線BWの厚みは、先端面50の外側から内側にかけて薄くなる。
先端面50とリード250との間で金属細線BWを挟み込んだ状態で、ボンディングキャピラリ110に、例えば超音波を印加する。これにより、金属細線BWをリード250に接合する(セカンドボンド)。そして、金属細線BWは、面取り部13cの縁の位置で分断される。金属細線BWを分断した後にボンディングキャピラリ110を上昇させる。これにより、電極パッドとリード250との間に金属細線BWが接続される。
このようなワイヤボンディングにおいて、金よりも硬い銅を含む金属細線BWを用いる場合には、接合時に印加する超音波の振幅を大きくする必要がある。そのため、金属細線BWを接合する際にボンディングキャピラリ110に大きなせん断応力がかかり、先端部分の結晶粒子が脱落して磨耗が進行しやすくなる。その結果、金を含む金属細線BWを用いる場合に比べてボンディングキャピラリ110の寿命が短くなるおそれがある。
そこで、以下に説明する多結晶セラミックスを含むボンディングキャピラリとすることで耐磨耗性を向上させるようにしている。
この場合、以下に説明する多結晶セラミックスを含むボンディングキャピラリとすれば、ボンディングキャピラリの形態にかかわらず耐磨耗性の向上を図ることができる。
この場合、以下に説明する多結晶セラミックスを含むボンディングキャピラリとすれば、ボンディングキャピラリの形態にかかわらず耐磨耗性の向上を図ることができる。
ボンディングキャピラリの材質が、酸化アルミニウム(Al2O3)の結晶を主相とする多結晶セラミックス(第1の多結晶セラミックスの一例に相当する)である場合を説明する。
ボンディングキャピラリの先端面50の近傍にポア(pore:ボイド、空孔などとも称される)があると、応力集中が発生するので結晶粒子の脱落が生じやすくなる。
本発明者らの得た知見によれば、結晶粒子の脱落の起点となるポアの占有率を小さくし、ポアの個数を少なくするようにすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。なお、ポアの占有率とは、ボンディングキャピラリの任意の断面における断面の面積に対するポアの面積の割合(面積比)である。
本発明者らの得た知見によれば、結晶粒子の脱落の起点となるポアの占有率を小さくし、ポアの個数を少なくするようにすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。なお、ポアの占有率とは、ボンディングキャピラリの任意の断面における断面の面積に対するポアの面積の割合(面積比)である。
後述するように、ボンディングキャピラリが酸化アルミニウムの結晶を主相とする多結晶セラミックスを含み、ポアの占有率が90ppm以下となるようにすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。この場合、耐磨耗性をより向上させるために、ポアの占有率が52ppm以下となるようにすることがより好ましく、ポアの占有率が22ppm以下となるようにすることがさらに好ましい。
また、1mm2当たりにおける径が3μm以上のポアの数が13個以下(13個/mm2以下)となるようにすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。この場合、耐磨耗性をより向上させるために、1mm2当たりにおける径が3μm以上のポアの数が7個以下(7個/mm2以下)となるようにすることがより好ましく、1mm2当たりにおける径が3μm以上のポアの数が3個以下(3個/mm2以下)となるようにすることがさらに好ましい。
また、本発明者らの得た知見によれば、ボンディングキャピラリの磨耗は、先端部分にある酸化アルミニウムの結晶粒子の脱落により進行するため、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径を小さくすれば耐磨耗性を向上させることができる。
すなわち、ボンディングキャピラリの磨耗は、先端部分にある酸化アルミニウムの結晶粒子の脱落により進行すると考えられるので、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径を小さくすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。
すなわち、ボンディングキャピラリの磨耗は、先端部分にある酸化アルミニウムの結晶粒子の脱落により進行すると考えられるので、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径を小さくすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。
後述するように、ボンディングキャピラリが酸化アルミニウムの結晶を主相とする多結晶セラミックスを含み、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が0.68μm以下となるようにすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。この場合、耐磨耗性をより向上させるために、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が0.42μm以下となるようにすることがより好ましく、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が0.35μm以下となるようにすることがさらに好ましい。
また、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径を小さくし、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径を揃えるようにすれば、耐磨耗性をより向上させることができる。
図5は、結晶粒子の粒子径の大きさと結晶粒子の粒子径の揃いとが耐磨耗性に及ぼす影響を例示する模式的平面図である。
図6は、酸化アルミニウムの結晶粒子の脱落を例示する模式的平面図である。
なお、図5(a)は、結晶粒子の粒子径が大きく、結晶粒子の粒子径が揃っていないことが耐磨耗性に与える影響を例示する模式的平面図である。図5(b)は、結晶粒子の粒子径が小さく、結晶粒子の粒子径が揃っていることが耐磨耗性に与える影響を例示する模式的平面図である。
