JP2015107521A - プレス成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係るプレス成形方法は、第1の金型1を用いて、溝形状部53を製品形状に成形すると共に、縮みフランジ変形を受けるフランジ部及び伸びフランジ変形を受けるフランジ部について、縮みフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が製品形状のフランジ部の線長よりも短く、伸びフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が製品形状のフランジ部の線長よりも長くなるように成形する第1成形工程と、第2の金型3を用いて、第1成形工程で成形されたフランジ部を製品形状に成形する第2成形工程とを備えたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1
Description
このため、スプリングバック後の形状を設計形状に近づけるために、生産現場では熟練者によって金型を幾度も修正して、トライアル&エラーを重ねなければならず、その結果、生産期間が長期化してしまう。
したがって、スプリングバックを効果的に低減できる方法を開発することは、自動車の開発期間やコストを削減する上でもますます重要な課題であると言える。
応力をコントロールしてスプリングバックを低減するものとして、例えば特許文献1に記載の「薄鋼板のプレス成形用金型装置」がある。特許文献1は、ハット断面部品をフォーム成形する際に、フランジ部に凸ビードを設けた金型でプレス成形する方法である。この方法は、下死点直前でブランクが凸ビードにロックされてブランクの縦壁部に引張変形が付与され、縦壁部の反りの原因であった板厚方向の応力差が解消されるというものである。
成形品51は、パンチ頂部53aと縦壁部53bからなる溝形状部53、及び長手方向に沿って湾曲するフランジ部(外側フランジ55および内側フランジ57)を有している。
そこで、発明者は、フランジ部の残留応力を低減する方法として、プレス成形過程においてフランジ部の線長を製品形状よりも大きく変化させ、その後にフランジ部の線長を製品形状に戻すような成形をすることを考えた。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
第1の金型を用いて、前記溝形状部を前記製品形状に成形すると共に、縮みフランジ変形を受けるフランジ部または伸びフランジ変形を受けるフランジ部の少なくとも一方について、縮みフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が前記製品形状のフランジ部の線長よりも短く、伸びフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が前記製品形状のフランジ部の線長よりも長くなるように成形する第1成形工程と、
第2の金型を用いて、前記第1成形工程で成形された前記フランジ部を製品形状に成形する第2成形工程とを備えたことを特徴とするものである。
前記第1上型は、前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に形成された第1肩部とを有し、
前記第1下型は、前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を形成する溝形状成形用凸部と、前記第1肩部に対向配置されて前記第1肩部と協働して前記第1成形工程のフランジ部を成形する第1フランジ成形部とを備え、
前記第1上型と前記第1下型は、下死点状態で、少なくとも片方の前記第1肩部と前記第1フランジ成形部の間に隙間が形成されるように設定されており、
前記第2の金型は、第2上型と第2下型からなり、
前記第2上型は、前記第1成形工程で成形された溝形状部が挿入可能な凹陥部と、該凹陥部の両側に設けられた第2肩部とを有し、
前記第2下型は、前記凹陥部と協働して下死点状態で前記溝形状部の下端部を挟持する凸部と、該凸部の両側に設けられて前記第2肩部と協働して前記フランジ部を製品形状に成形する第2フランジ成形部とを備えてなることを特徴とするものである。
前記第1下型の前記溝形状成形用凸部と前記第1フランジ成形部の相対位置が調整可能になっており、
前記第1下型は、下死点状態で、少なくとも片方の前記第1肩部と前記第1フランジ成形部の間に隙間が形成されるように位置調整されたものであり、
