JP2015212769A - 半導体マッハツェンダ光変調器 - Google Patents

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里江子 佐藤
柴田 泰夫
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泰夫 柴田
菊池 順裕
Nobuhiro Kikuchi
順裕 菊池
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】基板の異なる面方位に沿って形成された2つの導波路で形成されたMZ変調器では、分波された各分岐光は、2つの光位相変調器によってお互いに逆相の関係でそれぞれ位相変調され、1つの変調信号によってプッシュプル動作が実現される。しかし、電極に静電容量を付加できず、光波とマイクロ波電気信号との間で速度を十分に整合ができなかった。インピーダンス整合が取れない結果、高速かつ広帯域な変調の実現を妨げていた。
【解決手段】本発明のMZ光変調器では、メサ構造の光導波路の上部に形成された変調電極に電気的に接続された子電極(分岐電極)を備える。子電極は、変調電極からその長さ方向に対して垂直に分岐して変調電極から離れた後、再び変調電極に概ね平行に沿うように伸びている。子電極の平行部分は、MZ変調器の光導波路と類似の導波路様の静電容量を付加する構造を持つ。子電極の幅、変調電極との距離、長さ等の構成寸法を、光導波路の機能を一切考慮せずに自由に設計できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気信号を光信号に変換して信号送信する半導体光変調器に関する。より詳細には、マッハツェンダ型光変調素子が集積された半導体光変調回路の構成に関する。
スマートフォンを初めとする新たなインターネット通信端末が幅広く普及する現在、携帯電話やインターネットを支える光通信の利用も爆発的に広がっている。光通信に対してはますますの高速化・大容量化が要請されている。光通信の高速・大容量化に対応するための技術として、波長の異なる複数の光信号を同時に利用することによって光ファイバーを多重利用する、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:以下WDM)光通信が利用されている。
WDM光通信システムの大容量化を実現するには、1波長あたりの伝送レートを増加することが有用である。伝送レートを増加するためには、簡単なものとして、光伝送路に送出する変調信号のシンボルレートを上げる方法がある。しかしながら、シンボルレートを上げる場合、変調によって占有周波数帯域幅もシンボルレートに比例して増大することになる。シンボルレートを増大させて行けば、やがては所定のグリッド間隔で並ぶ隣接チャネルとの符号間干渉が発生することなり、伝送特性は劣化する。そのため近年では、シンボルレートを上げることなく、1シンボル当たりの信号多重度を上げることによって、システムの大容量化を実現する研究が盛んに行われている。
信号多重度を上げる方式として、例えば、1シンボルに2値(多重度2)を割り当てることによって伝送容量を2倍にするQPSK(quadrature phase shift keying)方式や、1シンボルに4値(多重度4)を割り当てることによって伝送容量を4倍にする16QAM(quadrature amplitude modulation)方式、16APSK(Amplitude phase shift keying)方式等の多値変調方式が知られている。
これらの多値変調を実装する場合には、通常、光変調器としてI/Q変調器が用いられる。I/Q変調器は直交変調器とも呼ばれ、お互いに直交する2つのチャネル(Iチャンネル、Qチャンネル)の光電界成分に独立して情報を付与できる変調器である。具体的な実現方法としては、例えばマッハツェンダ(MZ:Mach-Zehnder)変調器を並列に接続した特殊な構成をとる。
MZ変調器の代表的なものとして、LiNbO(LN)の誘電体を用いたLN変調器が広く用いられている。LN変調器では、直流または光周波数に比べて十分低い周波数の電界をLNへ印加することによって媒質の屈折率が変化する、電気光学効果を用いて動作する。しかしながら、材料の物理定数からLN変調器では必要な素子長が比較的長いものとなる。このため、LN変調器を含む光送信器モジュールが大きくなってしまう問題があった。
そこで最近では、光送信器モジュールをより小型化するために、半導体を用いたMZ変調器の開発も盛んに行われている。例として、半導体MZ変調器に高速動作が可能な進行波電極を採用したものが提案されている。以下、図5を用いながら、半導体MZ変調器の基本構成と動作の概要を説明する。
図5は、従来技術の半導体マッハツェンダ光変調器の構成例を示す図である(非特許文献1を参照)。図5の(a)は、基板上に構成された半導体マッハツェンダ(MZ)光変調器150の上面図を示し、図5の(b)は、(a)におけるVb−Vb´の部分を基板面に垂直に切った断面図を示す。図5の(a)に示すように、半導体MZ光変調器150は、入力導波路101および出力導波路102、入力導波路101を導波してくる光波を2つの導波路104、105に分波する光分波器103、および、2つの導波路104、105を導波してくる光波を出力導波路102へと合波する光合波器106から構成される。入力導波路101から光合波器106までは、MZ光変調器を構成する。2つの導波路104、105に電圧を印加することによって、半導体コア層において電気光学効果による屈折率変化が発生し、その結果、2つの導波路104、105を伝搬する光の位相が変化する。このとき2つの導波路104、105の間で、印加電圧に差をつけることによって、光合波器106における光の干渉状態が変わり、変調することができる。すなわち、出力導波路102からの出力光がONになったりOFFになったりする。
