JP2015105441A - カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法およびカーボンナノチューブ含有繊維 - Google Patents

カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法およびカーボンナノチューブ含有繊維 Download PDF

Info

Publication number
JP2015105441A
JP2015105441A JP2013246395A JP2013246395A JP2015105441A JP 2015105441 A JP2015105441 A JP 2015105441A JP 2013246395 A JP2013246395 A JP 2013246395A JP 2013246395 A JP2013246395 A JP 2013246395A JP 2015105441 A JP2015105441 A JP 2015105441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
cnt
raw material
carbon nanotube
containing fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013246395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6316577B2 (ja
Inventor
貢 上島
Mitsugi Uejima
貢 上島
智 石橋
Satoshi Ishibashi
智 石橋
高橋 成彰
Shigeaki Takahashi
成彰 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Toyota Tsusho Corp
Toyota Tsusho Matex Corp
Original Assignee
Toyota Tsusho Corp
Nippon Zeon Co Ltd
Toyota Tsusho Matex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Tsusho Corp, Nippon Zeon Co Ltd, Toyota Tsusho Matex Corp filed Critical Toyota Tsusho Corp
Priority to JP2013246395A priority Critical patent/JP6316577B2/ja
Publication of JP2015105441A publication Critical patent/JP2015105441A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6316577B2 publication Critical patent/JP6316577B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】高強度で高弾性率のカーボンナノチューブ含有繊維を高速紡糸にて効率的に製造する方法を提供する。
【解決手段】カーボンナノチューブを含有させた繊維を製造する方法であって、カーボンナノチューブと繊維原料とを混合し、カーボンナノチューブ含有繊維原料を調製する原料調製工程と、カーボンナノチューブ含有繊維原料を湿式凝固法により凝固させた後、巻き取り速度20m/s以上60m/s以下で高速紡糸する紡糸工程とを含む、カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブ(以下「CNT」と称することがある。)を含有する繊維の製造方法、および、その製造方法によって製造されるCNT含有繊維に関する。特に、本発明は、CNTの添加および高速紡糸を用いた、強度や弾性率を高めたCNT含有繊維の製造方法、および、その製造方法によって製造されるCNT含有繊維に関する。
従来、異なる繊維材料のそれぞれの長所を活かした複合繊維が開発されており、当該複合繊維としては、例えば、セルロースジアセテートからなる芯部とセルローストリアセテートからなる鞘部とを有するセルロースアセテート複合繊維などが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、複合繊維としては、CNTを含有させた繊維(以下「CNT含有繊維」と称することがある。)も知られており、特に、CNT含有セルロース繊維や、CNT含有ポリビニルアルコール繊維などのCNT含有繊維は、少量のCNTが添加されたものであっても強度が高い(特に、繊維軸方向の引っ張り強度に優れる)という特徴を有することが知られている。なお、以下では、ポリビニルアルコールを「PVA」と称することがある。
ここで、例えば特許文献2には、CNT含有繊維として、セルロース繊維と、単層カーボンナノチューブ(以下「SWCNT」と称することがある。)とを含むことを特徴とするコンポジット繊維が開示されている。そして、特許文献2には、当該コンポジット繊維の製造方法として、原料セルロースおよびSWCNT等を含む分散液を調製する工程と、調製した分散液を紡糸ノズルを通して押出し吐出した後、空気層および凝固浴を通して凝固させることにより、SWCNTを含むセルロース再生繊維を得る工程とを含む製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−192334号公報 特開2011−208327号公報
ここで、CNTを含有しない従来の繊維、特にセルロース繊維は、繊維の強度を上げるために延伸倍率を引き上げると、フィブリル化が起きることが知られている。そのため、従来の繊維の製造においては、高い延伸倍率で延伸し、高速回転するローラを用いて高速で巻き取ると、製造した繊維が巻きついたり、切れたりするトラブルが多発するという問題があった。また、従来の繊維には、高速で巻き取りを行うと、繊維束がばらけたりもつれたりするトラブルが多発するという問題もあった。更に、得られた繊維には、フィブリル化しやすいという問題や、結束強度が低下するという問題があった。
そのため、CNTを含有しない従来の繊維にあっては、巻き取り速度を高速化して製造効率を高めることは困難な状況にあった。