図5(a)および図5(b)に表した矢印Fは、超音波を印加することでボンディングキャピラリの先端面50に生じるせん断力を表している。
図5(a)に表した矢印F1および図5(b)に表した矢印F2は、結晶粒子の粒界面に生じるせん断力を表している。
図5は、結晶粒子の粒子径の大きさと結晶粒子の粒子径の揃いとが耐磨耗性に及ぼす影響を例示する模式的平面図である。
図6は、酸化アルミニウムの結晶粒子の脱落を例示する模式的平面図である。
なお、図5(a)は、結晶粒子の粒子径が大きく、結晶粒子の粒子径が揃っていないことが耐磨耗性に与える影響を例示する模式的平面図である。図5(b)は、結晶粒子の粒子径が小さく、結晶粒子の粒子径が揃っていることが耐磨耗性に与える影響を例示する模式的平面図である。
図5(a)および図5(b)に表した矢印Fは、超音波を印加することでボンディングキャピラリの先端面50に生じるせん断力を表している。
図5(a)に表した矢印F1および図5(b)に表した矢印F2は、結晶粒子の粒界面に生じるせん断力を表している。
図5(a)に示すように、結晶粒子の粒子径が大きく、結晶粒子の粒子径が揃っていない場合には、粒界の比表面積が小さくなり、結晶粒子1個あたりの粒界面に生じるせん断力F1が大きくなる。
これに対して、図5(b)に示すように、結晶粒子の粒子径が小さく、結晶粒子の粒子径が揃っている場合には、粒界の比表面積が大きくなり、結晶粒子1個あたりの粒界面に生じるせん断力F2を小さくすることができる。そのため、ボンディングキャピラリの先端部分にある結晶粒子の脱落をより抑制することができるので、耐磨耗性をより向上させることができる。
これに対して、図5(b)に示すように、結晶粒子の粒子径が小さく、結晶粒子の粒子径が揃っている場合には、粒界の比表面積が大きくなり、結晶粒子1個あたりの粒界面に生じるせん断力F2を小さくすることができる。そのため、ボンディングキャピラリの先端部分にある結晶粒子の脱落をより抑制することができるので、耐磨耗性をより向上させることができる。
後述するように、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が0.49以下となるようにすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をより向上させることができる。この場合、耐磨耗性をより向上させるために、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が0.45以下となるようにすることがより好ましく、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が0.40以下となるようにすることがさらに好ましい。
また、酸化アルミニウムの結晶を主相とする多結晶セラミックスの硬度を高くすれば、ボンディングキャピラリの先端部分が磨耗しにくくなる。
後述するように、ボンディングキャピラリが酸化アルミニウムの結晶を主相とする多結晶セラミックスを含み、多結晶セラミックスのビッカース硬度を2093HV以上とすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。この場合、耐磨耗性をより向上させるために、ビッカース硬度が2121HV以上となるようにすることがより好ましく、ビッカース硬度が2163HV以上となるようにすることがさらに好ましい。
後述するように、ボンディングキャピラリが酸化アルミニウムの結晶を主相とする多結晶セラミックスを含み、多結晶セラミックスのビッカース硬度を2093HV以上とすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。この場合、耐磨耗性をより向上させるために、ビッカース硬度が2121HV以上となるようにすることがより好ましく、ビッカース硬度が2163HV以上となるようにすることがさらに好ましい。
本実施形態の金属酸化物は、焼成プロセス時において、酸化アルミニウムとの共晶反応により低融点の液相を形成し、酸化アルミニウムの結晶粒子同士を引き寄せる。
酸化アルミニウムの結晶を主相として含む多結晶セラミックスであって、酸化アルミニウムが単独で存在する多結晶セラミックスの場合には、酸化アルミニウムの結晶粒子を高温・高圧で成長させ、粒界に存在する空隙を埋める。
これに対して、酸化アルミニウムの結晶を主相とし、極微量(例えば600ppm以下)の金属酸化物(例えば酸化マグネシウム)を含む多結晶セラミックスの場合には、酸化アルミニウムが単独で存在する多結晶セラミックスの場合と比較して、金属酸化物の効果(共晶反応)により酸化アルミニウムの結晶粒子を高温・高圧で成長させることなく、結晶粒子間の空隙を埋め、焼結させることができる。
これに対して、酸化アルミニウムの結晶を主相とし、極微量(例えば600ppm以下)の金属酸化物(例えば酸化マグネシウム)を含む多結晶セラミックスの場合には、酸化アルミニウムが単独で存在する多結晶セラミックスの場合と比較して、金属酸化物の効果(共晶反応)により酸化アルミニウムの結晶粒子を高温・高圧で成長させることなく、結晶粒子間の空隙を埋め、焼結させることができる。
なお、上記記載の効果は、酸化マグネシウムに限定される効果ではなく、共晶反応が起こりうる元素ならば限定されずに得られる効果である。周期表第2A、3A、および4A属のいずれかに属する元素(例えば、周期表第2A族ならばCa、Sr、周期表第3A族ならばY、周期表第4A族ならTiなど)の酸化物ならば、粒子を成長させることなく、空隙を埋め、焼結させることが可能である。
これにより、結晶粒子1個あたりにかかるワイヤボンディング時の応力を低減することができる。そのため、ボンディングキャピラリの先端部分にある結晶粒子の脱落をより抑制することができるので、耐磨耗性をより向上させることができる。また、結晶粒子間の空隙が埋まることで多結晶セラミックスの組織内に存在するポアの割合を低減させることができるので、ボンディングキャピラリの耐磨耗性をより向上させることができる。