前記第2下型は、前記溝形状成形用凸部の下端が前記第2フランジ成形部の面に一致するように位置調整されたものであることを特徴とするものである。
0.05<h/L<1.0
の条件を満たすことを特徴とするものである。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法が成形の対象としているプレス成形品は、図16に示すように、長手方向に延びる溝形状部53を有し、溝形状部53を形成する一対の縦壁部53bの両方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部(外側フランジ55及び内側フランジ57)を有する製品形状の成形品51である。
第1の金型1は、第1成形工程に用いる金型であり、図1(a)、図1(b)および図2に示す通り第1上型5と第1下型7からなる。
第2の金型3は、第2成形工程に用いる金型であり、図1(c)、図1(d)および図3に示す通り第2上型9と第2下型11からなる。
以下、第1の金型1と第2の金型3の各構成について説明する。
≪第1上型≫
第1上型5は、長手方向に沿って湾曲し、成形品51(図13)の溝形状部53を成形する溝部5aと、溝部5aの両側に形成された第1肩部5bとを備えている。
第1下型7は、図2に示すように、長手方向に沿って湾曲する凸条からなり、溝部5aに挿入されて成形品51(図13)の溝形状部53を形成する溝形状成形用凸部7aと、第1肩部5bに対向配置されて第1肩部5bと協働して第1成形工程のフランジ部(内側フランジ57と外側フランジ部55)を成形する第1フランジ成形部7bと、溝形状成形用凸部7aと第1フランジ成形部7bの間にあって垂直に立ち上がる立上り部7cを備えている。立上り部7cを有しているため、溝形状成形用凸部7aの端70aの位置は第1フランジ成形部7bよりもhだけが高さを有する。すなわち、図1(a)に示すように、溝形状成形用凸部7aの端70aは、第1フランジ成形部7bからの相対高さがhに設定されている。このため、溝形状成形用凸部7aが溝部5aに挿入されると、図1(b)に示すように、下死点状態で第1上型5の第1肩部5bと第1下型7の第1フランジ成形部7bとの間に隙間が形成されるようになっている。
≪第2上型≫
第2上型9は、図1(c)に示すように、第1成形工程で成形された溝形状部53が挿入可能な凹陥部9aと、凹陥部9aの両側に設けられた第2肩部9bとを有している。
第2下型11は、図1(d)に示すように、第2上型9の凹陥部9aと協働して下死点状態で溝形状部53の下端部を挟持する凸部11aと、凸部11aの両側に設けられて第2肩部9bと協働して内側フランジ57と外側フランジ部55を製品形状に成形する第2フランジ成形部11bとを備えている。
また、例えば、第2成形工程で成形品51の溝形状部53(図13)にさらにビード形状等を付与するようにしてもよく、この場合、第2上型9の凹陥部9aと第2下型11の凸部11aに適宜変更を加えればよい。
本発明の一実施の形態に係るプレス成形方法は、図1に示すように、第1の金型1を用いて、溝形状部53を製品形状に成形すると共に、縮みフランジ変形を受けるフランジ部及び伸びフランジ変形を受けるフランジ部について、縮みフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が製品形状のフランジ部の線長よりも短く、伸びフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が製品形状のフランジ部の線長よりも長くなるように成形する第1成形工程(図1(a)及び図1(b)参照)と、第2の金型3を用いて、第1成形工程で成形されたフランジ部を製品形状に成形する第2成形工程(図1(c)及び図1(d)参照)とを備えたことを特徴とするものである。
まず、ブランク13は、図1(a)に示すように、第1下型7の溝形状成形用凸部7aの上面に載置する。
次に、第1上型5を下動させる。こうすることで、第1上型5の溝部5aと第1下型7の溝形状成形用凸部7aによって溝形状部53(パンチ底部53aと縦壁部53b、図1(c)参照)が中間製品形状に成形される(第1下死点、図1(b)参照)(第1成形工程)。
縦壁部53bが成形される際にブランク13が内方に流入することによって、ブランク13の内側端13aおよび外側端13bは、図1(b)および図1(c)の太矢印に示すように、第1下型7側に移動する。
一方、湾曲の外側では、図4の拡大図に示す通り、ブランク13の流入により外側端13bにおけるC0D0はC1D1となり、外側端13bの線長は縮められて短くなる(縮みフランジ変形)。
