JP2019045666A - 半導体マッハツェンダ光変調器およびiq変調器 - Google Patents

半導体マッハツェンダ光変調器およびiq変調器 Download PDF

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Abstract

【課題】同相モードおよびミックスドモードによる高周波特性の劣化を解決する。【解決手段】半導体マッハツェンダ光変調器の位相変調電極線路24〜27は、導波路16〜19に沿って形成されている。出力側引き出し線路28〜31は、誘電体層の面内で導波路16〜19の延伸方向と交差する方向に曲がり、終端抵抗51〜54と接続される。出力側引き出し線路28〜31は、所望のインピーダンスに対応する一定幅で形成され、曲部、および導波路16〜19を横断する部分においてのみ一定幅よりも幅が狭くなっている。【選択図】 図1

Description

本発明は、電気信号で光信号を変調する半導体マッハツェンダ変調器、及び半導体マッハツェンダ変調器を用いたIQ変調器に関するものである。
増大する通信トラフィック需要に対応するために、高度な光変調方式に対応した高速な光変調器が求められている。特にデジタルコヒーレント技術を用いた多値光変調器は、100Gbpsを超える大容量トランシーバ実現に大きな役割を果たしている。これら多値光変調器では、光の振幅および位相にそれぞれ独立の信号を付加させるべく、マッハツェンダ(MZ:Mach-Zehnder)干渉型のゼロチャープ駆動が可能な光変調器が並列多段に内蔵されている。
近年、光送信器モジュールの小型化や低駆動電圧化が課題となっており、小型で低駆動電圧化が可能な半導体MZ光変調器の研究開発が精力的に進められている(非特許文献1、非特許文献2参照)。図7(A)、図7(B)に従来の半導体MZ光変調器の一例を示す。図7(A)は半導体MZ光変調器の平面図、図7(B)は図7(A)のc−c’線断面図である。
図7(A)、図7(B)において、101は半導体MZ光変調器の入力導波路、102は出力導波路、103は入力導波路101を伝搬する光波を2つの導波路104,105に分波する光分波器、106は2つの導波路104,105を伝搬する光波を出力導波路102へと合波する光合波器,109,110はコプレーナストリップ線路、111,112は導波路104,105に電圧を印加するための電極である。
図7(B)において、113はn−InP層、114はInPからなる下部クラッド層、115は光波が伝搬する半導体コア層、116はInPからなる上部クラッド層、117はSI−InP基板である。
入力導波路101と出力導波路102と光分波器103と導波路104,105と光合波器106とは、MZ干渉計を構成している。MZ干渉計においては、導波路104,105に電圧を印加することによって、半導体コア層115において電気光学効果により屈折率変化が発生し、その結果、光の位相が変化する。このとき、導波路104,105に電圧差をつけることで、光合波器106における光の干渉状態が変わり、光を変調することができる(すなわち、出力導波路102の出力光がonになったり、offになったりする)。
2つのコプレーナストリップ線路109,110のうち一方が入力電気信号(S)に接続されている場合、他方が基準電位またはグランド(G)に接続されているSG構成となっている。
コプレーナストリップ線路109,110を伝搬するマイクロ波は、電極111,112によって導波路104,105に印加される。電極111,112とコプレーナストリップ線路109,110とは、全体として進行波型電極を形成している。すなわち、導波路104,105を伝搬する光波の速度と、上記進行波型電極を伝搬するマイクロ波の速度とをできるだけ一致させ、光波とマイクロ波の位相整合をとるようにすることで、変調帯域を上げることを意図する電極構造である。マイクロ波の損失がなく、光波とマイクロ波の速度整合条件が完全に満足されれば変調帯域は無限大になる。
しかしながら、実際にはマイクロ波の損失やインピーダンス不整合によるマイクロ波の反射、光波とマイクロ波の位相ずれが発生するため、これらの理由により変調帯域が制限される。
前述のように電極111,112の下には、上部クラッド層116と半導体コア層115と下部クラッド層114とが存在するため、一定の素子容量が存在する。すなわち、図7(A)において、電極111,112は、コプレーナストリップ線路109,110に対して容量を付加する形になる。
つまり、電極111,112の数および間隔、導波路104,105への電極111,112の接触長を最適に設計することで、コプレーナストリップ線路109,110に対する容量の付加量を自由に設計することができ、コプレーナストリップ線路109,110のインピーダンスおよびマイクロ波の速度を任意の値に設計できる。また、マイクロ波の損失を低減し、広帯域化を実現するために、コプレーナストリップ線路109,110は、100μm程度と太めに設計される。
以上述べたように、容量装荷構造の半導体MZ光変調器では、コプレーナストリップ線路109,110への最適な容量の付加量を設計することで、光波とマイクロ波の速度整合を向上させることができると共に、50Ωへのインピーダンス整合も取れるようになり、その結果、高速な光変調が可能になる。
図7(A)、図7(B)に示した構成の半導体MZ光変調器は、単相駆動となっているが、差動駆動のドライバとの接続や、消費電力を考えると、変調器側も差動駆動型(例えばGSSG構成)とすることが望ましい(非特許文献3参照)。
