JP2015108678A - 半導体マッハツェンダ変調装置 - Google Patents

半導体マッハツェンダ変調装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの電気変調信号を用いることなく、単一の電気変調信号に基づいてプッシュプル動作を行い、外部の駆動系を簡易な構成で実現できるようにした半導体マッハツェンダ変調装置を提供すること。【解決手段】変調装置10は、2つの導波路303a,303bと、各導波路303a,303bを伝搬する光信号の位相をそれぞれ変調する変調器304a,304bと、半導体基板の[011]方向に形成され、変調器304aに電圧を印加する少なくとも1つの第1の変調電極309aと、半導体基板の[01−1]方向に形成され、変調器304bに電圧を印加する少なくとも1つの変調電極309bと、変調電極309a,309bの間にそれぞれ接続され、変調信号を通過する少なくとも1つの接続用電極307とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、単一の変調信号に基づいて駆動する半導体マッハツェンダ変調装置に関する。
光変調装置等の光信号制御デバイスは、光通信システムまたは光情報処理システムにおける主要要素の一つである。光変調装置には、例えばLiNbO(LN)等の誘電体を用いた光変調装置、または、InPもしくはGaAs等の半導体を用いた光変調装置等がある。これらの光変調装置の中でも、光源として用いられる半導体レーザや電子回路との集積化が可能で、小型化・低電圧化が容易な半導体光変調装置が特に期待されている。
代表的な半導体光変調装置としては、電界吸収型光変調装置とマッハツェンダ型光変調装置とが知られている。電界吸収型光変調装置は、例えば、バルク半導体のフランツケルディッシュ効果(Franz-Keldysh効果)、または、多重量子井戸構造における量子閉じ込めシュタルク効果(Quantum Confined Stark Effect:QCSE)のような、電界印加により吸収端が長波長側ヘシフトする効果を利用する光変調装置である。この電界吸収型光変調装置は、消費電力が小さく小型であり、LN変調装置にみられるような直流電圧によるドリフトも生じないという利点がある。しかし、電界吸収型光変調装置では、変調時に波長チャーピングが生じ、光ファイバ伝送後の光信号の波形が劣化するという問題がある。
一方、マッハツェンダ型光変調装置は、バルク半導体の電気光学効果(ポッケルス効果)または多重量子井戸構造における量子閉じ込めシュタルク効果のように、電界を印加することにより屈折率が変化する効果を利用した光位相変調器を組み合わせてマッハツェンダ干渉計を構成した光変調装置である。マッハツェンダ型光変調装置は、原理的に波長チャーピングをなくすことができるため、超高速・長距離通信用変調装置として期待されている(例えば、非特許文献1,2)。
図6は、従来例におけるマッハツェンダ型光変調器200の典型例を示す図である。
図6に示すように、マッハツェンダ型光変調装置200は、入力光を導波する入力導波路131と、入力光を第1の光線と第2の光線とに分波する分波器132と、分波された第1の光線が導波する第1の導波路133aと、分波された第2の光線が導波する第2の導波路133bとを備える。さらにマッハツェンダ型光変調装置200は、印加電圧に基づいて、第1の導波路133a及び第2の導波路133bの各屈折率を変調して二分割された光の位相をそれぞれ変調する第1の光位相変調器134a及び第2の光位相変調器134bと、第1の光位相変調器134aおよび第2の光位相変調器134bにより、それぞれ変調された光を合波する合波器135と、合波した光を出力光として導波する出力導波路136とを備える。なお、分波器132及び合波器135には、例えば、マルチモード干渉型結合器(MMIカプラ)が用いられる。
上述したマッハツェンダ型光変調装置200を高速光通信システムに適用する場合、マッハツェンダ型光変調装置200は、駆動電圧の低減等の理由からプッシュプル動作で用いられる。プッシュプル動作とするには、第1の光位相変調器134aと第2の光位相変調器134bとを逆相で動作させる。
また、従来例として、単一変調信号で駆動する半導体マッハツェンダ光変調装置が知られている(例えば、特許文献1)。図7は、従来の半導体マッハツェンダ光変調装置100の構成を示した図である。
図7に示すように、半導体マッハツェンダ光変調装置100は、InPからなり、かつ(100)面方位を有する半導体基板101を備え、この半導体基板101上に、入力光を導波する入力導波路110と、入力光を第1の光線と第2の光線とに分波する分波器121と、第1の光線が導波する第1の導波路122aと、第2の光線が導波する第2の導波路122bとを備える。さらに半導体マッハツェンダ光変調装置100では、半導体基板101上に、第1の光線の位相を変調する第1の光位相変調器120aと、第2の光線の位相を変調する第2の光位相変調器120bと、第1の光線と第2の光線とを合波する合波器123と、合波した光を出力光として導波する出力導波路111とを備える。
