JP2015106444A - 非水電解液二次電池およびその製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べ電池性能が向上した非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】正極と負極と非水電解液とを備える非水電解液二次電池であって、非水電解液は、一般式:A[PX6−2n(Cで示されるP−オキサラト化合物を含んでいる。ここで電池の容量1Ahあたりについて、電池内に含まれる水分の総量をW1とし、非水電解液中のP−オキサラト化合物の量をW2とした場合に、4.15(mg/Ah)≦W1、20(mg/Ah)≦W2、2.25≦W2/W1の関係が成立する。
【選択図】図5

Description

本発明は、非水電解液二次電池およびその製造方法に関する。詳しくは、低SOC域においても高い出力を発揮し得る非水電解液二次電池およびその製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池その他の二次電池は、既存の電池に比べ、小型、軽量かつ高エネルギー密度であって、出力密度に優れる。このため、近年、ハイブリッド車、電気自動車などの車両駆動用電源として好ましく用いられている。この種の二次電池は、電荷担体となる化学種(例えばリチウムイオン二次電池の場合、リチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な正負の電極と、それら両電極間に介在された電解質とを備え、該電解質中の電荷担体が両電極間を行き来することにより充放電を行う。この種の二次電池に用いられる電解質の代表例としては、支持塩(例えばリチウムイオン二次電池の場合、リチウム塩)を非水溶媒中に含む液状電解質(以下、非水電解液という。)が挙げられる。例えば、上記リチウム塩(支持塩)の代表例としては、六フッ化リン酸リチウム等のフッ素を構成元素とするリチウム塩が挙げられる。特許文献1には、かかるリチウム塩と非水溶媒を用いたリチウムイオン二次電池に関する技術が記載されている。
特開2013−030497号公報
ところで、上述のようなフッ素を構成元素とする支持塩(例えばリチウム塩)は、水と反応すると、分解してフッ化水素(HF)を発生させ得る。HFは金属や無機酸化物に対する腐食性が高く、電池内でHFが発生すると、集電体を腐食するなどして内部抵抗を増加させる要因になり得る。そのため、かかる非水電解液を用いた二次電池では、電池内の水分量を少なくしてHFの発生を抑制することが重要であるとされている。例えば特許文献1には、セパレータの含有水分量を小さくすることにより、電池中に持ち込まれる水分量を減らし、HFに起因する不具合を抑制し得ることが記載されている。
しかしながら、本発明者の検討によれば、上記のように電池内の水分量を減らせば、HFの発生は抑制し得るものの、低SOC(State of Chrge;充電状態)域における出力特性が低下する場合があり得る。ハイブリッド車(特にプラグインハイブリッド車)や電気自動車など電気モータで車輪を駆動させる車両に搭載される電池は、低SOC域においても所要の出力を安定して発揮することが望ましい。本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低SOC域においても高い出力を安定して発揮し得る非水電解液二次電池を提供することである。また他の目的は、そのような高性能な非水電解液二次電池の好適な製造方法を提供することである。
本発明者は、電池内にあえて所望する量の水分を含有させることにより、低SOC域における出力特性を改善できることに思い至り、さらに非水電解液中にP−オキサラト化合物を加えることによって、上記水分由来のHFが生じても電池抵抗を増大させることなく、低SOC域における出力特性を効果的に向上し得ることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明によって提供される非水電解液二次電池は、正極と負極とセパレータと非水電解液とを備える。前記非水電解液は、一般式(I):A[PX6−2n(C(以下、単に「P−オキサラト化合物」ということがある。)で示される化合物を含んでおり、ここで前記電池の容量1Ahあたりについて、前記電池内に含まれる水分の総量をW1とし、前記非水電解液中の前記化合物の量をW2とした場合に、4.15mg/Ah≦W1、20mg/Ah≦W2、2.25≦W2/W1、の関係が成立する。なお、式(I)中において、Aはアルカリ金属のカチオンであり、Xはハロゲン原子であり、nは、1または2または3である。
かかる構成の非水電解液二次電池では、電池内に含まれる水分の総量W1(以下、電池内水分量W1ともいう。)が4.15mg/Ah以上となるように設定されている。このことにより、電池内水分量W1が4.15mg/Ahを下回るような従来の電池に比べて、低SOC域(例えばSOCが30%以下)における出力特性を向上させることができる。また、上記所定量のP−オキサラト化合物を非水電解液に含有させているので、電池内水分量W1を多くしても水分由来のHFに起因して電池抵抗が上昇するような事態が生じ難い。そのため、かかる非水電解液二次電池は、良好な電池性能(低抵抗)を維持しつつ、低SOC域においても高い出力を安定して発揮することができる。
ここに開示される非水電解液二次電池としては、前記P−オキサラト化合物の量W2が、20mg/Ah≦W2を満足するものが好ましく、40mg/Ah≦W2を満足するものがさらに好ましく、60mg/Ah≦W2を満足するものが特に好ましい。P−オキサラト化合物の添加量W2が少なすぎると、該P−オキサラト化合物を添加したことによる電池性能向上効果(典型的には抵抗増加抑制効果)が不十分になる場合がある。その一方、P−オキサラト化合物の添加量W2が多すぎると、低温(例えば−30℃以下)での反応抵抗が上昇する虞があるため好ましくない。低温での反応抵抗を低減する観点からは、概ねW2≦500mg/Ahであり、好ましくはW2≦405mg/Ahであり、特に好ましくはW2≦300mg/Ahである。