また、上述したような状況下、CNT含有繊維についても、主にその強度を向上させる技術に注目が集まっており、その巻き取り速度の高速化には関心が払われていなかった。即ち、CNT含有繊維は、これまで、CNTを含有しない繊維と同様の巻き取り条件で製造されていた。
本発明は、このような点に鑑みたものである。即ち、本発明の解決すべき課題は、高強度で高弾性率のCNT含有繊維を高速紡糸にて効率的に製造する方法を提供することにある。また、本発明の解決すべき課題は、当該製造方法を用いて製造した、高強度で高弾性率のCNT含有繊維を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決することを目的として、鋭意検討を行った。そして、本発明者らは、CNTを含有させた繊維においては、CNTが繊維の分子構造同士(例えば、セルロース繊維においては、セルロース結晶構造同士)を固く結束させる役目を果たすこと、より具体的には、CNTを含有させた繊維では、繊維を構成する分子とCNT表面のπ電子とが相互に電気的に引き合い、繊維を構成する分子とCNTとの結束性が高まるため、CNTを介して繊維の分子構造同士が固く結束することに着目した。更に、本発明者らは、CNT含有繊維では、CNTの配合により繊維の強度や弾性率が高まるだけでなく、CNTが上記の役目を果たし、巻き取り速度を高速化しても繊維が切れにくくなるため、高速での巻き取りにより高強度の繊維を効率的に製造することが可能となることに新たに着想した。
そこで、本発明者らは更に検討を重ね、カーボンナノチューブを添加したカーボンナノチューブ含有繊維原料を湿式凝固法によって凝固させた後に巻き取り速度20m/s以上60m/s以下で高速紡糸することにより、強度や弾性率を高めたCNT含有繊維を効率的に製造し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法は、カーボンナノチューブと繊維原料とを混合し、カーボンナノチューブ含有繊維原料を調製する原料調製工程と、前記カーボンナノチューブ含有繊維原料を湿式凝固法により凝固させた後、巻き取り速度20m/s以上60m/s以下で高速紡糸する紡糸工程とを含むことを大きな特徴の1つとする。このように、カーボンナノチューブ含有繊維原料を湿式凝固法により凝固させた後、巻き取り速度20m/s以上60m/s以下で高速紡糸すれば、強度や弾性率を高めたCNT含有繊維を効率的に製造することができる。
ここで、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法において、前記カーボンナノチューブは、平均直径(Av)と直径分布(3σ)とが、関係式:0.20<(3σ/Av)<0.60を満たすことが好ましい。平均直径に対する直径分布の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満のCNTを使用すれば、CNTの添加量が少量であっても、CNT含有繊維の強度や弾性率を十分に高めることができる。また、高速紡糸した際の糸切れやフィブリルの発生を十分に抑制することができる。
ここで、本発明において、「直径分布(3σ)」とは、カーボンナノチューブの直径の標本標準偏差(σ)に3を乗じたものを指す。そして、本発明において、「カーボンナノチューブの平均直径(Av)」および「カーボンナノチューブの直径の標本標準偏差(σ)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いてカーボンナノチューブ100本の直径を測定して求めることができる。
また、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法において、前記繊維原料は、セルロース繊維を原料として用いた繊維原料であることが好ましい。セルロース繊維を原料として用いた繊維原料を使用すれば、強度や弾性率に優れるCNT含有繊維を低コストで製造することができるからである。
そして、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法は、前記原料調製工程において、前記セルロース繊維100質量部当たり、0.01質量部以上1.0質量部以下の割合で前記カーボンナノチューブを混合することが好ましい。CNTの混合割合を上記範囲内とすれば、強度や弾性率に優れるCNT含有繊維を低コストで製造することができるからである。
また、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、上述したカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法のいずれかによって製造されたことを大きな特徴の1つとする。このようにして製造したCNT含有繊維は、強度や弾性率に優れている。
ここで、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、引っ張り強度が例えば1GPa以上2GPa以下である。
また、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、初期引っ張り弾性率が例えば50GPa以上100GPa以下である。
なお、本発明において、カーボンナノチューブ含有繊維の「引っ張り強度」および「初期引っ張り弾性率」は、引張試験機を使用し、温度20℃、相対湿度65%、引張速度100%/minの条件下で引張試験を行うことにより、求めることができる。
そして、本発明のカーボンナノチューブ含有繊維は、繊維横断面内の中心部よりも外周部においてカーボンナノチューブの配向度が低いことが好ましい。カーボンナノチューブの配向度が外周部で低い場合、CNT含有繊維の引っ張り強度を十分に高めることができる。
なお、本発明において、「カーボンナノチューブの配向度」は、下記(i)または(ii)の何れかの方法を用いて評価することができる。
(i)作製したCNT含有繊維をエポキシ樹脂で包埋し、得られた包埋物をダイアモンドナイフで繊維軸方向に沿ってスライスして電子顕微鏡観察用の超薄切片を作製し、超薄切片を透過型若しくは走査型電子顕微鏡にて観察する方法
(ii)偏光ラマン分光を用いる方法
