(実施形態1)
以下に、実施形態1の点滅器を図面に基づいて説明する。
図1は実施形態1の点滅器1の回路図である。本実施形態の点滅器1は、第1負荷端子t1と、第2負荷端子t2と、第1電源端子t3と、第2電源端子t4と、第1機械接点たるリレー接点ry1と、第2機械接点たるリレー接点ry2と、第1半導体スイッチたるトライアックT1と、制御部10を備える。また、本実施形態の点滅器1は電源部13をさらに備えている。本実施形態の点滅器1は両切り回路用の点滅器である。
制御部10は、信号処理回路11と、駆動回路12と、トランジスタTr1,Tr2,Tr5などを備えており、リレー接点ry1,ry2及びトライアックT1のオン/オフを切り替えることで、照明負荷を点灯又は消灯させる。信号処理回路11は例えばマイクロコンピュータからなり、マイクロコンピュータが組み込みのプログラムを実行することによって、マイクロコンピュータの演算機能によりリレー接点ry1,ry2及びトライアックT1のオン/オフを制御する機能が実現されている。
第1負荷端子t1及び第2負荷端子t2の間には照明負荷2が直列に接続されている。
第1電源端子t3及び第2電源端子t4はそれぞれ交流電源3に接続されている。本実施形態の点滅器1では第1電源端子t3に活線4が、第2電源端子t4に活線5がそれぞれ接続されており、両側とも活線4,5の回路になっているので、活線4,5をそれぞれ遮断するための接点が必要になる。
リレー接点ry1は、電磁リレーRy1の接点であり、第1負荷端子t1と第1電源端子t3の間に接続されている。
リレー接点ry2は、電磁リレーRy2の接点であり、第2負荷端子t2と第2電源端子t4の間に接続されている。
トライアックT1は、リレー接点ry1と並列に接続されている。
トランジスタTr1は、電源部13の出力端子間に電磁リレーRy1の励磁コイルL1を介して接続されており、信号処理回路11によってオン/オフが切り替えられる。信号処理回路11がトランジスタTr1をオンにすると、励磁コイルL1に電流が流れ、リレー接点ry1がオンになる。
トランジスタTr2は、電源部13の出力端子間に電磁リレーRy2の励磁コイルL2を介して接続されており、信号処理回路11によってオン/オフが切り替えられる。信号処理回路11がトランジスタTr2をオンにすると、励磁コイルL2に電流が流れ、リレー接点ry2がオンになる。
駆動回路12は、フォトカプラPC1と、抵抗R1,R2と、コンデンサC1とを備える。電源部13の出力端子間に、抵抗R3と、フォトカプラPC1の入力側の発光ダイオード(発光素子)LD1と、トランジスタTr5の直列回路が接続されている。抵抗R1と、フォトカプラPC1の出力側のフォトトライアックPT1と、コンデンサC1との直列回路がトライアックT1の両端間に接続されており、コンデンサC1と並列に抵抗R2が接続されている。フォトトライアックPT1と抵抗R2の接続点にトライアックT1のゲート端子が接続されている。トランジスタTr5は信号処理回路11によってオン/オフが切り替えられる。
信号処理回路11がトランジスタTr5をオンにすると、発光ダイオードLD1に電流が流れる。フォトカプラPC1の出力側のフォトトライアックPT1は、交流電源3の電源電圧がゼロクロスするタイミングで導通状態に切り替わるように構成されており、発光ダイオードLD1に電流が流れた状態で電源電圧がゼロクロスするとオン状態に切り替わる。フォトトライアックPT1がオン状態に切り替わると、交流電源3の電源電圧によってコンデンサC1が充電され、コンデンサC1からトライアックT1のゲートに電流が供給されて、トライアックT1がターンオンする。
一方、信号処理回路11がトランジスタTr5をオフにすると、発光ダイオードLD1に電流が流れなくなって、フォトトライアックPT1がオフし、トライアックT1がターンオフする。
電源部13は、外部電源(図示せず)から供給される直流電圧を励磁コイルL1,L2および発光ダイオードLD1に供給する。また、電源部13は、外部電源から供給される直流電圧を信号処理回路11にも供給している。
次に、本実施形態の点滅器1の動作を図2のタイムチャートに基づいて説明する。
照明負荷2を消灯状態から点灯状態に切り替える場合、制御部10(信号処理回路11)は、先ず、時刻t61においてトランジスタTr2をオンにして、リレー接点ry2をオン状態に切り替える。この状態では、リレー接点ry1およびトライアックT1はオフ状態であるから、照明負荷2は消灯している。その後、時刻t62において制御部10はトランジスタTr5をオンにして、フォトトライアックPT1をオン状態に切り替え、トライアックT1をターンオンさせており、照明負荷2が点灯する。照明負荷2が点灯すると、制御部10は、時刻t63においてトランジスタTr1をオンにして、リレー接点ry1をオン状態に切り替えた後、時刻t64においてトランジスタTr5をオフにして、トライアックT1をオフさせる。時刻t64以後はリレー接点ry1,ry2がオン状態となり、リレー接点ry1,ry2を介して照明負荷2に電流が流れることで、照明負荷2の点灯状態が維持される。
一方、照明負荷2を点灯状態から消灯状態に切り替える場合、制御部10は、先ず、時刻t65において、トランジスタTr5をオンにして、トライアックT1をオン状態に切り替える。次に、制御部10は、時刻t66においてトランジスタTr1をオフにして、トライアックT1と並列に接続されたリレー接点ry1をオフさせる。この状態では、トライアックT1がオン状態に切り替わっているから、照明負荷2は点灯状態を維持する。その後、制御部10が、時刻t67においてトランジスタTr5をオフにし、トライアックT1をターンオフさせると、照明負荷2が点灯状態から消灯状態に切り替わる。そして、照明負荷2が消灯した後の時刻t68において、制御部10は、トランジスタTr2をオフにして、リレー接点ry2をオフ状態に切り替えており、リレー接点ry1,ry2およびトライアックT1が全てオフ状態となる。
本実施形態の点滅器1は、第1負荷端子t1及び第2負荷端子t2と、第1電源端子t3及び第2電源端子t4と、第1機械接点たるリレー接点ry1と、第1半導体スイッチたるトライアックT1と、第2機械接点たるリレー接点ry2と、制御部10とを備える。第1負荷端子t1及び第2負荷端子t2は照明負荷2の両端にそれぞれ接続される。第1電源端子t3及び第2電源端子t4には交流電源3からの活線4,5がそれぞれ接続される。リレー接点ry1は第1負荷端子t1と第1電源端子t3の間に接続される。トライアックT1はリレー接点ry1と並列に接続される。リレー接点ry2は第2負荷端子t2と第2電源端子t4の間に接続される。制御部10は、リレー接点ry1,ry2及びトライアックT1のオン/オフをそれぞれ制御する。この点滅器1は、交流電源3の両側の活線4,5の間に、リレー接点ry1及びトライアックT1の並列回路と、照明負荷2と、リレー接点ry2とが直列に接続されるように構成される。制御部10は、照明負荷2を点灯させる際、リレー接点ry2がオンの状態でトライアックT1をオンさせてから、リレー接点ry1をオンさせるように構成される。また、制御部10は、照明負荷2を消灯させる際、リレー接点ry2及びトライアックT1がオンの状態でリレー接点ry1をオフさせてから、トライアックT1をオフさせるように構成される。