後述するように、酸化アルミニウムの結晶を主相とし、さらに金属酸化物が添加された多結晶セラミックスを含み、第2A属、第3A属、および第4A属から選択された少なくともいずれかの金属元素の酸化物を含み、多結晶セラミックスの中における酸化物の割合を50ppm以上、600ppm以下にすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるためには、酸化物の割合は50ppm以上、200ppm以下であることが望ましい。
なお、ポアの占有率、ポアの個数、結晶粒子の平均粒子径、結晶粒子の粒子径の分布の変動係数、および多結晶セラミックスの硬度に関する詳細については後述する。
なお、ポアの占有率、ポアの個数、結晶粒子の平均粒子径、結晶粒子の粒子径の分布の変動係数、および多結晶セラミックスの硬度に関する詳細については後述する。
また、本発明者らの得た知見によれば、酸化クロムを添加すれば酸化アルミニウムの焼結性を改善することができるので硬度を高くすることができる。そして、硬度を高くすることができれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。
しかしながら、酸化クロムの添加量が過剰になると、酸化クロムの相が生成されることになる。酸化クロムの相が生成されると、機械的な特性が悪くなり、耐磨耗性が低下することになる。
しかしながら、酸化クロムの添加量が過剰になると、酸化クロムの相が生成されることになる。酸化クロムの相が生成されると、機械的な特性が悪くなり、耐磨耗性が低下することになる。
後述するように、ボンディングキャピラリが酸化アルミニウムの結晶を主相とし、酸化クロムがさらに添加された多結晶セラミックスを含み、酸化クロムの割合を0.1wt%以上3.0wt%以下とすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。この場合、耐磨耗性をより向上させるために、酸化クロムの割合が0.1wt%以上2.0wt%以下となるようにすることがより好ましく、酸化クロムの割合が0.1wt%以上1.0wt%以下となるようにすることがさらに好ましい。
なお、ポアの占有率、ポアの個数、結晶粒子の平均粒子径、結晶粒子の粒子径の分布の変動係数、および多結晶セラミックスの硬度に関する詳細については後述する。
なお、ポアの占有率、ポアの個数、結晶粒子の平均粒子径、結晶粒子の粒子径の分布の変動係数、および多結晶セラミックスの硬度に関する詳細については後述する。
次に、ボンディングキャピラリの実施例について説明する。
(ボンディングキャピラリの製造方法)
まず、酸化アルミニウムと、溶媒と、分散剤と、を添加しボールミルで混合することで、酸化アルミニウムを微粒化する。一方、微量の金属酸化物と、溶媒と、分散剤と、を添加しボールミルで解砕し微粒化する。なお、微量の金属酸化物については、金属酸化物に限定されず、焼成することで金属酸化物を形成する水酸化物や塩化物等を用いても良い。金属酸化物を微粒化することで、金属酸化物と酸化アルミニウムとを混合する際に均一に金属酸化物を分散させることが可能となり、酸化アルミニウムを均一にすることが可能となる。
(ボンディングキャピラリの製造方法)
まず、酸化アルミニウムと、溶媒と、分散剤と、を添加しボールミルで混合することで、酸化アルミニウムを微粒化する。一方、微量の金属酸化物と、溶媒と、分散剤と、を添加しボールミルで解砕し微粒化する。なお、微量の金属酸化物については、金属酸化物に限定されず、焼成することで金属酸化物を形成する水酸化物や塩化物等を用いても良い。金属酸化物を微粒化することで、金属酸化物と酸化アルミニウムとを混合する際に均一に金属酸化物を分散させることが可能となり、酸化アルミニウムを均一にすることが可能となる。
その後、酸化アルミニウムと金属酸化物とを混合する。酸化アルミニウムと金属酸化物とを混ぜる際、金属酸化物に対して全量の酸化アルミニウムを加えるのではなく、金属酸化物に対して少量の酸化アルミニウムを加える。たとえば、添加する酸化アルミニウムの量を100%とすると、その量の約30%以下の酸化アルミニウムを加える(予備混合)。このようにすることで、金属酸化物の分散性が向上し、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径を均一にすることが可能である。また、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径が小さく均一になることで、結晶粒子間の空隙が最小化される。これにより、多結晶セラミックスの組織内に存在するポアの割合を低減させることができる。
また、酸化クロムを添加する場合には、酸化クロムと溶媒と分散剤とを事前に添加しボールミルで解砕し微粒化する。なお、酸化クロムについては、焼成することで酸化クロムを形成する水酸化物や塩化物等を用いても良い。酸化クロムを微粒化することで、酸化アルミニウムや金属酸化物と混合する際に均一に酸化クロムを分散させることが可能となる。
その後、微粒化した酸化クロムと酸化アルミニウムや金属酸化物とを混合する。酸化クロムと酸化アルミニウムや金属酸化物とを混ぜる際、酸化クロムに対して全量の酸化アルミニウムや金属酸化物を加えるのではなく、酸化クロムに対して少量の酸化アルミニウムや金属酸化物を加える。たとえば、添加する酸化アルミニウムや金属酸化物の量を100%とすると、その量の約30%以下の酸化アルミニウムや金属酸化物を加える(予備混合)。このようにすることで、酸化クロムの分散性が向上し、酸化アルミニウムの焼結性を改善することが出来るので硬度を高くすることができる。
その後、微粒化した酸化クロムと酸化アルミニウムや金属酸化物とを混合する。酸化クロムと酸化アルミニウムや金属酸化物とを混ぜる際、酸化クロムに対して全量の酸化アルミニウムや金属酸化物を加えるのではなく、酸化クロムに対して少量の酸化アルミニウムや金属酸化物を加える。たとえば、添加する酸化アルミニウムや金属酸化物の量を100%とすると、その量の約30%以下の酸化アルミニウムや金属酸化物を加える(予備混合)。このようにすることで、酸化クロムの分散性が向上し、酸化アルミニウムの焼結性を改善することが出来るので硬度を高くすることができる。
ボールミルを用いた粉砕においては、粗大粒子を含まない状態まで粉砕する。この際、ボールの大きさ、ボールの数、回転数、時間などを適宜調整することで、所望の粒子の大きさとなるように粉砕することができる。
次に、スプレードライヤー法を用いて造粒を行う。
