JP2015105743A - 固定構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一部材が、本体部と、第二部材6を側方から挟み込むように本体部から延びる一対の爪部12と、を備え、爪部は本体部に対して弾性的に撓み変形可能とされ、爪部の延出方向先端には、相対する爪部に向けて突出し、爪部の弾性力によって第二部材を本体部に向けて押し付ける鉤部23が形成され、本体部には、爪部による押し付け方向と逆方向に第二部材を付勢する付勢部27が設けられ、鉤部には、爪部の延出方向先端側に向かうにしたがって鉤部の突出方向に向かうように傾斜し、第二部材の角部31Dに当接する傾斜内面23aが形成され、爪部により第二部材を本体部に向けて押し付ける第一の力F1Bが、付勢部により第二部材を逆方向に押し付ける第二の力F2よりも大きくなるように、爪部の延出方向に対する傾斜内面の傾斜角度θを設定した固定構造を提供する。
【選択図】図4
Description
そして、本発明によれば、爪部による第一の力が付勢部による第二の力よりも大きくなるように傾斜内面の傾斜角度が設定されることで、傾斜内面に当接する第二部材の角部が、付勢部の付勢力によって、傾斜内面上において本体部から離れる方向に滑ることを抑制できる。また、第二部材に対して付勢部の付勢力に抗う方向に外力が加えられても、第二部材が第一部材に対して動く大きさが小さくなる。したがって、第二部材を第一部材に対して安定した状態で固定することができる。
図1〜3に示すように、この実施形態に係る電子機器1は、収容ケース2と、発熱部3と、を備える。発熱部3は、基板7と、電子部品8と、ピン端子9と、を備える。
基板7には、その厚さ方向に貫通する複数の位置決め孔10Cが形成されている。位置決め孔10Cは、後述する収容ケース2のケース本体5に対して基板7を位置決めする役割を果たす。本実施形態の基板7は、平面視矩形の板状に形成されている。位置決め孔10Cは、基板7のうち互いに向かい合う二つの角部に一つずつ形成されている。
電子部品8及びピン端子9は、基板7の第一主面10aに複数設けられている。電子部品8及びピン端子9は、基板7に形成された配線パターン(不図示)に適宜電気接続され、基板7と共に電子機器1の回路(電子回路)を構成している。
以上のように構成される発熱部3では、通電によって主に電子部品8や基板7の配線パターンにおいて発熱する。本実施形態の電子機器1は、上記した発熱部3を二つ備えている。
本実施形態のベース板部13は、平面視矩形の板状に形成されている。後述するヒートシンク6は、このベース板部13の主面13a,13bに対向して配される。本実施形態では、二つのヒートシンク6がベース板部13の両主面13a,13bに対向して配される。ベース板部13には、その厚さ方向(X軸方向)に貫通する通風孔21が形成されている。通風孔21は、二つの収容空間SA,SBを相互に連通させる。
複数の突起101は、立設壁部14の主面14aを実装基板の搭載面(不図示)に対向させた状態で、電子機器1を実装基板に実装(例えばスルーホール実装)する際に、実装基板の搭載面に当接することで、収容ケース2を実装基板の搭載面上に間隔をあけて配置するスペーサの役割を果たす。図3に示す突起101は、半球体状に形成されているが、任意の形状に形成されてよい。
これにより、一対の爪部12は、ヒートシンク6を側方から挟み込むことができる。さらに、本実施形態の各爪部12は、平面視矩形の板状に形成され、後述のヒートシンク6と共に収容ケース2の壁部を構成している。平面視矩形状に形成された各爪部12は、その一対の辺がベース板部13の短辺に平行するように、ベース板部13に設けられている。