この点滅器1では、消灯時はリレー接点ry1,ry2およびトライアックT1が全てオフ状態となるので、両側が活線の回路を遮断する絶縁性能が向上する。また、制御部10は、リレー接点ry2がオンの状態でトライアックT1をオフからオンに切り替えることで、照明負荷2を点灯させており、突入電流はトライアックT1に流れるから、突入電流がリレー接点ry1に流れる場合に比べて接点寿命が長くなる。また、制御部10は、トライアックT1をオン状態からオフ状態に切り替えることで照明負荷2を消灯させているので、消灯時に発生するサージ電圧はトライアックT1に印加されることになり、リレー接点ry1の接点寿命を延ばすことができる。
さらに、制御部10は、照明負荷2が点灯している状態では、トライアックT1と並列に接続されたリレー接点ry1をオンにして、トライアックT1をオフに切り替えており、トライアックT1をオンに切り替えるための駆動回路12の消費電力が低減される。また、制御部10は、照明負荷2が消灯している状態でリレー接点ry2をオンからオフに切り替えているので、リレー接点ry2がオフする際にリレー接点ry2にサージ電圧が印加されることはない。
また、本実施形態の点滅器1では、制御部10が、電源電圧のゼロクロスでトライアックT1をオン状態に切り替えるように構成されている。電源電圧のゼロクロスでトライアックT1がオン状態に切り替わるから、トライアックT1のオン時に流れる突入電流を低減できる。
また、本実施形態の点滅器1において電磁リレーRy1,Ry2がラッチングリレーであってもよい。図3は、電磁リレーRy1,Ry2をラッチングリレーとした場合の回路構成を示す。また、図3に示す回路では、電源部13の代わりに定電圧電源部14を備えている。図3において、図1に示した点滅器1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
定電圧電源部14は、交流電源3とは別の外部電源6からの供給電圧を所定電圧値の直流電圧に変換して、制御部10に供給する。
電磁リレーRy1はラッチングリレーであり、リレー接点ry1と、リレー接点ry1をオン状態に切り替える際に通電されるセットコイルL11と、リレー接点ry1をオフ状態に切り替える際に通電されるリセットコイルL12を備える。
電磁リレーRy2はラッチングリレーであり、電磁リレーRy1と同様に、リレー接点ry2と、セットコイルL21と、リセットコイルL22を備える。
また、図3に示す点滅器1は、それぞれ信号処理回路11によってオン/オフが制御されるトランジスタTr11,Tr12,Tr21,Tr22,Tr5を備える。
トランジスタTr11は、定電圧電源部14の出力端子間に電磁リレーRy1のセットコイルL11を介して接続されている。リレー接点ry1がオフの状態で、信号処理回路11がトランジスタTr11をオンにすると、セットコイルL11に電流が流れ、リレー接点ry1がオフ状態からオン状態に切り替えられる。電磁リレーRy1はラッチングリレーであるから、セットコイルL11への通電を停止した後も、リレー接点ry1はオン状態を維持する。
トランジスタTr12は、定電圧電源部14の出力端子間に電磁リレーRy1のリセットコイルL12を介して接続されている。リレー接点ry1がオンの状態で、信号処理回路11がトランジスタTr12をオンにすると、リセットコイルL12に電流が流れ、リレー接点ry1がオン状態からオフ状態に切り替えられる。電磁リレーRy1はラッチングリレーであるから、リセットコイルL12への通電を停止した後も、リレー接点ry1はオフ状態を維持する。
トランジスタTr21は、定電圧電源部14の出力端子間に電磁リレーRy2のセットコイルL21を介して接続されている。リレー接点ry2がオフの状態で、信号処理回路11がトランジスタTr21をオンにすると、セットコイルL21に電流が流れ、リレー接点ry2がオフ状態からオン状態に切り替えられる。電磁リレーRy2はラッチングリレーであるから、セットコイルL21への通電を停止した後も、リレー接点ry2はオン状態を維持する。
トランジスタTr22は、定電圧電源部14の出力端子間に電磁リレーRy2のリセットコイルL22を介して接続されている。リレー接点ry2がオンの状態で、信号処理回路11がトランジスタTr22をオンにすると、リセットコイルL22に電流が流れ、リレー接点ry2がオン状態からオフ状態に切り替えられる。電磁リレーRy2はラッチングリレーであるから、リセットコイルL22への通電を停止した後も、リレー接点ry2はオフ状態を維持する。
次に、図3の回路構成を有する点滅器1の動作を、図4のタイムチャートに基づいて説明する。
照明負荷2を消灯状態から点灯状態に切り替える場合、制御部10は、先ず、時刻t11においてトランジスタTr21をオンにして、セットコイルL21に励磁電流を供給し、リレー接点ry2をオン状態に切り替える(時刻t12)。この状態では、リレー接点ry1およびトライアックT1はオフ状態であるから、照明負荷2は消灯している。その後、時刻t13において制御部10はトランジスタTr5をオンにして、発光ダイオードLD1に発光電流を供給し、フォトトライアックPT1をオン状態に切り替える。フォトトライアックPT1がオン状態になると、トライアックT1がターンオンし、照明負荷2が点灯する(時刻t14)。照明負荷2が点灯すると、制御部10は、時刻t15においてトランジスタTr11をオンにして、セットコイルL11に励磁電流を供給し、リレー接点ry1をオン状態に切り替える(時刻t16)。リレー接点ry1をオン状態に切り替えた後、制御部10は、時刻t17にトランジスタTr5をオフにして、トライアックT1をオフさせており、時刻t17以後はリレー接点ry1,ry2を介して照明負荷2に電流が流れることで、照明負荷2が点灯し続ける。このように、制御部10は、リレー接点ry2がオンの状態でトライアックT1をオフからオンに切り替えることで、照明負荷2を点灯させており、突入電流はトライアックT1に流れるから、突入電流がリレー接点ry1に流れる場合に比べて接点寿命が長くなる。また、制御部10は、照明負荷2が点灯している状態では、トライアックT1と並列に接続されたリレー接点ry1をオンにして、トライアックT1をオフに切り替えており、トライアックT1をオンに切り替えるための駆動回路12の消費電力を低減している。