中でも、偏光ラマン分光を用いる方法が、簡便であり且つCNT含有繊維中のカーボンナノチューブの配向度をマクロに測定できるため好適である。偏光ラマン分光を用いる方法では、入射レーザーをCNT含有繊維の側面に繊維軸と直交する方向から照射したときのカーボンナノチューブ由来のラマンスペクトルを測定し、1500〜1600cm−1付近のグラファイト由来のピーク強度比から配向度を算出する。具体的には、レーザー偏光面を繊維軸と平行に配置した場合のGバンド強度をIp、レーザー偏光面を繊維軸と垂直に配置した場合のGバンド強度をIvとしたとき、OD=Iv/Ipで表される配向度(OD)にて配向性を評価する。本発明では通常、カーボンナノチューブの配向度ODは0以上0.2以下である。配向度ODは、カーボンナノチューブが繊維軸方向に平行に配向したときにOD=0に漸近し、ランダムな配向ではOD=1となる。本発明において、配向度ODは、0.1以下がより好ましく、0.05以下が更に好ましい。
本発明によれば、高強度で高弾性率のCNT含有繊維を高速紡糸にて効率的に製造することができる。また、本発明によれば、高強度で高弾性率のCNT含有繊維を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明のCNT含有繊維の製造方法は、強度や弾性率を高めたCNT含有繊維を製造する際に用いることできる。そして、本発明のCNT含有繊維の製造方法を用いて製造したCNT含有繊維は、特に限定されることなく、タイヤコード、ベルト、ホースなどの補強材や、繊維強化プラスチック、アスベスト代替繊維材料、セメント補強繊維などの産業資材用繊維として用いることができる。
(カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法)
本発明のCNT含有繊維の製造方法は、CNT含有繊維原料を調製する原料調製工程と、調製したCNT含有繊維原料を凝固させた後に高速紡糸する紡糸工程とを含むことを大きな特徴の一つとする。
<原料調製工程>
原料調製工程では、CNTと、繊維原料とを混合してCNT含有繊維原料を調製する。
[カーボンナノチューブ(CNT)]
繊維原料と混合するCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層カーボンナノチューブであることが好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、CNT含有繊維の強度や弾性率を更に向上させることができる。
ここで、CNTとしては、平均直径(Av)に対する直径分布(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満のCNTを用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超のCNTを用いることがより好ましく、3σ/Avが0.50超のCNTを用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを使用すれば、CNTの配合量が少量であっても、CNT含有繊維の強度や弾性率を十分に高めることができると共に、繊維製造時の巻き取り速度を高速化した場合であっても糸切れやフィブリルの発生を十分に抑制することができる。ここで、3σ/Avが0.20以下の場合、CNTを分散させ難く、CNT含有繊維がCNTの凝集塊を含む繊維となり、CNT含有繊維の強度や弾性率を十分に高めることができない虞がある。また、3σ/Avが0.60以上の場合、CNT含有繊維中の単位体積あたりのCNT濃度が不均一となり、均一な特性(例えば、強度および弾性率)が得られない虞がある。
なお、CNTの平均直径(Av)および直径分布(3σ)は、CNTの製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
そして、本発明において、CNTとしては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
更に、CNTは、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、CNTは、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が1以上20以下であることが好ましい。G/D比が1以上20以下であれば、CNTの配合量が少量であっても、CNT含有繊維の強度や弾性率を十分に向上させることができる。
更に、CNTの平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。CNTの平均直径(Av)が0.5nm以上であれば、CNTの凝集を抑制してCNT含有繊維中でのCNTの分散性を高め、強度や弾性率に優れるCNT含有繊維を得ることができる。また、CNTの平均直径(Av)が15nm以下であれば、強度や弾性率に優れるCNT含有繊維を得ることができる。
また、CNTの比表面積は、600m/g以上であることが好ましく、800m/g以上であることが更に好ましく、2500m/g以下であることが好ましく、1200m/g以下であることが更に好ましい。更に、CNTが主として開口したものにあっては、比表面積が1300m/g以上であることが好ましい。CNTの比表面積が600m/g以上であれば、CNT含有繊維の強度や弾性率を十分に向上させることができる。また、CNTの比表面積が2500m/g以下であれば、CNTの凝集を抑制してCNT含有繊維中でのCNTの分散性を高め、強度や弾性率に優れるCNT含有繊維を得ることができる。
なお、本発明において、「比表面積」とは、BET法を用いて測定したBET比表面積を指す。
更に、CNTの質量密度は、0.002g/cm以上0.2g/cm以下であることが好ましい。質量密度が0.2g/cm以下であれば、CNT同士の結びつきが弱くなるので、CNTを均質に分散させ、強度や弾性率に優れるCNT含有繊維を得ることができる。また、質量密度が0.002g/cm以上であれば、CNTの一体性を向上させ、バラけることを抑制できるため取り扱いが容易になる。
また、CNTは、合成時における構造体の長さが100μm以上5000μm以下であることが好ましい。
更に、CNTは、複数の微小孔を有することが好ましい。CNTは、中でも、孔径が2nmよりも小さいマイクロ孔を有するのが好ましく、その存在量としては、マイクロ孔容積で、好ましくは0.40mL/g以上、より好ましくは0.43mL/g以上、更に好ましくは0.45mL/g以上であり、上限としては、通常、0.65mL/g程度である。CNTが上記のようなマイクロ孔を有することで、CNTの凝集が抑制され、CNT含有繊維中でのCNTの分散性が高まり、強度や弾性率に優れたCNT含有繊維を非常に効率的に得ることができる。なお、マイクロ孔容積は、例えば、CNTの調製方法および調製条件を適宜変更することで調整することができる。