さらには、単相駆動形とは異なり、差動駆動型はクロストーク抑制に優れるため、1チップに集積した偏波多重IQ変調器を実現する上で有利である。ただし、信号線路をドライバおよび終端抵抗と接続するために曲げる必要があるが、差動駆動型とした場合には、非特許文献4に開示されたような単相駆動のIQ変調器の場合と異なり、差動構成の信号線路をおおよそ直角に曲げることは困難である。
図8は非特許文献4に開示された従来の単相駆動型IQ変調器の平面図である。単相駆動型IQ変調器は、入力導波路200と、入力導波路200を伝搬する光を2系統に分波する1×2多モード干渉(MMI:MultiMode Interference)カプラ201と、1×2MMIカプラ201によって分波された2つの光を導波する導波路202,203と、導波路202を伝搬する光を2系統に分波する1×2MMIカプラ204と、導波路203を伝搬する光を2系統に分波する1×2MMIカプラ205と、1×2MMIカプラ204によって分波された2つの光を導波する導波路206,207と、1×2MMIカプラ205によって分波された2つの光を導波する導波路208,209と、導波路206〜209に電圧を印加するための信号線路210〜213と、信号線路210〜213から供給される電圧を導波路206〜209に印加する電極214〜217と、導波路206〜209を伝搬する変調された信号光の位相を調整するための位相調整電極218〜221と、導波路206,207を伝搬する2系統の信号光を合波する2×1MMIカプラ222と、導波路208,209を伝搬する2系統の信号光を合波する2×1MMIカプラ223と、2×1MMIカプラ222の出力光を導波する導波路224と、2×1MMIカプラ223の出力光を導波する導波路225と、導波路224,225を伝搬する信号光の位相を調整するための位相調整電極226,227と、導波路224,225を伝搬する2系統の信号光を合波する2×1MMIカプラ228と、出力導波路229とから構成される。信号線路210〜213の一端はドライバ230,231と接続され、信号線路210〜213の他端は終端抵抗(不図示)と接続されている。
差動駆動の場合に信号線路を曲げ難くなる理由は、容量装荷構造の半導体MZ光変調器の場合、信号線路の幅が100μm程度と太いため、差動構成の2本の信号線路を曲げると、この2本の信号線路間で信号の電気長差が生じ、この電気長差により、差動モードの周波数特性が劣化したり、ノイズの原因となる同相モードおよびミックスドモードが励振されたりするためである。したがって、同相モードを励振せずに、かつ差動モードの周波数特性を劣化させることなく差動構成の信号線路を曲げることができる構造が必要となる。
また、非特許文献4のように単相駆動の変調器をドライバと接続し、差動(SS)駆動とすることも可能である。しかし、その場合には、半導体MZ光変調器の高周波線路において同相モードが伝搬できないため、ドライバと半導体MZ光変調器間で同相モードが全反射し、クロストーク等の原因となり、周波数特性やドライバの駆動力を落とす原因となることが懸念されるため、望ましくない。
L.Morl et al.,"A travelling wave electrode Mach-Zehnder 40 Gb/s demultiplexer based on strain compensated GaInAs/AlInAs tunnelling barrier MQW structure",1998 International Conference on Indium Phosphide and Related Materials,pp.403-406,1998 H.N.Klein et al.,"1.55μm Mach-Zehnder Modulators on InP for optical 40/80 Gbit/s transmission networks",OFC2006,pp.171-173,2006 K.Prosyk et al.,"Travelling Wave Mach-Zehnder Modulators",IPRM2013,MoD3-1,2013 S.Lange et al.,"Low Power InP-Based Monolithic DFB-Laser IQ Modulator With SiGe Differential Driver for 32-GBd QPSK Modulation",JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY,VOL.34,NO.8,APRIL 15,2016
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、差動駆動型の容量装荷構造の半導体マッハツェンダ光変調器において、信号線出力端の終端抵抗に接続するために、必要な高周波配線において、従来構造で問題となっている同相モードおよびミックスドモードによる高周波特性の劣化を解決することができる半導体マッハツェンダ光変調器およびIQ変調器を提供することを目的とする。