一方、照明負荷2を点灯状態から消灯状態に切り替える場合、制御部10は、先ず、時刻t18において、トランジスタTr5をオンにして、トライアックT1をオン状態に切り替える(時刻t19)。次に、制御部10は、時刻t20においてトランジスタTr12をオンにして、リセットコイルL12に通電し、トライアックT1と並列に接続されたリレー接点ry1をオフさせる(時刻t21)。この状態では、トライアックT1がオン状態に切り替わっているから、照明負荷2は点灯状態を維持する。その後、制御部10が、時刻t22においてトランジスタTr5をオフにし、トライアックT1をターンオフさせると、照明負荷2が点灯状態から消灯状態に切り替わる。そして、照明負荷2が消灯した後の時刻t23において、制御部10は、トランジスタTr22をオンにして、リセットコイルL22に通電し、リレー接点ry2をオフ状態に切り替えており、リレー接点ry1,ry2およびトライアックT1が全てオフ状態となる。このように、消灯時はリレー接点ry1,ry2およびトライアックT1が全てオフ状態となるので、両側が活線の回路を遮断する絶縁性能が向上する。また、トライアックT1をオン状態からオフ状態に切り替えることで照明負荷2を消灯させているので、消灯時に発生するサージ電圧はトライアックT1に印加されることになり、リレー接点ry1の接点寿命を延ばすことができる。また、リレー接点ry2は、照明負荷2が消灯している状態でオンからオフに切り替わっているので、リレー接点ry2がオフする際にリレー接点ry2にサージ電圧が印加されることはない。
また、電磁リレーRy1,Ry2はラッチングリレーであり、リレー接点ry1,ry2のオン/オフを切り替える時だけ、セットコイル又はリセットコイルに通電すればよいから、電磁リレーRy1,Ry2を駆動するのに必要な電力を低減できる。
また、図3に回路構成を示した点滅器1は、交流電源3とは別の外部電源6からの供給電圧を所定電圧値の直流電圧に変換して、制御部10に供給する定電圧電源部14を備えている。
定電圧電源部14は、外部電源6からの供給電圧を所定電圧値の直流電圧に変換しているので、電磁リレーRy1,Ry2の励磁コイル(セットコイルおよびリセットコイル)と発光ダイオードLD1とに、外部電源6の電圧値に依存しない一定の電圧が印加される。よって、外部電源6の電源電圧が多少変動したとしても、定電圧電源部14から所定電圧値の出力電圧が供給されるから、リレー接点ry1,ry2およびトライアックT1の動作電圧に発生するばらつきが低減される。したがって、リレー接点ry1,ry2およびトライアックT1の動作が安定し、所望のタイミングで動作させることができる。
なお、実施形態1,2で説明する他の回路構成の点滅器1において、電源部13の代わりに、定電圧電源部14を備えてもよい。定電圧電源部14は、外部電源6からの供給電力を所定電圧値の直流電圧に変換して出力しており、リレー接点ry1,ry2およびトライアックT1の動作を安定させることができる。
ところで、図5に示すように、図1に回路構成を示した点滅器1において、リレー接点ry1の両端間に、トライアックT1を介して、電磁リレーRy3のリレー接点ry3を接続してもよい。図5では図示を簡略化するために、図1に示した点滅器1と共通する構成要素については図示を省略している。また、図5に回路構成を示した点滅器1において、図1と共通する構成要素には同一の符号を付して、説明を省略する。
電源部13の出力端子間に、電磁リレーRy3の励磁コイルL3と、トランジスタTr3とが直列に接続されている。トランジスタTr3は信号処理回路11によってオン/オフが制御される。信号処理回路11がトランジスタTr3をオンにすると、励磁コイルL3に電流が流れ、リレー接点ry3がオンになる。
この点滅器1の動作を図6のタイムチャートに基づいて説明する。
照明負荷2の消灯時には、信号処理回路11は、トランジスタTr3をオフにして、リレー接点ry3をオフさせている。
照明負荷2を消灯状態から点灯状態に切り替える場合、信号処理回路11は、先ずトランジスタTr3をオンにして、リレー接点ry3をオン状態に切り替える(時刻t30)。また、信号処理回路11は、トランジスタTr2をオンにして、リレー接点ry2をオン状態に切り替える。次に、信号処理回路11は、トランジスタTr5をオンにして、発光ダイオードLD1に励磁電流を流し、フォトトライアックPT1をオン状態に切り替え(時刻t31)、トライアックT1をターンオンさせて、照明負荷2を点灯させる(時刻t32)。照明負荷2が点灯すると、信号処理回路11は、トランジスタTr1をオンにして、リレー接点ry1をオン状態に切り替えた後(時刻t33)、トランジスタTr5をオフにして、トライアックT1をターンオフさせる(時刻t34)。また、信号処理回路11は、照明負荷2が点灯している状態でトライアックT1をターンオフさせると、時刻t35においてトランジスタTr3をオフにして、リレー接点ry3をオフ状態に切り替えており(時刻t35)、駆動回路12の消費電力を低減する。
一方、照明負荷2を点灯状態から消灯状態に切り替える場合、信号処理回路11は、トライアックT1を点灯させる前に、トランジスタTr3をオンにして、リレー接点ry3をオン状態に切り替える(時刻t36)。リレー接点ry3がオンになると、信号処理回路11は、トランジスタTr5をオンにして、発光ダイオードLD1に励磁電流を流し、フォトトライアックPT1をオン状態に切り替え、トライアックT1をターンオンさせる(時刻t37)。トライアックT1がオン状態に切り替わると、信号処理回路11は、トランジスタTr1をオフにして、リレー接点ry1をオフ状態に切り替える(時刻t38)。この状態ではトライアックT1がオン状態のままなので、照明負荷2は点灯状態を継続する。その後、信号処理回路11は、トランジスタTr5をオフにして、トライアックT1をターンオフさせ、照明負荷2を消灯させる(時刻t39)。そして、信号処理回路11は、トランジスタTr3をオフにして、リレー接点ry3をオフ状態に切り替える(時刻t40)。
上述のように、制御部10は、照明負荷2を点灯させる際、リレー接点ry3をオンさせてからトライアックT1をオンさせ、照明負荷2を消灯させる際、トライアックT1をオフさせてからリレー接点ry3をオフさせるように構成されている。消灯時にリレー接点ry3がオフ状態に切り替わっているから、トライアックT1を介して流れる漏れ電流が低減される。