ここで、「マイクロ孔容積(Vp)」は、CNTの液体窒素温度(77K)での窒素吸脱着等温線を測定し、相対圧P/P0=0.19における窒素吸着量をVとして、式(I):Vp=(V/22414)×(M/ρ)より、算出することができる。なお、Pは吸着平衡時の測定圧力、P0は測定時の液体窒素の飽和蒸気圧であり、式(I)中、Mは吸着質(窒素)の分子量28.010、ρは吸着質(窒素)の77Kにおける密度0.808g/cmである。マイクロ孔容積は、例えば、「BELSORP(登録商標)−mini」〔日本ベル(株)製〕を使用して容易に求めることができる。
なお、上述した性状を有するCNTは、例えば、日本国特許第4,621,896号公報(欧州特許出願公開第1787955号)、および、日本国特許第4,811,712号公報(米国特許出願公開第2009/297846号)に記載されているカーボンナノチューブ・バルク構造体の製造方法(スーパーグロース法)において、基板表面への触媒層の形成をウェットプロセスにより行い、アセチレンを主成分とする原料ガス(例えば、アセチレンを50質量%以上含むガス)を用いることにより、効率的に製造することができる。
なお、スーパーグロース法とは、CVD法において、原料ガスと共に水などの触媒賦活物質を触媒に接触させることにより、触媒の活性および寿命を著しく増大させる方法である。そして、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
CNTは、そのまま用いてもよいが、特に限定されることなく、ドデシル硫酸ナトリウム等の分散剤の存在下でCNTを水等の溶媒に分散させてなる溶媒分散液の状態としてから、或いは、当該溶媒分散液から水分を除去してなるCNT分散物の状態としてから、繊維原料と混合することができる。そして、CNTの分散は、超音波照射などの既知の手法を用いて行うことができる。なお、前記溶媒分散液を得る際、分散剤の存在下でCNTを溶媒に分散させた後、分散安定剤として、水溶性高分子、好ましくは重合度200〜600のポリビニルアルコールをさらに添加するのが好ましい。
[繊維原料]
繊維原料としては、特に限定されることなく、既知の繊維を含有する繊維原料を用いることができる。具体的には、繊維原料としては、例えば、セルロース繊維を原料として用いた繊維原料およびポリビニルアルコール(PVA)繊維を原料として用いた繊維原料などを用いることができる。なお、強度や弾性率に優れるCNT含有繊維を低コストで製造する観点からは、繊維原料として、セルロース繊維を原料として用いた繊維原料を使用することが好ましい。
ここで、繊維原料は、セルロース繊維やPVA繊維などをそのまま用いてもよいが、特に限定されることなく、それらの繊維を、任意に分散剤の存在下で溶媒中に溶解または分散させて調製することができる。そして、溶媒としては、例えば、DMSO(ジメチルスルホキシド)、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルモルホリン−N−オキシド等の有機溶媒や、水を用いることができる。また、分散剤としては、既知の分散剤を用いることができる。さらに、繊維原料にセルロース繊維を用いる場合、例えば、没色子酸プロピルなどの酸化防止剤を添加するのが好ましい。酸化防止剤を添加することにより、変色の少ない、力学的特性に優れた繊維が得られる。
セルロース繊維としては、特に限定されることなく、レーヨン、ポリノジックレーヨン、キュプラ、テンセル(商標)、リヨセル(商標)などのセルロース系再生繊維、および、綿、亜麻(リネン)、ラミー、バナナ、竹、ケナフ、月桃、ヘンプ、カポック等のセルロース系天然繊維などを用いることができる
ここで、高強度繊維を得るという観点からは、セルロース繊維として、比較的高分子量(重合度が1000〜1400程度)で物性の高い良質のパルプを原料とするレーヨンを用いることが好ましい。
一方、価格という観点からは、セルロース繊維として、サトウキビ由来のバガスなどから得られる低分子量の安価なセルロース繊維を用いることが好ましい。ここで、低分子量とは、重合度が800以下であることを指し、より好適には重合度が200〜600程度である。なお、本発明に係る製造方法を用いてCNT含有繊維を調製すれば、低分子量のセルロース繊維を用いた場合であっても、強度および弾性率が十分に高い繊維を得ることができる。
なお、本発明において「重合度」とは平均重合度を意味し、公知の方法に従い、繊維の銅/アンモニア水溶液を使用し、ウベローデ型粘度計を用いて測定することができる。
PVA繊維としては、特に限定されることなく、例えば、重合度が1000以上4000以下のPVAからなる繊維を挙げることができる。なお、PVAのケン化度については、特に大きな制限はないが、90モル%以上が好ましい。また、得られるCNT含有繊維の耐熱性、耐水性の観点からは、ケン化度は99モル%以上であることが更に好ましい。
なお、PVAは、他のビニル基を有する単量体単位を若干含んでいてもよく、例えば酢酸ビニル由来の単量体単位、エチレン由来の単量体単位、ポリエチレングリコール由来の単量体単位などを含んでいてもよい。
[CNT含有繊維原料の調製]
CNT含有繊維原料は、上述したCNTと、上述した繊維原料とを、撹拌、混練等を行いつつ均一に混合することにより得ることができる。なお、CNT含有繊維原料には、CNTや繊維原料の分散性を阻害しない範囲において、各種アルコール類、多糖類、界面活性剤などを配合してもよい。
ここで、CNTと繊維原料との混合は、例えば超音波、ホモジナイザー、ジェットミルおよび高剪断撹拌装置などの従来公知の装置を用いて行うことが可能である。そして、混合の際には、加熱をしつつ混合してもよい。例えば、繊維原料がセルロース繊維を原料として用いたものの場合、混練機の中に充填した繊維原料(セルロース溶液)中にCNTを押し出し、当該溶液を撹拌し、練り合わせることなどによりCNTと繊維原料とを混合することができる。
なお、CNTと繊維原料との混合は、例えば下記(1)〜(3)の何れかの方法を用いて行うことができる。
(1)溶媒を含む繊維原料に、CNTまたはCNT分散物を添加する方法
