JP2015108663A - 光学部材貼合体の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる光学部材貼合体の製造装置を提供する。
【解決手段】光学表示部品の第一面に第一光学部材よりも大きい第一シート片を貼合し、且つ、光学表示部品の第二面に第二光学部材よりも大きい第二シート片を貼合する貼合手段と、光学表示部品の外形形状の検出データに基づいて、第一シート片の第一カット位置及び第二シート片の第二カット位置を決定するカット位置決定手段と、第一カット位置に基づいて第一シート片を切断することにより、第一シート片の第一光学部材に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離し、且つ、第二カット位置に基づいて第二シート片を切断することにより、第二シート片の第二光学部材に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離す切断手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部材貼合体の製造装置に関する。
従来、液晶ディスプレイ等の光学表示デバイスの生産システムにおいて、液晶パネル(光学表示部品)に貼合する偏光板等の光学部材は、長尺フィルムから液晶パネルの表示領域に合わせたサイズのシート片に切り出された後、液晶パネルに貼合されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−255132号公報
しかし、上記従来の構成では、液晶パネル及びシート片の各寸法バラツキ、並びに液晶パネルに対するシート片の貼合バラツキ(位置ズレ)を考慮して、表示領域よりも若干大きめのシート片を切り出している。そのため、表示領域の周辺部に余分な領域(額縁部)が形成され、機器の小型化が阻害されるという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる光学部材貼合体の製造装置を提供する。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)すなわち、本発明に係る光学部材貼合体の製造装置は、光学表示部品の第一面に第一光学部材を貼合し、前記光学表示部品の前記第一面と対向する第二面に第二光学部材を貼合して構成される光学部材貼合体の製造装置であって、前記光学表示部品の前記第一面に前記第一光学部材よりも大きい第一光学部材シートの第一シート片を貼合し、且つ、前記光学表示部品の前記第二面に前記第二光学部材よりも大きい第二光学部材シートの第二シート片を貼合する貼合手段と、前記光学表示部品の外形形状の検出データに基づいて、前記光学表示部品に貼合された前記第一シート片の第一カット位置及び前記光学表示部品に貼合された前記第二シート片の第二カット位置を決定するカット位置決定手段と、前記第一カット位置に基づいて前記第一シート片を切断することにより、前記光学表示部品の前記第一面に貼合された前記第一シート片の前記第一光学部材に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離し、且つ、前記第二カット位置に基づいて前記第二シート片を切断することにより、前記光学表示部品の前記第二面に貼合された前記第二シート片の前記第二光学部材に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離す切断手段と、を備えることを特徴とする。
尚、本明細書において「光学部材に対応する部分」とは、表示領域の大きさ以上、光学表示部品の外形状の大きさ以下の領域で、かつ電気部品取り付け部等の機能部分を避けた領域を示す。すなわち、光学部材は、光学表示部品の外周縁に沿って余剰部分と切り離されて形成されるものであってもよく、表示領域の周辺部である額縁部において余剰部分と切り離されて形成されるものであってもよい。
(2)上記(1)に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記カット位置決定手段が、前記光学表示部品に前記第一シート片及び前記第二シート片を貼り合わせる前に検出された前記光学表示部品の外形形状の検出データに基づいて、前記第一カット位置及び前記第二カット位置を決定してもよい。
(3)上記(1)又は(2)に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記カット位置決定手段が、前記光学表示部品に設けられる構造物のうち、前記光学表示部品の前記第一シート片もしくは前記第二シート片から露出する位置に設けられる構造物を位置決め基準として検出した前記光学表示部品の外形形状の前記検出データに基づいて、前記第一カット位置及び前記第二カット位置を決定してもよい。
(4)上記(1)に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記カット位置決定手段が、前記光学表示部品に前記第一シート片及び前記第二シート片を貼り合わせた後に検出された前記光学表示部品の外形形状の検出データに基づいて、前記第一カット位置及び前記第二カット位置を決定してもよい。
(5)上記(4)に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記カット位置決定手段が、前記第一シート片及び前記第二シート片が貼合された前記光学表示部品に対し、近赤外線を照射することにより、前記光学表示部品に設けられる構造物を位置決め基準として検出した前記光学表示部品の外形形状の前記検出データに基づいて、前記第一カット位置及び前記第二カット位置を決定してもよい。
(6)上記(1)から(5)までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記カット位置決定手段が、前記第一シート片において前記光学表示部品の前記第一面の外周縁と対向する位置を前記第一カット位置として決定し、前記第二シート片において前記光学表示部品の前記第二面の外周縁と対向する位置を前記第二カット位置として決定してもよい。
(7)上記(1)から(6)までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記光学表示部品を洗浄する洗浄装置と、前記光学表示部品を搬送する搬送機構と、を備え、少なくとも前記洗浄装置により前記光学表示部品の洗浄を終了してから前記貼合手段により前記光学表示部品に少なくとも前記第一シート片及び前記第二シート片を含む複数のシート片を貼り終わるまでの前記光学表示部品の前記搬送機構として、前記光学表示部品との接触部を変動させて前記光学表示部品を搬送する搬送機構が用いられていなくてもよい。
尚、本明細書において「光学表示部品との接触部」とは、光学表示部品を搬送する際、搬送機構と光学表示部品とが接触する部分を示す。
(8)上記(7)に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記搬送機構が、前記光学表示部品を保持するテーブルと、前記テーブルを移動可能なスライダ機構と、前記テーブルに保持された前記光学表示部品を吸着保持して搬送する吸着アームと、を備えていてもよい。
(9)上記(7)又は(8)に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記搬送機構が、前記光学表示部品を保持して搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアに保持された前記光学表示部品を吸着保持して搬送する吸着アームと、を備えていてもよい。
(10)上記(1)から(9)までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記光学表示部品に前記第一シート片及び前記第二シート片を貼り合わせる前に、前記光学表示部品の外形形状を検出する検出装置を備えていてもよい。
(11)上記(1)から(10)までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記光学表示部品に前記第一シート片及び前記第二シート片を貼り合わせる前に、前記光学表示部品の欠陥の検査を行う第一欠陥検査装置と、前記光学表示部品に前記第一光学部材及び前記第二光学部材を貼り合わせた後に、前記光学部材貼合体の欠陥の検査を行う第二欠陥検査装置と、を備えていてもよい。
(12)上記(11)に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記第二欠陥検査装置による検査データに対し、予め設定した基準に基づいて、良品を示す判定、良品又は不良品のいずれかが不明な場合を示す判定、不良品を示す判定のいずれかの判定を行う制御装置を備えていてもよい。
(13)上記(1)から(12)までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置では、前記光学表示部品の複数分の大きさを有する大型光学表示部品を分割して複数の前記光学表示部品を形成する光学表示部品製造装置を、前記大型光学表示部品、前記光学表示部品及び前記光学部材貼合体が搬送される一連の搬送ライン上に備えていてもよい。
本発明によれば、表示領域周辺の額縁部を縮小して表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる光学部材貼合体の製造装置を提供することができる。
第一実施形態に係るフィルム貼合システムを示す模式図である。 液晶パネルの平面図である。 図2のA−A断面図である。 光学部材シートの断面図である。 洗浄装置の平面図である。 検出装置の模式図である。 (a)、(b)撮像装置を用いて液晶パネルを撮像する様子を示す模式図である。 撮像装置で撮像した画像のうち角部の近傍を示す模式図である。 輪郭線上の複数点から求めた近似直線を示すグラフである。 近似輪郭線を求めた模式図である。 欠陥検査装置を示す側面図である。 第一貼合装置を示す側面図である。 第一貼合装置を示す斜視図である。 液晶パネルの供給時における第一貼合装置の側面図である。 第一貼合装置を示す平面図である。 第一貼合装置を示す正面図である。 液晶パネルに対するシート片の貼合位置の決定方法の説明図である。 (a)、(b)搬送ロボットを示す模式図である。 (a)、(b)搬送ロボットを示す模式図である。 第一反転装置を示す平面図である。 第一切断装置を示す斜視図である。 EBSの構成を示す図である。 IORの内部構成を示す斜視図である。 第一集光レンズ、絞り部材及びコリメートレンズの配置構成を示す側断面図である。 (a)〜(d)EBSの作用を説明するための図である。 (a)〜(d)は、レーザー光の1つのパルスに着目した図である。 IORの作用を説明するための図である。 比較例に係るレーザー光照射装置を用いて、対象物である偏光板を切断したときの切断面の拡大図である。 本実施形態のレーザー光照射装置を用いて、対象物である偏光板を切断したときの切断面の拡大図である。 カット位置決定手段によるカット位置の決定方法の説明図である。 第一切断装置を構成するスキャナーを用いて第二シート片及び第三シート片を切断する様子を示す斜視図である。 第一切断装置を構成するスキャナーを用いて第二シート片及び第三シート片を切断する様子を示す側面図である。 第二切断装置を構成するスキャナーを用いて第一シート片を切断する様子を示す斜視図である。 第二切断装置を構成するスキャナーを用いて第一シート片を切断する様子を示す側面図である。 レーザー光が所望の軌跡を描くための制御方法を示す図である。 第一実施形態における光学部材貼合体の製造方法についての説明図である。 第二実施形態に係る撮像装置を用いて液晶パネルを撮像する様子を示す斜視図である。 求めた仮想点を撮像装置で撮像した画像に反映させた図である。 (a)〜(c)近似輪郭線を求めた模式図である。 第三実施形態に係る撮像装置を用いて液晶パネルを撮像する様子を示す斜視図である。 液晶パネルとシート片との貼合面の外周縁をシート片が貼合される側から撮像する様子を示す断面図である。 (a)〜(c)近似輪郭線を求めた模式図である。 貼合面の端縁の検出工程を示す平面図である。 第四実施形態に係る検出装置の模式図である。 比較例に係る検出装置の作用を説明するための斜視図である。 比較例に係る検出装置の作用を説明するための断面図である。 第四実施形態に係る検出装置の作用を説明するための斜視図である。 第四実施形態に係る検出装置の作用を説明するための断面図である。 液晶パネルの変形例を適用した場合の、第四実施形態に係る検出装置の作用を説明するための断面図である。 第五実施形態における光学部材貼合体の製造方法についての説明図である。 偏光フィルムがクロスニコル状態のときの光透過性、CCDの感度特性を示す図である。 第七実施形態に係るフィルム貼合システムを示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせてある。また、以下の説明及び図面中、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態では、光学部材貼合体の製造装置を含むフィルム貼合システムについて説明する。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態のフィルム貼合システム1の概略構成図である。
フィルム貼合システム1は、例えば液晶パネルや有機ELパネルといったパネル状の光学表示部品に、偏光フィルムや位相差フィルム、輝度上昇フィルムといったフィルム状の光学部材を貼合するものである。フィルム貼合システム1は、光学表示部品及び光学部材を含んだ光学表示デバイスを生産する生産システムの一部として構成される。フィルム貼合システム1では、光学表示部品として液晶パネルPを用いている。
図1に示すように、本実施形態のフィルム貼合システム1は、液晶パネルPの製造ラインの一工程として設けられている。フィルム貼合システム1の各部は、電子制御装置としての制御装置91により統括制御される。
図2は、液晶パネルPをその液晶層P3の厚さ方向から見た平面図である。
図2に示すように、液晶パネルPは、平面視で長方形状を形成する第一基板P1と、第一基板P1に対向して配置される比較的小形の長方形状を形成する第二基板P2と、第一基板P1と第二基板P2との間に封入された液晶層P3と、を備える。液晶パネルPは、平面視で第一基板P1の外形状に沿う長方形状を形成する。液晶パネルPにおいて、平面視で液晶層P3の外周の内側に収まる領域を表示領域P4とする。液晶パネルPの第一基板P1の外周部には、第一基板P1上に配線パターン(TFTなどの駆動素子や画素電極および外部端子などの各種電極を含む)を形成するための位置決め用のマークAm(アライメントマーク)が形成されている。
図3は、図2のA−A断面図である。
図3に示すように、液晶パネルPの表裏面には、長尺帯状の第一光学部材シートF1、第二光学部材シートF2及び第三光学部材シートF3(以下、光学部材シートFXと総称することがある。)からそれぞれ切り出した第一光学部材F11、第二光学部材F12及び第三光学部材F13(以下、光学部材F1Xと総称することがある。)が適宜貼合される。
本実施形態では、液晶パネルPの表示面側及びバックライト側の両面には、偏光フィルムとしての第一光学部材F11及び第二光学部材F12がそれぞれ貼合される。液晶パネルPのバックライト側の面には、第二光学部材F12に重ねて輝度向上フィルムとしての第三光学部材F13がさらに貼合される。表示領域P4の外側には、液晶パネルPの第一及び第二基板を接合するシール剤等を配置する所定幅の額縁部Gが設けられている。
尚、第一光学部材F11、第二光学部材F12及び第三光学部材F13は、後述する第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3m(以下、シート片FXmと総称することがある。)から、その貼合面の外側の余剰部分を切り離すことにより形成されたものである。ここで、「貼合面」とは、液晶パネルPのシート片FXmと対向する面を指す。
図4は、液晶パネルPに貼合する光学部材シートFXの部分断面図である。光学部材シートFXは、フィルム状の光学部材本体F1aと、光学部材本体F1aの一方の面(図4では上面)に設けられた粘着層F2aと、粘着層F2aを介して光学部材本体F1aの一方の面に分離可能に積層されたセパレータシートF3aと、光学部材本体F1aの他方の面(図4では下面)に積層された表面保護フィルムF4aと、を有する。光学部材本体F1aは、偏光板として機能する。光学部材本体F1aは、液晶パネルPの表示領域P4の全域とその周辺領域とにわたって貼合される。尚、図示都合上、図4の各層のハッチングは略す。
光学部材本体F1aは、その一方の面に粘着層F2aを残しつつセパレータシートF3aを分離させた状態で、液晶パネルPに粘着層F2aを介して貼合される。以下、光学部材シートFXからセパレータシートF3aを除いた部分を貼合シートF5という。
セパレータシートF3aは、粘着層F2aから分離されるまでの間に粘着層F2a及び光学部材本体F1aを保護する。表面保護フィルムF4aは、光学部材本体F1aと共に液晶パネルPに貼合される。表面保護フィルムF4aは、光学部材本体F1aに対して液晶パネルPと反対側に配置されて光学部材本体F1aを保護する。表面保護フィルムF4aは、所定のタイミングで光学部材本体F1aから分離される。尚、光学部材シートFXが表面保護フィルムF4aを含まない構成であったり、表面保護フィルムF4aが光学部材本体F1aから分離されない構成であったりしてもよい。
光学部材本体F1aは、シート状の偏光子F6と、偏光子F6の一方の面に接着剤等で接合される第一フィルムF7と、偏光子F6の他方の面に接着剤等で接合される第二フィルムF8と、を有する。第一フィルムF7及び第二フィルムF8は、例えば偏光子F6を保護する保護フィルムである。
尚、光学部材本体F1aは、一層の光学層からなる単層構造でもよく、複数の光学層が互いに積層された積層構造でもよい。光学層は、偏光子F6の他に、位相差フィルムや輝度向上フィルム等でもよい。第一フィルムF7と第二フィルムF8の少なくとも一方は、液晶表示素子の最外面を保護するハードコート処理やアンチグレア処理を含む防眩などの効果が得られる表面処理が施されてもよい。光学部材本体F1aは、第一フィルムF7と第二フィルムF8の少なくとも一方を含まなくてもよい。例えば第一フィルムF7を省略した場合、セパレータシートF3aを光学部材本体F1aの一方の面に粘着層F2aを介して貼り合わせてもよい。
(フィルム貼合システム)
次に、本実施形態のフィルム貼合システム1について、詳しく説明する。
尚、図1において、図中左側は、液晶パネルPの搬送方向上流側(以下、パネル搬送上流側という。)を、図中右側は、液晶パネルPの搬送方向下流側(以下、パネル搬送下流側という。)を、それぞれ示すものとする。
図1に示すように、本実施形態のフィルム貼合システム1は、搬送機構10、洗浄装置20、検出装置30、第一欠陥検査装置41、第二欠陥検査装置42、貼合手段50、切断手段60、第一剥離装置71、第二剥離装置72、第一反転装置81、第二反転装置82、カット位置決定手段90、オートクレーブ装置100、制御装置91及び記憶装置92を備えている。
洗浄装置20は、液晶パネルPを洗浄して、液晶パネルPの外表面に付着もしくは固着した異物等を除去する。「異物等」としては、液晶パネルPに付着した塵埃等の異物のほか、液晶パネルPに固着した糊やカレット(ガラスクズ)などがある。液晶パネルPから異物等を除去することにより、液晶パネルPにシート片FXmを貼合したときの貼合欠陥を抑制することができる。
検出装置30は、シート片FXmを液晶パネルPに貼合する前の液晶パネルPの外形形状を検出する。後述するように、本実施形態のフィルム貼合システム1では、液晶パネルPごとのサイズのバラツキを考慮して、液晶パネルPに、目的とする光学部材F1Xよりも若干大きいサイズのシート片FXmを貼合し、シート片FXm側から液晶パネルPをカメラ等で撮像しつつ、液晶パネルPの外形形状に沿ってシート片FXmを切断する。この場合、シート片FXm越しに液晶パネルPを撮像するため、液晶パネルPの外形形状(シート片FXmで隠れた部分)が精度よく検出できない場合がある。そのため、本実施形態のフィルム貼合システム1では、シート片FXmを貼合する前に予め検出装置30で個々の液晶パネルPの外形形状を測定し、その測定データを用いて、シート片FXmの切断を行う。これにより、シート片FXmのカット位置を精度よく決定することが可能となる。尚、検出装置30によって得られた測定データは、カット位置決定手段90に供給され、カット位置決定手段90が、シート片FXmのカット位置を決定する。
第一欠陥検査装置41は、液晶パネルPの欠陥を検査する。第一欠陥検査装置41における欠陥検査は、液晶パネルPに光学部材を貼合する前に行われる欠陥検査であることから、この欠陥検査においては、液晶パネルPに内在する欠陥が検査される。液晶パネルPに内在する欠陥としては、例えば、液晶層中の気泡や配向膜の傷などがある。
第二欠陥検査装置42は、液晶パネルPに光学部材を貼合した後の液晶パネルP(光学部材貼合体)の欠陥を検査する。第二欠陥検査装置42では、液晶パネルPに内在する欠陥と、液晶パネルPにシート片FXmを貼合することにより生じた欠陥の双方が検出可能である。液晶パネルPにシート片FXmを貼合することにより生じた欠陥としては、液晶パネルPとシート片FXmとの間に挟み込まれた異物等の欠陥や、液晶パネルPにシート片FXmを貼合した際の応力によってシート片FXmの内部に生じた気泡欠陥のほか、シート片FXm自体がもともと有する気泡欠陥や凹凸欠陥などがある。
第一欠陥検査装置41の検査結果と第二欠陥検査装置42の検査結果とを用いることにより、液晶パネルPに内在する欠陥と、液晶パネルPにシート片FXmを貼合することにより生じた欠陥とを区別して検出することができる。
貼合手段50は、液晶パネルPにシート片FXmを貼合する。貼合手段50は、液晶パネルPの第一面に第一光学部材F11よりも大きい第一光学部材シートF1の第一シート片F1mを貼合する第一貼合装置51と、液晶パネルPの第二面に第二光学部材F12よりも大きい第二光学部材シートF2の第二シート片F2mを貼合する第二貼合装置52と、液晶パネルPの第二面に第三光学部材F13よりも大きい第三光学部材シートF3の第三シート片F3mを貼合する第三貼合装置53と、を含む。
切断手段60は、カット位置決定手段90が決定したカット位置(第一カット位置、第二カット位置)に基づいて、シート片FXmを切断することにより、液晶パネルPに貼合されたシート片FXmの光学部材F1Xに対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離す。切断手段60は、第一カット位置に基づいて第一シート片F1mを切断することにより、液晶パネルPの第一面に貼合された第一シート片F1mの第一光学部材F11に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離す第一切断装置61と、第二カット位置に基づいて、第二シート片F2mと、第二シート片F2m上に重ねて配置された第三シート片F3mとをまとめて切断することにより、液晶パネルPの第二面に貼合された第二シート片F2mの第二光学部材F12に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離し、且つ、第三シート片F3mの第三光学部材F13に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離す第二切断装置62と、を含む。
第一剥離装置71は、第二切断装置62によって第二光学部材F12および第三光学部材F13から切り離された第二シート片F2mおよび第三シート片F3mの余剰部分を液晶パネルPから剥離する。第二剥離装置72は、第一切断装置61によって第一光学部材F11から切り離された第一シート片F1mの余剰部分を液晶パネルPから剥離する。
第一反転装置81および第二反転装置82は、液晶パネルPの表裏を反転する。第一反転装置81および第二反転装置82においては、必要に応じて、液晶パネルPの長辺方向と短辺方向が液晶パネルPの搬送方向に対して入れ替わるように、液晶パネルPが90°旋回される。この旋回動作は、反転動作と同時に行われてもよいし、反転動作とは別に行われてもよい。
オートクレーブ装置100は、液晶パネルPに第一光学部材F11、第二光学部材F12および第三光学部材F13を貼合した光学部材貼合体PAに対して、加熱加圧処理を行い、液晶パネルPにシート片FXmを貼合した際に生じた気泡欠陥や、シート片FXmにもともと内在していた気泡欠陥などを除去する。
各種処理装置である、洗浄装置20、検出装置30、第一欠陥検査装置41、第二欠陥検査装置42、貼合手段50、切断手段60、第一剥離装置71、第二剥離装置72、第一反転装置81、第二反転装置82およびオートクレーブ装置100は、液晶パネルPおよび液晶パネルPにシート片FXmもしくは光学部材F1Xを貼合してなる光学部材貼合体を搬送する一連の搬送機構10によって接続されている。
本実施形態のフィルム貼合システム1では、貼合手段50における貼合欠陥の発生を抑制するために、少なくとも液晶パネルPの洗浄工程の終了位置から液晶パネルPへのシート片FXmの貼合工程の終了位置まで液晶パネルPを搬送する搬送機構として、液晶パネルPとの接触部を変動させて液晶パネルPを搬送する搬送機構が用いられていない。言い換えると、少なくとも液晶パネルPの洗浄工程の終了位置から液晶パネルPへのシート片FXmの貼合工程の終了位置まで液晶パネルPを搬送する搬送機構として、液晶パネルPとの接触部が液晶パネルPの搬送中に変動しない搬送機構が用いられている。
ここで、「液晶パネルPの洗浄工程の終了位置」とは、洗浄装置20において貼合欠陥の原因となる異物等を除去し終わる位置(液晶パネルPが洗浄工程から次工程に向けて払い出される位置)をいう。「シート片FXmの貼合工程の終了位置」とは、全てのシート片FXmの貼合が終了する位置を意味し、シート片FXmの余剰部分を切断し終わる位置を意味しない。
「液晶パネルPとの接触部」とは、液晶パネルPを搬送する際、搬送機構10と液晶パネルPとが接触する部分を示す。「液晶パネルPとの接触部が液晶パネルPの搬送中に変動しない搬送機構」としては、例えば、液晶パネルPを保持するテーブルと、テーブルを移動可能なスライダ機構とを備える搬送機構、液晶パネルPを吸着保持して搬送する吸着アーム、液晶パネルPを無端ベルト上に載置して搬送する搬送コンベア(ベルトコンベア)などが挙げられる。