本発明の半導体マッハツェンダ光変調器は、基板上に形成された第1、第2のアーム導波路と、前記基板上の誘電体層の上に形成され、一端に変調信号が入力される第1の入力側引き出し線路と、この第1の入力側引き出し線路の隣の前記誘電体層上に形成され、一端に前記変調信号と相補な信号が入力される第2の入力側引き出し線路と、前記誘電体層上に形成され、一端が前記第1、第2の入力側引き出し線路の他端とそれぞれ接続された第1、第2の位相変調電極線路と、前記誘電体層上に形成され、一端が前記第1、第2の位相変調電極線路の他端とそれぞれ接続された第1、第2の出力側引き出し線路と、前記第1、第2の位相変調電極線路を伝搬する変調信号をそれぞれ前記第1、第2のアーム導波路に印加する第1、第2の電極と、前記変調信号の伝搬方向に沿って前記第1の入力側引き出し線路と前記第1の位相変調電極線路と前記第1の出力側引き出し線路との外側の前記誘電体層上に形成された第1のグランド線路と、前記変調信号の伝搬方向に沿って前記第2の入力側引き出し線路と前記第2の位相変調電極線路と前記第2の出力側引き出し線路との外側の前記誘電体層上に形成された第2のグランド線路と、前記第1、第2の出力側引き出し線路の他端に接続される終端抵抗とを備え、前記第1、第2の位相変調電極線路は、前記第1、第2のアーム導波路に沿って形成され、前記第1、第2の出力側引き出し線路は、前記誘電体層の面内で前記第1、第2のアーム導波路の延伸方向と交差する方向に曲がり、前記終端抵抗と接続されることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体マッハツェンダ光変調器の1構成例において、前記第1、第2の出力側引き出し線路は、所望のインピーダンスに対応する一定幅で形成され、曲部においてのみ前記一定幅よりも幅および線路間距離が狭くなることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体マッハツェンダ光変調器の1構成例において、前記第1、第2の入力側引き出し線路は、前記第1、第2の位相変調電極線路と同一直線上に形成されることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体マッハツェンダ光変調器の1構成例は、前記第1、第2のグランド線路間を電気的に接続する複数のワイヤまたはグランドビアをさらに備え、前記複数のワイヤまたはグランドビアは、前記第1、第2の位相変調電極線路を伝搬する最大周波数の変調信号の管内波長の1/4以下の周期で設けられることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体マッハツェンダ光変調器の1構成例において、前記第1、第2の出力側引き出し線路は、前記曲部に加えて、前記第1、第2のアーム導波路上を横断する部分で前記一定幅よりも幅が狭くなり、前記第1、第2の出力側引き出し線路間の距離は、前記第1、第2の位相変調電極線路間の距離よりも短く、前記グランド線路は、幅が一定のまま、前記第1、第2の出力側引き出し線路の曲部および前記第1、第2の出力側引き出し線路が前記第1、第2のアーム導波路上を横断する部分においてのみ前記第1、第2の出力側引き出し線路との距離が短くなることを特徴とするものである。
また、本発明の半導体マッハツェンダ光変調器の1構成例において、前記第1、第2の出力側引き出し線路の曲部のエッジの平面軌跡は、クロソイド曲線を描くことを特徴とするものである。
また、本発明の半導体マッハツェンダ光変調器の1構成例において、前記第1、第2の電極は、それぞれ前記第1、第2のアーム導波路の延伸方向に沿って、前記第1、第2の位相変調電極線路を伝搬する最大周波数の変調信号の管内波長の1/4以下の周期で複数配設されることを特徴とするものである。
また、本発明のIQ変調器は、半導体マッハツェンダ光変調器を2つ備えると共に、前記基板上に形成された入力導波路と、前記基板上に形成され、前記入力導波路を伝搬する光を前記2つの半導体マッハツェンダ光変調器への入力用に2系統に分波する分波器とを備え、I変調信号を入力とする前記半導体マッハツェンダ光変調器とQ変調信号を入力とする前記半導体マッハツェンダ光変調器とが前記基板上に並設され、前記2つの半導体マッハツェンダ光変調器のそれぞれの第1、第2のアーム導波路の延伸方向に対して、前記入力導波路の光伝搬方向および前記分波器の光入出力方向が交差するように前記入力導波路と前記分波器とが形成されることを特徴とするものである。
本発明によれば、第1、第2の位相変調電極線路を、第1、第2のアーム導波路に沿って形成し、第1、第2の出力側引き出し線路を、誘電体層の面内で第1、第2のアーム導波路の延伸方向と交差する方向に曲げて終端抵抗と接続することにより、従来構造で問題となっている同相モードおよびミックスドモードによる高周波特性の劣化を解決し、広帯域でかつドライバとの接続に優れた半導体マッハツェンダ光変調器を実現することができる。
また、本発明では、第1、第2の出力側引き出し線路を、所望のインピーダンスに対応する一定幅で形成し、曲部においてのみ前記一定幅よりも幅および線路間距離を狭くすることにより、前記第1、第2の出力側引き出し線路間の位相差を小さくし、従来構造で問題となっている同相モードおよびミックスドモードによる高周波特性の劣化を解決することができる。
また、本発明では、第1、第2のグランド線路間を電気的に接続する複数のワイヤまたはグランドビアを、第1、第2の位相変調電極線路を伝搬する最大周波数の変調信号の管内波長の1/4以下の周期で設けることにより、第1、第2のグランド線路の電位を安定させることができ、広帯域な半導体マッハツェンダ光変調器を実現することができる。
また、本発明では、第1、第2のアーム導波路上を横断する部分で第1、第2の出力側引き出し線路の幅を狭くし、第1、第2の出力側引き出し線路間の距離を第1、第2の位相変調電極線路間の距離よりも短くし、第1、第2の出力側引き出し線路の曲部および第1、第2の出力側引き出し線路が第1、第2のアーム導波路上を横断する部分においてのみ第1、第2のグランド線路と第1、第2の出力側引き出し線路との距離を短くすることにより、第1、第2の出力側引き出し線路が第1、第2のアーム導波路上を横断する部分において、第1、第2の出力側引き出し線路のインピーダンスが大幅に低下し、インピーダンス不整合が生じる可能性を低減することができる。
また、本発明では、第1、第2の出力側引き出し線路の曲部のエッジの平面軌跡をクロソイド曲線とすることにより、半導体マッハツェンダ光変調器の高周波特性をさらに改善することができる。