(2)溶媒を含む繊維原料と、CNTの溶媒分散液とを混合する方法
(3)CNTの溶媒分散液に固体の繊維原料を添加する方法
なお、CNT含有繊維原料中でCNTを均一に分散させることによりCNT含有繊維中でのCNTの分散性を高め、強度や弾性率に優れるCNT含有繊維を得る観点からは、CNT含有繊維原料の調製方法としては、上記(1)または(2)の方法が好ましい。
そして、上述のようにしてCNTと繊維原料とを混合して得たCNT含有繊維原料中でのCNTの分散状態は、特に限定されないが、目視での凝集塊が存在せず、均一であり、分散処理開始前からのCNTのG/D比の減少幅がより少ない分散状態であることが好ましい。
ここで、上述した原料調製工程において混合するCNTと繊維原料との比率は、CNT含有繊維原料を用いて調製するCNT含有繊維に求められる性能(強度や弾性率)と、製造に要するコストとを勘案して決定することができる。
通常は、CNT含有繊維原料中のCNTの含有量を高めるほど得られるCNT含有繊維の強度や弾性率は向上する一方、製造コストは増加する。そこで、本発明に係るCNT含有繊維の製造方法では、例えばセルロース繊維を原料として用いた繊維原料を使用する場合には、原料調製工程において、セルロース繊維100質量部当たりのCNTの含有量が0.01質量部以上1.0質量部以下の割合となるようにCNTと繊維原料とを混合することが好ましく、CNTの含有量は、0.05質量部以上0.2質量部以下の割合とすることが更に好ましい。本発明に係るCNT含有繊維の製造方法を使用すれば、セルロース繊維100質量部当たりのCNTの含有量が1.0質量部以下であっても、CNT含有繊維の強度や弾性率を十分に向上させることができる。従って、高価なCNTの使用量を抑制して、製造コストを低減することができる。なお、セルロース繊維100質量部当たりのCNTの含有量を0.01質量部以上とすれば、CNT配合による効果が十分に得られる。
<紡糸工程>
紡糸工程では、上述した原料調製工程で得られたCNT含有繊維原料を湿式凝固法により凝固させた後、巻き取り速度20m/s以上60m/s以下で高速紡糸し、CNT含有繊維を調製する。
[湿式凝固法によるCNT含有繊維原料の凝固]
湿式凝固法は、溶媒に溶かした繊維原料を凝固浴(水などの、繊維原料を溶かさない液体を満たした浴)に吐出し、凝固させる紡糸法である。そして、湿式凝固法では、繊維原料が凝固する際に組織化する。具体的には、湿式凝固法では、繊維原料は組織化し、一部が結晶化した状態で凝固する。
従って、本発明に係るCNT含有繊維の製造方法では、CNT含有繊維原料が凝固浴中で凝固し、CNTを含有する凝固物が生じる。具体的には、本発明に係るCNT含有繊維の製造方法では、例えば複数の吐出口を有する口金からCNT含有繊維原料を吐出させて凝固浴中で凝固させると、CNTを含有する繊維束(凝固物)が得られる。
なお、CNT含有繊維原料を凝固させる液体としては、特に限定されることなく、水や、N−メチルモルホリン−N−オキシド水溶液などが挙げられる。また、凝固条件としては、従来の湿式凝固法で用いられている条件を採用することができる。CNT含有繊維原料を凝固浴中に吐出する速度は、製造する繊維の繊度と巻き取り速度に応じて適宜決定すればよい。
なお、CNT含有繊維原料は、任意に空気層(エアギャップ)を通した後に凝固浴で凝固させるのが好ましい。空気層を通過させれば、CNT含有繊維原料中のCNTおよび繊維の分子構造を、吐出方向(繊維軸方向)に良好に配列させた状態で、CNT含有繊維原料を凝固させることができる。
[高速紡糸]
CNT含有繊維原料を凝固させて得た凝固物は、任意に水洗および乾燥した後、高速回転するローラなどを用いて、20m/s以上60m/s以下の巻き取り速度、好ましくは20m/s以上50m/s以下、より好ましくは25m/s以上50m/s以下の巻き取り速度で巻き取られ(即ち、高速紡糸され)、CNT含有繊維となる。なお、凝固物を高速で巻き取ってCNT含有繊維とする際には、凝固と脱溶媒が一層進行するとともに延伸が同時に行われ、CNTが繊維軸方向に配向される。
ここで、巻き取り速度を60m/s超とした場合には、糸切れが激しく、少量のCNT含有繊維しか製造できないか、或いは、繊維のフィブリル化により得られるCNT含有繊維の物性がばらつき、実用に適した繊維を得ることはできない。また、巻き取り速度を20m/s未満とした場合にも、CNT含有繊維が容易にフィブリル化し、強度が不十分となる。
(カーボンナノチューブ含有繊維)
本発明のCNT含有繊維は、上述したCNT含有繊維の製造方法を用いて製造されることを大きな特徴の一つとする。
そして、本発明のCNT含有繊維は、CNTを含有しており、且つ、上述したCNT含有繊維の製造方法を用いて製造されるので、強度および弾性率に優れている。
<CNT含有繊維の物性>
具体的には、本発明のCNT含有繊維は、例えば、1GPa以上2GPa以下の引っ張り強度を有する高強度繊維である。引っ張り強度が1GPa以上であれば、産業資材としての使用に十分に耐えることができる。また、引っ張り強度が2GPa以下であれば、上述したような高い巻き取り速度で効率的に製造することができる。
また、本発明のCNT含有繊維は、例えば、50GPa以上100GPa以下の初期引っ張り弾性率を有する高弾性率繊維である。初期引っ張り弾性率が50GPa以上であれば、産業資材としての使用に十分に耐えることができる。また、初期引っ張り弾性率が100GPa以下であれば、上述したような高い巻き取り速度で効率的に製造することができる。
<CNT含有繊維の構造>
そして、本発明のCNT含有繊維は、CNTの配向度が、繊維横断面内の中心部よりも外周部において低いことが好ましい。CNTは、繊維の分子構造同士(例えば、セルロース繊維においては、セルロース結晶構造同士)を固く結束させることで繊維の強度(特に、引っ張り強度)を増加させるため、繊維軸方向に配向されるCNTの度合いが中心部よりも外周部において高い場合、繊維表面に近いCNTが剥離する可能性が相対的に高まり、繊維の強度を損なう虞があるからである。一方、繊維横断面内の中心部よりも外周部においてCNTの配向度を低くすれば、CNTが剥離する可能性を相対的に低くして、より高い強度の繊維を得ることが可能となる。
なお、繊維横断面内におけるCNTの配向度は、高速紡糸する際の巻き取り速度を調整することにより制御することができ、例えば巻き取り速度を高速とするほど、中心部のCNTの配向度が高くなり、外周部のCNTの配向度が低くなる。