液晶パネルPとの接触部を変動させて液晶パネルPを搬送する機構としては、例えば、複数の搬送ローラが液晶パネルPと接触しつつ回転するローラーコンベアなどが挙げられる。搬送ローラは、液晶パネルPとの接触部が回転によって順次変わるため、搬送ローラのどこかに異物が付着すると、その異物は搬送ローラの回転によって液晶パネルPとの対向位置まで運ばれ、液晶パネルPに付着する。よって、液晶パネルPとの接触部が変動しないものと比較して、搬送中の液晶パネルPへの異物の付着が発生しやすい。
本実施形態のフィルム貼合システム1では、少なくとも液晶パネルPの洗浄工程の終了位置から液晶パネルPへのシート片FXmの貼合工程の終了位置までの液晶パネルPの搬送機構として、液晶パネルPとの接触部を変動させて液晶パネルPを搬送する搬送機構が用いられていない。そのため、液晶パネルPとの接触部が順次変動していく搬送機構を用いる場合に比べて、液晶パネルPへの異物の付着が抑制され、貼合欠陥の少ないフィルム貼合システムが提供される。
尚、液晶パネルPへの異物の付着を抑制することができれば、液晶パネルPの洗浄工程の終了位置から液晶パネルPへのシート片FXmの貼合工程の終了位置までの液晶パネルPの搬送機構の一部が、液晶パネルPとの接触部を変動させて液晶パネルPを搬送する搬送機構となっていてもよい。但し、液晶パネルPへの異物の付着を確実に抑制する観点からは、液晶パネルPの洗浄工程の終了位置から液晶パネルPへのシート片FXmの貼合工程の終了位置までの液晶パネルPの搬送機構の全てが、液晶パネルPとの接触部が液晶パネルPの搬送中に変動しない搬送機構となっていることが好ましい。すなわち、液晶パネルPの洗浄工程の終了位置から液晶パネルPへのシート片FXmの貼合工程の終了位置まで液晶パネルPを搬送する搬送機構として、液晶パネルPとの接触部が液晶パネルPの搬送中に変動しない搬送機構のみが用いられていることが好ましい。
尚、ローラーコンベアの上に液晶パネルPを載置するためのシート部材を配置し、このシート部材の上に液晶パネルPを載置して液晶パネルPを搬送するベルトコンベアのような構成は、ローラーコンベアとの接触部が変動するのはシート部材であり、液晶パネルPとシート部材との接触部は変動しないため、「液晶パネルPとの接触部が液晶パネルPの搬送中に変動しない搬送機構」に含まれる。
本実施形態のフィルム貼合システム1では、液晶パネルPがフィルム貼合システム1に搬入される搬入位置(以下、ロード位置と称することがある。)から液晶パネルP(光学部材貼合体)がフィルム貼合システム1から搬出される搬出位置(以下、アンロード位置と称することがある。)までの液晶パネルPの搬送機構の全てが、「液晶パネルPとの接触部が液晶パネルPの搬送中に変動しない搬送機構」となっている。
フィルム貼合システム1は、ロード位置からアンロード位置まで、搬送機構10を用いて液晶パネルPを搬送しつつ、液晶パネルPに順次所定の処理を施す。液晶パネルPは、その表裏面を水平にした状態で搬送機構10によって搬送される。
以下の説明においては、ロード位置からアンロード位置まで、液晶パネルPに対し流れ作業で行う処理全体を「製造ライン」と称することがある。製造ラインは、主として搬送機構10の搬送経路(搬送ラインともいう)上に配置された複数の処理装置において行われる流れ作業のことを指し、製造ラインで行われる作業を「製造ライン内」の作業と称する。
また、ロード位置からアンロード位置までに、搬送機構10によって搬送される液晶パネルPを処理装置から取り出し、処理装置とは異なる位置において液晶パネルPに対する処理を行った後に、処理後の液晶パネルPを搬送機構10の搬送経路上に戻すような場合も、流れ作業によどみを生じさせないならば、製造ラインの一部として扱う。
また、上記の流れ作業とは分離して行われる作業を「製造ライン外」の作業」と称する。製造ライン外では、搬送機構10の搬送速度に関わらず、必要な時間をかけて作業を行うことができる。
以下、フィルム貼合システム1の構成の一例を詳細に説明する。
(搬送機構)
本実施形態の搬送機構10は、搬送コンベア11a〜11j(ベルトコンベア)、テーブル12a〜12g、スライダ機構13a〜13g及び吸着アーム14a〜14eを備えている。
搬送コンベア11aは、ロード位置に配置されている。搬送コンベア11aは、平面視でU字形状を形成する。搬送コンベア11aは、ラック15aを保持して搬送する。ラック15aは、複数の液晶パネルPを収容可能である。本実施形態では2つの液晶パネルPがラック15aに収容されている。これにより、液晶パネルPは、搬送コンベア11aに沿って移動するように構成されている。
尚、搬送コンベア11aがラック15aを保持して搬送する構成に限らず、搬送コンベア11aが液晶パネルPを直接保持して搬送する構成であってもよい。
吸着アーム14aは、搬送コンベア11aよりもパネル搬送下流側において、搬送コンベア11aの屈曲部分と搬送コンベア11bとの間に配置されている。吸着アーム14aは、搬送コンベア11aに保持された液晶パネルPを吸着保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送する。例えば、吸着アーム14aは、吸着保持した液晶パネルPを搬送コンベア11bの直上へ水平状態のまま搬送し、この位置で吸着を解除して液晶パネルPを搬送コンベア11bに受け渡す。
搬送コンベア11bは、平面視で直線形状を形成する。搬送コンベア11bは、液晶パネルPを保持して搬送する。液晶パネルPは、搬送コンベア11bでは、液晶パネルPの短辺を搬送方向に沿うようにして搬送される。液晶パネルPは、搬送コンベア11bにより、洗浄装置20へと受け渡される。
(洗浄装置)
図5は、洗浄装置20の平面図である。洗浄装置20は、フィルム貼合システム1の上流工程として設けられている。洗浄装置20は、搬送コンベア201を用いて液晶パネルPを搬送しつつ、液晶パネルPに順次所定の洗浄処理を施す。液晶パネルPは、その表裏面を水平にした状態で搬送コンベア201上を搬送される。例えば、搬送コンベア201はベルトコンベアである。尚、図5においては、図中左側をパネル搬送上流側とし、図中右側をパネル搬送下流側とする。
図5に示すように、洗浄装置20は、パネル搬送上流側から順に、例えばカセット単位(40枚程度)の液晶パネルPを搬入可能とするパネル投入部202と、パネル投入部202から送り出された液晶パネルPの表裏面の研磨を行うポリッシュ部203と、ポリッシュ部203を経た液晶パネルPの表裏面のブラシ掛けを行うブラッシング部204と、ブラッシング部204を経た液晶パネルPの表裏面の異物除去を行うジェット洗浄部205と、ジェット洗浄部205を経た液晶パネルPの表裏面の洗い流しを行う純水リンス部206と、純水リンス部206を経た液晶パネルPの表裏面の水滴除去を行う液切り部207と、液切り部207を経た液晶パネルPを搬出位置209aへ移送する払い出し部208と、を備えている。
パネル投入部202においては、液晶パネルPがその短辺を概ね搬送方向に沿うようにして受け入れられる。パネル投入部202のパネル搬送下流側には、搬送方向と直交する水平方向(部品幅方向)で搬送コンベア201の両側に位置する一対の位置決めローラ202aが設けられている。各位置決めローラ202aは、液晶パネルPがパネル搬送下流側へ送り出される際に、液晶パネルPの部品幅方向両側に転接する。これにより、部品幅方向で液晶パネルPのセンター基準での位置決め(アライメント)がなされる。
ポリッシュ部203は、例えば、無端状の研磨ベルト203cを駆動させる研磨装置203aを液晶パネルPを挟んで上下一対に有する(図示都合上、図5では液晶パネルP上方の研磨装置203aのみ示す。)。研磨装置203aは、部品幅方向で搬送コンベア201の両側に配置された駆動ローラ203bに、研磨ベルト203cを巻き掛けて駆動させる。研磨ベルト203cにおける液晶パネルPに対向する面には、例えば多数の研磨材チップが格子状に固着される。研磨ベルト203cにおける液晶パネルPに対向する面の裏側には、研磨ベルト203cを液晶パネルPに押し付けるべく循環水が噴射される。上下研磨装置203a間に導入された液晶パネルPは、研磨ベルト203cの駆動により表裏面に研磨がなされる。
尚、研磨ベルト203cについて、ベルト幅は30〜60mm程度、ベルト磨耗管理はギャップ測定式(自動補正可能)、研磨圧力は水圧及び水量により制御可能とされる。各研磨装置203aは、上面視で部品幅方向に対して研磨ベルト203cの駆動方向を若干傾斜させるが、研磨ベルト203cの駆動方向を部品幅方向に沿わせてもよい。
ブラッシング部204は、搬送方向で並ぶように配置された複数(例えば本実施形態では2つ)のブラシ対204aを有する。各ブラシ対204aは、部品幅方向で搬送コンベア201の両側に渡って延びる回転ブラシ204bを、液晶パネルPを挟んで上下一対に有する(図示都合上、図5では液晶パネルP上方の回転ブラシ204bのみ示す。)。各ブラシ対204aの上下回転ブラシ204b間に導入された液晶パネルPは、上下回転ブラシ204bの回転により表裏面にブラシ掛けがなされる。
尚、回転ブラシ204bについて、回転速度は100〜600rpm、回転方向は正逆切替及び独立回転可能、ブラシ線材はポリアミド系樹脂、ブラシ線径は500μm、植込量は2000本/cm以上とされる。ブラシ対204aの数量は液晶パネルPのサイズ等に応じて適宜変更可能である。回転ブラシ204bは部品幅方向に対して傾斜して配置することも可能である。
ジェット洗浄部205は、搬送方向で並ぶように配置された複数(例えば本実施形態では2つ)の圧力パイプ対205aを有する。各圧力パイプ対205aは、部品幅方向に沿って延びる圧力パイプ205bを、液晶パネルPを挟んで上下一対に有する(図示都合上、図5では液晶パネルP上方の圧力パイプ205bのみ示す。)。上下圧力パイプ205bには、部品幅方向で並ぶ複数のノズル205cが設けられる。各ノズル205cは、圧力パイプ205bによるエア圧力を用いて液体と気体を混合した2流体を高圧・高速で噴出する。上下圧力パイプ205b間に導入された液晶パネルPは、各ノズル205cからの噴射により表裏面に付着した異物等の除去がなされる。
尚、ジェット洗浄部205について、吐出量は1160ml/min、吐出圧は10MPaとされる。各ノズル205cのスプレーパターンはスプレー角度90°の扁平扇形、各ノズル205cの配列は平面視千鳥状とされる。ノズル205cが圧力パイプ205b内に加圧圧送された純水又は洗浄機能水を微小液滴で高圧・高速で噴出する構成であってもよい。
純水リンス部206は、搬送方向で並ぶように配置された複数(例えば本実施形態では2つ)の圧力パイプ対206aを有する。各圧力パイプ対206aは、部品幅方向に沿って延びる圧力パイプ206bを、液晶パネルPを挟んで上下一対に有する(図示都合上、図5では液晶パネルP上方の圧力パイプ206bのみ示す。)。上下圧力パイプ206bには、部品幅方向で並ぶ複数のノズル206cが設けられる。各ノズル206cは、圧力パイプ206b内に加圧圧送された純水を噴出する。上下圧力パイプ206b間に導入された液晶パネルPは、各ノズル206cからの噴射により表裏面の洗い流しがなされる。
尚、純水リンス部206について、圧力パイプ206bへの給水経路に設けるフィルターの粗さ(メッシュの大きさ)は0.02μm程、各ノズル206cのスプレーパターンはスプレー角度90°の扁平扇形、各ノズル206cの配列は平面視千鳥状とされる。
液切り部207は、搬送方向で並ぶように配置された複数(例えば本実施形態では2つ)のエアナイフ対207aを有する。各エアナイフ対207aは、部品幅方向に対して傾斜して配置されたエアナイフ207bを、液晶パネルPを挟んで上下一対に有する(図示都合上、図5では液晶パネルP上方のエアナイフ207bのみ示す。)。上下エアナイフ207bにおけるスリット状の吹き出し口207cは、液晶パネルPの表裏面と対向するように設けられる。上下エアナイフ207b間に導入された液晶パネルPは、各エアナイフ207bの噴射エアにより表裏面の水滴除去がなされる。
尚、液切り部207について、上下エアナイフ207bの本体材質はステンレス、吹き出し口207cのスリット幅は0.2mm(シム調整可能)、部品幅方向に対するエアナイフ207bの配置角度は基準±15°の範囲で調整可能(目盛有り)、エアナイフ207bのエア噴射方向の仰角も基準±15°の範囲で調整可能、エアナイフ207bと液晶パネルPとのギャップは基準±3mm以上の範囲で調整可能とされる。各エアナイフ207bはCDA(クリーンドライエアー)方式のエア供給装置に接続される。エアナイフ対207aは単一であってもよい。
払い出し部208は、液切り部207等よりも比較的速い速度で液晶パネルPを搬送する搬送コンベア209を有する。例えば、搬送コンベア209はベルトコンベアである。搬送コンベア209が液晶パネルPを搬送する搬出位置209aは、洗浄後の液晶パネルPのバッファエリアでもある。搬出位置209aに搬送された液晶パネルPは、洗浄装置20よりもパネル搬送下流側の検出装置30(図1参照)に順次搬送される。搬送コンベア201及び搬送コンベア209は、本実施形態のフィルム貼合システム1のライン(搬送経路)を形成している。
洗浄装置20を通過した液晶パネルPは、その表裏面に付着した塵埃等の異物が除去されると共に、ポリッシュ部203によって液晶パネルPの表裏面に固着した糊やカレット(ガラスクズ)等までも除去される。これにより、フィルム貼合システム1における貼合異物による不良品の発生が確実に抑えられる。
(検出装置)
図6は、検出装置30の模式図である。
図6に示すように、検出装置30は、液晶パネルPの画像を撮像する撮像装置302と、液晶パネルPを挟んで撮像装置302とは反対側から液晶パネルPを照明する照明装置301と、を備えている。本実施形態の検出装置30は、製造ライン内において、液晶パネルPにシート片FXmを貼り合わせる前に、液晶パネルPの外形形状を検出する。また、検出装置は、液晶パネルPの第一基板P1の外周部に設けられたマークAm(図2参照)を検出する。
尚、液晶パネルPの外形形状は、製造ライン内において検出することに限らず、製造ライン外において検出してもよい。すなわち、液晶パネルPにシート片FXmが貼り合わされる前に、液晶パネルPの外形形状を検出する構成であればよい。
図7は、撮像装置302を用いて液晶パネルPを撮像する様子を示す模式図である。まず、図7(a)に示すように、撮像装置302を用いて、液晶パネルPの周辺を撮像する。
液晶パネルPは、第二基板P2及び第一基板P1で挟持された液晶層P3(図2参照)を有している。また、液晶パネルPは、第二基板P2が第一基板P1よりも平面視面積が小さく、両者を重ね合せたときに第一基板P1の一端側が平面視で露出している。第一基板P1の露出する領域P5には端子部P6が設けられている。
図7(b)は、液晶パネルPの一部平面図である。図7(b)においては、便宜上、第二基板P2の4つの辺EA,EB,EC,EDのうち辺EAを示す。本実施形態の液晶パネルPは、多面取りで製造されている。そのため、図7(b)に示すように第二基板P2の角部(例えば、辺EAの両端の角部C1,C2)近傍EA1,EA2は、辺EAの中央部EA3と比べて、バリや欠けが生じ、直線状になっていない。近傍EA1、EA2の長さは、例えば4インチディスプレイ用の液晶パネルにおいては、経験的に5mm程度である。
このような液晶パネルPについて、撮像装置302を用い、第二基板P2を含む撮像領域ARを撮像する。撮像装置302は、第二基板P2の4つの辺EA,EB,EC,EDのうち端子部P6に沿う辺EC(又は辺EA)と平行な方向(第一の方向)に配列された複数の撮像素子を含むラインカメラである。例えば、撮像素子はCCD(Charge Coupled Device)である。撮像装置302は、辺ECに隣接する辺EB(又は辺ED)と平行な方向(第二の方向)に移動して、平面視で第二基板P2を含む画像(以下、対向基板画像と称することがある。)を撮像する。
尚、撮像装置302の移動方向はこれに限らない。例えば、撮像装置302は、辺EB(又は辺ED)と平行な方向に配列された複数の撮像素子を含み、辺EBに隣接する辺EC(又は辺EA)と平行な方向に移動して対向基板画像を撮像してもよい。すなわち、撮像装置302は、第二基板P2の表面の法線方向から見て、第一の方向に配列された複数の撮像素子を含み、第一の方向と直交する第二の方向に移動して対向基板画像を撮像するように構成されていればよい。
撮像装置302で撮像した画像の画像データは、制御装置91(図1参照)に入力され、次の処理(画像処理、演算)がなされる。
(第一の処理)
まず、第一の処理として、画像データから、液晶パネルPを、図7に示す第二基板P2側から平面視したときの、第二基板P2の輪郭線を強調する処理を行う。
例えば、液晶パネルPを平面視したとき、液晶パネルPが存在する領域(第一の領域)と、液晶パネルPが存在しない領域(第二の領域)と、では光の透過率が異なるため、撮像した画像においては第一の領域よりも第二の領域の方が明るい像となる。そのため、撮像した画像を二値化すると、第一の領域が明領域(白)、第二の領域が暗領域(黒)となり、明暗の境界として第二基板P2の輪郭線が明らかとなる。
尚、二値化する際の階調値の閾値は、撮像する位置の液晶パネルPの構造等に応じて適切な値が異なるため、適宜予備実験をして設定するとよい。
(第二の処理)
図8は、図7における撮像装置302で撮像した画像のうち角部の近傍を示す模式図である。図8においては、便宜上、辺EAと辺EBとを含む角部の近傍を示す。図8では、第一の領域を符号AR1、第二の領域を符号AR2として示している。第二の処理として、図8に示すように、第一の画像処理において二値化した画像データ(以下、二値化データと称する)に基づいて、第二基板P2の輪郭線(辺)と重なる複数の点Dの座標を検出する。
まず、撮像装置302によって撮像された対向基板画像によって求められる第二基板P2の輪郭線のうち予め設定した基準を満たさない第一の部分を除く。具体的に、図8に示す角部の近傍EA1,EB1(第一の部分)では第二基板P2にバリや欠けが生じ、各辺(図8では辺EA,EB)のそれぞれが直線状となっていない。そのため、点Dの検出の際には、近傍EA1,EB1(角部の近傍として予め定めた範囲)を検出範囲に含まないように設定する。検出範囲から除外する近傍EA1,EB1の範囲は、経験的又は実験的に求められる値にしたがって、適宜設定することができる。
次に、各辺(図8では辺EA,EB)のそれぞれにおいて、第二基板P2の輪郭線のうち近傍EA1,EB1を除いた中央部EA3,EB3(第二の部分)について、第二基板P2の輪郭線に重なる複数の点Dの座標を検出する。
検出する座標の座標軸は、例えば、二値化データの左上端を原点とし、画像の右方向を+方向とするX軸、画像の下方向を+方向とするY軸を設定する。尚、撮像装置302で撮像した画像において、第二基板P2の角部を挟む2つの辺(輪郭線)が、撮像される画像の外周の辺と略平行になっていない場合には、適宜画像データ(又は二値化データ)から解析に適した任意の領域を切り出す処理(トリミング処理)を行い、処理後の画像について第二の処理を行っても構わない。
点Dの座標を検出する際には、例えば、二値化データに基づく画像のX軸方向の任意の位置(x1)において、上端から+Y方向に階調を検出したときに、白(第一の領域)から黒(第二の領域)に変化する位置のY方向の位置(y1)から、点Dの座標(x1,y1)を求めることができる。このような処理を、第二基板P2の4つの辺EA,EB,EC,EDのそれぞれにおいて行い、各辺において辺に重なる複数の点Dの座標を検出する。
尚、検出する点Dの数は、多い方が望ましいが、後述する演算処理の処理負担が過大とならないような数を設定するとよい。例えば、4つの辺EA,EB,EC,EDそれぞれにおいて、100個の点Dを検出するとよい。
(第三の処理)
第三の処理として、第二の処理で検出した複数の点Dの座標から、点Dと重なる辺に対応する直線を近似して求める。近似としては、通常知られた統計学的手法を用いることができ、例えば、最小二乗法を用いた回帰直線(近似直線)を求める近似方法を挙げることができる。
図9は、第三の処理で求めた近似直線L1を示すグラフであり、近似直線L1をY=0として示した図である。図9においては、便宜状、辺EAにおいて求める近似直線L1を示す。
ここで、図9において、+y側にプロットされた点D1や、−y側にプロットされた点D2は、他の点Dと比べて近似直線L1からの離間距離が大きく、近似直線L1の算出結果に大きな影響を与えていると考えられる。このような場合、点D1及び点D2を除外した残りの点を用いて、再度近似直線を求めることとしてもよい。
また、除外する点Dは図9に示すように2つとは限らない。近似直線L1と点Dとの距離(図9における点DとのY座標の絶対値)について閾値を定め、Y座標の絶対値が閾値よりも大きい点Dについては除外して再度近似直線を求めることとしても構わない。閾値については、経験的又は実験的に求められる値にしたがって、適宜設定することができる。
このようにして求められる近似直線を、撮像した画像に含まれる4辺EA,EB,EC,EDのそれぞれについて行う。以下の説明では、辺EAにおいて求めた近似直線をL1、辺EBにおいて求めた近似直線をL2、辺ECにおいて求めた近似直線をL3、辺EDにおいて求めた近似直線をL4と称することがある。
(第四の処理)
第四の処理として、撮像装置302で撮像した対向基板画像に含まれる4辺についてそれぞれ求めた近似直線L1,L2,L3,L4を用いて、近似直線L1,L2,L3,L4を結んで得られる図形を、第二基板P2の輪郭線(近似輪郭線)として仮定して求める。
図10は、近似輪郭線OLを求めた模式図である。
図10に示すように、第三の処理で求めた近似直線L1,L2,L3,L4を結ぶことで、近似輪郭線OLを求めることができる。尚、近似輪郭線OLのデータは、記憶装置92(図1参照)に記憶される。
図1に戻り、検出装置30を経た液晶パネルPは、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、第一欠陥検査装置41へと受け渡される。
(第一欠陥検査装置)
図11は、第一欠陥検査装置41を示す側面図である。図11では、欠陥検査装置として、第一欠陥検査装置41、第二欠陥検査装置42のうち第一欠陥検査装置41を挙げて説明する。第二欠陥検査装置42は、第一欠陥検査装置41と概ね同じ構成であるため、その詳細な説明を省略する。図11において、符号Sf1は液晶パネルPの下面であり、本実施形態ではバックライト側の面である。符号Sf2は液晶パネルPの上面であり、本実施形態では表示面側の面である。
図11に示すように、本実施形態の第一欠陥検査装置41は、液晶パネルPの下面Sf1の側に配置された光源411と、液晶パネルPの上面Sf2の側に配置された撮像装置412と、備えている。第一欠陥検査装置41は、液晶パネルPにシート片FXmを貼り合わせる前に、液晶パネルPの欠陥の検査を行う。そのため、光源411と液晶パネルPとの間には、図示略の偏光子が設けられ、撮像装置412と液晶パネルPとの間には、図示略の検光子が設けられる。偏光子と検光子はクロスニコルの関係となるように、互いの偏光軸が90°をなすように配置される。
尚、第二欠陥検査装置42は、液晶パネルPの両面に光学部材(偏光板)を貼合した後に欠陥検査を行うものであるため、第二欠陥検査装置42には、上述の偏光子や検光子は設けられていない。また、第二欠陥検査装置42では、第一欠陥検査装置41と異なり、シート片FXmの貼合に起因する欠陥を検出する必要がある。貼合に起因する欠陥としては、異物欠陥や凹凸欠陥などの種々の欠陥があるが、それぞれの欠陥について欠陥の検出精度を高めるための光源および撮像装置の配置が異なる。そのため、第一欠陥検査装置41と第二欠陥検査装置42とでは、光源と撮像装置の配置が異なる場合がある。
第一欠陥検査装置41は、検出装置30を経て表示面側を上向きにした液晶パネルPについて、AOI検査(光学式自動外観検査:Automatic Optical Inspection)を行う自動検査装置である。本実施形態においては、第一欠陥検査装置41は、液晶パネルPの下面Sf1側(バックライト側)から光源411で光を当てながら、上面Sf2側(表示面側)から撮像装置412で撮像し、この撮像データに基づき液晶パネルPの欠陥の有無を自動検査する。第一欠陥検査装置41としては、欠陥について光学的に自動検査できるものであれば他の構成のものを用いてもよい。
ここで、第一欠陥検査装置41の検査対象である「欠陥」とは、液晶パネルPの表示領域P4に存在する光学的に検査可能な不具合であって、液晶パネルPを用いて製造される表示装置において表示不良を引き起こすものを指す。
欠陥は、「液晶パネルP自身が有する欠陥」である。「液晶パネルP自身が有する欠陥」としては、例えば、液晶パネルPの液晶配向膜の乱れにより、液晶パネルPの液晶が設計通りに配向していないことが挙げられる。このような欠陥を有すると、例えば、一対の偏光板が正確にクロスニコルに貼合され、液晶パネルPをノーマリーブラックに設計しても、光学部材貼合体PAの一方側から光を照射すると、光漏れを生じるため、輝点として確認できる。また、液晶パネルPが搬送中に損傷しているような場合も、「液晶パネルP自身が有する欠陥」として挙げられる。
光源411は、液晶パネルPの下面Sf1に対して垂直に光を照射する。
尚、これに限らず、光源411が液晶パネルPの下面Sf1に対して斜めに光を照射してもよい。この場合、例えば、光源411から射出される光の光軸CLと下面Sf1とのなす角度(照明角度)θは0°〜90°の範囲の角度に設定される。尚、照明角度θは、好ましくは45°〜75°の範囲の角度、さらに好ましくは70°に設定される。
撮像装置412は、光源411から射出された光の光軸CL上に配置されている。撮像装置412は、液晶パネルPを透過した光の透過光像を撮像する。
光源411の光射出面411aは、液晶パネルPの搬送方向と直交する幅方向に沿って長手を有している。光源411の光射出面411aは、液晶パネルPに対して幅方向に跨って形成されている。例えば、光源411としては、LEDライン光源を用いることができる。
撮像装置412も、光源411と同様に、液晶パネルPの搬送方向と直交する幅方向に沿って長手を有している。例えば、撮像装置412としては、ラインカメラを用いることができる。
このような構成により、第一欠陥検査装置41は、液晶パネルPに対して、下面Sf1側から光を当て、液晶パネルPを透過した光を撮像装置412で撮像し、この撮像データに基づいて液晶パネルPの欠陥の有無を検査する。第一欠陥検査装置41による検査データは、記憶装置92(図1参照)に記憶される。
制御装置91(図1参照)は、記憶装置92に記憶された第一欠陥検査装置41による検査データに対し、見つかった欠陥の種類や状態を確認し、予め設定した基準に基づいて、(1)OK判定(良品を示す判定)、(2)NG判定(不良品を示す判定)の判定を行う。制御装置91による判定結果は、記憶装置92(図1参照)に記憶される。尚、判定を行う際の基準は、液晶パネルPの構造等に応じて適切な値が異なるため、適宜予備実験をして設定するとよい。