次に、造粒された粉末にバインダーを混ぜて混練しコンパウンドを生成する。
次に、生成されたコンパウンドを射出成形して細い柱状の成形体を形成する。
次に、造粒された粉末にバインダーを混ぜて混練しコンパウンドを生成する。
次に、生成されたコンパウンドを射出成形して細い柱状の成形体を形成する。
次に、成形体を脱脂し、その後、焼成する。
焼成温度は、例えば、1350℃以上とすることができる。
次に、熱間静水圧プレス(HIP;Hot Isostatic Pressing )を行う。
熱間静水圧プレスの条件は、例えば、雰囲気をアルゴンガス、温度を1350℃以上、圧力を100MPa以上とすることができる。
次に、研削加工などの機械加工を施すことでボンディングキャピラリを形成する。
焼成温度は、例えば、1350℃以上とすることができる。
次に、熱間静水圧プレス(HIP;Hot Isostatic Pressing )を行う。
熱間静水圧プレスの条件は、例えば、雰囲気をアルゴンガス、温度を1350℃以上、圧力を100MPa以上とすることができる。
次に、研削加工などの機械加工を施すことでボンディングキャピラリを形成する。
ここで、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径、および酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数などは、例えば、前述した原料を適切に選択し、粉砕の条件や焼成の条件を適宜調整することで得ることができる。
また、ポアの占有率、ポアの個数、多結晶セラミックスの硬度などは、例えば、前述した原料を適切に選択し、粉砕の条件、原料の混合手順、焼成の条件や熱間静水圧プレスの条件を適宜調整することで得ることができる。
また、ポアの占有率、ポアの個数、多結晶セラミックスの硬度などは、例えば、前述した原料を適切に選択し、粉砕の条件、原料の混合手順、焼成の条件や熱間静水圧プレスの条件を適宜調整することで得ることができる。
次に、このようにして製造されたボンディングキャピラリの評価について説明する。
(多結晶セラミックスの組織評価の方法)
まず、多結晶セラミックスの組織評価の方法について説明する。
ボンディングキャピラリ110、110aの先端面50を傷のない鏡面に仕上げる。鏡面仕上げは、例えば、ダイヤモンドラップ法を用いて行うことができる。そして、鏡面仕上げされた先端面50をサーマルエッチングする。サーマルエッチングは、例えば、1300℃以上の温度で行うことができる。
(多結晶セラミックスの組織評価の方法)
まず、多結晶セラミックスの組織評価の方法について説明する。
ボンディングキャピラリ110、110aの先端面50を傷のない鏡面に仕上げる。鏡面仕上げは、例えば、ダイヤモンドラップ法を用いて行うことができる。そして、鏡面仕上げされた先端面50をサーマルエッチングする。サーマルエッチングは、例えば、1300℃以上の温度で行うことができる。
次に、サーマルエッチングした先端面50を走査型電子顕微鏡(SEM;Scanning Electron Microscope)を用いて撮影し、多結晶セラミックスの組織評価を行う。
例えば、以下の手順により多結晶セラミックスの組織評価を行うことができる。
まず、走査型電子顕微鏡(例えば、日立製作所、S−800)を用い、加速電圧を15kV、ワーキングディスタンスを15mm、倍率を15000倍として、サーマルエッチングした先端面50を撮影する。
例えば、以下の手順により多結晶セラミックスの組織評価を行うことができる。
まず、走査型電子顕微鏡(例えば、日立製作所、S−800)を用い、加速電圧を15kV、ワーキングディスタンスを15mm、倍率を15000倍として、サーマルエッチングした先端面50を撮影する。
次に、撮像された画像を印刷し、粒界に線を引く。
粒界に線を引く際には、例えば、黒ボールペン(例えば、ペン先太さ0.5mm)を用いることができる。
粒界に線を引く際には、例えば、黒ボールペン(例えば、ペン先太さ0.5mm)を用いることができる。
次に、画像解析ソフトウェアを用いて粒界に線を引いた画像を解析する。
例えば、粒界に線を引いた画像をグレースケール設定にてスキャナーで読み込み、画像解析ソフトウェアを用いて画像を解析することができる。
画像解析ソフトウェアは、例えば、Win−ROOFVer6.5(三谷商事)とすることができる。
例えば、粒界に線を引いた画像をグレースケール設定にてスキャナーで読み込み、画像解析ソフトウェアを用いて画像を解析することができる。
画像解析ソフトウェアは、例えば、Win−ROOFVer6.5(三谷商事)とすることができる。
Win−ROOFVer6.5を用いた画像解析は、以下のようにすることができる。 評価範囲は、例えば、6μm×6μmの領域を6箇所とすることができる。
スキャナーで読み込んだ画像をモノクロ化し、単色閾値30〜120の範囲内で二値化する。
そして、Win−ROOFVer6.5のコマンドにある「細線化」を実施し、粒界に引いた線を最小化した後、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径、および酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径を算出する。なお、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径を算出する際には、評価範囲の線上にかかる結晶粒子については、評価対象から除外する。
スキャナーで読み込んだ画像をモノクロ化し、単色閾値30〜120の範囲内で二値化する。
そして、Win−ROOFVer6.5のコマンドにある「細線化」を実施し、粒界に引いた線を最小化した後、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径、および酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径を算出する。なお、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径を算出する際には、評価範囲の線上にかかる結晶粒子については、評価対象から除外する。
