JP2015109254A - リチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物およびそれを含む負極合材ペースト、リチウムイオン二次電池用負極およびそれを含む二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物およびそれを含む負極合材ペースト、リチウムイオン二次電池用負極およびそれを含む二次電池 Download PDF

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仁志 大西
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博紀 村井
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Abstract

【課題】高いサイクル特性と負荷特性と共に、優れた機械的強度も兼ね備えたポリイミド、これを含むリチウムイオン二次電池負極用樹脂組成物、これから得られるリチウムイオン二次電池用負極とリチウムイオン二次電池を提供する。【解決手段】下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含んでなるリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物およびそれを含む負極合材
ペースト、リチウムイオン二次電池用負極およびそれを含む二次電池に関する。
近年、電子機器の小型化と軽量化が進み、電源として高エネルギー密度の二次電池が益
々切望されている。二次電池とは、正極活物質と負極活物質とが電解質を介して化学反応
することにより生じた化学エネルギーを、電気エネルギーとして利用するものである。こ
のような二次電池の中でも、高いエネルギー密度を有するものとして、リチウムイオン二
次電池が実用化され始めている。リチウムイオン二次電池の正極活物質には、リチウムコ
バルト複合酸化物等のリチウム含有金属複合酸化物が主に用いられ、負極活物質には炭素
材料が主に用いられ、また活物質を集電体に固定するためのバインダーとしては、ポリフ
ッ化ビニリデン(以下「PVdF」と略す)が多用されてきた。
さてリチウムイオン二次電池の負極活物質として、既存の炭素材料の理論容量を大きく
超える次世代負極活物質の開発が活発化している。特に、ケイ素原子やスズ原子等を含ん
でなる負極活物質は、大きな充放電容量を有することが知られている。しかし、これら負
極活物質として用いた場合、炭素材料を用いた場合に比べてリチウムイオンの吸蔵・放出
に伴う体積変化が大きいがゆえに、充放電サイクルに伴い膨張と収縮を繰り返すことにな
る。
従って、ケイ素原子やスズ原子等を含んでなる負極活物質を用いるケースでは、従来の
PVdFなどをバインダーとして用いた場合はもちろんのこと、機械強度と耐熱性により
優れるとされるポリイミドをバインダーに用いた場合であっても、程度の差こそあれ、電
極、活物質粒子が微粉化したり、バインダーから脱離したりする現象が発生する。さらに
は、短時間に充放電を行うと、急激なイオンの移動による発熱現象のため、バインダーの
耐熱性が不十分な場合にはサイクル劣化が生じやすいという欠点も指摘されている。このような事情によって、これらの負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池では、充放電
の繰り返しによる放電容量(以下、「サイクル特性」)が十分であるとは言い難かった(
例えば、非特許文献1参照)。また、一般的に、粒子とバインダー樹脂と溶剤とからなる混合ペーストを塗布後に急速乾燥させたような場合は、表層に樹脂比率の高い層が形成される。また、塗膜の厚みが厚くなった場合も、樹脂の表面への著しい偏析が発生することがある。このような条件で作製された電極を用いてリチウムイオン二次電池を作製すると、電極中に電解液が浸透し難くなり、リチウムイオン二次電池の「負荷特性」が低下するという問題があった。そこで、例えば電解質中のリチウムイオンの拡散速度を向上させ、負荷特性を向上させる取り組み(例えば、特許文献1参照。)、あるいは二次電池を構成するセパレーターを改良することにより、負荷特性を向上させる取り組みなどがなされている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−157443号公報 特開2007−265666号公報
機能材料,Vol.33(4), 43-51(2013)
本発明は、上記したような従来技術がはらむ課題を解決するためになされたものであって、周期的な膨張・収縮に耐え得る高い強度を持つと同時に、高いサイクル特性を持ち、負荷特性の低下を抑制可能なリチウムイオン二次電池負極用のバインダー樹脂組成物としての特定のポリイミドに係わる。より具体的には、従来のポリイミドに比べてリチウム還元耐性に優れ、その結果として発現する高いサイクル特性と共に、優れた機械的強度も兼ね備えたポリイミド、該ポリイミドを主成分として含むリチウムイオン二次電池負極用樹脂組成物、該組成物から得られるリチウムイオン二次電池用負極、並びにこれから得られるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
従来のポリイミドまたはこれを含む樹脂組成物を負極バインダーとするリチウムイオン
二次電池のサイクル特性が低い原因の一つとして、充放電を繰り返す中で当該ポリイミドが、リチウムにより一部還元されることによる、活物質/ポリイミド間の結着性低下が指摘されている。本発明者らは、該還元反応を受け難く、長期期間に渡り機械強度を維持できるポリイミドを開発すべく、計算科学的な手法も駆使して鋭意検討し本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下の事項を含む。
〔1〕下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含んでなるリチウ
ムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
〔一般式(I)において、連結基Arは下記一般式(II)で表されるジイミド化合物の
、Gaussian 09 Rev.D01を用いた長距離補正された密度汎関数法(ωB
97XD/6−31G(d))により導出されるLUMOのエネルギーレベルがー0.8
7eVを超え、0.00eV以下である4価の芳香族基であり、連結基Arは一つ以上
のエーテル結合を含有する全芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を示す。
〔2〕上記連結基Arが、下記一般式(III)で表される4価の芳香族基であることを
特徴とする前記〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
〔式(III)における連結基Xは下記式(IVa)〜(IVd)で表されるいずれかの2価の有
機基である。〕
〔式(IVc)におけるRは水素原子またはメチル基を示し、式(IVd)におけるRとR