一方の導波路104上にはバイアス電圧を印加するための電極107、他方の導波路105上にはバイアス電圧を印加するための電極108が備えられ、2本の導波路104、105の各々の初期の光の位相状態を調整用に用いられる。電気信号である変調信号は、2本のコプレーナストリップ線路109、110によって、2本の導波路104、105の近くまで供給される。高周波信号源117からのマイクロ波電気信号を、互いに逆相でコプレーナストリップ線路109、110に与えられ、線路上を伝搬する。
図5の(b)を使って、さらに半導体マッハツェンダ光変調器の構成および動作を説明する。図5の(b)は、(a)のVb−Vb´を含む基板面に垂直な面で切った、子電極111、114を含む変調器の断面図を示す。図5の(b)において、導電性基板120の上に、下部クラッド121a、121b、コア層122a、122b、上部クラッド層123a、123bが順次形成されている。コプレーナストリップ線路109、110の下には、例えばBCB(ベンゾシクロブテン)の層が形成されている。
図5の(b)に示した電極110から電極109に向かって正の電圧が印加された場合、コア層122aには上側から下側に向かって正の電圧が印加される。さらに印加電圧は、下部クラッド層121a、導電性基板120および下部クラッド層121bを介してコア層122bに、今度は下側から上側に向かって正の電圧が印加されることになる。言いかえれば、コア層122bには上側から下側に向かって負の電圧が掛っていることになる。したがって、コア層122bには、コア層122aとは逆向きの電圧が自動的に印加されることになる。
したがって、コプレーナストリップ線路109が正の電圧のときは、コプレーナストリップ線路110が負の電圧に駆動され、コプレーナストリップ線路109が負の電圧のときは、コプレーナストリップ線路110が正の電圧に駆動される。このような電気信号の駆動形式は、プッシュプル動作と呼ばれている。
コプレーナストリップ線路109、110を伝搬するマイクロ波電気信号は、さらに複数の子電極111〜113、114〜116によって、2本の光導波路104、105にそれぞれ印加される。子電極111〜113、114〜116は、2本の光導波路104、105にお互いに逆相の電圧を印加するよう動作する。子電極111〜113、114〜116は、コプレーナストリップ線路109、110を含めて、全体として進行波型電極を形成する。すなわち2本の導波路104、105を導波する光波の速度と、子電極111〜113を伝搬するマイクロ波電気信号の速度とをできるだけ一致させ、両者の位相整合をとることによって、変調帯域を拡げることができる電極構造である。
なお、マイクロ波電気信号のロスがなく、光波およびマイクロ波電気信号の間で速度整合条件が完全に満足されれば、変調帯域は無限大になる。実際には、位相ずれが起こるため、これによって変調帯域が制限される。上述のように、図5の(a)のMZ光変調器150は、2本の光導波路104、105にはお互いに逆相の電圧が印加される、いわゆるプッシュプル型の構成である。このため、2本の光導波路104、105の一方にのみ電圧を印加する構造に比べて、印加電圧は半分で良い。またコプレーナストリップ線路109、110の特性インピーダンスは50Ωに設計される。特性インピーダンスが50Ωからずれると、高周波信号源117との接続点において電気的な反射が起こり、マイクロ波電気信号を効率的にコプレーナストリップ線路109、110に印加できなくなる。
既に説明をしたように、図5の(b)は、(a)のVb−Vb´線を含む基板面に垂直な面で切った、子電極111、114を含む変調器の断面図を示している。マイクロ波電気信号は、コプレーナストリップ線路109、110を伝搬して、さらに子電極111、114を介して、各々のコア層122a、122bに電圧印加される。上述のように、プッシュプル形式で変調信号が各々の光導波路のコアに印加されて、光変調器として作用する。
図5の(b)の導波路構造からわかるように、子電極111、114の下には、上部クラッド123a、123b、コア層122a、122b、下部クラッド層121a、121bが存在するため、一定の素子静電容量が存在する。すなわち、図1の(a)において、子電極111〜113、114〜116は、それぞれ、コプレーナストリップ線路を形成する109、110に対して静電容量を付加することになる。したがって、子電極の数、子電極の配置間隔、および導波路との接触長などの子電極構成パラメータを最適に設計することによって、コプレーナストリップ線路へ付加される静電容量を自由に設計することができるようになる。より具体的には、以下のように設計が可能である。
高速なマッハツェンダ変調器の実現には、例えば、図1のようにコプレーナストリップ線路および子電極で構成される進行波型電極構造が有用である。進行波型電極構造では、インピーダンス整合および光変調器における光と電気信号との間の速度整合が重要となる。電気信号に対する伝送線路モデルでは、特性インピーダンスZおよび伝播定数γは次式によって表される。
Figure 2015212769
Figure 2015212769
ここで、R、 G、 L、Cはそれぞれ単位長さ当たりの抵抗、コンダクタンス、インダクタンス、キャパシタンスを表しており、ωL≫R, ωC≫Gの場合、特性インピーダンスZおよび伝播定数γはさらに次式で表される。
Figure 2015212769
Figure 2015212769
この時、電気信号の速度vは、次式によって表される。
Figure 2015212769
式(6)は、光変調器の高周波配線部におけるインダクタンス成分Lや容量成分Cを制御することによって、特性インピーダンスZおよび電気信号の速度vを調整することができることを定性的に示している。
具体的なインピーダンス整合条件としては、進行波型電極構造のインピーダンスZが外部電気回路のインピーダンスである50Ωに近い値になることが望ましい。具体的なインピーダンス整合条件としては、外部電気回路の特定インピーダンスである50Ωから±10Ω程度の範囲の誤差であれば許容できる。進行波型電極構造のインピーダンスZが50Ωからずれると、電気信号の反射が起こり、進行波型電極へ効率的に電圧を印加できなくなる。