ここに開示される非水電解液二次電池では、上記電池内水分量W1が、7.14mg/Ah≦W1を満足するものが好ましく、10mg/Ah≦W1を満足するものがより好ましく、30mg/Ah≦W1を満足するものが特に好ましい。電池内水分量W1が少なすぎると、低SOC域において所要の出力特性が得られないことがある。その一方、上記電池内水分量W1が多すぎる電池は、低SOC域での出力特性向上効果が鈍化することに加えて、電池抵抗(特に正極抵抗)が増大傾向になるため好ましくない。抵抗増大を抑制する観点からは、概ねW1≦60mg/Ahであり、好ましくはW1≦50mg/Ahであり、特に好ましくはW1≦40mg/Ahである。
ここに開示される非水電解液二次電池では、前記電池内水分量W1に対する前記P−オキサラト化合物の量W2の比の値(W2/W1)が、3≦W2/W1を満足することが好ましい。かかる構成によると、電池内水分量W1とP−オキサラト化合物の量W2との比率が適切なバランスにあるので、上述した効果をより良く発揮され得る。さらに、電池の耐久性能が効果的に改善され、高温(例えば60℃)保存後における容量維持率が向上し得る。上記比の値(W2/W1)としては、概ね2.25≦W2/W1≦30を満足することが好ましく、3≦W2/W1≦30を満足することがより好ましく、5≦W2/W1≦20を満足することが特に好ましい。
また、本発明は、上述したような非水電解液二次電池を好適に製造する方法を提供する。即ち、本発明の製造方法は、正極と負極とセパレータとを備える電極体と、非水電解液とを備える非水電解液二次電池を製造する方法であって:前記電極体および前記非水電解液を用意する工程、ここで前記非水電解液は、以下の一般式(I):A[PX6−2n(C(式(I)中において、Aはアルカリ金属のカチオンであり、Xはハロゲン原子であり、nは、1または2または3である。)で示されるP−オキサラト化合物を含んでいる;前記用意した前記電極体および前記非水電解液を電池ケースに収容する工程、ここで前記電極体(即ち正極、負極およびセパレータ)と前記非水電解液とに含まれる水分の総量をW1とし、前記非水電解液中の前記P−オキサラト化合物の量をW2とした場合に、4.15mg/Ah≦W1、20mg/Ah≦W2、2.25≦W2/W1の関係が成立する;および、前記電池ケースに収容した前記電極体に対して初回の充放電処理を行う工程;を包含する。この製造方法は、例えば、ここに開示される何れかの非水電解液二次電池を製造する方法として好適に採用され得る。
ここに開示される非水電解液二次電池製造方法の好ましい一態様では、前記水分の総量W1が、7.14(mg/Ah)≦W1を満たす。また、前記化合物の量W2が、W2≦500(mg/Ah)を満たす。さらに、前記W2/W1が、3≦W2/W1を満たす。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を模式的に示す図である。 リチウムイオン二次電池に内装される捲回電極体を模式的に示す図である。 電池内水分量とIV抵抗および抵抗増加速度との関係を示すグラフである。 電池内水分量とIV抵抗および抵抗増加速度との関係を示すグラフである。 LPFO量/電池内水分量とIV抵抗および抵抗増加速度との関係を示すグラフである。 LPFO量/電池内水分量とIV抵抗および抵抗増加速度との関係を示すグラフである。 LPFO量/電池内水分量とIV抵抗および抵抗増加速度との関係を示すグラフである。 LPFO量/電池内水分量とIV抵抗および抵抗増加速度との関係を示すグラフである。 LPFO量と−30℃反応抵抗との関係を示すグラフである。 LPFO量/電池内水分量と高温保存後容量維持率との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。また、「非水電解液二次電池」とは、非水電解液(典型的には、非水溶媒中に支持塩(支持電解質)を含む電解液)を備えた二次電池をいう。また、「リチウム二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間のリチウムイオンの移動により充放電する二次電池をいう。一般にリチウムイオン電池と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。また、電極活物質とは、電荷担体となる化学種(リチウムイオン二次電池においてはリチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る材料をいう。
ここに開示される技術は、正極と負極とセパレータとからなる電極体と、非水電解液とを備える非水電解液二次電池に広く適用され得る。この二次電池の外形は用途に応じて適切に変更することができ、特に限定されないが、例えば直方体状、扁平形状、円筒状等の外形であり得る。また、上記電極体の形状は、上記二次電池の形状等に応じて異なり得るため特に制限はない。例えば、シート状の正極および負極をシート状のセパレータとともに捲回してなる電極体(捲回電極体)を好ましく採用し得る。以下、リチウムイオン二次電池である場合を典型例としてより詳しく説明する場合があるが、本発明の適用対象をかかる電池に限定する意図ではない。
<電池内の水分量>
ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、正極と負極とセパレータと非水電解液とを備えている。非水電解液は、少なくとも非水溶媒と後述するP−オキサラト化合物とを含んでいる。ここで電池の容量1Ahあたりについて、電池内に含まれる水分の総量をW1とし、非水電解液中のP−オキサラト化合物の量をW2とした場合に、4.15mg/Ah≦W1、20mg/Ah≦W2、2.25≦W2/W1の関係が成立する。
ここで電池内に含まれる水分の総量W1は、電池を構成する各部材(典型的には正極、負極、セパレータ、非水電解液)に含まれる水分の量をもとに算出するとよい。ここに開示される技術の適用対象となるリチウムイオン二次電池は、高度に乾燥した環境で組み立てられるため、環境からの水分の混入はほとんど影響を及ぼさない程度である。そのため、電池内への水分の混入は、主に電池を構成する部材(典型的には正極、負極、セパレータ、非水電解液)によりもたらされる。したがって、これら部材から電池内に混入し得る水分の総量W1は、例えば電池作製に使用される分量の各部材の水分量を把握し、それらを合計することにより求めるとよい。各部材の水分量は、典型的には、各部材に存在(付着、溶解等)する水分量を定量し、その値から算出するとよい。各部材の水分量を定量する方法としては、微量の水分を定量可能な方法を任意に用いることができる。例えば、カールフィッシャー法を好ましく採用し得る。例えば、正極シート、負極シート、セパレータおよび非水電解液の各部材からサンプルを採取し、そのサンプル中の水分量を水分計(カールフィッシャー水分計等)により定量し、その値から各部材に含まれる水分量(mg)を求めるとよい。