光位相変調器120aは、[011]方向と平行になるように形成されている。光位相変調器120bは、[01−1]方向と平行になるように形成されている。なお、[01−1]は、結晶中の各結晶軸K,L,Mを用いたときのK=0、L=1、M=−1、を示す。一般に、負の成分を持つ方向は数字の上にバーを付けて表記するが、以下の説明では、−(マイナス)を付けて表記する。
光位相変調器120aと光位相変調器120bとは、互いに直交する方向に形成されている。分波器121及び合波器123には、それぞれマルチモード干渉型結合器(MMIカプラ)が用いられる。
変調電極106aは、光位相変調器120aに変調電圧を印加するための変調電極であり、変調電極106bは、光位相変調器120bに変調電圧を印加するための変調電極である。接地電極107は接地される。
[011]方向と[01−1]方向とでは、結晶方位が異なるために、半導体としての特性が異なる。例えば、導波路を作成する際のエッチングにより、[011]方向には逆メサ(この場合、図7中、破線で示した位置124aの断面形状は、上部が下部よりも広い逆台形になる。)のストライプが、[01−1]方向には順メサ(この場合、図7中、破線で示した位置124bの断面形状は、上部が下部よりも狭い台形になる。)のストライプが形成される。
図8は、ポッケルス効果による印加電圧と屈折率変化との関係を示す図であって、(a)は順メサの場合、(b)は逆メサの場合を示す。
図8(b)に示すように、光位相変調器120aに電圧が印加された場合、負の屈折率変化が生じる。
一方、図8(a)に示すように、光位相変調器120bに電圧が印加された場合には、正の屈折率変化が生じる。
上記図8(a)および図8(b)の特性から、図7に示した変調電極106a,106bに対し、同一信号を介して同じ電圧が印加された場合、半導体マッハツェンダ光変調装置100では、逆の屈折率変化が誘起され、分波器121によって分波された光は、第1の光位相変調器120a及び第2の光位相変調器120bによって逆相で位相変調されることになることがわかる。つまり、図7に示した光変調装置100では、第1の導波路122aの光位相変調器120aと、第2の導波路122bの光位相変調器120bとに対して、同じ電気信号が与えられることで、プッシュプル動作が実現される。
特開2009−251377号公報
C.ROLLAND、他2名著、"10GBIT/S,1.56ΜM MULTI QUANTUM WELL INP/INGAASP MACH‐ZEHNDER OPTICAL MODULATOR"、ELECTRONICS LETTERS、1993年3月4日、VOL.29、NO.5、P.471−472 J.G.MENDOZA‐ALVAREZ、他6名、"ANALYSIS OF DEPLETION EDGE TRANSLATION LIGHTWAVE MODULATORS"、JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY、1988年6月、VOL.6、NO.6、P.793−808
図6に示した光変調装置200では、第1の導波路133a及び第2の導波路133bはともに平行に、印加電圧に対して同じように動作するように設計されている。このため、通常のマッハツェンダ型光変調装置においてプッシュプル動作を行うためには、第1の導波路133a及び第2の導波路133bには、それぞれ独立に位相が反転した電気信号を入力する必要がある。すなわち、いずれかの導波路にはデータの信号を与え、それとは異なる導波路には、上記データの信号を反転した信号を与えることになり、結果として、2つの信号が必要になる。これにより外部の駆動系の構成が複雑となる。
また、図7に示した光変調装置100の場合、変調電極として、変調電極106aと変調電極106bの2つが設けられているために、それぞれの変調電極にデータの信号を与える必要がある。すなわち、2つのデータの信号が必要になり、外部の駆動系の構成が複雑となる。
本発明は、上記の状況下においてなされたものであり、その目的は、2つの電気変調信号を用いることなく、単一の電気変調信号に基づいてプッシュプル動作を行い、外部の駆動系を簡易な構成で実現できるようにした半導体マッハツェンダ変調装置を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明は、面方位が(100)の半導体基板を有し、単一の変調信号を用いて駆動する半導体マッハツェンダ型光変調装置であって、第1の導波路および第2の導波路と、前記第1の導波路を伝搬する光信号の位相を変調する第1の変調器と、前記第2の導波路を伝搬する光信号の位相を変調する第2の変調器と、前記半導体基板の[011]方向に形成され、前記第1の変調器に電圧を印加する少なくとも1つの第1の変調電極と、前記半導体基板の[01−1]方向に形成され、前記第2の変調器に電圧を印加する少なくとも1つの第2の変調電極と、前記第1の変調電極と前記第2の変調電極との間にそれぞれ接続され、前記変調信号を通過する少なくとも1つの接続用電極とを含む。
