JP2015105448A - 抄紙用織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 抄紙用織物において、走行安定性及び寸法安定性を向上させる。
【解決手段】 抄紙用織物1は、製紙面側緯糸3A、3C及び製紙面側緯糸の1/3〜2/3の本数の走行面側緯糸を組として含む緯糸3と、経糸2とを有する。経糸は、4本が1組となってサブユニット41を形成する。第1経糸11及び第3経糸13は、第1走行面側緯糸31Bの下方を通過し、第1経糸は第1製紙面側緯糸33Aの上方を通過し、第3経糸は第2製紙面側緯糸33Cの上方を通過する。第2経糸12及び第4経糸14は、第2走行面側緯糸33Bの下方を通過し、第2経糸は第3製紙面側緯糸31Aの上方を通過し、第3経糸は第4製紙面側緯糸31Cの上方を通過する。サブユニットのそれぞれは、緯糸の延在方向に偏倚して(ずらして)配置される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、抄紙用織物に関し、例えば抄紙機のワイヤーパート(ウェットパート)において使用される抄紙用ワイヤーに適した抄紙用織物に関する。
経糸及び緯糸を製織することによって構成した抄紙用織物は、抄紙用のワイヤーやプレスフェルト、プレスベルト、ドライヤーカンバス等の多くの用途に使用されている。抄紙機のワイヤーパートにおいて使用される抄紙用ワイヤーは、製造される紙の品質向上や、製造速度の高速化による生産効率向上の要請に応えるため、表面平滑性、強度(寸法安定性)、耐摩耗性、及び通水性(脱水性)が高いことが求められている。このような要求を満足するために、抄紙用ワイヤーにおいて、直径が異なる2種の緯糸を使用し、直径が小さい緯糸を抄紙用ワイヤーの製紙面に配置し、直径が大きい緯糸を抄紙用ワイヤーの走行面に配置し、製紙面に配置された緯糸及び走行面に配置された緯糸に経糸を織り込んだ、いわゆる経1重緯2重組織としたものがある(例えば、特許文献1)。この抄紙用ワイヤーでは、製紙面側に配置された緯糸の本数が、走行面側に配置された緯糸の本数に対して2倍になっている。そのため、製紙面が走行面に対して緻密に形成され、製造される紙の表面平滑性が向上する。また、走行面側の緯糸の本数が製紙面側に対して少ないため、空隙率が高くなり、通水性(脱水性)が向上する。また、走行面側の緯糸の直径が製紙面側に対して大きいため、耐摩耗性及び強度(寸法安定性)を向上させることができる。
特許第4796727号明細書
特許文献1に係る抄紙用ワイヤーでは、各経糸は同じ織りパターンを有し、走行面側の緯糸の任意の1つの下側(走行面の外方)を通過する共に、その両隣の走行面側緯糸の上方を通過してナックル部を形成する。このナックル部は、各経糸において所定の間隔で配置されている。そして、各経糸は、隣り合う経糸に対して走行面側緯糸3本分ずつ長手方向にパターンをずらして配置されている。そのため、抄紙用ワイヤーは、走行面側から見てナックル部が経糸の長手方向(丈方向)に対して傾斜した方向に連なる形態となり、丈方向に対して斜めに延びるパターンが形成される。このようなパターンが形成されると、抄紙用ワイヤーは走行時に直進方向に対して斜めに移動しようとし、走行安定性が低下する。また、このような抄紙用ワイヤーは、ナックル部が連なる方向にずれ易く(いわゆる筋曲がり)、すなわち長方形が平行四辺形となるように変形し易く、織物は丈方向及び幅方向において寸法が変化し易いという問題がある。
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであって、抄紙用織物において、走行安定性及び寸法安定性を向上させることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、任意の本数の製紙面側緯糸(3A及び3C)及び前記製紙面側緯糸の1/3〜2/3の本数の走行面側緯糸(3B)を組として含む緯糸(3)と、前記走行面側緯糸及び前記製紙面側緯糸に織り込まれた経糸(2)とを有する抄紙用織物(1)であって、4本の前記経糸と、複数組の前記緯糸とがサブユニット(41)を形成し、前記サブユニット内の前記経糸は一側から第1経糸(11)、第2経糸(12)、第3経糸(13)、第4経糸(14)の順に配置され、前記第1経糸及び第3経糸は、前記走行面側緯糸における共通の第1走行面側緯糸(31B)の下方を通過すると共にその両隣の走行面側緯糸(32B、34B)の上方を通過し、前記第1経糸は、前記製紙面側緯糸における任意の第1製紙面側緯糸(33A)の上方を通過すると共にその両隣の前記製紙面側緯糸(32C、33C)の下方を通過し、前記第3経糸は、前記第1製紙面側緯糸と異なる第2製紙面側緯糸(33C)の上方を通過すると共にその両隣の前記製紙面側緯糸(33A、34A)の下方を通過し、前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第1走行面側緯糸と異なる共通の第2走行面側緯糸(33B)の下方を通過すると共にその両隣の前記走行面側緯糸(32B、34B)の上方を通過し、前記第2経糸は、前記第1及び第2製紙面側緯糸と異なる第3製紙面側緯糸(31A)の上方を通過すると共にその両隣の前記製紙面側緯糸(34C、31C)の下方を通過し、前記第4経糸は、前記第1〜第3製紙面側緯糸の全てと異なる第4製紙面側緯糸(31C)の上方を通過すると共にその両隣の前記製紙面側緯糸(31A、32A)の下方を通過し、複数の前記サブユニットが、前記緯糸の延在方向において隣り合う前記サブユニットと前記経糸の延在方向に偏倚して(ずらして)配置されることによって完全組織が形成されることを特徴とする。
この構成によれば、経糸4本を1組としてサブユニットを形成し、これらのサブユニットを緯糸の延在方向において隣り合うものと経糸の延在方向に偏倚して(ずらして)配置したため、経糸が走行面側緯糸1本の走行面側を通過することによって形成されるナックル部が、経糸の延在方向に対して傾斜した方向に連なることが防止される。これにより、抄紙用織物の走行安定性が向上する。また、抄紙用織物が経糸の延在方向に対して傾斜した方向にずれ難くなり、抄紙用織物の寸法変化が抑制される。また、抄紙用織物は、経糸が走行面側緯糸及び製紙面側緯糸に織り込まれた経1重緯2重織の構造となるため、厚みが比較的薄くなり、脱水性についても十分な性能を発揮することができる。また、類似した織り組織を有する経糸間の距離(第1経糸と第3経糸との間の距離、及び第2経糸と第4経糸との間の距離)が等しくなるため、織り組織のバランス(分散態様)が均質になり、均等な脱水性が得られる。
上記の発明において、前記サブユニットは、前記経糸の延在方向において2等分された第1領域(46)及び第2領域(47)を有し、前記第1領域において前記第1経糸及び前記第3経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれると共に、前記第2経糸及び前記第4経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれ、前記第2領域において前記第2経糸及び前記第4経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれると共に、前記第1経糸及び前記第3経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれるようにするとよい。
この構成によれば、第1経糸が走行面側緯糸に織り込まれることによって形成されるナックル部と、第3経糸が走行面側緯糸に織り込まれることによって形成されるナックル部とが、第2経糸に近接し、1列に並び易くなる。また、第2経糸及び第4経糸が形成するナックル部も同様に第3経糸に近接し、1列に並び易くなる。すなわち、各ナックル部は、サブユニット内で幅方向における中央側(第2経糸及び第3経糸上)に配置され、経糸の延在方向に並ぶようになり、走行安定性が向上する。
上記の発明において、前記第1経糸及び前記第3経糸は、前記第1領域の全域において前記走行面側緯糸に平組織を形成するように織り込まれ、前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第2領域の全域において前記走行面側緯糸に平組織を形成するように織り込まれるとよい。
この構成によれば、第1経糸と第2経糸とを組み合わせて見た場合に、第1経糸と第2経糸とは互いに協働し、走行面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した平組織を形成するようになる。同様に、第3経糸と第4経糸とは互いに協働し、走行面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した平組織を形成するようになる。これにより、経糸と走行面側緯糸とによって構成される走行面に、安定した織組織である平組織が導入されるため、走行安定性及び寸法安定性が向上する。
上記の発明において、前記第1経糸及び前記第3経糸は、前記第1領域の全域において前記走行面側緯糸に3/1組織を形成するように織り込まれ、前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第2領域の全域において前記走行面側緯糸に3/1組織を形成するように織り込まれるとよい。ここで、3/1組織とは、経糸が走行面側緯糸の製紙面側を連続して3本分通過し、次の走行面側緯糸の走行面側を通過する組織をいう。すなわち、「/」の前側の数字は緯糸の製紙面側を連続して通過する本数を表し、「/」の後側の数字は緯糸の走行面側を連続して通過する本数を表す。
この構成によれば、第1経糸と第2経糸とを組み合わせて見た場合に、第1経糸と第2経糸とは互いに協働し、走行面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した3/1組織を形成するようになる。同様に、第3経糸と第4経糸とは互いに協働し、走行面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した3/1組織を形成するようになる。これにより、経糸と走行面側緯糸とによって構成される走行面に、比較的安定した織組織である3/1組織が導入されるため、走行安定性及び寸法安定性が向上する。
上記の発明において、前記第1経糸及び前記第3経糸は、前記第2領域の全域において前記製紙面側緯糸に平組織を形成するように織り込まれ、前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第1領域の全域において前記製紙面側緯糸に平組織を形成するように織り込まれるとよい。また、前記第1経糸及び前記第3経糸は、前記第2領域の全域において前記製紙面側緯糸に1/3組織を形成するように織り込まれ、前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第1領域の全域において前記製紙面側緯糸に1/3組織を形成するように織り込まれるとよい。ここで、1/3組織とは、経糸が製紙面側緯糸の製紙面側を1本通過し、続く製紙面側緯糸の走行面側を連続して3本分通過するする組織をいう。
これらの構成によれば、第1経糸と第2経糸とが互いに協働し、製紙面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した平組織、又は1/3組織を形成するようになる。また、第3経糸と第4経糸とが互いに協働し、製紙面側緯糸に対して、経糸の延在方向に沿って連続した平組織、又は1/3組織を形成するようになる。これにより、製紙面の寸法安定性が向上すると共に、製紙面が平滑になる。
上記の発明において、前記第1製紙面側緯糸と前記第2製紙面側緯糸とは組をなす緯糸であり、前記第3製紙面側緯糸と前記第4製紙面側緯糸とは組をなす緯糸であるとよい。
上記の発明において、前記製紙面側緯糸の直径は、前記走行面側緯糸の直径に対して35%〜70%であるとよい。
上記の発明において、前記緯糸の組は、2本の前記製紙面側緯糸と1本の前記走行面側緯糸とによって構成されている、又は3本の前記製紙面側緯糸と2本の前記走行面側緯糸とによって構成されているとよい。
以上の構成によれば、抄紙用織物において、走行安定性及び寸法安定性を向上させることができる。