は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基から選ばれ、相互に同一でも異なって
いても良い〕
〔3〕上記連結基Arが、下記一般式(Va)または(Vb)で表される4価の芳香族基
であることを特徴とする上記〔1〕に記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組
成物。
〔上記式(Va)または式(Vb)におけるmまたはnは1、2または3を示し、Rまたは
R’は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、複数のRまたはR’は相互に
同一でも異なっていても良い〕
〔4〕一つ以上のエーテル結合を含有する全芳香族ジアミン化合物に由来するジアミン単
位の20モル%〜100モル%が、下記式(VI)で表される全芳香族ジアミンに由来する
ジアミン単位であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のリチウムイ
オン二次電池用バインダー樹脂組成物。
〔式(VI)において連結基Yは、芳香環を1以上有する2価の有機基を示す。〕
〔5〕芳香環を1以上有する2価の有機基が、下記式(VIIa)、(VIIb)および(VIIc)
に記載の骨格から選ばれることを特徴とする前記〔4〕に記載のリチウムイオン二次電池
用バインダー樹脂組成物。
〔なお上記式(VIIc)においては、連結基Zは、直接結合、もしくは酸素原子、硫黄原
子、メチレン基、カルボニル基、スルホキシル基、スルホン基、1,1’−エチリデン基
、1,2−エチリデン基、2,2’−イソプロピリデン基、2,2’−ヘキサフルオロイ
ソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、フェニレン基、1,3−フェニレンジメチレ
ン基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,3−フェニレンジエチリデン基、1,4−
フェニレンジエチリデン基、1,3−フェニレンジプロピリデン基、1,4−フェニレン
ジプロピリデン基、1,3−フェニレンジオキシ基、1,4−フェニレンジオキシ基、ビ
フェニレンジオキシ基、メチレンジフェノキシ基、エチリデンジフェノキシ基、プロピリ
デンジフェノキシ基、ヘキサフルオロプロピリデンジフェノキシ基、オキシジフェノキシ
基、チオジフェノキシ基、スルホンジフェノキシ基のいずれかである。〕
〔6〕前記〔1〕〜〔5〕項のいずれかに記載のバインダー樹脂組成物と、ケイ素原子、
スズ原子およびゲルマニウム原子から選ばれる少なくとも一種からなる負極活物質とを含
む、リチウムイオン二次電池負極合材ペースト。
〔7〕前記〔6〕項に記載のリチウムイオン二次電池電極合材ペーストを、集電体上に塗
布し、加熱処理することにより得られるリチウムイオン二次電池用負極。
〔8〕加熱処理温度が250℃以下であることを特徴とする前記〔7〕項に記載のリチウ
ムイオン二次電池用負極。
〔9〕リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えたリチウム
イオン二次電池であって、前記負極が、前記〔7〕または〔8〕項に記載のリチウムイオ
ン二次電池用負極であるリチウムイオン二次電池。
本発明のリチウムイオン二次電池負極用バインダー樹脂組成物は、リチウムイオン二次
電池の負極において、リチウムに対して耐還元性が高く機械的強度に優れたポリイミドを
負極活物質用バインダーとして用いているので、充放電時の負極活物質の剥がれが少なく、負荷特性とサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が提供される。
Li貼り付け法による耐還元性試験方法を模式的に示した図面である。 実施例1におけるポリイミドフィルムの表面の様子を示す写真である。 比較例1におけるポリイミドフィルムの表面の様子を示す写真である。
1.リチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物
本発明のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物は、下記一般式(I)で表さ
れるポリイミドまたはその前駆体である少量ポリアミド酸を含有する(以下の説明では、
ポリアミド酸を含有する場合であっても一括して「ポリイミド」と呼称する場合がある)
。リチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物全体に占める、一般式(I)で表され
るポリイミドの含有量は通常70重量%以上、好ましくは80重量%以上である。一般式
(I)で表されるポリイミドの含有量が70重量%に満たない場合は、リチウムイオン二
次電池用バインダー樹脂組成物としての効果、すなわち機械的強度と優れた耐還元性が発
現しない場合があり、その結果として負荷特性とサイクル特性に劣る場合があるので好ましくない。なお、バインダー樹脂組成物中には後述するようにアルカリ金属イオンを含有していることが好ましい。
上記一般式(I)において、連結基Arは下記一般式(II)で表されるジイミド化合
物の、Gaussian 09 Rev.D01を用いた長距離補正された密度汎関数法(
ωB97XD/6−31G(d))により導出されるLUMOのエネルギーレベルがー0
.87eVを超え、0.00eV以下である4価の芳香族基であり、連結基Arは一つ
以上のエーテル結合を含有する全芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基であ
る。
バインダー樹脂組成物に含まれる前記一般式(I)で表されるポリイミドの化学式中の
連結基ArおよびArについては、該ポリイミドの原料モノマー成分であるテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミン化合物の説明部分において詳細に述べる。
1−1.テトラカルボン酸二無水物単位
本発明に係わる、一般式(I)で表されるポリイミドの繰り返し単位に含まれるジイミ
ド単位は、下記一般式(VIII)で表されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構成単位
である。
一般式(VIII)における連結基Arは下記一般式(II)で表されるジイミド化合物の
LUMOのエネルギーレベルが−0.87eVを超え、0.00eV以下、好ましくは−
0.78eV以上、0.00eV以下の範囲を満たすような4価の芳香族基である。なお
本発明において、一般式(II)で表されるジイミド化合物のLUMOのエネルギーレベル
は、米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian
09(Gaussian 09、Revision D.01,M.J.Frisch,e
t al, Gaussian, Inc., Wallingford CT, 2009.