ここで、本発明はさらに、前記第1の変調電極および前記第2の変調電極において用いられる前記変調信号を生成する変調信号発生器を含むようにしてもよい。
本発明においてさらに、前記第1の変調電極および前記第2の変調電極にそれぞれ直流バイアス電圧を印加するバイアス電圧供給手段を含む場合、前記接続用電極は、容量性成分を有するようにしてもよい。
本発明によれば、単一の電気変調信号に基づいてプッシュプル動作を行い、外部の駆動系を簡易な構成で実現できる。
第1実施形態における半導体マッハツェンダ変調装置の構成例を示す図である。 半導体マッハツェンダ変調装置の下部クラッド層から上部クラッド層までの断面の一例を示す図である。 第2実施形態における半導体マッハツェンダ変調装置の構成例を示す図である。 第3実施形態における半導体マッハツェンダ変調装置の構成例を示す図である。 第4実施形態における半導体マッハツェンダ変調装置の構成例を示す図である。 従来例におけるマッハツェンダ型光変調器の典型例を示す図である。 従来の半導体マッハツェンダ光変調装置の構成を示した図である。 ポッケルス効果による印加電圧と屈折率変化との関係を示す図である。 印加電圧と屈折率変化との関係の一例を示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明の光モジュールの第1実施形態について図1を参照して説明する。図1は、本実施形態における半導体マッハツェンダ変調装置10の構成例を示す図である。
図1に示すように、半導体マッハツェンダ変調装置(以下、「変調装置」と略記する。)10は、InPからなり、かつ(100)面方位を有する半導体基板を備える。この変調装置10では、半導体基板上に、入力光を導波する入力導波路301と、入力光を第1の光信号と第2の光信号とに分波する分波器302と、第1の光信号を伝播する第1の導波路303aと、第2の光信号を伝播する第2の導波路303bとが形成される。
さらに、上述した半導体基板上には、第1の光信号の位相を変調する第1の光位相変調器304aと、第2の光信号の位相を変調する第2の光位相変調器304bと、第1の光信号と第2の光信号とを合波する合波器305と、合波した光信号を出力光として伝播する出力導波路306とが形成される。
図1において、光位相変調器304aは、[011]方向と平行になるように形成され、光位相変調器304bは、[01−1]方向と平行になるように形成される。本実施形態では、光位相変調器304aと光位相変調器304bとは、互いに直交する方向に形成されるようになっている。
[011]方向と[01−1]方向とでは結晶方位が異なるので、半導体の特性は異なる。この変調装置10では、例えば、導波路303a,303bを作製する際のエッチングにより、[011]方向には逆メサのストライプが形成され、[01−1]方向には順メサのストライプが形成される。
分波器302および合波器305として、例えばマルチモード干渉型結合器(MMIカプラ)が用いられる。
変調電極309aは、光位相変調器304aに変調電圧を印加するとともに、変調電極309aは、光位相変調器304bに変調電圧を印加する。変調電極309aの一端は電極端子308aと接続され、変調電極309bの一端は電極端子308bと接続される。
図2は、変調装置10の下部クラッド層801から上部クラッド層805までの断面の一例を示す図である。この変調装置10では、例えばn−p−i−n型層構造を備える。
変調装置10のn−InP基板上には、n−InP下部クラッド層801、コア層802、ノンドープクラッド層803、pクラッド層804、および、n−InP上部クラッド層805が積層される。これらの層は、例えば有機金属気層成長法(MOVPE法)により形成される。コア層802は、ノンドープされたInGaAsP/InPの多重量子井戸(MQW:Multi-Quantum Well)を有する。コア層802のバンドギャップ波長は、例えば1430nmとする。
なお、図1に示した光位相変調器304a,304bの領域は、幅=2.0μm、高さ=3.5μm、長さ=1.5mmを有し、ハイメサ導波路構造により形成される。
例えば、光位相変調器304aおよび光位相変調器304bに電圧が印加される場合には、ポッケルス効果の面方位依存性におり、図8に示すような屈折率変化を生じる。すなわち、光位相変調器304aに電圧が印加される場合には図8(b)に示すように負の屈折率変化が生じる。一方、光位相変調器304bに電圧が印加される場合には、図8(a)に示すような屈折率変化を生じる。