第1実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図 (A)図1の2A−2A断面図、(B)図1の2B−2B断面図、(C)図1の2C−2C断面図、(D)図1の2D−2D断面図 第1実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第2実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図 (A)図4の5A−5A断面図、(B)図4の5B−5B断面図、(C)図4の5C−5C断面図、(D)図4の5D−5D断面図 第2実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第3実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図 (A)図7の8A−8A断面図、(B)図7の8B−8B断面図、(C)図7の8C−8C断面図、(D)図7の8D−8D断面図 第3実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第4実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図 (A)図10の11A−11A断面図、(B)図10の11B−11B断面図、(C)図10の11C−11C断面図、(D)図10の11D−11D断面図 第4実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第5実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図 (A)図13の14A−14A断面図、(B)図13の14B−14B断面図、(C)図13の14C−14C断面図、(D)図13の14D−14D断面図 第5実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す 第6実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図 (A)図16の17A−17A断面図、(B)図16の17B−17B断面図、(C)図16の17C−17C断面図、(D)図16の17D−17D断面図 第6実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。以下の各実施形態に係る抄紙用ワイヤーは、製紙機のワイヤーパート(ウェットパート)において、紙料(液)から湿紙を形成するために使用されるものである。
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1は、丈方向に延びる経糸2と、幅方向に延びる緯糸3とを織り合わせた織布であり、丈方向において無端状に形成されている。抄紙用ワイヤー1は、製紙機のロールに掛け渡され、ロールの回転に応じて回転する。これにより、抄紙用ワイヤー1は丈方向に走行する。抄紙用ワイヤー1の丈方向は、製紙機の機械方向(Machine Direction:MD)と一致し、幅方向は製紙機の機械横断方向(Cross Machine Direction:CMD)と一致する。抄紙用ワイヤーの紙料及び湿紙と接触する面を製紙面、製紙面と相反する側の面を走行面という。抄紙用ワイヤー1の製紙面上には、紙料が載せられ、脱水によって湿紙が形成される。
緯糸3は、製紙面側に配置されて幅方向に延びる2本の製紙面側緯糸3A、3Cと、走行面側に配置されて幅方向に延びる1本の走行面側緯糸3Bとを組として有する。製紙面に対向する側から見て、走行面側緯糸3Bは組をなす2本の製紙面側緯糸3A、3Cの間に配置されている。経糸2は、製紙面に対向する側から見て、製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bに直交するように丈方向に延び、製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bに織り込まれている(織り合わされている)。
抄紙用ワイヤー1を構成する経糸2及び緯糸3(製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3B)の形態は特に限定されないが、モノフィラメントを用いることが好ましい。更に、各糸は捲縮加工や嵩高加工等を施した加工糸でもよく、非加工糸であってもよい。これらのなかでは非加工糸が好ましい。
経糸2及び緯糸3(製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3B)を構成する材料は特に限定されないが、ポリアミド樹脂及びポリエステル樹脂が好ましい。
上記ポリアミド系樹脂のなかでも脂肪族ポリアミド樹脂が好ましく、更には、ナイロンが好ましい。ナイロンとしては、ナイロン66、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル系樹脂は、ジカルボン酸とグリコールとからなるポリエステルであれば特にその種類に限定されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、経糸及び緯糸(製紙面側緯糸及び走行面側緯糸)を構成する各糸は、各々単一材質で構成されていてもよく、経糸又は緯糸ごとに材質が異なる2種以上の材質で構成されているものとすることもできる。更に、各糸には、無機フィラー及び/又は有機フィラーを含有されてもよい。
製紙面側緯糸3A、3Cの直径は、走行面側緯糸3Bの直径に対して35%〜70%の大きさに設定されている。この他に、経糸2、製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bにおける直径の関係は特に限定されない。例えば、経糸2の直径は0.22mm、製紙面側緯糸3A、3Cの直径は0.22mm、走行面側緯糸の直径は0.40mmであってよい。
図1は第1実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図であり、図2は(A)図1の2A−2A断面図、(B)図1の2B−2B断面図、(C)図1の2C−2C断面図、(D)図1の2D−2D断面図である。図1及び図2に示すように、抄紙用ワイヤー1では、隣り合って配置された4本の経糸2と4組の緯糸3とが、最小の繰り返し単位であるサブユニット41、42、43、44を形成する。1組の緯糸は、2本の製紙面側緯糸3A、3Cと1本の走行面側緯糸3Bとを含むため、サブユニット内には合計12本の緯糸が含まれる。第1のサブユニット41は、第1〜第4経糸11〜14と、第1組〜第4組の緯糸31〜34とによって形成されている。図1に示すように、経糸2は、幅方向において、第1経糸11、第2経糸12、第3経糸13、第4経糸14の順で互いに隣接して配置されている。緯糸3は、丈方向において、第1組31、第2組32、第3組33、第4組34の順で互いに隣接して配置されている。第1のサブユニット41を経糸の長手方向(丈方向)において2等分し、緯糸31、32に対応する部分を第1領域46、緯糸33、34に対応する部分を第2領域47とする。
第1のサブユニット41内の幅方向における一端に配置された第1経糸11は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第1領域46において走行面側緯糸31Bの走行面側を通過し、その両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。また、第1経糸11は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第2領域47において製紙面側緯糸33Aの製紙面側を通過し、その両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。
第1経糸11に対して1本の経糸(第2経糸12)をおいて配置された第3経糸13は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、走行面側緯糸31Bの走行面側を通過し、その両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。また、第3経糸13は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、製紙面側緯糸33Cの製紙面側を通過し、その両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第3経糸13は第1領域46において走行面側緯糸31Bに織り込まれ、第2領域47において製紙面側緯糸33Cに織り込まれている。
第1のサブユニット41内において、第1経糸11及び第3経糸13は、第1領域46において同じ走行面側緯糸31Bに織り込まれ、第2領域47において同じ組をなす製紙面側緯糸33A及び製紙面側緯糸33Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット41内において、第1経糸11及び第3経糸13の長さは同一になる。
第2経糸12は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域47において走行面側緯糸33Bの走行面側を通過し、その両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。また、第2経糸12は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域46において製紙面側緯糸31Aの製紙面側を通過し、その両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。
第1のサブユニット41内の幅方向における他端に配置された第4経糸14は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域47において走行面側緯糸33Bの走行面側を通過し、その両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。また、第4経糸14は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域46において製紙面側緯糸31Cの製紙面側を通過し、その両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。
第1のサブユニット41内において、第2経糸12及び第4経糸14は、第2領域47において同じ走行面側緯糸33Bに織り込まれ、第1領域46において同じ組をなす製紙面側緯糸31A又は製紙面側緯糸31Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット41内において、第2経糸12及び第4経糸14の長さは同一になる。
第1領域46において、第1経糸11及び第3経糸13は走行面側緯糸31Bに織り込まれ、第2経糸12及び第4経糸14は走行面側緯糸31Bと組をなす製紙面側緯糸31A及び31Cに織り込まれる。一方、第2領域47において、第2経糸12及び第4経糸14は走行面側緯糸33Bに織り込まれ、第1経糸11及び第3経糸13は走行面側緯糸33Bと組をなす製紙面側緯糸33A及び33Cに織り込まれる。このように、第1経糸11及び第3経糸13が織り込まれる緯糸の組と、第2経糸12及び第4経糸14が織り込まれる緯糸の組とが一致している。
第1〜第4経糸15〜18によって形成される第2のサブユニット42は、第1〜第4経糸11〜14によって形成される第1のサブユニット41に対して、1組の緯糸(2本の製紙面側緯糸3A、3C及び1本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側(図1中の紙面上側)にずれて配置されている。第1〜第4経糸19〜22によって形成される第3のサブユニット43は、第1のサブユニット41に対して、2組の緯糸(4本の製紙面側緯糸3A、3C及び2本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第1〜第4経糸23〜26によって形成される第4のサブユニット44は、第1のサブユニット41に対して、3組の緯糸(6本の製紙面側緯糸3A、3C及び3本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第2〜第4のサブユニット42、43、44の織組織は、第1のサブユニット41の織組織と同一である。第2〜第4のサブユニット42〜44においても、経糸の長手方向(丈方向)に2等分された第1領域46及び第2領域47が形成される。各サブユニット41〜44における第1領域46及び第2領域47は、各サブユニット41〜44と同様に丈方向にずれて配置されている。