OK判定は、液晶パネルPにおいて欠陥が見つからなかった場合又は実使用上問題のある欠陥はないと判断された場合である。NG判定は、液晶パネルPにおいて欠陥が見つかった場合である。
OK判定された液晶パネルPは、次の工程に搬出される。一方、NG判定された液晶パネルPは、不図示の廃棄装置によって廃棄される。
図1に戻り、第一欠陥検査装置41を経た液晶パネルPは、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、搬送コンベア11cへと受け渡される。
搬送コンベア11cは、平面視で直線形状を形成する。搬送コンベア11cは、第一欠陥検査装置41を経た液晶パネルPを保持して搬送する。液晶パネルPは、搬送コンベア11cでは、液晶パネルPの短辺を搬送方向に沿うようにして搬送される。
吸着アーム14bは、搬送コンベア11cよりもパネル搬送下流側において、搬送コンベア11cとスライダ機構13aとの間に配置されている。スライダ機構13aは、平面視で直線形状を形成する。スライダ機構13aは、液晶パネルPを保持するテーブル12aをスライダ機構13aの長手方向に沿って移動可能である。
吸着アーム14bは、搬送コンベア11cに保持された液晶パネルPを吸着保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送する。例えば、吸着アーム14bは、吸着保持した液晶パネルPをテーブル12aの直上へ水平状態のまま搬送し、この位置で吸着を解除して液晶パネルPをテーブル12aに受け渡す。液晶パネルPは、テーブル12a及びスライダ機構13aにより、第一貼合装置51へと受け渡される。
(第一貼合装置)
以下、図12〜図16を参照して第一貼合装置51の詳細について説明する。図12は第一貼合装置51の概略側面図である。図13は第一貼合装置51の概略斜視図である。図14は液晶パネルPの供給時における第一貼合装置51の概略側面図である。図15は第一貼合装置51の概略平面図である。図16は第一貼合装置51の概略正面図である。尚、第二貼合装置52及び第三貼合装置53も同様の構成を有するものとしてその詳細説明は省略する。
第一貼合装置51は、液晶パネルPの上面に対して、第一光学部材シートF1における所定サイズにカットした貼合シートF5のシート片(第一シート片F1m)の貼合を行う。
図12及び図13に示すように、第一貼合装置51は、シート搬送装置510と、欠陥検出装置530と、マーキング装置533と、マーク検出装置534と、第一貼合ステージ541と、第二貼合ステージ542と、回収ステージ543と、貼合部520と、移動装置550と、第一回転装置561と、第二回転装置562と、を備える。
本実施形態に係る貼合部520は、第一貼合ヘッド521Aと第二貼合ヘッド521Bとを備える。以下、第一貼合ヘッド521Aと第二貼合ヘッド521Bとを、貼合ヘッド521と総称することがある。
シート搬送装置510は、第一光学部材シートF1を原反ロールR1からセパレータシートF3aと共に巻き出し、第一光学部材シートF1をセパレータシートF3を残してカットして貼合シートF5とし、貼合シートF5を供給する供給ライン510Lを含む。
シート搬送装置510は、セパレータシートF3aをキャリアとして貼合シートF5を搬送するもので、帯状の第一光学部材シートF1を巻回した原反ロールR1を保持すると共に第一光学部材シートF1をその長手方向に沿って繰り出す巻き出し部510aと、原反ロールR1から巻き出した第一光学部材シートF1にハーフカットを施す切断装置510bと、ハーフカットを施した第一光学部材シートF1を鋭角に巻きかけてセパレータシートF3aから貼合シートF5を分離させるナイフエッジ510cと、ナイフエッジ510cを経て単独となったセパレータシートF3aを巻き取るセパレータロールR2を保持する巻き取り部510dと、巻き出し部510aと巻き取り部510dとの間に第一セパレータシートF3aの搬送経路を形成する複数のローラ(例えば、本実施形態では6つのローラ511,512,513,514,515,516)と、複数のローラの少なくとも一つ(例えば、本実施形態ではローラ511)に設けられた測長器517と、を有する。
第一光学部材シートF1は、その搬送方向と直交する水平方向(シート幅方向)で、液晶パネルPの幅(本実施形態では液晶パネルPの短辺長さに相当)よりも大きい幅を有している。
シート搬送装置510の始点に位置する巻き出し部510aとシート搬送装置510の終点に位置する巻き取り部510dとは、例えば互いに同期して駆動する。これにより、巻き出し部510aが第一光学部材シートF1をその搬送方向へ繰り出しつつ、巻き取り部510dがナイフエッジ510cを経たセパレータシートF3aを巻き取る。以下、シート搬送装置510における第一光学部材シートF1(セパレータシートF3a)の搬送方向上流側をシート搬送上流側、搬送方向下流側をシート搬送下流側という。
複数のローラは、第一光学部材シートF1のうちの少なくともセパレータシートF3aが掛け渡されることによって、搬送経路を形成する。複数のローラは、搬送中の第一光学部材シートF1の進行方向を変化させるローラや搬送中の第一光学部材シートF1のテンションを調整可能なローラ等から選択されるローラによって構成されている。
測長器517は、測長器517が取り付けられたローラ511の回転角及び外周の長さに基づいて、第一光学部材シートF1が搬送された距離(搬送距離)を測定する。測長器517の測定結果は、制御装置91へ出力される。制御装置91は、測長器517の測定結果に基づいて、第一光学部材シートF1が搬送されている間の任意の時刻に第一光学部材シートF1の長手方向の各点が搬送経路上のいずれの位置に存在しているかを示すシート位置情報を生成する。
欠陥検出装置530は、搬送中の第一光学部材シートF1に内在する欠点を検出する。欠陥検出装置530は、搬送中の第一光学部材シートF11に対して、反射検査、透過検査、斜め透過検査、クロスニコル透過検査等の検査処理を実行することによって、第一光学部材シートF1の欠点を検出する。
欠陥検出装置530は、第一光学部材シートF1に光を照射可能な照明部531と、照明部531から照射されて第一光学部材シートF1を経由(反射と透過の一方又は双方)した光の、光学部材シートF1における欠点の有無による変化を検出可能な光検出器532と、を備える。光学部材シートF1の欠点は、例えば、光学部材シートF1の内部において固体と液体と気体の少なくとも1つからなる異物が存在する部分や、光学部材シートF1の表面に凹凸やキズが存在する部分、光学部材シートF1の歪や材質の偏り等によって輝点となる部分等である。
照明部531は、欠陥検出装置530で行う検査の種類に応じて光強度や波長、偏光状態等が調整された光を照射する。光検出器532は、CCD等の撮像素子で構成されており、照明部531によって光が照射されている部分の第一光学部材シートF1を撮像する。光検出器532の検出結果(撮像結果)は、制御装置91へ出力される。
制御装置91は、光検出器532によって撮像された画像を解析して、欠点の有無を判定する。制御装置91は、第一光学部材シートF1に欠点が存在すると判定したときに、測長器517の測定結果を参照して、欠点の第一光学部材シートF1上での位置を示す欠点位置情報を生成する。
尚、欠陥検出装置530の構成は、第一光学部材シートF1の欠点を検出可能なように、適宜変更可能である。例えば、欠陥検出装置530は、光検出器532の検出結果に基づいて欠点の有無を判定する判定部を備え、判定部の判定結果を制御装置91へ出力可能でもよい。欠陥検出装置530が判定部の判定結果を制御装置91へ出力し、制御装置91が欠点の有無を判定しなくてもよい。
マーキング装置533は、判定部の判定結果に基づいて、第一光学部材シートF1の欠点の部分にマークを付す。マークを付すことにより、第一光学部材シートF1における欠点部分が識別される。例えば、マーキング装置533は、第一光学部材シートF1に発見された欠点箇所に、その表面保護フィルムF4a側からインクジェット等によりマーキングする。尚、マーキング装置533によるマーキングに替えて、作業者がマジック等によりマーキングしてもよい。
マーキング装置533による欠点箇所へのマーキングは、第一光学部材シートF1の搬送中に行われる。尚、欠点箇所へのマーキングは、第一光学部材シートF1を停止させて行ってもよい。
マーク検出装置534は、搬送中の第一光学部材シートF1の欠点箇所にマーキングされたマークを検出する。マーク検出装置534は、搬送中の第一光学部材シートF11に対して、透過検査等の検査処理を実行することによって、第一光学部材シートF1のマークを検出する。
マーク検出装置534は、第一光学部材シートF1に光を照射可能な照明部535と、第一光学部材シートF1に形成されたマークを撮像可能な撮像装置536とを備える。
例えば、照明部535は、蛍光灯と、蛍光灯から射出された光を拡散する拡散板と、を備えている。撮像装置536は、CCD等の撮像素子で構成されており、照明部535によって光が照射されている部分の第一光学部材シートF1を撮像する。撮像装置536の検出結果(撮像結果)は、制御装置91へ出力される。
制御装置91は、撮像装置536によって撮像された画像を解析して、マークの有無を判定する。制御装置91は、第一光学部材シートF1にマークが存在すると判定したときに、測長器517の測定結果を参照して、マークの第一光学部材シートF1上での位置を示すマーク位置情報を生成する。
切断装置510bは、第一光学部材シートF1のシート幅方向の全幅にわたって、第一光学部材シートF1の厚さ方向の一部を切断する(ハーフカットを施す)。
切断装置510bは、第一光学部材シートF1の搬送中に働くテンションによって第一光学部材シートF1(セパレータシートF3a)が破断しないように(所定の厚さがセパレータシートF3aに残るように)、切断刃の進退位置を調整し、粘着層F2aとセパレータシートF3aとの界面の近傍までハーフカットを施す。尚、切断刃に代わるレーザー装置を用いてもよい。
ハーフカット後の第一光学部材シートF1には、その厚さ方向で光学部材本体F1a及び表面保護フィルムF4a(図4参照)が切断されることにより、第一光学部材シートF1のシート幅方向の全幅にわたる切込線が形成される。第一光学部材シートF1は、切込線によって長手方向で表示領域P4の長辺長さよりも大きい長さを有する区画に分けられる。この区画が、それぞれ貼合シートF5における一つのシート片(第一シート片F1m)となる。尚、切断装置510bの構成は、第一光学部材シートF1の厚さ方向の切込線の寸法(深さ)及びシート搬送方向の切込線の位置を制御可能なように、適宜変更可能である。
制御装置91は、マーク位置情報を参照して、切断装置510bによって形成された第一切込線から第一シート片F1mの長手方向の単位長さに相当する区間(以下、次のシート片の区間という)に、第一シート片F1mの欠点が存在するか否かを判定する。制御装置91は、次のシート片の区間に欠点が存在するか否かに応じて、次に形成する切込線の位置を決定し、切込線の第一光学部材シートF1上での形成位置を示す切込線位置情報を生成する。
切断装置510bは、判定部の判定結果に基づいて、第一光学部材シートF1をセパレータシートF3aを残してカットして、欠点を含まない良品シート片(良品光学部材(第一シート片F1m)に相当)又は欠点を含む不良品シート片(不良品光学部材に相当)とする。
ナイフエッジ510cは、図12の左側から右側へ略水平に搬送される第一光学部材シートF1の下方に位置し、第一光学部材シートF1のシート幅方向で少なくともその全幅にわたって延在する。ナイフエッジ510cは、ハーフカット後の第一光学部材シートF1のセパレータシートF3a側に摺接するようにこれを巻きかける。
ナイフエッジ510cは、その鋭角状の先端部に第一光学部材シートF1を鋭角に巻きかける。第一光学部材シートF1は、ナイフエッジ510cの先端部で鋭角に折り返す際、貼合シートF5からセパレータシートF3aを剥離する。このとき、貼合シートF5の粘着層F2a(液晶パネルPとの貼合面)は下向きとなる。ナイフエッジ510cの先端部の直下はセパレータ剥離位置510eとなり、このナイフエッジ510cの先端部に第一貼合ヘッド521A及び第二貼合ヘッド521Bのそれぞれの保持面521aが上方から接することで、貼合シートF5のシート片(第一シート片F1m)の表面保護フィルムF4a(貼合面と反対側の面)が第一貼合ヘッド521A及び第二貼合ヘッド521Bのそれぞれの保持面521aに貼着される。
第一貼合ステージ541は、第一貼合ヘッド521Aが貼合する液晶パネルPを吸着して保持する吸着面541aを有する。第二貼合ステージ542は、第二貼合ヘッド521Bが貼合する液晶パネルPを吸着して保持する吸着面542aを有する。
図14に示すように、第一貼合ステージ541及び第二貼合ステージ542の各々は、シート搬送方向と平行な第二方向VC2に沿って移動可能である。例えば、第一貼合ステージ541及び第二貼合ステージ542の各々は、液晶パネルPの供給時に第二方向VC2に沿って移動する。
図13に示すように、回収ステージ543は、第一貼合ステージ541及び第二貼合ステージ542と干渉しない位置に配置されている。回収ステージ543は、不良品シート片を回収する。回収ステージ543は、不良品シート片を支持する支持面543aを有する。
回収ステージ543の支持面543aには、貼合ヘッド521によりセパレータシートF3aから剥離された不良品シート片が貼合される。例えば、支持面543aには廃材シート等が配置されており、不良品シート片が廃材シートに複数枚重ね貼りされる。不良品シート片がある程度積層した後、不良品シート片がまとめて廃棄される。この場合、不良品シート片は、廃材シートから剥がして廃棄されてもよいし、廃材シートとともに廃棄されてもよい。
本実施形態において、第一貼合ステージ541の吸着面541a、第二貼合ステージ542の吸着面542a及び回収ステージ543の支持面543aは、それぞれ同一平面内に存在する。
本実施形態に係る回収ステージ543は、供給ライン510Lの延長線510La上に配置されている。第一貼合ステージ541と第二貼合ステージ542とは、回収ステージ543を挟んで互いに対向する位置に配置されている。
尚、第一貼合ステージ541、第二貼合ステージ542及び回収ステージ543の配置位置はこれに限らない。第一貼合ステージ541、第二貼合ステージ542及び回収ステージ543の配置位置は、第一貼合ステージ541、第二貼合ステージ542及び回収ステージ543が互いに干渉しない位置に配置されていれば、必要に応じて適宜変更することができる。
第一貼合ヘッド521A及び第二貼合ヘッド521Bは、一つの供給ライン510Lによって供給された貼合シートF5をそれぞれ保持面521aに貼り付けて保持するとともに、保持面521aに保持した貼合シートF5をそれぞれ別々の液晶パネルPに貼合する。具体的に、第一貼合ヘッド521Aは保持面521aに保持した貼合シートF5を第一貼合ステージ541の吸着面541aに保持された液晶パネルPに貼合し、第二貼合ヘッド521Bは保持面521aに保持した貼合シートF5を第二貼合ステージ542の吸着面542aに保持された液晶パネルPに貼合する。
貼合ヘッド521は、セパレータシートF3aから剥離された良品シート片を保持して液晶パネルPに貼合するとともに、セパレータシートF3aから剥離された不良品シート片を保持して回収ステージ543に貼合する。
貼合ヘッド521は、シート幅方向と平行かつ下方に凸の円弧状の保持面521aを有する。保持面521aは、例えば貼合シートF5の貼合面(図4に示す粘着層F2c)よりも弱い貼着力を有し、貼合シートF5の表面保護フィルムF4c(図4参照)を繰り返し貼着、剥離可能とされる。
貼合ヘッド521は、ナイフエッジ510cの上方でシート幅方向に沿う軸を中心とするように、シート幅方向と平行かつ保持面521aの湾曲に沿うように傾動する。貼合ヘッド521の傾動は、貼合シートF5を貼着保持する際、及び貼着保持した貼合シートF5を液晶パネルPに貼合する際に適宜行われる。
貼合ヘッド521は、保持面521aを下向きとし、かつ保持面521aの湾曲一端側(図12の右側)が下側となるように傾斜した状態で、保持面521aの湾曲一端側をナイフエッジ510cの先端部に上方から押し付け、セパレータ剥離位置510eにある貼合シートF5の先端部を保持面521aに貼着させる。その後、貼合シートF5を繰り出しつつ貼合ヘッド521を傾動させる(保持面521aの湾曲他端側(図12の左側)が下側となるように傾斜させる)ことで、保持面521aに貼合シートF5のシート片(第一シート片F1m)の全体が貼着される。
貼合ヘッド521は、セパレータ剥離位置510e及び貼合位置の上方で所定量昇降可能であり、かつセパレータ剥離位置510eと貼合位置との間で適宜移動可能である。ここで、貼合位置とは、第一貼合装置51における貼合位置であり、例えば第一貼合装置51における第一貼合ステージ541又は第二貼合ステージ542の配置位置である。貼合ヘッド521は、昇降時及び移動時並びに傾動時の駆動を可能とする駆動装置としてのアーム部551b(図13参照)に連結されている。
貼合ヘッド521は、保持面521aに第一シート片F1mを貼着させる際には、例えば保持面521aに第一シート片F1mの先端部を貼着させた後にアーム部551bとの係合をカットして傾動自在となり、この状態から第一シート片F1mの繰り出しに伴い受動的に傾動する。貼合ヘッド521は、第一シート片F1m全体を保持面521aに貼着させるまで傾動すると、この傾斜姿勢で例えばアーム部551bと係合する等により傾動をロックし、この状態で貼合位置の上方へ移動する。
貼合ヘッド521は、貼着保持した第一シート片F1mを液晶パネルPに貼合する際には、例えばアーム部551bの作動により能動的に傾動し、保持面521aの湾曲に沿って液晶パネルPの上面に第一シート片F1mを押し付けて確実に貼合する。
本実施形態において、貼合ヘッド521及び貼合ステージの双方は、1つの供給ライン510Lに対してそれぞれ二つずつ設けられているが、これに限らない。例えば、貼合ヘッド521及び貼合ステージの双方がシート搬送装置510に対応して三つ以上設けられていてもよいし、貼合ステージのみがシート搬送装置510に対応して一つだけ設けられていてもよい。ただし、製造ラインにおいて第一シート片F1mの供給が停滞することを抑制する観点からは、少なくとも貼合ヘッド521が1つの供給ライン510Lに対して複数設けられているのが好ましい。ただし、装置構成をシンプルにする観点からは、貼合ヘッド521及び貼合ステージの双方が1つの供給ライン510Lに対してそれぞれ二つずつ設けられているのが好ましい。
移動装置550は、貼合ヘッド521を、ナイフエッジ510cと液晶パネルPとの間、又は、ナイフエッジ510cと回収ステージ543との間で移動させる。具体的に、移動装置550は、第一貼合ヘッド521Aが貼合シートF5を第一貼合ステージ541における液晶パネルPに貼合しているときに第二貼合ヘッド521Bをナイフエッジ510cに移動させ、且つ、第二貼合ヘッド521Bが貼合シートF5を第二貼合ステージ542における液晶パネルPに貼合しているときに第一貼合ヘッド521Aをナイフエッジ510cに移動させる。
移動装置550は、図13〜図16に示すように、互いに隣り合う位置に配置された第一移動装置550Aと第二移動装置550Bとを備えている。
第一移動装置550Aは、第一貼合ヘッド521Aを、ナイフエッジ510cと第一貼合ステージ541に保持された液晶パネルPとの間、又はナイフエッジ510cと回収ステージ543との間で移動させる。第二移動装置550Bは、第二貼合ヘッド521Bを、ナイフエッジ510cと第二貼合ステージ542に保持された液晶パネルPとの間、又はナイフエッジ510cと回収ステージ543との間で移動させる。以下、第一移動装置550Aと第二移動装置550Bとを、移動装置550と総称することがある。
移動装置550は、一つの第一移動部551と、二つの第二移動部552と、一つの第三移動部553と、を備えている。
第一移動部551は、貼合ヘッド521を吸着面541aの法線方向と平行な第一方向VC1に沿って移動させる。第一移動部551は、アクチュエータ等の動力部551aと、動力部551aにより第一方向VC1に沿って移動可能なアーム部551bと、アーム部551bを支持する支持部551cと、を有する。
第一貼合ヘッド521Aは、第一移動装置550Aにおけるアーム部551bの先端に取り付けられている。第二貼合ヘッド521Bは、第二移動装置550Bにおけるアーム部551bの先端に取り付けられている。
第二移動部552は、貼合ヘッド521をナイフエッジ510cと液晶パネルPとの間でシート搬送方向と平行な第二方向VC2に沿って移動させる。第二移動部552は、第二方向VC2に沿って延設するガイドレール552aと、ガイドレール552aに沿って移動可能なスライダー552bと、を有する。
第三移動部553は、貼合ヘッド521を、ナイフエッジ510cと液晶パネルPとの間、又は、ナイフエッジ510cと回収ステージ543との間で、シート搬送方向と直交する方向と平行な第三方向VC3に沿って移動させる。第三移動部553は、第三方向VC3に沿って延設するガイドレール553aと、ガイドレール553aに沿って移動可能なスライダー553bと、を有する。
ガイドレール553aは、スライダー552bのガイドレール552aの側とは反対側に取り付けられている。支持部551cは、スライダー553bのガイドレール553aの側とは反対側に取り付けられている。
第一移動装置550Aにおいて、動力部551aとスライダー553bとは、第一方向VC1から見て第一貼合ヘッド521Aが延長線510La側にずれて配置されるよう、互いに偏心して配置されている。具体的に、動力部551aは支持部551cの一端側(延長線510Laの側)に取り付けられており、スライダー553bは支持部551cの他端側(延長線510Laとは反対側)に取り付けられている。
第二移動装置550Bにおいて、動力部551aとスライダー553bとは、第一方向VC1から見て第二貼合ヘッド521Bが延長線510La側にずれて配置されるよう、互いに偏心して配置されている。具体的に、動力部551aは支持部551cの一端側(延長線510Laの側)に取り付けられており、スライダー553bは支持部551cの他端側(延長線510Laとは反対側)に取り付けられている。
このような構成により、第一移動装置550Aと第二移動装置550Bとが延長線510Laを挟んで離間して配置されていても、第一貼合ヘッド521A及び第二貼合ヘッド521Bの各々は、ナイフエッジ510c及び回収ステージ543のそれぞれに移動可能とされる。
第一回転装置561は、第一貼合ステージ541を水平面内で回転させ、第一貼合ステージ541に保持された液晶パネルPと第一貼合ヘッド521Aに保持された貼合シートF5との相対貼合位置を調整する。例えば、第一回転装置561は、第一貼合ステージ541の吸着面541aの法線方向と平行な回転軸を有するモーターと、モーターの回転力を第一貼合ステージ541に伝達する伝達機構と、を有する。第一貼合ステージ541は、伝達機構に取り付けられる。
第二回転装置562は、第二貼合ステージ542を水平面内で回転させ、第二貼合ステージ542に保持された液晶パネルPと第二貼合ヘッド521Bに保持された貼合シートF5との相対貼合位置を調整する。例えば、第二回転装置562は、第二貼合ステージ542の吸着面542aの法線方向と平行な回転軸を有するモーターと、モーターの回転力を第二貼合ステージ542に伝達する伝達機構と、を有する。第二貼合ステージ542は、伝達機構に取り付けられる。
第二移動部552は、セパレータシートF3aの剥離位置であるナイフエッジ510cの先端部に貼合ヘッド521を移動させる。第一移動部551は、貼合ヘッド521をセパレータ剥離位置510eの上方から下降させることで、保持面521aをナイフエッジ510cの先端部に上方から押し付け、セパレータ剥離位置510eにある貼合シートF5の先端部を保持面521aに貼着させる。
図12に示すように、本実施形態では、ナイフエッジ510cの先端部の下方に、当該部位における貼合シートF5のシート片(第一シート片F1m)のシート搬送下流側の先端を検出する第一検出カメラ571が設けられている。第一検出カメラ571の検出データは制御装置91に送られる。制御装置91は、例えば第一検出カメラ571が貼合シートF5の下流側端を検出した時点で、シート搬送装置510を一旦停止させ、その後に貼合ヘッド521を下降させてその保持面521aに貼合シートF5の先端部を貼着させる。
制御装置91は、第一検出カメラ571が貼合シートF5の下流側端を検出してシート搬送装置510を一旦停止させたとき、切断装置510bによる貼合シートF5のカットを実施する。すなわち、第一検出カメラ571による検出位置(第一検出カメラ571の光軸延長位置)と切断装置510bによるカット位置(切断装置510bの切断刃進退位置)との間のシート搬送経路に沿う距離が、貼合シートF5のシート片(第一シート片F1m)の長さに相当する。
切断装置510bはシート搬送経路に沿って移動可能とされ、この移動により第一検出カメラ571による検出位置と切断装置510bによるカット位置との間のシート搬送経路に沿う距離が変化する。切断装置510bの移動は制御装置91により制御され、例えば切断装置510bによる貼合シートF5の切断後にこれを貼合シートF5のシート片(第一シート片F1m)一つ分だけ巻き出した際、その切断端が所定の基準位置からずれる場合には、このずれを切断装置510bの移動により補正する。尚、切断装置510bの移動により長さの異なる貼合シートF5のカットに対応してもよい。また、切断装置510bの移動により長さの異なる不良品シートのカットに対応することができる。
本実施形態において、第一シート片F1mが吸着保持された貼合ヘッド521がセパレータ剥離位置510eから貼合位置へ移動する際、保持面521aに貼着保持された第一シート片F1mの例えば先端部に対する基端部の両角部は、一対の第二検出カメラ572にそれぞれ撮像される。各第二検出カメラ572の検出データは制御装置91に送られる。制御装置91は、例えば各第二検出カメラ572の撮像データに基づき、貼合ヘッド521に対する第一シート片F1mの水平方向(貼合ヘッド521の移動方向及びその直交方向並びに垂直軸中心の回転方向)の位置を確認する。貼合ヘッド521及び第一シート片F1mの相対位置にズレがある場合、貼合ヘッド521は第一シート片F1mの位置を所定の基準位置とするべくアライメントを行う。
この第一貼合装置51で行われる液晶パネルP及び第一シート片F1mのアライメントについては、制御装置91が、第一検出カメラ571、第二検出カメラ572及び第三検出カメラ573の検出データに基づいて、液晶パネルPの画素列の並び方向と第一シート片F1m(偏光フィルム)の偏光方向とが互いに一致するように、液晶パネルPに対する第一シート片F1mの相対貼合位置を決定する。