また、光と電気信号との間の速度差による制限を受ける場合の、変調信号の周波数帯域Δfは、光速をc、光導波路を伝搬する光の群速度をv、電極長をlとして、次のように表される。
Figure 2015212769
式(7)から、光の群速度vと電気信号の速度vとが一致した時に最大の周波数帯域を得ることができることがわかる。光の群屈折率noptは、3.4〜3.7程度であり、所望の周波数帯域および電極長により、許容される電気の屈折率の範囲は決定される。例えば、帯域を40GHzで電極長3mmとすると、許容される光の群屈折率と電気の屈折率との間の差は、±1.1程度の範囲内となる。尚、先の式(6)より定性的に半導体光導波層の容量を大きくすると、電気信号の速度は遅くなる、すなわち、電気の屈折率は大きくなる。
上述のように、進行波型電極へ最適な容量成分Cの付加量を設計することで、光波とマイクロ波電気信号の速度整合を向上させることができる。外部電気回路の特定インピーダンス(例えば50Ω)へのインピーダンス整合も良好となり、その結果、高速で広帯域な光変調が可能になっている。
特開2009−251377号 明細書
L. Morl et al., "A travelling wave electrode Mach-Zehnder 40 Gb/s demultiplexer based on strain compensated GaInAs/AlInAs tunnelling barrier MQW structure," 1998 International Conference on Indium Phosphide and Related Materials, pp. 403-406, 1998)
しかしながら図5に示した従来技術のMZ変調器における進行波電極の構成は、変調信号に対してプッシュプル動作を行うために、コプレーナストリップ線路での電気信号の差動伝送が必要である。したがって、一対の電極として、コプレーナストリップ線路109、110を変調器の構成面上に引き回す必要がある。またこれにともなって、入力電気信号の位相調整用の回路等の駆動回路の構成および回路面上での配線が複雑になる。具体的には、図5においてコプレーナストリップ線路109、110上のb−b´線の位置で、高周波信号が同じタイミングで到達するように等長化するための処理が大変になる問題が生じていた。ここで、変調信号である高周波電気信号をより簡単な方法で印加する構成が提案されている。
図6は、従来技術のより簡単な駆動系でプッシュプル動作を可能にするMZ変調器の構成を示す図である。図5示した構成のMZ変調器と比べて、入力電気信号の位相調整回路等を省いた構成となっている(特許文献1を参照)。半導体MZ光変調装置200は、InPから成り、(100)面方位を有する半導体基板201上に構成されている。半導体基板201上に、入力光を導波する入力導波路210と、入力光を第1の光線および第2の光線とに分波する分波器221と、第1の光線が導波する第1の導波路222aと、第2の光線が導波する第2の導波路222bとを備える。さらに半導体マッハツェンダ光変調装置200では、半導体基板201上に、第1の光線の位相を変調する第1の光位相変調器220aと、第2の光線の位相を変調する第2の光位相変調器220bと、第1の光線および第2の光線を合波する合波器223と、合波した光を出力光として導波する出力導波路211とを備える。
一方の光位相変調器220aは、[011]方向と平行になるように形成されている。他方の光位相変調器220bは、[01−1]方向と平行になるように形成されている。ここで、[01−1]方向は、結晶中の各結晶軸K,L,Mを用いたときに、K=0、L=1、M=−1に対応する方向であることを示す。一般に、負の成分を持つ方向は数字の上にバーを付けて表記するが、以下の説明では簡単のため、−(マイナス)を付けて表記する。
光位相変調器220aおよび光位相変調器220bは、図6に示したように、互いに直交する方向に形成されている。分波器221および合波器223としては、それぞれマルチモード干渉型結合器(MMIカプラ)が用いられる。変調電極206aは、光位相変調器220aに変調電圧を印加するための変調電極であり、変調電極206bは、光位相変調器220bに変調電圧を印加するための変調電極である。接地電極207は接地されている。
[011]方向と[01−1]方向とでは、結晶方位が異なるために、半導体としての特性が異なる。例えば、導波路を作成する際のエッチングを考えると、導波路が[011]方向に形成されている場合、逆メサのストライプが形成される。この場合、図6において破線で示した位置224aのメサの断面形状は、上部が下部よりも広い逆台形になる。一方で導波路が[01−1]方向に形成されている場合、順メサのストライプが形成される。この場合、図6において破線で示した位置224bのメサの断面形状は、上部が下部よりも狭い台形になる。
図7は、光導波路への印加電圧とポッケルス効果によって生じる屈折率変化との関係を示す図である。図7の(a)は順メサの場合の屈折率変化を、(b)は逆メサの場合の屈折率変化を示す。図7の(b)に示すように、逆メサ構造の光位相変調器220aに変調電極206aから電圧が印加された場合、負の屈折率変化が生じる。一方、図7の(a)に示すように、順メサ構造の光位相変調器220bに変調電極206bから電圧が印加された場合には、正の屈折率変化が生じる。
上述の図7の(a)および(b)の屈折率変化の特性から、図6に示した変調電極205a、206bに対し、同一信号源からの信号を介して同じ電圧が印加された場合、半導体マッハツェンダ光変調装置200では、2つの光導波路間で逆の屈折率変化が誘起される。すなわち 、分波器221によって分波された2つの分岐光は、第1の光位相変調器 220aおよび第2の光位相変調器220bによって、それぞれ逆相で位相変調されることになる。つまり、図6に示した光変調装置200では、第1の導波路222aで構成される光位相変調器220aと、第2の導波路222bで構成される光位相変調器220bとに対して、同じ電気信号が与えられることによって 、自ずとプッシュプル動作が実現される。