経糸11〜26と4組の緯糸31〜34によって、サブユニット41〜44を含む繰り返し単位としての組織(完全組織)48が形成される。この組織48が、丈方向及び幅方向に連続して繰り返し形成されることによって抄紙用ワイヤー1が形成される。
図3は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す。図3に示すように、走行面側緯糸31Bは、第1のサブユニット41の第4経糸14、第2のサブユニット42の第1〜第4経糸15〜18、及び第3のサブユニット43の第1経糸19の走行面側を連続して通過すると共に、第4のサブユニット44の第1〜第4経糸23〜26の走行面側を連続して通過する。そのため、第1経糸11及び第3経糸13が走行面側緯糸31Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸31Bに押されて第1経糸11及び第3経糸13は第2経糸12側に寄り、互いに近接する。また、走行面側緯糸33Bは、第2のサブユニット42の第1〜第4経糸15〜18の走行面側を連続して通過すると共に、第3のサブユニット43の第4経糸22、第4のサブユニット44の第1〜第4経糸23〜26、及び第1のサブユニット41の第1経糸11の走行面側を連続して通過する。そのため、第2経糸12及び第4経糸14が走行面側緯糸33Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸33Bに押されて第2経糸12及び第4経糸14は第3経糸13側に寄り、互いに近接する。これにより、第1経糸11及び第3経糸13が走行面側緯糸31Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部と、第2経糸12及び第4経糸14が走行面側緯糸33Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部とが、第1のサブユニット41の内で幅方向における中央側(第2経糸12及び第3経糸13上)に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。同様に、第2〜第4のサブユニット42〜44においても、製紙面側に形成されるナックル部は幅方向における中央側に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。
抄紙用ワイヤー1では、各サブユニット41〜44の第1経糸と第2経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した平組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した1/3組織を形成するように織り込まれる。同様に、各サブユニット41〜44の第3経糸と第4経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した平組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した1/3組織を形成するように織り込まれる。
以上のようなナックル部の配列によって、ナックル部の配列パターンは経糸2の延在方向と傾斜しなくなる。そのため、抄紙用ワイヤー1は、走行時における直進性が向上し、走行安定性が向上する。また、抄紙用ワイヤー1は、経糸2の延在方向に対して傾斜した方向にずれ難くなるため、幅詰まりが抑制され、寸法安定性が向上する。また、類似した織り組織を有する経糸2間の距離(第1経糸11と第3経糸13との間の距離、及び第2経糸12と第4経糸14との間の距離)が等しくなるため、織り組織のバランス(分散態様)が均質になる。
また、経糸2が製紙面側緯糸3A、3Cの製紙面側を通過するときに、1本の製紙面側緯糸3A、3Cの製紙面側を通過するようにして、連続して糸3A、3Cの製紙面側を通過しないようにしたため、各製紙面側緯糸3A、3Cは製紙面側に配置される範囲が多くなり、製紙面の平滑性が向上する。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る抄紙用ワイヤー50は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて織組織が異なり、他の構成は同様である。
図4は第2実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図であり、図5は(A)図4の5A−5A断面図、(B)図4の5B−5B断面図、(C)図4の5C−5C断面図、(D)図4の5D−5D断面図である。図4及び図5に示すように、抄紙用ワイヤー50では、隣り合って配置された4本の経糸2と8組の緯糸3とが、最小の繰り返し単位であるサブユニット81、82、83、84を形成する。1組の緯糸は、2本の製紙面側緯糸3A、3Cと1本の走行面側緯糸3Bとを含むため、サブユニット内には合計24本の緯糸が含まれる。第1のサブユニット81は、第1〜第4経糸51〜54と、第1組〜第8組の緯糸71〜78とによって形成されている。図4に示すように、経糸2は、幅方向において、第1経糸51、第2経糸52、第3経糸53、第4経糸54の順で互いに隣接して配置されている。緯糸3は、丈方向において、第1組71から第8組78に昇順で互いに隣接して配置されている。第1のサブユニット81を経糸2の長手方向(丈方向)において2等分し、緯糸75、76、77、78に対応する部分を第1領域86、緯糸71、72、73、74に対応する部分を第2領域87とする。
第1のサブユニット81内の幅方向における一端に配置された第1経糸51は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第1領域86において走行面側緯糸75B、77Bの走行面側を通過し、それら両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。第1経糸51は、第1領域86において、走行面側緯糸3Bと平組織を形成している。
第1経糸51は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第2領域87において製紙面側緯糸71A、73Aの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第1経糸51は第1領域86において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域87において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第3経糸53は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第1領域86において走行面側緯糸75B、77Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。第3経糸53は、第1領域86において、走行面側緯糸3Bと平組織を形成している。
第3経糸53は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第2領域87において製紙面側緯糸71C、73Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第3経糸53は第1領域86において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域87において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第1のサブユニット81内において、第1経糸51及び第3経糸53は、第1領域86において走行面側緯糸3Bに同じ形の平組織を形成し、第2領域87において同じ組をなす製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット81内において、第1経糸51及び第3経糸53の長さは同一になる。
第2経糸52は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域87において走行面側緯糸71B、73Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。第2経糸52は、第2領域87において、走行面側緯糸3Bと平組織を形成している。
第2経糸52は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域86において製紙面側緯糸75A、77Aの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第2経糸52は第2領域87において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域86において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第4経糸54は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域87において走行面側緯糸71B、73Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。第4経糸54は、第2領域87において、走行面側緯糸3Bと平組織を形成している。
第4経糸54は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域86において製紙面側緯糸75C、77Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第4経糸54は第2領域87において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域86において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第1のサブユニット81内において、第2経糸52及び第4経糸54は、第2領域87において走行面側緯糸3Bに同じ形の平組織を形成し、第1領域86において同じ組をなす製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット81内において、第2経糸52及び第4経糸54の長さは同一になる。
第1領域86において、第1経糸51及び第3経糸53は走行面側緯糸75B、77Bに平組織で織り込まれ、第2経糸52及び第4経糸54は走行面側緯糸75B、77Bと組をなす製紙面側緯糸75A、75C、77A及び77Cに織り込まれる。一方、第2領域87において、第2経糸52及び第4経糸54は走行面側緯糸71B、73Bに平組織で織り込まれ、第1経糸51及び第3経糸53は走行面側緯糸71B、73Bと組をなす製紙面側緯糸71A、71C、73A及び73Cに織り込まれる。このように、第1経糸51及び第3経糸53が織り込まれる緯糸の組と、第2経糸52及び第4経糸54が織り込まれる緯糸の組とが一致している。