)を用いて算出する。計算手法は長距離補正された密度汎関数法ωB97XDを選び、基
底関数は6−31G(d)を用いる。対象とする分子構造の構造最適化はキーワードOP
Tを用い、その他の条件についてはソフトウェアのデフォルト値を採用して、構造最適化
が完了した後のLUMOのエネルギーレベル(eV単位換算値)を見積もる。
一般式(II)で表されるジイミド化合物のLUMOエネルギーレベルが−0.87eV
を超え、0.00eV以下を満たす連結基Arとしては、下記一般式(III)で表され
る4価の芳香族基を例示することができる。
ここで、一般式(III)におけるXは下記式(IVa)〜(IVd)で表されるいずれかの化
学構造から選ばれる2価の有機基である。
式(IVc)におけるRは水素原子またはメチル基を示す。また式(IVd)におけるR
とRは、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基から選ばれ、相互に同一でも異なっていても良い。RとRは、好ましくは水素原子またはメチル基であり、RとRが共に水素原子であるか共にメチル基であることが特に好ましい。
なお、本発明において連結基Arとして、一般式(III)においてXが酸素原子(式IVa
に相当)である下記式(III’)の連結基を用いる場合は、ジアミンとしては後掲する一
般式(VI)で表される構造のものを組み合わせて使用することが本発明の効果を発現し易
いので好ましい。
また、一般式(II)で表されるジイミド化合物のLUMOエネルギーレベルが−0.87eVを超え、0.00eV以下を満たす連結基Arとしては、下記一般式(Va)または(Vb)で表される4価の芳香族基を例示することができる。
なお、上記式(Va)または(Vb)におけるmまたはnは1、2または3であり。ポリ
イミド原料の入手容易性からmとnは同一であることが好ましい。RおよびR’は相互に
同一でも異なっていても良く、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示す。該炭
化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチル基を例示することができる
。原料の入手容易性の視点からRおよびR’としては水素原子が好ましい。
1−2.ジアミン単位
本発明に係わるポリイミドの繰り返し単位を構成するジアミン単位は、一つ以上のエーテル結合を含有する全芳香族ジアミン由来のジアミン単位を含有する。本発明においては
、全芳香族ジアミン化合物に由来する全ジアミン単位の20モル%〜100モル%、好ま
しくは30モル%〜100モル%、より好ましくは50モル%〜100モル%、特に好ま
しくは60〜100モル%が、下記式(VI)で表される全芳香族ジアミンに由来するジア
ミン単位であることを特徴としている。
上記式(VI)において連結基Yは、芳香環を1以上、好ましくは1〜5個、より好ま
しくは1〜3個、特に好ましくは1又は2個有する2価の有機基を示す。
本発明においては、該連結基Yが下記一般式(VIIa)〜(VIIc)のいずれかの骨格から選ばれることがとりわけ好ましい。
なお一般式(VIIc)で表される基においては、連結基Zは直接結合、もしくは、酸素原
子、硫黄原子、メチレン基、カルボニル基、スルホキシル基、スルホン基、1,1’−エ
チリデン基、1,2−エチリデン基、2,2’−イソプロピリデン基、2,2’−ヘキサ
フルオロイソプロピリデン基、シクロヘキシリデン基、フェニレン基、1,3−フェニレ
ンジメチレン基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,3−フェニレンジエチリデン基
、1,4−フェニレンジエチリデン基、1,3−フェニレンジプロピリデン基、1,4−
フェニレンジプロピリデン基、1,3−フェニレンジオキシ基、1,4−フェニレンジオ
キシ基、ビフェニレンジオキシ基、メチレンジフェノキシ基、エチリデンジフェノキシ基
、プロピリデンジフェノキシ基、ヘキサフルオロプロピリデンジフェノキシ基、オキシジ
フェノキシ基、チオジフェノキシ基、スルホンジフェノキシ基のいずれかの基である。
このような全芳香族ジアミンの好ましい例としては、4,4’−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕オキシド、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ〕
フェニル〕スルホン、等が挙げられる。本発明に係わる全芳香族ジアミン化合物として、
前記式(VI)で表される全芳香族ジアミン以外の好ましい全芳香族ジアミンとしては、例
えばp-フェニレンジアミン、4,4'―ジアミノジフェニルエーテルを例示することがで
きる。
1−3.ポリイミド
本発明に係わるポリイミドの重量平均分子量は、1.0×10〜5.0×10であ
ることが好ましい。重量平均分子量が1.0×10未満であると、バインダー樹脂組成
物を硬化して得られるバインダーの機械強度が低下することがある。重量平均分子量が5
.0×10を超えるとペースト化や塗工が困難となることがある。なお、ポリイミドの
重量平均分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定された値である。
1−4.ポリイミド製造
ポリイミドは、全芳香族ジアミン、好ましくは一般式(VI)で表される全芳香族ジアミ
ンと、LUMOエネルギーレベルが特定範囲を満たす架橋基Arを有するテトラカルボ
ン酸二無水物、好ましくは一般式(III)で表されるテトラカルボン酸二無水物を脱水縮
合反応させて得られる。
テトラカルボン酸二無水物の仕込みモル量(M1)とジアミンの仕込みモル量(M2)
との比率を、M1:M2=0.90〜1.10:1.00とすることが好ましい。M1:
M2は、0.92〜1.08:1.00であることがより好ましく、0.95〜1.05
:1.00であることがさらに好ましい。
また、ポリイミドは、アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、などのシランカップリング剤、および必要
に応じて公知の各種添加剤を、ポリイミドの総量100質量部に対して0.1〜20質量
部含有してもよい。これらを含有することにより、活物質や集電体との接着性をさらに高
めることができる。
1−5.アルカリ金属イオン
本発明のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物は、アルカリ金属イオン、好
ましくはリチウムイオンを含有していることが好ましい。アルカリ金属イオンは、ポリイ
ミド中に均一に分散されるように、例えば(モノ)カルボン酸の塩として添加される。
バインダー樹脂組成物がリチウムイオンの如きアルカリ金属イオンを含む場合、アルカ
リ金属イオンは下記一般式(IX)のようなイオン結合でもってポリイミドの末端と結合し
ている確率が高いことが予想される。このような結合様式である場合は、バインダーとし
てのリチウム耐還元性が向上し、ひいては二次電池としての負荷特性やサイクル特性が向上することを本発明者らは見出している。なお、バインダー樹脂組成物に含まれる
アルカリ金属イオンの含有量は、前記テトラカルボン酸二無水物100モル%に対し1〜
20モル%、好ましくは1〜10モル%である。
2.リチウムイオン二次電池用負極合材ペースト
