JP2015106619A - 拡散装置および拡散方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエハへの異物の付着を十分に抑制することができる拡散装置および拡散方法を提供する。【解決手段】拡散装置1は、ウエハ2の表面に反応性ガスによって膜を形成するためのものである。拡散装置1は、拡散炉11と、保持具と、排気装置20とを備えている。拡散炉11は内部空間を有する。保持具3は、ウエハ2を保持するための保持部3aと、保持部3aに接続され、かつウエハ2側から反対側に向かって先が細くなる構造体3bとを含む。保持具3は、内部空間に開口し、かつ拡散炉11の外部に通じる排気通路4を含んでいる。排気装置20は、排気通路4を通じて内部空間内の気体を外部へ排出するよう排気通路4に接続されている。【選択図】図1
Description
本発明は、拡散装置および拡散方法に関し、特に、ウエハの表面に反応性ガスによって膜を形成するための拡散装置および拡散方法に関するものである。
半導体製造工程において、たとえばシリコン酸化膜(SiO2)、多結晶シリコン膜、TEOS(Tetraethyl Ortho Silicate)膜(SiO2)、BPTEOS(Boro Phospho Tetraethyl Ortho Silicate)膜(リン(P)、ホウ素(B)を含んだSiO2)、PSG(Phosphorus Silicon Glass)膜(Pを含んだSiO2)、シリコン窒化膜(Si3N4)等が半導体ウエハ表面に形成される。それらの膜を形成する技術として、主に縦型拡散炉または横型拡散炉を用いたLP−CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)技術または熱CVD(Chemical Vapor Deposition)技術がある。これらのLP−CVD技術または熱CVD技術は半導体プロセス技術が開花した初期から用いられている薄膜形成技術であり、導入初期は5インチの比較的小径のウエハの薄膜形成技術として用いられてきた。上述した初期における薄膜形成技術では比較的装置構造が簡単な横型拡散炉が使用され、薄膜形成技術および装置技術の進歩により大口径ウエハが製造できるようになった。さらに半導体ウエハの生産性向上とコスト削減の要求から使用ウエハ径が6インチ、8インチ、12インチウエハへと展開されてきている。ウエハ径の大型化に伴い横型拡散炉に比べて膜質改善および異物低減の制御をより高精度に行える縦型拡散炉が使用されるようになってきている。
ところがたとえばデザインルールの緩い(ゲート幅0.5μm以上)マイコンやパワー半導体の一部はいまだに横型拡散炉を使用して生産されている。縦型拡散炉ではバッチ処理が可能であるが装置構造が複雑(特に搬送系)で装置が高価である。近年の半導体デバイスの品質向上機運とあいまって横型拡散炉の異物低減が特に喫緊の課題となってきている。
横型拡散炉のメリットは、装置構造がシンプルなために縦型拡散炉に比べて安価な装置であるということ、およびバッチ処理が可能なことから生産性に優れているということである。一方、横型拡散炉特有のデメリットは、炉内へのウエハの出し入れの際にクリーンルーム内の空気が炉内に入り込み石英チューブ内部に付着した異物を巻き上げること、および石英チューブへの石英ボートの挿入時に石英ボートが異物をはがし、発塵させることである。このため、昨今のデバイスへの高品質要求の向上にあいまって横型拡散炉の発塵対策はますます重要になってきている。
横型拡散炉の発塵対策に関して、たとえば特開平7−335555号公報(特許文献1)ではウエハへの異物付着を抑止する手法が開示されている。この公報は、石英ボートの炉内挿入時に石英ボートと石英チューブとのこすれによる発塵と、プロセス時のガスイン時の巻き上げ時の乱流に注目している。そして、この公報の化学的気相成長装置は、ガスの流れがスムーズになるよう石英ボートの前面および背面にガスの流れを調整するためのガス流れ調整体を配置し、乱流をなくすことにより、ウエハへの異物付着を抑止しようとしている。