各部材(典型的には正極、負極、セパレータ、非水電解液)の水分量は、各部材を水分濃度の高い(典型的には所定の露点温度に保持された環境)に所定時間曝すことで任意に調整することができる。例えば、各部材の作製から電池封口までの各種作業の一部または全部を所定の露点温度に保持された処理室(ルーム、ボックス、チャンバ)内で実施することにより調整するとよい。上記露点温度としては、各部材の材料や量によっても異なり得るが、概ね−50℃以上0℃以下であり、好ましくは−30℃以上−10℃以下である。あるいは、各部材(典型的には正極、負極、セパレータ、非水電解液)に適量の水を添加することにより各部材の水分量を調整してもよい。例えば、上記電池内水分量W1を満たすように各部材(例えば正極の正極活物質層や負極の負極活物質層)に水を添加して電池ケースに収容してもよい。
なお、上記部材以外の部材(例えば電池ケース、電極端子)についても、同様に水分量を定量することができる。しかし、例えば上述のような捲回電極体のように、上記部材(正極、負極、セパレータ)の表面積に対し、電池ケースや端子等他の部材の表面積が著しく小さい場合は、これら他の部材の水分量はほとんど影響を及ぼさないものとして水分総量への加算を省略するとよい。同様に、各電極シートの集電体露出部に吸着した水分量についても、通常は無視することができる。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池としては、電池内に含まれる水分の総量W1が、4.15mg/Ahを満足するものが好ましく、7.14mg/Ah≦W1を満足するものがより好ましく、10mg/Ah≦W1を満足するものがさらに好ましく、15mg/Ah≦W1(例えば30mg/Ah≦W1)を満足するものが特に好ましい。このように、電池内に所定量の水分を含有させることにより、低SOC域(例えばSOC30%以下の領域)における出力特性を向上させることができる。一方、上記水分の総量W1が大きすぎる電池は、低SOC域での出力特性向上効果が鈍化することに加えて、電池抵抗(特に正極抵抗)が上昇傾向になるため好ましくない。抵抗上昇を抑制する観点からは、概ねW1≦60mg/Ahであり、好ましくはW1≦50mg/Ahであり、特に好ましくはW1≦40mg/Ahである。
ここで電池内の水分量W1を大きくすると、該水分と電解液の支持塩(例えばリチウム塩)との反応に起因してHFが生成し、該HFにより正極が腐食されるため、電池抵抗が上昇する要因になり得る。しかしながら、ここで開示される技術では、非水電解液がP−オキサラト化合物を含んでいるので、水分を多く入れても電池抵抗の上昇が抑制され得る。
<P−オキサラト化合物>
上記P−オキサラト化合物は、一般式(I):A[PX6−2n(Cで表される化合物であり、式(I)中において、Aは、Li、Na、Kなどのアルカリ金属のカチオンである。好適な一態様では、Aは、リチウムのカチオン(Li)である。また、Xは、F、Cl、Br等のハロゲン原子である。好適な一態様では、Xは、フッ素原子(F)である。また、nは、1または2または3である。好適な一態様では、n=2である。換言すれば、P−オキサラト化合物として、一般式:A[PX(C(式中、A,nは上記一般式(I)と同様。)で示される化合物を用いることが好ましい。
P−オキサラト化合物は、少なくとも一つのシュウ酸イオン(C 2−)がリン(P)に配位した構造部分を有するオキサラト錯体化合物である。非水電解液中にP−オキサラト化合物を含むことにより、P−オキサラト化合物とHFとの反応が起こり、HFによる正極の抵抗増大が抑制されるものと推測される。具体例として、下式(II)で示されるリチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート(Li〔PF(C)等が挙げられる。好適な一態様では、上記式(II)で示されるリチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートを主体として(すなわち50モル%以上)用いる。なかでも、リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートを70モル%以上(典型的には80モル%以上、例えば90モル%以上)用いることが好ましく、実質的にリチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートのからなるP−オキサラト化合物を用いることが特に好ましい。
Figure 2015106444
P−オキサラト化合物の添加量W2は、電池の容量1Ahあたり20mg以上にすることが好ましく、40mg/Ah≦W2を満足するものがさらに好ましく、60mg/Ah≦W2を満足するものが特に好ましい。P−オキサラト化合物の添加量W2が少なすぎると、該P−オキサラト化合物を添加したことによる電池性能向上効果(典型的には抵抗上昇抑制効果)が不十分になる場合がある。その一方、P−オキサラト化合物の添加量W2が多すぎると、P−オキサラト化合物の添加量W2が増えてコストが割高になるとともに、P−オキサラト化合物自体が抵抗成分となり得るため、低温(例えば−30℃)での反応抵抗が増大する虞がある。低温での反応抵抗を低減する観点からは、概ねW2≦500mg/Ahであり、好ましくはW2≦450mg/Ah(例えばW2≦405mg/Ah)であり、特に好ましくはW2≦300mg/Ahである。