さらに、本実施形態の各爪部12は、一対の爪部12の間隔が爪部12の延出方向先端に向かうにしたがって小さくなるように設けられている。図示例(特に図2)では、各爪部12が、その延出方向先端に向かうにしたがって、ベース板部13の各主面13a,13bの内側に向かうように傾斜しているが、例えば、湾曲していてもよい。すなわち、ベース板部13の厚さ方向両側に延びる各爪部12は、図示例のようにベース板部13との接続部分において屈曲してもよいし、例えば円弧状に湾曲して形成されてもよい。
本実施形態において、鉤部23は、ベース板部13の短辺方向(Z軸方向)に間隔をあけて複数(図示例では二つ)配列されている。また、本実施形態では、各爪部12がベース板部13の厚さ方向両側に延びているため、鉤部23は、各爪部12の両方の先端に設けられている。
ここで、爪部12の最大撓み量とは、爪部12が弾性的に撓み変形できる最大限の大きさ(撓み変形の最大値であり)であり、爪部12の応力を一定とした場合に爪部12の弾性率の大きさに反比例する。すなわち、爪部12の弾性率が大きくなるほど、爪部12の最大撓み量は小さくなる。また、鉤部23の最大移動長さは、爪部12が最大限撓み変形した際に、鉤部23が一対の爪部12の配列方向(Y軸方向)に移動する長さである。
鉤部23の突出方向の長さ寸法L1が前述のように設定されることで、ヒートシンク6を一対の爪部12の鉤部23間に通す際には、各爪部12が最大限撓むことになる。図5における二点鎖線は、最大限撓み変形した爪部12の位置(最大撓み位置)、及び、これに対応する鉤部23の位置(最大移動位置)を示している。
以上のように構成される一対の爪部12は、図示例のように、それぞれベース板部13に対して着脱可能に連結されてもよいが、例えばベース板部13と一体に形成されてもよい。
付勢部27は、ベース板部13の各主面13a,13b周縁において、各主面13a,13bの周方向に間隔をあけて複数配列されている。本実施形態では、付勢部27が、平面視矩形とされたベース板部13の各主面13a,13bの各辺の中間部分に一つずつ配されている。
また、本実施形態の付勢部27は、ベース板部13の各主面13a,13bに対向するヒートシンク6の第一主面31aに基板7を押し付ける役割を果たす。このため、各付勢部27の延在方向先端部には、ヒートシンク6の第一主面31aと同じ方向に向く基板7の第一主面10aに面接触する押付面27aが形成されている。さらに、各付勢部27の押付面27aには、位置調整突起28が突出して形成されている。位置調整突起28は、基板7が押付面27aに配された状態で、基板7の側部に対向して配される。本実施形態では、基板7が押付面27aに配された状態で、複数の付勢部27の位置調整突起28が基板7を囲むため、複数の位置調整突起28は、ケース本体5に対する基板7の位置を調整する役割を果たす。
爪部12による第一の力F1Bの大きさは、爪部12の延出方向(図4においてX軸正方向)に対する鉤部23の傾斜内面23aの傾斜角度θに応じて変化する。傾斜角度θについては、爪部12による第一の力F1Bが、付勢部27による第二の力F2よりも大きくなるように設定されている。本実施形態において、傾斜角度θは、例えば45度以上かつ90度未満に設定されているとよい。また、傾斜角度θは、例えば60度以上かつ90度未満に設定されていると、さらによい。
本実施形態において、レール部25,26は、ベース板部13の長辺方向に延びて形成されている。また、レール部25,26は、本体部11のうちベース板部13の短辺方向の両端部にそれぞれ形成されている。具体的に説明すれば、第一レール部25は、ベース板部13の一方の長辺(第一長辺)に設けられた立設壁部14の各延出方向の先端に形成されている。本実施形態では、立設壁部14の各延出方向先端に複数の挿通孔22が開口しているため、第一レール部25は、その延在方向に複数に分割して形成されている。第二レール部26は、ベース板部13の各主面13a,13bのうちベース板部13の他方の長辺(第二長辺)の近傍において、この第二長辺に沿って延びている。