上記公報の化学的気相成長装置では、石英ボートの先頭部での乱流による異物の舞い上がりを防止するために円錐状のガス分散体を設けたと述べられている。しかし、ウエハ前面および背面にガス分散体を設けてガス導入時の乱流を抑えたとしても、規則的に配置されているウエハ間には隙間が存在するため、石英ボート形状やウエハ厚さの影響でガス合流部では必然的に乱流となる。そして、その乱流箇所に近接するウエハ上には異物が付着してしまうという問題がある。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、ウエハへの異物の付着を十分に抑制することができる拡散装置および拡散方法を提供することである。
本発明の拡散装置は、ウエハの表面に反応性ガスによって膜を形成するためのものである。拡散装置は、拡散炉と、保持具と、排気装置とを備えている。拡散炉は内部空間を有する。保持具は、ウエハを保持するための保持部と、保持部に接続され、かつウエハ側から反対側に向かって先が細くなる構造体とを含む。保持具は、内部空間に開口し、かつ拡散炉の外部に通じる排気通路を含んでいる。排気装置は、排気通路を通じて内部空間内の気体を外部へ排出するよう排気通路に接続されている。
本発明の拡散装置によれば、保持具の排気通路を通じて内部空間内の気体を外部に排出することによって、内部空間内の異物を気体と一緒に外部に排出することができる。これにより、ウエハへの異物の付着を十分に抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に本発明の実施の形態1における拡散装置の構成について説明する。本実施の形態では、フリップフロップ式横型拡散炉を備えた拡散装置を例に説明する。フリップフロップ式横型拡散炉は一般的な横型拡散炉と比べて特殊な装置構造を有しているため、まず「フリップフロップ」の言葉の意味を説明する。
(実施の形態1)
最初に本発明の実施の形態1における拡散装置の構成について説明する。本実施の形態では、フリップフロップ式横型拡散炉を備えた拡散装置を例に説明する。フリップフロップ式横型拡散炉は一般的な横型拡散炉と比べて特殊な装置構造を有しているため、まず「フリップフロップ」の言葉の意味を説明する。
フリップフロップ式横型拡散炉の「フリップフロップ」とは、本来IT用語であり、主に集積回路の記憶素子に用いられている論理回路のことを指している。これは一つの入力に対して常に二つの状態(1か0)の出力を発生させ、次に逆の入力が与えられるまで状態を保持する回路のことである。フリップフロップ式横型拡散炉ではガスが放出される側と排気される側が一定時間で切り替わる(逆になる)ことから、この拡散炉はフリップフロップ式横型拡散炉と名づけられている。
次に、図1を参照して、本実施の形態のフリップフロップ式横型拡散炉を備えた拡散装置の構造を説明する。なお、図1では、説明の便宜のため、フリップフロップ式横型拡散炉の内部構造が図示されている。
本実施の形態の拡散装置1は、ウエハ2の表面に反応性ガスによって膜を形成するためのものである。この拡散装置1は、保持具3と、金属製排気配管5と、フランジ6と、蓋7と、排気配管8と、拡散炉11と、ガス供給配管15および16と、排気装置20とを主に有している。
保持具3は保持部3aおよび構造体3bを含んでいる。保持部3aはウエハ2を保持するためのものである。本実施の形態では、保持部3aは石英製のボート(以下、石英ボートと呼ぶ)である。石英ボート3aは、ウエハ2を保持した状態で拡散炉内に送りこむためのものである。図示しないが、石英ボート3aの上面にはウエハ2を挿入してウエハ2を保持可能なスリットが複数個形成されている。構造体3bは、拡散炉11の延在方向において石英ボート3aの両端に接続されている。構造体3bはウエハ2側から反対側に向かって先が細くなるように構成されている。具体的には、構造体3bは、ウエハ2側から反対側に向かって径が小さくなる円錐状に形成されている。構造体3bは、プロセスガス(反応性ガス)9を分散させることができるように構成されている。
保持具3は、排気通路4を有している。排気通路4は、内部空間に開口し、拡散炉11の外部に通じている。本実施の形態では、排気通路4は石英ボート3aに設けられている。金属製排気配管5は、保持具3と排気配管8とを接続するためのものである。金属製排気配管5の一端は吸引口4aに接続されており、他端は排気配管8に接続されている。