また、信号処理回路11は、照明負荷2の点灯中に、リレー接点ry1,ry2をオンさせた状態で、第3機械接点たるリレー接点ry3をオフさせており、駆動回路12による消費電流を低減できる。
ところで、図5に回路構成を示した点滅器1では、リレー接点ry2とリレー接点ry3とが別個の電磁リレーのリレー接点であり、別々の電磁石装置で駆動されているが、同一の電磁石装置で駆動されてもよい。図7は、リレー接点ry2とリレー接点ry3とを同一の電磁リレーRy2のリレー接点とした点滅器の要部回路図であり、励磁コイルL2への通電の有無に応じて、リレー接点ry2,ry3が同時にオン又はオフになる。
なお、図7は要部のみを図示した回路図であり、図1に回路構成を示した点滅器1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、図7の回路構成では、信号処理回路11が出力用のトランジスタを内蔵しており、信号処理回路11が励磁コイルL1,L2に励磁電流を流し、発光ダイオードLD1を駆動するようになっている。
図7の回路ではリレー接点ry2,ry3が同時にオン又はオフになるので、照明負荷2の点灯中はリレー接点ry3が常にオンになっている。また照明負荷2の消灯時にリレー接点ry2がオフ状態となっている場合、リレー接点ry3もオフ状態となる。したがって、照明負荷2の消灯時には、信号処理回路11がリレー接点ry3をオフさせているので、トライアックT1に流れる漏れ電流が低減される。さらに、リレー接点ry2およびリレー接点ry3は、同一の電磁リレーが備える2極のリレー接点でもあるから、リレー接点ry2およびリレー接点ry3を同一の電磁石装置で駆動することによって、部品数を減らして、点滅器1の小型化を図ることができる。
また、図5に回路構成を示した点滅器1において、リレー接点ry1,ry2,ry3を、それぞれ、ラッチングリレーのリレー接点としてもよい。図8は、電磁リレーRy1,Ry2,Ry3をラッチングリレーとした場合の要部回路図である。なお、図8は要部のみを図示した回路図であり、図1に回路構成を示した点滅器1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
電磁リレーRy1はラッチングリレーであり、リレー接点ry1と、リレー接点ry1をオン状態に切り替える際に通電されるセットコイルL11と、リレー接点ry1をオフ状態に切り替える際に通電されるリセットコイルL12を備える。
電磁リレーRy2はラッチングリレーであり、電磁リレーRy1と同様に、リレー接点ry2と、セットコイルL21と、リセットコイルL22を備える。
電磁リレーRy3はラッチングリレーであり、電磁リレーRy1と同様に、リレー接点ry3と、セットコイルL31と、リセットコイルL32を備える。
図8に示す点滅器1では、信号処理回路11が出力用のトランジスタを内蔵しており、セットコイルL11,L21,L31、リセットコイルL12,L22,L32にそれぞれ励磁電流を流し、対応するリレー接点ry1,ry2,ry3をオン又はオフにする。また、信号処理回路11は、出力用のトランジスタを内蔵し、信号処理回路11が発光ダイオードLD1に点灯電流を供給して、発光ダイオードLD1を点灯させるように構成されている。
ここで、リレー接点ry1がオフの状態で、信号処理回路11がセットコイルL11に電流を流すと、リレー接点ry1がオフ状態からオン状態に切り替えられる。電磁リレーRy1はラッチングリレーであるから、セットコイルL11への通電を停止した後も、リレー接点ry1はオン状態を維持する。また、信号処理回路11が、リセットコイルL12に電流を流すと、リレー接点ry1がオン状態からオフ状態に切り替えられ、リセットコイルL12への通電を停止した後も、リレー接点ry1はオフ状態を維持する。
また、リレー接点ry2がオフの状態で、信号処理回路11がセットコイルL21に電流を流すと、リレー接点ry2がオフ状態からオン状態に切り替えられる。電磁リレーRy2はラッチングリレーであるから、セットコイルL21への通電を停止した後も、リレー接点ry2はオン状態を維持する。信号処理回路11が、リセットコイルL22に電流を流すと、リレー接点ry2がオン状態からオフ状態に切り替えられ、リセットコイルL22への通電を停止した後も、リレー接点ry2はオフ状態を維持する。
また、リレー接点ry3がオフの状態で、信号処理回路11が、セットコイルL31に電流を流すと、リレー接点ry3がオフ状態からオン状態に切り替えられる。電磁リレーRy3はラッチングリレーであるから、セットコイルL31への通電を停止した後も、リレー接点ry3はオン状態を維持する。信号処理回路11が、リセットコイルL32に電流を流すと、リレー接点ry3がオン状態からオフ状態に切り替えられ、リセットコイルL32への通電を停止した後も、リレー接点ry3はオフ状態を維持する。
この点滅器1の動作は、図5に回路構成を示した点滅器1の動作と同様であるので、詳細な説明は省略する。リレー接点ry1,ry2,ry3を、それぞれ、ラッチングリレーのリレー接点としているので、リレー接点のオン時に励磁コイルを通電し続ける必要がなく、消費電力を低減できる。
なお、図8に回路構成を示した点滅器1において、リレー接点ry2とリレー接点ry3とを同一の電磁石装置で駆動してもよい。図9は、図8に回路構成を示した点滅器1において、リレー接点ry2とリレー接点ry3とを同一の電磁石装置で駆動するようにした点滅器1の要部回路図である。この点滅器1では、ラッチングリレーからなる電磁リレーRy2が、2つのリレー接点ry2,ry3と、セットコイルL21と、リセットコイルL22を備えている。信号処理回路11が、セットコイルL21に電流を流すと、リレー接点ry2,ry3がオンに切り替わり、セットコイルL21への通電を停止した後もオン状態を維持する。信号処理回路11が、リセットコイルL22に電流を流すと、リレー接点ry2,ry3がオフに切り替わり、リセットコイルL22への通電を停止した後もオフ状態を維持する。このように、リレー接点ry2とリレー接点ry3とは、同一のラッチングリレーが備える2極のリレー接点であり、リレー接点ry2およびリレー接点ry3は同一の電磁石装置で駆動されるから、部品数を減らして、点滅器1の小型化を図ることができる。しかも、リレー接点ry2とリレー接点ry3とが同一のラッチングリレーが備える2極のリレー接点であるから、リレー接点ry2およびリレー接点ry3のオン/オフ時のみセットコイル又はリセットコイルに通電すればよく、消費電力を低減できる。
ところで、図1〜図9を参照して説明した点滅器1は、1回路の照明負荷2の点灯/消灯を切り替えるものであるが、図10に示すように多回路の照明負荷2の点灯/消灯を切り替えるものでもよい。