図8は、図6のMZ変調器を変形して、第1の光位相変調器および第2の光位相変調器を接続電極で接続した構成を示す図である。図8のMZ変調装置300は、InPからなり(100)面方位を有する半導体基板の上に形成されている。このMZ変調装置300では、半導体基板上に、入力光を導波する入力導波路301と、入力光を第1の光信号および第2の光信号とに分波する分波器302と、第1の光信号を伝播する第1の導波路303aと、第2の光信号を伝播する第2の導波路303bとが形成される。さらに半導体基板上には、第1の光信号の位相を変調する第1の光位相変調器304aと、第2の光信号の位相を変調する第2の光位相変調器304bと、第1の光信号と第2の光信号とを合波する合波器305と、合波した光信号を出力光として伝播する出力導波路306とが形成されている。
図8において、一方の光位相変調器304aは、[011]方向と平行になるようにその光導波路303aが形成され、他方の光位相変調器304bは、[01−1]方向と平行になるようにその光導波路303bが形成される。したがって、MZ変調装置300では、光位相変調器304aおよび光位相変調器304bは、互いに直交する方向に形成されている。既に述べたように、[011]方向および[01−1]方向の間では、結晶方位が異なるのでその半導体の特性は異なる。このMZ変調装置300では、例えば、導波路303aを作製する際のエッチングによって、[011]方向には逆メサのストライプが形成される。一方で、303bを作製する際のエッチングにより、[01−1]方向には順メサのストライプが形成される。分波器302および合波器305としては、例えばマルチモード干渉型結合器(MMIカプラ)が用いられる。
変調電極309aは、光位相変調器304aに対して変調電圧を印加するとともに、変調電極309bは、光位相変調器304bに対して変調電圧を印加する。変調電極309aの一端は電極端子308aと接続され、変調電極309bの一端は電極端子308bと接続される。図8に示した光位相変調器304a、304bの領域は、幅=2.0μm、高さ=3.5μm、長さ=1.5mmを有するハイメサ導波路構造により形成される。上述のハイメサ構造の幅は、コアの中央付近の高さにおけるコア幅に対応する。したがって、メサ構造の上面および底面におけるコア幅は、メサ構造の向き(順メサまたは逆メサ)に応じて異なっている。
図8のMZ変調装置300では、2つの変調電極309a、309bは、接続用電極307bによって相互に接続されており、さらに接続用電極307a、307cによって一方の電極端子308aから他方の電極端子308bまでが電気的に1つに接続される。ここで、不図示の変調信号発生器によって一方の電極端子308aに電気変調信号が印加されると、その電気変調信号は、光位相変調器304aおよび光位相変調器304bの両方に印加されることになる。つまり、2つの変調電極309a、309bには、同一の電圧が印加される。このとき、光位相変調器304aでは負の屈折率変化(逆方向)が誘起され、光位相変調器304bでは正の屈折率変化が誘起される。したがって、分波器302によって分波された各分岐光は、光位相変調器304aおよび光位相変調器304bによって、お互いに逆相の関係でそれぞれ位相変調される。これにより、MZ変調装置300においては、1つの変調信号によってプッシュプル動作が実現される。
図8に示したMZ変調装置の構造は、コプレーナストリップ線路を用いた高周波変調信号の差動伝送が不要になり、一対となる電極を引き回して構成する必要が無い。したがって、図5に示した変調器と比べると、入力信号の位相調整回路等の駆動回路がより簡単となり、等長化のための構成をより簡単なものとして、変調信号である高周波電気信号をより簡単な方法で印加することができる。
しかしながら、図8のMZ変調装置における変調電極の構造では、電極に静電容量を付加することができず、このために光波とマイクロ波電気信号との間で速度を整合させることができなかった。この結果、変調電極は、例えば特性インピーダンスである50Ωに対して十分にインピーダンス整合が取れない結果、高速で広帯域な変調を実現するための妨げとなっていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、インピーダンス整合、および、マイクロ波電気信号と光波との間の位相整合条件を満たし、かつ簡単な構成でプッシュプル動作を実現する高速広帯域な半導体光変調器を提供することにある。
上述の課題を解決するために、請求項1の発明は、所定の面方位を有する半導体基板上に、第1の導電性半導体クラッド層と、ノンドープ半導体コア層と、第2の導電性半導体クラッド層とが順次積層して形成された導波路構造を備えた2つの光導波路によってマッハツェンダ干渉計が形成され、単一の変調電気信号を用いて、第1の光導波路および第2の光導波路の各々のコア層に屈折率の変化を生じさせることによって、前記各コア層を伝搬する光信号の位相を変調するマッハツェンダ型光変調器において、前記基板の第1の面方位方向に形成され、前記第1の導波路を伝搬する光信号を変調する第1の変調電極と、前記第1の面方位方向とは異なる第2の面方位方向に形成され、前記第2の導波路を伝搬する光信号を変調する第2の変調電極と、前記第1の変調電極および前記第2の変調電極を接続する電極と、前記第1の変調電極から分岐し、前記第1の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第1の分岐電極と、前記第2の変調電極から分岐し、前記第2の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第2の分岐電極とを備えたことを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器である。