また、本発明では、第1、第2の電極を、それぞれ第1、第2のアーム導波路の延伸方向に沿って、第1、第2の位相変調電極線路を伝搬する最大周波数の変調信号の管内波長の1/4以下の周期で複数配設することにより、半導体マッハツェンダ光変調器を広帯域動作させることができる。
図1は、本発明の第1の実施例に係る偏波多重型IQ変調器の構成を示す平面図である。 図2は、本発明の第1の実施例に係る偏波多重型IQ変調器の断面図である。 図3は、本発明の第1の実施例に係る偏波多重型IQ変調器の出力側引き出し線路の部分を拡大した平面図である。 図4は、本発明の第1の実施例に係る偏波多重型IQ変調器の出力側引き出し線路の曲部の断面図である。 図5は、本発明の第1の実施例においてグランド線路間を接続するワイヤを示す平面図である。 図6は、本発明の第2の実施例に係る偏波多重型IQ変調器の構成を示す平面図である。 図7は、従来の半導体マッハツェンダ光変調器の構成を示す平面図および断面図である。 図8は、従来の単相駆動型IQ変調器の構成を示す平面図である。
[第1の実施例]
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施例に係る偏波多重型IQ変調器の構成を示す平面図である。偏波多重型IQ変調器は、入力導波路10と、入力導波路10を伝搬する光を2系統に分波する1×2MMIカプラ11と、1×2MMIカプラ11によって分波された2つの光を導波する導波路12,13と、導波路12を伝搬する光を2系統に分波する1×2MMIカプラ14と、導波路13を伝搬する光を2系統に分波する1×2MMIカプラ15と、1×2MMIカプラ14によって分波された2つの光を導波する導波路16,17(第1、第2のアーム導波路)と、1×2MMIカプラ15によって分波された2つの光を導波する導波路18,19(第1、第2のアーム導波路)と、導波路16,17にI変調信号を印加するための導体からなる入力側引き出し線路20,21(第1、第2の入力側引き出し線路)と、導波路18,19にQ変調信号を印加するための導体からなる入力側引き出し線路22,23(第1、第2の入力側引き出し線路)と、入力側引き出し線路20,21と接続された導体からなる位相変調電極線路24,25(第1、第2の位相変調電極線路)と、入力側引き出し線路22,23と接続された導体からなる位相変調電極線路26,27(第1、第2の位相変調電極線路)と、位相変調電極線路24,25と接続された導体からなる出力側引き出し線路28,29(第1、第2の出力側引き出し線路)と、位相変調電極線路26,27と接続された導体からなる出力側引き出し線路30,31(第1、第2の出力側引き出し線路)と、位相変調電極線路24,25から供給されるI変調信号を導波路16,17に印加する導体からなる電極32,33(第1、第2の電極)と、位相変調電極線路26,27から供給されるQ変調信号を導波路18,19に印加する導体からなる電極34,35(第1、第2の電極)とを備えている。
さらに、偏波多重型IQ変調器は、導波路16〜19を伝搬する変調された信号光の位相を調整するための導体からなる位相調整電極36〜39と、導波路16,17を伝搬する2系統の信号光を合波する2×1MMIカプラ40と、導波路18,19を伝搬する2系統の信号光を合波する2×1MMIカプラ41と、2×1MMIカプラ40の出力光を導波する導波路42と、2×1MMIカプラ41の出力光を導波する導波路43と、導波路42,43を伝搬する信号光の位相を調整するための導体からなる位相調整電極44,45と、導波路42,43を伝搬する2系統の信号光を合波する2×1MMIカプラ46と、出力導波路47と、入力側引き出し線路20と位相変調電極線路24と出力側引き出し線路28との外側に配設された導体からなるグランド線路48と、入力側引き出し線路21、位相変調電極線路25および出力側引き出し線路29と入力側引き出し線路22、位相変調電極線路26および出力側引き出し線路30との間に配設された導体からなるグランド線路49と、入力側引き出し線路23と位相変調電極線路27と出力側引き出し線路31との外側に配設された導体からなるグランド線路50と、出力側引き出し線路28〜31の端部に接続された終端抵抗51〜54とを備えている。
図2は本実施例の偏波多重型IQ変調器のa−a’線断面図である。図2において、60はn−InP層、61はInPからなる下部クラッド層、62は半導体コア層、63はInPからなる上部クラッド層、64はSI−InP基板、65はn−InP層60の上に形成された誘電体層である。
導波路10,12,13,16,17,18,19,42,43,47とMMIカプラ11,14,15,40,41,46とは、下部クラッド層61と半導体コア層62と上部クラッド層63とからなる導波路構造によって形成されている。
図2に示すように、入力側引き出し線路20〜23と位相変調電極線路24〜27と出力側引き出し線路28〜31とグランド線路48〜50とは、誘電体層65の上に形成されている。
次に、これら高周波線路パターンについて更に詳細に説明する。本実施例の高周波線路パターンは、低誘電率材料からなる誘電体層65上に形成された2本の信号線路と2本のグランド線路とからなるGSSG(グランド・シグナル・シグナル・グランド)差動コプレーナ線路を基本構造としている。
ただし、本実施例では、I変調信号を入力とする半導体MZ光変調器とQ変調信号を入力とする半導体MZ光変調器とを基板上に並設しており、I変調信号側の半導体MZ光変調器の高周波線路パターンとQ変調信号側の半導体MZ光変調器の高周波線路パターンで中央のグランド線路49を共用するようにしている。