ここに開示される好ましい技術では、電池内の水分の総量W1に対するP−オキサラト化合物の量W2の比の値(W2/W1)が、3≦W2/W1を満足することが好ましい。かかる構成によると、電池内の水分の量W1とP−オキサラト化合物の量W2との比率が適切なバランスにあるので、上述した効果がより良く発揮され得る。また、電池の耐久性能が効果的に改善され、高温(例えば60℃)保存後における容量維持率が向上し得る。上記比の値(W2/W1)としては、概ね2.25≦W2/W1を満足することが好ましく、3≦W2/W1を満足することがより好ましく、5≦W2/W1を満足することが特に好ましい。その一方で、上記比の値(W2/W1)が大きすぎる電池は、P−オキサラト化合物の添加量W2が増えてコストが割高になるとともに、水分由来のHFに起因する抵抗上昇を抑制する効果が鈍化するためメリットがあまりない。例えば、上記比の値(W2/W1)が2.25≦W2/W1≦30(好ましくは3≦W2/W1≦20)を満足するリチウムイオン二次電池が適当である。
ここに開示される非水電解液は、支持塩としてフッ素含有リチウム塩を非水溶媒中に含んでいる。かかる支持塩の具体例としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiSbFなどが挙げられる。これらリチウム塩は、比較的高いリチウムイオン伝導性を有するため好ましい。中でも、LiPFおよびLiBFが好適に使用され得る。電解液中の支持塩の濃度は特に制限されず、例えば従来のリチウムイオン二次電池に用いられる電解液の濃度と同じ程度であればよい。通常は、支持塩を凡そ0.1mol/L〜5mol/L(例えば凡そ0.8mol/L〜1.5mol/L)程度の濃度で含有する非水電解液を好ましく用いることができる。
上記非水電解液に用いられる非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を好ましく用いることができる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン(BL)等、が例示される。これらの有機溶媒の一種を単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、ここに開示されるリチウムイオン二次電池は、電池の構築時(組立て時)には所定量の水分を含む構成であっても、前述のように、該水分が電解液の支持塩を反応することで水分の一部または全部が消費される。また、非水電解液は、電池の構築時(組立て時)にはP−オキサラト化合物を含む組成であっても、上述のように、P−オキサラト化合物が水分由来のHFと反応することでP−オキサラト化合物の一部または全部が消費される。さらに、P−オキサラト化合物は、初期充放電等の際に電解液成分(非水溶媒、支持塩等)とともに分解し、それらの分解生成物からなる皮膜を電極(正極および/または負極)表面に形成する場合がある。そのため、初期充放電あるいはその後の充放電により、P−オキサラト化合物の一部が分解する場合がある。
かかる状態の電池において、電池構築時に使用した各部材(正極、負極、セパレータおよび非水電解液)に水分およびP−オキサラト化合物が含まれていたことは、例えば、電解液または電極のNMR(Nuclear Magnetic Resonance:核磁気共鳴)分析や質量分析(例えばガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography:GC)、誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma:ICP)、イオンクロマトグラフィー(Ion Chromatography:IC))による分析)において確認され得る。さらに、初期充放電後(あるいはさらに充放電を行った後)の電池から、電池構築時に使用した各部材に含まれていた水分およびP−オキサラト化合物の各量を把握する手法としては、例えば、電池を構成する各部材(電解液、電極等)のNMR分析、質量分析等が挙げられる。
ここに開示される技術によると、正極と負極とセパレータとを備える電極体と、非水電解液とを備えた非水電解液二次電池の製造方法であって:
前記電極体および前記非水電解液を用意する工程、ここで前記非水電解液は、以下の一般式(I)
[PX6−2n(C (I)
(式(I)中において、Aはアルカリ金属のカチオンであり、Xはハロゲン原子であり、nは、1または2または3である。)で示されるP−オキサラト化合物を含んでいる;
前記用意した前記電極体および前記非水電解液を電池ケースに収容する工程、ここで前記電極体(即ち正極、負極およびセパレータ)と前記非水電解液とに含まれる水分の総量をW1とし、前記非水電解液中の前記P−オキサラト化合物の量をW2とした場合に、下記(1)〜(3):
(1)4.15mg/Ah≦W1
(2)20mg/Ah≦W2
(3)2.25≦W2/W1
の関係が成立する;および
前記電池ケースに収容した前記電極体(電池組立体)に初回の充放電処理を行う工程;
を包含する、非水電解液二次電池の製造方法が提供され得る。
上記初回の充放電処理は、典型的には、該組立体の正極(正極端子)と負極(負極端子)の間に外部電源を接続し、所定の電圧範囲まで充電(典型的には定電流充電)および放電を行うことができる。充放電処理は1回でもよいが2回以上繰り返し行ってもよい。
かかる製造方法によると、非水電解液中に上記(1)〜(3)の関係を満たすP−オキサラト化合物を含有させることにより、電池内水分が支持塩(例えばリチウム塩)と反応してHFが生成しても、該HFにより正極抵抗が上昇するような事態が生じ難い。そのため、低SOC域において高い出力を発揮しつつ、抵抗上昇が抑制された信頼性の高い非水電解液二次電池を製造することができる。
特に限定することを意図したものではないが、上述の捲回電極体を備えたリチウムイオン二次電池の一実施形態につき、図1〜図2に示す模式図を参照しつつ更に具体的に説明する。なお、電池構造は、図示例に限定されず、特に、角形電池に限定されない。
図1は本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100の断面図である。図2は、当該リチウムイオン二次電池100に内装される捲回電極体200を示す図である。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、図1に示すような扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)300に構成されている。リチウムイオン二次電池100は、図2に示すように、扁平形状の捲回電極体200が、非水電解液90とともに、電池ケース300に収容されている。