請求項2の発明は、請求項1の半導体マッハツェンダ光変調器であって、前記第1の分岐電極は、前記第1の変調電極に沿って離間して配置された複数の分岐電極から構成され、前記第2の分岐電極は、前記第2の変調電極に沿って離間して配置された複数の分岐電極から構成されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の半導体マッハツェンダ光変調器であって、前記第1の分岐電極は、前記第1の変調電極の両側に、前記第1の変調電極に沿って離間して配置された複数の分岐電極から構成され、前記第2の分岐電極は、前記第2の変調電極の両側に、前記第2の変調電極に沿って離間して配置された複数の分岐電極から構成される特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの半導体マッハツェンダ光変調器であって、記変調電極の各々から概ね垂直に分岐する分岐部分と、前記分岐部分から前記変調電極に概ね平行に沿って伸び、その下に、前記第1の導電性半導体クラッド層、前記ノンドープ半導体コア層および前記第2の導電性半導体クラッド層が順次積層して形成された導波路構造を有し、前記第1の導波路および前記第2の導波路と光学的に結合しない静電容量付加部分とを有することを特徴とする。
ここで、第1の分岐電極および第2の分岐電極は、各実施形態における子電極に対応する。また、分岐部分は、子電極の実施形態における変調電極から垂直に分岐する部分に対応する。また、静電容量付加部分は、実施形態における変調電極に沿って概ね平行に形成された子電極の部分に対応する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの半導体マッハツェンダ光変調器であって、前記第1の導電性半導体クラッド層および前記第2の導電性半導体クラッド層は、一方がn型半導体であって、他方がp型半導体であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至4いずれかの半導体マッハツェンダ光変調器であって、前記第1の導電性半導体クラッド層および前記第2の導電性半導体クラッド層の両方がn型半導体であって、前記ノンドープ半導体コア層と前記第1の導電性半導体クラッド層との間、または、前記ノンドープ半導体コア層と前記第2の導電性半導体クラッド層との間の少なくともいずれかに、p型の第3の導電性半導体クラッド層が挿入されていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの半導体マッハツェンダ光変調器であって、前記半導体基板は、(100)の面方位を有し、前記第1の面方位方向は、前記半導体基板の[011]方向であり、前記第2の面方位方向は、前記半導体基板の[01−1]方向であることを特徴とする。
請求項8の発明は、(100)の面方位を有する半導体基板上に、第1の導電性半導体クラッド層と、ノンドープ半導体コア層と、第2の導電性半導体クラッド層とが順次積層して形成された導波路構造を備えた2つの光導波路によってマッハツェンダ干渉計が形成され、単一の変調電気信号を用いて、第1の光導波路および第2の光導波路の各々のコア層に屈折率の変化を生じさせることによって、前記各コア層を伝搬する光信号の位相を変調するマッハツェンダ型光変調器において、前記半導体基板の[011]方向に形成され、前記第1の導波路を伝搬する光信号を変調する第1の変調電極と、前記半導体基板の[01−1]方向に形成され、前記第2の導波路を伝搬する光信号を変調する第2の変調電極と、前記第1の変調電極および前記第2の変調電極を接続する電極と、前記第1の変調電極から分岐し、前記第1の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第1の分岐電極と、前記第2の変調電極から分岐し、前記第2の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第2の分岐電極とを備え、前記第1の分岐電極および前記第2の分岐電極は、それぞれ、前記変調電極の各々から垂直に分岐する分岐部分と、前記分岐部分から前記変調電極に概ね平行に沿って伸び、その下に、前記第1の導電性半導体クラッド層、前記ノンドープ半導体コア層および前記第2の導電性半導体クラッド層が順次積層して形成された導波路構造を有し、前記第1の導波路および前記第2の導波路と光学的に結合しない静電容量付加部分とを有することを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器である。
本発明による光変調器によって、インピーダンス整合、および、マイクロ波電気信号と光波との間の位相整合条件を満たし、かつ簡単な構成でプッシュプル動作を実現する、高速で広い変調帯域を持った半導体光変調器を提供することができる。
図1は、本発明の半導体マッハツェンダ光変調器の第1の実施形態の構成を示す図である。 図2は、本発明のMZ光変調器の電極部分を斜め上からみた構成図である。 図3は、本発明のMZ光変調器の電極部分の各部の断面を示す図である。 図4は、本発明の半導体MZ光変調器の第2の実施形態の構成を示す図である。 図5は、従来技術の半導体MZ光変調器の構成例を示す図である。 図6は、従来技術のより簡単な駆動系でプッシュプル動作を可能にするMZ変調器の構成を示す図である。 図7は、光導波路への印加電圧とポッケルス効果によって生じる屈折率変化との関係を示す図である。 図8は、図6のMZ変調器を変形し、2つの光位相変調器を接続電極で接続した構成を示す図である。