信号線路は、入力側引き出し線路20〜23の部分と位相変調電極線路24〜27の部分と出力側引き出し線路28〜31の部分の3つの部分から形成されており、全ての部分で、インピーダンス整合の取れた差動線路構造(GSSG構成)となっている。差動線路構成となっているので、エネルギー効率が高い差動入力信号(差動ドライバ)によって変調器を駆動することができる。
入力側引き出し線路20には、SI−InP基板64上に形成された差動ドライバ(不図示)からI変調信号が入力され、これと相補なI変調信号(バーI)が差動ドライバから入力側引き出し線路21に入力される。同様に、入力側引き出し線路22には、差動ドライバからQ変調信号が入力され、これと相補なQ変調信号(バーQ)が差動ドライバから入力側引き出し線路23に入力される。
出力側引き出し線路28〜31のそれぞれの端部は、終端抵抗51〜54によって終端されている。
グランド線路48〜50の一端(図1の左端部)は、差動ドライバのグランドと接続されている。
1×2MMIカプラ14と導波路16,17と入力側引き出し線路20,21と位相変調電極線路24,25と出力側引き出し線路28,29と電極32,33と2×1MMIカプラ40とは、I変調信号側の半導体MZ光変調器を構成している。この半導体MZ光変調器は、電極32,33から導波路16,17に印加されるI変調信号に応じて、導波路16,17を伝搬する光を位相変調する。
同様に、1×2MMIカプラ15と導波路18,19と入力側引き出し線路22,23と位相変調電極線路26,27と出力側引き出し線路30,31と電極34,35と2×1MMIカプラ41とは、Q変調信号側の半導体MZ光変調器を構成している。この半導体MZ光変調器は、電極34,35から導波路18,19に印加されるQ変調信号に応じて、導波路18,19を伝搬する光を位相変調する。
2×1MMIカプラ40は導波路16,17を伝搬する変調された信号光を合波し、2×1MMIカプラ41は導波路18,19を伝搬する変調された信号光を合波する。位相調整電極44,45に電圧を印加することにより、2×1MMIカプラ40から出力されるI側の信号光と2×1MMIカプラ41から出力されるQ側の信号光の位相差が90度になるように位相調整することが可能である。
2×1MMIカプラ46は、導波路42を伝搬するI側の信号光と導波路43を伝搬するQ側の信号光とを合波することにより、光IQ変調信号を得る。こうして、本実施例では、IQ変調器を実現することができる。
次に、本実施例の特徴的な構成について順を追って説明する。位相変調電極線路24〜27は、半導体MZ光変調器を構成する導波路16〜19と平行に配設される。
この位相変調電極線路24〜27と接続される入力側引き出し線路20〜23は、位相変調電極線路24〜27と同一直線上に形成される必要がある。その理由は、入力側引き出し線路20〜23において曲がりが生じると、同相モードが生じたり、ミックスドモード特性が劣化したりして、これらが原因となって差動モード特性の高周波特性が劣化したり、共振が生じたりする可能性があるためである。
また、入力側引き出し線路20〜23において曲がりが生じると、直線状の線路に比べ、線路長が長くなって伝搬損失が増加し、さらに曲げ損失が生じるため、差動信号の高周波特性が劣化してしまう。特に、入力側引き出し線路20〜23における損失は、変調帯域の劣化に直結するため、広帯域化を実現する上では、入力側引き出し線路20〜23における損失を最小にすることが重要である。
入力側引き出し線路20〜23の損失を最小にするには、上記で述べたように、入力側引き出し線路20〜23と位相変調電極線路24〜27とを同一直線上に形成するだけではなく、導波路16〜19と入力側引き出し線路20〜23および位相変調電極線路24〜27の配置を最適化する必要がある。
例えば本実施例のような配置とすれば、入力側引き出し線路20〜23の長さを最短とすることができる。本実施例では、導波路16〜19の延伸方向(図1左右方向)に対して、入力導波路10の光伝搬方向(図1上下方向)および1×2MMIカプラ11の光入出力方向(図1上下方向)が直交するように入力導波路10と1×2MMIカプラ11とを形成し、導波路16〜19の延伸方向に対して、1×2MMIカプラ14,15,40,41,46の入出力方向(図1左右方向)が同一方向になるように1×2MMIカプラ14,15,40,41,46を形成している。これにより、導波路パターンがL字型のレイアウトとなるような構成としている。
このようなレイアウトによれば、入力側引き出し線路20〜23の長さを700μm以下にすることができ、文献「N.Kono et al.,“Compact and Low Power DP-QPSK Modulator Module with InP-Based Modulator and Driver ICs”,OFC2013,OW1G.2,2013」に記載された従来構成と比較して、1mm程度長さを短くすることができる。
次に、位相変調電極線路24〜27について説明する。位相変調電極線路24〜27とこれに接続される電極32〜35とは、インピーダンス整合と、マイクロ波と光波の速度整合とに優れた差動容量装荷構造(GSSG構成)となっている。すなわち、グランド線路48と、I変調信号が入力される位相変調電極線路24と、位相変調電極線路24からI変調信号が供給される電極32と、I変調信号と相補な信号(バーI)が入力される電極33と、電極33に信号を供給する位相変調電極線路25と、グランド線路49と、Q変調信号が入力される位相変調電極線路26と、位相変調電極線路26からQ変調信号が供給される電極34と、Q変調信号と相補な信号(バーQ)が入力される電極35と、電極35に信号を供給する位相変調電極線路27と、グランド線路50とが並ぶ構成となっている。