以下、本発明について実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<SGCNT−1の準備>
使用したSGCNT−1は、BET比表面積が1050m/gであり、マイクロ孔容積が0.44mL/gであり、ラマン分光光度計での測定において、単層CNTに特長的な100〜300cm−1の低波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)のスペクトルが観察された。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に100本のSGCNT−1の直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、直径分布(3σ)が1.9nm、それらの比(3σ/Av)が0.58であった。
<SGCNT含有繊維原料の調製>
次いで、SGCNT−1 3.6mgに、ドデシル硫酸ナトリウム36mgと、水15gとを加え、超音波照射によりSGNCT−1を分散させた。その後、濃度5質量%の完全ケン価PVA(重合度500)の水溶液を5g添加し、再び超音波照射したのち、水分を除去し、SGCNT分散物を得た。
次に、N−メチルモルホリン−N−オキシド一水和物に、サトウキビ由来のバガスから抽出したセルロース3.6g及びセルロース固形分100質量部に対して0.25質量部の割合の没色子酸プロピルを添加して繊維原料を準備した。そして、SGCNT分散物と繊維原料とを混合し、ホモジナイザーで加熱分散してSGCNT含有繊維溶液を得た。なお、使用したセルロースの重合度は384であった。得られた溶液を、温度100℃、減圧下で濃縮し、セルロース固形分10質量部(紡糸液100質量部当たり)のSGCNT含有繊維紡糸液を得た。
<SGCNT含有繊維の製造および評価>
得られたSGCNT含有繊維原料を、内径150μmの吐出口が800個ある直径120mmの口金から吐出させ、50mmの空気層を通した後に濃度10質量%のN−メチルモルホリン−N−オキシド水溶液中で凝固させ、繊維束(凝固物)を得た。次に、得られた繊維束を十分水洗して乾燥させた後、巻き取り速度30m/sで巻き取り、SGCNT含有繊維を製造した。
そして、得られたSGCNT含有繊維について、引張試験機(テンシロン)を用いて引張試験(測定条件:温度20℃、相対湿度65%、引張速度100%/min)を行い、引っ張り強度、初期引っ張り弾性率および伸度を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
SGCNT−1の使用量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてSGCNT含有繊維原料およびSGCNT含有繊維を製造し、得られたSGCNT含有繊維の物性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
セルロースを、パルプより得たセルロース(重合度:1010)に変更し、繊維束の巻き取り速度を25m/sとした以外は、実施例2と同様にしてSGCNT含有繊維原料およびSGCNT含有繊維を製造し、得られたSGCNT含有繊維の物性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
SGCNT−1を配合せず、繊維束の巻き取り速度を5m/sとした以外は、実施例1と同様にして繊維原料および繊維を製造し、得られた繊維の物性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
セルロースを、パルプより得たセルロース(重合度:1010)に変更した以外は、比較例1と同様にして繊維原料および繊維を製造し、得られた繊維の物性を実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
SGCNT−1を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして繊維原料および繊維を製造しようとしたが、糸切れが激しく繊維が得られなかった。
(比較例4)
繊維束の巻き取り速度を5m/sとした以外は、実施例3と同様にしてSGCNT含有繊維原料およびSGCNT含有繊維を製造した。SGCNT含有繊維はどうにか得られたが、指でこするとすぐフィブリル化した。繊維横断面を観察したところ、CNTの配向度が、繊維横断面内の中心部よりも外周部において高い傾向が見られた。
(比較例5)
SGCNT−1を配合しなかった以外は、実施例3と同様にして繊維原料および繊維を製造しようとしたが、糸切れが激しく、わずかに得られた繊維はフィブリル化しており、引っ張り強度および初期引っ張り弾性率が低く、物性にばらつきが見られた。
Figure 2015105441
表1より、CNTを含有させ、かつ、高速紡糸することにより製造された実施例1〜3のCNT含有繊維は、強度および弾性率に優れることが分かる。一方、比較例1〜2では、十分な強度の繊維が得られなかった。また、比較例3、5では、繊維の製造が困難であった。更に、比較例4では、CNTを含有させたが、高速紡糸を行わなかったところ、繊維の強度が不十分となった。また、実施例2より、本発明の製造方法によれば、セルロース繊維の重合度が小さく、かつ、CNTの配合量が少なくても、強度および弾性率に優れる繊維を提供し得ることが分かる。なお、製造効率は、巻き取り速度に比例し、巻き取り速度が大きいほど向上した。
本発明によれば、高強度で高弾性率のCNT含有繊維を高速紡糸にて効率的に製造することができる。また、本発明によれば、高強度で高弾性率のCNT含有繊維を提供することができる。

Claims (8)

  1. カーボンナノチューブと繊維原料とを混合し、カーボンナノチューブ含有繊維原料を調製する原料調製工程と、
    前記カーボンナノチューブ含有繊維原料を湿式凝固法により凝固させた後、巻き取り速度20m/s以上60m/s以下で高速紡糸する紡糸工程と、
    を含む、カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法。
  2. 前記カーボンナノチューブは、平均直径(Av)と直径分布(3σ)とが、関係式:
    0.20<(3σ/Av)<0.60