本発明の半導体マッハツェンダ(MZ)光変調器は、半導体基板上の特定の面方位方向に構成された2つの導波路上の変調電極に加えて、2つの変調電極から分岐して構成された静電容量を付加する子電極(分岐電極)を備えている。この子電極は、静電容量付加部として半導体MZ光変調器の上記2つの光導波路とは光学的に結合していない導波路状の構成を持つことができる。子電極は、これに限定されないが、例えばT字状またはL字状の形状のものとすることが可能であって、2つの変調電極の片側にまたは両側に、離間して複数個を備えることができる。2つの変調電極および子電極には、単一の変調電気信号が印可される。2本以上の光導波路を持った光変調器においても、上述の子電極を適用することができる。
子電極の数、配置する間隔、分岐する部分の長さ、導波路への接触長などを最適に設計することで、静電容量の付加量を自由に設計することができる。光波とマイクロ波電気信号との間の位相整合を向上させることができるとともに、特性インピーダンスの50Ωに対して良好なインピーダンス整合も実現可能となる。その結果、簡単な駆動回路の構成のままで、高速で広帯域な変調が可能になる。以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の半導体マッハツェンダ(MZ)光変調器の第1の実施形態の構成を説明する図である。半導体MZ変調器100−1は、図8に示した2つの変調電極を接続した構成の変調器300と比べて、子電極10〜12、13〜15を持つことを除いて基本的に同じ構造である。したがって、以下の説明では、入力導波路1から出力導波路6までの変調器の基本構成の説明は省く。本発明の半導体MZ光変調器は、図8に示した変調器と同様に、光導波路3a、3bに高周波変調信号を印加するために、2つのコプレーナストリップ線路を経由した差動伝送が不要になり、一対となる電極を引き回して構成する必要が無い。したがって、図5に示した従来技術の変調器と比べれば、入力信号の位相調整回路等の駆動回路がより簡単となり、等長化のための構成をより簡単なものとして、変調信号である高周波電気信号をより簡単な方法で印加することができる。
本発明の半導体MZ光変調器では、さらに、変調電極9a、9bから分岐し、分岐後に再び変調電極9a、9bに沿うように構成された子電極10〜12、13〜15を設ける。子電極10〜12、13〜15は、変調電極9a、9bに対して静電容量を付加するよう動作する。子電極の数、配置する間隔、分岐する部分の長さ、導波路への接触長などを最適に設計することで、静電容量の付加量を自由に設計することができる。光波とマイクロ波電気信号との間の位相整合を向上させることができるとともに、特性インピーダンスの50Ωに対して良好なインピーダンス整合も実現可能となる。その結果、簡単な駆動回路の構成のままで、高速で広帯域な変調が可能になる。
図1では子電極は、図面の上では、変調電極9a、9bのそれぞれに対して3個ずつ形成した例を示したが、その数は3個に限定されない。1個でも、2個でも、または3個より多くても構わない。また2つの変調電極9aと変調電極9bとの間で、子電極の数が違っても良い。
図2は、本発明のMZ光変調器における電極部分を斜め上からみた構成を示す図である。図2で、変調電極9aは、図面の手前の断面で示されたメサ構造の光導波路の上部に形成されている。子電極10は、変調電極9aからその長さ方向に垂直に分岐して変調電極9aから離れた後(分岐部分10b)、再び変調電極に平行に沿うように伸びている(静電容量付加部分10a)。変調電極および子電極(分岐電極)の構造をさらにその断面について説明する。
図3は、本発明のMZ光変調器における電極部分の各部の断面を示す図である。図3の(a)は図2のa−a´の断面を、(b)は図2のb−b´の断面を、(c)は図2のc−c´の断面をそれぞれ示す。図3の(a)を参照すると、a−a´の断面では、変調電極9aのみが存在している状態が示されている。ただし、子電極は変調電極9aの右側に、図面の奥にあるものとして描かれていることに注意されたい。図2に示した変調器100は、下部クラッド層29、コア層23、上部クラッド層26が順次形成され、メサ構造を持っている。メサの両側は絶縁層208で埋め込まれ、メサ構造に沿って絶縁層208の上には変調電極9aが形成されている。光波は、9aの下のコア層203を伝搬する。上部クラッド層は、例えばp−InPによって作製され、コア層はノンドープの多重量子井戸(i−MQW)によって、下部クラッド層はn−InPによって作製することができる。これらの材料は、InP系だけでなくGaAs系も適用可能である。
次に図3の(b)を参照すると、変調電極9aから子電極が分岐する部分にあるコア層23に加え、子電極10aの直下にもコア層25およびその上部クラッド層27が形成されている。さらに(c)を参照すれば、子電極は、変調電極9aから子電極が分岐する分岐部分10bと、変調電極9aから離れるまで伸びた後で、変調電極9aに沿って概ね平行に子電極をさらに形成させる領域10a(静電容量付加部分)を持っている。子電極10aの直下には、変調電極9aの下にあるメサ構造と同様の導波路構造が形成されている。
図3の(c)に示したように、子電極10の下にも下部クラッド層29、コア層25、上部クラッド層27が形成されている。子電極の下に、メサ構造の光導波路と同様の構成を持つことによって、子電極10a(静電容量付加部分)は一定の素子容量を持つことができる。通常、下部クラッド29は導電性を持っているので、変調電極9aと下部クラッド29の間には、導電性の無いコア層23および上部クラッド26を介して第1の容量素子が構成される。同様に、子電極10aと下部クラッド29の間には、導電性の無いコア層25および上部クラッド27を介して第2の容量素子が構成される。下部クラッド層29は、通常接地されることになるので、等価的には、変調電極9a下のコア層23で構成されるコンデンサと、子電極(静電容量付加部分)10a下のコア層25で構成されるコンデンサとが直列接続された静電容量が、変調電極9aに並列に付加されることになる。なお、子電極10aの下のコア層25には光波が導波することはない。子電極10aの下のコア層25は、2つの導波路3a、3bから光学的に結合しない位置において静電容量を付加するように機能する。