本発明のリチウムイオン二次電池用負極合材ペーストは、前述したバインダー用樹脂組
成物と、負極活物質とを含み、さらに溶媒や、その他の成分(導電助剤など)を含んでい
てもよい。当該ペーストは、バインダー用樹脂組成物もしくはこれを含むワニスと、負極
活物質と、必要に応じて導電助剤、溶剤等を自転・公転ミキサー等の公知の方法で混合・
撹拌ないし混錬して製造することができる。
2−1.負極活物質
負極活物質は特に限定されず、炭素材料からなる活物質であってもよいが、リチウムイ
オン吸蔵および/または挿入時の体積膨張率が110%より大きい活物質であってもよい
。負極活物質の体積膨張率は150%以上であってもよく、200%以上であってもよい
。本発明のバインダー用樹脂組成物は、充放電に伴う負極活物質の体積膨張率110%以
上と大きい場合であっても、良好な結着性を維持するからである。なお、負極活物質の体
積膨張率は、例えば『車載用リチウムイオン電池の開発動向』,近畿大学工学部研究公開
フォーラム,2010年10月27日などに公開されている。
負極活物質としては、充放電容量の大きいケイ素原子、スズ原子またはゲルマニウム原
子を含む活物質を好ましく用いることができる。より好ましくはケイ素原子、スズ原子ま
たはゲルマニウム原子の酸化物を含む活物質である。なお当該活物質にはケイ素粒子及び
/又はケイ素合金も含まれる。
ケイ素原子を含む負極活物質の例には、(i)シリコン微粒子、(ii)スズ、ニッケル
、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマ
ス、アンチモンまたはクロムと、ケイ素との合金、(iii)ホウ素、窒素、酸素または炭
素とケイ素との化合物や、これらにさらに(ii)に例示した金属を有するものなどが含ま
れる。ケイ素の合金あるいは化合物の例には、SiB、SiB、MgSi、Ni
Si、TiSi、MoSi、CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、C
Si、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、Z
nSi、SiC、Si、SiO、SiO(0<x≦2)あるいはLiS
iOなどが含まれる。
スズ原子を含む負極活物質の例には、SnO(0<w≦2)、SnSiO、LiS
nOあるいはMgSnなどをあげることができる。ゲルマニウムを含む負極活物質の例
には、ゲルマニウムの酸化物、炭化物、窒化物、炭窒化物等が挙げられる。
負極活物質の表面は、炭素や銅などの導電性を有する材料で覆われていてもよい。それ
により、負極電極の導電性が向上されうる。負極活物質の表面は、シランカップリング剤
などによって処理が施されていてもよい。なお、負極活物質の平均粒径は0.1〜20μ
mが好ましい。
2−2.溶媒
リチウムイオン二次電池用負極合材ペーストは、溶媒を含みうる。溶媒は、リチウムイ
オン二次電池用電極バインダー樹脂組成物と活物質等とを均一に溶解もしくは分散可能な
ものであれば特に制限されない。溶剤は、非プロトン性極性溶媒が好ましく、非プロトン
性アミド系溶媒がより好ましい。非プロトン性アミド系溶媒の例には、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2
-ピロリドン、および1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンなどが含まれる。これらの溶
媒以外にも、必要に応じて他の溶媒を共存させてもよい。
リチウムイオン二次電池用負極合材ペーストにおける溶媒量は、合材ペーストの粘度等
を考慮して適宜設定される。合材ペーストに含まれる固形分100質量部に対して、通常
50〜900質量部配合することが好ましく、より好ましくは65〜500質量部である
2−3.導電助剤
負極活物質は、点接触することによって互いを導通させている。そのため、負極活物質
間の導通性が十分に高まらないことがある。導電助剤は、負極活物質の粒子同士の点接触
に起因する高い電気抵抗を、低下させる機能を有する。
導電助剤の代表例は炭素材料であり、本発明においては導電助剤が導電性炭素材料であ
ることが好ましい。導電性炭素材料の種類は特に制限はないが、人造黒鉛、天然黒鉛等の
黒鉛(グラファイト)や、様々な熱分解条件での有機物の熱分解物などでありうる。炭素
材料は、それぞれ一種、炭素繊維(カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維など)を単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
リチウムイオン二次電池用負極合材ペーストにおける、固形分の総量(質量)に対する
導電助剤の含有量(質量比)は、0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.0
5質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。また通常20質量%以下が好ま
しく、より好ましくは10質量%以下である。
3.リチウムイオン二次電池用負極
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、集電体と負極活物質層との積層体である。
リチウムイオン二次電池用負極は、シート状電極であってもよい
3−1.負極活物質層
負極活物質層は、前述のリチウムイオン二次電池用電極合材ペーストの硬化物である。
つまり、負極活物質と、それを結着するバインダー樹脂とを含み、さらにその他の成分(
導電助剤など)を含んでいてもよい。
負極活物質層の厚みは特に制限なく、例えば5μm以上であることが好ましく、より好
ましくは10μm以上である。また200μm以下とすることが好ましく、より好ましく
は100μm以下、更に好ましくは75μm以下である。負極活物質層が薄すぎると、活
物質の粒径との兼ね合いから電極としての実用性に欠ける。一方厚みが厚すぎると、高密
度の電流値に対する十分なLiの吸蔵・放出の機能が得られにくい場合がある。
負極活物質層を構成する全成分重量に対するポリイミド(重量)の割合は、通常1重量
%以上、好ましくは5重量%以上である。また、通常50重量%以下、好ましくは40質
量%以下である。ポリイミドの割合が低すぎると、負極活物質を十分保持できずに正極の
機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させてしまうおそれがある。一方
で、ポリイミドの割合が高すぎると、電池容量や導電性の低下につながるおそれがある。
3−2.集電体
負極の集電体の材質は、ケイ素及び/又はケイ素合金、スズおよびその合金、ケイ素−
銅合金、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等の金属材料や、カーボンクロ
ス、カーボンペーパー等の炭素材料などでありうる。
負極の集電体の形状は、金属材料の場合、金属箔、金属円柱、金属コイル、金属板、金
属薄膜等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜、炭素円柱等でありうる。集電体の厚み
は、特に制限はないが、例えば通常5μm〜30μmであり、好ましくは8〜20μmである。
3−3.リチウムイオン二次電池用負極の製造
負極は、前述の負極合材ペーストを集電体に塗布し、それを加熱硬化させて負極活物質
