JP2015106781A - 車両遠隔操作システムの車載中継機 - Google Patents
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Abstract
Description
以下に添付図面を参照して、この発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
最初に、本実施の形態に係る車両遠隔操作システムの概要について説明する。図1は、本実施の形態に係る車両遠隔操作システム1を車両制御システム100と共に示すブロック図である。
次に、車両制御システム100と車両遠隔操作システム1の構成について説明する。最初に、車両制御システム100の構成について説明する。車両制御システム100の車両制御装置110は、基本送受信回路111を備えて構成されている。この基本送受信回路111は、応答要求信号及び応答信号の送受信を行うための基本送受信手段であり(以下、後述する基本送受信回路13、23、121についても同じ)、応答要求信号を応答要求周波数で無線送信する応答要求信号送信回路112を備えている。また、図示は省略するが、車両制御装置110は、当該車両制御装置110の各部を制御するMPU(Micro Processing Unit)と、認証情報を不揮発的に記憶する記憶部と、無線通信を行うためのアンテナと、車両の各種の機器から有線出力を受け付ける接点端子を備える。この接点端子としては、車両のエンジン始動スイッチが操作された場合の出力(以下、エンジン始動操作出力)を受け付けるエンジン操作接点端子と、車両のブレーキが操作された場合の出力(以下、ブレーキ操作出力)を受け付けるブレーキ操作接点端子が設けられている。ただし、車両制御装置110は従来と同様に構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
車両制御システム100の携帯機(リモコンキー)120は、基本送受信回路121を備えて構成されている。この基本送受信回路121は、応答要求周波数で送信された応答要求信号を受信する応答要求信号受信回路122と、応答信号を応答周波数で無線送信する応答信号送信回路123を備えている。また、図示は省略するが、携帯機120は、IC(Integrated Circuit)、及び各種のフィルタと、認証情報を不揮発的に記憶する記憶部と、無線通信を行うためのアンテナと、電源となる電池を備える。ただし、携帯機120は従来と同様に構成することができるので、その詳細な説明は省略する。なお、本実施の形態では、この携帯機120以外にも、当該携帯機120と同様に構成された他の携帯機120’(例えばスペアのリモコンキー。図示省略)が少なくとも1個存在しており、他の携帯機120’が車両内部や車両外部における車両近傍位置にある場合を想定する。このような場合としては、例えば、他の携帯機120’を車両内部に置き忘れた場合が考えられる。
車両制御システム100のキーレス受信機130は、基本送受信回路131を備えて構成されている。この基本送受信回路131は、応答要求信号及び応答信号の送受信を行うための基本送受信手段であり、応答周波数で送信された応答信号を受信する応答信号受信回路132を備えている。このキーレス受信機130は、上述したように、車両制御装置110に対して有線接続されており、応答信号受信回路132にて受信した応答信号を車両制御装置110に対して出力する。また、図示は省略するが、キーレス受信機130は、当該キーレス受信機130の各部を制御するMPUと、無線通信を行うためのアンテナとを備える。ただし、キーレス受信機130は従来と同様に構成することができるので、その詳細な説明は省略する。
次に、車両遠隔操作システム1の構成について説明する。最初に、車載中継機10について説明する。この車載中継機10は、車両制御装置110及び携帯中継機20と通信するための送受信回路11と、出力部12を備えて構成されている。
車両遠隔操作システム1の携帯中継機20は、操作スイッチ21と、携帯機120及び車載中継機10と通信するための送受信回路22を備えて構成されている。