この場合、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径は、Win−ROOFVer6.5の「円相当径」により算出することができる。
そして、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径は、算出された複数の円相当径の相加平均を算出することで求めることができる。
そして、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径は、算出された複数の円相当径の相加平均を算出することで求めることができる。
また、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の標準偏差は、以下の式により算出することができる。
なお、σは標準偏差、nはサンプル数、Xi(μm)は酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径、X(μm)は酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径である。
さらに、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数は、以下の式により算出することができる。
なお、σは標準偏差、nはサンプル数、Xi(μm)は酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径、X(μm)は酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径である。
さらに、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数は、以下の式により算出することができる。
(ポアの評価方法)
次に、ポアの評価方法について説明する。
図7は、レーザー顕微鏡を用いたポアの評価結果の一例を例示する写真図である。
ボンディングキャピラリ110、110aの円筒部11を傷のない鏡面に仕上げる。鏡面仕上げは、例えば、ダイヤモンドラップ法を用いて行うことができる。
次に、鏡面に仕上げた円筒部11をレーザー顕微鏡(例えば、オリンパス、OLS4000)を用いて観察し、ポアの評価を行う。
次に、ポアの評価方法について説明する。
図7は、レーザー顕微鏡を用いたポアの評価結果の一例を例示する写真図である。
ボンディングキャピラリ110、110aの円筒部11を傷のない鏡面に仕上げる。鏡面仕上げは、例えば、ダイヤモンドラップ法を用いて行うことができる。
次に、鏡面に仕上げた円筒部11をレーザー顕微鏡(例えば、オリンパス、OLS4000)を用いて観察し、ポアの評価を行う。
レーザー顕微鏡を用いた観察では、例えば、対物レンズの倍率を20倍、ズーム倍率を1倍、1視野を0.65mm×0.65mmとし8視野を評価範囲とすることができる。そして、ポアがあった場合には、対物レンズの倍率を100倍、ズーム倍率を4倍としてポアを観察するとともに、ポアの長さを測定することができる。
レーザ顕微鏡を用いた観察を行ったときの写真図は、図7に表した通りである。図7に表したように、ポア部15は、周囲と異なる色で観察され、小さな点として観察される。
レーザ顕微鏡を用いた観察を行ったときの写真図は、図7に表した通りである。図7に表したように、ポア部15は、周囲と異なる色で観察され、小さな点として観察される。
ポアの長さの測定においては、最大長さをそのポアの径とした。
ここで、本発明者らの得た知見によれば、径が3μm以上のポアと耐磨耗性との間には相関関係が見られた。
そのため、径が3μm以上のポアは、すべて径が3μmのポアとみなし、径が3μm以上のポアの数を数えて以下の式によりポアの占有率を求めることにした。
また、径が3μm以上のポアの数を数え、以下の式により1mm2当たりにおける径が3μm以上のポアの数を求める。
ここで、本発明者らの得た知見によれば、径が3μm以上のポアと耐磨耗性との間には相関関係が見られた。
そのため、径が3μm以上のポアは、すべて径が3μmのポアとみなし、径が3μm以上のポアの数を数えて以下の式によりポアの占有率を求めることにした。
また、径が3μm以上のポアの数を数え、以下の式により1mm2当たりにおける径が3μm以上のポアの数を求める。
(ビッカース硬度の評価方法)
次に、ビッカース硬度の評価方法について説明する。
ボンディングキャピラリ110、110aの先端部を傷のない鏡面に仕上げる。ボンディングキャピラリ110、110aの先端部とは、先端面50から軸に沿って円筒部11の方向へ移動した部分であって、先端面50から300μm以上、500μm以下の範囲の部分である。つまり、ビッカース硬度の評価については、先端面50から軸に沿って円筒部11の方向へ移動した部分であって、先端面50から300μm以上、500μm以下の範囲の部分を切断した面において行う。鏡面仕上げは、例えば、ダイヤモンドラップ法を用いて行うことができる。
ビッカース硬度は、JIS R1610に基づき測定する。
この際、測定点の数は10箇所とした。ビッカース硬度の測定には、例えば、アカシ製のMVK−Eを使用した。
次に、ビッカース硬度の評価方法について説明する。
ボンディングキャピラリ110、110aの先端部を傷のない鏡面に仕上げる。ボンディングキャピラリ110、110aの先端部とは、先端面50から軸に沿って円筒部11の方向へ移動した部分であって、先端面50から300μm以上、500μm以下の範囲の部分である。つまり、ビッカース硬度の評価については、先端面50から軸に沿って円筒部11の方向へ移動した部分であって、先端面50から300μm以上、500μm以下の範囲の部分を切断した面において行う。鏡面仕上げは、例えば、ダイヤモンドラップ法を用いて行うことができる。
ビッカース硬度は、JIS R1610に基づき測定する。
この際、測定点の数は10箇所とした。ビッカース硬度の測定には、例えば、アカシ製のMVK−Eを使用した。
(組成分析の方法)
次に、組成分析について説明する。
酸化アルミニウムおよび酸化クロムの組成分析には、エネルギー分散型X線分析装置(例えば、株式会社島津製作所、EDX−700)を使用することができる。また、周期表の第2A属、第3A属、および第4A属に属する元素の酸化物の分析には、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(例えば、株式会社堀場製作所、ULTIMA2)を使用することができる。