子電極10a、10bによって、変調電極9aに静電容量を付加する導波路構造は、本発明のMZ光変調器において光導波路の機能を果たす必要はない。このため、子電極の幅、変調電極との距離、長さ等の構成寸法を、光導波路としての機能を一切考慮せずに自由に設計できることになる。さらに、光導波路と相互作用をする主線路(変調電極)は全域にわたって光導波路上にあるため、子電極によって付加する静電容量の大きさに影響を受けて、変調効率が劣化することもない。
したがって本発明の半導体マッハツェンダ光変調器は、所定の面方位を有する半導体基板上に、第1の導電性半導体クラッド層と、ノンドープ半導体コア層と、第2の導電性半導体クラッド層とが順次積層して形成された導波路構造を備えた2つの光導波路によってマッハツェンダ干渉計が形成され、単一の変調電気信号を用いて、第1の光導波路および第2の光導波路の各々のコア層に屈折率の変化を生じさせることによって、前記各コア層を伝搬する光信号の位相を変調するマッハツェンダ型光変調器において、前記基板の第1の面方位方向に形成され、前記第1の導波路を伝搬する光信号を変調する第1の変調電極3aと、前記第1の面方位方向とは異なる第2の面方位方向に形成され、前記第2の導波路を伝搬する光信号を変調する第2の変調電極3bと、前記第1の変調電極および前記第2の変調電極を接続する電極7bと、前記第1の変調電極から分岐し、前記第1の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第1の分岐電極(子電極10、11、12)と、前記第2の変調電極から分岐し、前記第2の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第2の分岐電極(子電極13、14、15)とを備えたものとして構成できる。
また、上述の第1の分岐電極および第2の分岐電極は、それぞれ、前記変調電極の各々から概ね垂直に分岐する分岐部分10bと、前記分岐部分から前記変調電極に概ね平行に沿って伸び、その下に、前記第1の導電性半導体クラッド層、前記ノンドープ半導体コア層および前記第2の導電性半導体クラッド層が順次積層して形成された導波路構造を有し、前記第1の導波路および前記第2の導波路と光学的に結合しない静電容量付加部分10aとを有するように構成できる。
子電極の形状は、図1および図2で示したようにT字型形状のものとすることができるが、この形状だけに限定されない。変調電極に平行な部分が片方だけのL字型構成でも良い。子電極の各部の幅も一様である必要はない。また、変調電極に平行でない構成も取り得る。さらには、子電極に容量を与える部分の構成は、図3の(b)および(c)に示した上部クラッド27およびコア層25のように、必ずしも変調電極9aの下の光導波路と同一の構造でなくても良い。光変調器の作製工程に適合する限り、下部クラッド層29と子電極との間で静電容量を生じ得る材料および構造であれば、メサ構造の光導波路の構成に限られない。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の半導体マッハツェンダ光変調器の第2の実施形態の構成を示す図である。図4に示した半導体MZ変調器100−2は、基本的に図1の半導体MZ変調器100−1と同じ構成であるが、変調電極の両側に子電極を持つ点で相違している。本実施形態のように変調電極の両側に子電極を持つことより、従来技術よりも入力信号の位相調整回路等の駆動回路および等長化のための構成をより簡単なものとして、同時にインピーダンス整合、および、マイクロ波電気信号と光波との間の位相整合条件を満足することができる。マッハツェンダ変調器の外側に子電極16〜18、19〜21を設けることで、子電極の幅や長さ等の自由度が増え、より変調器の本体を含めてより自由に構成を設計できるようになる。
なお図4に示した構成においては、変調電極の両側にある子電極の数や形状は同一のものを規則的に並べて配置したものとして描いてあるが、変調電極の両側の間で分岐する位置がずれていたり、数が異なっていたりしも構わないし、形状が異なっても構わない。また、個々の子電極の形状が異なるものであっても良い。
また、上述の実施形態では、導波路の各層を様々な半導体材料によって構成できる。例えば、下部クラッド層29、コア層23、上部クラッド層26が順次形成された導波路では、第1の導電性半導体クラッド層(下部クラッド層)および第2の導電性半導体クラッド層(上部クラッド層)は、一方がn型半導体であって、他方がp型半導体であり得る。また、第1の導電性半導体クラッド層および第2の導電性半導体クラッド層の両方がn型半導体であって、ノンドープ半導体コア層と第1の導電性半導体クラッド層との間、または、ノンドープ半導体コア層と第2の導電性半導体クラッド層との間の少なくともいずれかに、p型の第3の導電性半導体クラッド層が挿入されても良い。
以上詳細に述べたように、本発明による光変調器は、インピーダンス整合、および、マイクロ波電気信号と光波との間の位相整合条件を満たし、かつ簡単な構成でプッシュプル動作を実現する半導体光変調器を提供することができる。
本発明は、一般的に通信システムに利用することができる。特に、光通信システムの送光信装置などに利用できる。
1、101、210、301 入力導波路
2、103、221、302 分波器
3a、3b、104、105、222a、222b、303a、303b 光導波路
4a、4b、304a、304b 光変調器
5、305、106、223 光合波器
6、102、211、306 出力導波路
7a、7b、7c、307a、307b、377c 接続用電極
8a、8b、308a、308b 電極端子
9a、9b、220a、220b309a、309b 変調電極
10〜21、10a、10b、111〜116 子電極
23、25、122a、122b コア層
26、27、123a、123b 上部クラッド
29、121a、121b 下部クラッド
100−1、100−2、150、200、300 MZ光変調器