層とすることで得られる。負極合材ペーストの塗布は、例えばスクリーン印刷、ロールコ
ート、スリットコート等の方法で行い得る。負極合材ペーストをパターン状に塗布するこ
とで、メッシュ状の活物質層を形成することもできる。
電極合材ペーストの加熱硬化は、通常、大気圧下で行うことが可能であるが、加圧下、
ないしは真空下で行ってもよい。また加熱乾燥時の雰囲気は特に制限されないが、通常、
空気、窒素、ヘリウム、ネオンまたはアルゴン等の雰囲気下で行うことが好ましく、より
好ましくは不活性気体である窒素またはアルゴン雰囲気下で行う。
また、電極合材ペーストの加熱硬化における加熱温度は、通常150℃〜500℃で1
分間〜24時間熱処理することにより、ポリイミドに一部残存する前駆体ポリアミド酸の
イミド環への閉環反応を完結させ、信頼性のある負極を得ることができる。本発明に係わ
るポリアミド酸含有ポリイミドについては、驚くべきことに250℃以下、好ましくは2
00〜250℃という低温化であってもイミド環への閉環が容易に完結することを本発明
者らは見出している。従って、本発明に係わるポリイミド(対応するポリアミド酸含有体
)をバインダー用樹脂組成物として用いる限りは、負極製造時のユーティリティコストの
大幅削減や製造時間の短縮化につなげられることは注目に値する。
4.リチウムイオン二次電池
本発明のリチウムイオン二次電池の基本構成は、従来公知のリチウムイオン二次電池と
同様である。通常のリチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な一対
の電極(上記の負極と、後述する正極)、セパレータ、および電解質を備える。
4−1.正極
正極は、集電体と、正極活物質層とが積層された積層体とし得る。正極の集電体の材質
としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ、チタン、タンタル等の
金属材料や、カーボンクロス、カーボンペーパー等の炭素材料が用いられる。中でも金属
材料が好ましく、アルミニウムが特に好ましい。集電体の形状としては、金属材料の場合
、金属箔、金属コイル等が、炭素材料の場合、炭素板、炭素薄膜等が挙げられる。
正極集電体が薄膜である場合、その厚さは、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、
より好ましくは5μm以上である。
正極活物質はリチウムの吸蔵放出が可能な材料であれば特に限定されず、リチウムイオ
ン二次電池に通常用いられる正極活物質でありうる。具体的には、リチウム−マンガン複
合酸化物(LiMnなど)、リチウム−ニッケル複合酸化物(LiNiOなど)
、リチウム−コバルト複合酸化物(LiCoOなど)、リチウム−鉄複合酸化物(Li
FeOなど)、リチウム−ニッケル−マンガン複合酸化物(LiNi0.5Mn0.5
など)、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物(LiNi0.8Co0.2
など)、リチウム−ニッケル−コバルト−マンガン複合酸化物(LiCo1/3Ni1/3Mn1/3など)、リチウム−遷移金属リン酸化合物(LiFePOなど)、およびリチウム−遷移金属硫酸化合物(LiFe(SO)などが挙げられる。
正極活物質を結着するバインダー樹脂は、上述したバインダー樹脂組成物であってもい
が、公知のバインダー樹脂を任意に選択して用いてもよい。公知のバインダー樹脂の例に
は、シリケート、水ガラス等の無機化合物などがあげられる。
正極活物質層を構成する全ての成分の質量に対するバインダー樹脂(重量)の割合は、
通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上である。また、通常50重量%以下、好
ましくは40重量%以下である。バインダー樹脂の割合が低すぎると、正極活物質を十分
保持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等の電池性能を悪化させてしまう
虞がある。一方で、バインダー樹脂の割合が高すぎると、電池容量や導電性の低下につな
がる虞がある。
正極活物質層には、電極の導電性を向上させるために、導電材を含有させてもよい。導
電剤としては、活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限はないが
、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末、各種の金属の繊
維、粉末、箔などが挙げられる。なお、正極活物質層の厚さは、通常10〜200μm程
度である。正極は、正極活物質及び上記バインダー樹脂を含有するバインダー樹脂組成物
を、集電体上に成膜させて得られる。
4−2.セパレータ
正極と負極との間に、通常、公知のセパレータを配置する。それにより、電極間の短絡
を防止する。セパレータとしては通常、微多孔性フィルムとして安価なポリプロピレンフ
ィルムが用いられるが、リチウムイオン二次電池に耐リフロー性を付与する場合には、熱
変形温度が高いポリプロピレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、
ポリイミドフィルムなどを用いることが好ましい。なおセパレータの厚みは、例えば10
〜300μmである。
4−3.電解質
リチウムイオン二次電池の電解質は、非水系溶媒にリチウム塩を溶解させた非水系電解
液でありうる。また、この非水系電解液に有機高分子化合物等を添加して、ゲル状、ゴム
状、固体シート状にしたものなどでありうる。
非水系電解液には、リチウム塩と非水溶媒とが含まれる。リチウム塩は、公知のリチウ
ム塩の中から、適宜選択して用いることができる。例えば、LiCl、LiBrなどのハ
ロゲン化物;LiClO、LiBrO、LiClOなどの過ハロゲン酸塩;LiP
、LiBF、LiAsFなどの無機フッ化物塩;リチウムビス(オキサラトホウ
酸塩)LiBCなどの無機リチウム塩;LiCFSO、LiCSO
どのパーフルオロアルカンスルホン酸塩;Liトリフルオロスルフォンイミド((CF
SONLi)などのパーフルオロアルカンスルホン酸イミド塩;などの含フッ素有
機リチウム塩などが挙げられる。リチウム塩は、単独で用いても、2種以上を混合して用
いてもよい。非水系電解液中におけるリチウム塩の濃度は、通常0.5M以上、2.0M
以下の範囲である。
非水系溶媒の例には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC
)などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート
(DEC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、
プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類、γ-ブチロラクトン等のγ-ラク
トン類、1,2-ジメトキシエタン(DME)等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、
2-メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、アセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなどの非プロトン性有機溶媒が挙げら