本実施形態の変調装置10では、接続用電極307によって、変調電極309a,309b間が接続されるので、例えば、不図示の変調信号発生器によって電極端子308aに電気変調信号が印加されると、その電気変調信号は、光位相変調器304aと光位相変調器304bとに印加されることになる。つまり、変調電極309a,309bには、同じ電圧が印加される。この場合、光位相変調器304aでは負の屈折率変化(逆方向)が誘起され、光位相変調器304bでは正の屈折率変化(逆方向)が誘起されるので、分波器302によって分波された光は、各光位相変調器304a,304bによって逆相で位相変調される。これにより、変調装置10でのプッシュプル動作が実現される。
以上説明したように、本実施形態の変調装置10によれば、2つの変調電極309a,309bの間に電気変調信号を通過させる接続用電極307を備える。これにより、変調装置10では、単一の電気変調信号に基づいてプッシュプル動作を行うことができる。したがって、変調装置10の外部の駆動系を簡易な構成で実現することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
図1に示した変調装置10において、光位相変調器304a,304bに対して、上述した電気変調信号のほかに、直流バイアス電圧を印加するようにしてもよい。この場合、バイアス電圧供給手段(不図示)が、各変調電極309a,309bに対して異なる値を持つ直流バイアス電圧を印加するようにしてもよい。
なお、変形例の変調装置10において、各変調電極309a,309bに対して異なる値を持つ直流バイアス電圧を印加する場合には、接続用電極307によって、直流バイアス電圧が各変調電極309a,309bに与えられないよう、接続用電極307には、十分な容量成分を持たせる。換言すると、接続用電極307は、直流成分を遮断して(DCカット)、上述の電気変調信号を通過させるようにする。
接続用電極307が容量性成分を持つためには、接続用電極307の中間に例えばチップコンデンサを設けることになる。
上記実施形態では、電界を印加することにより屈折率が変化する効果として、電界に比例して屈折率が変化するポッケルス効果のみが生じる場合について説明したが、半導体材用を用いた場合にはその結晶組成(または吸収端波長)と信号光波長のエネルギー差とによって、バルク半導体のフランツケルディッシュ効果、または、多重量子井戸構造における量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)のような、電界印加により吸収端が長波長側ヘシフトする効果に起因する非線形な屈折率変化が生じる場合もあり得る。この場合の印加電圧と屈折率変化との関係を図9に示す。図9(a)は順メサの場合、図9(b)は逆メサの場合を示す。
図9(a)に示すように、順メサのストライプとなる方向に形成された光位相変調器(例えば光位相変調器304b)に電圧が印加された場合、正の屈折率変化が生じるQCSE効果(図9(a)中、破線で示したQCSEの曲線を参照)と、同じ正の屈折率変化が生じるポッケルス効果(図9(a)中、点線で示したPockelsの曲線を参照)とにより、全体として、大きな正の屈折率変化が生じる(図9(a)中、実線で示したTotalの曲線を参照)。
一方、図9(b)に示すように、逆メサのストライプとなる方向に形成された光位相変調器(例えば、光位相変調器304a)に電圧が印加された場合、正の屈折率変化を生じるQCSE(Quantum-Confined Stark Effect)効果(図9(b)中、破線で示したQCSEの曲線を参照)と、負の屈折率変化を生じるポッケルス効果(図9(b)中、点線で示したPockelsの曲線を参照)とにより、結果として、図9(b)中、実線で示したTotalの曲線で示されるような屈折率変化を生じる。
このような、2つの光位相変調器の間に、電圧印加により非対称な屈折率変化が生じるような場合においても、本実施形態の変調装置の構成の場合、プッシュプル動作が実現可能である。すなわち、QCSEによる屈折率変化は、2つの光位相変調器304a,304bに対して同符号で作用するため、マッハツェンダー干渉計の効果で打ち消しあうのに対し、互いに逆符号で作用するポッケルス効果の寄与のみが干渉の結果として現れる。したがって、非線形な屈折率変化が生じる場合においても、本実施形態に示した構成を用いることにより、ポッケルス効果に基づく線形な、波長依存性のないプッシュプル動作による変調が実現できる。
電極端子308aに高周波の電気変調信号が印加されると、その電気変調信号は、変調電極309aを通過する際に光位相変調器304aを駆動して接続用電極307により光位相変調器304bに導かれる。そして、その電気変調信号が変調電極309bを通過する際に、光位相変調器304bが駆動する。一般的に、進行波型の電極構成の場合、入力端側から電気信号は、伝搬するにつれ損失のため弱くなる傾向にある。