フランジ6には開閉可能な蓋7が設置されている。石英ボート3aの挿入時および取り出し時には、蓋7は手動または自動で開閉されるように構成されている。排気配管8は反応済みまたは未反応のプロセスガス10を拡散炉11から排気するためのものである。また、排気配管8は反応済みまたは未反応のプロセスガス10と一緒に異物を排気することができるように構成されている。
拡散炉11は内部空間を有している。本実施の形態では、拡散炉11は、横方向に配置された横型拡散炉であり、石英製のチューブ(以下、石英チューブと呼ぶ)である。また、石英チューブ11の外周部には図示しない複数個のヒータが設けられている。これらのヒータはプロセス温度をコントロールするためのものである。ガス供給配管(石英チューブリア側)15およびガス供給配管(石英チューブフロント側)16は、プロセスガス9を拡散炉11に導入するためのものである。ガス供給配管15および16は石英チューブ11の内部空間に通じており、内部空間にプロセスガス9を供給可能に構成されている。排気装置20は、排気通路4を通じて内部空間内の気体を異物と一緒に外部へ排出するよう排気通路4に接続されている。本実施の形態では、排気装置20はポンプである。また、排気装置20は排気配管8に接続されている。
図2および図3を参照して、排気通路4は、石英ボート3aの側面に設けられた複数個の吸引口4aと、石英ボート3aの内部に設けられた内部通路4bとを有している。石英ボート3aの下部には複数個の吸引口4aが設けられており、これらの吸引口4aはすべて石英ボート3aの内部通路4bを経由して繋がっている。吸引口4aは、ウエハ2が石英ボート3aに保持された状態で、ウエハ2が保持された領域の真下領域内に配置されている。なお、図2では、保持具3を一方側から見た構造を示しているが、保持具3を他方側から見た構造も同様の構造を有している。
本実施の形態では、構造体3bは中実に形成されている。なお、構造体3bは空洞を有するように形成されていてもよい。構造体3bの材質は、プロセスガス9を分散させ、かつウエハ2の品質に影響を与えなければ、石英ボート3aと同じ材質である石英や金属であってもよい。
また構造体3bの直径についてはウエハ2の品質に影響を与えなければウエハ2の直径以下または直径以上としてもかまわない。ただし構造体3bの直径の上限はプロセスガス9を通過させるスペースが必要なため、石英チューブ11の内径よりも小さくする必要がある。このスペースはウエハ2の品質に影響しない範囲で調整される。なお、本実施の形態では、石英ボート3aの吸引口4aは、石英ボート3aの側面のみに設けられているが、巻き上げ異物を吸気できる効果を有するのであれば、たとえば石英ボート3aの下面の内側(ウエハ2に対向する位置)に配置するなど、その効果に応じてその個数および配置は自由に変更してもかまわない。
次に、本実施の形態の拡散装置の動作について説明する。
再び図1を参照して、本実施の形態のフリップフロップ式横型拡散装置1の動作の概要について説明する。蓋7の位置をフロント側とし、プロセスガス(下流)10側をリア側とすると、まずフロント側から炉内にプロセスガス9が放出される。放出されたプロセスガス9は気相中またはウエハ2の表面上で反応しながらフロント側からリア側に流れ、未反応ガスまたは反応済ガスがリア側にある排気配管8から排気される。ウエハ2の表面に所望の膜が形成された後、プロセスガス9の放出および排気を上記とは逆に切替えて成膜され、さらに所望の膜が形成されればプロセスは完了する。なお、上記では最初のプロセスガス9がフロント側から放出されたが、リア側から放出されることも可能であり、またこの放出方向を複数回切り替えることも可能である。
再び図1を参照して、本実施の形態のフリップフロップ式横型拡散装置1の動作の概要について説明する。蓋7の位置をフロント側とし、プロセスガス(下流)10側をリア側とすると、まずフロント側から炉内にプロセスガス9が放出される。放出されたプロセスガス9は気相中またはウエハ2の表面上で反応しながらフロント側からリア側に流れ、未反応ガスまたは反応済ガスがリア側にある排気配管8から排気される。ウエハ2の表面に所望の膜が形成された後、プロセスガス9の放出および排気を上記とは逆に切替えて成膜され、さらに所望の膜が形成されればプロセスは完了する。なお、上記では最初のプロセスガス9がフロント側から放出されたが、リア側から放出されることも可能であり、またこの放出方向を複数回切り替えることも可能である。