次に、第1成形工程によって溝形状部53が形成されたブランク13(成形品51の中間製品)を第2の金型3の第2下型11に載置する。
次に、第2上型9を下動させる。こうすることで、第2上型9の第2肩部9bと第2下型11の第2フランジ成形部11bによって内側フランジ部57および外側フランジ部55が製品形状に成形される(第2下死点、図1(d)参照)(第2成形工程)。
このときブランク13の内側端13aおよび外側端13bは、図1(d)中の太矢印に示すように、外方に移動する。
一方、湾曲の外側では、外側端13bの線長が僅かに長くなる(C1D1→C2D2)。つまり、プレス成形開始前のC0点、D0点はそれぞれ、第1下死点ではC1点、D1点になり、第2下死点ではC2点、D2点となり、線長はC0D0→C1D1→C2D2と変化する。
このように、本発明は、僅かなひずみの戻りに対して残留応力が敏感に大きく変化する特徴を利用しスプリングバックを抑制したものである。
そこで、成形品51のフランジ幅をL(図16参照)とすると、フランジ幅Lと相対高さhの比(h/L)は、0.05<h/L<1.0の範囲内に設定することが望ましい。この点は後述する実施例において実証する。
実施の形態1では、第1の金型1は第1上型5、第1下型7を有している例を挙げて説明したが、第1工程に用いる金型を、ブランク13を押さえるパッド付きにして、第1成形工程開始時からブランク13をパッドで押さえるようにしてもよい。こうすることで、第1成形工程においてブランク13がずれてしまうことを確実に防止することができる。
このようなものの一例を図6に示す。図6に示すパッド付き第1の金型15は、ブランク13のパンチ頂部53aに相当する部位を第1下型7と挟持するパッド17と、パッド17が出没可能に設けられた第1上型19とを有している。第1上型19に対応するパンチとしては、第1の金型1の第1下型7が使用できる。なお、図6において、第1の金型1と同一のものには同一の符号を付している。
また、第2成形工程は、図1に示すものと同様の第2の金型3を使用する。
実施の形態1および実施の形態2では内側フランジ57および外側フランジ55の両方においてひずみの戻りを与える例を説明したが、内側フランジ57と外側フランジ55の残留応力のバランスをとることによって成形品51全体としてスプリングバックが緩和されればよく、内側フランジ部57または外側フランジ部55の一方についてのみ、ひずみの戻りを与えるような成形を行うようにしてもよい。
例えば、内側フランジ部57のみにひずみの戻りを与える場合、図7に示すように、第1上型5と協働して外側フランジ部55を成形する外側フランジ成形部25aを有する第1下型25を備える第1の金型21を用いて第1成形工程を行う。
第1下型25は、第1上型5と共にパンチ頂部53aと縦壁部53bと外側フランジ部55を成形する。
なお、第2成形工程は、上記実施の形態1および実施の形態2と同じ第2の金型3を用いてプレス成形を行う。
まず、図8(a)に示すようにブランク13を載置し、第1上型5を下動させる。第1下死点(図8(b)参照)においては、内側端13aでは伸びフランジ変形となり、外側端13bでは縮みフランジ変形となる。
次に、第2の金型3を用いて第2成形工程を行う。第2下死点(図8(d)参照)において内側端13aの長手方向の線長が僅かに短くなる変形が生じて内側フランジ部57が成形される。このとき、伸びフランジ変形が緩和されて引張応力が大幅に減少する。このように、内側フランジ部57のみに本発明を適用することで、内側フランジ部57の伸びフランジ変形を緩和して、図20に示す成形品51に生ずるスプリングバックを緩和することができる。
実施の形態3に示したものとは逆に、外側フランジ部55のみにひずみの戻りを与えるようにしてもよく、この場合、例えば図9に示すように、内側フランジ成形肩部29aを有する第1上型5と、第1上型5と協働して内側フランジ部57を成形する内側フランジ成形部31aを有する第1下型31と、を備える第1の金型27を用いてプレス成形を行う。
第1下型31は、第1上型5と共にパンチ頂部53aと縦壁部53bと内側フランジ部57を成形する。
なお、第2成形工程は、上記実施の形態1〜実施の形態3と同じ第2の金型3を用いてプレス成形を行う。
このように、外側フランジ部55のみに本発明を適用することで、外側フランジ部55の縮みフランジ変形を緩和して、図20に示す成形品51に生ずるスプリングバックを緩和することができる。
フランジ部の長さ、高さ位置や角度について制限はない。