電池ケース300は、一端(電池100の通常の使用状態における上端部に相当する。)に開口部を有する箱形(すなわち有底直方体状)のケース本体320と、その開口部に取り付けられて該開口部を塞ぐ矩形状プレート部材からなる蓋体340とから構成される。
電池ケース300の材質は、従来のリチウムイオン二次電池で使用されるものと同じであればよく、特に制限はない。軽量で熱伝導性の良い金属材料を主体に構成された電池ケース300が好ましく、このような金属製材料としてアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼等が例示される。本実施形態に係る電池ケース300(ケース本体320および蓋体340)はアルミニウム若しくはアルミニウムを主体とする合金によって構成されている。
図1に示すように、蓋体340には外部接続用の正極端子420および負極端子440が形成されている。蓋体340の両端子420、440の間には、電池ケース300の内圧が所定レベル(例えば設定開弁圧0.3〜1.0MPa程度)以上に上昇した場合に該内圧を開放するように構成された薄肉の安全弁360と、注液孔350が形成されている。なお、図1では、当該注液孔350が注液後に封止材352によって封止されている。
捲回電極体200は、図2に示すように、長尺なシート状正極(正極シート220)と、該正極シート220と同様の長尺シート状負極(負極シート240)とを計二枚の長尺シート状セパレータ(セパレータ262,264)とを備えている。
正極シート220は、帯状の正極集電体221と正極活物質層223とを備えている。正極集電体221には、例えば、正極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、正極集電体221として、厚さが凡そ15μmの帯状のアルミニウム箔が用いられている。正極集電体221の幅方向片側の縁部に沿って未塗工部222が設定されている。図示例では、正極活物質層223は、正極集電体221に設定された未塗工部222を除いて、正極集電体221の両面に保持されている。正極活物質層223には、正極活物質が含まれている。
正極活物質としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。ここに開示される正極活物質の例としては、LiNiCoMnO(リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)、LiNiO(ニッケル酸リチウム)、LiCoO(コバルト酸リチウム)、LiMn(マンガン酸リチウム)、LiFePO(リン酸鉄リチウム)などのリチウム遷移金属酸化物の粒子が挙げられる。ここで、LiMnは、例えば、スピネル構造を有している。また、LiNiO或いはLiCoOは層状の岩塩構造を有している。また、LiFePOは、例えば、オリビン構造を有している。また、オリビン構造のLiFePOは、さらにカーボン膜で被覆することができる。
正極活物質層223は、正極活物質のほか、一般的なリチウムイオン二次電池において正極活物質層223の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、導電材が挙げられる。該導電材としては、例えば、カーボン粉末、カーボンファイバーなどのカーボン材料が例示される。このような導電材粒子から選択される一種を単独で用いてもよく二種以上を併用してもよい。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、オイルファーネスブラック、黒鉛化カーボンブラック、カーボンブラック、黒鉛、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック)、グラファイト粉末などのカーボン粉末を用いることができる。あるいは、ニッケル粉末等の導電性金属粉末等を用いてもよい。その他、正極活物質層の成分として使用され得る材料としては、正極活物質の結着剤(バインダ)として機能し得る各種のポリマー材料(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))が挙げられる。
正極活物質層全体に占める正極活物質の割合は、凡そ50質量%以上(典型的には50〜95質量%)とすることが適当であり、通常は凡そ70〜95質量%であることが好ましい。導電剤を使用する場合、正極活物質層全体に占める導電材の割合は、例えば凡そ2〜20質量%とすることができ、通常は凡そ2〜15質量%とすることが好ましい。バインダを使用する場合には、正極活物質層全体に占めるバインダの割合を例えば凡そ1〜10質量%とすることができ、通常は凡そ2〜5質量%とすることが適当である。
上記正極活物質層223の形成方法としては、正極活物質(典型的には粒状)その他の正極活物質層形成成分を適当な溶媒(例えば、N−メチルピロリドン(NMP)等の非水溶媒)に分散したペースト状の正極活物質層形成用組成物を、正極集電体221の片面または両面(ここでは両面)に帯状に塗布して乾燥させる方法を好ましく採用することができる。正極活物質層形成用組成物の乾燥後、適当な圧延処理(例えば、ロールプレス法、平板プレス法等の従来公知の各種プレス方法を採用することができる。)を施すことによって、正極活物質層223の厚みや密度を調整することができる。
負極シート240は、図2に示すように、帯状の負極集電体241と負極活物質層243とを備えている。負極集電体241には、例えば、負極に適する金属箔が好適に使用され得る。この実施形態では、負極集電体241には、厚さが凡そ10μmの帯状の銅箔が用いられている。負極集電体241の幅方向片側には、縁部に沿って未塗工部242が設定されている。負極活物質層243は、負極集電体241に設定された未塗工部242を除いて、負極集電体241の両面に保持されている。負極活物質層243には、負極活物質が含まれている。