この観点を踏まえて、本実施形態の変調装置10の場合について検討すると、変調装置10の場合、光位相変調器304aを駆動する変調信号と比較して、光位相変調器304bを駆動する変調信号の振幅が、わずかに小さくなってしまう可能性がある。しかし、そのような場合であっても、接続用電極307において直流成分を遮断して、高周波の電気変調信号を通過させるような本実施形態の変調装置10の構成を用いることにより最適駆動状態でのプッシュプル動作が実現可能である。
一般的に半導体材用を用いた場合、変調電極に印加するバイアス電圧により最適な高周波駆動信号の振幅は変化するため、各位相変調器において、それぞれ駆動変調信号の振幅が最適な駆動条件となるように、バイアス電圧を位相変調器ごとに変化させて駆動することにより、駆動信号が伝搬時に減衰してしまった場合であっても、良好なプッシュプル動作が実現可能となる。
<第2実施形態>
以下、本発明の変調装置の第2実施形態について説明する。
本実施形態の変調装置が第1実施形態と異なるのは、入力導波路および出力導波路の面方位のみであるため、この点を中心に以下説明する。この第2実施形態の変調装置における入力導波路および出力導波路は、前述の入力導波路301および出力導波路306とは異なり、入力光の入射方向と出力光の出射方向とが異ならないようにすることで、入出力導波路の結合特性が同じになるため、光学設計が容易になる点に特徴がある。
図3は、本実施形態における半導体マッハツェンダ変調装置10Aの構成例を示す図である。変調装置10Aでは、第1実施形態と同様に、(100)面方位を有するInP基板上に、入力導波路401と、分波器402と、2つの導波路403a,403bと、2つの光位相変調器404a,404bと、合波器405と、出力導波路406と、接続用電極407と、電極端子408a,408bと、変調電極309a,309bとが形成される。なお、これらの構成要素401,402,403a,403b,404a,404b,405,406,407,408a,408b,409a,409bは、それぞれ、図1に示した構成要素301,302,303a,303b,304a,304b,305,306,307,308a,308b,309a,309bと同様の構成および機能を有する。
図3の例では、出力導波路406は、図1で示したものと異なり、入力導波路401を伝搬する光信号の方向と同じ方向に光信号が伝搬するように配置される。これにより、入出力導波路401,406の結合特性が同じになるため、光学設計が容易になる。
なお、図1の入出力導波路301,306の配置では、入力導波路301と出力導波路306との面方位が異なるため、逆メサ構造の入力導波路301と順メサ構造の出力導波路306とが形成される。このため、変調装置10をレンズ等を通して光ファイバに接続する際(または、PLC(Planar Lightwave Circuit)等の異種導波路に接続する際)に、入力と出力とで結合特性が変わってしまい、光学設計が困難になり得る。
<第3実施形態>
以下、本発明の変調装置の第3実施形態について説明する。
本実施形態の変調装置は、変調の効率を向上させるため、各導波路に対して光信号の位相を変調するための光位相変調器を複数備えていることを特徴としている。
図4は、本実施形態における変調装置10Bの構成例を示す図である。変調装置10Bでは、第1の導波路503aに対して2つの光位相変調器504a,504cを備えるとともに、第2の導波路503bに対して2つの光位相変調器504b,504dを備える。光位相変調器504a〜504dの構成は、図1に示した光位相変調器304a,304dと同様である。
この場合、4つの光位相変調器504a〜504dにはそれぞれ、電圧を印加して駆動させるための変調電極(図1の変調電極309a,309bと同一の機能を果たす。)が接続されている。そして、これらの変調電極間には、各変調電極に与えられる共通の変調信号を通過させる3つの接続用電極507a,507b,507cが設けられている。
図4において、変調装置10Bは、第1実施形態と同様に、(100)面方位を有するInP基板上に、入力導波路501と、分波器502と、2つの導波路503a,503bと、合波器505と、出力導波路506と、電極端子508a,508bとが形成される。なお、これらの構成要素501,502,503a,503b,505,506,508a,508bは、それぞれ、図1に示した構成要素301,302,303a,303b,305,306,308a,308bと同様の構成および機能を有する。
なお、本実施形態の各変調電極に対して異なる値を持つ直流バイアス電圧が印加される場合、第1実施形態の変形例で説明したように、接続用電極507a〜507cは、直流成分を遮断して(DCカット)、上述の電気変調信号を通過させるようにする。