本実施形態において、貼合位置である第一貼合ステージ541及び第二貼合ステージ542のそれぞれの上方には、液晶パネルPの水平方向のアライメントを行うための一対の第三検出カメラ573が設けられている。各第三検出カメラ573は、例えば液晶パネルPのガラス基板(第一基板P1)の各角部をそれぞれ撮像する。第一検出カメラ571、第二検出カメラ572及び第三検出カメラ573の検出データは制御装置91に送られる。尚、第一検出カメラ571、第二検出カメラ572及び第三検出カメラ573に代わるセンサを用いることも可能である。
貼合ヘッド521は、例えば第一シート片F1mの貼合面(粘着層F2a)よりも弱い貼着力を有し、第一シート片F1mの表面保護フィルムF4a(図4参照)を繰り返し貼着、剥離可能とされているので、粘着層F2a側が液晶パネルPに押圧された第一シート片F1mは保持面521aから剥離されて液晶パネルP側に貼合される。本実施形態において、液晶パネルPは、第一貼合装置51により、液晶パネルPの表示面側の面に第一シート片F1mが貼合される。
本実施形態において、第一貼合装置51は、第一光学部材シートF1から第一光学部材F11よりも大きい第一シート片F1mを切り出し、貼合ヘッド521を傾動させることで保持面521aに貼着させる。第一貼合装置51は、貼合ヘッド521を第一貼合ステージ541上又は第二貼合ステージ542上の液晶パネルP上で傾動させることで第一シート片F1mの貼合を行う。
第一貼合ステージ541及び第二貼合ステージ542のそれぞれは、第一回転装置561及び第二回転装置562のそれぞれが第一検出カメラ571、第二検出カメラ572及び第三検出カメラ573の検出データに基づき制御装置91によって駆動制御されることで、水平面内で回転される。これにより、各貼合位置に対する液晶パネルPのアライメントがなされる。
この液晶パネルPに対し、貼合ヘッド521によるアライメントがなされた貼合シートF5のシート片(シート片FXm)を貼合することで、シート片FXmの貼合バラツキが抑えられ、液晶パネルPに対するシート片FXmの光学軸方向の精度が向上し、光学表示デバイスの精彩及びコントラストが高まる。
ここで、光学部材シートFXを構成する偏光子フィルムは、例えば二色性色素で染色したPVAフィルムを一軸延伸して形成されるが、延伸する際のPVAフィルムの厚さのムラや二色性色素の染色ムラ等に起因して、光学部材シートFXの面内に学軸方向のばらつきが生じる場合がある。
そこで、本実施形態では、記憶装置92(図1参照)に予め記憶したシート片FXmの各部における光学軸の面内分布の検査データに基づき、制御装置91が、シート片FXmに対する液晶パネルPの貼合位置(相対貼合位置)を決定する。そして、貼合手段50は、この貼合位置に合わせて、光学部材シートFXから切り出したシート片FXmに対する液晶パネルPのアライメントを行い、シート片FXmを液晶パネルPに貼合する。
液晶パネルPに対するシート片FXmの貼合位置(相対貼合位置)の決定方法は、例えば図17に示すとおりである。
まず、図17(a)に示すように、光学部材シートFXの幅方向に複数の検査ポイントCPを設定し、各検査ポイントCPにおいて光学部材シートFXの光学軸の方向を検出する。光学軸を検出するタイミングは、原反ロールR1の製造時でもよく、原反ロールR1から光学部材シートFXを巻き出してハーフカットするまでの間でもよい。光学部材シートFXの光学軸方向のデータは、光学部材シートFXの位置(光学部材シートFXの長手方向の位置及び幅方向の位置)と関連付けられて記憶装置92(図1参照)に記憶される。
制御装置91は、記憶装置92(図1参照)から各検査ポイントCPの光学軸のデータ(光学軸の面内分布の検査データ)を取得し、シート片FXmが切り出される部分の光学部材シートFX(切込線CLによって区画される領域)の平均的な光学軸の方向を検出する。
例えば、図17(b)に示すように、光学軸の方向とシート片FXmのエッジラインELとのなす角度(ずれ角)を検査ポイントCP毎に検出し、ずれ角のうち最も大きな角度(最大ずれ角)をθmaxとし、最も小さな角度(最小ずれ角)をθminとしたときに、最大ずれ角θmaxと最小ずれ角θminとの平均値θmid(=(θmax+θmin)/2)を平均ずれ角として検出する。そして、シート片FXmのエッジラインELに対して平均ずれ角θmidをなす方向をシート片FXmの平均的な光学軸の方向として検出する。尚、前記ずれ角は、例えば、シート片FXmのエッジラインELに対して左回りの方向を正とし、右回りの方向を負として算出される。
そして、上記の方法で検出された光学部材シートFXの平均的な光学軸の方向が、液晶パネルPの長辺又は短辺に対して所望の角度をなすように、液晶パネルPに対するシート片FXmの貼合位置(相対貼合位置)が決定される。例えば、設計仕様によって光学部材F1Xの光学軸の方向が液晶パネルPの長辺又は短辺に対して90°をなす方向に設定されている場合には、光学部材シートFXの平均的な光学軸の方向が液晶パネルPの長辺又は短辺に対して90°をなすように、シート片FXmが液晶パネルPに貼合される。
尚、光学部材シートFXの面内の平均的な光学軸の方向の検出方法は上記方法に限定されることはない。例えば、光学部材シートFXの幅方向に設定された複数の検査ポイントCP(図17(a)参照)の中から一又は複数の検査ポイントCPを選択し、選択された検査ポイントCP毎に、光学軸の方向と光学部材シートFXのエッジラインELとのなす角度(ずれ角)を検出する。そして、選択された一又は複数の検査ポイントCPの光学軸方向のずれ角の平均値を平均ずれ角として検出し、光学部材シートFXのエッジラインELに対して平均ずれ角をなす方向を光学部材シートFXの平均的な光学軸の方向として検出してもよい。
また、本実施形態において、第一貼合装置51の第一貼合ステージ541及び第二貼合ステージ542に液晶パネルPを搬送する搬送機構として、搬送ロボットを用いてもよい。以下、搬送ロボットの一例について図18及び図19を用いて説明する。尚、図18及び図19においては、第一貼合ステージ541及び第二貼合ステージ542のうち第一貼合ステージ541に液晶パネルPが搬送される例を挙げて説明する。
先ず、図18を用いて、液晶パネルPの長辺が第二方向VC2に沿った姿勢で、液晶パネルPが第一貼合ステージ541に配置される例を説明する。
図18は、搬送ロボット580を示す模式図である。図18(a)は、搬送ロボット580の平面図、図18(b)は搬送ロボット580の側面図である。
図18(a)及び図18(b)に示すように、搬送ロボット580は、第一アーム部581a、第二アーム部581b、吸着アーム部582、第一軸部583a、第二軸部583b及び第三軸部583cを備えている。
第一アーム部581aの一端部は、第一方向VC1に沿って長手を有する第一軸部583aの一端部に取り付けられている。第一アーム部581aの他端部には、第一方向VC1に沿って長手を有する第二軸部583bの一端部(下端部)が取り付けられている。第一アーム部581aは、第一軸部583aを基準に第一方向VC1周りに回動可能である。
第二アーム部581bの一端部は、第二軸部583bの他端部(上端部)に取り付けられている。第二アーム部581bの他端部には、第一方向VC1に沿って長手を有する第三軸部583cの一端部(上端部)が取り付けられている。第二アーム部581bは、第二軸部583bを基準に第一方向VC1周りに回動可能である。
一方向に長手を有する吸着アーム部582の中心部は、第三軸部583cの他端部(下端部)に取り付けられている。吸着アーム部582は、第三軸部583cを基準に第一方向VC1周りに回動可能である。吸着アーム部582は、液晶パネルPを吸着保持可能である。
搬送ロボット580は、制御装置91の制御により、第一アーム部581a、第二アーム部581b及び吸着アーム部582のそれぞれが、第一方向VC1周りに回動可能に構成されている。
本図では、液晶パネルPの長辺が第二方向VC2に沿った姿勢の液晶パネルPを吸着アーム部582の一端部で吸着保持すると共に、第一アーム部581a及び第二アーム部581bを第二方向VC2に沿って配置し、且つ、吸着アーム部582を第三方向VC3に沿って配置した状態で、液晶パネルPを第一貼合ステージ541に搬送する。これにより、液晶パネルPの長辺が第二方向VC2に沿った姿勢で、液晶パネルPが第一貼合ステージ541に配置される。
次に、図19を用いて、液晶パネルPの長辺が第三方向VC3に沿った姿勢で、液晶パネルPが第一貼合ステージ541に配置される例を説明する。
図19は、搬送ロボット580を示す模式図である。図19(a)は、搬送ロボット580の平面図、図19(b)は搬送ロボット580の側面図である。
尚、図19(a)及び図19(b)に示す搬送ロボット580において、図18(a)及び図18(b)と同様の構成については同様の符号を付し、その詳細説明を省略する。また、図19(a)及び図19(b)においては、図18(a)及び図18(b)に示した姿勢、すなわち第一アーム部581a及び第二アーム部581bを第二方向VC2に沿って配置し、且つ、吸着アーム部582を第三方向VC3に沿って配置した姿勢を基準姿勢として説明する。
図19(a)及び図19(b)に示すように、液晶パネルPの長辺が第三方向VC3に沿った姿勢の液晶パネルPを吸着アーム部582の他端部で吸着保持し、且つ、基準姿勢に対し、第一アーム部581a、第二アーム部581b及び吸着アーム部582を所定量回動させる。具体的に、第一アーム部581aを第一軸部583a基準に第一方向VC1周りに左回りに回動させると共に、第二アーム部581bを第二軸部583b基準に第一方向VC1周りに右回りに回動させ、且つ、吸着アーム部582を第三軸部583c基準に第一方向VC1周りに左回りに回動させる。これにより、第一アーム部581aを第二方向VC2に対して図19(a)に示す下側に傾斜させると共に、第二アーム部581bを第三方向VC3に対して図19(a)に示す右側に傾斜させ、且つ、吸着アーム部582を第二方向VC3に沿って配置させる。この状態で、液晶パネルPを第一貼合ステージ541に搬送する。これにより、液晶パネルPの長辺が第三方向VC3に沿った姿勢で、液晶パネルPが第一貼合ステージ541に配置される。
本実施形態では、第一貼合装置51により液晶パネルPの表示面側の面に第一シート片F1mが貼合されることにより、第一シート片貼合体PA1が形成される。第一貼合装置51によって形成された第一シート片貼合体PA1は、テーブル12aへと受け渡される(図1参照)。
尚、第一貼合装置51は、複数の貼合ヘッド521を備えているため、第一シート片F1mの貼合処理に長時間を要する場合であっても、第一シート片F1mの供給が停滞することを抑制することができる。従って、第一シート片貼合体PA1の生産効率の低下を抑制することができる。
図1に戻り、テーブル12b及びスライダ機構13bは、吸着アーム14bを挟んで、テーブル12a及びスライダ機構13aと対向して配置されている。スライダ機構13bは、平面視で直線形状を形成する。スライダ機構13bは。第一シート片貼合体PA1を保持するテーブル12bをスライダ機構13bの長手方向に沿って移動可能である。
吸着アーム14bは、テーブル12aに保持された第一シート片貼合体PA1を吸着保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送する。例えば、吸着アーム14bは、吸着保持した第一シート片貼合体PA1をテーブル12bの直上へ水平状態のまま搬送し、この位置で吸着を解除して第一シート片貼合体PA1をテーブル12bに受け渡す。第一シート片貼合体PA1は、テーブル12b及びスライダ機構13bにより、第一反転装置81へと受け渡される。
(第一反転装置)
図20は、第一反転装置81を示す平面図である。
図20に示すように、第一反転装置81は、例えば第一シート片貼合体PA1の搬送方向に対して平面視で45°に傾斜した回動軸81aと、回動軸81aを介してスライダ機構13bの上方に支持される反転アーム81bとを有する。反転アーム81bは、第一貼合装置51を経てテーブル12bに受け渡された第一シート片貼合体PA1を吸着や挟持等により保持し、この反転アーム81bが回動軸81a回りに180°回動することで、第一シート片貼合体PA1の表裏を反転させると共に、例えば液晶パネルPの短辺と平行に搬送されていた第一シート片貼合体PA1を液晶パネルPの長辺と平行に搬送されるように方向転換させる。
前記反転は、液晶パネルPの表裏面に貼合する各光学部材F1Xが偏光軸方向を互いに直角に配置するような場合になされる。
尚、単に液晶パネルPの表裏を反転させる場合には、例えば搬送方向と平行な回動軸を有する反転アームを有する反転装置を用いればよい。この場合、第一貼合装置51のシート搬送方向と第二貼合装置52のシート搬送方向とを平面視で互いに直角にして配置すれば、液晶パネルPの表裏面に互いに偏光軸方向を直角にしたシート片FXmを貼合できる。
第一反転装置81は、液晶パネルPの表示面側を上面にした第一シート片貼合体PA1を表裏反転させて液晶パネルPのバックライト側を上面にする。第一反転装置81を経た第一シート片貼合体PA1は、搬送コンベア11dへと受け渡される。
図1に戻り、搬送コンベア11dは、第一シート片貼合体PA1を保持して搬送する。搬送コンベア11dでは、第一シート片貼合体PA1が液晶パネルPの長辺を搬送方向に沿うようにして搬送される。
吸着アーム14cは、搬送コンベア11dの側方において、搬送コンベア11dとスライダ機構13cとの間に配置されている。スライダ機構13cは、平面視で直線形状を形成する。スライダ機構13cは。第一シート片貼合体PA1を保持するテーブル12cをスライダ機構13cの長手方向に沿って移動可能である。
吸着アーム14cは、搬送コンベア11dに保持された第一シート片貼合体PA1を吸着保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送する。例えば、吸着アーム14cは、吸着保持した第一シート片貼合体PA1をテーブル12cの直上へ水平状態のまま搬送し、この位置で吸着を解除して第一シート片貼合体PA1をテーブル12cに受け渡す。第一シート片貼合体PA1は、テーブル12c及びスライダ機構13cにより、第二貼合装置52へと受け渡される。
(第二貼合装置)
第二貼合装置52は、第一シート片貼合体PA1において液晶パネルPのバックライト側の面に第二シート片F2mを貼合する。第二シート片F2mは、第二光学部材F12よりも大きいサイズの第二光学部材シートF2のシート片である。第二貼合装置52により第一シート片貼合体PA1の第一シート片F1mとは反対側の面に第二シート片F2mが貼合されることにより、第二シート片貼合体PA2が形成される。第二貼合装置52によって形成された第二シート片貼合体PA2は、テーブル12cへと受け渡される。
尚、第二貼合装置52は、複数の貼合ヘッド521(図12参照)を備えているため、第二シート片F2mの貼合処理に長時間を要する場合であっても、第二シート片F2mの供給が停滞することを抑制することができる。従って、第二シート片貼合体PA2の生産効率の低下を抑制することができる。
吸着アーム14cは、テーブル12cに保持された第二シート片貼合体PA2を吸着保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送する。例えば、吸着アーム14cは、吸着保持した第二シート片貼合体PA2を搬送コンベア11dの直上へ水平状態のまま搬送し、この位置で吸着を解除して第二シート片貼合体PA2を搬送コンベア11dに受け渡す。搬送コンベア11dでは、第二シート片貼合体PA2が液晶パネルPの長辺を搬送方向に沿うようにして搬送される。
吸着アーム14dは、搬送コンベア11dの側方において、スライダ機構13dとスライダ機構13eとの間に配置されている。スライダ機構13d及びスライダ機構13eは、吸着アーム14dを挟んで対向して配置されている。スライダ機構13d及びスライダ機構13eは、それぞれ平面視で直線形状を形成する。スライダ機構13dは。第二シート片貼合体PA2を保持するテーブル12dをスライダ機構13dの長手方向に沿って移動可能である。スライダ機構13eは。第二シート片貼合体PA2を保持するテーブル12eをスライダ機構13eの長手方向に沿って移動可能である。
吸着アーム14dは、搬送コンベア11dに保持された第二シート片貼合体PA2を吸着保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送する。例えば、吸着アーム14dは、吸着保持した第二シート片貼合体PA2をテーブル12dの直上へ水平状態のまま搬送し、この位置で吸着を解除して第二シート片貼合体PA2をテーブル12dに受け渡す。第二シート片貼合体PA2は、テーブル12d及びスライダ機構13dにより、第三貼合装置53へと受け渡される。
尚、吸着アーム14dは、吸着保持した第二シート片貼合体PA2をテーブル12eの直上へ水平状態のまま搬送し、この位置で吸着を解除して第二シート片貼合体PA2をテーブル12eに受け渡してもよい。この場合、第二シート片貼合体PA2は、テーブル12e及びスライダ機構13eにより、第三貼合装置53へと受け渡される。
(第三貼合装置)
第三貼合装置53は、第二シート片貼合体PA2において液晶パネルPのバックライト側の面に第三シート片F3mを貼合する。第三シート片F3mは、第三光学部材F13よりも大きいサイズの第三光学部材シートF3のシート片である。第三貼合装置53により第二シート片貼合体PA2の第二シート片F2m側の面に第三シート片F3mが貼合されることにより、第三シート片貼合体PA3が形成される。第三貼合装置53によって形成された第三シート片貼合体PA3は、テーブル12eへと受け渡される。
尚、第三貼合装置53は、複数の貼合ヘッド521(図12参照)を備えているため、第三シート片F3mの貼合処理に長時間を要する場合であっても、第三シート片F3mの供給が停滞することを抑制することができる。従って、第三シート片貼合体PA3の生産効率の低下を抑制することができる。
吸着アーム14dは、テーブル12eに保持された第三シート片貼合体PA3を吸着保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送する。例えば、吸着アーム14dは、吸着保持した第三シート片貼合体PA3を搬送コンベア11dの直上へ水平状態のまま搬送し、この位置で吸着を解除して第三シート片貼合体PA3を搬送コンベア11dに受け渡す。搬送コンベア11dでは、第三シート片貼合体PA3が液晶パネルPの長辺を搬送方向に沿うようにして搬送される。
スライダ機構13fは、搬送コンベア11dのパネル搬送下流側に配置されている。スライダ機構13fは、平面視で直線形状を形成する。スライダ機構13fは。第三シート片貼合体PA3を保持するテーブル12fをスライダ機構13fの長手方向に沿って移動可能である。第三シート片貼合体PA3は、テーブル12f及びスライダ機構13fにより、第一切断装置61へと受け渡される。
(第一切断装置)
図21は、第一切断装置61を示す斜視図である。尚、第二切断装置62も同様の構成を有するものとしてその詳細説明は省略する。
第一切断装置61は、第三シート片貼合体PA3を切断対象とし、第二シート片F2m及び第三シート片F3mの双方の余剰部分を切り離し、液晶パネルPのバックライト側の貼合面に対応する大きさの第二光学部材F12及び第三光学部材F13を形成する切断処理を行う。第一切断装置61は、例えばレーザー光照射装置である。
図21に示すように、第一切断装置61は、第一テーブル611と、第二テーブル612(図1参照)と、レーザー光発振機620と、EBS630(Electrical Beam Shaping:図22参照)を構成する音響光学素子631と、IOR640(Imaging Optics Rail)と、スキャナー650と、移動装置660と、これらの装置を統括制御する制御装置670と、を備えている。
第一テーブル611は、切断処理が施される第三シート片貼合体PA3を保持する保持面611aを有する。第一テーブル611は、保持面611aの法線方向から見て矩形である。保持面611aは、第一の方向(X方向)に長手を有する長方形の第一保持面611a1と、第一保持面611a1に隣接して配置され且つ第一保持面611a1と同一形状の第二保持面611a2と、を有する。すなわち、第一テーブル611は、第一保持面611a1および第二保持面611a2を有することで、2つの第三シート片貼合体PA3を同時に保持することが可能とされている。
第二テーブル612(図1参照)も、第一テーブル611と同様、第三シート片貼合体PA3を保持する保持面612aを有する。第一テーブル611及び第二テーブル612を備えることで、複数の第三シート片貼合体PA3を保持することが可能とされている。
レーザー光発振機620は、レーザー光Lを発振する部材である。例えば、レーザー光発振機620としては、COレーザー光発振機(二酸化炭素レーザー光発振機)、UVレーザー光発振機、半導体レーザー光発振機、YAGレーザー光発振機、エキシマレーザー光発振機等の発振機を用いることができるが、具体的な構成は特に限定されるものではない。前記例示の発振機の中でもCOレーザー光発振機は、例えば偏光フィルム等の光学部材の切断加工に好適な高出力でレーザー光を発振することができるので、より好ましい。
図22は、EBS630の構成を示す図である。
図22に示すように、EBS630は、レーザー光発振機620から発振されるレーザー光の光路上に配置された音響光学素子631と、音響光学素子631と電気的に接続された駆動ドライバ632と、レーザー光が音響光学素子631を通過するタイミングを制御する制御装置670(後述するレーザー制御部671に相当)と、を有する。
EBS630は、レーザー光の出力が安定するまでレーザー光を遮蔽する。
音響光学素子631は、レーザー光発振機620から発振されたレーザー光を遮蔽するための光学素子である。音響光学素子631は、例えば、二酸化テルル(TeO)やモリブデン酸鉛(PbMoO)などの単結晶又はガラスからなる音響光学媒体に圧電素子を接着したものである。圧電素子に電気信号を加えて超音波を発生させ、この超音波を音響光学媒体中に伝搬させることで、レーザー光の通過と非通過(遮蔽)を制御することができる。
尚、本実施形態では、EBS630の構成部材として音響光学素子631を用いているが、これに限らない。レーザー光発振機620から発振されたレーザー光を遮蔽することができれば、他の光学素子を用いてもよい。
駆動ドライバ632は、制御装置670の制御に基づいて、音響光学素子631に超音波を発生させるための電気信号(制御信号)を供給し、音響光学素子631によるレーザー光の遮蔽時間を調整する。
制御装置670は、例えば、レーザー光発振機620から発振されるレーザー光の立ち上がり部分及び立ち下がり部分が除去されるよう、レーザー光が音響光学素子631を通過するタイミングを制御する。
尚、制御装置670によるタイミング制御はこれに限らない。例えば、制御装置670が、レーザー光発振機620から発振されるレーザー光の立ち上がり部分が選択的に除去されるよう、レーザー光が音響光学素子631を通過するタイミングを制御してもよい。
特に、レーザー光発振機620から発振されるレーザー光の立ち下がり部分の幅(時間)がレーザー光の立ち上がり部分の幅(時間)よりも十分に短い場合には、レーザー光の立ち下がり部分を除去する実益が小さい。そのため、このような場合には、レーザー光発振機620から発振されるレーザー光の立ち上がり部分のみを選択的に除去してもよい。
このような構成により、EBS630は、制御装置670の制御に基づいて、レーザー光発振機620から発振されたレーザー光を、出力が安定した状態で射出する。IOR640は、レーザー光の強度分布のうち第三シート片貼合体PA3の切断には寄与しない裾の部分を除去する。
図23は、IOR640の内部構成を示す斜視図である。
図23に示すように、IOR640は、EBS630から射出されたレーザー光を集光する第一集光レンズ641と、第一集光レンズ641を保持する第一保持枠642と、第一集光レンズ641によって集光されたレーザー光を絞る絞り部材643と、絞り部材643を保持する保持部材644と、絞り部材643によって絞られたレーザー光を平行化するコリメートレンズ645と、コリメートレンズ645を保持する第二保持枠646と、第一保持枠642、保持部材644及び第二保持枠646を相対移動させる移動機構647と、を有する。
図24は、第一集光レンズ641、絞り部材643及びコリメートレンズ645の配置構成を示す側断面図である。
図24に示すように、絞り部材643には、第一集光レンズ641によって集光されたレーザー光を絞るためのピンホール643hが形成されている。第一集光レンズ641、ピンホール643h及びコリメートレンズ645の各々の中心は、EBS630から射出されたレーザー光の光軸Cと重なる位置に配置されている。
絞り部材643は、第一集光レンズ641の後側焦点の近傍に配置されていることが好ましい。
ここで、「第一集光レンズ641の後側焦点の近傍」とは、絞り部材643の配置位置が第一集光レンズ641の後側焦点から大きく位置ズレしない範囲で、配置位置を若干異ならせてもよいことを意味する。例えば、第一集光レンズ641の中心から第一集光レンズ641の後側焦点までの距離Kと第一集光レンズ641の中心から絞り部材643のピンホール643hの中心までの距離Kとの比K/Kが0.9/1以上1.1/1以下の範囲であれば、絞り部材643が第一集光レンズ641の後側焦点の近傍に配置されているといえる。このような範囲であれば、第一集光レンズ641によって集光されたレーザー光を効果的に絞ることができる。
尚、絞り部材643は、第一集光レンズ641の後側焦点の近傍に配置されていることが好ましいが、絞り部材643の配置位置は、必ずしもこの位置に限定されない。絞り部材643の配置位置は、第一集光レンズ641とコリメートレンズ645との間の光路上であればよく、第一集光レンズ641の後側焦点の近傍に限らない。
図23に戻り、移動機構647は、第一保持枠642、保持部材644及び第二保持枠646の各々を、レーザー光の進行方向と平行な方向に移動させるスライダ機構648と、スライダ機構648を保持する保持台649と、を有する。
例えば、保持部材644を定位置に配置した状態で、第一保持枠642及び第二保持枠646をレーザー光の進行方向と平行な方向に移動させることにより、第一保持枠642、保持部材644及び第二保持枠646の相互の位置決めが行われる。具体的には、絞り部材643をコリメートレンズ645の前側焦点の位置で且つ第一集光レンズ641の後側焦点の位置に配置する。