次に、無線通信に使用する周波数について説明する。車両制御装置110と車載中継機10との相互間や携帯機120と携帯中継機20との相互間における無線通信で使用する応答要求周波数と応答周波数は、それぞれ、車両制御装置110と携帯機120の相互間の無線通信で使用する応答要求周波数と応答周波数と同一の周波数に設定されている。ここで、これら応答要求周波数や応答周波数が、車両のメーカーや車種によって異なる場合には、これらの各周波数を各車両について試験により予め特定しておき、車両遠隔操作システム1を設置する車両のメーカーや車種に応じた周波数を、車載中継機10や携帯中継機20に設定する。以下では、応答要求周波数がLF(具体的には125kHz)であり、応答周波数がUHF(より一般的にはRF(Radio Frequency)であり、具体的には315MHz)であるものとして説明する。
次に、キャリアセンスについて説明する。無線設備の標準規格(例えば、920MHz帯テレメータ用、テレコントロール用、及びデータ伝送用無線設備の標準規格であるARIB STD−T108、1.0版、第2編 特定小電力無線、一般社団法人電波産業会)により、920MHzで電波送信を行う際には、キャリアセンスを行うことが義務付けられている。具体的には、キャリアセンスを行うための送信時間制限装置を設けることが義務付けられており、この送信時間制限装置の動作は、以下のように定められている。すなわち、「キャリアセンス時間5ms以上の場合であって、中心周波数が920.6MHz以上〜922.2MHz以下の場合、電波を発射してから送信時間4秒以内にその電波の発射を停止し、送信休止時間50msを経過した後でなければその後の送信を行わないものであること。ただし、最初に電波を発射してから連続する4秒以内に限り、その発射を停止した後50msの送信休止時間を設けずに再送信することができるものとする。その場合の再送信は、128μs以上のキャリアセンスを行なってから送信するものとし、最初に電波を発射してから連続する4秒以内に完了することとする。」(上記STD−T108の項目3.4.1)と定められている。
次に、動作モードについて説明する。車載中継機10の送受信回路11を構成するICや、携帯中継機20の送受信回路22を構成するIC(RFIC:Radio Frequency Integrated Circuit)は、その動作モードとして、1)連続モード(ワイヤーモード)、2)バッファモード、3)パケットハンドリングモードの3つの動作モードを取ることができ、当該ICに対する動作パラメータの設定を行うことにより、これら3つの動作モードを任意に切り替えることが可能となっている。
次に、上記のように構成された車両遠隔操作システム1を用いて行われる車両遠隔操作処理について説明する。図2及び図3は、本実施の形態に係る車両遠隔操作処理のフローチャートである。以下の処理の説明において、制御主体を特記しない処理については、車両制御装置110の基本送受信回路111、携帯機120の基本送受信回路121、車載中継機10の送受信回路11若しくは出力部12、又は携帯中継機20の送受信回路22にて実行されるものとし、情報の取得元や取得経路を特記しない場合については、公知のタイミング及び公知の方法にて、各機の記憶部に予め格納されており、あるいは、各機に設けた図示しない操作手段を介して運転者等が入力されるものとする。また、ステップを「S」と略記する。
図2において、携帯機120及び携帯中継機20を保有する運手者は、車外において携帯中継機20の操作スイッチ21を押圧することによりエンジンの始動を指示する。携帯中継機20は、操作スイッチ21に対する運転者の操作の有無を監視しており、操作スイッチ21に対する操作を受け付けた場合(SA1)、起動シーケンス(図示は省略)を実行する。具体的には、最初に、携帯中継機20の第1中継送信回路27は、キャリアセンスを行った上で、始動開始要求信号を第1中継周波数(例:UHF=920MHz)にて送信する(SA2)。「始動開始要求信号」とは、車載中継機10を介して車両制御装置110を始動させることにより、起動シーケンスを開始させるための信号である。