図10に示す点滅器1は、2回路分の照明負荷2a,2bの点灯/消灯を切り替えるためのものであり、リレー接点ry1,ry2,ry3とトライアックT1とを2回路分備えている。また点滅器1は、第1負荷端子、第2負荷端子、第1電源端子、第2電源端子も2回路分備え、第1負荷端子t1aと第2負荷端子t2aの間に照明負荷2aが接続され、第1電源端子t3aと第2電源端子t4aの間に交流電源3aの活線がそれぞれ接続されている。また、第1負荷端子t1bと第2負荷端子t2bの間に照明負荷2bが接続され、第1電源端子t3bと第2電源端子t4bの間に交流電源3bの活線がそれぞれ接続されている。また、2回路分のトライアックT1のそれぞれに対応して、フォトカプラPC1が備える発光ダイオードLD1への励磁電流の有無に応じて、対応するトライアックT1をオン又はオフさせる駆動回路12を備えている。そして、複数回路(図10の例では2回路)の駆動回路12が備えるフォトカプラPC1の発光ダイオードLD1が直列に接続されている。ここで、信号処理回路11が、2回路分の発光ダイオードLD1に励磁電流を流すと、フォトトライアックPT1がオンになり、複数回路のトライアックT1がターンオンされる。
このように、複数回路(複数組)の駆動回路12において、発光ダイオードLD1に励磁電流を供給する回路が共用されているから、複数回路のトライアックT1を動作させるために供給する電流が低減される。
(実施形態2)
以下に、実施形態2の点滅器を図面に基づいて説明する。
図11は実施形態2の点滅器1の回路図である。本実施形態の点滅器1は、第1負荷端子t1と、第2負荷端子t2と、第1電源端子t3と、第2電源端子t4と、リレー接点ry1,ry2と、トライアックT1,T2と、制御部10を備える。また、本実施形態の点滅器1は電源部13をさらに備えている。本実施形態の点滅器1は両切り回路用の点滅器である。
制御部10は、信号処理回路11と、駆動回路121,122と、トランジスタTr1,Tr2,Tr5などを備え、リレー接点ry1,ry2およびトライアックT1,T2のオン/オフをそれぞれ制御する。信号処理回路11は例えばマイクロコンピュータからなり、マイクロコンピュータが組み込みのプログラムを実行することによって、リレー接点ry1,ry2及びトライアックT1,T2のオン/オフを制御する機能が実現される。
第1負荷端子t1及び第2負荷端子t2の間には照明負荷2が直列に接続されている。
第1電源端子t3及び第2電源端子t4はそれぞれ交流電源3に接続されている。本実施形態の点滅器1では第1電源端子t3に活線4が、第2電源端子t4に活線5がそれぞれ接続されており、両側とも活線4,5の回路になっているので、活線4,5をそれぞれ遮断するための接点が必要になる。
リレー接点ry1(第1機械接点)は、電磁リレーRy1の接点であり、第1負荷端子t1と第1電源端子t3の間に接続されている。
リレー接点ry2(第2機械接点)は、電磁リレーRy2の接点であり、第2負荷端子t2と第2電源端子t4の間に接続されている。
トライアックT1(第1半導体スイッチ)は、リレー接点ry1と並列に接続されている。
トライアックT2(第2半導体スイッチ)は、リレー接点ry2と並列に接続されている。
トランジスタTr1は、電源部13の出力端子間に電磁リレーRy1の励磁コイルL1を介して接続されており、信号処理回路11によってオン/オフが切り替えられる。信号処理回路11がトランジスタTr1をオンにすると、励磁コイルL1に電流が流れ、リレー接点ry1がオンになる。
トランジスタTr2は、電源部13の出力端子間に電磁リレーRy2の励磁コイルL2を介して接続されており、信号処理回路11によってオン/オフが切り替えられる。信号処理回路11がトランジスタTr2をオンにすると、励磁コイルL2に電流が流れ、リレー接点ry2がオンになる。
駆動回路121は、トライアックT1をターンオン又はターンオフさせる回路であり、第1フォトカプラ(以下、フォトカプラと略称する。)PC11と、抵抗R11,R12と、コンデンサC11とを備える。抵抗R11と、フォトカプラPC11の出力側のフォトトライアックPT11と、コンデンサC11との直列回路がトライアックT1の両端間に接続されており、コンデンサC11と並列に抵抗R12が接続されている。フォトトライアックPT11と抵抗R12の接続点にトライアックT1のゲート端子が接続されている。
駆動回路122は、トライアックT2をターンオン又はターンオフさせる回路であり、第2フォトカプラ(以下、フォトカプラと略称する。)PC12と、抵抗R21,R22と、コンデンサC21とを備える。抵抗R21と、フォトカプラPC12の出力側のフォトトライアックPT12と、コンデンサC21との直列回路がトライアックT1の両端間に接続されており、コンデンサC21と並列に抵抗R22が接続されている。フォトトライアックPT12と抵抗R22の接続点にトライアックT2のゲート端子が接続されている。
また、電源部13の出力端子間には、抵抗R3と、フォトカプラPC11の入力側の発光ダイオード(第1発光素子)LD11と、フォトカプラPC12の入力側の発光ダイオード(第2発光素子)LD12と、トランジスタTr5の直列回路が接続されている。トランジスタTr5は信号処理回路11によってオン/オフが切り替えられる。信号処理回路11がトランジスタTr5をオンにすると、発光ダイオードLD11,LD12に励磁電流が流れ、フォトトライアックPT1,PT2が、それぞれ、電源電圧のゼロクロスするタイミングでオフ状態からオン状態に切り替わる。
電源部13は、外部電源(図示せず)から供給される直流電圧を励磁コイルL1,L2および発光ダイオードLD11,LD12に供給する。また、電源部13は、外部電源から供給される直流電圧を信号処理回路11にも供給している。
次に、本実施形態の点滅器1の動作を図12のタイムチャートに基づいて説明する。
照明負荷2を点灯させる場合、信号処理回路11は、時刻t41にトランジスタTr5をオンにして、フォトトライアックPT11,PT12をオンさせ、トライアックT1,T2をターンオンさせて、照明負荷2を点灯させる(時刻t42)。照明負荷2が点灯した状態で、信号処理回路11は、トランジスタTr2をオンにして、リレー接点ry2をオン状態に切り替え(時刻t43)、トランジスタTr1をオンにして、リレー接点ry1をオン状態に切り替える(時刻t44)。リレー接点ry1,ry2がオンになると、信号処理回路11は、トランジスタTr5をオフさせて、フォトトライアックPT11,PT12をオフさせ、トライアックT1,T2をターンオフさせる(時刻t45)。なお、図2のタイムチャートでは、リレー接点ry1がオン状態に切り替わってから、リレー接点ry2がオン状態に切り替わっているが、リレー接点ry1,ry2は、逆の順番でオン状態に切り替わってもよいし、同時にオン状態に切り替わってもよい。