図21に戻り、スキャナー650は、レーザー光を保持面611aと平行な平面内で2軸走査する。すなわち、スキャナー650は、第一テーブル611に対して、レーザー光を保持面611aに平行な第一の方向(X方向)と、保持面611aに平行かつ第一の方向と直交する第二の方向(Y方向)と、に独立に相対移動させる。これにより、第一テーブル611に保持された第三シート片貼合体PA3の任意の位置に精度よくレーザー光を照射することが可能となっている。
スキャナー650は、第一照射位置調整装置651と、第二照射位置調整装置654と、を備えている。
第一照射位置調整装置651及び第二照射位置調整装置654は、IOR640から射出されたレーザー光を保持面611aと平行な平面内で2軸走査する走査素子を構成している。第一照射位置調整装置651及び第二照射位置調整装置654としては、例えば、ガルバノスキャナーを用いる。尚、走査素子としては、ガルバノスキャナーに限らず、ジンバルを用いることもできる。
第一照射位置調整装置651は、ミラー652と、ミラー652の設置角度を調整するアクチュエータ653と、を備えている。アクチュエータ653は、第一の方向及び第二の方向に直交する第三の方向(Z方向)に平行な回転軸を有する。アクチュエータ653は、制御装置670の制御に基づいて、ミラー652をZ軸回りに回転させる。
第二照射位置調整装置654は、ミラー655と、ミラー655の設置角度を調整するアクチュエータ656と、を備えている。アクチュエータ656は、Y方向に平行な回転軸を有する。アクチュエータ656は、制御装置670の制御に基づいて、ミラー655をY軸回りに回転させる。
スキャナー650と第一テーブル611との間の光路上には、スキャナー650を経由したレーザー光を保持面611aに向けて集光する第二集光レンズ680が配置されている。
例えば、第二集光レンズ680としては、fθレンズを用いる。これにより、ミラー655から第二集光レンズ680に平行に射出されたレーザー光を第三シート片貼合体PA3に平行に集光させることができる。
尚、スキャナー650と第一テーブル611との間の光路上に、第二集光レンズ680が配置されていない構成であってもよい。
レーザー光発振機620から発振されたレーザー光Lは、音響光学素子631、IOR640、ミラー652、ミラー655、第二集光レンズ680を経由して第一テーブル611に保持された第三シート片貼合体PA3に照射される。第一照射位置調整装置651、第二照射位置調整装置654は、制御装置670の制御に基づいて、レーザー光発振機620から第一テーブル611に保持された第三シート片貼合体PA3に向けて照射されるレーザー光の照射位置を調整する。
スキャナー650の制御によるレーザー光の加工領域(以下、スキャン領域610sと称する)は、保持面611aの法線方向から見て矩形である。本実施形態では、スキャン領域610sの面積は、第一保持面611a1及び第二保持面611a2の各々の面積よりも小さい。
図25(a)〜(d)は、EBS630の作用を説明するための図である。
図25(a)は、レーザー光発振機620から発振されるレーザー光の制御信号を示している。
図25(b)は、レーザー光発振機620から発振されたレーザー光そのものの出力特性、即ちレーザー光発振機620から発振されたレーザー光が音響光学素子631を通過する前のレーザー光の出力特性を示している。
図25(c)は、音響光学素子631の制御信号を示している。
図25(d)は、レーザー光発振機620から発振されたレーザー光が音響光学素子631を通過した後のレーザー光の出力特性を示している。
図25(b)、(d)の各々において、横軸は時間、縦軸はレーザー光の強度である。
図26(a)〜(d)は、図25(a)〜(d)において、レーザー光の1つのパルスに着目した図である。
尚、以下の説明では、「レーザー光発振機620から発振されるレーザー光の制御信号」を「レーザー光の制御信号」と称する。「レーザー光発振機620から発振されたレーザー光が音響光学素子631を通過する前のレーザー光の出力特性」を「音響光学素子631通過前のレーザー光の出力特性」と称する。「レーザー光発振機620から発振されたレーザー光が音響光学素子631を通過した後のレーザー光の出力特性」を「音響光学素子631通過後のレーザー光の出力特性」と称する。
図25(a)、図26(a)に示すように、レーザー光の制御信号のパルスPs1は矩形パルスである。図25(a)に示すように、レーザー光の制御信号は、レーザー光発振機620へのON/OFF信号が周期的に切り替えられることにより複数のパルスPs1を発生させる、いわゆるクロックパルスである。
図25(a)、図26(a)において、パルスPs1の山の部分は、レーザー光発振機620へON信号が送られた状態、即ちレーザー光発振機620からレーザー光が発振されるON状態である。パルスPs1の谷の部分は、レーザー光発振機620へOFF信号が送られた状態、即ちレーザー光発振機620からレーザー光が発振されないOFF状態である。
図25(a)に示すように、3つのパルスPs1が短い間隔で配置されることにより1つの集合パルスPL1が形成されている。3つの集合パルスPL1は、3つのパルスPs1の配置間隔よりも長い間隔で配置されている。例えば、隣り合う2つのパルスPs1の間の間隔は1msであり、隣り合う2つの集合パルスPL1の間の間隔は10msである。
尚、本実施形態では、3つのパルスPs1が短い間隔で配置されることにより1つの集合パルスPL1が形成される例を挙げて説明しているが、これに限らない。例えば、2つ又は4つ以上の複数のパルスが短い間隔で配置されることにより1つの集合パルスが形成されていてもよい。
また、複数のパルスが周期的に形成されることに限らず、1つのパルスが長い幅で形成される構成であってもよい。即ち、レーザー光発振機へのON信号からOFF信号まで一定の強度のレーザー光が所定の時間だけ発振される構成であってもよい。
図25(b)、図26(b)に示すように、音響光学素子631通過前のレーザー光の出力特性のパルスPs2は、立ち上がり部分G1と立ち下がり部分G2とを有する波形パルスである。
ここで、立ち上がり部分G1とは、パルスPs2のうちレーザー光の強度がゼロから対象物の切断に寄与する強度に達するまでの期間における部分を意味する。立ち下がり部分G2とは、レーザー光の出力特性のパルスPs2のうちレーザー光の強度が対象物の切断に寄与する強度からゼロに至るまでの期間における部分を意味する。対象物の切断に寄与する強度は、対象物の材質や厚み、レーザー光の出力値によって異なるが、一例として、図26(b)に示すように、レーザー光のピーク強度(100%)の50%の強度とする。
図25(b)、図26(b)に示すように、パルスPs2の立ち上がり部分G1の幅が立ち下がり部分G2の幅よりも長い。つまり、レーザー光発振機620から発振されるレーザー光の立ち上がり部分G1の時間がレーザー光の立ち下がり部分G2の時間よりも長い。例えば、立ち上がり部分G1の幅は45μsであり、立ち下がり部分G2の幅は25μsである。
尚、本実施形態では、パルスPs2の立ち上がり部分G1の幅が立ち下がり部分G2の幅よりも長い例を挙げて説明しているが、これに限らない。例えば、パルスPs2の立ち上がり部分G1の幅が立ち下がり部分G2の幅と概ね等しい場合、パルスPs2の立ち上がり部分G1の幅が立ち下がり部分G2の幅よりも短い場合、においても本発明を適用可能である。
図25(c)、図26(c)に示すように、音響光学素子631の制御信号のパルスPs3は矩形パルスである。図25(c)に示すように、音響光学素子631の制御信号は、レーザー光が音響光学素子631を通過するタイミングが周期的に切り替えられるように駆動ドライバ632への制御信号が周期的に切り替えられることにより複数のパルスPs3を発生させる、いわゆるクロックパルスである。
図25(c)、図26(c)において、パルスPs3の山の部分は、レーザー光を通過させる状態、即ちレーザー光を透過させる透光状態である。パルスPs3の谷の部分は、レーザー光を通過させない状態、即ちレーザー光を遮蔽する遮光状態である。
図26(c)に示すように、各パルスPs3の谷の部分が図26(b)に示す各パルスPs2の立ち上がり部分G1及び立ち下がり部分G2の双方に重なるように配置されている。
図26(c)に示すように、1つのパルスPs3に着目すると、パルスPs3の前側の谷の部分V1の幅がパルスPs2の立ち上がり部分G1の幅よりも大きく、且つ、パルスPs3の後側の谷の部分V2の幅がパルスPs2の立ち下がり部分の幅と概ね等しい。例えば、パルスPs3の前側の谷の部分V1の幅は45μs、パルスPs3の後側の谷の部分V2の幅は25μsである。このように、EBS630は、早い応答特性を持つスイッチ機能を有する。
これにより、レーザー光の立ち上がり部分G1と立ち下がり部分G2とを除去し、レーザー光の出力特性のパルスPs2のうちレーザー光の強度が対象物の切断に寄与する部分を選択的に取り出すことができる。
その結果、図25(d)、図26(d)に示すように、音響光学素子631通過後のレーザー光の出力特性のパルスPs4は、立ち上がり部分G1と立ち下がり部分G2とを有しない、シャープに突出したパルスとなる。
尚、本実施形態では、パルスPs3の前側の谷の部分V1の幅がパルスPs2の立ち上がり部分G1の幅よりも大きく、且つ、パルスPs3の後側の谷の部分V2の幅がパルスPs2の立ち下がり部分の幅と概ね等しい例を挙げて説明しているが、これに限らない。
例えば、パルスPs3の前側の谷の部分V1の幅をパルスPs2の立ち上がり部分G1の幅と概ね等しくしたり、パルスPs3の後側の谷の部分V2の幅をパルスPs2の立ち下がり部分の幅よりも大きくしたりする等、必要に応じて適宜調整することができる。
図27は、IOR640の作用を説明するための図である。
図27の左段の図はピンホール643hを通過する前のレーザー光の強度分布を示す図である。図27の左段上段の図は平面図であり、図27の左段中段の図は斜視図であり、図27の左段下段の図は横軸を位置、縦軸を強度として示す図である。
図27の右段の図はピンホール643hを通過した後のレーザー光の強度分布を示す図である。図27の右段上段の図は平面図であり、図27の右段中段の図は斜視図であり、図27の右段下段の図は横軸を位置、縦軸を強度として示す図である。
図28は、比較例に係るレーザー光照射装置を用いて、対象物である偏光板を切断したときの切断面の拡大図である。
ここで、比較例に係るレーザー光照射装置は、ピンホール643hを通過する前のレーザー光をそのまま用いたレーザー光照射装置、即ちIOR640を備えていないレーザー光照射装置である。
図29は、本実施形態に係るレーザー光照射装置(第一切断装置61)を用いて、対象物である偏光板を切断したときの切断面の拡大図である。
図27の左段の図に示すように、ピンホール643hを通過する前のレーザー光の強度分布は、ビームの中心部において強度が強く、ビームの外周部において強度の弱い強度分布となっている。ビームの外周部のレーザー光の強度が小さくなると、ビームの外周部は対象物の切断に寄与しなくなる。
この場合、図28に示すように、比較例に係るレーザー光照射装置では、偏光板の切断面がテーパ形状となっていることが確認される。これは、偏光板をカットする際、レーザー光のビーム径の外周部がカットラインに沿う部分に熱影響を与えたことにより、偏光板のカット領域以外の部分が溶解したことが原因と考えられる。
これに対し、図27の右段の図に示すように、ピンホール643hを通過した後のレーザー光の強度分布は、レーザー光の強度分布のうち偏光板の切断には寄与しない裾の部分が除去されることにより、レーザー光の強度分布が理想的なガウシアン分布となる。ピンホール643hを通過した後のレーザー光の強度分布の半値幅は、ピンホール643hを通過する前のレーザー光の強度分布の半値幅よりも狭くなっている。
この場合、図29に示すように、本実施形態に係るIOR640を備えたレーザー光照射装置では、偏光板の切断面が保持面に垂直になっていることが確認される。これは、偏光板をカットする際、レーザー光の強度分布のうち偏光板の切断に寄与する部分が偏光板に照射されることにより、偏光板のカット領域を選択的に溶断できたことによると考えられる。
図21に戻り、移動装置660は、第一テーブル611及び第二テーブル612(図1参照)のそれぞれとスキャナー650とを相対移動させる。移動装置660は、第一スライダ機構661と、第二スライダ機構662と、を含む。第一スライダ機構661は、第一テーブル611及び第二テーブル612のそれぞれを第一の方向(X方向)に移動させるためのものである。第二スライダ機構662は、第一スライダ機構661を第二の方向(Y方向)に移動させるためのものである。
このような構成に基づき、移動装置660は、第一スライダ機構661及び第二スライダ機構662の各々が内蔵するリニアモータ(不図示)を作動させて第一テーブル611及び第二テーブル612のそれぞれを、第一の方向及び第二の方向の各方向へ移動させることが可能とされている。
第一スライダ機構661及び第二スライダ機構662内においてパルス駆動されるリニアモータは、当該リニアモータに供給されるパルス信号によって出力軸の回転角度制御を精細に行うことができる。従って、第一スライダ機構661に支持された第一テーブル611及び第二テーブル612のそれぞれの第一の方向及び第二の方向の各方向上の位置を高精度に制御できる。尚、第一テーブル611及び第二テーブル612(図1参照)の位置制御はパルスモータを用いた位置制御に限られず、サーボモータを用いたフィードバック制御や、その他任意の制御方法によって実現することもできる。
制御装置670は、レーザー光発振機620及び音響光学素子631(駆動ドライバ632)を制御するレーザー制御部671と、スキャナー650を制御するスキャナー制御部672と、移動装置660を制御するスライダ制御部673と、を有する。
具体的には、レーザー制御部671は、レーザー光発振機620のON/OFF、レーザー光発振機620から発振されるレーザー光の出力、レーザー光発振機620から発振されたレーザー光Lが音響光学素子631を通過するタイミング、駆動ドライバ632の制御を行う。
スキャナー制御部672は、第一照射位置調整装置651のアクチュエータ653、第二照射位置調整装置654のアクチュエータ656の各々駆動の制御を行う。
スライダ制御部673は、第一スライダ機構661及び第二スライダ機構662の各々が内蔵するリニアモータの作動の制御を行う。
(カット位置決定手段)
図30は、カット位置決定手段90によるカット位置の決定方法の説明図である。
カット位置決定手段90は、液晶パネルPにシート片FXmを貼り合わさる前に検出された液晶パネルPの外形形状の検出データに基づいて、液晶パネルPに貼合された第二シート片F2m及び第三シート片F3mのカット位置(第一カット位置FC1)と液晶パネルPに貼合された第一シート片F1mのカット位置(第二カット位置FC2)とを決定する。尚、カット位置決定手段90は、検出装置30(図6参照)と同様の構成(照明装置及び撮像装置)を含む。
図30に示すように、第三シート片貼合体PA3には、第一カット位置FC1及び第二カット位置FC2を検出するための位置決め基準用のマークAmが複数設けられている。マークAmは、液晶パネルPに配線パターンを形成する際の位置決め用のマーク(アライメントマーク)である。本実施形態では、このマークAmを第一カット位置FC1及び第二カット位置FC2を検出するための位置決め基準用の構造物として利用している。
マークAmは、液晶パネルPにおいて配線パターンを形成するうえで問題とならない位置に形成される。例えば、液晶パネルPにおいて、配線パターンがパターニングされる部位(例えば表示領域P4)よりも外側の部位の一部をフォトリソグラフィプロセスにより所定の形状に加工することにより、マークAmが形成される。
本実施形態において、マークAmは、例えば、液晶パネルに4つ形成されており、それぞれ液晶パネルPの第一基板P1の四隅に形成されている。4つのマークAm1、マークAm2、マークAm3、マークAm4のうちマークAm3、マークAm4は、液晶パネルPの第二シート片F2m及び第三シート片F3mから露出する位置に設けられている。具体的に、マークAm3、マークAm4は、端子部P6が設けられた部分、すなわち第一基板P1の露出する領域P5に設けられている。
尚、マークAmの配置数は4つに限らず、例えば、マークAmは液晶パネルPに3つ形成されており、それぞれ液晶パネルPの第一基板P1の四隅のうち三隅に形成されていてもよい。
本実施形態において、マークAmの平面形状は任意である。マークAmの平面形状は、円形や楕円形であってもよく、3本のラインを平行配置した川の字形状、2本のラインが交差する十字形状のような複数の要素で1つのマークAmを構成するものであってもよい。マークAmの平面形状は、アライメントマークとして通常利用可能な形状であれば、好適に採用可能である。マークAmの形成方法も、上述の方法に限定されず、アライメントマークの形成方法として公知の方法を採用できる。尚、図30では、便宜上、マークAmの平面形状を円形としている。
本実施形態において、カット位置決定手段90は、液晶パネルPに設けられた4つのマークAm1、マークAm2、マークAm3、マークAm4のうち、液晶パネルPの第二シート片F2m及び第三シート片F3mから露出する位置に設けられたマークAm3、マークAm4を位置決め基準として検出した液晶パネルPの外形形状の検出データに基づいて、第一カット位置FC1及び第二カット位置FC2を決定する。
マークAmは、液晶パネルPの配線パターンを形成するための位置決め基準となる構造物である。そのため、マークAmの位置と液晶パネルPの外形形状との対応関係を予め設定しておくことにより、マークAmの位置を検出すれば、近似直線L1,L2,L3,L4を結んで得られる図形、すなわち、近似輪郭線OL(図10参照)と平面視で重なるカットラインとして、シート片FXmのカット位置を正確に知ることができる。
カット位置決定手段90は、液晶パネルPの第二シート片F2m及び第三シート片F3mから露出する位置に設けられたマークAm3、マークAm4の位置を検出する。例えば、液晶パネルPの表裏面にそれぞれの吸収軸が互いに直交して配置(クロスニコル配置)されるようにシート片FXmが貼合されていても、マークAm3、マークAm4と平面視重なる領域においては、クロスニコル配置とならない。よって、マークAm3、マークAm4と平面視重なる領域において照明光を透過させることができ、マークAm3、マークAm4の画像を撮像することができる。そのため、マークAm3、マークAm4の位置を検出することにより、第二シート片F2m及び第三シート片F3mをカットするための第一カット位置FC1を正確に知ることができる。
マークAm3、マークAm4の位置情報は、制御装置91(図1参照)に入力される。上述したように、検出装置30(図6参照)により検出されたマークAm及び近似輪郭線OLのデータは、記憶装置92(図1参照)に記憶されている。そのため、制御装置91によってマークAm3、マークAm4の位置情報に対応した近似輪郭線OLのデータが記憶装置92から取り出されることにより、第一カット位置FC1をすぐに決定することができる。
本実施形態において、カット位置決定手段90は、第二シート片F2m及び第三シート片F3mにおいて第一基板P1の輪郭線(液晶パネルPのバックライト側の面の外周縁)と対向する位置を第一カット位置FC1として決定し、第一シート片F1mにおいて第二基板P2の輪郭線(液晶パネルPの表示面側の面の外周縁)と対向する位置を第二カット位置FC2として決定する。
図31は、第一切断装置61を構成するスキャナー650を用いて第二シート片F2m及び第三シート片F3mを切断する様子を示す斜視図である。
図32は、第一切断装置61を構成するスキャナー650を用いて第二シート片F2m及び第三シート片F3mを切断する様子を示す側面図である。
図31及び図32に示すように、スキャナー650は、第一カット位置FC1に基づいて、第二シート片F2m及び第三シート片F3mを切断することにより、液晶パネルPのバックライト側の面に貼合された第二シート片F2mの第二光学部材F12に対応する部分とその外側の余剰部分FYとを切り離すと共に、第二シート片F2mの液晶パネルPとは反対側の面に貼合された第三シート片F3mの第三光学部材F13に対応する部分とその外側の余剰部分FYとを切り離す。これにより、第一貼合面SA1に対応する大きさの光学部材(第二光学部材F12及び第三光学部材F13)を形成する。
ここで、「第一貼合面SA1に対応する大きさ」とは、第一基板P1の外形状の大きさを示す。ただし、表示領域P4の大きさ以上、液晶パネルPの外形状の大きさ以下の領域で、かつ電気部品取り付け部等の機能部分を避けた領域を含む。本実施形態では、平面視矩形状の液晶パネルPにおける前記機能部分を除いた三辺では、液晶パネルPの外周縁に沿って余剰部分をレーザーカットし、前記機能部分に相当する一辺では、液晶パネルPの外周縁から表示領域P4側に適宜入り込んだ位置で余剰部分をレーザーカットしている。
例えば、第一貼合面SA1に対応する部分がTFT基板の貼合面の場合、前記機能部分に相当する一辺では前記機能部分を除くよう液晶パネルPの外周縁から表示領域P4側に所定量ずれた位置でカットされる。
尚、液晶パネルPにおける前記機能部分を含む領域(例えば液晶パネルP全体)にシート片を貼合することに限らない。例えば、予め液晶パネルPにおける前記機能部分を避けた領域にシート片を貼合し、その後、平面視矩形状の液晶パネルPにおける前記機能部分を除いた三辺において液晶パネルPの外周縁に沿って余剰部分をレーザーカットしてもよい。
第一切断装置61により第三シート片貼合体PA3から第二シート片F2m及び第三シート片F3mのそれぞれの余剰部分が切り離されることにより、液晶パネルPのバックライト側の面に第二光学部材F12及び第三光学部材F13が貼合され、且つ、液晶パネルPの表示面側の面に第一シート片F1mが貼合されてなる第四シート片貼合体PA4が形成される。第一切断装置61によって形成された第四シート片貼合体PA4は、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、第一剥離装置71へと受け渡される。
(第一剥離装置)
第一剥離装置71は、第一切断装置61よりもパネル搬送下流側に配置されている。第一剥離装置71は、第二シート片F2m及び第三シート片F3mのそれぞれから切り離された余剰部分を剥離する。第一剥離装置71によって剥離された余剰部分は、図示略の回収装置によって回収される。第一剥離装置71を経た第四シート片貼合体PA4は、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、第二反転装置82へと受け渡される。
(第二反転装置)
第二反転装置82は、第一剥離装置71よりもパネル搬送下流側に配置されている。第二反転装置82は、液晶パネルPのバックライト側を上面にした第四シート片貼合体PA4を表裏反転させて液晶パネルPの表示面側を上面にする。第二反転装置82を経た第四シート片貼合体PA4は、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、第二切断装置62へと受け渡される。
(第二切断装置)
第二切断装置62は、第二反転装置82よりもパネル搬送下流側に配置されている。
尚、第二切断装置62の構成は第一切断装置61の構成と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図33は、第二切断装置62を構成するスキャナー650を用いて第一シート片F1mを切断する様子を示す斜視図である。
図34は、第二切断装置62を構成するスキャナー650を用いて第一シート片F1mを切断する様子を示す側面図である。
図33及び図34に示すように、スキャナー650は、第二カット位置FC2に基づいて、第一シート片F1mを切断することにより、液晶パネルPの表示面側の面に貼合された第一シート片F1mの第一光学部材F11に対応する部分とその外側の余剰部分FYとを切り離す。これにより、第二貼合面SA2に対応する大きさの光学部材(第一光学部材F11)を形成する。
ここで、「第二貼合面に対応する大きさ」とは、液晶パネルPの表示領域P4の大きさ以上、液晶パネルPの外形状(平面視における輪郭形状)の大きさ以下の大きさを指す。
本実施形態では、平面視矩形状の液晶パネルPにおける四辺において、液晶パネルPの外周縁に沿って余剰部分をレーザーカットしている。例えば、第二貼合面に対応する部分がCF基板の貼合面の場合、前記機能部分に相当する部分がないため、液晶パネルPの四辺において液晶パネルPの外周縁に沿ってカットされる。
第二切断装置62により第四シート片貼合体PA4から第一シート片F1mの余剰部分が切り離されることにより、液晶パネルPのバックライト側の面に第二光学部材F12及び第三光学部材F13が貼合され、且つ、液晶パネルPの表示面側の面に第一光学部材F11が貼合されてなる光学部材貼合体PAが形成される。第二切断装置62によって形成された光学部材貼合体PAは、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、第二剥離装置72へと受け渡される。
(第二剥離装置)
第二剥離装置72は、第二切断装置62よりもパネル搬送下流側に配置されている。第二剥離装置72は、第一シート片F1mから切り離された余剰部分を剥離する。第二剥離装置72によって剥離された余剰部分は、図示略の回収装置によって回収される。第二剥離装置72を経た光学部材貼合体PAは、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、テーブル12gへと受け渡される。
尚、シート片FXmの余剰部分FYの大きさ(液晶パネルPの外側にはみ出る部分の大きさ)は、液晶パネルPのサイズに応じて適宜設定される。例えば、シート片FXmを5インチ〜10インチの中小型サイズの液晶パネルPに適用する場合は、シート片FXmの各辺においてシート片FXmの一辺と液晶パネルPの一辺との間の間隔を2mm〜5mmの範囲の長さに設定する。
図35は、第一切断装置61及び第二切断装置62を用いてシート片FXmを所定サイズの光学部材F1Xに切断する際、レーザー光をシート片FXm上で矩形状に走査するための制御方法を示す図である。
尚、図35において、符号Trは目的とするレーザー光の移動軌跡(所望の軌跡。以下、レーザー光移動軌跡ということがある)であり、符号Tr1は第一テーブル611とスキャナー650との相対移動による移動軌跡をシート片FXmに投影した軌跡(以下、光源移動軌跡ということがある)である。光源移動軌跡Tr1は矩形形状を有するレーザー光移動軌跡Trの4つの角部を湾曲させた形状であり、符号K1は角部以外の直線区間であり、符号K2は角部の屈曲区間である。符号Tr2はスキャナー650が光源移動軌跡Tr1上を相対移動しているときにレーザー光の照射位置が第一照射位置調整装置651及び第二照射位置調整装置654により光源移動軌跡Tr1と直交する方向にどの程度ずらされるか(調整されているか)を示す曲線(以下、調整曲線ということがある)である。レーザー照射位置のずれ量(調整量)は、光源移動軌跡Tr1と直交する方向における調整曲線Tr2とレーザー光移動軌跡Trとの間の距離で示されている。