また、「車載中継機10以外の機器から送信されてキーレス受信機130によって受信された電波に基づいて車両制御装置110が応答信号を認識すること、を防止する」とは、「車載中継機10以外の機器から送信されてキーレス受信機130によって受信された電波に基づいて車両制御装置110が何らかの処理を行うことにより、車両遠隔操作システム1を用いた遠隔操作に対する障害が発生すること、を防止する」ことを意味する。このための具体的な防止方法は任意であるが、例えば、他の携帯機120’から送信された電波よりも車載中継機10から送信された電波が優先してキーレス受信機130によって受信されるようにした上で(以下、この状態とするための条件を「優先受信条件」と称する)、当該車載中継機10から送信された電波に基づいて車両制御装置110が応答信号を認識することを防止する(以下、この状態とするための条件を「認識防止条件」と称する)、方法が該当する。
図3に示す認証シーケンスにおいて、車両制御装置110の応答要求信号送信回路112は、所定の認証応答要求信号を応答要求周波数(例:LF=125kHz)で携帯機120に送信する(SA28)。この携帯機120に対する認証応答要求信号は、電波到達距離が比較的短い応答要求周波数で行われることから、車外にある携帯機120には到達せず、車内にある車載中継機10の応答要求信号受信回路15により受信される(SA31)。
次に、上記説明した処理をさらに詳細について説明する。最初に、キャリアセンスの詳細について説明する。図2のSA2におけるキャリアセンスは、公知の方法で行うことができ、例えば、携帯中継機20の第1中継送信回路27は、第1中継周波数で送信されている他の電波がないことを確認した上で(キャリアセンスを行った上で)、始動開始要求信号を送信する。このSA2におけるキャリアセンスは、携帯中継機20が最初に電波を発射する際のキャリアセンスであることから、ロングキャリアセンス(キャリアセンス時間=5ms)で行う。また同様に、SA4におけるキャリアセンスも、車載中継機10が最初に電波を発射する際のキャリアセンスであることから、ロングキャリアセンス(キャリアセンス時間=5ms)で行う。
次に、モードの詳細について説明する。図2のSA2〜SA5における各種の信号の送受信に要する時間は、条件充足時間に含まれないことから、送受信の迅速性よりも通信の信頼性を優先することが好ましい。従って、これらSA2〜SA5における送受信は、エラー訂正機能付きのパケットモードにて行う。具体的には、SA2において、第1中継送信回路27は、始動開始要求信号をエラー訂正機能付きのパケットモードにて送信する。一方、SA3において、第1中継受信回路17は、始動開始要求信号をエラー訂正機能付きのパケットモードにて受信し、始動開始要求信号にエラーがあった場合には、公知の方法で第1中継送信回路27に始動開始要求信号の再送を求めたり、エラー訂正を行ったりすることにより、通信の信頼性を確保する。
次に、エンベロープに関する処理の詳細について説明する。図2のSA13、SA14における起動応答要求信号の送受信を迅速に行うためには、第1中継送信回路18において起動応答要求信号全体を変調して送信し、その後に、携帯中継機20の第1中継受信回路28において起動応答要求信号全体を受信して復調してもよい。しかしながら、起動応答要求信号は、比較的低い周波数である応答要求周波数(例:LF=125kHz)で送受信されるものである。従って、このような低い周波数を対象として、ベースバンドを含む周波数帯域全体(例:200kHz以上)が受信可能になるように第1中継受信回路28を設計すると、この第1中継受信回路28の受信感度を向上させることが困難になると共に通信距離を長くすることが困難になるために、通信の品質を向上させることが困難になる。そこで、本実施の形態においては、エンベロープ(信号の振幅及び周期を特定する波形情報)を用いた信号の送受信を行うこととしている。