図4の例では、各導波路503a,503bに対してそれぞれ2つの光位相変調器が設けられているが、3つ以上の光位相変調器を設けるようにしてもよい。
<第4実施形態>
第4実施形態の変調装置10Cは、変調電極の各々に直流バイアス電圧を供給するためのバイアス用電極を備えていることを特徴としている。
図5は、本実施形態における変調装置10Cの構成例を示す図である。変調装置10Cでは、図4に示したものと同様に、(100)面方位を有するInP基板上に、入力導波路601と、分波器602と、2つの導波路603a,603bと、4つの光位相変調器604a〜604dと、合波器605と、出力導波路606と、接続用電極607と、電極端子608a,608bとが形成される。なお、これらの構成要素601,602,603a,603b,604a〜604d,605,606,607,608a,608bは、それぞれ、図4に示した構成要素501,502,503a,503b,504a〜504d,505,506,507a,508a,508bと同様の構成および機能を有する。
一方、図4に示したものと異なり、変調装置10Cは、位相調整電極609a,609bの各々に直流バイアス電圧を供給するためのバイアス用電極(バイアス電圧供給手段)610a,601bを備える。バイアス用電極610a,601bによって、導波路603a,603bを伝搬する光信号の位相調整を個別に、光位相変調器604a,604bの変調電極に印加するバイアス電圧とは独立して行うことができる。
一般に、半導体材用を用いた場合、変調電極に印加するバイアス電圧により最適な高周波駆動信号の振幅は変化することになるため、変調電極に印加するバイアス電圧を調整して高周波駆動信号の振幅が位相変調器604a,604bの最適駆動条件に一致するように設定する必要がある。しかしながら、本実施形態の変調装置10Cの構造を用いることにより、高周波駆動信号の条件を最適な状態に設定した状態で、マッハツェンダー干渉計の動作点を位相調整電極609a,609bに印加するバイアス電圧により所望の状態に設定することが可能となる。
以上、各実施形態について詳述してきたが、構成要素の材料などは変更するようにしてもよい。
10,10A,10B,10C 半導体マッハツェンダ型光変調装置
301,401,501,601 入力導波路
303a,403a,503a,603a 第1の導波路
303b,403b,503b,603b 第2の導波路
304a,304b,404a,404b,504a〜504d 光位相変調器
307,407,507a〜507c 接続用電極

Claims (5)

  1. 面方位が(100)の半導体基板を有し、単一の変調信号を用いて駆動する半導体マッハツェンダ型光変調装置であって、
    第1の導波路および第2の導波路と、
    前記第1の導波路を伝搬する光信号の位相を変調する第1の変調器と、
    前記第2の導波路を伝搬する光信号の位相を変調する第2の変調器と、
    前記半導体基板の[011]方向に形成され、前記第1の変調器に電圧を印加する少なくとも1つの第1の変調電極と、
    前記半導体基板の[01−1]方向に形成され、前記第2の変調器に電圧を印加する少なくとも1つの第2の変調電極と、
    前記第1の変調電極と前記第2の変調電極との間にそれぞれ接続され、前記変調信号を通過する少なくとも1つの接続用電極と
    を含むことを特徴とする半導体マッハツェンダ型光変調装置。
  2. 前記第1の変調電極および前記第2の変調電極において用いられる前記変調信号を生成する変調信号発生器をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体マッハツェンダ型光変調装置。
  3. 前記第1の変調電極および前記第2の変調電極にそれぞれ直流バイアス電圧を印加するバイアス電圧供給手段をさらに含む場合、
    前記接続用電極は、容量性成分を有することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体マッハツェンダ型光変調装置。
  4. 前記バイアス電圧供給手段は、
    前記第1の導波路上に形成され、前記第1の変調電極に第1のバイアス電圧を供給する第1のバイアス用電極と、
    前記第2の導波路上に形成され、前記第2の変調電極に第2のバイアス電圧を供給する第2のバイアス用電極と
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体マッハツェンダ型光変調装置。
  5. 前記第1のバイアス用電極および前記第2のバイアス用電極がそれぞれ異なるバイアス電圧を供給する場合、前記接続用電極への各バイアス電圧の供給を遮断することを特徴とする請求項4に記載の半導体マッハツェンダ型光変調装置。
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