以上のように構成されるケース本体5は、例えば樹脂材料によって構成される。
ヒートシンク本体31は、ヒートシンク6をケース本体5に固定した状態において、ベース板部13の主面13a,13bに対向して配されるものである。ベース板部13に対向するヒートシンク本体31の第一主面31aは、発熱部3を配置する配置面となっている。本実施形態では、基板7の第二主面10bがヒートシンク6の第一主面31aに対向するように、発熱部3がヒートシンク6の第一主面31a上に配される。また、ヒートシンク本体31には、その第二主面31bから突出する複数のフィン33が形成されている。
さらに、本実施形態のヒートシンク本体31は、ベース板部13や基板7の形状に倣って平面視矩形の板状に形成されている。各フィン33は、ヒートシンク本体31の長辺方向(Y軸方向)に延びている。複数のフィン33は、ヒートシンク本体31の短辺方向(Z軸方向)に互いに平行するように間隔をあけて配列されている。
本実施形態において、溝部34,35は、ヒートシンク本体31の長辺方向に延びて形成されている。また、溝部34,35は、二つ形成されている。具体的に説明すれば、第一溝部34は、ヒートシンク本体31の一方の長辺(第一長辺)に設けられたヒートシンク壁部32の突出方向の先端に形成されている。第二溝部35は、ヒートシンク本体31の第一主面31aのうち、他方の長辺(第二長辺)の近傍において、第二長辺に沿って延びるように形成されている。
また、上記した固定状態では、ヒートシンク本体31の第二主面31bと長辺方向の両端に位置するヒートシンク本体31の側面31cとの角部31Dが、鉤部23の傾斜内面23aに当接する。
電子機器1を製造する際には、はじめに、ベース板部13の第一主面13a上に第一ヒートシンク6Aを固定することで、ケース本体5及び第一ヒートシンク6Aにより第一収容空間SAを画成すると同時に、第一発熱部3Aを第一収容空間SA内に収容する。以下、具体的に説明する。
この固定の際には、ヒートシンク本体31の第一主面31aがベース板部13の第一主面13aに対向し、かつ、第一ヒートシンク6Aの各溝部34,35がケース本体5の各レール部25,26にそれぞれ対向した状態で、ヒートシンク本体31を一対の爪部12の延出方向先端(鉤部23)の間に通す。このため、ベース板部13の第一主面13a側に位置する一対の爪部12の延出方向先端(鉤部23)同士の間隔が広がるように、一対の爪部12が弾性的に撓み変形する(特に図5参照)。この際、各爪部12の撓み量は最大となり、これ以上撓み変形することはできない。
ヒートシンク本体31が一対の爪部12の延出方向先端(鉤部23)の間を通過した後には、ヒートシンク本体31が一対の爪部12の間に挟み込まれると共に、ヒートシンク本体31がケース本体5の鉤部23とベース板部13との間に挟み込まれる。
さらに、本実施形態では、第一基板7Aと第一ヒートシンク6Aとの間に第一放熱シート4Aが介在しているため、第一放熱シート4Aがその厚さ方向に押し潰されるように弾性変形する。これにより、第一ヒートシンク6Aの第一主面31aと基板7との間の隙間(空間)が第一放熱シート4Aによって埋められる。
このため、第二ヒートシンク6Bをベース板部13の第二主面13b上において一対の爪部12の間に挟み込むと、各爪部12の両方の先端部が相対する爪部12の先端部から離れるように、各爪部12が弾性的に撓み変形し、各爪部12全体が反る。したがって、第二ヒートシンク6Bのヒートシンク本体31を一対の爪部12の間に挟み込んだ後の状態では、各ヒートシンク6に作用する一対の爪部12の弾性力が、第二ヒートシンク6Bを挟み込む前において第一ヒートシンク6Aを挟み込む一対の爪部12の弾性力と比較して大きくなる。