また、図21に示すように、内側または外側のいずれか一方に湾曲したフランジ部を有し、他方は湾曲しないフランジ部を有するものであってもよく、成形品の製品形状全体が湾曲していなくともよい。
図22(a)は、成形品全体が長手方向中央で上に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品81)を図示したものであり、図22(b)は長手方向中央で下に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品83)を図示したものである。
また、図23(a)は、成形品のフランジ部のみが長手方向中央で上に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品91)を図示したものであり、図23(b)は成形品のフランジ部のみが長手方向中央で下に凸となるように湾曲した形状の一例(成形品93)を図示したものである。
このような凸部高さ調整可能な金型の一例を図11に示す。図11の凸部調整可能式金型33の下型は、第1の金型1の第1下型7の一部を変更したものである。なお、図11において同様のものには同一の符号を付している。
凸部調整可能式金型33の上型は、第1の金型1の第1上型5を使用する。
また、凸部調整可能式金型33は、スペーサ37を取り除くことで、溝形状成形用凸部7aの端70aが第1フランジ成形部7bの上面に一致する位置に溝形状成形用凸部7aを位置させることができるようになっており、この場合、実施の形態1の第2の金型3に相当する金型として使用することができる。
このように、凸部調整可能式金型33は、溝形状成形用凸部7aの位置を適宜調整することによって、第1の金型および第2の金型として使用できる。
なお、この場合、第1上型と第2上型、第1下型の溝形状成形用凸部と第2下型の凸部、及び第1下型の第1フランジ成形部と第2フランジ成形部とはそれぞれ同形状からなる。
図12に示すフランジ成形部調整可能式金型39は、図12(a)及び図12(b)に示すように、フランジ成形部8bを分割可能にして、分割の隙間にスペーサ37を出し入れすることでフランジ成形部8bの位置を調整するようにしたものである。
従って、凸部調整可能式金型33を用いれば、成形現場でスプリングバックをコントロールでき、従来のように金型を修正することでトライアル&エラーによってスプリングバックを低減していたのに比べ、はるかに安価でなおかつ短期間でスプリングバックを低減できる。
また、上記において、第1金型の第1上型と第1下型の上下を入れ替える、または第2金型の第2上型と第2下型の上下を入れ替える、または第1金型の第1上型と第1下型の上下を入れ替えてかつ第2金型の第2上型と第2下型の上下を入れ替えるようにしてもよく、いずれにおいても同様の効果が得られる。
まず、実験方法について概説する。実験は、第1の金型及び第2の金型を用いて複数のプレス成形条件で成形を行い、成形された成形品のスプリングバック量を比較するというものである。
成形対象となる成形品51は、図13および図14に示すように、ハット断面を有する長手方向に沿って湾曲した形状であり、長さは1000mm、断面の高さは30mm、パンチ頂部53aの幅は20mm、内側フランジ部57および外側フランジ部55の幅はともに25mm、部品幅中央の長手方向湾曲曲率半径は1000mmである。ブランク13は厚さ1.2mmの980MPa級鋼板を使用した。プレス機には1000tonf油圧プレス機を用いた。
本発明例1〜本発明例7においては、図1および図2に示す第1の金型1を用いて第1成形工程を行い、図1および図3に示す第2の金型3を用いて第2成形工程を行った。
本発明例1〜本発明例7は、第1下型7の相対高さhの影響を確認するため、相対高さhをそれぞれ2.5、5、10、15、20、25、30mmの7水準とした。
また、パッドで天板部を押さえる場合の効果を確認するために、本発明例8として、図6で示した第1の金型15(相対高さh=10mm)を用いて第1成形工程を行い、第2の金型3を用いて第2成形工程を行った。また、比較例2として通常のパンチ105(相対高さh=0mm)およびパッド付きダイを用いたフォーム成形を実施した。パッド圧は50tonfとした。
曲がり量Δyは、正ならば部品の湾曲曲率が大きくなる(曲率半径が小さくなる)方向に曲がり変形したことを、負ならば湾曲曲率が小さくなる(曲率半径が大きくなる)方向に曲がり変形したことを意味する。そして、絶対値が小さければスプリングバック量が少ないことを意味する。