照明負荷2を消灯させる場合、信号処理回路11は、先ず時刻t46において、トランジスタTr5をオンにして、フォトトライアックPT11,PT12をオンさせ、トライアックT1,T2をターンオンさせる(時刻t47)。トライアックT1,T2がオン状態に切り替わると、信号処理回路11は、トランジスタTr1をオフにして、リレー接点ry1をオフ状態に切り替え(時刻t48)、トランジスタTr2をオフにして、リレー接点ry2をオフ状態に切り替える(時刻t49)。その後、信号処理回路11は、トランジスタTr5をオフにして、フォトトライアックPT11,PT12をオフさせ、トライアックT1,T2をターンオフさせて、照明負荷2を消灯させる(時刻t50)。
本実施形態の点滅器1は、第1負荷端子t1及び第2負荷端子t2と、第1電源端子t3及び第2電源端子t4と、リレー接点ry1(第1機械接点)と、トライアックT1(第1半導体スイッチ)と、リレー接点ry2(第2機械接点)と、トライアックT2(第2半導体スイッチ)と、制御部10とを備える。第1負荷端子t1及び第2負荷端子t2は照明負荷2の両端にそれぞれ接続される。第1電源端子t3及び第2電源端子t4には交流電源3からの活線4,5がそれぞれ接続される。リレー接点ry1は第1負荷端子t1と第1電源端子t3の間に接続される。トライアックT1はリレー接点ry1と並列に接続される。リレー接点ry2は第2負荷端子t2と第2電源端子t4の間に接続される。トライアックT2はリレー接点ry2と並列に接続される。制御部10は、リレー接点ry1,ry2及びトライアックT1,T2のオン/オフをそれぞれ制御する。この点滅器1は、交流電源3の両側の活線4,5の間に、リレー接点ry1及びトライアックT1の並列回路と、照明負荷2と、リレー接点ry2及びトライアックT2の並列回路とが直列に接続されるように構成される。制御部10は、照明負荷2を点灯させる際、リレー接点ry1,ry2がオフの状態で、トライアックT1,T2をオンさせてから、リレー接点ry1,ry2をオンさせるように構成される。また、制御部10は、照明負荷2を消灯させる際、トライアックT1,T2がオンの状態で、リレー接点ry1,ry2をオフさせてから、トライアックT1,T2のうちの少なくとも何れか一方をオフさせるように構成される。
この点滅器1では、消灯時はリレー接点ry1,ry2およびトライアックT1,T2が全てオフ状態となるので、両側が活線の回路を遮断する絶縁性能が向上する。また、制御部10は、リレー接点ry1,ry2がオフの状態で、トライアックT1,T2をオンさせることで、照明負荷2を点灯させており、突入電流はトライアックT1,T2に流れるから、リレー接点ry1,ry2の接点寿命が長くなる。また、制御部10は、トライアックT1,T2のうちの少なくとも何れか一方をオン状態からオフ状態に切り替えることで照明負荷2を消灯させている。したがって、消灯時に発生するサージ電圧はトライアックT1又はトライアックT2に印加されることになり、リレー接点ry1,ry2の接点寿命を延ばすことができる。
さらに、制御部10は、照明負荷2が点灯している状態では、リレー接点ry1,ry2をオンにして、トライアックT1,T2をオフに切り替えており、トライアックT1,T2をオンに切り替えるための駆動回路12の消費電力が低減される。
ところで、本実施形態の点滅器1では、駆動回路121が、電源電圧のゼロクロスでトライアックT1のオン/オフを切り替えるように構成され、駆動回路122が、電源電圧のゼロクロスでトライアックT2のオン/オフを切り替えるように構成されている。したがって、電源電圧のゼロクロスでトライアックT1,T2がそれぞれオン状態に切り替わるから、トライアックT1,T2のオン時に流れる突入電流を低減できる。
また、本実施形態の点滅器1では、フォトカプラPC11の発光ダイオードLD11と、フォトカプラPC12の発光ダイオードLD12が直列に接続されており、発光ダイオードLD11,LD12には共通の電流が流れるように回路が形成されている。したがって、発光ダイオードLD11,LD12に別々の電流を流す場合に比べて、消費電流を低減できる。
ところで、図11に回路構成を示した点滅器1では、リレー接点ry1とリレー接点ry2とが別個の電磁リレーのリレー接点であり、別々の電磁石装置で駆動されているが、同一の電磁石装置で駆動されていてもよい。図13は、リレー接点ry1とリレー接点ry2とを同一の電磁リレーRy1のリレー接点とした点滅器の要部回路図であり、励磁コイルL1への通電の有無に応じて、リレー接点ry1,ry2が同時にオン又はオフになる。なお、図13は要部のみを図示した回路図であり、図11に回路構成を示した点滅器1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。また、図13の回路構成では、信号処理回路11が出力用のトランジスタを内蔵しており、信号処理回路11が励磁コイルL1に励磁電流を流し、発光ダイオードLD1,LD2を駆動するようになっている。
図13に示す点滅器1では、励磁コイルL1への通電の有無に応じて、2つのリレー接点ry1,ry2が同時にオン、又は、同時にオフに切り替わる。
照明負荷2の点灯時、信号処理回路11は、トライアックT1,T2をターンオンさせて照明負荷2を点灯させた後、励磁コイルL1に電流を流して、リレー接点ry1,ry2を共にオン状態に切り替え、トライアックT1,T2をターンオフさせる。
一方、照明負荷2の消灯時、信号処理回路11は、先ずトライアックT1,T2をターンオンさせた後、励磁コイルL1への通電を停止して、リレー接点ry1,ry2を共にオフ状態とし、トライアックT1,T2をターンオフさせて、照明負荷2を消灯させる。
このように、図13に回路構成を示した点滅器1では、リレー接点ry1,ry2を、1つの電磁リレーRy1が備える2つのリレー接点としている。したがって、リレー接点ry1,ry2を別々の電磁石で駆動する場合に比べて部品数が少なくなり、点滅器1を小型化することができる。
また、図11に回路構成を示した点滅器1において電磁リレーRy1,Ry2がラッチングリレーであってもよい。図14に、電磁リレーRy1,Ry2をラッチングリレーとした場合の要部の回路図を示す。図14において、図11に示した点滅器1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
電磁リレーRy1はラッチングリレーであり、リレー接点ry1と、リレー接点ry1をオン状態に切り替える際に通電されるセットコイルL11と、リレー接点ry1をオフ状態に切り替える際に通電されるリセットコイルL12を備える。