主線路である位相変調電極線路24〜27から分岐して周期的に形成される容量装荷部の電極32〜35の数、間隔、長さを最適に設計することで、位相変調電極線路24〜27への容量の付加量を自由に設計可能なため、位相変調電極線路24〜27のインピーダンスと位相変調電極線路24〜27を伝搬するマイクロ波の速度とを任意の値に設計することができる。
そのため、インピーダンス整合と、マイクロ波と光波の速度整合とを同時に実現することができ、変調器の30GHz以上の広帯域動作を実現できる電極構成となっている。また、半導体MZ光変調器に広帯域動作をさせるためには、電極32〜35を進行波型電極として見なせるように設計する必要があるため、分布定数として見なせるように信号毎の電極32〜35の周期を、位相変調電極線路24〜27および電極32〜35を伝搬する最大周波数の変調信号の管内波長λeffの最低限1/4以下、理想的には1/8以下とする必要がある。
導波路16〜19の延伸方向に沿って各電極32〜35を周期的に配置するため、一般的にブラッグ周波数についても考える必要がある。ただし、本実施例では、上記の管内波長に対応する周波数よりもブラッグ周波数が高域側の周波数となるため、信号毎の電極32〜35の周期を管内波長λeffの1/4以下(理想的には1/8以下)とする上記の条件を満たす場合にはブラッグ周波数について考慮する必要はない。
次に、出力側引き出し線路28〜31について説明する。図3は出力側引き出し線路28〜31の部分を拡大した平面図である。出力側引き出し線路28〜31は、誘電体層65の面内で導波路16〜19の延伸方向(入力側引き出し線路20〜23および位相変調電極線路24〜27の延伸方向)と交差する方向(本実施例では直交する方向)に曲がる構造となっている。上記のように本実施例の高周波線路パターンはGSSG差動線路構造となっているため、出力側引き出し線路28〜31の曲げ方が重要となる。
例えば、出力側引き出し線路28〜31の幅を任意のインピーダンスとなる幅にし、その幅のまま出力側引き出し線路28〜31を直角に曲げた場合には、差動構成の2本の線路28と29間、および線路30と31間でそれぞれ信号の電気長差が生じ、大きな位相差が発生してしまう。位相差、および曲がりの非対称性から、同相モードが生じたり、ミックスドモード特性が劣化したりして、これらが原因となって差動モードの高周波特性を劣化させてしまい、変調帯域を劣化させてしまうため、好ましくない。
そこで、本実施例では、出力側引き出し線路28〜31を所望のインピーダンスに対応する一定幅W1で形成しつつ、曲部(図3の70,71)よりも位相変調電極線路24〜27に近い位置から長さ50μm程度のテーパー部(図3の72,73)において出力側引き出し線路28〜31の幅を徐々に狭くし、曲部70,71における出力側引き出し線路28〜31の幅が上記一定幅W1よりも狭くなるようにする。また、出力側引き出し線路28と29間の距離と、出力側引き出し線路30と31間の距離とを、位相変調電極線路24と25間の距離と、位相変調電極線路26と27間の距離よりも短くする。さらに、曲部70,71において出力側引き出し線路28とグランド線路48間の距離と、出力側引き出し線路29とグランド線路49間の距離と、出力側引き出し線路30とグランド線路49間の距離と、出力側引き出し線路31とグランド線路50間の距離とを、他の部分の出力側引き出し線路とグランド線路間の距離よりも短くする。
こうして、本実施例では、差動モードおよび同相モードのどちらに対しても、出力側引き出し線路28〜31を高インピーダンス化することができ、インピーダンス不整合が生じるのを低減した上で、出力側引き出し線路28〜31を曲げることができる。
曲部70,71において出力側引き出し線路28〜31の幅を狭くすることで、出力側引き出し線路28と29の電気長差および位相差と、出力側引き出し線路30と31の電気長差および位相差を十分に小さくすることができるため、同相モードおよびミックスドモードの劣化を抑制することができる。
本実施例では、出力側引き出し線路の幅を一定のまま配線する従来構成と比較して、透過特性(Sdd21)を50GHzで例えば約0.5dB程度改善することができ、さらにはミックスドモード特性(Sdc21)を例えば10dB程度改善することができる。
また、同相モードの特性劣化を防ぐために、構造の非対称性を最小限にする上で、グランド線路48〜50の幅W2は一定であることが望ましい。
さらに、出力側引き出し線路28〜31の曲部70,71のエッジの軌跡として、クロソイド曲線を採用することで、さらに特性を改善することができる。クロソイド曲線を採用すれば、例えば差動反射特性(Sdd11)を、通常の曲線と比較して数dB程度向上させることができる。
また、基本的に出力側引き出し線路28〜31は誘電体層65上に形成されている。しかし、出力側引き出し線路28〜31を曲げることにより、図3のb−b’線断面を示す図4のように、出力側引き出し線路28〜31が導波路16〜19上に形成される箇所が発生する。つまり、誘電体層65を構成する低誘電率材料の一例であるベンゾシクロブテン(BCB)に比べ、誘電率が約4倍の半導体上を出力側引き出し線路28〜31が横断することになるため、誘電体層65上の線路幅のまま導波路16〜19上に形成すると、出力側引き出し線路28〜31のインピーダンスが大幅に低下してしまい、インピーダンス不整合が生じてしまう可能性がある。
そこで、曲部70,71以外の横断箇所(図3、図4の74)においても、曲部70,71と同様に、所望のインピーダンスに対応する一定幅W1よりも出力側引き出し線路28〜31の幅を狭くし、かつ出力側引き出し線路28と29間の距離と、出力側引き出し線路28とグランド線路48間の距離と、出力側引き出し線路29とグランド線路49間の距離とを短くするようにしてもよい。