続いて、本実施の形態の拡散装置の具体的な動作について、ウエハ2上にPSG膜(リン珪酸ガラス)を形成する場合を例に説明する。
プロセス条件については、たとえば、プロセスガスはシラン(SiH4)と酸素(O2)とアルゴン(Ar)ベースでリン化水素(PH3)が数パーセント含まれた混合ガスであり、キャリアーガスは窒素(N2)であり、時間は片側60分でトータル120分であり、温度は450℃であり、圧力は0.3Torrである。
図1および図22を参照して、石英ボート3aを石英チューブ11に挿入する前の準備として、石英ボート(保持具)3aにウエハ2が載置される(S10)。具体的には、まず石英ボート(保持具)3aが保持具ローダーにセットされる(S1)。続いてウエハ2がウエハローダーにセットされる(S2)。そして、ウエハローダーからウエハ2が1枚または複数抜き取られ、石英ボート(保持具)3aにセットされる(S3)。たとえば、5インチシリコンウエハ25枚を1ロットとして、2ロット分が石英ボート3aの中心部分にセットされ、その両サイドと中心部にガスの流れおよび膜質安定化を目的として複数枚のダミーウエハが配置される。石英ボート3aの吸引口4aの1つにフレキシブルな金属製排気配管5が取り付けられ、金属製排気配管5に異物を吸い取る排気装置(ポンプ)20が繋げられる。
次に、ウエハ2が載置された石英ボート3aが石英チューブ11の内部空間に挿入された状態で、ポンプ20によって排気通路を通じて内部空間内の異物がプロセスガス9と一緒に石英チューブ11の外部へ排出される(S20)。
図4を参照して、フロント側から石英チューブ11の内部空間に石英ボート(保持具)3aが挿入される。この際、石英ボート3aからの排気がスタートする(S4)。具体的には石英ボート3aが動作開始する直前から排気がスタートする。なお、図4〜7では、説明の便宜のため、フリップフロップ式横型拡散炉の内部構造が図示されている。ウエハ2が載置された石英ボート3aが石英チューブ11内部にゆっくり押し込まれる。この際、石英ボート3aからの排気は継続される(S5)。また、ガス供給配管(石英チューブリア側)15からプロセスガス(パージガス)9が供給される。そして吸引口4aからプロセスガス(パージガス)9と一緒に異物が吸引される。この後も石英ボート3aは所定の位置までゆっくりと石英チューブ11の炉内に押し込まれる。石英ボート3aはたとえば30cm/分の速度で炉内に押し込まれる。
図5を参照して、石英チューブ11内に石英ボート3aが押し込まれると、石英ボート3aと石英チューブ11とが接触する。石英チューブ11の内壁には成膜時に付着した付着膜が存在している。石英チューブ11の内壁に付着した付着膜が石英ボート3aに削り取られて巻き上げられる。この結果、異物が発生する。そして、巻き上げられた異物は構造体3bにぶつかる。
図6および図22を参照して、さらにフロント側から石英チューブ11内に石英ボート3aが押し込まれる。この際、巻き上げられた異物を吸引口4aから吸引しながら石英ボート3aが炉内に押し込まれる。具体的には、構造体3bにぶつかった異物は構造体3bに跳ね返されるが、リア側から流れるプロセスガス(パージガス)9に押し戻されてフロント側に押しやられる。このため巻き上げられた異物は、構造体3bによって押さえ込まれ、吸引口4aに導かれて吸引される。吸引口4aは石英チューブ11の外部に通じているため、吸引口4aから吸引された異物は石英チューブ11の外部へ排出される。石英ボート3aはリア側に移動しているため異物の吸引口4aからの吸引を後押しする。また、このようにして石英ボート3aが石英チューブ11の炉内に押し込まれていくと、それに伴い石英ボート3aは石英チューブ11の外周部に設置したヒータによって徐々に温められる。
図7を参照して、石英ボート3aは石英チューブ11内の所定の位置まで押し込まれる。そして石英ボート3aは最終的にはプロセス温度である450℃まで温められる。石英ボート(保持具)3aが所望の位置に到達後、数分間、石英ボート3aからの排気が行われた後、排気がストップする(S6)。この後、プロセスがスタートする(S7)。上記では排気が停止しているが、さらなる異物吸い取りのためプロセススタート後も吸引力を調整しながら吸引口4aから吸引することも可能である。プロセス終了後、導入されたプロセスガス9が遮断され、石英ボート3aを石英チューブ11の炉内に挿入したときと同じ方法で吸引口4aから異物を吸引しながらゆっくりと石英ボート3aが石英チューブ11から引き出される。