電磁リレーRy2はラッチングリレーであり、電磁リレーRy1と同様に、リレー接点ry2と、セットコイルL21と、リセットコイルL22を備える。
また、図14に示す点滅器1では、信号処理回路11が出力用のトランジスタを内蔵しており、セットコイルL11,L21、リセットコイルL12,L22にそれぞれ励磁電流を流し、対応するリレー接点ry1,ry2をオン又はオフにする。また、信号処理回路11は、出力用のトランジスタを内蔵しており、発光ダイオードLD11,LD12に点灯電流を供給して、発光ダイオードLD11,LD12を点灯させるように構成されている。
ここで、リレー接点ry1がオフの状態で、信号処理回路11がセットコイルL11に電流を流すと、リレー接点ry1がオフ状態からオン状態に切り替えられる。電磁リレーRy1はラッチングリレーであるから、セットコイルL11への通電を停止した後も、リレー接点ry1はオン状態を維持する。また、信号処理回路11が、リセットコイルL12に電流を流すと、リレー接点ry1がオン状態からオフ状態に切り替えられ、リセットコイルL12への通電を停止した後も、リレー接点ry1はオフ状態を維持する。
また、リレー接点ry2がオフの状態で、信号処理回路11がセットコイルL21に電流を流すと、リレー接点ry2がオフ状態からオン状態に切り替えられる。電磁リレーRy2はラッチングリレーであるから、セットコイルL21への通電を停止した後も、リレー接点ry2はオン状態を維持する。信号処理回路11が、リセットコイルL22に電流を流すと、リレー接点ry2がオン状態からオフ状態に切り替えられ、リセットコイルL22への通電を停止した後も、リレー接点ry2はオフ状態を維持する。
このように、電磁リレーRy1,Ry2がラッチングリレーであるから、リレー接点のオン/オフを切り替える際にセットコイル又はリセットコイルに励磁電流を流せばよいから、消費電流を低減できる。
また、図14に回路構成を示した点滅器1では、リレー接点ry1,ry2を別々の電磁石装置のリレー接点としているが、図15に示すように、リレー接点ry1,ry2を、ラッチングタイプの電磁リレーRy1のリレー接点としてもよい。リレー接点ry1,ry2は同じタイミングでオン又はオフするので、同一の電磁石装置で駆動することができる。図15に示すように、リレー接点ry1,ry2が同一の電磁リレーRy1のリレー接点であり、しかも電磁リレーRy1がラッチングタイプのリレーであるから、電磁石装置の数を減らすことで、小型化を実現できる。またラッチングタイプの電磁リレーRy1を用いており、リレー接点ry1,ry2のオン/オフを切り替える際にセットコイルL11又はリセットコイルL12を励磁すればよいから、励磁電流を低減することができる。
また、図11に回路構成を示した点滅器1において、リレー接点ry1の両端間に、トライアックT1を介して接続された第3機械接点を備えてもよい。図16は、リレー接点ry1の両端間に、トライアックT1を介して第3機械接点たるリレー接点ry3が接続された点滅器1の要部回路図である。リレー接点ry3は、励磁コイルL3を備えた電磁リレーの接点である。信号処理回路11が励磁コイルL3に励磁電流を流すと、リレー接点ry3はオン状態に切り替わり、信号処理回路11が励磁コイルL3への通電を停止すると、リレー接点ry3はオフ状態に切り替わる。
この点滅器1の動作を図17のタイムチャートに基づいて説明する。
照明負荷2の点灯時、信号処理回路11は、先ず励磁コイルL3に励磁電流を流して、リレー接点ry3をオン状態に切り替える(時刻t51)。次に、信号処理回路11は、発光ダイオードLD11,LD12に励磁電流を流してフォトトライアックPT11,PT12をオンさせ、トライアックT1,T2をターンオンさせて、照明負荷2を点灯させる(時刻t52)。その後、信号処理回路11は、励磁コイルL1に励磁電流を流してリレー接点ry1,ry2をオンさせた後(時刻t53)、発光ダイオードLD11,LD12に供給する励磁電流を停止して、トライアックT1,T2をターンオフさせる(時刻t54)。また、信号処理回路11は、照明負荷2の点灯中に励磁コイルL3の励磁を停止して、リレー接点ry3をオフ状態に切り替える(時刻t55)。
一方、照明負荷2の消灯時、信号処理回路11は、励磁コイルL3に励磁電流を流して、リレー接点ry3をオン状態に切り替え(時刻t56)、発光ダイオードLD11,LD12に励磁電流を流し、トライアックT1,T2をターンオンさせる(時刻t57)。トライアックT1,T2がターンオンした状態で、信号処理回路11は励磁コイルL1,L2への通電を停止して、リレー接点ry1,ry2をオフさせた後(時刻t58)、トライアックT1,T2をターンオフさせて、照明負荷2を消灯させる(時刻t59)。その後、信号処理回路11は、励磁コイルL3への通電を停止して、リレー接点ry3をオフさせる(時刻t60)。
このように、照明負荷2の消灯時には、リレー接点ry3がオフ状態に切り替えられるから、第1電源端子t3と第2電源端子t4の間の絶縁性が向上し、トライアックT1,T2を介して流れる漏れ電流を低減できる。
また、照明負荷2の点灯中は、信号処理回路11が、励磁コイルL3の励磁を停止して、リレー接点ry3をオフ状態に切り替えているから、消費電流を低減できる。
ここで、図16に回路構成を示した点滅器1において、リレー接点ry1,ry2をラッチングリレーの接点とし、リレー接点ry3を別のラッチングリレーの接点としてもよい。図18は、リレー接点ry1,ry2をラッチングリレーからなる電磁リレーRy1のリレー接点とし、リレー接点ry3をラッチングリレーからなる電磁リレーRy3のリレー接点とした点滅器1の要部回路図である。
信号処理回路11は出力用のトランジスタを内蔵している。信号処理回路11が、電磁リレーRy1,Ry3の励磁コイル(セットコイルL11,L31、リセットコイルL12,L32)に励磁電流を流すと、対応するリレー接点ry1,ry3のオン/オフが切り替えられるように構成されている。例えば信号処理回路11が、セットコイルL11に電流を流すと、リレー接点ry1,ry2がオン状態に切り替わり、セットコイルL11への通電を停止しても、リレー接点ry1,ry2のオン状態が継続する。信号処理回路11が、リセットコイルL12に電流を流すと、リレー接点ry1,ry2がオフ状態に切り替わり、リセットコイルL12への通電を停止しても、リレー接点ry1,ry2のオフ状態が継続する。また、信号処理回路11が、セットコイルL31に電流を流すと、リレー接点ry3がオン状態に切り替わり、セットコイルL31への通電を停止しても、リレー接点ry3のオン状態が継続する。信号処理回路11が、リセットコイルL32に電流を流すと、リレー接点ry3がオフ状態に切り替わり、リセットコイルL32への通電を停止しても、リレー接点ry3のオフ状態が継続する。