このような構造により、出力側引き出し線路28〜31が導波路16〜19上を横断する箇所において、出力側引き出し線路28〜31が低インピーダンス化することを防ぐことができる。ただし、以上のような横断箇所における出力側引き出し線路28〜31とグランド線路48,49の構造は本発明の必須の構成要件ではなく、出力側引き出し線路28〜31が導波路16〜19上を横断するエリアが小さい場合にはインピーダンス不整合の影響が見えないため、本構造は不要である。
また、本実施例では、位相変調電極線路24〜27の部分と比較して、出力側引き出し線路28と29間の距離と、出力側引き出し線路30と31間の距離とを短くすることにより、電気的な閉じ込めが強くなる構造とすることができ、基板方向への電磁波の漏れや基板共振を防ぐことができる。
また、出力側引き出し線路28〜31の端部は、所望の差動インピーダンスおよび同相インピーダンスを満たす終端抵抗51〜54に接続され、差動終端される。
また、図5に示すように、実際には、グランド線路48〜50間を電気的に接続するワイヤ55,56を設けることが望ましい。ワイヤ55,56がない場合には、グランド線路48〜50の電位が安定化せず、揺れてしまうため、伝搬長に依存する任意の周波数において、共振が発生してしまう。そのため、広帯域な変調器を実現することが困難になる。この共振を抑えるためには、信号の伝搬方向に沿って信号波長に対して十分に短い周期、つまり上記の管内波長λeffの1/4〜1/8以下の周期で、グランド線路48〜50間を結ぶワイヤ55,56を設けることが望ましい。
図5の例では、出力側引き出し線路28〜31の箇所にのみワイヤ55,56を設けているが、入力側引き出し線路20〜23および位相変調電極線路24〜27の箇所についても、同様にグランド線路48〜50間にワイヤ55,56を設けることが望ましい。
ワイヤ55,56を設けることで、入力側引き出し線路20〜23と位相変調電極線路24〜27と出力側引き出し線路28〜31の両側のグランド線路48〜50の電位が安定化し、グランド線路48〜50の電位の共振を抑えることができ、広帯域な変調器を実現することができる。管内波長λeffの1/4〜1/8よりも長い周期でワイヤ55,56を設けた場合には、リップルの量を低減することはできるが、グランド線路48〜50の電位の共振を完全には抑えることができない。
ワイヤ55,56ではなく、半導体基板(SI−InP基板64)裏面に設けたグランド電極と、半導体基板を加工して作製したグランドビアとを介してグランド線路48〜50間を接続することで、グランド線路48〜50の電位を安定化することも可能である。
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例について説明する。図6は本発明の第2の実施例に係る偏波多重型IQ変調器の構成を示す平面図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。第1の実施例では、導波路16〜19の延伸方向(図1左右方向)に対して、入力導波路10の光伝搬方向が直交するようにした。
これに対し、本実施例では、導波路16〜19の延伸方向と平行な方向から入力導波路10aに光が入射し、1×2MMIカプラ11と接続する手前で入力導波路10aを曲げるようにしている。これにより、導波路パターンがU字型のレイアウトとなるような構成となっている。その他の構成は第1の実施例で説明したとおりである。
本実施例においても、入力側引き出し線路20〜23の長さを700μm以下にすることができ、文献「N.Kono et al.,“Compact and Low Power DP-QPSK Modulator Module with InP-Based Modulator and Driver ICs”,OFC2013,OW1G.2,2013」に記載された従来構成と比較して、1mm程度長さを短くすることができる。
なお、第1、第2の実施例において、半導体MZ光変調器の導波路16〜19は、SI−InP基板64上に、InPからなる下部クラッド層61、ノンドープの半導体コア層62、InPからなる上部クラッド層63を順次積層した構造となっている。他の導波路10,10a,12,13,42,43,47も同様である。
半導体コア層62は、光導波層として機能し、例えばInGaAsPやInGaAlAsなどの材料からなる。半導体コア層62は、単一組成の四元混晶のバルク層や多重量子井戸層で構成すればよい。また、多重量子井戸層の上下に、バンドギャップが多重量子井戸層よりも大きく、かつ下部クラッド層61および上部クラッド層63よりもバンドギャップが小さい光閉じ込め層を形成した構造を、半導体コア層62としてもよい。
四元混晶のバルク層や多重量子井戸層のバンドギャップ波長は、使用する光波長において、電気光学効果が有効に作用し、かつ、光吸収が問題とならないように設定されている。
誘電体層65は、特性の観点から考えると、所望のインピーダンス線路を設計した場合に、電極損失を低減可能であるため、例えば有機材料のポリイミドやBCB等の低誘電率材料からなることが望ましい。また、本発明はInP系材料に限定されるものではなく、例えば、GaAs基板と整合する材料系を用いても構わない。
上部クラッド層63と下部クラッド層61とは、どちらか一方がn型半導体で、他方がp型半導体であっても構わない。
また、上部クラッド層63と下部クラッド層61の両方がn型半導体で、上部クラッド層63と半導体コア層62との間、もしくは下部クラッド層61と半導体コア層62との間に、第3のp型クラッド層が挿入されている構造を取ることもできる。