なお、石英チューブ11への入炉直後にプロセスをスタートさせてもよいが、石英チューブ11の内部にはわずかに残留異物(吸引できなかった異物)が浮遊しているため、石英チューブ11に入炉してから数分間放置した後にプロセスをスタートさせることにより、さらなる異物低減効果が発揮される。
なお、本実施の形態では、搬送装置を使用した工程を示したが、手動で上記工程を実施することもできる。つまり、マニュアルで石英ボート3aが石英チューブ11の炉内に押し込まれてもよく、更なる異物抑制のため自動で押し込まれてもよい。また、上記の拡散装置1では、石英ボート3aの排気通路4にフレキシブルな金属製排気配管5が取り付けられたが、炉内構造の簡素化のため、石英棒を円筒状にしてその内部にプロセスガス10を排気できるようにした配管構造を用いることもできる。この場合、石英棒の先端を排気通路4につなげることにより、異物の吸引と石英ボート3aの出し入れとを兼ねた構造にすることができる。
次に、本実施の形態の作用効果について比較例と対比して説明する。
図8および図9を参照して、比較例1の石英ボート3aは、本実施の形態の排気通路および構造体を有していない点で本実施の形態と主に異なっている。比較例1の石英ボート3aの上部にはスリットが形成されており、このスリットにウエハ2が挿入されている。図示しない比較例2の石英ボートは本実施の形態と同様の構造体を有している。つまり、構造体は石英ボートのリア側およびフロント側の両方に配置されている。したがって、ウエハはリア側の構造体とフロント側の構造体とによって挟み込まれるように配置されている。
図8および図9を参照して、比較例1の石英ボート3aは、本実施の形態の排気通路および構造体を有していない点で本実施の形態と主に異なっている。比較例1の石英ボート3aの上部にはスリットが形成されており、このスリットにウエハ2が挿入されている。図示しない比較例2の石英ボートは本実施の形態と同様の構造体を有している。つまり、構造体は石英ボートのリア側およびフロント側の両方に配置されている。したがって、ウエハはリア側の構造体とフロント側の構造体とによって挟み込まれるように配置されている。
まず、図10を参照して、比較例2の構造体による異物低減効果を確認するために実験を行った。図10では、横軸は石英ボートに配置したウエハの位置を示している。図10において、リア側とはガスが放出される側であり、中心部は石英ボートの中心部分であり、フロント側は石英ボートを挿入する側すなわちクリーンルーム側を意味している。縦軸は2μm以上のウエハ1枚あたりの異物数を示している。
図10に示すように比較例2の構造体による異物低減効果が確認された。しかし、その効果は、リア側およびフロント側、つまり構造体の近辺に配置されたウエハのみに及んでおり、中心部までは及んでいない。したがって、構造体による異物低減効果は限定的である。なお、ガスの流れの下流側であるフロント側の構造体の近辺のウエハの異物数がリア側に比べて若干少なくなっている。この理由は、フロント側の構造体の下流側(排気側)にはガスの流れを妨げるものがないため(コンダクタンスが良好)、よどみなくスムーズに排気されるためである。
続いて、図11を参照して、本実施の形態について、放置時間とウエハ上に付着した異物との関係を確認するために実験を行った。図11を参照して、石英チューブの炉内に放置すればするほど異物数は低減する傾向を示し、放置後15分くらいで安定することがわかる。このことから、本実施の形態の拡散装置の異物低減効果をさらに高めるためには石英ボートを石英チューブの炉内に入れ、その後15分以上放置すればよいことがわかる。また副次効果としてウエハ2を放置することによりウエハ温度が安定化するため、膜厚均一性やリン濃度均一性(PSG膜の場合)が向上し、膜質向上およびパワーデバイスの品質向上にも寄与する。
図12を参照して、比較例1および2と本実施の形態との異物数を比較するための実験を行った。図12では、異物抑制効果を明確にするために、石英ボートを石英チューブの炉内に挿入し、15分放置した後にプロセスをスタートした場合の異物数を示している。これは放置することにより浮遊した異物がウエハ上に付着する確率が上がり異物抑制効果を確認しやすくなるためである。図12に示すように、本実施の形態は比較例1および2に比べて異物数が激減していることがわかる。