図35に示すように、光源移動軌跡Tr1は、角部が湾曲した略矩形の移動軌跡となっている。光源移動軌跡Tr1とレーザー光移動軌跡Trとは概ね一致しており、角部の狭い領域でのみ両者の形状が異なっている。光源移動軌跡Tr1が矩形形状をしていると、矩形の角部でスキャナー650の移動速度が遅くなり、角部がレーザー光の熱によって膨れたり波打ったりすることがある。そのため、図35では、光源移動軌跡Tr1の角部を湾曲させてスキャナー650の移動速度が光源移動軌跡Tr1全体で概ね一定となるようにしている。
制御装置670は、スキャナー650が直線区間K1を移動しているときは、光源移動軌跡Tr1とレーザー光移動軌跡Trとが一致しているので、レーザー光の照射位置を第一照射位置調整装置651及び第二照射位置調整装置654により調整せずに、そのままスキャナー650からシート片FXmにレーザー光を照射させる。一方、スキャナー650が屈曲区間K2を移動しているときは、光源移動軌跡Tr1とレーザー光移動軌跡Trとが一致しないので、第一照射位置調整装置651及び第二照射位置調整装置654によりレーザー光の照射位置を制御し、レーザー光の照射位置がレーザー光移動軌跡Tr上に配置されるようにする。例えば、スキャナー650が符号M1で示す位置を移動しているときには、第一照射位置調整装置651及び第二照射位置調整装置654によりレーザー光の照射位置が光源移動軌跡Tr1と直交する方向N1に距離W1だけずらされる。距離W1は、光源移動軌跡Tr1と直交する方向N1における調整曲線Tr2とレーザー光移動軌跡Trとの距離W2と同じである。光源移動軌跡Tr1はレーザー光移動軌跡Trよりも内側に配置されているが、レーザー光の照射位置が第一照射位置調整装置651及び第二照射位置調整装置654によってレーザー光移動軌跡Trよりも外側にずらされるので、それらのずれが相殺してレーザー光の照射位置がレーザー光移動軌跡Tr上に配置されるようになる。
図1に戻り、スライダ機構13gは、第二剥離装置72のパネル搬送下流側に配置されている。スライダ機構13gは、平面視で直線形状を形成する。スライダ機構13gは。光学部材貼合体PAを保持するテーブル12gをスライダ機構13gの長手方向に沿って移動可能である。テーブル12g及びスライダ機構13gよりもパネル搬送下流側には、オートクレーブ装置100が配置されている。光学部材貼合体PAは、テーブル12g及びスライダ機構13gにより、オートクレーブ装置100へと受け渡される。
(オートクレーブ装置)
オートクレーブ装置100は、第二剥離装置72を経た光学部材貼合体PAを加熱加圧処理するオートクレーブ処理(第一オートクレーブ処理)を施す。オートクレーブ装置100は、複数枚積み上げた光学部材貼合体PAがまとめて搬入され、複数枚の光学部材貼合体PAに加熱加圧処理を施すチャンバー101を有している。
本明細書において「オートクレーブ処理」とは、被処理品である不良品を、大気圧よりも高い加圧環境下において室温よりも高い温度に曝し、一定時間保持することを指す。処理条件は、一例として、0.294MP以上0.785MP以下(3kgf/cm以上8kgf/cm以下)の圧力条件において、40℃以上80℃以下の温度条件で30秒以上25分以下の保持時間とすることが挙げられる。尚、保持時間にもよるが、一般に温度80℃を超えると偏光フィルムの寸法変化が発生してくる。
圧力条件は、0.392MPa以上(4kgf/cm以上)であることが好ましく、0.588MPa以下(6kgf/cm以下)であることが好ましい。
温度条件は、50℃以上であることが好ましく、70℃以下であることが好ましい。
保持時間は、1分以上であることが好ましく、5分以下であることが好ましい。
処理条件の上限値および下限値は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
また、「保持時間」とは、チャンバー101内が圧力及び温度の設定値以上となった後、圧力及び温度のいずれか一方が設定値を下回るまで、の時間を指す。そのため、圧力及び温度のいずれか一方又は両方について変動したとしても、圧力及び温度が設定値以上であれば、その条件での処理時間は保持時間に含まれるものとする。
尚、第一オートクレーブ処理では、加圧又は加熱のいずれか一方のみを行ってもよいし、加圧又は加熱のいずれか一方を中心に行ってもよい。例えば、加圧を中心に行う場合、圧力0.5MPa、加圧時間20分(但し、仕様により変動有り)、温度23℃(常温)又は60℃程度の処理条件とする。
オートクレーブ装置100では、まず、順次搬送されてくる光学部材貼合体PAを、チャンバー101の上流側の符号102で示された位置に配置された不図示の積み上げ部で所定の枚数積み上げる。積み上げ部では、チャンバー101でオートクレーブ処理を行う間に所定枚数の積み上げが行われる。そのため、積み上げ部は、オートクレーブ処理中に光学部材貼合体PAの搬送が滞らないようにするためのバッファーとして機能する。
次いで、積み上げた複数枚数の光学部材貼合体PAをまとめてチャンバー101内に搬入し、オートクレーブ処理を行う。
オートクレーブ処理を行うことが可能な最長時間は、製造ラインにおける光学部材貼合体PAの搬送速度と、積み上げ部における積み上げ枚数により規定される。例えば、光学部材貼合体PAが10秒ごとに積み上げ部に搬入され、積み上げ部で光学部材貼合体PAを20枚積み上げる場合、積み上げ部からチャンバー101に向けて200秒ごとに20枚の光学部材貼合体PAが搬入される。このような場合には、チャンバー101では、昇温昇圧や、降温降圧の時間を含めて最長200秒間オートクレーブ処理を行うことができる。
次いで、チャンバー101の下流側の符号103で示された位置に配置された不図示の積み下ろし部において、チャンバー101から搬出された複数枚の光学部材貼合体PAを1枚ずつ積み下ろし、下流側に搬送する。積み下ろし部では、積み上げ部における光学部材貼合体PAの積み上げと同等以上の速度で光学部材貼合体PAの積み下ろしを行うことで、光学部材貼合体PAの搬送が滞らないようにする。
尚、第二剥離装置72の下流側において、製造ラインを複数に分岐させ、分岐させた製造ライン毎にオートクレーブ装置100を配置することで、オートクレーブ処理を並列処理することとしてもよい。オートクレーブ処理を並列処理する場合、各オートクレーブ装置における処理可能時間が長くなり好ましい。
オートクレーブ装置100におけるオートクレーブ処理により、オートクレーブ装置100に搬入される光学部材貼合体PAのうち欠陥を含む一部の光学部材貼合体PAについては、後述するように欠陥を消失させることができる。オートクレーブ処理で消失しなかった欠陥については、第二欠陥検査装置42にて検出する。
ここで、第二欠陥検査装置42の検査対象である「欠陥」とは、光学部材貼合体PAの表示領域P4に存在する光学的に検査可能な不具合であって、光学部材貼合体PAを用いて製造される表示装置において表示不良を引き起こすものを指す。
このような欠陥としては、(1)液晶パネルP自身が有する欠陥、(2)光学部材自身が有する欠陥、(3)液晶パネルPと光学部材との貼合面に生じる欠陥、が挙げられる。
「(1)液晶パネルP自身が有する欠陥」としては、例えば、液晶パネルPの液晶配向膜の乱れにより、液晶パネルPの液晶が設計通りに配向していないことが挙げられる。このような欠陥を有すると、例えば、一対の偏光板が正確にクロスニコルに貼合され、液晶パネルPをノーマリーブラックに設計しても、光学部材貼合体PAの一方側から光を照射すると、光漏れを生じるため、輝点として確認できる。また、液晶パネルPが搬送中に損傷しているような場合も、(1)液晶パネルP自身が有する欠陥として挙げられる。
「(2)光学部材自身が有する欠陥」としては、光学部材F1Xの表面に形成された傷やへこみなどの変形を挙げることができる。このような欠陥があると、液晶パネルPを介して射出される光に、変形部分で屈折や散乱を生じるため、変形が無い他の部分と輝度が異なることから、輝度差を利用して検査可能となる。
「(3)液晶パネルPと光学部材との貼合面に生じる欠陥」としては、液晶パネルPと光学部材との貼合面に、塵やほこり(以下、「異物」と総称する)を挟み込むことによる欠陥や、貼合面に空気を挟み込み気泡が形成されることによる欠陥が挙げられる。貼合面とは、図3に示す液晶パネルPと第一光学部材F11との貼合面、及び液晶パネルPと第二光学部材F12との貼合面のことである。このような欠陥があると、液晶パネルPを介して射出される光に、欠陥部分で屈折や散乱を生じるため、欠陥が無い他の部分と輝度が異なることから、輝度差を利用して検査可能となる。
光学部材貼合体PAに対してオートクレーブ処理を施すと、光学部材貼合体PAが有する欠陥が、「(2)光学部材自身が有する欠陥」のうち、光学部材自身の小さな変形や、「(3)液晶パネルPと光学部材との貼合面に生じる欠陥」のうち、液晶パネルPと光学部材との貼合面に空気を挟み込み生じた気泡であって微小な物である場合、当該欠陥が消失することが期待できる。
すなわち、欠陥が光学部材自身の小さな変形である場合には、オートクレーブ処理を施すと、熱により光学部材が軟化して変形しやすくなる。これにより、欠陥の原因となっている小さな変形が消失することが期待できる。
また、欠陥が貼合面に空気を挟み込み生じた気泡である場合には、熱及び圧力により、光学部材が有する粘着層F2a(図4参照)のシート片における空気の飽和溶解度が増加するため、気泡を形成する空気が粘着層F2aのシート片に溶け込む。これにより気泡が消失することが期待できる。
さらに、粘着層F2aのシート片に溶解した空気は、粘着層F2aのシート片内に拡散するため、オートクレーブ処理の後に不良品を大気圧下常温に戻したとしても、消失した気泡があった位置に再度空気が凝集して気泡が再生することはないと期待できる。
オートクレーブ処理で消失すると期待される欠陥は、第二欠陥検査装置42で発見しにくいものが多いため、このような微細な欠陥を有する光学部材貼合体PAを検査工程に導入すると、虚報や見逃しを生じやすい。そのため、オートクレーブ処理によりこのような欠陥を消失させることで、後述の検査工程での検査結果が安定しやすくなる。
対して、光学部材貼合体PAが有する欠陥が、液晶パネルPの損傷など「(1)液晶パネルP自身が有する欠陥」、「(2)光学部材自身が有する欠陥」のうち光学部材自身の大きな変形、「(3)液晶パネルPと光学部材との貼合面に生じる欠陥」のうち液晶パネルPと光学部材との貼合面に空気を挟み込み生じた気泡であって大きな物、又は貼合面に異物を挟み込み生じた欠陥である場合には、オートクレーブ処理で、欠陥が消失しないと予想される。
しかし、このようにオートクレーブ処理で消失しない欠陥については、検査工程で発見しやすいものが多いため、検査工程での虚報や見逃しを生じにくい。そのため、後述の検査工程での検査結果が安定しやすくなる。
オートクレーブ装置100を経た光学部材貼合体PAは、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、第二欠陥検査装置42へと受け渡される。
(第二欠陥検査装置)
第二欠陥検査装置42は、液晶パネルPに光学部材F1Xを貼り合わせた後に、光学部材貼合体PAの欠陥の検査を行う。第二欠陥検査装置42は、オートクレーブ装置100を経て表示面側を上向きにした光学部材貼合体PAについて、AOI検査(光学式自動外観検査:Automatic Optical Inspection)を行う自動検査装置である。本実施形態においては、第二欠陥検査装置42は、光学部材貼合体PAの下面側(バックライト側)から光源411(図11参照)で光を当てながら、上面側(表示面側)から撮像装置412(図11参照)で撮像し、この撮像データに基づき光学部材貼合体PAの欠陥の有無を自動検査する。第二欠陥検査装置42としては、欠陥について光学的に自動検査できるものであれば他の構成のものを用いてもよい。第二欠陥検査装置42による検査データは、記憶装置92(図1参照)に記憶される。
検査される光学部材貼合体PAについては、製造ライン内のオートクレーブ装置100によりオートクレーブ処理がなされているため、虚報や見逃しの原因となりやすい微細な欠陥が低減している。そのため、第二欠陥検査装置42における検査結果が安定する。
また、第二欠陥検査装置42では、オートクレーブ処理で消失しないような大きな欠陥についてのみ検査対象とすることができるため、第二欠陥検査装置42における欠陥の検出が容易となり、欠陥検査の結果が安定する。
また、第二欠陥検査装置42が、製造ライン上に配置されているため、製造ラインにおいて、リアルタイムで光学部材貼合体PAを全数検査することができる。そのため、不良品が発見された場合に、不良品を多く製造してしまう前に製造ラインを停止させ、不良品の発生位置の特定と不良品発生に対する対策とを素早く実施することができる。
制御装置91(図1参照)は、記憶装置92に記憶された第二欠陥検査装置42による検査データに対し、見つかった欠陥の種類や状態を確認し、予め設定した基準に基づいて、(1)OK判定(良品を示す判定)、(2)GRAY判定(良品又は不良品のいずれかが不明な場合を示す判定)、(3)NG判定(不良品を示す判定)の判定を行う。制御装置91による判定結果は、記憶装置92(図1参照)に記憶される。尚、判定を行う際の基準は、貼合する光学部材F1Xの種類や、液晶パネルPの構造等に応じて適切な値が異なるため、適宜予備実験をして設定するとよい。
OK判定は、光学部材貼合体PAにおいて欠陥が見つからなかった場合又は実使用上問題のある欠陥はないと判断された場合である。GRAY判定は、光学部材貼合体PAにおいて欠陥が見つかったものの実使用上問題のある欠陥か否かの判断ができない場合である。NG判定は、光学部材貼合体PAにおいて欠陥が見つかった場合である。
第二欠陥検査装置42を経た光学部材貼合体PAは、搬送コンベア11e、搬送コンベア11f及び搬送コンベア11gへとそれぞれ受け渡される。搬送コンベア11e、搬送コンベア11f及び搬送コンベア11gは、第二欠陥検査装置42のパネル搬送下流側において、この順に互いに隣り合う位置に配置されている。
搬送コンベア11eは、OK判定された光学部材貼合体PAを保持して搬送する。搬送コンベア11fは、GRAY判定された光学部材貼合体PAを保持して搬送する。搬送コンベア11gは、NG判定された光学部材貼合体PAを保持して搬送する。搬送コンベア11e、搬送コンベア11f及び搬送コンベア11gのそれぞれにおいては、光学部材貼合体PAが液晶パネルPの短辺を搬送方向に沿うようにして搬送される。搬送コンベア11gを経た光学部材貼合体PAは、搬送コンベア11jへと受け渡される。
吸着アーム14eは、搬送コンベア11e及び搬送コンベア11fよりもパネル搬送下流側において、搬送コンベア11hと搬送コンベア11iとの間に配置されている。吸着アーム14eは、搬送コンベア11e及び搬送コンベア11fのそれぞれに保持された光学部材貼合体PAを吸着保持して垂直方向及び水平方向で自在に搬送する。例えば、吸着アーム14eは、吸着保持した光学部材貼合体PAを搬送コンベア11h又は搬送コンベア11iの直上へ水平状態のまま搬送し、この位置で吸着を解除して光学部材貼合体PAを搬送コンベア11h又は搬送コンベア11iに受け渡す。吸着アーム14eは、OK判定された光学部材貼合体PAを搬送コンベア11hに受け渡し、GRAY判定された光学部材貼合体PAを搬送コンベア11iに受け渡す。
搬送コンベア11hは、ラック15hを保持して搬送する。ラック15hは、複数(本実施形態では2つ)の光学部材貼合体PAを収容可能である。これにより、OK判定された光学部材貼合体PAは、搬送コンベア11hに沿って移動するように構成されている。OK判定された光学部材貼合体PAは、搬送コンベア11hにより下流側に搬送され、フィルム貼合システム1の製造ラインから搬出される。
搬送コンベア11iは、ラック15iを保持して搬送する。ラック15iは、複数(本実施形態では2つ)の光学部材貼合体PAを収容可能である。これにより、GRAY判定された光学部材貼合体PAは、搬送コンベア11iに沿って移動するように構成されている。GRAY判定された光学部材貼合体PAは、搬送コンベア11iにより、次工程へと受け渡される。
搬送コンベア11jは、ラック15jを保持して搬送する。ラック15jは、複数(本実施形態では2つ)の光学部材貼合体PAを収容可能である。これにより、NG判定された光学部材貼合体PAは、搬送コンベア11jに沿って移動するように構成されている。NG判定された光学部材貼合体PAは、搬送コンベア11jにより、次工程へと受け渡される。
尚、搬送コンベア11h、搬送コンベア11i、搬送コンベア11jがラック15h、ラック15i、ラック15jをそれぞれ保持して搬送する構成に限らず、搬送コンベア11h、搬送コンベア11i、搬送コンベア11jのそれぞれが光学部材貼合体PAを直接保持して搬送する構成であってもよい。
本実施形態において、GRAY判定又はNG判定された光学部材貼合体PAは、製造ラインから外され、製造ライン外(オフライン)で目視検査(第一目視検査工程)がなされる。
目視検査において検査され、欠陥が見つからなかった光学部材貼合体PAについては、完成品の光学部材貼合体PAとして、次の工程に搬出される。
また、目視検査において欠陥が見つかった光学部材貼合体PA(不良品)については、以下の再生処理を施すとよい。ここで、本実施形態においては、光学部材貼合体PAについてオートクレーブ処理を施しているため、オートクレーブ処理を施さない場合と比べると、不良品の数が減少している。そのため、再生処理の対象となる不良品が少なく、余裕をもって再生処理を行うことができる。以下の説明においては、目視検査で判定された不良品を「第一目視検査不良品」と称する。
(再生処理)
第一目視検査不良品については、まず、見つかった欠陥の種類や状態を確認し、後段の処理を施すことにより欠陥を消失させることが可能か否かの判断がなされる。次いで、欠陥の状態に応じて、以下の2つの処理のいずれかを選択し、処理を施す。
欠陥が、「(2)光学部材自身が有する欠陥」のうち、光学部材自身の小さな変形や、「(3)液晶パネルPと光学部材との貼合面に生じる欠陥」のうち、液晶パネルPと光学部材との貼合面に空気を挟み込み生じた気泡であって微小な物であり、オートクレーブ処理により消失すると判断する場合、第一目視検査不良品にオートクレーブ処理(第二オートクレーブ処理)を施す。
欠陥が検出された第一目視検査不良品については、すでに製造ライン内のオートクレーブ装置100で第一オートクレーブ処理を施している。そのため、第二オートクレーブ処理の処理条件が、第一オートクレーブ処理の処理条件よりも緩やかな条件である場合には、欠陥が消失しにくいと考えられる。
したがって、第二オートクレーブ処理は、第一オートクレーブ処理の処理条件よりも厳しい条件で行うとよい。第二オートクレーブ処理においては、温度や圧力の設定値を第一オートクレーブ処理における設定値よりも高く設定することも可能であるが、これらの設定値を高くすると、液晶パネルPが破損するおそれがある。そのため、第二オートクレーブ処理では、オートクレーブ処理における保持時間を第一オートクレーブ処理よりも長く設定することで、第一オートクレーブ処理の処理条件よりも厳しい条件とするとよい。
第二オートクレーブ処理の処理条件は、0.294MP以上0.785MP以下(3kgf/cm以上8kgf/cm以下)の圧力条件において、40℃以上80℃以下の温度条件で30秒以上25分以下の保持時間とすることが挙げられる。尚、保持時間にもよるが、一般に温度80℃を超えると偏光フィルムの寸法変化が発生してくる。
圧力条件は、0.392MPa以上(4kgf/cm以上)であることが好ましく、0.588MPa以下(6kgf/cm以下)であることが好ましい。
温度条件は、50℃以上であることが好ましく、70℃以下であることが好ましい。
保持時間は、1分以上であることが好ましく、5分以下であることが好ましい。
処理条件の上限値および下限値は、それぞれ任意に組み合わせることができる。
尚、第二オートクレーブ処理では、加圧又は加熱のいずれか一方のみを行ってもよいし、加圧又は加熱のいずれか一方を中心に行ってもよい。例えば、加圧を中心に行う場合、圧力0.5MPa、加圧時間20分(但し、仕様により変動有り)、温度23℃(常温)又は60℃程度の処理条件とする。
また、第一目視検査不良品が有する欠陥が、「(2)光学部材自身が有する欠陥」のうち、光学部材自身の大きな変形や、「(3)液晶パネルPと光学部材との貼合面に生じる欠陥」のうち、液晶パネルPと光学部材との貼合面に空気を挟み込み生じた気泡であって大きな物である場合、また貼合面に異物を挟み込み生じた欠陥である場合には、上記オートクレーブ処理では、欠陥が消失しないと予想される。
その場合、第一目視検査不良品から光学部材を剥離して液晶パネルPを露出させ、露出させた液晶パネルPに新たなシート片を貼合して、新たな光学部材貼合体PAを形成するリワーク処理を施す。
また、第一目視検査不良品が有する欠陥が、液晶パネルPの損傷など「(1)液晶パネルP自身が有する欠陥」であり、上記オートクレーブ処理でもリワーク処理でも再生不能と判断する場合には、第一目視検査不良品を廃棄する。
このような再生処理工程は、上述の製造ラインとは分離して行われる(オフライン処理)。そのため、各処理に十分な時間をかけることができ、廃棄品の低減が期待できる。
再生処理工程を経た光学部材貼合体PAについては、上述の製造ラインとは分離した目視検査(第二目視検査工程)において欠陥の有無が検査される。欠陥が見つからなければ、完成品の光学部材貼合体PAとして、次の工程に搬出される。
また、第二目視検査工程において欠陥が見つかり不良品として判定されたものについては、再度上述の再生処理工程に戻し、再生を試みる。ここで、第二目視検査工程において欠陥が見つかった第一目視検査不良品は、本発明における「第二目視検査不良品」に該当する。
(光学部材貼合体の製造方法)
図36は、本実施形態における光学部材貼合体の製造方法についての説明図であり、上述した製造工程を示したフロー図である。以下、図1で示した符号を適宜使用して製造フローを説明する。
フロー図においては、符号S1で示された処理は、製造ライン内で行われる処理を示し、符号S2で示された処理は、製造ライン外で行われる処理を示す。
(光学部材貼合体形成工程)
まず、光学部材貼合体PAの製造において、製造ラインに液晶パネルPを搬入し(ステップS11)、液晶パネルPの表面に付着した塵やほこりなどの汚れを洗浄する(ステップS12)。
次いで、上述のフィルム貼合システム1にて、液晶パネルPの表示面側の面に第一シート片F1mを貼合し、且つ、液晶パネルPのバックライト側の面に第二シート片F2m及び第三シート片F3mを貼合することにより、第三シート片貼合体PA3を形成する。次いで、第三シート片貼合体PA3に対し、第一カット位置FC1に基づいて第二シート片F2m及び第三シート片F3mをカットして第二光学部材F12及び第三光学部材F13を形成することにより、第四シート片貼合体PA4を形成する。次いで、第四シート片貼合体PA4に対し、第二カット位置FC2に基づいて第一シート片F1mをカットして第一光学部材F11を形成することにより、光学部材貼合体PAを形成する(ステップS13)。
(第一オートクレーブ処理)
次いで、得られた光学部材貼合体PAについて、製造ライン内(インライン)でオートクレーブ処理を行う(ステップS14)。
(自動検査工程)
次いで、オートクレーブ処理された光学部材貼合体PAについて、製造ライン内(インライン)に配置された第二欠陥検査装置42を用い欠陥検査を行う(ステップS15)。
検査の結果、OK判定された光学部材貼合体PAについては、例えば、複数枚をまとめた上で、次工程に向けて搬出する(ステップS16)。
(第一目視検査工程)
一方、欠陥検査の結果、GRAY判定又はNG判定された光学部材貼合体PAについては、製造ライン外(オフライン)で欠陥の目視検査を行う(ステップS21)。
目視検査の結果、OK判定された光学部材貼合体PAについては、次工程に向けて搬出する(ステップS16)。
(再生処理工程)
一方、目視検査の結果、欠陥を有する不良品(第一目視検査不良品)と判定された光学部材貼合体PAについては、見つかった欠陥の種類や状態を確認し、後段の処理を施すことにより欠陥を消失させることが可能か否かの判断を行う(ステップS22)。
第一目視検査不良品の欠陥が、光学部材自身の小さな変形や、液晶パネルPと光学部材との貼合面に空気を挟み込み生じた気泡であって微小な物である場合(フロー図では「欠陥・小」と表記)、オートクレーブ処理を施す(ステップS23)。
一方、第一目視検査不良品の欠陥が、光学部材自身の大きな変形や、液晶パネルPと光学部材との貼合面に空気を挟み込み生じた気泡であって大きな物である場合(フロー図では「欠陥・中」と表記)、リワーク処理を施す(ステップS24)。
また、第一目視検査不良品が有する欠陥が、液晶パネルPの損傷など、上記オートクレーブ処理でもリワーク処理でも再生不能なもの(フロー図では「欠陥・大」と表記)であると判断する場合には、廃棄する。
次いで、オートクレーブ処理又はリワーク処理を施した光学部材貼合体PAについて、欠陥の目視検査を行う(第二目視検査工程、ステップS25)。
欠陥が見つからなければ、完成品の光学部材貼合体PAとして、次の工程に搬出される。欠陥が見つかり不良品(第二目視検査不良品)として判定されたものについては、再度ステップS22に戻し、再び再生処理工程を経ることで再生を試みる。
本実施形態の光学部材貼合体の製造方法は、以上のようにして行う。