負極活物質としては、黒鉛材料が用いられる。該黒鉛材料としては、例えば、黒鉛質(グラファイト)、難黒鉛化炭素質(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質(ソフトカーボン)、天然黒鉛、天然黒鉛表面に非晶質炭素コートを施した材料が含まれる。中でも天然黒鉛もしくは人造黒鉛を主成分とする負極活物質(典型的には、実質的に天然黒鉛もしくは人造黒鉛からなる負極活物質)への適用が好ましい。かかる黒鉛は、扁平な鱗片形状の黒鉛であり得る。あるいは、該鱗片状黒鉛を球状化した球状化黒鉛であってもよい。
負極活物質層243は、負極活物質のほか、一般的なリチウムイオン二次電池において負極活物質層243の構成成分として使用され得る一種または二種以上の材料を必要に応じて含有することができる。そのような材料の例として、負極活物質の結着剤(バインダ)として機能し得るポリマー材料(例えばスチレン・ブタジエンゴム(SBR))、負極活物質層形成用組成物の増粘剤として機能し得るポリマー材料(例えばカルボキシメチルセルロース(CMC))等が挙げられる。
特に限定するものではないが、負極活物質層243全体に占める負極活物質(黒鉛)の割合は凡そ80質量%以上(例えば80〜99質量%)とすることができ、凡そ90質量%以上(例えば90〜99質量%、より好ましくは95〜99質量%)であることが好ましい。バインダを使用する組成では、負極活物質層243全体に占めるバインダの割合を、例えば、凡そ0.5〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1〜5質量%とすることが好ましい。
セパレータ262、264は、図2に示すように、正極シート220と負極シート240とを隔てる部材である。この例では、セパレータ262、264は、微小な孔を複数有する所定幅の帯状のシート材で構成されている。セパレータ262、264には、例えば、多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成された単層構造のセパレータ或いは積層構造のセパレータを用いることができる。この例では、図2に示すように、負極活物質層243の幅b1は、正極活物質層223の幅a1よりも少し広い。さらにセパレータ262、264の幅c1、c2は、負極活物質層243の幅b1よりも少し広い(c1、c2>b1>a1)。
この実施形態では、捲回電極体200は、図2に示すように、捲回軸WLに直交する一の方向において扁平に押し曲げられている。図2に示す例では、正極集電体221の未塗工部222と負極集電体241の未塗工部242は、それぞれセパレータ262、264の両側においてらせん状に露出している。この実施形態では、図1に示すように、未塗工部222(242)の中間部分は、寄せ集められ、電池ケース300の内部に配置された電極端子420、440(内部端子)の集電タブ420a、440aに溶接されている。
かかる構成のリチウムイオン二次電池100は、例えば、ケース300の開口部から電極体200を内部に収容し、該ケース300の開口部に蓋体340を取り付けた後、蓋体340に設けられた注液孔350から電解液90を注入する。かかる電解液90は、捲回軸WLの軸方向から捲回電極体200の内部に浸入する。次いで上記注液孔350を塞ぐことによってリチウムイオン二次電池100を構築することができる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、上述のように電池内水分含有とP−オキサラト化合物添加の効果がより良く発揮され、低SOC出力と低抵抗とを高いレベルで両立できることから、例えば、自動車等の車両に搭載されるモータ(電動機)用電源として好適に使用され得る。かかる二次電池は、それらの複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態で使用されてもよい。したがって本発明は、かかるリチウムイオン二次電池(組電池の形態であり得る。)は、車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)のような電動機を備える自動車)に搭載される駆動用電源として好適に用いることができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
≪試験例1≫
正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着剤としてのPVDFとを、それらの材料の質量比が90:8:2となるようにNMP中で混合して正極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を厚さ15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布し乾燥することにより、正極集電体の両面に正極活物質層が形成された正極シートを得た。
負極活物質としての黒鉛粉末と、結着剤としてのSBRと、増粘材としてのCMCとを、それらの材料の質量比が98:1:1となるように水中で混合して負極活物質層形成用組成物を調製した。この組成物を厚さ10μmの銅箔(負極集電体)の両面に塗布し乾燥することにより、負極集電体の両面に負極活物質層が形成された負極シートを得た。
非水電解液は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とをEC:DMC:EMC=30:40:30の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。また、非水電解液には、P−オキサラト化合物としてのリチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート(以下、LPFO)を添加した。ここではLPFOの濃度を0.02mol/Lとした。
セパレータとしては、厚み20μmの長尺状の多孔質ポリエチレンシートを二枚用意した。
<電池内水分量>
種々の異なる露点を示す環境下、すなわち湿度の異なる環境下で上記正極、負極、セパレータおよび非水電解液を構築した。そして、上記の正極、負極、セパレータ、非水電解液について、水分量を定量した。水分計は、カールフィッシャー水分計を用いた。これら定量値から、電池内に混入する水分の総量(すなわち電池の作製に用いられる各部材の水分量の合計)を算出した。上記のように、この評価試験では、上記水分の総量(mg)が種々異なる計13種類のサンプルを用意した。