このように、リレー接点ry1,ry2をラッチングリレーのリレー接点としているので、リレー接点ry1,ry2のオン/オフを切り替える際にセットコイルL11又はリセットコイルL12に通電すればよく、消費電流を低減できる。同様に、リレー接点ry3をラッチングリレーのリレー接点としているので、リレー接点ry3のオン/オフを切り替える際にセットコイルL31又はリセットコイルL32に通電すればよく、消費電流を低減できる。
また、図11〜図18を参照して説明した点滅器1は、1回路の照明負荷2の点灯/消灯を切り替えるものであるが、図19に示すように多回路の照明負荷2の点灯/消灯を切り替えるものでもよい。
図19に示す点滅器1は、2回路分の照明負荷2,2の点灯/消灯を切り替えるためのものであり、リレー接点ry1,ry2,ry3とトライアックT1,T2とを2回路分備えている。2回路分のトライアックT1のそれぞれに対応して、フォトカプラPC11が備える発光ダイオードLD11への励磁電流を制御することによって、対応するトライアックT1をオン又はオフさせる駆動回路121を備える。同様に、2回路分のトライアックT2のそれぞれに対応して、フォトカプラPC12が備える発光ダイオードLD12への励磁電流を制御することによって、対応するトライアックT2をオン又はオフさせる駆動回路122を備えている。そして、複数回路(図19の例では2回路)の駆動回路121,122がそれぞれ備えるフォトカプラPC11の発光ダイオードLD11とフォトカプラPC12の発光ダイオードLD12が直列に接続されている。ここで、信号処理回路11が、2回路分の発光ダイオードLD11,LD12に励磁電流を流すと、フォトトライアックPT11,PT12がオンになり、複数回路のトライアックT1,T2が共にターンオンされる。ここにおいて、信号処理回路11と駆動回路121,122などから、リレー接点ry1,ry2及びトライアックT1,T2のオン/オフをそれぞれ制御する制御部が構成されている。
このように、複数回路(複数組)の第1発光素子(発光ダイオードLD11)と第2発光素子(発光ダイオードLD12)とに共通の励磁電流が流れるように制御部が構成されているので、複数回路のトライアックT1,T2を動作させるために供給する電流が低減される。
また、図11を参照して説明した点滅器1において、図20に示すように、交流電源3とは別の外部電源6からの供給電圧を所定電圧値の直流電圧に変換して、信号処理回路11を含む制御部に供給する定電圧電源部14を備えてもよい。定電圧電源部14は、外部電源6からの供給電力を所定電圧値の直流電圧に変換して出力する。
なお、図20に回路構成を示した点滅器1では、リレー接点ry1,ry2をラッチングリレーRy1,Ry2のリレー接点としている。ラッチングリレーRy1はセットコイルL11とリセットコイルL12を備え、ラッチングリレーRy2はセットコイルL21とリセットコイルL22を備える。また、図20に回路構成を示す点滅器1は、それぞれ信号処理回路11によってオン/オフが制御されるトランジスタTr11,Tr12,Tr21,Tr22を備える。
トランジスタTr11は、定電圧電源部14の出力端子間に電磁リレーRy1のセットコイルL11を介して接続されている。リレー接点ry1がオフの状態で、信号処理回路11がトランジスタTr11をオンにすると、セットコイルL11に電流が流れ、リレー接点ry1がオフ状態からオン状態に切り替えられる。電磁リレーRy1はラッチングリレーであるから、セットコイルL11への通電を停止した後も、リレー接点ry1はオン状態を維持する。
トランジスタTr12は、定電圧電源部14の出力端子間に電磁リレーRy1のリセットコイルL12を介して接続されている。リレー接点ry1がオンの状態で、信号処理回路11がトランジスタTr12をオンにすると、リセットコイルL12に電流が流れ、リレー接点ry1がオン状態からオフ状態に切り替えられる。電磁リレーRy1はラッチングリレーであるから、リセットコイルL12への通電を停止した後も、リレー接点ry1はオフ状態を維持する。
トランジスタTr21は、定電圧電源部14の出力端子間に電磁リレーRy2のセットコイルL21を介して接続されている。リレー接点ry2がオフの状態で、信号処理回路11がトランジスタTr21をオンにすると、セットコイルL21に電流が流れ、リレー接点ry2がオフ状態からオン状態に切り替えられる。電磁リレーRy2はラッチングリレーであるから、セットコイルL21への通電を停止した後も、リレー接点ry2はオン状態を維持する。
トランジスタTr22は、定電圧電源部14の出力端子間に電磁リレーRy2のリセットコイルL22を介して接続されている。リレー接点ry2がオンの状態で、信号処理回路11がトランジスタTr22をオンにすると、リセットコイルL22に電流が流れ、リレー接点ry2がオン状態からオフ状態に切り替えられる。電磁リレーRy2はラッチングリレーであるから、リセットコイルL22への通電を停止した後も、リレー接点ry2はオフ状態を維持する。
また、定電圧電源部14の出力端子間に、フォトカプラPC11の発光ダイオードLD11と、フォトカプラPC12の発光ダイオードLD12と、トランジスタTr5とが直列に接続されている。信号処理回路11がトランジスタTr5をオンにすると、発光ダイオードLD11,LD12に励磁電流が流れて、フォトトライアックPT11,PT12がゼロクロスでオンになり、トライアックT1,T2がターンオンする。
図20に回路構成を示した点滅器1の動作は、図11に回路構成を示した点滅器1と同様であるので、その説明は省略する。
ここで、定電圧電源部14は、外部電源6からの供給電圧を所定電圧値の直流電圧に変換しているので、電磁リレーRy1,Ry2の励磁コイル(セットコイルおよびリセットコイル)と発光ダイオードLD11,LD12とに、外部電源6の電圧値に依存しない一定の電圧が印加される。よって、外部電源6の電源電圧が多少変動したとしても、定電圧電源部14から所定電圧値の出力電圧が供給されるから、リレー接点ry1,ry2およびトライアックT1,T2の動作電圧に発生するばらつきが低減される。したがって、リレー接点ry1,ry2およびトライアックT1,T2の動作が安定し、所望のタイミングで動作させることができる。
なお、実施形態2で説明した他の回路構成の点滅器1において、電源部13の代わりに、定電圧電源部14を備えてもよく、リレー接点ry1,ry2およびトライアックT1,T2の動作を安定させることができる。