れ、これらを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、電解液に有機高分子化合物を含有させることで、ゲル状、ゴム状、或いは固体シ
ート状の電解質とすることも可能である。このような有機高分子化合物の具体例には、ポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物を挙げる
ことができる。
電解液は、更に被膜形成剤を含んでいてもよい。被膜形成剤の具体例としては、ビニレ
ンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ビニルエチルカーボネート、メチルフェ
ニルカーボネートなどのカーボネート化合物などを例示することができる。電解液に被膜
形成剤が含まれる場合、その含有量は、電解液の構成成分全量(質量)に対して、被膜形
成剤を通常10質量%以下、中でも8質量%以下とすることが好ましい。
4−4.リチウムイオン二次電池の形態
本発明のリチウムイオン二次電池の形態は特に制限されない。シート電極及びセパレー
タをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせた
インサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコイ
ンタイプ等が挙げられる。また、これらの形態の電池を任意の外装ケースに収めることに
より、コイン型、円筒型、角型等の任意の形状としてもよい。
以下、実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲は、これらの実
施例によって何ら限定されるものではない。
まず、実施例で用いた樹脂性状の測定方法を以下に示す。
<固形分濃度>
試料溶液(その質量をwとする)を、熱風乾燥機中300℃で60分間加熱処理して
、加熱処理後の質量(その質量をwとする)を測定する。固形分濃度[質量%]は、次
式によって算出した。
固形分濃度[質量%]=(w/w)×100
<対数粘度>
試料溶液を、固形分濃度に基づいて濃度が0.5g/dl(溶媒はNMP)になるように
希釈した。この希釈液を35℃にて、ラウダ社製 自動動粘度測定装置PVSを用いて流
下時間(T)を測定した。対数粘度は、ブランクのNMPの流下時間(T)を用いて
、次式から算出した。
対数粘度[dl/g]={ln(T/T)}/0.5
<剥離強度>
上記で得られた負極における負極活物質層の剥離強度を測定した。剥離強度は、ダイプラ
ウィンテス社製SAICASを用い、切刃の刃幅4mm、負極活物質層表面からの切込み
量10μm、切刃の水平速度8μm/secで測定した。
<本実施例および比較例で用いた化合物とその略称>
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BPDA:3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
OPDA:4,4'-オキシジフタル酸二無水物
m−BP:4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル
APB−N: 1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン
p−PD:パラフェニレンジアミン
〔実施例1〕
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、66.32g(0.18モル)のm−BPと
、溶媒として361gのNMPとを装入した。m−BPが溶解するまで撹拌した後、54
.72gのOPDA(0.176モル)を約30分かけて投入し、155gのNMPをさ
らに加えて、20時間攪拌してポリアミド酸溶液1を得た。得られたポリアミド酸溶液1
は、固形分濃度が18重量%であり、対数粘度は0.6dl/gであった。この場合の、
請求項1で定義される一般式(II)に対応するジイミド化合物は下記式(IIa)で表され
、当該ジイミド化合物のGaussian 09 Rev.D01を用いた長距離補正され
た密度汎関数法(ωB97XD/6−31G(d))により導出されるLUMOのエネル
ギーレベルは−0.63eVであった。
該ポリアミド酸溶液を、ガラス基板上にドクターブレードを用いて流延した。これをオ
ーブンに移して、窒素気流中、2時間かけて50℃から330℃まで昇温し、続いて更に
330℃で2時間保持して自己支持性を有する膜厚20μmのバインダー樹脂フィルムを
得た。このバインダー樹脂フィルムと、リチウム箔(厚み30μm)とを、熱圧着するこ
とにより貼り合わせて試験サンプルを得た。
試験サンプルを、電解液(エチレンカーボネートECとジエチルカーボネートDECと
の混合液(混合体積比1:1))に浸漬して、室温にて2時間放置した。放置後、試験サ
ンプルからリチウム箔を剥離した。リチウム箔を剥離したポリイミドフィルムを、ジメチ
ルカーボネートで3回洗浄した(それぞれ3分間)。
ポリイミドフィルムの表面を観察したところ、リチウム箔の貼り合わせ部分に、部分的
に黒く変色している箇所が認められたが、ほとんど変色がなかった(図1参照)。また、
ポリイミドフィルムのリチウム箔の貼り合わせ部分を赤外線吸収スペクトル分析法で観察
したところ、イミド環のC=O伸縮振動を示す約1700cm−1での吸収と、イミド環
のC−N伸縮振動を示す約1350cm−1での吸収が確認され、イミド環が分解してい
ないことが示唆された。
(電極シートの作製および剥離強度の測定)
Si活物質(山石金属製、平均粒径3μmの金属シリコン粉) 31.5g、アセチレ
ンブラック 1.9g、ポリアミド酸ワニス1 20.6gおよびNMP 38.7gを
混合し、自転/公転ミキサーを用いて混練し、固形分濃度40重量%のスラリーを作製し
た。次いで、厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように該スラリーを塗布
し、その後、窒素雰囲気中300℃で20分間熱処理することにより、負極活物質層の厚
みが50μmの電極シートを形成した。得られた電極シートの、負極活物質層の剥離強度
は0.38N/mmであった。
〔比較例1〕
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、66.32g(0.18モル)のm−BPと
、溶媒として351.8gのNMPとを装入した。m−BPが溶解するまで撹拌した後、
51.90g(0.176モル)のBPDAを約30分かけて投入し、150.8gのN
MPをさらに加えて、20時間攪拌してポリアミド酸溶液2を得た。得られたポリアミド
酸溶液2は、固形分濃度が18重量%であり、対数粘度は1.4dl/gであった。この
場合の、請求項1で定義される一般式(II)に対応するジイミド化合物は下記式(IIb)
で表され、当該ジイミド化合物のGaussian 09 Rev.D01を用いた長距離
補正された密度汎関数法(ωB97XD/6−31G(d))により導出されるLUMO
のエネルギーレベルは−0.87eVであった。
上記ポリアミド酸溶液を実施例1と同様に処理して、厚さが20μmのバインダー樹脂
フィルムを形成した。このバインダー樹脂フィルムと、リチウム箔(厚み30μm)とを
、熱圧着することにより貼り合わせて試験サンプルを得た。続いて実施例と同様の手順で