上記正極シート及び負極シートを2枚のセパレータを介して捲回し、この捲回体を側面方向から押しつぶすことにより扁平状の捲回電極体を作製した。このようにして得られた捲回電極体を上記非水電解液とともに金属製の箱型の電池ケースに収容し、電池ケースの開口部を気密に封口した。このようにして評価試験用リチウムイオン二次電池を組み立てた。
≪試験例2≫
また、比較のために、LPFOを添加していない非水電解液を用いてリチウムイオン二次電池を構築した。LPFOを添加していないこと以外は試験例1と同じ条件とした。
<電池容量(初期容量)>
上記構築した各例のリチウムイオン二次電池に対して、初期充放電処理を行った。具体的には、25℃の環境下において、上記電池を正負極端子間の電圧が4.1Vになるまで1/3Cの定電流で充電(CC充電)し、続いて合計の充電時間が1.5時間となるまで定電圧で充電(CV充電)した後、10分間休止し、正負極端子間の電圧が3.0Vになるまで1/3Cの定電流で放電(CC放電)し、続いて合計の充電時間が1.5時間となるまで定電圧で放電(CV放電)した後、10分休止する操作を1サイクルとして、これを3サイクル繰り返した。そして、3サイクル目のCCCV放電容量を電池容量(初期容量)とした。この試験用リチウムイオン二次電池では、電池容量が凡そ(4.0Ahとなった。また、上記LPFOの添加量(mg)を上記電池容量(Ah)で除すことによって、電池容量あたりのLPFOの添加量W2(mg/Ah)を算出した。また、上記水分の総量(mg)を上記電池容量(Ah)で除すことによって、電池容量あたりの電池内に含まれる水分の総量W1(mg/Ah)を算出した。
<SOC25%の充電状態でのIV抵抗>
各試験用リチウムイオン二次電池について、SOC25%の充電状態での出力特性を評価するため、ここではIV抵抗を測定した。IV抵抗は、次の手順によって算出した。手順1:SOC25%の充電状態とした。
手順2:手順1の後、25℃の環境下で、1C、3C、5Cでそれぞれ10秒間充電処理する。
ここでは、手順2で測定された測定電流値を横軸に、手順2での初期電圧値から10秒時点での電圧値を引いた値である電圧ドロップ値ΔVを縦軸にプロットし、その傾きからIV抵抗を求めた。結果を表1、表2、図3および図4に示す。表1および図3は試験例1(LPFOの添加量:40.5mg/Ah)の結果を示している。また表2および図4は、比較例1(LPFOの添加なし)の結果を示している。
<抵抗増加速度>
抵抗増加速度は、以下のようにして測定した。電池作製後、−10℃の条件においてSOC60%に調整した。かかる電池を5時間保管し、電池が内部まで−10℃になるように調節した。その後、40Aで10秒間放電させたときの電圧ドロップ値からIV抵抗を算出した。かかる電池をSOC80%に調整し、60℃で保存した。そして、60℃での保存期間が30日、60日、90日ごとに−10℃でIV抵抗を測定し、保存期間の平方根を横軸、IV抵抗を縦軸にプロットし、その傾きから抵抗増加速度(dmΩ/d√t)を求めた。結果を表1、表2、図3および図4に示す。
Figure 2015106444
Figure 2015106444
表1、表2、図3および図4に示すように、LPFOの添加の有無にかかわらず、電池内水分量W1が増大するに従いIV抵抗は減少傾向となった。ここで供試した電池の場合、電池内の水分量W1を4.15mg/Ah以上とすることによって、2.3mΩ以下という低いIV抵抗を達成できた。さらに電池内の水分量W1を8mg/Ah以上とすることによって、1.5mΩ以下という極めて低いIV抵抗を達成できた。この結果から、電池内水分量W1を多くすることによって、低SOC領域における出力特性が向上することが確かめられた。一方、電池内水分量W1が増えると、抵抗増大速度も増大傾向を示した。しかし、電池内の水分量W1が同じ場合、LPFOを非水電解液に添加した試験例1は、試験例2に比べて抵抗増大速度の上昇が抑制されていた。例えば、電池内水分量W1が18.37mg/Ahの場合、試験例1の抵抗増大速度は0.023であり、試験例2に比べて抵抗増大速度が小さかった。このように、電池内水分量W1が同じ場合、LPFOを非水電解液に添加することにより、抵抗増大速度が小さくなるとの傾向がみられた。この結果から、LPFOを非水電解液に添加することにより、電池内水分量W1を多くしても、抵抗増大速度が低下し、抵抗増大が適切に抑えられることが確認された。
≪試験例3≫
LPFOの添加量を20.2mg/Ahに変更したこと以外は試験例1と同じ条件でリチウムイオン二次電池を作製した。そして、SOC25%の充電状態でのIV抵抗と抵抗増加速度を評価した。結果を表3に示す。
≪試験例4≫
LPFOの添加量を60.7mg/Ahに変更したこと以外は試験例1と同じ条件でリチウムイオン二次電池を作製した。そして、SOC25%の充電状態でのIV抵抗と抵抗増加速度を評価した。結果を表4に示す。
≪試験例5≫
LPFOの添加量を81mg/Ahに変更したこと以外は試験例1と同じ条件でリチウムイオン二次電池を作製した。そして、SOC25%の充電状態でのIV抵抗と抵抗増加速度を評価した。結果を表5に示す。
Figure 2015106444
Figure 2015106444
Figure 2015106444
試験例1、3〜5について、電池内水分量W1とLPFO量W2の比の値(W2/W1)とIV抵抗および抵抗増加速度との関係を図5(試験例3)、図6(試験例1)、図7(試験例4)および図8(試験例5)にそれぞれ示す。
図5〜図8に示すように、何れの試験例1、3〜5においても、電池内水分量W1とLPFO量W2の比の値(W2/W1)が増大するに従い抵抗増大速度が低下傾向になった。上記比の値(W2/W1)が大きくなるほど、水分由来のHFとLPFOとの反応が起こりやすくなり、HFによる正極の抵抗増加が抑えられたものと推測される。ここで供試した電池の場合、上記比の値(W2/W1)を2.25以上にすることによって、0.3以下という極めて低い抵抗増大速度を達成できた。抵抗増大速度を小さくする観点からは、上記比の値(W2/W1)は2.25以上にすることが適当であり、好ましくは3以上である。これにより、良好な電池性能(典型的には低抵抗)を維持しつつ、低SOC域においても高い出力を安定して発揮することができる。