次に、ノイズ低減のための処理の詳細について説明する。上述したように、図2のSA22、SA23における起動応答信号の送受信を連続モードにて行った場合には、新たな問題が生じる可能性がある。すなわち、図2のSA13において起動応答要求信号を送信するためのショートキャリアセンスを、SA11における起動応答要求信号の受信の開始や終了を待つことなく、SA10において開始しているため、起動応答要求信号の受信が行われる前にノイズ信号を送信してしまう可能性が生じる。このようにノイズ信号が送信された場合、連続モードを採用しているため、このノイズ信号がそのまま携帯中継機20によって受信されてしまう可能性があり好ましくない。そこで、本実施の形態において、車載中継機10の第1中継送信回路18は、ショートキャリアセンスを終了した後、直ちに信号を送信するのではなく、車両制御装置110から起動応答要求信号が送信されると想定される一定時間(以下、マスク時間)だけ、送信信号をマスクすることで、ノイズ信号を送信してしまうことを防止する。例えば、SA7において始動開始条件出力を行ってから、SA11において起動応答要求信号を受信すると想定される時間を、マスク時間として設定しておく。そして、第1中継送信回路18は、SA7において始動開始条件出力を行ってから、当該マスク時間が経過する迄、送信信号をマスクする。
次に、車載中継機10の回路切り替えに関する処理の詳細について説明する。時間条件を充足する可能性を向上させるためには、車載中継機10における携帯中継機20への第1中継周波数(例:920MHz)での信号の送受信状態の切り替えに伴う時間ロスを極力低減することが好ましい。例えば、中継送受信回路14に対して応答要求信号送信回路15と応答信号送信回路16とが共通の切り替えスイッチを介して接続されている場合において、SA13において車載中継機10から携帯中継機20へ起動応答要求信号の送信を行うためには、このスイッチを駆動することにより中継送受信回路14に対して応答要求信号送信回路15を接続することで車載中継機10を送信状態に切り替え、SA23において携帯中継機20からの起動応答信号を車載中継機10において受信するためには、このスイッチを駆動することにより中継送受信回路24に対して応答信号送信回路16を接続することで車載中継機10を受信状態に切り替える場合を想定する。この切り替えは、SA11において起動応答要求信号を全て受信し終えたことを、例えば起動応答要求信号を解析してその最終ビットを検知することで行ってもよいが、この解析には時間を要する場合があり好ましくない。
次に、携帯中継機20の回路切り替えに関する処理の詳細について説明する。車載中継機10の場合と同様に、時間条件を充足する可能性を向上させるためには、携帯中継機20における車載中継機10への第1中継周波数(例:920MHz)での信号の送受信状態の切り替えに伴う時間ロスを極力低減することが好ましい。例えば、中継送受信回路24に対して応答要求信号送信回路25と応答信号送信回路26とが共通の切り替えスイッチを介して接続されている場合において、SA14において車載中継機10からの起動応答要求信号を携帯中継機20において受信するためには、このスイッチを駆動することにより中継送受信回路24に対して応答要求信号送信回路25を接続することで携帯中継機20を受信状態に切り替え、SA22において携帯中継機20から車載中継機10に起動応答信号を送信するためには、このスイッチを駆動することにより中継送受信回路24に対して応答信号受信回路26を接続することで携帯中継機20を送信状態に切り替える場合を想定する。この切り替えは、SA20において起動応答信号を全て受信し終えたことを、例えば起動応答信号を解析してその最終ビットを検知することで行ってもよいが、この解析には時間を要する場合があり好ましくない。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る車両遠隔操作システムによる車両制御の信頼性が、従来の車両遠隔操作システムと同程度となる場合であっても、従来とは異なる車両遠隔操作システムにより、従来と同程度の車両制御の信頼性を得ることが可能になる場合には、本発明の課題が解決されている。