次に、組成分析について説明する。
酸化アルミニウムおよび酸化クロムの組成分析には、エネルギー分散型X線分析装置(例えば、株式会社島津製作所、EDX−700)を使用することができる。また、周期表の第2A属、第3A属、および第4A属に属する元素の酸化物の分析には、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(例えば、株式会社堀場製作所、ULTIMA2)を使用することができる。
(耐磨耗性の評価方法)
ボンディングキャピラリ110、110aをワイヤボンディング装置(例えば、新川、UTC−3000)に取り付け、超音波を印加した状態でリードフレームに擦りつけて、加速磨耗試験を行った。
この際、超音波出力を250、超音波印加時間を21msecとした。
ボンディングキャピラリ110、110aをワイヤボンディング装置(例えば、新川、UTC−3000)に取り付け、超音波を印加した状態でリードフレームに擦りつけて、加速磨耗試験を行った。
この際、超音波出力を250、超音波印加時間を21msecとした。
図8は、耐磨耗性の評価を説明する模式的断面図である。
図8中の破線の位置は、加速磨耗試験後の先端面50の位置を表している。
初期状態における面取り部13cの開口寸法Lと、加速磨耗試験後における面取り部13cの開口寸法L’と、を測定し、耐磨耗性を以下の式を用いて求めることで耐磨耗性の評価を行った。
なお、開口寸法Lと開口寸法L’の測定にはデジタルマイクロスコープ(例えば、KEYENCE、VW−6000)を用いた。
図8中の破線の位置は、加速磨耗試験後の先端面50の位置を表している。
初期状態における面取り部13cの開口寸法Lと、加速磨耗試験後における面取り部13cの開口寸法L’と、を測定し、耐磨耗性を以下の式を用いて求めることで耐磨耗性の評価を行った。
なお、開口寸法Lと開口寸法L’の測定にはデジタルマイクロスコープ(例えば、KEYENCE、VW−6000)を用いた。
耐摩耗性の評価結果を表1〜表3に示す。
表1に表したように、実施例1〜4および比較例1、2について、ポアおよび耐摩耗性の評価を実施した。実施例1〜4および比較例1、2において、酸化アルミニウムの割合は、97.46wt%以上である。実施例1〜4および比較例1、2では、酸化マグネシウム、二酸化ジルコニウム、および酸化イットリウムの少なくともいずれかが金属酸化物として選択されている。金属酸化物の割合は、100ppm以上、400ppm以下である。実施例1〜4および比較例1、2では、酸化クロムが添加されている。酸化クロムの割合は、0.5wt%以上、2.5wt%以下である。
表1に表したように、実施例1〜4および比較例1、2について、ポアおよび耐摩耗性の評価を実施した。実施例1〜4および比較例1、2において、酸化アルミニウムの割合は、97.46wt%以上である。実施例1〜4および比較例1、2では、酸化マグネシウム、二酸化ジルコニウム、および酸化イットリウムの少なくともいずれかが金属酸化物として選択されている。金属酸化物の割合は、100ppm以上、400ppm以下である。実施例1〜4および比較例1、2では、酸化クロムが添加されている。酸化クロムの割合は、0.5wt%以上、2.5wt%以下である。
表1から分かるように、ポアの占有率が90ppm以下である場合に、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるために、ポアの占有率が52ppm以下であることがより好ましく、ポアの占有率が22ppm以下であることがさらに好ましい。
表1から分かるように、単位面積当たりの3μm以上のポア数が13個/mm2以下である場合に、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるために、単位面積当たりの3μm以上のポア数が7個/mm2以下であることがより好ましく、単位面積当たりの3μm以上のポア数が3個/mm2以下であることがさらに好ましい。
なお、本願明細書において、酸化アルミニウム、金属酸化物、および酸化クロムの「割合」とは、ボンディングキャピラリが製造された後の状態において、蛍光X線分析装置や誘導結合プラズマ発光分光分析装置を用いて測定される酸化アルミニウム、金属酸化物、および酸化クロムのそれぞれの割合(wt%またはppm)をいう。
表2に表したように、実施例5〜8および比較例3について、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径の分布の標準偏差、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数、および耐摩耗性の評価を実施した。実施例5〜8および比較例3において、酸化アルミニウムの割合は、97.46wt%以上である。実施例5〜8および比較例3では、酸化マグネシウム、二酸化ジルコニウム、および酸化イットリウムの少なくともいずれかが金属酸化物として選択されている。金属酸化物の割合は、100ppm以上、400ppm以下である。実施例5〜8および比較例3では、酸化クロムが添加されている。酸化クロムの割合は、0.5wt%以上、2.5wt%以下である。
表2から分かるように、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が0.68μm以下である場合に、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるために、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が0.42μm以下であることがより好ましく、酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が0.35μm以下であることがさらに好ましい。
表2から分かるように、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が0.49以下である場合に、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるために、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が0.45以下であることがより好ましく、酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が0.40以下であることがさらに好ましい。