≪試験例6≫
電池内水分量W1およびLPFO量W2を表6のように変更したこと以外は試験例1と同じ条件でリチウムイオン二次電池を作製した。
<−30℃反応抵抗>
上記得られたリチウムイオン二次電池をSOC40%に調整した後、恒温槽に入れ、−30℃まで冷却し、交流インピーダンス測定を行った。そして、得られたインピーダンスのナイキストプロットから半円の直径を読み取り、反応抵抗(Ω)とした。交流インピーダンスの測定条件については、交流印加電圧5mV、周波数範囲0.001Hz〜100000Hzとした。結果を表6および図9に示す。図9はLPFO量と−30℃反応抵抗との関係を示すグラフである。
Figure 2015106444
表6および図9に示すように、電池内水分量W1にかかわらず、LPFO量W2が405mg/Ahを超えると、反応抵抗が増加する傾向がみられた。反応抵抗を低下させる観点からは、LPFO量W2は405mg/Ah以下にすることが適当であり、好ましくは300mg/Ah以下である。これにより、低温においても急速充電、高出力が発揮され、高い電池性能が実現される。
≪試験例7≫
LPFO量W2を81mg/Ahに変更したこと以外は試験例1と同じ条件でリチウムイオン二次電池を作製した。
<高温保存特性>
上記得られたリチウムイオン二次電池に対し、SOC80%に調整した後、60℃の恒温槽に収容し、30日間の高温エージングを行った。そして、高温保存後の電池容量を、上記<電池容量(初期容量)>と同じ条件で測定し、[(高温保存後の電池容量)/(初期容量)]×100(%)から、高温保存後容量維持率を求めた。結果を表7および図10に示す。図10は、電池内水分量W1とLPFO量W2の比の値(W2/W1)と高温保存後容量維持率との関係を示すグラフである。
Figure 2015106444
表7および図10に示すように、電池内水分量W1とLPFO量W2の比の値(W2/W1)が3を下回ると、高温保存後容量維持率が低下する傾向がみられた。高温保存後容量維持率を向上させる観点からは、上記比の値は3以上にすることが適当であり、好ましくは5以上である。これにより、高温において電池容量が低下することなく、高い電池性能が実現される。
以上、ここで提案される二次電池について種々説明したが、本発明は、特に言及されない限りにおいて、上述した何れの実施形態にも限定されない。
例えば、角形電池に限定されず、他の電池形態として、円筒型電池やラミネート型電池などであってもよい。ここで円筒型電池は、円筒型の電池ケースに捲回電極体を収容した電池である。また、ラミネート型電池は、正極シートと負極シートとをセパレータを介在させて積層した電池である。さらに、二次電池の電極体は、捲回電極体を例示したが、正極シートと、負極シートとが、セパレータを介して交互に積層された、いわゆる積層型の電極体で構成してもよい
また、ここでは、リチウムイオン二次電池を例示したが、ここで提案される二次電池は特に明示的に限定されない限りにおいて、リチウムイオン二次電池以外の非水電解液二次電池にも採用しうる。
90 非水電解液
100 リチウムイオン二次電池
200 捲回電極体
220 正極シート
221 正極集電体
223 正極活物質層
240 負極シート
241 負極集電体
243 負極活物質層
262,264 セパレータ
300 電池ケース
320 ケース本体
340 蓋体
420 正極端子
440 負極端子

Claims (8)

  1. 正極と負極とセパレータと非水電解液とを備える非水電解液二次電池であって、
    前記非水電解液は、以下の一般式(I):
    [PX6−2n(C (I)
    (式(I)中において、Aはアルカリ金属のカチオンであり、Xはハロゲン原子であり、nは、1または2または3である。)
    で示される化合物を含んでおり、
    ここで前記電池の容量1Ahあたりについて、前記電池内に含まれる水分の総量をW1とし、前記非水電解液中の前記化合物の量をW2とした場合に、下記(1)〜(3);
    (1)4.15(mg/Ah)≦W1
    (2)20(mg/Ah)≦W2
    (3)2.25≦W2/W1
    の関係が成立する、非水電解液二次電池。
  2. 前記水分の総量W1が、7.14(mg/Ah)≦W1を満たす、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 前記化合物の量W2が、W2≦500(mg/Ah)を満たす、請求項1または2に記載の非水電解液二次電池。
  4. 前記W2/W1が、3≦W2/W1を満たす、請求項1〜3の何れか一つに記載の非水電解液二次電池。
  5. 正極と負極とセパレータとを備える電極体と、非水電解液とを備える非水電解液二次電池を製造する方法であって:
    前記電極体および前記非水電解液を用意する工程、ここで前記非水電解液は、以下の一般式(I)
    [PX6−2n(C (I)
    (式(I)中において、Aはアルカリ金属のカチオンであり、Xはハロゲン原子であり、nは、1または2または3である。)で示される化合物を含んでいる;
    前記用意した前記電極体および前記非水電解液を電池ケースに収容する工程、ここで前記電極体と前記非水電解液とに含まれる水分の総量をW1とし、前記非水電解液中の前記化合物の量をW2とした場合に、下記(1)〜(3):
    (1)4.15mg/Ah≦W1
    (2)20mg/Ah≦W2
    (3)2.25≦W2/W1
    の関係が成立する;および
    前記電池ケースに収容した前記電極体に対して初回の充放電処理を行う工程;
    を包含する、非水電解液二次電池の製造方法。
  6. 前記水分の総量W1が、7.14(mg/Ah)≦W1を満たす、請求項5に記載の非水電解液二次電池製造方法。
  7. 前記化合物の量W2が、W2≦500(mg/Ah)を満たす、請求項5または6に記載の非水電解液二次電池製造方法。
  8. 前記W2/W1が、3≦W2/W1を満たす、請求項5〜7の何れか一つに記載の非水電解液二次電池製造方法。
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