表1に各プレス成形条件{相対高さh(mm)、h/L、パッドの有無}と各プレス条件で成形された成形品51の曲がり量Δy(mm)を示す。
また、h=10mmとh=15mmの間で曲がり量Δyの正負が逆転した。曲がり量Δyの絶対値が最も小さい成形条件は本発明例3(パッドなしのh=10mm)でΔy=1.2mmとなり、比較例1の従来のフォーム成形に比べ大幅にスプリングバックが低減した。
本発明例7(h=30mm)での曲がり量Δyは、本発明例6(h=25mm)での曲がり量Δyと変わらなかった。これは、相対高さhがフランジ幅Lより大きく、第1金型で成形後のフランジ端が第1下型に接触せず、第2金型で成形されたことが影響している。
ひずみを戻す成形は、本発明例9〜本発明例13では内側フランジ部57のみに、本発明例14〜本発明例18では外側フランジ部55のみに適用した。
本発明例9〜本発明例13では、図7および図8に示す第1の金型21を用いて第1成形工程を行い、本発明例14〜本発明例18では、図9に示す第1の金型27を用いて第2成形工程を行った。
相対高さhは、本発明例9〜本発明例13ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとし、本発明例14〜本発明例18でも同様にそれぞれ5、10、15、20、25mmとした。
また、比較例3として、プレス成形金型101{通常のパンチ105(相対高さh=0mm)}を用いた従来のフォーム成形(図17参照)を行った。
成形対象、油圧プレス機、スプリングバックの評価方法は、実施例1と同様である。
以上のように、ひずみを戻す本発明を適用するのが内側フランジ部57および外側フランジ部55のどちらか一方のみであっても、高いスプリングバック抑制効果が確認された。
まず、実験方法について概説する。
成形品81および成形品83は、長さは1000mm、長手方向湾曲曲率半径は1000mm、断面形状は実施例1および実施例2と同じである(図14参照)。ひずみを戻す成形は、両方のフランジ部に適用した。ブランク材、および油圧プレス機は実施例1および実施例2と同様のものを用いた。
相対高さhは、本発明19〜本発明例23ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとし、本発明24〜本発明例28ではそれぞれ5、10、15、20、25mmとした。
また、比較例4および比較例5として、図26(a)に示す第2の金型110(相対高さh=0mm)のみ、または図26(b)に示すに示す第2の金型113(相対高さ=0mm)のみを用いた通常のフォーム成形を行った。
ハネ量Δzは、正ならば部品端が上方(フランジ部と反対側)にハネ変形したことを、負ならば部品端が下方(フランジ部と同じ側)にハネ変形したことを意味する。そして、絶対値が小さければスプリングバックが少ないことを意味する。
表3に製品凸方向と各プレス成形条件{相対高さh(mm)、h/L}と各プレス条件で成形された成形品81および成形品83のハネ量Δz(mm)を示す。
一方、成形品83(下に凸の製品)について検討した例でスプリングバック量が最も小さい成形条件は、本発明例27(h=20mm)でΔz=-0.6mmであり、比較例5のΔz=-15.0mmに比べスプリングバックが大幅に低減した。
3 第2の金型
5 第1上型
5a 溝部
5b 第1肩部
7 第1下型
7a 溝形状成形用凸部
7b 第1フランジ成形部
7c 立上り部
70a 溝形状成形用凸部の端
8 溝形状成形用金型
8a 溝形状成形用凸部
8b フランジ成形部
9 第2上型
9a 凹陥部
9b 第2肩部
11 第2下型
11a 凸部
11b 第2フランジ成形部
13 ブランク
13a 内側端
13b 外側端
15 第1の金型(実施の形態2)
17 パッド
19 第1上型
21 第1の金型(実施の形態3)
25 第1下型
25a 外側フランジ成形部
27 第1の金型(実施の形態4)
31 第1下型
31a 内側フランジ成形部
33 凸部調整可能式金型(他の態様)
35 溝部
37 スペーサ
39 フランジ成形部調整可能式金型(他の態様)
51 成形品
53 溝形状部
53a パンチ頂部
53b 縦壁部
55 外側フランジ
57 内側フランジ
61 内側に湾曲フランジを有する成形品
63 外側に湾曲フランジを有する成形品
71 第1の金型(実施例3、上に凸の場合)
72 第1上型
73 第1下型
75 第1の金型(実施例3、下に凸の場合)
76 第1上型
77 第1下型
81 上に凸となる湾曲形状の成形品