    を満たす、請求項1に記載のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法。
  3. 前記繊維原料は、セルロース繊維を原料として用いた繊維原料である、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法。
  4. 前記原料調製工程において、前記セルロース繊維100質量部当たり、0.01質量部以上1.0質量部以下の割合で前記カーボンナノチューブを混合する、請求項3に記載のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有繊維の製造方法によって製造された、カーボンナノチューブ含有繊維。
  6. 引っ張り強度が1GPa以上2GPa以下である、請求項5に記載のカーボンナノチューブ含有繊維。
  7. 初期引っ張り弾性率が50GPa以上100GPa以下である、請求項5または6に記載のカーボンナノチューブ含有繊維。
  8. 繊維横断面内の中心部よりも外周部においてカーボンナノチューブの配向度が低い、請求項5〜7のいずれかに記載のカーボンナノチューブ含有繊維。
JP2013246395A 2013-11-28 2013-11-28 カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法およびカーボンナノチューブ含有繊維 Active JP6316577B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013246395A JP6316577B2 (ja) 2013-11-28 2013-11-28 カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法およびカーボンナノチューブ含有繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013246395A JP6316577B2 (ja) 2013-11-28 2013-11-28 カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法およびカーボンナノチューブ含有繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015105441A true JP2015105441A (ja) 2015-06-08
JP6316577B2 JP6316577B2 (ja) 2018-04-25

Family

ID=53435747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013246395A Active JP6316577B2 (ja) 2013-11-28 2013-11-28 カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法およびカーボンナノチューブ含有繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6316577B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015105442A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 豊田通商株式会社 ゴム構造体補強用繊維及びその製造方法
CN105506771A (zh) * 2015-10-27 2016-04-20 济南圣泉集团股份有限公司 一种复合聚酯纤维、其制备方法和用途
CN106283770A (zh) * 2016-08-09 2017-01-04 中国水产科学研究院东海水产研究所 远洋渔业用绳加工方法
CN108708076A (zh) * 2018-04-09 2018-10-26 南京捷纳思新材料有限公司 湿纺制备核壳结构聚氨酯-碳纳米管导电无纺布的方法
KR20190140281A (ko) * 2018-06-11 2019-12-19 한국전기연구원 탄소나노튜브 나노복합 전도성 다섬유 및 그 제조방법
US10519268B2 (en) 2015-10-27 2019-12-31 Jinan Shengquan Group Share Holding Co., Ltd. Composite polyurethane foam comprising graphene, processes for preparing the same use thereof
US10689501B2 (en) 2015-10-27 2020-06-23 Jinan Shengquan Group Share Holding Co., Ltd. Composite polyester material, composite polyester fiber, processes for preparing the same and uses thereof
WO2021015078A1 (ja) 2019-07-24 2021-01-28 オーミケンシ株式会社 カーボンナノチューブ含有セルロース繊維およびその製造方法
JP2022515537A (ja) * 2018-12-28 2022-02-18 レンチング アクチエンゲゼルシャフト セルロースフィラメント糸又は繊維から液体除去するプロセス

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6119805A (ja) * 1984-07-03 1986-01-28 Asahi Chem Ind Co Ltd 高速度湿式紡糸方法およびその装置
JPH06298999A (ja) * 1993-02-16 1994-10-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd セルロース成形用溶液及びそれを用いる成形方法
JPH07268718A (ja) * 1994-03-29 1995-10-17 Asahi Chem Ind Co Ltd 再生セルロース繊維の湿式紡糸法
WO2004050764A1 (ja) * 2002-12-04 2004-06-17 Teijin Limited 全芳香族ポリアミドとカーボンナノチューブとからなるコンポジットファイバー