第1〜第4経糸55〜58によって形成される第2のサブユニット82は、第1〜第4経糸51〜54によって形成される第1のサブユニット81に対して、3組の緯糸(6本の製紙面側緯糸3A、3C及び3本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側(図4中の紙面上側)にずれて配置されている。第1〜第4経糸59〜62によって形成される第3のサブユニット83は、第1のサブユニット81に対して、2組の緯糸(4本の製紙面側緯糸3A、3C及び2本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第1〜第4経糸63〜66によって形成される第4のサブユニット84は、第1のサブユニット81に対して、5組の緯糸(10本の製紙面側緯糸3A、3C及び5本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第2〜第4のサブユニット82、83、84の織組織は、第1のサブユニット81の織組織と同一である。
経糸51〜66と8組の緯糸71〜78によって、サブユニット81〜84を含む繰り返し単位としての組織88が形成される。この組織88が、丈方向及び幅方向に繰り返し形成されることによって抄紙用ワイヤー50が形成される。
図6は、第2実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す。図6に示すように、走行面側緯糸75Bは、経糸54〜59の走行面側を連続して通過し、かつ経糸63〜66の走行面側を連続して通過する。そのため、第1のサブユニット81の第1経糸51及び第3経糸53が走行面側緯糸75Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸75Bに押されて第1経糸51及び第3経糸53は第2経糸52側に寄り、互いに近接する。同様に、第1のサブユニット81の第1経糸51及び第3経糸53が走行面側緯糸77Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸77Bに押されて第1経糸51及び第3経糸53は第2経糸52側に寄り、互いに近接する。また、第1のサブユニット81の第2経糸52及び第4経糸54が、走行面側緯糸71B、73Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸71B、73Bに押されて第2経糸52及び第4経糸54は第3経糸53側に寄り、互いに近接する。これにより、第1経糸51及び第3経糸53が走行面側緯糸75B、77Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部と、第2経糸52及び第4経糸54が走行面側緯糸71B、73Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部とが、第1のサブユニット81の内で幅方向における中央側(第2経糸52及び第3経糸53上)に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。同様に、第2〜第4のサブユニット82〜84においても、製紙面側に形成されるナックル部は幅方向における中央側に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。これにより、第1のサブユニット81では、製紙面側の幅方向における中央部に平組織が丈方向に連続した形態となる。同様に、第2〜第4のサブユニット82〜84においても、製紙面側の幅方向における中央部に平組織が丈方向に連続した形態が形成される。
抄紙用ワイヤー50では、各サブユニット81〜84の第1経糸と第2経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した平組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した1/3組織を形成するように織り込まれる。同様に、各サブユニット81〜84の第3経糸と第4経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した平組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した1/3組織を形成するように織り込まれる。
以上のようなナックル部の配列によって、ナックル部の配列パターンは経糸2の延在方向と傾斜しなくなる。そのため、抄紙用ワイヤー50は、走行時における直進性が向上し、走行安定性が向上する。また、抄紙用ワイヤー50は、経糸2の延在方向に対して傾斜した方向にずれ難くなるため、幅詰まりが抑制され、寸法安定性が向上する。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る抄紙用ワイヤー100は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて織組織が異なり、他の構成は同様である。
図7は第3実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図であり、図8は(A)図7の8A−8A断面図、(B)図7の8B−8B断面図、(C)図7の8C−8C断面図、(D)図7の8D−8D断面図である。図7及び図8に示すように、抄紙用ワイヤー100では、隣り合って配置された4本の経糸2と12組の緯糸3とが、最小の繰り返し単位であるサブユニット141、142、143、144を形成する。1組の緯糸は、2本の製紙面側緯糸3A、3Cと1本の走行面側緯糸3Bとを含むため、サブユニット内には合計36本の緯糸が含まれる。第1のサブユニット141は、第1〜第4経糸101〜104と、第1組〜第12組の緯糸121〜132とによって形成されている。図7に示すように、経糸2は、幅方向において、第1経糸101、第2経糸102、第3経糸103、第4経糸104の順で互いに隣接して配置されている。緯糸3は、丈方向において、第1組121から第12組132に昇順で互いに隣接して配置されている。第1のサブユニット141を経糸2の長手方向(丈方向)において2等分し、緯糸131、132、121、122、123、124に対応する部分を第1領域146、緯糸125、126、127、128、129、130に対応する部分を第2領域147とする。
第1のサブユニット141内の幅方向における一端に配置された第1経糸101は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第1領域146において走行面側緯糸131B、121B、123Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。第1経糸101は、第1領域146において、走行面側緯糸3Bと平組織を形成している。
第1経糸101は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第2領域147において製紙面側緯糸125A、127A、129Aの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第1経糸101は第1領域146において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域147において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第3経糸103は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第1領域146において走行面側緯糸131B、121B、123Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。第3経糸103は、第1領域146において、走行面側緯糸3Bと平組織を形成している。
第3経糸103は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第2領域147において製紙面側緯糸125C、127C、129Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第3経糸103は第1領域146において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域147において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第1のサブユニット141内において、第1経糸101及び第3経糸103は、第1領域146において走行面側緯糸3Bに同じ形の平組織を形成し、第2領域147において同じ組をなす製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット141内において、第1経糸101及び第3経糸103の長さは同一になる。
第2経糸102は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域147において走行面側緯糸125B、127B、129Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。第2経糸102は、第2領域147において、走行面側緯糸3Bと平組織を形成している。
第2経糸102は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域146において製紙面側緯糸131A、121A、123Aの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第2経糸102は第2領域147において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域146において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第4経糸104は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域147において走行面側緯糸125B、127B、129Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。第4経糸104は、第2領域147において、走行面側緯糸3Bと平組織を形成している。
第4経糸104は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域146において製紙面側緯糸131C、121C、123Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第4経糸104は第2領域147において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域146において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第1のサブユニット141内において、第2経糸102及び第4経糸104は、第2領域147において同じ走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域146において同じ組をなす製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット141内において、第2経糸102及び第4経糸104の長さは同一になる。
第1領域146において、第1経糸101及び第3経糸103は走行面側緯糸131B、121B、123Bに平組織で織り込まれ、第2経糸102及び第4経糸104は走行面側緯糸131B、121B、123Bと組をなす製紙面側緯糸131A、131C、121A、121C、123A、123Cに織り込まれる。一方、第2領域147において、第2経糸102及び第4経糸104は走行面側緯糸125B、127B、129Bに平組織で織り込まれ、第1経糸101及び第3経糸103は走行面側緯糸125B、127B、129Bと組をなす製紙面側緯糸125A、125C、127A、127C、129A、129Cに織り込まれる。このように、第1経糸101及び第3経糸103が織り込まれる緯糸の組と、第2経糸102及び第4経糸104が織り込まれる緯糸の組とが一致している。