、試験サンプルを電解液に浸漬し、評価した。
ポリイミドフィルムの表面を観察したところ、リチウム箔の貼り合わせ部分の全体が黒
く変色していた(図2参照)。また、ポリイミドフィルムのリチウム箔の貼り合わせ部分
をIR観察したところ、イミド環のC=O伸縮振動を示す約1700cm−1での吸収と
イミド環のC−N伸縮振動を示す約1350cm−1での吸収が消失した。代わりに、カ
ルボキシル基のC=O伸縮振動を示す約1650cm−1での吸収と、1400cm−1
での吸収が確認された。これらから、イミド環が開裂していることが示唆された。
(電極シートの作製および剥離強度の測定)
Si活物質(山石金属製、平均粒径3μmの金属シリコン粉) 31.5g、アセチレ
ンブラック 1.9g、ポリアミド酸ワニス1 20.6gおよびNMP 38.7gを
混合し、自転/公転ミキサーを用いて混練し、固形分濃度40重量%のスラリーを作製し
た。次いで、厚さ18μmの圧延銅箔に対し、厚みが均一となるように該スラリーを塗布
し、その後、窒素雰囲気中300℃で20分間熱処理することにより、負極活物質層の厚
みが50μmの電極シートを形成した。得られた電極シートの、負極活物質層の剥離強度
は0.34N/mmであった。
(合成例1)
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、24.33g(0.225モル)のp−PDと、27.63g(0.075モル)のm−BPと、溶媒として415gのNMPとを装入し、溶液の温度を50℃に昇温してp−PDおよびm−BPが溶解するまで撹拌した。溶液の温度を室温まで下げた後、91.2g(0.294モル)のODPAを約30分かけて投入し、178gのNMPをさらに加えて、20時間攪拌して電極バインダー樹脂組成物を得た。得られた電極バインダー樹脂組成物1は、固形分濃度が18質量%であり、対数粘度は0.45dl/gであった。
(合成例2)
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、59.93g(0.205モル)のAPBNと、溶媒として361.1gのNMPとを装入した。APB−Nが溶解するまで撹拌した後、62.32g(0.201モル)のODPAを約30分かけて投入し、154.8gのNMPをさらに加えて、20時間攪拌して電極バインダー樹脂組成物4を得た。得られたポ電極バインダー樹脂組成物2は、固形分濃度が18重量%であり、対数粘度は0.65dl/gであった。
(合成例3)
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、32.44g(0.30モル)のp−PDと、36.84g(0.10モル)のm−BPと、溶媒として150.5gのNMPとを装入し、溶液の温度を50℃に昇温してp−PDおよびm−BPが溶解するまで撹拌した。溶液の温度を室温まで下げた後、17.48g(0.392モル)のBPDAを約30分かけて投入し、64.5gのNMPをさらに加えて、20時間攪拌して電極バインダー樹脂組成物を得た。得られた電極バインダー樹脂組成物3は、固形分濃度が12質量%であり、対数粘度は1.3dl/gであった。
(合成例4)
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、38.00g(0.130モル)のAPB−Nと、溶媒として222.5gのNMPとを装入した。APB−Nが溶解するまで撹拌した後、37.48g(0.127モル)のBPDAを約30分かけて投入し、95.4gのNMPをさらに加えて、20時間攪拌して電極バインダー樹脂組成物4を得た。得られたポ電極バインダー樹脂組成物2は、固形分濃度が18重量%であり、対数粘度は0.657dl/gであった。
〔実施例2〕
<負極の作製>
15質量部のポリイミドを含む電極バインダー樹脂組成物1に、85質量部のケイ素酸化物(信越化学工業製、KSC−1064)、NMPを加えて混合し、電池用コンパウンド攪拌機(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス モデル2P-03)を用いて混練し負極合材ペーストを得た。この電極ペーストを、集電体としての銅箔(日本製箔社製圧延銅箔、厚さ:18μm)にアプリケータを用いて塗布し、窒素雰囲気下で350℃、10分間熱処理を行って硬化させて負極電極シート1を作製した。乾燥後の負極合材質量は単位面積当たり2.0mg/cmであった。
<正極の作製>
87質量部のリン酸鉄リチウムに、5質量部のポリフッ化ビニリデンをNMPに溶解させた溶液と8質量部の導電助剤(電気化学製、デンカブラック)を加えて混合し、電池用コンパウンド攪拌機(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス モデル2P-03)を用いて混練し正極合材ペーストを得た。このペーストを厚み20μmのアルミニウム箔上に、乾燥後の正極合材質量が単位面積当たり31mg/cmとなるように均一に塗布し、乾燥して正極合材層を形成した後、ローラープレス機により常温プレスして正極を得た。
<電池の作製>
上記負極を含む電池の電池特性評価を行うためコインセルを作製した。電極には、直径14.5mmΦの負極と、直径13mmΦの正極を用いた。電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合溶媒(体積比1:1混合)にLiPFを1mol/lの濃度で溶解したものを用い、セパレータに直径16mmΦ、膜厚25μmのポリプロピレン多孔質膜を使用した。
<電池の評価>
上記セルを25℃にて24時間放置後、測定温度25℃、電流密度0.5Cで4Vになるまで充電し、さらに4V定電圧で、電流密度が0.1Cになるまで充電した。その後、電流密度0.5Cで2Vまで放電した。上記条件で充放電を行い、以下の(式1)にて、100サイクル時の放電容量維持率を算出した。結果を表1に示した。
その後101サイクル目では、電流値を0.05Cに下げて充放電を行った。さらに102サイクル目では、電流値を0.5Cで充放電を行い、以下の(式2)より負荷特性を算出した。
〔実施例3〕
<負極の作製>
10質量部のポリイミドを含む電極バインダー樹脂組成物2と、3質量部の導電助剤(昭和電工製、VGCF−H)を、電池用コンパウンド攪拌機(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス モデル2P-03)を用いて混練した。得られたペーストに、ケイ素酸化物(信越化学工業製、KSC−1064)、炭素粒子(日立化成株式会社製、MAGD−20)を合計87質量部添加し、さらに混練を行い負極合材ペーストを調製した。活物質であるケイ素酸化物と炭素粒子の質量比率は30:70とした。
この電極ペーストを、集電体としての銅箔(日本製箔社製圧延銅箔、厚さ:18μm)にアプリケータを用いて塗布し、窒素雰囲気下で350℃、10分間熱処理を行って硬化させて負極電極シート5を作製した。乾燥後の負極合材質量は単位面積当たり5.4mg/cmであった。
<正極の作製>
93質量部のLiCo1/3Ni1/3Mn1/3に、3質量部のポリフッ化ビニリデンをNMPに溶解させた溶液と4質量部の導電助剤(電気化学製、デンカブラック)を加えて混合し、電池用コンパウンド攪拌機(プライミクス社製、T.K.ハイビスミックス モデル2P-03)を用いて混練し正極合材ペーストを得た。このペーストを厚み20μmのアルミニウム箔上に、乾燥後の正極合材質量が単位面積当たり22mg/cmとなるように均一に塗布し、乾燥して正極合材層を形成した後、ローラープレス機により常温プレスして正極を得た。