なお、実施例5〜8において、ポアの占有率は67ppm以下であり、単位面積当たりの3μm以上のポア数は10個/mm2以下である。比較例3において、ポアの占有率は213ppmであり、単位面積当たりの3μm以上のポア数は30個/mm2である。
表3に表したように、実施例9〜13および比較例4、5について、ビッカース硬度および耐摩耗性の評価を実施した。
表3から分かるように、ビッカース硬度が2093HVである場合に、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるために、ビッカース硬度が2121HV以上であることがより好ましく、ビッカース硬度が2163HV以上であることがさらに好ましい。
表3から分かるように、酸化アルミニウムの割合が96.94wt%以上である場合に、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるために、酸化アルミニウムの割合が98.98wt%以上であることがより好ましい。
表3から分かるように、酸化マグネシウムの割合が50ppm以上、600ppm以下である場合に、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるために、酸化マグネシウムの割合が50ppm以上、200ppm以下であることがより好ましい。
金属酸化物は、酸化マグネシウムに限定されず、周期表の第3A属のイットリアの酸化物(酸化イットリウム)でもよく、周期表の第4A属のジルコニウムの酸化物(二酸化ジルコニウム)でもよい。この場合でも、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。また、金属酸化物は、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、および二酸化ジルコニウムに限定されず、これらと同等の効果を期待できる周期表の第2A属、第3A属、および第4A属に属する他の金属元素の酸化物であってもよい。
金属酸化物は、酸化マグネシウムに限定されず、周期表の第3A属のイットリアの酸化物(酸化イットリウム)でもよく、周期表の第4A属のジルコニウムの酸化物(二酸化ジルコニウム)でもよい。この場合でも、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。また、金属酸化物は、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、および二酸化ジルコニウムに限定されず、これらと同等の効果を期待できる周期表の第2A属、第3A属、および第4A属に属する他の金属元素の酸化物であってもよい。
表3から分かるように、酸化クロムの割合が0.1wt%以上、3.0wt%以下である場合に、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるために、酸化クロムの割合が0.1wt%以上、2.0wt%以下であることがより好ましく、酸化クロムの割合が0.1wt%以上、1.0wt%以下であることがさらに好ましい。
なお、実施例9〜13において、ポアの占有率は67ppm以下であり、単位面積当たりの3μm以上のポア数は10個/mm2以下である。比較例4、5において、ポアの占有率は242ppmであり、単位面積当たりの3μm以上のポア数は34個/mm2である。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
例えば、ボンディングキャピラリの形態、製造手順などは例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、ボンディングキャピラリの形態、製造手順などは例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10、10a 本体部、 11 円筒部、 11h 孔、 12 円錐台部、 13 ボトルネック部、 13c 面取り部、 50 先端面、 110、110a ボンディングキャピラリ、 200、210 結晶粒子、 220 クラスター、 250 リード
第10の発明は、第1〜9のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスは、第2族、第3族、および第4族から選択された少なくともいずれかの金属元素の酸化物を含み、前記多結晶セラミックスの中における前記酸化物の割合は、50ppm以上、600ppm以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
第11の発明は、第1〜9のいずれか1つの発明において、前記多結晶セラミックスは、第2族、第3族、および第4族から選択された少なくともいずれかの金属元素の酸化物を含み、前記多結晶セラミックスの中における前記酸化物の割合は、50ppm以上、200ppm以下であることを特徴とするボンディングキャピラリである。
なお、上記記載の効果は、酸化マグネシウムに限定される効果ではなく、共晶反応が起こりうる元素ならば限定されずに得られる効果である。周期表第2、3、および4族のいずれかに属する元素(例えば、周期表第2族ならばCa、Sr、周期表第3族ならばY、周期表第4族ならTiなど)の酸化物ならば、粒子を成長させることなく、空隙を埋め、焼結させることが可能である。
後述するように、酸化アルミニウムの結晶を主相とし、さらに金属酸化物が添加された多結晶セラミックスを含み、第2族、第3族、および第4族から選択された少なくともいずれかの金属元素の酸化物を含み、多結晶セラミックスの中における酸化物の割合を50ppm以上、600ppm以下にすれば、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるためには、酸化物の割合は50ppm以上、200ppm以下であることが望ましい。