第1〜第4経糸105〜108によって形成される第2のサブユニット142は、第1〜第4経糸101〜104によって形成される第1のサブユニット141に対して、3組の緯糸(6本の製紙面側緯糸3A、3C及び3本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側(図7中の紙面上側)にずれて配置されている。第1〜第4経糸109〜112によって形成される第3のサブユニット143は、第1のサブユニット141に対して、6組の緯糸(12本の製紙面側緯糸3A、3C及び6本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第1〜第4経糸113〜116によって形成される第4のサブユニット144は、第1のサブユニット141に対して、9組の緯糸(18本の製紙面側緯糸3A、3C及び9本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第2〜第4のサブユニット142、143、144の織組織は、第1のサブユニット141の織組織と同一である。
経糸101〜116と8組の緯糸121〜132によって、サブユニット141〜144を含む繰り返し単位としての組織148が形成される。この組織148が、丈方向及び幅方向に繰り返し形成されることによって抄紙用ワイヤー100が形成される。
図9は、第3実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す。図9に示すように、走行面側緯糸131Bは、経糸104〜109の走行面側を連続して通過し、かつ経糸113〜116の走行面側を連続して通過する。そのため、第1のサブユニット141の第1経糸101及び第3経糸103が走行面側緯糸131Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸131Bに押されて第1経糸101及び第3経糸103は第2経糸102側に寄り、互いに近接する。同様に、第1のサブユニット141の第1経糸101及び第3経糸103が走行面側緯糸121B、123Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸121B、123Bに押されて第1経糸101及び第3経糸103は第2経糸102側に寄り、互いに近接する。また、第1のサブユニット141の第2経糸102及び第4経糸104が、走行面側緯糸125B、127B、129Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸125B、127B、129Bに押されて第2経糸102及び第4経糸104は第3経糸103側に寄り、互いに近接する。これにより、第1経糸101及び第3経糸103が走行面側緯糸131B、121B、123Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部と、第2経糸102及び第4経糸104が走行面側緯糸125B、127B、129Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部とが、第1のサブユニット141の内で幅方向における中央側(第2経糸102及び第3経糸103上)に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。これにより、第1のサブユニット141では、製紙面側の幅方向における中央部に平組織が丈方向に連続した形態となる。同様に、第2〜第4のサブユニット142〜144においても、製紙面側の幅方向における中央部に平組織が丈方向に連続した形態が形成される。同様に、第2〜第4のサブユニット142〜144においても、製紙面側に形成されるナックル部は幅方向における中央側に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。
抄紙用ワイヤー100では、各サブユニット141〜144の第1経糸と第2経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した平組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した1/3組織を形成するように織り込まれる。同様に、各サブユニット141〜144の第3経糸と第4経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した平組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した1/3組織を形成するように織り込まれる。
以上のようなナックル部の配列によって、ナックル部の配列パターンは経糸2の延在方向と傾斜しなくなる。そのため、抄紙用ワイヤー100は、走行時における直進性が向上し、走行安定性が向上する。また、抄紙用ワイヤー100は、経糸2の延在方向に対して傾斜した方向にずれ難くなるため、幅詰まりが抑制され、寸法安定性が向上する。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る抄紙用ワイヤー150は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて織組織が異なり、他の構成は同様である。
図10は第4実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図であり、図11は(A)図10の11A−11A断面図、(B)図10の11B−11B断面図、(C)図10の11C−11C断面図、(D)図10の11D−11D断面図である。図10及び図11に示すように、抄紙用ワイヤー150では、隣り合って配置された4本の経糸2と8組の緯糸3とが、最小の繰り返し単位であるサブユニット181、182、183、184を形成する。1組の緯糸は、2本の製紙面側緯糸3A、3Cと1本の走行面側緯糸3Bとを含むため、サブユニット内には合計24本の緯糸が含まれる。第1のサブユニット181は、第1〜第4経糸151〜154と、第1組〜第8組の緯糸171〜178とによって形成されている。図10に示すように、経糸2は、幅方向において、第1経糸151、第2経糸152、第3経糸153、第4経糸154の順で互いに隣接して配置されている。緯糸3は、丈方向において、第1組171から第8組178に昇順で互いに隣接して配置されている。第1のサブユニット181を経糸2の長手方向(丈方向)において2等分し、緯糸175、176、177、178に対応する部分を第1領域186、緯糸171、172、173、174に対応する部分を第2領域187とする。
第1のサブユニット181内の幅方向における一端に配置された第1経糸151は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第1領域186において走行面側緯糸177Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第1経糸151は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第2領域187において製紙面側緯糸172C、174Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第1経糸151は第1領域186において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域187において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第3経糸153は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第1領域186において走行面側緯糸177Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第3経糸153は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第2領域187において製紙面側緯糸172A、174Aの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第3経糸153は第1領域186において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域187において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第1のサブユニット181内において、第1経糸151及び第3経糸153は、第1領域186において同じ走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域187において同じ組をなす製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット181内において、第1経糸151及び第3経糸153の長さは同一になる。
第2経糸152は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域187において走行面側緯糸173Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第2経糸152は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域186において製紙面側緯糸176C、178Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第2経糸152は第2領域187において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域186において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第4経糸154は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域187において走行面側緯糸173Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第4経糸154は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域186において製紙面側緯糸176A、178Aの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第4経糸154は第2領域187において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域186において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第1のサブユニット181内において、第2経糸152及び第4経糸154は、第2領域187において同じ走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域186において同じ組をなす製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット181内において、第2経糸152及び第4経糸154の長さは同一になる。
第1領域186において、第1経糸151及び第3経糸153は走行面側緯糸177Bに織り込まれ、第2経糸152及び第4経糸154は走行面側緯糸177Bと組をなさない製紙面側緯糸176A、176C、178A、178Cに織り込まれる。一方、第2領域187において、第2経糸152及び第4経糸154は走行面側緯糸173Bに織り込まれ、第1経糸151及び第3経糸153は走行面側緯糸173Bと組をなさない製紙面側緯糸172A、172C、174A、174Cに織り込まれる。このように、第1経糸151及び第3経糸153が織り込まれる緯糸の組と、第2経糸152及び第4経糸154が織り込まれる緯糸の組とが一致していない。
第1〜第4経糸155〜158によって形成される第2のサブユニット182は、第1〜第4経糸151〜154によって形成される第1のサブユニット181に対して、1組の緯糸(2本の製紙面側緯糸3A、3C及び1本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側(図10中の紙面上側)にずれて配置されている。第1〜第4経糸159〜162によって形成される第3のサブユニット183は、第1のサブユニット181に対して、6組の緯糸(12本の製紙面側緯糸3A、3C及び6本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第1〜第4経糸163〜166によって形成される第4のサブユニット184は、第1のサブユニット181に対して、7組の緯糸(14本の製紙面側緯糸3A、3C及び7本の走行面側緯糸3B)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第2〜第4のサブユニット182、183、184の織組織は、第1のサブユニット181の織組織と同一である。