なお、リア側およびフロント側の異物数がほぼ同等であることが望ましい。これはプロセスガス9と排気配管8の排気のバランスが両サイドでとれているためである。このバランスがとれない場合は排気配管8の長さやガス配管長さが原因である。このため、微調整として構造体3bの直近にあるダミーウエハの枚数またはダミーウエハ間の隙間を変更することにより、リア側およびフロント側の異物数の微調整が可能である。
上記のとおり、本実施の形態の拡散装置1によれば、石英ボート3aの排気通路4を通じて内部空間内の気体を外部に排出することによって、内部空間内の異物をプロセスガスと一緒に外部に排出することができる。これにより、ウエハ2への異物の付着を十分に抑制することができる。
また、本実施の形態の拡散装置1によれば、吸引口4aは、ウエハ2が石英ボート3aに保持された状態で、ウエハ2が保持された領域の真下領域内に配置されている。このため、石英ボート3aによって削られて巻き上げられた異物がウエハ2に付着する前に吸引口4aから吸引される。このため、石英ボート3aの底部の周囲に巻き上がった異物を効率よく排出することができる。
本実施の形態の拡散方法によれば、石英ボート3aにウエハが載置される工程と、石英ボート3aが石英チューブ11の内部空間に挿入された状態で、ポンプ20によって排気通路4を通じて内部空間内のプロセスガスが外部へ排出される工程とを備えている。このため、石英ボート3aの排気通路4を通じて内部空間内の気体を外部に排出することによって、内部空間内の異物をプロセスガスと一緒に外部に排出することができる。これにより、ウエハ2への異物の付着を十分に抑制することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、実施の形態1と比較してガス供給配管および構造体の構成が主に異なっている。なお、実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本発明の実施の形態2は、実施の形態1と比較してガス供給配管および構造体の構成が主に異なっている。なお、実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
図13を参照して、本実施の形態では、ガス供給配管15および16の各々は、ガス配管12と、ガスジャバラ供給配管17とを含んでいる。ガス配管12は、構造体3bの先端部に接続されている。ガスジャバラ供給配管17はガス配管12とガス供給配管16とに接続されている。構造体3bは、ウエハ側に開口が設けられた端面を有している。つまり、構造体3bは先端部から当該端面(背面)に向かってプロセスガス9が流れるように構成されている。
石英チューブ11の先端側からガス配管12が伸びており、ガス配管12に構造体3bの先端部が接続されている。ガス供給配管15および16は、構造体3bの開口からプロセスガス9を排出可能に構成されている。プロセスガス9の流れにおいて構造体3bよりも下流側の排気配管8から未反応ガスまたは反応済ガスが排気される。なお、プロセスガス9の流れにおいて構造体3bよりも下流側に設置されているガス配管12に排気の機能を持たせて、このガス配管12から未反応ガスまたは反応済ガスが排気されてもよい。
上記実施の形態1で示したダミーウエハの微調整の作用とあわせて、ガス配管12で排気を制御することにより、石英ボート3aの両サイドにおける異物をより高精度に制御することが可能である。
また、図14を参照して、構造体3bの先端部と、ガス配管12の接合部とは脱着可能に構成されていてもよい。この接合部は構造体3bの径が小さい先端に沿って、先端を覆うように形成されている。具体的には、この接合部はおわん状に形成されていてもよい。これにより、入炉時に石英チューブ11内で石英ボート3aの位置ズレが発生してもガス配管12と構造体3bとを確実に接合することができる。なお、接合部の構造は、接合が容易かつ確実にできる構造であればよく、おわん状でなくてもよい。さらに本実施の形態では、ガス供給配管15および16は金属製配管であってもよく、また石英ボート3aと同質の材料たとえばSiO2で形成されてもよく、またAl2O3(酸化アルミニウム)等のセラミック材を用いたものでもよい。