109、110 コプレーナストリップライン
117 高周波信号源
118 終端抵抗

Claims (8)

  1. 所定の面方位を有する半導体基板上に、
    第1の導電性半導体クラッド層と、ノンドープ半導体コア層と、第2の導電性半導体クラッド層とが順次積層して形成された導波路構造を備えた2つの光導波路によってマッハツェンダ干渉計が形成され、
    単一の変調電気信号を用いて、第1の光導波路および第2の光導波路の各々のコア層に屈折率の変化を生じさせることによって、前記各コア層を伝搬する光信号の位相を変調するマッハツェンダ型光変調器において、
    前記基板の第1の面方位方向に形成され、前記第1の導波路を伝搬する光信号を変調する第1の変調電極と、
    前記第1の面方位方向とは異なる第2の面方位方向に形成され、前記第2の導波路を伝搬する光信号を変調する第2の変調電極と、
    前記第1の変調電極および前記第2の変調電極を接続する電極と、
    前記第1の変調電極から分岐し、前記第1の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第1の分岐電極と、
    前記第2の変調電極から分岐し、前記第2の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第2の分岐電極と
    を備えたことを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
  2. 前記第1の分岐電極は、前記第1の変調電極に沿って離間して配置された複数の分岐電極から構成され、
    前記第2の分岐電極は、前記第2の変調電極に沿って離間して配置された複数の分岐電極から構成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  3. 前記第1の分岐電極は、前記第1の変調電極の両側に、前記第1の変調電極に沿って離間して配置された複数の分岐電極から構成され、
    前記第2の分岐電極は、前記第2の変調電極の両側に、前記第2の変調電極に沿って離間して配置された複数の分岐電極から構成される特徴とする請求項1に記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  4. 前記第1の分岐電極および前記第2の分岐電極は、それぞれ、
    前記変調電極の各々から概ね垂直に分岐する分岐部分と、
    前記分岐部分から前記変調電極に概ね平行に沿って伸び、その下に、前記第1の導電性半導体クラッド層、前記ノンドープ半導体コア層および前記第2の導電性半導体クラッド層が順次積層して形成された導波路構造を有し、前記第1の導波路および前記第2の導波路と光学的に結合しない静電容量付加部分と
    を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  5. 前記第1の導電性半導体クラッド層および前記第2の導電性半導体クラッド層は、一方がn型半導体であって、他方がp型半導体であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  6. 前記第1の導電性半導体クラッド層および前記第2の導電性半導体クラッド層の両方がn型半導体であって、
    前記ノンドープ半導体コア層と前記第1の導電性半導体クラッド層との間、または、前記ノンドープ半導体コア層と前記第2の導電性半導体クラッド層との間の少なくともいずれかに、p型の第3の導電性半導体クラッド層が挿入されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  7. 前記半導体基板は、(100)の面方位を有し、
    前記第1の面方位方向は、前記半導体基板の[011]方向であり、
    前記第2の面方位方向は、前記半導体基板の[01−1]方向であること
    を特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の半導体マッハツェンダ光変調器。
  8. (100)の面方位を有する半導体基板上に、
    第1の導電性半導体クラッド層と、ノンドープ半導体コア層と、第2の導電性半導体クラッド層とが順次積層して形成された導波路構造を備えた2つの光導波路によってマッハツェンダ干渉計が形成され、
    単一の変調電気信号を用いて、第1の光導波路および第2の光導波路の各々のコア層に屈折率の変化を生じさせることによって、前記各コア層を伝搬する光信号の位相を変調するマッハツェンダ型光変調器において、
    前記半導体基板の[011]方向に形成され、前記第1の導波路を伝搬する光信号を変調する第1の変調電極と、
    前記半導体基板の[01−1]方向に形成され、前記第2の導波路を伝搬する光信号を変調する第2の変調電極と、
    前記第1の変調電極および前記第2の変調電極を接続する電極と、
    前記第1の変調電極から分岐し、前記第1の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第1の分岐電極と、
    前記第2の変調電極から分岐し、前記第2の導波路から光学的に結合しない位置において静電容量を付加する構造を持つ1つ以上の第2の分岐電極と
    を備え、
    前記第1の分岐電極および前記第2の分岐電極は、それぞれ、
    前記変調電極の各々から垂直に分岐する分岐部分と、
    前記分岐部分から前記変調電極に概ね平行に沿って伸び、その下に、前記第1の導電性半導体クラッド層、前記ノンドープ半導体コア層および前記第2の導電性半導体クラッド層が順次積層して形成された導波路構造を有し、前記第1の導波路および前記第2の導波路と光学的に結合しない静電容量付加部分とを有することを特徴とする半導体マッハツェンダ光変調器。
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