また、ヒートシンク6の角部31Dが鉤部23の傾斜内面23aに当接するため、さらに、爪部12及び付勢部27が弾性変形してヒートシンク6を挟み込むため、仮に爪部12の延出方向に沿うヒートシンク6の寸法に誤差が生じても、ヒートシンク6を鉤部23とベース板部13との間に挟み込んで固定することができる。
また、ヒートシンク6が鉤部23の傾斜内面23aではなく補助当接面23bに当接している場合には、従来の場合と同様に、ヒートシンク6に対して付勢部27の付勢力に抗う方向に外力を付与した際に、ヒートシンク6がケース本体5に対して大きく動くため、ヒートシンク6の取り付け作業後に上記した製造誤差を容易に発見することが可能となる。
特に、本実施形態では、基板7が一対の爪部12によってヒートシンク6とベース板部13との間に挟み込んで固定されるため、また、基板7が付勢部27の弾性力によってヒートシンク6の第一主面31aに向けて押し付けられるため、基板7とヒートシンク6との間に隙間(空間)が生じることを抑制できる。さらに、基板7とヒートシンク6との間に弾性変形可能な放熱シート4が介在しているため、基板7とヒートシンク6との間の隙間(空間)を埋めることができる。したがって、発熱部3の熱をさらに効率よくヒートシンク6に逃がすことが可能となる。
例えば、鉤部23には、補助当接面23bが形成されていなくてもよく、傾斜内面23aが鉤部23の突出方向先端に至るまで形成されていてよい。
2 収容ケース
3 発熱部
5 ケース本体(第一部材)
6,6A,6B ヒートシンク(第二部材)
7,7A,7B 基板
11 本体部
12 爪部
13 ベース板部
23 鉤部
23a 傾斜内面
23b 補助当接面
27 付勢部
31 ヒートシンク本体
31a 第一主面(配置面)
31b 第二主面(対向面)
31c 側面
31D 角部
F1B 第一の力
F2 第二の力
L1 長さ寸法
θ 傾斜角度
Claims (3)
- 第一部材と、該第一部材よりも剛性が高い第二部材とを固定する固定構造であって、
前記第一部材が、本体部と、該本体部から同一方向に延びて形成されると共に互いに間隔をあけて配され、前記第二部材を側方から挟み込む一対の爪部と、を備え、
少なくとも一方の爪部が、前記本体部に対して弾性的に撓み変形可能とされ、
前記一方の爪部は、その延出方向先端において、他方の爪部に向けて突出し、前記一方の爪部の弾性力によって前記第二部材に当接して該第二部材を前記本体部に向けて押し付ける鉤部を備え、
前記本体部には、前記一方の爪部による前記第二部材の押し付け方向と逆方向に前記第二部材を付勢する弾性変形可能な付勢部が設けられ、
前記鉤部には、前記一方の爪部の延出方向先端側に向かうにしたがって前記鉤部の突出方向に向かうように傾斜し、前記鉤部に対向する前記第二部材の対向面と該対向面に隣り合う前記第二部材の側面との角部に当接する傾斜内面が形成され、
前記一方の爪部の弾性力に基づいて前記第二部材を前記本体部に向けて押し付ける第一の力が、前記付勢部の付勢力に基づいて前記第二部材を前記逆方向に押し付ける第二の力よりも大きくなるように、前記一方の爪部の延出方向に対する前記傾斜内面の傾斜角度が設定されていることを特徴とする固定構造。 - 前記鉤部のうち前記傾斜内面に対して前記鉤部の突出方向先端側に隣り合う位置に、前記第二部材の対向面に対向し、前記第二の力の作用方向に直交する平坦な補助当接面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の固定構造。
- 前記第二部材の角部が当接する位置から前記鉤部の突出方向先端に至る前記鉤部の突出方向の長さ寸法が、前記一方の爪部の最大撓み量に応じた前記鉤部の最大移動長さと同等に設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固定構造。
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