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散したり統合したりして構成できる。例えば、車載中継機10における基本送受信回路13と中継送受信回路14とを物理的には1つの回路により構成したり、携帯中継機20における基本送受信回路23と中継送受信回路24とを物理的には1つの回路により構成したりしてもよい。あるいは、逆に、車載中継機10における基本送受信回路13や中継送受信回路14をそれぞれ物理的には複数の回路により構成したり、携帯中継機20における基本送受信回路23や中継送受信回路24を物理的には複数の回路により構成したりしてもよい。あるいは、車両制御装置110から送信された応答要求信号が車載中継機10の応答要求信号受信回路15により受信された場合、第1中継送信回路18が応答要求信号のエンベロープを検出してFSK変調するものとして説明したが、応答要求信号受信回路15がこのエンベロープの検出やFSK変調を行うようにしてもよく、あるいは別途設けた変調用の回路により変調を行うようにしてもよい。このような変調のみならず、各種の検出、各種の復調、あるいは各種の判定については、他の回路により行うようにしてもよい。あるいは、車両制御装置110とキーレス受信機130を統合してもよく、若しくは、車両制御装置110の機能の一部をキーレス受信機130に持たせたり、キーレス受信機130の機能の一部を車両制御装置110に持たせたりしてもよい。
車両の種類や構成は任意であり、四輪自動車の他、クレーン車や二輪自動車を含む。また、制御対象とする機器が原動機以外である場合には、原動機のない車両を対象としてもよく、例えば、二輪自転車を対象としてもよい。
車両制御システム100の構成は任意である。例えば、上記実施の形態では、車両制御装置110がECUに有線接続されるものとして説明したが、車両制御装置110自体がECUであってもよい。また、車両制御装置110が行うものとして説明した機能をECUに持たせてもよく、あるいはECUが行うものとして説明した機能を車両制御装置110に持たせてもよい。例えば、制御条件の充足判定の一部については、車両制御装置110ではなく、車両制御装置110に接続されたECUで行うようにしてもよい。また、車両制御装置110には、上記説明した機能以外にも公知の機能を持たせることができ、例えば、応答要求信号を送信してから所定時間以内に応答信号を受信できない場合には、応答要求信号を再送信するリトライ機能を持たせてもよい。このようにリトライを行う場合においても、上記のように接続確立を行った後、この接続を車両遠隔操作処理が終了するまで維持することで、リトライのための応答要求信号の再送信等に起因する遅延を最小化することができる。さらに、「起動シーケンス」と「認証シーケンス」のいずれか一方のみを行う場合や、さらに他のシーケンスを行う場合においても、本発明は同様に適応可能であり、この場合には、車両遠隔操作システムにおいても「起動シーケンス」と「認証シーケンス」のいずれか一方のみを行ったり、さらに他のシーケンスを行うための通信の中継を行うことができる。
上記実施の形態では、車両遠隔操作システム1が車載中継機10と携帯中継機20により構成される例について説明したが、その他の機器を含めて車両遠隔操作システム1を構成してもよく、例えば、車両から極めて遠い場所から遠隔操作を行うような場合に、車載中継機10と携帯中継機20との無線通信を中継する中継機をさらに設置してもよい。また、1台の車載中継機10に対して複数台の携帯中継機20を通信可能としてもよい。また、必要に応じて、車載中継機10を車両制御装置110以外の機器に無線又は有線で接続するようにしてもよい。なお、車両遠隔操作システム1の配置に関して、実施の形態では、携帯中継機20を携帯機10と共に車外に配置した状態で操作するものとして説明したが、携帯中継機20を携帯機10と共に車内に配置してもよい。
上記実施の形態では、車両制御装置110と車載中継機10との相互間の通信(出力部12からの出力を除く通信)や、携帯機120と携帯中継機20との相互間の通信を、無線通信で行うものとして説明したが、全部又は任意の一部の通信を有線により行うこととしてもよい。例えば、車両制御装置110と車載中継機10との相互間の通信は、無線通信に代えて、UART等による有線通信によって行うようにしてもよい。あるいは、車載中継機10には、車両制御装置110と無線通信を行うための基本送受信回路13と、車両制御装置110と有線通信を行うための接点等との両方を設けておき、車載中継機10が設置される車両の条件やユーザのユーズ等に応じて、これらいずれか一方のみを選択して使用できるようにしてもよい。