以上説明したように、本実施形態に係る光学部材貼合体の製造装置は、液晶パネルPの表示面側の面に第一光学部材F11を貼合し、液晶パネルPの表示面側の面と対向するバックライト側の面に第二光学部材F12及び第三光学部材F13を貼合して構成される光学部材貼合体PAの製造装置であって、液晶パネルPの表示面側の面に第一光学部材F11よりも大きい第一光学部材シートF1の第一シート片F1mを貼合し、且つ、液晶パネルPのバックライト側の面に第二光学部材F12よりも大きい第二光学部材シートF2の第二シート片F2mを貼合すると共に第二シート片F2mのバックライト側の面とは反対側の面に第三光学部材F13よりも大きい第三光学部材シートF3の第三シート片F3mを貼合する貼合手段50と、液晶パネルPの外形形状の検出データに基づいて、液晶パネルPに貼合された第二シート片F2m及び第三シート片F3mの第一カット位置FC1及び液晶パネルPに貼合された第一シート片F1mの第二カット位置FC2を決定するカット位置決定手段90と、第一カット位置FC1に基づいて第二シート片F2m及び第三シート片F3mを切断することにより、液晶パネルPのバックライト側の面に貼合された第二シート片F2mの第二光学部材F12に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離すと共に第二シート片F2mのバックライト側の面とは反対側の面に貼合された第三シート片F3mの第三光学部材F13に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離し、且つ、第二カット位置FC2に基づいて第一シート片F1mを切断することにより、液晶パネルPの表示面側の面に貼合された第一シート片F1mの第一光学部材F11に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離す切断手段60と、を備える。
さらに、カット位置決定手段90が、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mを貼り合わせる前に検出された液晶パネルPの外形形状の検出データに基づいて、第一カット位置FC1及び第二カット位置FC2を決定する。
この構成によれば、光学部材F1Xを表示領域P4の際まで精度よく設けることが可能となる。そのため、表示領域P4外側の額縁部G(図3参照)を狭めて表示エリアの拡大及び機器の小型化を図ることができる。
仮に、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mを貼合した後に液晶パネルPの外形形状を検出しようとすると、第一シート片F1m及び第二シート片F2mがクロスニコル配置されることにより、照明光を透過させることができず、対向基板画像を撮像できない。そのため、液晶パネルPの外形形状を検出することができず、カット位置を正確に決定できない場合がある。
これに対し、この構成によれば、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mを貼合する前に液晶パネルPの外形形状の検出データに基づいてカット位置を決定するため、第一シート片F1m及び第二シート片F2mがクロスニコル配置とならず、照明光を透過させることができ、対向基板画像を撮像することができる。そのため、液晶パネルPの外形形状を正確に検出することができ、カット位置を正確に決定することができる。
また、カット位置決定手段90が、液晶パネルPに設けられるマークAmのうち、液晶パネルPの第二シート片F2m及び第三シート片F3mから露出する位置に設けられるマークAm3、マークAm4を位置決め基準として検出した液晶パネルPの外形形状の検出データに基づいて、第一カット位置FC1及び第二カット位置FC2を決定する。
この構成によれば、少なくとも液晶パネルPのうち第一基板P1の露出する領域P5に位置するマークAmを撮像装置302によって確実に撮像することができるため、カット位置の検出が容易になる。
また、カット位置決定手段90が、第二シート片F2m及び第三シート片F3mにおいて第一基板P1の輪郭線(液晶パネルPのバックライト側の面の外周縁)と対向する位置を第一カット位置FC1として決定し、第一シート片F1mにおいて第二基板P2の輪郭線(液晶パネルPの表示面側の面の外周縁)と対向する位置を第二カット位置FC2として決定する。
この構成によれば、第一カット位置FC1及び第二カット位置FC2のそれぞれを個別に決定するため、液晶パネルPの表示面側の面に形成される第一光学部材F11の外形形状と、液晶パネルPのバックライト側の面に形成される第二光学部材F12及び第三光学部材F13の外形形状とをそれぞれ正確に検出することができ、カット位置を正確に決定することができる。
また、液晶パネルPの洗浄を終了してから液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mを貼り終わるまでの液晶パネルPの搬送機構として、液晶パネルPとの接触部を変動させて液晶パネルPを搬送する搬送機構が用いられていない。
この構成によれば、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mが貼合される前において、液晶パネルPとの接触部が順次変動していく搬送機構を用いる場合に比べて、液晶パネルPへの異物の付着が抑制される。そのため、貼合欠陥の少ないフィルム貼合システム1が提供される。
また、搬送機構10が、液晶パネルPを保持するテーブルと、テーブルを移動可能なスライダ機構と、テーブルに保持された液晶パネルPを吸着保持して搬送する吸着アームと、を備える。さらに、搬送機構10が、液晶パネルPを保持して搬送する搬送コンベアと、搬送コンベアに保持された液晶パネルPを保持して搬送する吸着アームと、を備える。
この構成によれば、液晶パネルPとの接触部が順次変動していく搬送機構を用いる場合に比べて、液晶パネルPへの異物の付着が抑制される。そのため、貼合欠陥の少ないフィルム貼合システム1が提供される、といった効果を簡単な構成で実現することができる。
また、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mを貼り合わせる前に、液晶パネルPの外形形状を検出する検出装置30を備える。
仮に、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び前記第三シート片F3mを貼合した後に液晶パネルPの外形形状を検出しようとすると、第一シート片F1m及び第二シート片F2mがクロスニコル配置されることにより、照明光を透過させることができず、対向基板画像を撮像できない場合がある。
これに対し、この構成によれば、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mを貼合する前に液晶パネルPの外形形状を検出するため、第一シート片F1m及び第二シート片F2mがクロスニコル配置とならない。よって、照明光を透過させることができ、対向基板画像を撮像することができる。そのため、液晶パネルPの外形形状を正確に知ることができる。
また、この構成によれば、製造ライン内(インライン)に検出装置30が設けられるため、製造ライン外(オフライン)に検出装置を設ける場合に比べて、装置構成をまとめたものとすることができ、製造ラインを一本化することができる。
また、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mを貼り合わせる前に、液晶パネルPの欠陥の検査を行う第一欠陥検査装置41と、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び前記第三シート片F3mを貼り合わせた後に、光学部材貼合体PAの欠陥の検査を行う第二欠陥検査装置42と、を備える。この構成によれば、第一欠陥検査装置41による検査データと第二欠陥検査装置42による検査データとの差分により、液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び前記第三シート片F3mを貼り合わせた後にのみ生じた欠陥を算出することができる。
また、制御装置91は、第二欠陥検査装置42による検査データに対し、予め設定した基準に基づいて、OK判定、GRAY判定、NG判定のいずれかの判定を行う。そのため、OK判定又はNG判定のいずれかの判定を行う場合に比べて、判定の精度を高めることができ、OK判定とNG判定の間の境界付近において本来OK判定として取り扱われるべきものがNG判定として取り扱われることを抑制することができる。
また、ライン上を搬送されてくる光学部材貼合体がすべてオートクレーブ処理されるようにしている。そのため、人間では気付きにくい微細な欠陥であって、オートクレーブ処理によって消失するものを有する光学部材貼合体については、欠陥が消失し良品とすることができ、歩留まりが向上する。
また、自動検査装置を用いた自動検査では、虚報が発生しやすいが、本実施形態においては、検査される光学部材貼合体PAが、製造ライン内のオートクレーブ装置100によりオートクレーブ処理がなされているため、虚報や見逃しの原因となりやすい微細な欠陥が低減している。そのため、第二欠陥検査装置42を用いたとしても検査結果が安定し、検査の自動化という利点を享受することができる。
また、オートクレーブ処理後、ライン上を搬送されてくる光学部材貼合体を自動検査装置によって順次自動検査するようにしている。製造ライン上で製造物を順次検査していくため、製造ラインにおける不良品の発生を、不良品の発生から短時間のうちに検出可能とすることができる。そのため、不良品の発生を抑制することができ、製造歩留まりが向上する。
また、製造ライン上の自動検査装置により欠陥が検出された不良品について、製造ライン外で目視検査を行うこととしている。市販の光学式自動検査装置を用いると、オーバースペックとなるおそれがあり、自動検査により不良品と判定された光学部材貼合体には、実使用上問題のない良品と判定されるべきものも含まれることがあるが、目視検査を重ねて行うことにより、オーバースペックになるおそれが少なく、欠陥検査の精度が実使用に即した適切な水準に保たれる。
また、微細な欠陥が上記オートクレーブ処理により消失しているため、欠陥を有する不良品の数が減少し、目視検査の工程負荷を低減させることができる。
さらに、オートクレーブ処理により微細な欠陥を消失させることにより、目視検査では主に判定しやすい大きな欠陥の検出を行えばよく、実使用の上で過不足の無い精度での欠陥検出が容易となる。
よって、本実施形態の光学部材貼合体の製造方法によれば、実使用の上で過不足の無い精度で欠陥検出が可能であり、且つ製造歩留りを損なわず安定した製造が可能となる。
尚、この発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば、液晶パネルに偏光フィルムを貼合する場合について説明したが、光学部材が貼り付けられる光学表示部品としては液晶パネルに限られず、有機ELパネルにも適用でき、貼合される光学部材としては偏光フィルムに限られず、反射防止フィルム、光拡散フィルムなどにも適用できる。
また、本実施形態においては、液晶パネルPの洗浄を終了してから液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mの全てのシート片を貼り終わるまでの液晶パネルPの搬送機構として、液晶パネルPとの接触部を変動させて液晶パネルPを搬送する搬送機構が用いられていない例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、液晶パネルPの洗浄を終了してから液晶パネルPに第一シート片F1m及び第二シート片F2mの二枚のみのシート片を貼り終わるまでの液晶パネルPの搬送機構として、液晶パネルPとの接触部を変動させて液晶パネルPを搬送する搬送機構が用いられていなくてもよい。ただし、液晶パネルPへの異物の付着を抑制するだけでなく、さらに第二シート片F2mへの異物の付着を抑制する観点からは、液晶パネルPの洗浄を終了してから液晶パネルPに第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mの全てのシート片を貼り終わるまでの液晶パネルPの搬送機構として、液晶パネルPとの接触部を変動させて液晶パネルPを搬送する搬送機構が用いられていないことが好ましい。
また、本実施形態においては、製造ラインに第二欠陥検査装置42を配置し、製造ライン内で欠陥を自動検査することとしたが、これに限らず、第二欠陥検査装置42を配置した位置に検査員を配置し、検査員による目視検査することとしてもよい。
この場合、検査員が目視検査を行うため、測定装置を用いて自動化した場合と比べ、虚報(良品を不良品と判定してしまうこと)や見逃し(不良品を良品と判定してしまうこと)が少なく、欠陥検査の結果が安定する。製造ライン内で目視検査を行う場合、検査後に再度行う目視検査(図36におけるステップS21)については省略することができる。
製造ライン内で目視検査を行う場合、通常、検査員が1枚の光学部材貼合体PAの目視検査に要する時間に対して、光学部材貼合体PAのライン搬送速度が速いことが多い。そのため、欠陥検査位置に複数の検査員を配置し、分担して目視検査を行うことが好ましい。
複数の検査員は、一つの検査ラインを設定しこの検査ラインの延在方向に一列に配列して検査することとしてもよく、複数の検査ラインを設定した上で、この複数の検査ラインに検査員を配置し、搬送されてくる光学部材貼合体PAを各検査ラインに分配することで、各検査ラインで検査することとしてもよい。
このように、製造ラインにおいて検査員による目視検査を行う場合、市販の光学式自動検査装置で欠陥検査を行う場合に比べて、オーバースペックになるおそれが少なく、欠陥検査の精度が実使用に即した適切な水準に保たれる。
また、本実施形態においては、第二目視検査工程で検出された不良品について、再び再生処理工程を施すこととしたが、再生処理工程を複数回経由すると、熱履歴が多くなり、光学部材貼合体の品質が低下しやすいため、第二目視検査工程で検出された不良品については、廃棄することとしても構わない。
しかし、歩留まりの改善という観点からは、廃棄品は少ない方がよいため、例えば、再生処理工程について施すことができる上限値を予め設定しておき、設定回数だけ再生処理工程を通過した不良品については廃棄するという運用としておくとよい。
尚、本実施形態では、貼合手段50の構成として、貼合ヘッド521で液晶パネルPとシート片FXmとの貼合処理を行う構成を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、貼合手段は、セパレータから剥離したシート片FXmをいったん転写体である貼合ドラム等の貼合部に貼着し、この貼合部を液晶パネルPに対してアライメントして、貼合部に貼着されたシート片FXmを液晶パネルPに貼合するものであってもよい。また、貼合手段は、挟圧ロールで液晶パネルPとシート片FXmとの貼合処理を行う構成であってもよい。
また、本実施形態では、カット位置を決定するための位置決め基準となる構造物として、液晶パネルPのアライメントマークを用いる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、液晶パネルPに別途新たな構造物を設けてもよい。
また、本実施形態では、撮像装置によってマークAmを撮像しやすいように、液晶パネルPに設けられるマークAmのうち、液晶パネルPの第二シート片F2m及び第三シート片F3mから露出する位置に設けられるマークAm3、Am4を、カット位置を決定するための位置決め基準とした。しかし、液晶パネルPの表裏面に第一シート片F1mと第二シート片F2mをクロスニコルに配置した場合でも、照明装置から射出される光の波長によっては、照明装置から照射される光が2枚のシート片を透過して撮像装置に入射する場合がある。そのため、そのような波長の光を用いれば、シート片FXmを液晶パネルPの外周部に設けられたマークAmと重なる位置に配置してもよい。この場合、例えば、シート片FXmを液晶パネルPよりも若干大きいサイズとすることにより、液晶パネルPの大きさが製造誤差によってバラツキを生じる場合であっても、液晶パネルPに所望の大きさの光学部材F1Xを過不足なく確実に貼合することができる。
また、本実施形態では、撮像装置302で撮像した対向基板画像に含まれる4辺についてそれぞれ求めた近似直線L1,L2,L3,L4を用いて、近似直線L1,L2,L3,L4を結んで得られる図形を、第二基板P2の輪郭線(近似輪郭線)として仮定して求めたが、これに限らない。近似輪郭線OLの決定方法は種々の方法を採用することができる。
(第二実施形態)
以下、第二実施形態に係る近似輪郭線OLの決定方法について、図37〜図39を用いて説明する。尚、第一実施形態に係る近似輪郭線OLの決定方法と同様の処理については、その詳細な説明を省略する。
図37は、第二実施形態に係る撮像装置を用いて液晶パネルを撮像する様子を示す斜視図である。
まず、図37に示すように、複数(図では4つ)の撮像装置1302を用いて、液晶パネルPの角部の周辺を撮像する。
具体的に、撮像装置1302を用い、第二基板P2の角部を含む撮像領域ARを撮像する。その際、図6に示す照明装置301を用い、液晶パネルPを挟んで撮像装置1302とは反対側から光Lを照射し、液晶パネルPを照明する。
撮像装置1302で撮像した画像の画像データは、制御装置91に入力され、次の処理(画像処理、演算)がなされる。
(第一の処理)
まず、第一の処理として、画像データから、液晶パネルPを、図2に示す第二基板P2側から平面視したときの、第二基板P2の輪郭線を強調する処理を行う。
(第二の処理)
第二の処理として、図8に示すように、第一の画像処理において二値化した画像データ(以下、二値化データと称する)に基づいて、第二基板P2の輪郭線(辺)と重なる複数の点Dの座標を検出する。
点Dの座標を検出する際には、例えば、二値化データに基づく画像のX軸方向の任意の位置(x1)において、上端から+Y方向に階調を検出したときに、白(第一の領域)から黒(第二の領域)に変化する位置のY方向の位置(y1)から、点Dの座標(x1,y1)を求めることができる。同様の処理を、第二基板P2の角部C1を挟む2つの辺のそれぞれにおいて行い、各辺において辺に重なる複数点の座標を検出する。
尚、検出する点Dの数は、多い方が望ましいが、後述する演算処理の処理負担が過大とならないような数を設定するとよい。例えば、2つの辺それぞれにおいて、100個の点Dを検出するとよい。
尚、図8に示す近傍EA1では第二基板P2にバリや欠けが生じ、各辺が直線状となっていないため、点Dの検出の際には、近傍EA1(角部の近傍として予め定めた範囲)を検出範囲に含まないように設定するとよい。検出範囲から除外する近傍EA1の範囲は、経験的又は実験的に求められる値にしたがって、適宜設定することができる。
(第三の処理)
第三の処理として、第二の処理で検出した複数の点Dの座標から、点Dと重なる辺に対応する直線を近似して求める。近似としては、通常知られた統計学的手法を用いることができ、例えば、最小二乗法を用いた回帰直線(近似直線)を求める近似方法を挙げることができる。
図9に示すようにして求められる近似直線を、撮像した画像に含まれる2辺について行い、さらに、4つの撮像装置1302で撮像した各画像について、それぞれ行う。
(第四の処理)
第四の処理として、1つの画像に含まれる2辺についてそれぞれ求めた近似直線の交点を、当該2辺に挟まれる第二基板P2の角部に対応する仮想点の座標として求める。
図38は、第四の処理で求めた2つの近似直線L1,L2の交点として求めた仮想点CXを、撮像装置1302で撮像した画像に反映させた図である。近似直線L1,L2を求めるために用いた各点Dの座標は既知であるため、近似直線L1,L2及び仮想点CXを撮像装置1302で撮像した画像上に反映させることができる。
(第五の処理)
第五の処理として、4つの撮像装置1302で撮像した画像のそれぞれにおいて求めた仮想点CXを用い、仮想点CXを結んで得られる図形を、第二基板P2の輪郭線(近似輪郭線)と仮定して求める。
図39は、近似輪郭線OLを求めた模式図である。4つの撮像装置1302の相対的な現実の位置は既知であるため、4つの撮像装置1302の撮像領域ARの相対的な位置も既知である。そのため、図37における4つの撮像装置1302で撮像領域ARを撮像した画像(図39(a))を、1つの共通する現実の座標系に配置した場合の、4つの仮想点CXの座標も算出することができ、液晶パネルPを平面視したときに仮想点CXが位置する座標を求めることができる(図39(b))。このようにして求めた4つの仮想点CXを結ぶことで、近似輪郭線OLを求めることができる(図39(c))。
この構成によれば、周縁部のバリや欠けによる影響を廃した液晶パネルPの外周形状の検出を行い、この外周形状に合わせた光学部材F1Xの加工が可能となる。
(第三実施形態)
以下、第三実施形態に係る近似輪郭線OLの決定方法について、図40〜図41を用いて説明する。尚、上記実施形態に係る近似輪郭線OLの決定方法と同様の処理については、その詳細な説明を省略する。説明の便宜上、シート片FXmが出てくるが、図40〜図41においては、液晶パネルPにシート片FXmが貼合される前の工程を説明するため、シート片FXmの図示を省略する。
本実施形態では、照明装置2301と液晶パネルPとの間に配置され、液晶パネルPにおいて第二基板P2とシート片FXmとの貼合面の内側の領域を遮光する遮光板2303と、を有している。
ここで、「貼合面の内側の領域」とは、貼合面の輪郭線よりも内側(輪郭線で囲まれる領域の中央部側)の領域をいう。「貼合面の内側の領域を遮光する」とは、貼合面の輪郭線よりも内側の領域であって且つ輪郭線の近傍の領域の少なくとも一部を遮光することをいう。
図40は、第三実施形態に係る撮像装置を用いて液晶パネルを撮像する様子を示す斜視図である。
まず、図40に示すように、複数(図では4つ)の撮像装置2302を用いて、液晶パネルPの角部の周辺(図中太線で示す部分)を撮像する。撮像装置2302は、例えば、矩形形状を有する第二基板P2の4つの角部に対応する位置にそれぞれ配置されている。
具体的に、撮像装置2302を用い、第二基板P2の角部を含む撮像領域AR(図42参照)を撮像する。その際、図41に示す照明装置301を用い、液晶パネルPを挟んで撮像装置2302とは反対側から光Lを照射し、液晶パネルPを照明する。尚、照明装置2301としては、青色LEDが用いられる。
撮像装置2302で撮像した画像の画像データは、制御装置91(図1参照)に入力され、次の処理(画像処理、演算)がなされる。
図41は、液晶パネルPの角部Kにおいて、液晶パネルPとシート片FXmとの貼合面SAの外周縁EDをシート片FXmが貼合される側から撮像する様子を示す断面図である。ここで、「貼合面」とは、液晶パネルPのシート片FXmと対向する面を指し、「貼合面の外周縁」とは、具体的には、液晶パネルPにおいてシート片FXmが貼合される側の基板(図41では、第二基板P2)の外周縁を指す。
本実施形態の液晶パネルPは、多面取りで製造されている。そのため、液晶パネルPの角部Kの近傍には、バリや第一基板P1、第二基板P2間の端面位置のずれ等が発生する場合がある。図41に示すように、第一基板P1の外周縁が第二基板P2の外周縁よりも外側にずれている場合には、第二基板P2の外周縁と第一基板P1の外周縁とが撮像装置2302によって検出される。
液晶パネルPのシート片が貼合される側から、第二基板P2の貼合面SAの外周縁EDを検出する場合には、撮像装置2302のピントを第二基板P2の上面に合わせることが好ましい。これにより、第二基板P2の外周縁が第一基板P1の外周縁よりも明瞭に撮像でき、貼合面SAの外周縁EDの検出が容易となる。しかしながら、液晶パネルPを撮像すると、第二基板P2の外周縁も若干ぼやける場合があり、本来貼合面SAとは異なる第一基板P1の外周縁が貼合面SAとともに一体として視認され、それらの境界が認識できなくなることがある。
そこで、本実施形態では、照明装置2301と液晶パネルPとの間に、第二基板P2の貼合面SAの内側の領域を遮光する遮光板2303を設置し、貼合面SAの外周縁ED近傍のみに光Lを照射するようにしている。この構成によれば、貼合面SAの外周縁の直下から概ね垂直に射出された光Lのみが撮像装置2302に入射する。そのため、撮像に寄与する光Lは、液晶パネルPに対して垂直に入射する直進光と近似でき、第二基板P2の外周縁の画像のコントラストを高めるのに寄与する。
第二基板P2の外周縁がぼやける理由は定かではないが、本発明者の検討によれば、液晶パネルPに斜め入射する光Lが外周縁のぼやけに影響したと推測される。すなわち、第二基板P2の端面に対して斜めに入射した光Lによって当該端面の影ができ、その影が偏光特性の変化などの影響によって、ぼやけたように見えたと推測される。そのため、本実施形態では、遮光板2303によって第二基板P2の端面に斜めに入射する光Lをカットし、当該端面の影ができることを抑制している。これにより、第二基板P2の外周縁がくっきりとした線として撮像され、貼合面SAの外周縁EDを精度よく検出することが可能となる。
遮光板2303によって遮光する遮光領域BAは、撮像装置1302の撮像領域内において、第二基板P2の外周縁になるべく近い領域であることが好ましい。遮光板2303は、貼合面SAの外周縁ED近傍を除く撮像領域の全範囲を遮光する必要はなく、貼合面SAの外周縁EDを縁取るように配置されていてもよい。本実施形態の場合、遮光板2303は、第二基板P2よりも若干小さい矩形の板(例えば、アルミ板)として構成されている。第二基板P2の外周縁と第一基板P1の外周縁との間の距離d1は例えば0.1mmであり、第一基板P1の外周縁と遮光板2303の外周縁との間の距離d2は例えば1mmであり、遮光板2303の外周縁と第二基板P2の外周縁との間の距離d3は例えば0.9mmである。
遮光板2303の外周縁と第二基板P2の外周縁との間の距離d3は、例えば、0.3mm以上2mm以下であることが好ましい。d3が2mmよりも大きいと、光Lの指向性を十分に高めることができず、貼合面SAの外周縁EDの検出精度が低下する。また、d3が0.3mmよりも小さいと、貼合面SAの外周縁EDを照明する光Lの光量が小さくなり、暗い画像となる。よって、この場合も貼合面SAの外周縁EDの検出精度が低下する。d3を0.3mm以上2mm以下とすることで、第二基板P2の外周縁をくっきりとした線として撮像でき、貼合面SAの外周縁EDの検出精度が高まる。
尚、図41では、第一基板P1、第二基板P2(上下基板)の外周縁の位置にずれが生じている場合を例示したが、上下基板の外周縁の位置が一致している場合でも、同様の現象が起こり得る。この場合にで、貼合面SAの内側の領域を遮光板2303で遮光することによって、貼合面SAの外周縁EDに入射する光Lの指向性を高め、貼合面SAの外周縁EDの輪郭がぼやけることを抑制することができる。
図42は、近似輪郭線OLを求めた模式図である。
まず、図42(a)に示すように、各撮像装置の撮像領域ARにおける画像データから、対向基板の輪郭線(辺)と重なる複数の点Dの座標を検出する。点Dの座標の検出は、対向基板の角部CXを挟む2つの辺のそれぞれにおいて行う。各辺において辺に重なる複数点の座標を検出することが好ましい。検出する座標の座標軸は、例えば、撮像領域AR内の所定の位置を原点とし、画像の右方向を+X方向、画像の下方向を+Y方向として設定する。
次に、図42(b)に示すように、複数の点Dの座標から、点Dと重なる辺に対応する直線を近似して求める。近似としては、通常知られた統計学的手法を用いることができ、例えば、最小二乗法を用いた回帰直線(近似直線)を求める近似方法を挙げることができる。この場合、角部CXに形成されるバリの影響により、角部CX近傍の点Dの座標のばらつきが大きくなり、近似直線の算出結果に悪影響を与える場合がある。このような場合には、角部CX近傍の点Dを除外した残りの点Dを用いて、近似直線を求めることとしてもよい。
次に、図42(c)に示すように、各辺について得られた近似直線に基づいて対向基板の近似輪郭線OLを求める。本実施形態では、この近似輪郭線OLを対向基板の外周縁(貼合面の外周縁)として近似する。
この構成によれば、シート片FXmを、図41に示した貼合面SAの外周縁EDに略沿って切断することができ、狭額縁化された液晶パネルPに対して好適に光学部材Fを貼合することができる。よって、バリや上下基板間の端面位置のずれなどの影響を排除して液晶パネルPの貼合面SAの外周縁EDを精度良く検出し、この貼合面SAの外周縁EDに合わせた光学部材Fの加工が可能となる。
尚、上記実施形態においては、近似輪郭線OLに沿ってシート片FXmを切断することとしたが、これに限らず、例えば、近似輪郭線OLの内側の領域であって、液晶パネルPの額縁部(表示領域の外側に位置する部分)と重なる位置においてシート片FXmを切断することとしてもよい。その場合は、制御装置91において、算出される近似輪郭線OLに基づき、近似輪郭線OLで描かれる形状よりも所定の大きさだけ小さい形状を真の切断部分として算出した後に、この真の切断部分に沿ってシート片FXmを切断するように切断手段60を制御するとよい。
すなわち、「シート片FXmを貼合面SAの外周縁EDに沿って切断する」とは、撮像データに基づいて検出された現実の外周縁EDに沿ってシート片FXmを切断する場合に限らず、現実の外周縁EDから求められた近似輪郭線OLに沿ってシート片FXmを切断する場合や、近似輪郭線OLに基づいて額縁部上に作成された他の切断線に沿ってシート片FXmを切断する場合なども含まれる。
また、上記実施形態では、撮像装置の撮像方向VLが第一貼合面SA1に対して垂直である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、撮像装置の撮像方向VLが第一貼合面SA1の法線方向に対して斜めに交差していてもよい。
(第四実施形態)
図43は、第一貼合面SA1の端縁EDの検出工程を示す平面図である。
検出装置3030は、例えば図43に示すように、搬送コンベア3011の搬送経路上に設置された4箇所の検査領域CAにおいて第一貼合面SA1の端縁EDを検出する。例えば、搬送コンベア3011は、ベルトコンベアである。各検査領域CAは、矩形形状を有する第一貼合面SA1の4つの角部に対応する位置に配置されている。端縁EDは、ライン上を搬送される液晶パネルPごとに検出される。検出装置3030によって検出された端縁EDのデータは、記憶装置92(図1参照)に記憶される。
尚、検査領域CAの配置位置はこれに限らない。例えば、各検査領域CAが、第一貼合面SA1の各辺の一部(例えば各辺の中央部)に対応する位置に配置されていてもよい。
図44は、検出装置3030の模式図である。
図44に示すように、検出装置3030は、端縁EDを照明する照明光源3301と、第一貼合面SA1の法線方向に対して端縁EDよりも第一貼合面SA1の内側に傾斜した位置に配置され、液晶パネルPの第二基板P2の側から端縁EDの画像を撮像する撮像装置3302と、を備えている。
照明光源3301と撮像装置3302とは、図43で示した4箇所の検査領域CA(第一貼合面SA1の4つの角部に対応する位置)にそれぞれ配置されている。
第一貼合面SA1の法線と撮像装置3302の撮像面3302aの法線とのなす角度θ(以下、撮像装置3302の傾斜角度θと称する)は、撮像装置3302の撮像視野内にパネル分断時のずれやバリ等が入り込まないように設定することが好ましい。例えば、第一基板P1の端面が第二基板P2の端面よりも外側にずれている場合、撮像装置3302の傾斜角度θは、撮像装置3302の撮像視野内に第一基板P1の端縁が入り込まないように設定する。
撮像装置3302の傾斜角度θは、第一貼合面SA1と撮像装置3302の撮像面3302aの中心との間の距離H(以下、撮像装置3302の高さHと称する)に適合するように設定されることが好ましい。例えば、撮像装置3302の高さHが50mm以上100mm以下の場合、撮像装置3302の傾斜角度θは、5°以上20°以下の範囲の角度に設定されることが好ましい。ただし、経験的にずれ量が分かっている場合には、そのずれ量に基づいて撮像装置3302の高さH及び撮像装置3302の傾斜角度θを求めることができる。本実施形態では、撮像装置3302の高さHが78mm、撮像装置3302の傾斜角度θが10°に設定されている。
照明光源3301と撮像装置3302とは、各検査領域CAに固定して配置されている。
尚、照明光源3301と撮像装置3302とは、第一貼合面SA1の端縁EDに沿って移動可能に配置されていてもよい。この場合、照明光源3301と撮像装置3302とがそれぞれ1つずつ設けられていればよい。また、これにより、照明光源3301と撮像装置3302とを、第一貼合面SA1の端縁EDを撮像しやすい位置に移動させることができる。
照明光源3301は、液晶パネルPの第一基板P1の側に配置されている。照明光源3301は、第一貼合面SA1の法線方向に対して端縁EDよりも第一貼合面SA1の外側に傾斜した位置に配置されている。本実施形態では、照明光源3301の光軸と撮像装置3302の撮像面3302aの法線とが平行になっている。
尚、照明光源は、液晶パネルPの第二基板P2の側に配置されていてもよい。
また、照明光源3301の光軸と撮像装置3302の撮像面3302aの法線とが若干斜めに交差していてもよい。
シート片FXmのカット位置は、第一貼合面SA1の端縁EDの検出結果に基づいて調整される。制御装置91(図1参照)は、記憶装置92に記憶された第一貼合面SA1の端縁EDのデータを取得し、光学部材F1Xが液晶パネルPの外側(第一貼合面SA1の外側)にはみ出さない大きさとなるようにシート片FXmのカット位置を決定する。
図45は、比較例に係る検出装置の作用を説明するための斜視図である。
図46は、比較例に係る検出装置の作用を説明するための断面図である。
図47は、本実施形態に係る検出装置の作用を説明するための斜視図である。
図48は、本実施形態に係る検出装置の作用を説明するための断面図である。
図45〜図48では、第一基板P1の端面が第二基板P2の端面よりも外側にずれている場合に、液晶パネルPのシート片FXmが貼合される側(上面側)から第一貼合面SA1の端縁EDを撮像する例を挙げて説明する。図45〜図48において、符号VLは、撮像装置の撮像方向(撮像装置の撮像面の法線方向)を示している。尚、図45〜図48において、便宜上、検出装置を構成する照明光源及び撮像装置の図示を省略している。
図45に示すように、比較例に係る検出装置では、撮像装置の撮像方向VLが第一貼合面SA1に対して垂直である。この場合、図46に示すように、撮像装置の撮像視野内に第一基板P1の端縁が入り込む。そうすると、第一貼合面SA1の端縁EDを検出する際に、第一基板P1の端縁を誤検出してしまう。つまり、撮像装置が第一貼合面SA1の端縁EDではなく、第一基板P1の端縁の画像を撮像してしまうことがある。その結果、第一貼合面SA1の端縁EDを精度良く検出することができなくなる。
これに対し、図47に示すように、本実施形態に係る検出装置では、撮像装置の撮像方向VLが第一貼合面SA1の法線方向に対して斜めに交差している。具体的には、図48に示すように、撮像装置の撮像方向VLが端縁EDよりも内側に傾斜している。すなわち、撮像装置の撮像方向VLが、撮像装置の撮像視野内に第一基板P1の端縁が入り込まないように設定されている。そのため、第一貼合面SA1の端縁EDを検出する際に、第一基板P1の端縁を誤検出してしまうことはなく、第一貼合面SA1の端縁EDのみを検出することができる。よって、第一貼合面SA1の端縁EDを精度良く検出することができる。
尚、図45〜図48では、第一基板P1の端面が第二基板P2の端面よりも外側にずれている場合に、液晶パネルPのシート片FXmが貼合される側から第一貼合面SA1の端縁EDを撮像する例を挙げて説明したが、これに限らない。
図49は、液晶パネルの変形例を適用した場合の、本実施形態に係る検出装置の作用を説明するための断面図である。
例えば、図49に示すように、液晶パネルP’の端面にパネル分割時のバリが存在する場合に、液晶パネルP’のシート片FXmが貼合される側(上面側)から、第一貼合面SA1の端縁EDを撮像する例においても本実施形態に係る検出装置を適用することが可能である。
(第五実施形態)
(光学部材貼合体の製造方法)
図50は、本実施形態における光学部材貼合体の製造方法についての説明図であり、上述した製造工程を示したフロー図である。第一実施形態では、得られた光学部材貼合体PAについて、製造ライン内(インライン)でオートクレーブ処理を行っていた。これに対し、本実施形態では、得られた光学部材貼合体PAについて、製造ライン外(オフライン)でのみオートクレーブ処理を行う。以下、図1で示した符号を適宜使用して製造フローを説明する。尚、第一実施形態と同様の工程については、詳細は説明を省略する。
フロー図においては、符号S100で示された処理は、製造ライン内で行われる処理を示し、符号S200で示された処理は、製造ライン外で行われる処理を示す。
(光学部材貼合体形成工程)
まず、光学部材貼合体PAの製造において、製造ラインに液晶パネルPを搬入し(ステップS101)、液晶パネルPの表面に付着した塵やほこりなどの汚れを洗浄する(ステップS102)。次いで、光学部材貼合体PAを形成する(ステップS103)。
(自動検査工程)
その後、得られた光学部材貼合体PAについて、製造ライン内(インライン)に配置された第二欠陥検査装置42を用い欠陥検査を行う(ステップS104)。
検査の結果、OK判定された光学部材貼合体PAについては、例えば、複数枚をまとめた上で、次工程に向けて搬出する(ステップS105)。
(第一目視検査工程)
一方、目視検査の結果、GRAY判定又はNG判定された光学部材貼合体PAについては、製造ライン外(オフライン)で欠陥の目視検査を行う(ステップS201)。
検査の結果、OK判定された光学部材貼合体PAについては、次工程に向けて搬出する(ステップS105)。
(再生処理工程)
一方、目視検査の結果、欠陥を有する不良品(第一目視検査不良品)と判定された光学部材貼合体PAについては、見つかった欠陥の種類や状態を確認し、後段の処理を施すことにより欠陥を消失させることが可能か否かの判断を行う(ステップS202)。
第一目視検査不良品の欠陥が、光学部材自身の小さな変形や、液晶パネルPと光学部材との貼合面に空気を挟み込み生じた気泡であって微小な物である場合(フロー図では「欠陥・小」と表記)、オートクレーブ処理を施す(ステップS203)。
一方、第一目視検査不良品の欠陥が、光学部材自身の大きな変形や、液晶パネルPと光学部材との貼合面に空気を挟み込み生じた気泡であって大きな物である場合(フロー図では「欠陥・中」と表記)、リワーク処理を施す(ステップS204)。
また、第一目視検査不良品が有する欠陥が、液晶パネルPの損傷など、上記オートクレーブ処理でもリワーク処理でも再生不能なもの(フロー図では「欠陥・大」と表記)であると判断する場合には、廃棄する。
次いで、オートクレーブ処理又はリワーク処理を施した光学部材貼合体PAについて、欠陥の目視検査を行う(第二目視検査工程、ステップS205)。
欠陥が見つからなければ、完成品の光学部材貼合体PAとして、次の工程に搬出される。欠陥が見つかり不良品(第二目視検査不良品)として判定されたものについては、再度ステップS202に戻し、再び再生処理工程を経ることで再生を試みる。
本実施形態の光学部材貼合体の製造方法は、以上のようにして行う。
以上のような光学部材貼合体の製造方法によれば、ライン上を搬送されてくる光学部材貼合体を自動検査装置によって順次自動検査するようにしている。製造ライン上で製造物を順次検査していくため、製造ラインにおける不良品の発生を、不良品の発生から短時間のうちに検出可能とすることができる。そのため、不良品の発生を抑制することができ、製造歩留まりが向上する。
また、製造ライン外の目視検査においては、自動検査で不良品と判定されたもののみを検査対象とするため、目視検査により全数検査する場合と比べ、目視検査に必要な検査員を減らすことが可能となる。
また、目視検査によって不良品と判定されたものの中から良品を検出し、不良品数を低減させることができる。そのため、製造歩留まりが向上する。
よって、本実施形態の光学部材貼合体の製造方法によれば、実使用の上で過不足の無い精度で欠陥検出が可能であり、且つ製造歩留りを損なわず安定した製造が可能となる。
(第六実施形態)
上記実施形態では、カット位置決定手段90は、液晶パネルPにシート片FXmを貼り合わせる前に検出された液晶パネルPの外形形状の検出データに基づいて、液晶パネルPに貼合されたシート片FXmのカット位置を決定していた。これに対し、本実施形態のカット位置決定手段は、液晶パネルPにシート片FXmを貼り合わせた後に検出された液晶パネルPの外形形状の検出データに基づいて、液晶パネルPに貼合されたシート片FXmのカット位置を決定する。具体的に、本実施形態に係る検出装置は、液晶パネルPのシート片FXmから露出する位置に設けられる構造物を検出するのではなく、液晶パネルPのシート片FXmと重なる位置に設けられた構造物を検出する。本実施形態において、構造物は、液晶パネルPに設けられたブラックマトリクスである。
本実施形態において、検出装置は、シート片FXmが貼り合わされた液晶パネルP(例えば、本実施形態では第一シート片F1m、第二シート片F2m及び第三シート片F3mが貼合されたシート片貼合体)に対し、近赤外線を照射してブラックマトリクスを検出する。
例えば、近赤外線を発する光源としては、ハロゲンランプが挙げられる。例えば、色温度3500°Kのハロゲンランプでは、波長700nm近傍をピークに300nm〜780nmの可視光及び780nm〜2000nmの近赤外線を発する。
図51は、偏光フィルムがクロスニコル状態のときの光透過性、CCDの感度特性を示す図である。
図51において、符号GL1(実線)はクロスニコル状態の偏光フィルムに光が入射するときの光透過量(以下、単に光透過量ということがある。)、符号GL2(二点鎖線)はCCDカメラの感度特性(以下、CCD感度特性ということがある。)である。
また、横軸はクロスニコル状態の偏光フィルムに入射する光の波長(入射光波長 λ(nm))、縦軸は光透過量、CCD比感度である。尚、図51の縦軸において、光透過量については、便宜上、クロスニコル状態の偏光フィルムに入射する光が全て透過する場合を1、クロスニコル状態の偏光フィルムに入射する光が全て遮られる場合を0として示している。
図51に示すように、偏光フィルムがクロスニコル状態のとき、可視光はほとんど透過しないが、近赤外線はかなり透過する。例えば、透過光を検出するカメラは、CCDカメラである。CCDカメラは、可視光だけではなく、近赤外線にも感度を有する。CCDカメラは、ブラックマトリクスに由来する格子状のパターンを撮像する。例えば、液晶パネルPの外周縁は、ブラックマトリクスの最外縁を撮像することによって検出される。尚、CCDカメラの撮像素子は、ラインセンサーであってもよいし、エリアセンサーであってもよい。
本実施形態によれば、シート片FXmと重なる位置に設けられたブラックマトリクスの位置に基づいてカット位置FC1,FC2を決定することができる。従って、シート片FXmを液晶パネルPよりも若干大きいサイズとすることにより、液晶パネルPの大きさが製造誤差によってバラツキを生じる場合であっても、液晶パネルPに所望の大きさの光学部材F1Xを過不足なく確実に貼合することができる。
尚、本実施形態では、構造物が液晶パネルPに設けられたブラックマトリクスである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、構造物が液晶パネルPに設けられたアライメントマークであってもよいし、液晶パネルPの外形形状であってもよい。
(第七実施形態)
図52は、第七実施形態のフィルム貼合システム4001の概略構成図である。
図52に示すように、本実施形態のフィルム貼合システム4001では、製造ラインの上流側において、大型パネル(大型光学表示部品)から複数の液晶パネルPを形成するための装置が設けられている。大型パネルは、液晶パネルPの複数分の大きさを有する。
第一実施形態のフィルム貼合システム1では、洗浄装置20のパネル搬送上流側に、搬送コンベア11a及び吸着アーム14aが設けられていた。これに対し、本実施形態のフィルム貼合システム4001では、搬送コンベア11a及び吸着アーム14aに替えて、大型パネルを分割して複数の液晶パネルPを形成するパネル製造装置4002(光学表示部品製造装置)、大型パネルから得られた液晶パネルPを洗浄する洗浄装置4003、洗浄装置4003を経た液晶パネルPの欠陥の検査を行う欠陥検査装置4004を、大型パネル、液晶パネルP及び光学部材貼合体PAが搬送される一連の搬送ライン上に備えている。
パネル製造装置4002は、大型パネルにスクライブラインを形成することにより複数の液晶パネルを切り出す多面取りと呼ばれる処理を大型パネルに施す。これにより、大型パネルから複数の液晶パネルPが得られる。パネル製造装置4002を経た液晶パネルPは、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、洗浄装置4003へと受け渡される。
洗浄装置4003は、液晶パネルPに順次所定の洗浄処理を施す。洗浄装置4003は、液晶パネルPに対し、パネル搬送下流側の洗浄装置20よりも粗い洗浄処理を行う。例えば、洗浄装置4003は、多面取り時に生じた液晶パネルPに残存する切屑等を取り除く。洗浄装置4003を経た液晶パネルPは、例えばベルトコンベア等の搬送機構によって、欠陥検査装置4004へと受け渡される。
欠陥検査装置4004は、液晶パネルPについて、AOI検査(光学式自動外観検査:Automatic Optical Inspection)を行う自動検査装置である。欠陥検査装置4004は、液晶パネルPに対し、パネル搬送下流側の第一欠陥検査装置41よりも粗い検査処理を行う。例えば、欠陥検査装置4004は、多面取り時に生じた液晶パネルPの割れや欠け等の外観上の欠陥を検査する。液晶パネルPに大きな割れや欠けが存在せず、外観上問題なしと判定された液晶パネルPは、洗浄装置20へと受け渡される。一方、液晶パネルPに大きな割れや欠けが存在し、外観上問題ありと判定された液晶パネルPは、不図示の廃棄装置によって廃棄される。
この構成によれば、製造ライン内(インライン)にパネル製造装置4002が設けられるため、製造ライン外(オフライン)にパネル製造装置4002を設ける場合に比べて、装置構成をまとめたものとすることができ、製造ラインを一本化することができる。
尚、本実施形態においては、製造ライン内(インライン)に洗浄装置4003及び欠陥検査装置4004が設けられた例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、製造ライン内(インライン)に洗浄装置4003及び欠陥検査装置4004が設けられていなくてもよい。この場合には、パネル製造装置4002よりもパネル搬送下流側に設けられた洗浄装置20及び第一欠陥検査装置41において同様の処理が行われる。そのため、液晶パネルPに対する洗浄処理及び検査処理を共通化することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1,4001…フィルム貼合システム(光学部材貼合体の製造装置)、10…搬送機構、11a〜11j…搬送コンベア、12a〜12g…テーブル、13a〜13g…スライダ機構、14a〜14e…吸着アーム、20…洗浄装置、30…検出装置、41…第一欠陥検査装置、42…第二欠陥検査装置、50…貼合手段、60…切断手段、90…カット位置決定手段、91…制御装置、4002…パネル製造装置(光学表示部品製造装置)、P…液晶パネル(光学表示部品)、P4…表示領域、FX…光学部材シート、F1…第一光学部材シート、F2…第二光学部材シート、F3…第三光学部材シート、FXm…シート片、F1m…第一シート片、F2m…第二シート片、F3m…第三シート片、F1X…光学部材、F11…第一光学部材、F12…第二光学部材、F13…第三光学部材、PA…光学部材貼合体、FC1…第一カット位置、FC2…第二カット位置、Am…マーク(構造物)、P1…第一基板、P2…第二基板

Claims (13)

  1. 光学表示部品の第一面に第一光学部材を貼合し、前記光学表示部品の前記第一面と対向する第二面に第二光学部材を貼合して構成される光学部材貼合体の製造装置であって、
    前記光学表示部品の前記第一面に前記第一光学部材よりも大きい第一光学部材シートの第一シート片を貼合し、且つ、前記光学表示部品の前記第二面に前記第二光学部材よりも大きい第二光学部材シートの第二シート片を貼合する貼合手段と、
    前記光学表示部品の外形形状の検出データに基づいて、前記光学表示部品に貼合された前記第一シート片の第一カット位置及び前記光学表示部品に貼合された前記第二シート片の第二カット位置を決定するカット位置決定手段と、
    前記第一カット位置に基づいて前記第一シート片を切断することにより、前記光学表示部品の前記第一面に貼合された前記第一シート片の前記第一光学部材に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離し、且つ、前記第二カット位置に基づいて前記第二シート片を切断することにより、前記光学表示部品の前記第二面に貼合された前記第二シート片の前記第二光学部材に対応する部分とその外側の余剰部分とを切り離す切断手段と、を備える光学部材貼合体の製造装置。
  2. 前記カット位置決定手段が、前記光学表示部品に前記第一シート片及び前記第二シート片を貼り合わせる前に検出された前記光学表示部品の外形形状の検出データに基づいて、前記第一カット位置及び前記第二カット位置を決定する請求項1に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  3. 前記カット位置決定手段が、前記光学表示部品に設けられる構造物のうち、前記光学表示部品の前記第一シート片もしくは前記第二シート片から露出する位置に設けられる構造物を位置決め基準として検出した前記光学表示部品の外形形状の前記検出データに基づいて、前記第一カット位置及び前記第二カット位置を決定する請求項1又は2に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  4. 前記カット位置決定手段が、前記光学表示部品に前記第一シート片及び前記第二シート片を貼り合わせた後に検出された前記光学表示部品の外形形状の検出データに基づいて、前記第一カット位置及び前記第二カット位置を決定する請求項1に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  5. 前記カット位置決定手段が、前記第一シート片及び前記第二シート片が貼合された前記光学表示部品に対し、近赤外線を照射することにより、前記光学表示部品に設けられる構造物を位置決め基準として検出した前記光学表示部品の外形形状の前記検出データに基づいて、前記第一カット位置及び前記第二カット位置を決定する請求項4に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  6. 前記カット位置決定手段が、前記第一シート片において前記光学表示部品の前記第一面の外周縁と対向する位置を前記第一カット位置として決定し、前記第二シート片において前記光学表示部品の前記第二面の外周縁と対向する位置を前記第二カット位置として決定する請求項1から5までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  7. 前記光学表示部品を洗浄する洗浄装置と、
    前記光学表示部品を搬送する搬送機構と、を備え、
    少なくとも前記洗浄装置により前記光学表示部品の洗浄を終了してから前記貼合手段により前記光学表示部品に少なくとも前記第一シート片及び前記第二シート片を含む複数のシート片を貼り終わるまでの前記光学表示部品の前記搬送機構として、前記光学表示部品との接触部を変動させて前記光学表示部品を搬送する搬送機構が用いられていない請求項1から6までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  8. 前記搬送機構が、前記光学表示部品を保持するテーブルと、前記テーブルを移動可能なスライダ機構と、前記テーブルに保持された前記光学表示部品を吸着保持して搬送する吸着アームと、を備える請求項7に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  9. 前記搬送機構が、前記光学表示部品を保持して搬送する搬送コンベアと、前記搬送コンベアに保持された前記光学表示部品を吸着保持して搬送する吸着アームと、を備える請求項7又は8に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  10. 前記光学表示部品に前記第一シート片及び前記第二シート片を貼り合わせる前に、前記光学表示部品の外形形状を検出する検出装置を備える請求項1から9までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  11. 前記光学表示部品に前記第一シート片及び前記第二シート片を貼り合わせる前に、前記光学表示部品の欠陥の検査を行う第一欠陥検査装置と、
    前記光学表示部品に前記第一光学部材及び前記第二光学部材を貼り合わせた後に、前記光学部材貼合体の欠陥の検査を行う第二欠陥検査装置と、
    を備える請求項1から10までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  12. 前記第二欠陥検査装置による検査データに対し、予め設定した基準に基づいて、良品を示す判定、良品又は不良品のいずれかが不明な場合を示す判定、不良品を示す判定のいずれかの判定を行う制御装置を備える請求項11に記載の光学部材貼合体の製造装置。
  13. 前記光学表示部品の複数分の大きさを有する大型光学表示部品を分割して複数の前記光学表示部品を形成する光学表示部品製造装置を、前記大型光学表示部品、前記光学表示部品及び前記光学部材貼合体が搬送される一連の搬送ライン上に備える請求項1から12までのいずれか一項に記載の光学部材貼合体の製造装置。
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