なお、上記では、石英ボート3aを石英チューブ11の炉内に送り込んで、構造体3bの先端部にガス配管12を接合したが、あらかじめ可動可能な延長配管を石英ボート3aに取り付けておき、その状態で炉内に石英ボート3aを挿入してもよい。
図15を参照して、本実施の形態の異物低減効果を確認するための実験を行った。この実験は実施の形態1で示した手順およびプロセス条件で実施した。図15に示すように本実施の形態では、異物の巻上げをほぼ抑止できた。
以上より、本実施の形態の拡散装置1によれば、構造体3bのウエハ2側の開口から反応性ガスを排出するため、反応性ガスの排出による異物の巻き上げを抑制することができる。
また、本実施の形態の拡散装置1によれば、ガス配管12の接合部が構造体3bの径が小さい先端に沿って、先端を覆うように形成されているため、入炉時に石英チューブ11内で石英ボート3aの位置ズレが発生してもガス配管12と構造体3bとを確実に接合することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、実施の形態1と比較して構造体の構成が主に異なっている。なお、実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本発明の実施の形態3は、実施の形態1と比較して構造体の構成が主に異なっている。なお、実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
図16を参照して、本実施の形態では、構造体3bは排気通路4に通じる孔13を有している。構造体3bは、構造体3bの先が細くなる外周面を有している。当該孔13はこの外周面に開口している。本実施の形態では、当該孔13は複数個設けられている。つまり、構造体3bの外周面に開口した孔13は石英ボート3aの排気通路4に繋がっている。
図17を参照して、本実施の形態の異物低減効果を確認するための実験を行った。この実験は実施の形態1で示した手順およびプロセス条件で実施した。本実施の形態では、実施の形態1よりも異物低減効果があることがわかった。
以上より、本実施の形態の拡散装置1によれば、構造体3bは、構造体3bの先が細くなる外周面に開口し、かつ排気通路4に通じる孔13を有している。これにより、石英チューブ11内に浮遊している異物をより排気することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4は、実施の形態1と比較して、保持具の構成が主に異なっている。つまり、保持具は突起部を有している。また、構造体は石英ボートの一方端にのみ配置されている。なお、実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本発明の実施の形態4は、実施の形態1と比較して、保持具の構成が主に異なっている。つまり、保持具は突起部を有している。また、構造体は石英ボートの一方端にのみ配置されている。なお、実施の形態1と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
図18〜図20を参照して、保持具3の突起部14は石英ボート3aから石英チューブ11の内周面に向かって突出するように構成されている。突起部14は石英ボート3aの下面に取り付けられている。突起部14は石英ボート3aの幅方向の両側に配置されており、石英ボート3aの長手方向に延在している。突起部14は、たとえば、石英ボート3aと同質の材料であるSiO2で作製されており、石英ボート3aに張り合わされている。保持具3は、突起部14によって内周面に接触するように構成されている。
なお、上記では突起部14は、石英ボート3aと同質の材料であるSiO2で作製されている場合について説明したが、異物の巻き上げ防止の観点から逸脱しない範囲で形状および材質の変更は可能である。
図21を参照して、本実施の形態の異物低減効果を確認するための実験を行った。この実験は実施の形態1で示した手順およびプロセス条件で実施した。本実施の形態では、実施の形態1よりも異物低減効果があることがわかった。