83 下に凸となる湾曲形状の成形品
91 フランジ部のみが上に凸となる湾曲形状の成形品
93 フランジ部のみが下に凸となる湾曲形状の成形品
101 プレス成形金型
103 ダイ
105 パンチ
110 第2の金型(実施例3、下に凸の場合)
111 第2上型
112 第2下型
113 第2の金型(実施例3、下に凸の場合)
114 第2上型
115 第2下型
Claims (8)
- 長手方向に延びる溝形状部を有し、該溝形状部を形成する一対の縦壁部の少なくとも一方に長手方向に沿って湾曲するフランジ部を有する製品形状の成形品を成形するプレス成形方法であって、
第1の金型を用いて、前記溝形状部を前記製品形状に成形すると共に、縮みフランジ変形を受けるフランジ部または伸びフランジ変形を受けるフランジ部の少なくとも一方について、縮みフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が前記製品形状のフランジ部の線長よりも短く、伸びフランジ変形を受けるフランジ部に対しては長手方向の線長が前記製品形状のフランジ部の線長よりも長くなるように成形する第1成形工程と、
第2の金型を用いて、前記第1成形工程で成形された前記フランジ部を製品形状に成形する第2成形工程とを備えたことを特徴とするプレス成形方法。 - 前記第1の金型は、第1上型と第1下型からなり、
前記第1上型は、前記溝形状部を成形する溝部と該溝部の両側に形成された第1肩部とを有し、
前記第1下型は、前記溝部に挿入されて前記成形品の前記溝形状部を形成する溝形状成形用凸部と、前記第1肩部に対向配置されて前記第1肩部と協働して前記第1成形工程のフランジ部を成形する第1フランジ成形部とを備え、
前記第1上型と前記第1下型は、下死点状態で、少なくとも片方の前記第1肩部と前記第1フランジ成形部の間に隙間が形成されるように設定されており、
前記第2の金型は、第2上型と第2下型からなり、
前記第2上型は、前記第1成形工程で成形された溝形状部が挿入可能な凹陥部と、該凹陥部の両側に設けられた第2肩部とを有し、
前記第2下型は、前記凹陥部と協働して下死点状態で前記溝形状部の下端部を挟持する凸部と、該凸部の両側に設けられて前記第2肩部と協働して前記フランジ部を製品形状に成形する第2フランジ成形部とを備えてなることを特徴とする請求項1記載のプレス成形方法。 - 前記第1上型と前記第2上型、前記第1下型の溝形状成形用凸部と前記第2下型の凸部、及び前記第1下型の前記第1フランジ成形部と前記第2フランジ成形部とはそれぞれ同形状からなり、
前記第1下型の前記溝形状成形用凸部と前記第1フランジ成形部の相対位置が調整可能になっており、
前記第1下型は、下死点状態で、少なくとも片方の前記第1肩部と前記第1フランジ成形部の間に隙間が形成されるように位置調整されたものであり、
前記第2下型は、前記溝形状成形用凸部の下端が前記第2フランジ成形部の面に一致するように位置調整されたものであることを特徴とする請求項2記載のプレス成形方法。 - パンチ頂部を有する成形品を成形する場合において、前記第1上型は、ブランクにおける前記パンチ頂部に相当する部位を押さえるパッドを有することを特徴とする請求項2記載のプレス成形方法。
- 前記第1金型の第1上型と第1下型の上下を入れ替える、または前記第2金型の第2上型と第2下型の上下を入れ替える、または、前記第1金型の第1上型と第1下型の上下を入れ替えてかつ前記第2金型の第2上型と第2下型の上下を入れ替えることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 前記第1の金型の前記下死点状態における前記第1肩部と前記第1フランジ成形部との間の隙間をh、前記製品形状のフランジ幅をLとしたときに、
0.05<h/L<1.0
の条件を満たすことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のプレス成形方法。 - 前記一対の縦壁のいずれか一方のフランジ部に前記第1成形工程と前記第2成形工程を適用することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプレス成形方法。
- 前記一対の縦壁の両方のフランジ部に前記第1成形工程と前記第2成形工程を適用することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプレス成形方法。
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