<電池の作製>
上記負極を含む電池の電池特性評価を行うためコインセルを作製した。電極には、直径14.5mmΦの負極と、直径13mmΦの正極を用いた。電解液には、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートの混合溶媒(体積比3:7混合)にLiPFを1mol/lの濃度で溶解したものを用い、セパレータに直径16mmΦ、膜厚25μmのポリプロピレン多孔質膜を使用した。
<電池の評価>
上記セルを25℃にて24時間放置後、測定温度25℃、電流密度0.05Cで4.2Vになるまで充電した。その後、電流密度0.05Cで2.3Vまで放電した。2サイクル目以降、電流密度1Cで4.2Vになるまで充電し、さらに4.2V定電圧で、電流密度が0.05Cになるまで充電した。その後、電流密度1Cで2.3Vまで放電した。上記条件で充放電を行い、以下の(式3)にて、100サイクル時の放電容量維持率を算出した。結果を表1に示した。
その後101サイクル目では、電流値を0.05Cに下げて充放電を行い、以下の(式4)から負荷特性を算した。
〔比較例2〕
バインダーに電極バインダー用樹脂組成物3を用いた以外は、実施例1と同様の操作で負極電極シート3を形成した。乾燥後の負極合材質量は単位面積当たり2.0mg/cmであった。本シートを用いて、実施例1と同様の方法でコインセル電池を作製し、実施例1と同様の充放電サイクル試験から、100サイクル時の放電容量維持率、負荷特性を算出した。結果を表1に示した。
〔比較例3〕
バインダーに電極バインダー用樹脂組成物4を用いた以外は、実施例2と同様の操作で負極電極シート4を形成した。乾燥後の負極合材質量は単位面積当たり5.4mg/cmであった。本シートを用いて、実施例1と同様の方法でコインセル電池を作製し、実施例2と同様の充放電サイクル試験から、100サイクル時の放電容量維持率、負荷特性を算出した。結果を表1に示した。
本発明のバインダー樹脂組成物は、リチウムイオン二次電池の負極において、負極活物
質のバインダーとして用いることができる。それにより、充放電によって体積が変化する
負極活物質の結着性を長期にわたって維持できるとともにサイクル特性と負荷特性に優れる。

Claims (9)

  1. 下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミドを含んでなるリチウムイ
    オン二次電池用バインダー樹脂組成物。
    〔一般式(I)において、連結基Arは下記一般式(II)で表されるジイミド化合物の
    、Gaussian 09 Rev.D01を用いた長距離補正された密度汎関数法(ωB
    97XD/6−31G(d))により導出されるLUMOのエネルギーレベルが−0.8
    7eVを超え、0.00eV以下である4価の芳香族基であり、連結基Arは一つ以上
    のエーテル結合を含有する全芳香族ジアミンから誘導される2価のジアミン残基を示す。

  2. 上記連結基Arが、下記一般式(III)で表される4価の芳香族基であることを特徴
    とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
    〔式(III)における連結基Xは下記式(IVa)〜(IVd)で表されるいずれかの2価の有
    機基である。〕
    〔式(IVc)におけるRは水素原子またはメチル基を示し、式(IVd)におけるRとR
    は、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基から選ばれ、相互に同一でも異なって
    いても良い〕
  3. 上記連結基Arが、下記一般式(Va)または(Vb)で表される4価の芳香族基であ
    ることを特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池用バインダー樹脂組成物。
    〔上記式(Va)または式(Vb)におけるmまたはnは1、2または3を示し、Rまたは
    R’は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示し、複数のRまたはR’は相互に
    同一でも異なっていても良い〕
  4. 一つ以上のエーテル結合を含有する全芳香族ジアミン化合物に由来するジアミン単位の
    20モル%〜100モル%が、下記式(VI)で表される全芳香族ジアミンに由来するジア
    ミン単位であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電
    池用バインダー樹脂組成物。
    〔式(VI)において連結基Yは、芳香環を1以上有する2価の有機基を示す。〕
  5. 芳香環を1以上有する2価の有機基が、下記式(VIIa)、(VIIb)および(VIIc)に記
    載の骨格から選ばれることを特徴とする請求項4記載のリチウムイオン二次電池用バイン
    ダー樹脂組成物。
    〔なお上記式(VIIc)においては、連結基Zは、直接結合、もしくは酸素原子、硫黄原子
    、メチレン基、カルボニル基、スルホキシル基、スルホン基、1,1’−エチリデン基、
    1,2−エチリデン基、2,2’−イソプロピリデン基、2,2’−ヘキサフルオロイソ
    プロピリデン基、シクロヘキシリデン基、フェニレン基、1,3−フェニレンジメチレン
    基、1,4−フェニレンジメチレン基、1,3−フェニレンジエチリデン基、1,4−フ
    ェニレンジエチリデン基、1,3−フェニレンジプロピリデン基、1,4−フェニレンジ
    プロピリデン基、1,3−フェニレンジオキシ基、1,4−フェニレンジオキシ基、ビフ
    ェニレンジオキシ基、メチレンジフェノキシ基、エチリデンジフェノキシ基、プロピリデ
    ンジフェノキシ基、ヘキサフルオロプロピリデンジフェノキシ基、オキシジフェノキシ基
    、チオジフェノキシ基、スルホンジフェノキシ基のいずれかである。〕
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のバインダー樹脂組成物と、ケイ素原子、スズ原子およ
    びゲルマニウム原子から選ばれる少なくとも一種からなる負極活物質とを含む、リチウム
    イオン二次電池負極合材ペースト。
  7. 請求項6に記載のリチウムイオン二次電池電極合材ペーストを、集電体上に塗布し、加
    熱処理することにより得られるリチウムイオン二次電池用負極。
  8. 加熱処理温度が250℃以下であることを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン
    二次電池用負極。
  9. リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えたリチウムイオ
    ン二次電池であって、
    前記負極が、請求項7または8に記載のリチウムイオン二次電池用負極であるリチウム
    イオン二次電池。
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