本発明は、電気信号で光信号を変調する半導体マッハツェンダ光変調器に適用することができる。
10,10a…入力導波路、11,14,15…1×2MMIカプラ、12,13,16〜19,42,43…導波路、20〜23…入力側引き出し線路、24〜27…位相変調電極線路、28〜31…出力側引き出し線路、32〜35…電極、36〜39,44,45…位相調整電極、40,41,46…2×1MMIカプラ、47…出力導波路、48〜50…グランド線路、51〜54…終端抵抗、55,56…ワイヤ、60…n−InP層、61…下部クラッド層、62…半導体コア層、63…上部クラッド層、64…SI−InP基板、65…誘電体層。

Claims (8)

  1. 基板上に形成された第1、第2のアーム導波路と、
    前記基板上の誘電体層の上に形成され、一端に変調信号が入力される第1の入力側引き出し線路と、
    この第1の入力側引き出し線路の隣の前記誘電体層上に形成され、一端に前記変調信号と相補な信号が入力される第2の入力側引き出し線路と、
    前記誘電体層上に形成され、一端が前記第1、第2の入力側引き出し線路の他端とそれぞれ接続された第1、第2の位相変調電極線路と、
    前記誘電体層上に形成され、一端が前記第1、第2の位相変調電極線路の他端とそれぞれ接続された第1、第2の出力側引き出し線路と、
    前記第1、第2の位相変調電極線路を伝搬する変調信号をそれぞれ前記第1、第2のアーム導波路に印加する第1、第2の電極と、
    前記変調信号の伝搬方向に沿って前記第1の入力側引き出し線路と前記第1の位相変調電極線路と前記第1の出力側引き出し線路との外側の前記誘電体層上に形成された第1のグランド線路と、
    前記変調信号の伝搬方向に沿って前記第2の入力側引き出し線路と前記第2の位相変調電極線路と前記第2の出力側引き出し線路との外側の前記誘電体層上に形成された第2のグランド線路と、
    前記第1、第2の出力側引き出し線路の他端に接続される終端抵抗とを備え、
    前記第1、第2の位相変調電極線路は、前記第1、第2のアーム導波路に沿って形成され、
    前記第1、第2の出力側引き出し線路は、前記誘電体層の面内で前記第1、第2のアーム導波路の延伸方向と交差する方向に曲がり、前記終端抵抗と接続されることを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
  2. 請求項1記載の半導体マッハツェンダ光変調器において、
    前記第1、第2の出力側引き出し線路は、所望のインピーダンスに対応する一定幅で形成され、曲部においてのみ前記一定幅よりも幅および線路間距離が狭くなることを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
  3. 請求項1または2記載の半導体マッハツェンダ光変調器において、
    前記第1、第2の入力側引き出し線路は、前記第1、第2の位相変調電極線路と同一直線上に形成されることを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ光変調器において、
    前記第1、第2のグランド線路間を電気的に接続する複数のワイヤまたはグランドビアをさらに備え、
    前記複数のワイヤまたはグランドビアは、前記第1、第2の位相変調電極線路を伝搬する最大周波数の変調信号の管内波長の1/4以下の周期で設けられることを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ光変調器において、
    前記第1、第2の出力側引き出し線路は、前記曲部に加えて、前記第1、第2のアーム導波路上を横断する部分で前記一定幅よりも幅が狭くなり、
    前記第1、第2の出力側引き出し線路間の距離は、前記第1、第2の位相変調電極線路間の距離よりも短く、
    前記グランド線路は、幅が一定のまま、前記第1、第2の出力側引き出し線路の曲部および前記第1、第2の出力側引き出し線路が前記第1、第2のアーム導波路上を横断する部分においてのみ前記第1、第2の出力側引き出し線路との距離が短くなることを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ光変調器において、
    前記第1、第2の出力側引き出し線路の曲部のエッジの平面軌跡は、クロソイド曲線を描くことを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ光変調器において、
    前記第1、第2の電極は、それぞれ前記第1、第2のアーム導波路の延伸方向に沿って、前記第1、第2の位相変調電極線路を伝搬する最大周波数の変調信号の管内波長の1/4以下の周期で複数配設されることを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体マッハツェンダ光変調器を2つ備えると共に、
    前記基板上に形成された入力導波路と、
    前記基板上に形成され、前記入力導波路を伝搬する光を前記2つの半導体マッハツェンダ光変調器への入力用に2系統に分波する分波器とを備え、
    I変調信号を入力とする前記半導体マッハツェンダ光変調器とQ変調信号を入力とする前記半導体マッハツェンダ光変調器とが前記基板上に並設され、
    前記2つの半導体マッハツェンダ光変調器のそれぞれの第1、第2のアーム導波路の延伸方向に対して、前記入力導波路の光伝搬方向および前記分波器の光入出力方向が交差するように前記入力導波路と前記分波器とが形成されることを特徴とするIQ変調器。
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