経糸151〜166と8組の緯糸171〜178によって、サブユニット181〜184を含む繰り返し単位としての組織188が形成される。この組織188が、丈方向及び幅方向に繰り返し形成されることによって抄紙用ワイヤー150が形成される。
抄紙用ワイヤー150では、各サブユニット181〜184の第1経糸と第2経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した3/1織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した1/3組織を形成するように織り込まれる。同様に、各サブユニット181〜184の第3経糸と第4経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した3/1組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した1/3組織を形成するように織り込まれる。
図12は、第4実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す。図12に示すように、走行面側緯糸177Bは、経糸154〜166の走行面側を連続して通過する。そのため、第1のサブユニット181の第1経糸151及び第3経糸153が走行面側緯糸177Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸177Bに押されて第1経糸151及び第3経糸153は第2経糸152側に寄り、互いに近接する。同様に、第1のサブユニット181の第2経糸152及び第4経糸154が、走行面側緯糸173Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸173Bに押されて第2経糸152及び第4経糸154は第3経糸153側に寄り、互いに近接する。これにより、第1経糸151及び第3経糸153が走行面側緯糸177Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部と、第2経糸152及び第4経糸154が走行面側緯糸173Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部とが、第1のサブユニット181の内で幅方向における中央側(第2経糸152及び第3経糸153上)に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。同様に、第2〜第4のサブユニット182〜184においても、製紙面側に形成されるナックル部は幅方向における中央側に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。以上のようなナックル部の配列によって、ナックル部の配列パターンは経糸2の延在方向と傾斜しなくなる。そのため、抄紙用ワイヤー150は、走行時における直進性が向上し、走行安定性が向上する。また、抄紙用ワイヤー150は、経糸2の延在方向に対して傾斜した方向にずれ難くなるため、幅詰まりが抑制され、寸法安定性が向上する。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る抄紙用ワイヤー200は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて織組織が異なる。また、組をなす緯糸3の配列が異なる。抄紙用ワイヤー200の他の構成は抄紙用ワイヤー1と同様である。
図13は第5実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図であり、図14は(A)図13の14A−14A断面図、(B)図13の14B−14B断面図、(C)図13の14C−14C断面図、(D)図13の14D−14D断面図である。図13及び図14に示すように、抄紙用ワイヤー200では、隣り合って配置された4本の経糸2と8組の緯糸3とが、最小の繰り返し単位であるサブユニット231、232、233、234を形成する。1組の緯糸3は、1本の走行面側緯糸3Bと、2本の製紙面側緯糸3A、3Cとを含むため、サブユニット内には合計24本の緯糸が含まれる。1組の緯糸3は、丈方向に、走行面側緯糸3B、製紙面側緯糸3A、製紙面側緯糸3Cの順に配置されている。第1のサブユニット231は、第1〜第4経糸201〜204と、第1組〜第8組の緯糸221〜228とによって形成されている。図13に示すように、経糸2は、幅方向において、第1経糸201、第2経糸202、第3経糸203、第4経糸204の順で互いに隣接して配置されている。緯糸3は、丈方向において、第1組221から第8組228に昇順で互いに隣接して配置されている。第1のサブユニット231を経糸2の長手方向(丈方向)において2等分し、緯糸225、226、227、228に対応する部分を第1領域236、緯糸221、222、223、224に対応する部分を第2領域237とする。
第1のサブユニット231内の幅方向における一端に配置された第1経糸201は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第1領域236において走行面側緯糸227Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第1経糸201は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第2領域237において製紙面側緯糸221A、222A、223A、224Aの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第1経糸201は、第2領域237において、製紙面側緯糸3A、3Cに平組織に織り込まれている。第1経糸201は第1領域236において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域237において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第3経糸203は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第1領域236において走行面側緯糸227Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第3経糸203は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第2領域237において製紙面側緯糸221C、222C、223C、224Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第3経糸203は、第2領域237において、製紙面側緯糸3A、3Cに平組織に織り込まれている。第3経糸203は第1領域236において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域237において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第1のサブユニット231内において、第1経糸201及び第3経糸203は、第1領域236において同じ走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第2領域237において同じ組をなす製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット231内において、第1経糸201及び第3経糸203の長さは同一になる。
第2経糸202は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域237において走行面側緯糸223Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第2経糸202は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域236において製紙面側緯糸225A、226A、227A、228Aの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第2経糸202は第2領域237において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域236において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第4経糸204は、走行面側緯糸3Bとの織組織に注目すると、第2領域237において走行面側緯糸223Bの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸3Bの製紙面側を通過している。
第4経糸204は、製紙面側緯糸3A、3Cとの織組織に注目すると、第1領域236において製紙面側緯糸225C、226C、227C、228Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸3A、3Cの走行面側を通過している。第4経糸204は第2領域237において走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域236において製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。
第1のサブユニット231内において、第2経糸202及び第4経糸204は、第2領域237において同じ走行面側緯糸3Bに織り込まれ、第1領域236において同じ組をなす製紙面側緯糸3A、3Cに織り込まれている。これにより、第1のサブユニット231内において、第2経糸202及び第4経糸204の長さは同一になる。
第1領域236において、第1経糸201及び第3経糸203は走行面側緯糸227Bに織り込まれ、第2経糸202及び第4経糸204は平組織を形成するように製紙面側緯糸225A〜228Cに織り込まれている。一方、第2領域237において、第2経糸202及び第4経糸204は走行面側緯糸223Bに織り込まれ、第1経糸201及び第3経糸203は平組織を形成するように製紙面側緯糸221A〜224Cに織り込まれている。
第1〜第4経糸205〜208によって形成される第2のサブユニット232は、第1〜第4経糸201〜204によって形成される第1のサブユニット231に対して、1組の緯糸(1本の走行面側緯糸3B及び2本の製紙面側緯糸3A、3C)分だけ丈方向に沿って一側(図13中の紙面上側)にずれて配置されている。第1〜第4経糸209〜212によって形成される第3のサブユニット233は、第1のサブユニット231に対して、6組の緯糸(6本の走行面側緯糸3B及び12本の製紙面側緯糸3A、3C)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第1〜第4経糸213〜216によって形成される第4のサブユニット234は、第1のサブユニット231に対して、7組の緯糸(7本の走行面側緯糸3B及び14本の製紙面側緯糸3A、3C)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第2〜第4のサブユニット232、233、234の織組織は、第1のサブユニット231の織組織と同一である。
経糸201〜216と8組の緯糸221〜228によって、サブユニット231〜234を含む繰り返し単位としての組織238が形成される。この組織238が、丈方向及び幅方向に繰り返し形成されることによって抄紙用ワイヤー200が形成される。