上記の説明において数値にて示した周波数はあくまで例示であり、他の周波数を採用してもよい。また、起動シーケンスに使用する中継周波数と認証シーケンスに使用する中継周波数を相互に異なる周波数としてもよい。
上記説明した処理の順序やタイミングは、適宜変更することが可能である。例えば、上記実施の形態では、携帯中継機20からの操作信号をトリガとして、車両制御装置110が起動応答要求信号を送信する場合について説明したが、操作信号の有無に関わらず、車両制御装置110が所定間隔で起動応答要求信号を送信するように構成されている場合には、操作信号の送信に関する処理に先立って、起動応答要求信号の中継に関する処理を行うようにしてもよい。
キャリアセンスの要否や時間等については、標準規格が改訂等された場合には、当該改訂後の内容に準じて、変更することができる。また、時間条件の充足性に問題が生じない場合には、上述したショートキャリアセンスの全部又は一部に代えてロングキャリアセンスを行うようにしてもよく、あるいは、ロングキャリアセンスやショートキャリアセンスの開始タイミングや開始基準を任意に変更してもよい。
時間条件の充足性に問題が生じない場合には、上述した連続モードの全部又は一部に代えてパケットモードを行うようにしてもよい。
回路設計技術の進展等によって、ベースバンドを含む周波数帯域全体が受信可能になるように第1中継受信回路28を設計した場合における、この第1中継受信回路28の受信感度を向上させることや通信距離を長くすることの困難性が低下した場合には、上述したエンベロープを用いた検出や信号再現の処理に代えて、一般的な変調処理と復調処理を適用してもよく、この場合には、時間条件の充足性を一層向上させることが可能になる。
ノイズの影響を無視できる場合や、連続モードに代えてパケットモードを行う場合には、ノイズ低減のための処理を省略してもよい。また、ノイズ低減のための処理を行う場合であっても、キャリア・スケルチを用いた処理に代えて、例えば、車載中継機10や携帯中継機20の内部に設けた増幅器(図示省略)の電源を遮断すること等によりノイズの発生を防止してもよい。また、キャリア・スケルチを用いた処理を行う場合であっても、応答信号受信回路26ではなく第1中継送信回路27にキャリア・スケルチを設けたり、あるいは車載中継機10にキャリア・スケルチを設けてもよい。また、車載中継機10に対する応答信号の無線送信を完全に遮断する以外にも、ノイズが許容される所定レベルまで応答信号のレベルを低減させてもよい。
時間条件の充足性に問題が生じない場合には、上述した送受信状態の切り替えに関する処理を省略してもよい。
上記実施の形態では、起動シーケンスにおいては、図2のSA6からSA25までマスク電波を連続送信し、認証シーケンスにおいては、図3のSA29からSA45までマスク電波を連続送信するものとして説明した。しかしながら、マスク電波の送信開始タイミングや送信終了タイミングは、このようなタイミングに限定されない。送信開始タイミングについては、他の携帯機120から電波が送信されキーレス受信機130によって受信されることが予想される期間の開始前であればよく、例えば、車両制御装置110から応答要求信号が送信される直前(起動シーケンスにおいては、図2のSA11の直前、認証シーケンスにおいては、図3のSA31の直前)とすることができる。また、送信終了タイミングについては、他の携帯機120から電波が送信されキーレス受信機130によって受信されることが予想される期間の終了後であればよく、例えば、携帯中継機20から無線送信された応答信号を車両制御装置110に送信する直前(実施の形態と同様に、起動シーケンスにおいては、図2のSA25の直前、認証シーケンスにおいては、図3のSA45の直前)とすることができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、付記1に記載の車両遠隔操作システムの車載中継機は、車両制御装置と携帯機を相互に無線通信可能として構成された車両制御システムであって、前記車両制御装置から無線送信された応答要求信号に基づいて前記携帯機が応答信号を無線送信し、前記車両制御装置に接続された車両受信機によって当該応答信号が無線受信されたことを条件の少なくとも一つとして当該車両制御装置が車両の所定機器を制御する車両制御システム、を介して前記所定機器を遠隔操作する車両遠隔操作システム、を構成するための車載中継機であって、前記車両の内部に配置されると共に前記車両制御装置と通信可能に構成され、当該車載中継機と共に前記車両遠隔操作システムを構成する携帯中継機であって、前記携帯機と通信可能な携帯中継機と通信可能に構成され、前記車両制御装置から送信された前記応答要求信号を受信して前記携帯中継機に無線送信すると共に、前記携帯中継機から無線送信された前記応答信号を受信して前記車両制御装置に送信する送受信手段を備え、前記送受信手段は、当該車載中継機以外の機器から送信されて前記車両受信機によって受信された電波に基づいて前記車両制御装置が前記応答信号を認識すること、を防止するためのマスク電波を、当該車両受信機に対して送信する。
付記1に記載の車両遠隔操作システムの車載中継機によれば、車載中継機の送受信手段から送信されたマスク電波により、車載中継機以外の機器から送信されて車両受信機によって受信された電波に基づいて車両制御装置が応答信号を認識することが防止されるので、例えば、他の携帯機が車両の内部に置き忘れられている場合や車両の近傍にある場合において、当該他の携帯機から送信された信号が車両制御装置に送信された場合においても、当該他の携帯機から送信された信号と車載中継機から送信された信号とが混信等して車両の遠隔制御に対する障害が発生する可能性を低減することができ、車両遠隔操作の信頼性を向上させることが可能になる。
10 車載中継機
11、22 送受信回路
12 出力部
13、23、111、121、131 基本送受信回路
14、24 中継送受信回路
15、122 応答要求信号受信回路
16、123 応答信号送信回路
17、28 第1中継受信回路
18、27 第1中継送信回路
20 携帯中継機
21 操作スイッチ
25、112 応答要求信号送信回路
26、132 応答信号受信回路
100 車両制御システム
110 車両制御装置
120 携帯機
130 キーレス受信機
Claims (5)
- 車両制御装置と携帯機を相互に無線通信可能として構成された車両制御システムであって、前記車両制御装置から無線送信された応答要求信号に基づいて前記携帯機が応答信号を無線送信し、前記車両制御装置に接続された車両受信機によって当該応答信号が無線受信されたことを条件の少なくとも一つとして当該車両制御装置が車両の所定機器を制御する車両制御システム、を介して前記所定機器を遠隔操作する車両遠隔操作システム、を構成するための車載中継機であって、
前記車両の内部に配置されると共に前記車両制御装置と通信可能に構成され、
当該車載中継機と共に前記車両遠隔操作システムを構成する携帯中継機であって、前記携帯機と通信可能な携帯中継機と通信可能に構成され、
前記車両制御装置から送信された前記応答要求信号を受信して前記携帯中継機に無線送信すると共に、前記携帯中継機から無線送信された前記応答信号を受信して前記車両制御装置に送信する送受信手段を備え、
前記送受信手段は、当該車載中継機以外の機器から送信されて前記車両受信機によって受信された電波に基づいて前記車両制御装置が前記応答信号を認識すること、を防止するためのマスク電波を、当該車両受信機に対して送信する、
車両遠隔操作システムの車載中継機。 - 前記送受信手段は、前記マスク電波として、無変調搬送波を送信する、
請求項2に記載の車両遠隔操作システムの車載中継機。 - 前記送受信手段は、前記マスク電波として、前記車両制御装置が前記応答信号として認識しない内容の変調信号を送信する、
請求項2に記載の車両遠隔操作システムの車載中継機。 - 前記送受信手段は、前記マスク電波を、前記車両制御装置が前記応答信号として認識する送信速度を超えた送信速度で送信する、
請求項2に記載の車両遠隔操作システムの車載中継機。 - 前記送受信手段は、前記マスク電波を、少なくとも、前記車両制御装置から前記応答要求信号が送信される直前から、前記携帯中継機から無線送信された前記応答信号を前記車両制御装置に送信する直前まで、連続的に送信する。
請求項1から4のいずれか一項に記載の車両遠隔操作システムの車載中継機。
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