以上より、本実施の形態の拡散装置1によれば、保持具3は、突起部14によって石英チューブ11の内周面に接触するため、石英ボート3aの炉内挿入時および炉外排出時における異物の巻き上げを低減することができる。
上記各実施の形態は適宜組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1 拡散装置、2 ウエハ、3 保持具、3a 保持部(石英ボート)、3b 構造体、4 排気通路、4a 吸引口、4b 内部通路、5 金属製排気配管、6 フランジ、7 蓋、8 排気配管、9,10 プロセスガス、11 拡散炉(石英チューブ)、12 ガス配管、13 孔、14 突起部、15,16 ガス供給配管、17 ガスジャバラ供給配管、20 排気装置。
Claims (8)
- ウエハの表面に反応性ガスによって膜を形成するための拡散装置であって、
内部空間を有する拡散炉と、
前記ウエハを保持するための保持部と、前記保持部に接続され、かつ前記ウエハ側から反対側に向かって先が細くなる構造体とを含む保持具とを備え、
前記保持具は、前記内部空間に開口し、かつ前記拡散炉の外部に通じる排気通路を含み、
さらに前記排気通路を通じて前記内部空間内の気体を外部へ排出するよう前記排気通路に接続された排気装置を備えた、拡散装置。 - 前記吸引口は、前記ウエハが前記保持具に保持された状態で、前記ウエハが保持された領域の真下領域内に配置されている、請求項1に記載の拡散装置。
- 前記内部空間に通じ、かつ前記内部空間に前記反応性ガスを供給可能なガス供給配管をさらに備え、
前記構造体は、前記ウエハ側に開口が設けられた端面を有し、
前記ガス供給配管は、前記構造体に接続されており、前記開口から前記反応性ガスを排出可能に構成されている、請求項1または2に記載の拡散装置。 - 前記構造体は、前記ウエハ側から反対側に向かって径が小さくなる円錐状に形成されており、
前記ガス供給配管は、前記構造体の径が小さい先端に沿って、前記先端を覆うように形成された接合部を含む、請求項3に記載の拡散装置。 - 前記構造体は、前記構造体の先が細くなる外周面に開口し、かつ前記排気通路に通じる孔を有する、請求項1または2に記載の拡散装置。
- 前記保持具は、前記保持部から前記拡散炉の内周面に向かって突出する突起部を含み、
前記保持具は、前記突起部によって前記内周面に接触するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の拡散装置。 - 前記拡散炉は石英チューブであり、前記保持具は石英ボートである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の拡散装置。
- ウエハの表面に反応性ガスによって膜を形成するための拡散方法であって、
前記ウエハを保持するための保持部と、前記保持部に接続され、かつ前記ウエハ側から反対側に向かって先が細くなる構造体とを含む保持具に、前記ウエハが載置される工程と、
前記ウエハが載置された前記保持具が拡散炉の内部空間に挿入された状態で、前記内部空間に開口し、かつ前記拡散炉の外部に通じる排気通路に接続された排気装置によって前記排気通路を通じて前記内部空間内の気体が外部へ排出される工程とを備えた、拡散方法。
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---|---|---|---|
JP2013247558A JP2015106619A (ja) | 2013-11-29 | 2013-11-29 | 拡散装置および拡散方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018170468A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | 東京エレクトロン株式会社 | 縦型熱処理装置 |
JP2019036610A (ja) * | 2017-08-10 | 2019-03-07 | 東京エレクトロン株式会社 | ウエハボート支持部、熱処理装置及び熱処理装置のクリーニング方法 |
-
2013
- 2013-11-29 JP JP2013247558A patent/JP2015106619A/ja active Pending
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