抄紙用ワイヤー200では、各サブユニット231〜234の第1経糸と第2経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した3/1組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した平組織を形成するように織り込まれる。同様に、各サブユニット231〜234の第3経糸と第4経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸3Bに連続した3/1組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸3A、3Cに連続した平組織を形成するように織り込まれる。
図15は、第5実施形態に係る抄紙用ワイヤーを走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸を省略して示す。図15に示すように、走行面側緯糸227Bは、経糸204〜216の走行面側を連続して通過する。そのため、第1のサブユニット231の第1経糸201及び第3経糸203が走行面側緯糸227Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸227Bに押されて第1経糸201及び第3経糸203は第2経糸202側に寄り、互いに近接する。同様に、第1のサブユニット231の第2経糸202及び第4経糸204が、走行面側緯糸223Bの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸223Bに押されて第2経糸202及び第4経糸204は第3経糸203側に寄り、互いに近接する。これにより、第1経糸201及び第3経糸203が走行面側緯糸227Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部と、第2経糸202及び第4経糸204が走行面側緯糸223Bに織り込まれることによって形成される各ナックル部とが、第1のサブユニット231の内で幅方向における中央側(第2経糸202及び第3経糸203上)に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。同様に、第2〜第4のサブユニット232〜234においても、製紙面側に形成されるナックル部は幅方向における中央側に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。そのため、抄紙用ワイヤー200は、走行時における直進性が向上し、走行安定性が向上する。また、抄紙用ワイヤー200は、経糸2の延在方向に対して傾斜した方向にずれ難くなるため、幅詰まりが抑制され、寸法安定性が向上する。
(第6実施形態)
第6実施形態に係る抄紙用ワイヤー250は、第1実施形態に係る抄紙用ワイヤー1と比べて織組織が異なる。また、組をなす緯糸303の本数及び配列が異なる。抄紙用ワイヤー250の他の構成は抄紙用ワイヤー1と同様である。
図16は第6実施形態に係る抄紙用ワイヤーを製紙面側から見た図であり、図17は(A)図16の17A−17A断面図、(B)図16の17B−17B断面図、(C)図16の17C−17C断面図、(D)図16の17D−17D断面図である。図16及び図17に示すように、抄紙用ワイヤー250では、隣り合って配置された4本の経糸2と4組の緯糸303とが、サブユニット281、282、283、284を形成する。1組の緯糸303は、3本の製紙面側緯糸303Aと、2本の走行面側緯糸303Bとを含むため、4組の緯糸303を含むサブユニット内には合計20本の緯糸が含まれる。
1組の緯糸303は、丈方向に紙面下側から、製紙面側緯糸303A、走行面側緯糸303B、製紙面側緯糸303A、製紙面側緯糸303A、走行面側緯糸303Bの順に配置されている。なお、走行面側緯糸303Bと製紙面側緯糸303Aとの相対位置は、経糸2の延在方向に変化可能であり、例えば組内において、製紙面側緯糸303A、走行面側緯糸303B、製紙面側緯糸303A、走行面側緯糸303B、製紙面側緯糸303Aの順に変化することもある。第1のサブユニット281は、第1〜第4経糸251〜254と、第1組〜第4組の緯糸271〜274とによって形成されている。図16に示すように、経糸2は、幅方向において、第1経糸251、第2経糸252、第3経糸253、第4経糸254の順で互いに隣接して配置されている。緯糸3は、丈方向において、第1組271から第4組274に昇順で互いに隣接して配置されている。第1のサブユニット281を経糸2の長手方向(丈方向)において2等分し、2組の緯糸273、274に対応する部分を第1領域286、2組の緯糸271、272に対応する部分を第2領域287とする。
第1のサブユニット281内の幅方向における一端に配置された第1経糸251は、走行面側緯糸303Bとの織組織に注目すると、第1領域286において走行面側緯糸273Eの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸303Bの製紙面側を通過している。すなわち、第1経糸251は、第1領域286において3/1組織を形成するように走行面側緯糸303Bに織り込まれている。
第1経糸251は、製紙面側緯糸303Aとの織組織に注目すると、第2領域287において製紙面側緯糸271C、272A、272Dの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸303Aの走行面側を通過している。第1経糸251は、第2領域287において、製紙面側緯糸303Aに平組織に織り込まれている。第1経糸251は第1領域286において走行面側緯糸303Bに3/1組織を形成するように織り込まれ、第2領域287において製紙面側緯糸303Aに平組織を形成するように織り込まれている。
第3経糸253は、走行面側緯糸303Bとの織組織に注目すると、第1領域286において走行面側緯糸273Eの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸303Bの製紙面側を通過している。すなわち、第3経糸253は、第1領域286において3/1組織を形成するように走行面側緯糸303Bに織り込まれている。
第3経糸253は、製紙面側緯糸303Aとの織組織に注目すると、第2領域287において製紙面側緯糸271A、271D、272Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸303Aの走行面側を通過している。第3経糸253は、第2領域287において、製紙面側緯糸303Aに平組織に織り込まれている。第3経糸253は第1領域286において走行面側緯糸303Bに3/1組織を形成するように織り込まれ、第2領域287において製紙面側緯糸303Aに平組織を形成するように織り込まれている。
第1のサブユニット281内において、第1経糸251及び第3経糸253は、第1領域286において同じ走行面側緯糸303B(273E)に織り込まれ3/1組織を形成し、第2領域287において異なる製紙面側緯糸303Aに平組織を形成するように織り込まれている。これにより、第1のサブユニット281内において、第1経糸251及び第3経糸253の長さは同一になる。
第2経糸252は、走行面側緯糸303Bとの織組織に注目すると、第2領域287において走行面側緯糸271Eの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸303Bの製紙面側を通過している。すなわち、第2経糸252は、第2領域287において3/1組織を形成するように走行面側緯糸303Bに織り込まれている。
第2経糸252は、製紙面側緯糸303Aとの織組織に注目すると、第1領域286において製紙面側緯糸273C、274A、274Dの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸303Aの走行面側を通過している。第2経糸252は、第1領域286において製紙面側緯糸303Aに平組織に織り込まれている。第2経糸252は第2領域287において走行面側緯糸303Bに3/1組織を形成するように織り込まれ、第1領域286において製紙面側緯糸303Aに平組織を形成するように織り込まれている。
第4経糸254は、走行面側緯糸303Bとの織組織に注目すると、第2領域287において走行面側緯糸271Eの走行面側を通過し、それらの両隣を含む他の走行面側緯糸303Bの製紙面側を通過している。すなわち、第4経糸254は、第2領域287において3/1組織を形成するように走行面側緯糸303Bに織り込まれている。
第4経糸254は、製紙面側緯糸303Aとの織組織に注目すると、第1領域286において製紙面側緯糸273A、273D、274Cの製紙面側を通過し、それらの両隣を含む他の製紙面側緯糸303Aの走行面側を通過している。第4経糸254は、第1領域286において製紙面側緯糸303Aに平組織に織り込まれている。第4経糸254は第2領域287において走行面側緯糸303Bに3/1組織を形成するように織り込まれ、第1領域286において製紙面側緯糸303Aに平組織を形成するように織り込まれている。
第1のサブユニット281内において、第2経糸252及び第4経糸254は、第2領域287において同じ走行面側緯糸303B(271E)に3/1組織を形成するように織り込まれ、第1領域286において異なる製紙面側緯糸303Aに平組織を形成するように織り込まれている。これにより、第1のサブユニット281内において、第2経糸252及び第4経糸254の長さは同一になる。
第1領域286において、第1経糸251及び第3経糸253は3/1組織を形成するように走行面側緯糸303Bに織り込まれ、第2経糸252及び第4経糸254は平組織を形成するように製紙面側緯糸303Aに織り込まれている。一方、第2領域287において、第2経糸252及び第4経糸254は3/1組織を形成するように走行面側緯糸303Bに織り込まれ、第1経糸251及び第3経糸253は平組織を形成するように製紙面側緯糸303Aに織り込まれている。
第1〜第4経糸255〜258によって形成される第2のサブユニット282は、第1〜第4経糸251〜254によって形成される第1のサブユニット281に対して、3組の緯糸(6本の走行面側緯糸303B及び9本の製紙面側緯糸303A)分だけ丈方向に沿って一側(図16中の紙面上側)にずれて配置されている。第1〜第4経糸259〜262によって形成される第3のサブユニット283は、第1のサブユニット281に対して、2.4組の緯糸(5本の走行面側緯糸303B及び7本の製紙面側緯糸303A)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。第1〜第4経糸263〜266によって形成される第4のサブユニット284は、第1のサブユニット281に対して、1.4組の緯糸(3本の走行面側緯糸303B及び4本の製紙面側緯糸303A)分だけ丈方向に沿って一側にずれて配置されている。
第2〜第4のサブユニット282、283、284の織組織は、第1のサブユニット281の織組織と略同一である。各サブユニット281〜284において、第1経糸及び第3経糸は、第1領域286において走行面側緯糸303Bに織り込まれ、第2領域287において製紙面側緯糸303Aに織り込まれている。また、各サブユニット281〜284において、第2経糸及び第4経糸は、第2領域287において走行面側緯糸303Bに織り込まれ、第1領域286において製紙面側緯糸303Aに織り込まれている。各サブユニット281〜284において、第1経糸及び第3経糸が走行面側緯糸303Bに織り込まれる部分と、第2経糸及び第4経糸が走行面側緯糸303Bに織り込まれる部分との相対位置は、一定している。また、各サブユニット281〜284において、第1経糸が製紙面側緯糸303Aに織り込まれる部分と、第2経糸が製紙面側緯糸303Aに織り込まれる部分との相対位置は、一定している。また、各サブユニット281〜284において、第3経糸が製紙面側緯糸303Aに織り込まれる部分と、第4経糸が製紙面側緯糸303Aに織り込まれる部分との相対位置は、一定している。
