JP2015108359A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関の排気浄化装置は、尿素SCR触媒と、尿素SCR触媒に尿素を供給する尿素水添加弁と、尿素SCR触媒よりも排気上流側に設けられたパティキュレートフィルタと、同パティキュレートフィルタのフィルタ再生処理時に燃料を排気に添加する燃料添加弁とを備えている。そして、尿素SCR触媒のアンモニア吸着量及びパティキュレートフィルタのPM堆積量がそれぞれについて設定された閾値α,β以上であるときにフィルタ再生処理を行う場合には、アンモニア吸着量が上記閾値α未満であるときにフィルタ再生処理を行う場合と比較して燃料添加弁の目標燃料添加量を少なくするとともに、同目標燃料添加量に向けて実際の燃料添加量を徐々に増大させる。
【選択図】図2
Description
以下、内燃機関の排気浄化装置の第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図2に示すように、この一連の処理では先ず、フィルタ再生要求があるか否かを判定する(ステップS21)。この処理では、パティキュレートフィルタ9のPM堆積量が第1の所定量PM1以上となってから同所定量PM1よりも小さい第2の所定量PM2未満になるまでの期間、フィルタ再生要求有りと判定される。ここで、PM堆積量が第1の所定量PM1以上であるときは、パティキュレートフィルタ9のPM捕捉能力が低下していると判断することができる。一方、PM堆積量が第2の所定量PM2未満であれば、十分なPM捕捉能力が確保できると判断することができる。また、PM堆積量は、差圧センサ16によって検出される差圧ΔPが大きいほど多くなるため、この差圧ΔPに基づいて推定することができる。このステップS21の処理において否定判定となった場合には、本処理を終了する。
図5(a)〜(d)の一点鎖線は、フィルタ再生要求があると判断された時刻t1から燃料添加量をアンモニア吸着量やPM堆積量によらず所定量Q0に固定してフィルタ再生処理を実行した場合の動作態様を示している。この場合には、フィルタ再生処理の開始後にPMの急激な燃焼が生じ、図5(e)に一点鎖線で示すようにパティキュレートフィルタ9の床温が急激に上昇する。このため、尿素SCR触媒11の床温が上昇して多量のアンモニアが尿素SCR触媒11から脱離して排気中に放出される。その結果、図5(f)に一点鎖線で示すように、酸化触媒12で分解しきれないアンモニアが大気中に放出され、アンモニアのスリップ量が増大することとなる。
アンモニア吸着量が閾値α以上であり、PM堆積量が閾値β以上であるときには、フィルタ再生処理の実行中における燃料添加量が通常時の所定量Q0よりも少ない所定量Q1に設定されるとともに、同所定量Q1に向けて実際の燃料添加量が徐々に増大する。このため、図5(e)に実線で示すように、フィルタ再生処理に伴う急激なPMの燃焼が抑制され、パティキュレートフィルタ9の床温の上昇が緩やかになる。これにより、図5(f)に実線で示すように、尿素SCR触媒11の床温が急激に上昇することが抑えられ、尿素SCR触媒11から時間当たりに脱離するアンモニアの量が少なくなるため、アンモニアのスリップ量の増大が抑えられる。また、燃料添加によりPMの焼失が進みPMの急激な燃焼が生じる可能性が少なくなるに連れて燃料添加量が増大するため、PMの急激な燃焼を抑制しつつ、フィルタ再生処理の時間短縮を図ることができるようになる。
(1)フィルタ再生処理の実行中における燃料添加量を制御することにより、PMの急激な燃焼を抑制してフィルタ再生処理時におけるアンモニアのスリップ量の増大を抑えることができるとともに、フィルタ再生処理の時間短縮を図ることができる。
次に、内燃機関の排気浄化装置の第2の実施形態について、図6〜図8を参照して説明する。この排気浄化装置では、フィルタ再生処理の実行中に、吸入空気量制限処理を行う点で上記第1の実施形態と異なっている。排気浄化装置の構成については同様であるため、共通の符号を付してその詳細な説明は省略する。
この処理ではまず、フィルタ再生処理が実行中であるか否かを判定する(ステップS61)。フィルタ再生処理が実行中である場合(ステップS61:YES)には、次にステップS62の処理に移行して、パティキュレートフィルタ9の床温の上昇速度が閾値ΔTs以上であるか否かを判定する。パティキュレートフィルタ9の床温の上昇速度は、排気温の変化に基づいて推定することができる。そして、この処理において肯定判定となった場合には、吸入空気量制限処理を実行する(ステップS63)。吸入空気量制限処理では、スロットルバルブ4の開度を所定開度だけ小さくするとともに、過給機5のベーンの開度を所定開度だけ大きくする。その結果、吸気通路2の通路断面積が絞られ、過給圧が低下するため、吸入空気の量が減少する。その後、本処理を終了する。
次に、図7及び図8を参照して、この排気浄化装置の作用について説明する。
(2)フィルタ再生処理の実行中における吸入空気量を制御することにより、PMの燃焼速度が更に減少し、パティキュレートフィルタ9の床温の過度な上昇が抑制されるため、尿素SCR触媒11の床温が急激に上昇することに起因するアンモニアのスリップ量の増大を一層好適に抑えることができる。
上記各実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・上記第2の実施形態では、吸入空気量制限処理においてスロットルバルブ4の開度を所定開度だけ小さくし、ベーンの開度を所定開度だけ大きくする例を説明したが、例えば、図9に示すように、パティキュレートフィルタ9の床温の上昇速度に基づいてスロットルバルブ4やベーンの開度を可変設定するようにしてもよい。すなわち、パティキュレートフィルタ9の床温の上昇速度が大きいときほど、スロットルバルブ4の開度を小さくするとともにベーンの開度を大きくするようにしてもよい。また同様に、フィルタ再生処理の開始時におけるパティキュレートフィルタ9の床温に基づいてスロットルバルブ4やベーンの開度を可変設定するようにしてもよい。すなわち、パティキュレートフィルタ9の床温が高いときほど、スロットルバルブ4の開度を小さくするとともにベーンの開度を大きくするようにしてもよい。
Claims (2)
- 排気通路に設けられた尿素SCR触媒と、尿素水を排気に添加することにより前記尿素SCR触媒に尿素を供給する尿素水添加弁と、排気通路において前記尿素SCR触媒よりも排気上流側に設けられたパティキュレートフィルタと、同パティキュレートフィルタのフィルタ再生処理時に燃料を排気に添加する燃料添加弁とを備える内燃機関の排気浄化装置において、
前記尿素SCR触媒のアンモニア吸着量及び前記パティキュレートフィルタのPM堆積量がそれぞれについて設定された閾値以上であるときにフィルタ再生処理を行う場合には、前記アンモニア吸着量が前記閾値未満であるときにフィルタ再生処理を行う場合と比較して前記燃料添加弁の目標燃料添加量を少なくするとともに、同目標燃料添加量に向けて実際の燃料添加量を徐々に増大させる
内燃機関の排気浄化装置。 - 前記内燃機関は吸入空気を調量する調量機構を備え、
前記フィルタ再生処理の実行中における前記パティキュレートフィルタの床温の上昇速度または前記フィルタ再生処理の開始時における前記パティキュレートフィルタの床温がそれぞれについて設定された閾値以上である場合には、前記閾値未満である場合と比較して、前記フィルタ再生処理の実行中における吸入空気の量を前記調量機構の操作に基づき少なくする
請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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