なお、ポアの占有率、ポアの個数、結晶粒子の平均粒子径、結晶粒子の粒子径の分布の変動係数、および多結晶セラミックスの硬度に関する詳細については後述する。
なお、ポアの占有率、ポアの個数、結晶粒子の平均粒子径、結晶粒子の粒子径の分布の変動係数、および多結晶セラミックスの硬度に関する詳細については後述する。
(組成分析の方法)
次に、組成分析について説明する。
酸化アルミニウムおよび酸化クロムの組成分析には、エネルギー分散型X線分析装置(例えば、株式会社島津製作所、EDX−700)を使用することができる。また、周期表の第2族、第3族、および第4族に属する元素の酸化物の分析には、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(例えば、株式会社堀場製作所、ULTIMA2)を使用することができる。
次に、組成分析について説明する。
酸化アルミニウムおよび酸化クロムの組成分析には、エネルギー分散型X線分析装置(例えば、株式会社島津製作所、EDX−700)を使用することができる。また、周期表の第2族、第3族、および第4族に属する元素の酸化物の分析には、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(例えば、株式会社堀場製作所、ULTIMA2)を使用することができる。
表3から分かるように、酸化マグネシウムの割合が50ppm以上、600ppm以下である場合に、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。耐磨耗性をより向上させるために、酸化マグネシウムの割合が50ppm以上、200ppm以下であることがより好ましい。
金属酸化物は、酸化マグネシウムに限定されず、周期表の第3族のイットリアの酸化物(酸化イットリウム)でもよく、周期表の第4族のジルコニウムの酸化物(二酸化ジルコニウム)でもよい。この場合でも、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。また、金属酸化物は、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、および二酸化ジルコニウムに限定されず、これらと同等の効果を期待できる周期表の第2族、第3族、および第4族に属する他の金属元素の酸化物であってもよい。
金属酸化物は、酸化マグネシウムに限定されず、周期表の第3族のイットリアの酸化物(酸化イットリウム)でもよく、周期表の第4族のジルコニウムの酸化物(二酸化ジルコニウム)でもよい。この場合でも、ボンディングキャピラリの耐磨耗性を向上させることができる。また、金属酸化物は、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、および二酸化ジルコニウムに限定されず、これらと同等の効果を期待できる周期表の第2族、第3族、および第4族に属する他の金属元素の酸化物であってもよい。
Claims (13)
- 酸化アルミニウムの結晶を主相とする多結晶セラミックスを含み、前記多結晶セラミックスの中におけるポアの占有率が90ppm以下であり、かつ、径が3μm以上のポアが13個/mm2以下であることを特徴とするボンディングキャピラリ。
- 前記酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が、0.68μm以下であることを特徴とする請求項1記載のボンディングキャピラリ。
- 前記酸化アルミニウムの結晶粒子の平均粒子径が、0.35μm以下であることを特徴とする請求項1記載のボンディングキャピラリ。
- 前記酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が、0.49以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。
- 前記酸化アルミニウムの結晶粒子の粒子径の分布の変動係数が、0.40以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。
- 前記多結晶セラミックスのビッカース硬度が、2093HV以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。
- 前記多結晶セラミックスのビッカース硬度が、2163HV以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。
- 前記多結晶セラミックスの中における前記酸化アルミニウムの割合は、96.94wt%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。
- 前記多結晶セラミックスの中における前記酸化アルミニウムの割合は、98.98wt%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。
- 前記多結晶セラミックスは、第2A属、第3A属、および第4A属から選択された少なくともいずれかの金属元素の酸化物を含み、
前記多結晶セラミックスの中における前記酸化物の割合は、50ppm以上、600ppm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。 - 前記多結晶セラミックスは、第2A属、第3A属、および第4A属から選択された少なくともいずれかの金属元素の酸化物を含み、
前記多結晶セラミックスの中における前記酸化物の割合は、50ppm以上、200ppm以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。 - 前記多結晶セラミックスは、酸化クロムをさらに含み、
前記多結晶セラミックスの中における前記酸化クロムの割合は、0.1wt%以上、3.0wt%以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。 - 前記多結晶セラミックスは、酸化クロムをさらに含み、
前記多結晶セラミックスの中における前記酸化クロムの割合は、0.1wt%以上、1.0wt%以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載のボンディングキャピラリ。
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