経糸251〜266と4組の緯糸271〜274によって、サブユニット281〜284を含む繰り返し単位としての組織288が形成される。組織288では、製紙面側緯糸303A及び走行面側緯糸303Bを含む全ての緯糸は、少なくとも1箇所において経糸251〜266のいずれかに織り込まれている。この組織288が、丈方向及び幅方向に繰り返し形成されることによって抄紙用ワイヤー250が形成される。
図18は、第6実施形態に係る抄紙用ワイヤー250を走行面側から見た図であって、製紙面側緯糸303Aを省略して示す。図18に示すように、走行面側緯糸273Eは、経糸254〜266の走行面側を連続して通過する。そのため、第1のサブユニット281の第1経糸251及び第3経糸253が走行面側緯糸273Eの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸273Eに押されて第1経糸251及び第3経糸253は第2経糸252側に寄り、互いに近接する。同様に、第1のサブユニット281の第2経糸252及び第4経糸254が、走行面側緯糸271Eの走行面側を通過する部分では、走行面側緯糸271Eに押されて第2経糸252及び第4経糸254は第3経糸253側に寄り、互いに近接する。これにより、第1経糸251及び第3経糸253が走行面側緯糸273Eに織り込まれることによって形成される各ナックル部と、第2経糸252及び第4経糸254が走行面側緯糸271Eに織り込まれることによって形成される各ナックル部とが、第1のサブユニット281の内で幅方向における中央側(第2経糸252及び第3経糸253上)に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。同様に、第2〜第4のサブユニット282〜284においても、製紙面側に形成されるナックル部は幅方向における中央側に配置され、経糸2の延在方向に並ぶように配置される。以上のようなナックル部の配列によって、ナックル部の配列パターンは経糸2の延在方向と傾斜しなくなる。そのため、抄紙用ワイヤー250は、走行時における直進性が向上し、走行安定性が向上する。また、抄紙用ワイヤー250は、経糸2の延在方向に対して傾斜した方向にずれ難くなるため、幅詰まりが抑制され、寸法安定性が向上する。
抄紙用ワイヤー250では、各サブユニット281〜284の第1経糸と第2経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸303Bに連続した3/1組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸303Aに連続した平組織を形成するように織り込まれる。同様に、各サブユニットの第3経糸と第4経糸は、互いに協働することによって、走行面側緯糸303Bに連続した3/1組織を形成するように織り込まれ、製紙面側緯糸303Aに連続した平組織を形成するように織り込まれる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。以上の各実施形態では、本発明に係る織物を抄紙用ワイヤーに適用した例について説明したが、搬送ベルトやろ布等の他の用途にも当然に使用できる。
抄紙用ワイヤーの製紙面に正対する方向から見て、第1〜第4実施形態では走行面側緯糸3Bが製紙面側緯糸3A、3Cの間に配置された構成とし、第5実施形態では走行面側緯糸3Bが製紙面側緯糸3Aの製紙面側緯糸3C側と相反する側に配置された構成としたが、他の実施形態では、走行面側緯糸3Bが製紙面側緯糸3A又は製紙面側緯糸3Cの走行面側に重なるように配置された構成や、走行面側緯糸3Bが製紙面側緯糸3Cの製紙面側緯糸3A側と相反する側に配置された構成としてもよい。このように、組をなす製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bの配置は、任意に選択することができる。また、組をなす製紙面側緯糸3A、3C及び走行面側緯糸3Bの配置は、使用時の丈方向における張力によって変化する場合がある。例えば、走行面側緯糸3Bが製紙面側緯糸3A又は製紙面側緯糸3Cの走行面側に重なるように配置された場合において、張力により、走行面側緯糸3Bが製紙面側緯糸3A、3Cの間に移動することがある。
上記の各実施形態では、各サブユニットは、4本の経糸2と、4組(12本、20本)、8組(24本)、又は12組(36本)の緯糸3とによって構成されている。すなわち、サブユニット内には、4の整数倍の緯糸3が含まれている。他の実施形態でも、サブユニットは、4本の経糸2と、4の整数倍の緯糸3とによって構成されることが好ましい。
上記の各実施形態では、組をなす緯糸の例として、2本の製紙面側緯糸及び1本の走行面側緯糸からなる組と、3本の製紙面側緯糸及び2本の走行面側緯糸からなる組について説明した。組を構成する緯糸の本数は、製紙面側緯糸の本数に対する製紙面側緯糸の本数が1/2〜2/3の範囲で適宜変更可能であり、例えば5本の製紙面側緯糸及び3本の走行面側緯糸からなる組や、7本の製紙面側緯糸及び4本の走行面側緯糸からなる組としてもよい。
1、50、100、150、200、250…抄紙用ワイヤー、
2…経糸、
3、303…緯糸、
3A、3C、303A、31A〜34A、31C〜34C、71A〜78A、71C〜78C、121A〜132A、121C〜132C、171A〜178A、171C〜178C、221A〜228A、221C〜228C、271A〜274A、271C〜274C、271D〜274D…製紙面側緯糸、
3B、303B、31B〜34B、71B〜78B、121B〜132B、171B〜178B、221B〜228B、271B〜274B、271〜274E…走行面側緯糸、
31〜34、71〜78、121〜132、171〜178、221〜228、271〜274…緯糸の組
11、15、19、23、51、55、59、63、101、105、109、113、151、155、159、163、201、205、209、213、251、255、259、263…第1経糸、
12、16、20、24、52、56、60、64、102、106、110、114、152、156、160、164、202、206、210、214、252、256、260、264…第2経糸、
13、17、21、25、53、57、61、65、103、107、111、115、153、157、161、165、203、207、211、215、253、257、261、265…第3経糸、
14、18、22、26、54、58、62、66、104、108、112、116、154、158、162、166、204、208、212、216、254、258、262、266…第4経糸、
41、81、141、181、231、281…第1のサブユニット、
42、82、142、182、232、282…第2のサブユニット、
43、83、143、183、233、283…第3のサブユニット、
44、84、144、184、234、284…第4のサブユニット、
46、86、146、186、236、286…第1領域、
47、87、147、187、237、287…第2領域、
48、88、148、188、238、288…組織

Claims (10)

  1. 任意の本数の製紙面側緯糸及び前記製紙面側緯糸の1/3〜2/3の本数の走行面側緯糸を組として含む緯糸と、前記走行面側緯糸及び前記製紙面側緯糸に織り込まれた経糸とを有する抄紙用織物であって、
    4本の前記経糸と、複数組の前記緯糸とがサブユニットを形成し、
    前記サブユニット内の前記経糸は一側から第1経糸、第2経糸、第3経糸、第4経糸の順に配置され、前記第1経糸及び前記第3経糸は、前記走行面側緯糸における共通の第1走行面側緯糸の下方を通過すると共にその両隣の前記走行面側緯糸の上方を通過し、
    前記第1経糸は、前記製紙面側緯糸における任意の第1製紙面側緯糸の上方を通過すると共にその両隣の前記製紙面側緯糸の下方を通過し、
    前記第3経糸は、前記第1製紙面側緯糸と異なる第2製紙面側緯糸の上方を通過すると共にその両隣の前記製紙面側緯糸の下方を通過し、
    前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第1走行面側緯糸と異なる共通の第2走行面側緯糸の下方を通過すると共にその両隣の前記走行面側緯糸の上方を通過し、
    前記第2経糸は、前記第1及び第2製紙面側緯糸と異なる第3製紙面側緯糸の上方を通過すると共にその両隣の前記製紙面側緯糸の下方を通過し、
    前記第4経糸は、前記第1〜第3製紙面側緯糸の全てと異なる第4製紙面側緯糸の上方を通過すると共にその両隣の前記製紙面側緯糸の下方を通過し、
    複数の前記サブユニットが、前記緯糸の延在方向において隣り合う前記サブユニットと前記経糸の延在方向に偏倚して配置されることによって完全組織が形成されることを特徴とする抄紙用織物。
  2. 前記サブユニットは、前記経糸の延在方向において2等分された第1領域及び第2領域を有し、前記第1領域において前記第1経糸及び前記第3経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれると共に、前記第2経糸及び前記第4経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれ、前記第2領域において前記第2経糸及び前記第4経糸が前記走行面側緯糸に織り込まれると共に、前記第1経糸及び前記第3経糸が前記製紙面側緯糸に織り込まれることを特徴とする請求項1に記載の抄紙用織物。
  3. 前記第1経糸及び前記第3経糸は、前記第1領域の全域において前記走行面側緯糸に平組織を形成するように織り込まれ、前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第2領域の全域において前記走行面側緯糸に平組織を形成するように織り込まれることを特徴とする請求項2に記載の抄紙用織物。
  4. 前記第1経糸及び前記第3経糸は、前記第1領域の全域において前記走行面側緯糸に3/1組織を形成するように織り込まれ、前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第2領域の全域において前記走行面側緯糸に3/1組織を形成するように織り込まれることを特徴とする請求項2に記載の抄紙用織物。
  5. 前記第1経糸及び前記第3経糸は、前記第2領域の全域において前記製紙面側緯糸に平組織を形成するように織り込まれ、前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第1領域の全域において前記製紙面側緯糸に平組織を形成するように織り込まれることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1つの項に記載の抄紙用織物。
  6. 前記第1経糸及び前記第3経糸は、前記第2領域の全域において前記製紙面側緯糸に1/3組織を形成するように織り込まれ、前記第2経糸及び前記第4経糸は、前記第1領域の全域において前記製紙面側緯糸に1/3組織を形成するように織り込まれることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1つの項に記載の抄紙用織物。
  7. 前記第1製紙面側緯糸と前記第2製紙面側緯糸とは組をなす緯糸であり、前記第3製紙面側緯糸と前記第4製紙面側緯糸とは組をなす緯糸であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずか1つの項に記載の抄紙用織物。
  8. 前記製紙面側緯糸の直径は、前記走行面側緯糸の直径に対して35%〜70%であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つの項に記載の抄紙用織物。
  9. 前記緯糸の組は、2本の前記製紙面側緯糸と1本の前記走行面側緯糸とによって構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つの項に記載の抄紙用織物。
  10. 前記緯糸の組は、3本の前記製紙面側緯糸と2本の前記走行面側緯糸とによって構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つの項に記載の抄紙用織物。
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