US20060073329A1 (en) * 2004-08-20 2006-04-06 Boyce Mary C Filler-enhanced polymeric fibers with improved mechanical properties and method for making
US20070290397A1 (en) * 1999-08-16 2007-12-20 Newman Gerard K Method for forming a fibers/composite material having an anisotropic structure
JP2009197365A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Toray Ind Inc 炭素繊維前駆体繊維の製造方法、及び、炭素繊維の製造方法
JP2011208327A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Shinshu Univ コンポジット繊維およびコンポジット繊維の製造方法
WO2013080912A1 (ja) * 2011-11-28 2013-06-06 日本ゼオン株式会社 カーボンナノチューブ組成物の製造方法及びカーボンナノチューブ組成物

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6119805A (ja) * 1984-07-03 1986-01-28 Asahi Chem Ind Co Ltd 高速度湿式紡糸方法およびその装置
JPH06298999A (ja) * 1993-02-16 1994-10-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd セルロース成形用溶液及びそれを用いる成形方法
JPH07268718A (ja) * 1994-03-29 1995-10-17 Asahi Chem Ind Co Ltd 再生セルロース繊維の湿式紡糸法
US20070290397A1 (en) * 1999-08-16 2007-12-20 Newman Gerard K Method for forming a fibers/composite material having an anisotropic structure
WO2004050764A1 (ja) * 2002-12-04 2004-06-17 Teijin Limited 全芳香族ポリアミドとカーボンナノチューブとからなるコンポジットファイバー
US20060188718A1 (en) * 2002-12-04 2006-08-24 Hideaki Nitta Composite fiber including wholly aromatic polyamide and carbon nanotube
US20060073329A1 (en) * 2004-08-20 2006-04-06 Boyce Mary C Filler-enhanced polymeric fibers with improved mechanical properties and method for making
JP2009197365A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Toray Ind Inc 炭素繊維前駆体繊維の製造方法、及び、炭素繊維の製造方法
JP2011208327A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Shinshu Univ コンポジット繊維およびコンポジット繊維の製造方法
WO2013080912A1 (ja) * 2011-11-28 2013-06-06 日本ゼオン株式会社 カーボンナノチューブ組成物の製造方法及びカーボンナノチューブ組成物

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015105442A (ja) * 2013-11-28 2015-06-08 豊田通商株式会社 ゴム構造体補強用繊維及びその製造方法
CN105506771A (zh) * 2015-10-27 2016-04-20 济南圣泉集团股份有限公司 一种复合聚酯纤维、其制备方法和用途
US10519268B2 (en) 2015-10-27 2019-12-31 Jinan Shengquan Group Share Holding Co., Ltd. Composite polyurethane foam comprising graphene, processes for preparing the same use thereof
US10689501B2 (en) 2015-10-27 2020-06-23 Jinan Shengquan Group Share Holding Co., Ltd. Composite polyester material, composite polyester fiber, processes for preparing the same and uses thereof
CN106283770A (zh) * 2016-08-09 2017-01-04 中国水产科学研究院东海水产研究所 远洋渔业用绳加工方法
CN108708076A (zh) * 2018-04-09 2018-10-26 南京捷纳思新材料有限公司 湿纺制备核壳结构聚氨酯-碳纳米管导电无纺布的方法
KR20190140281A (ko) * 2018-06-11 2019-12-19 한국전기연구원 탄소나노튜브 나노복합 전도성 다섬유 및 그 제조방법
KR102556948B1 (ko) 2018-06-11 2023-07-18 한국전기연구원 탄소나노튜브 나노복합 전도성 다섬유 및 그 제조방법
JP2022515537A (ja) * 2018-12-28 2022-02-18 レンチング アクチエンゲゼルシャフト セルロースフィラメント糸又は繊維から液体除去するプロセス
JP7140923B2 (ja) 2018-12-28 2022-09-21 レンチング アクチエンゲゼルシャフト セルロースフィラメント糸又は繊維から液体除去するプロセス
WO2021015078A1 (ja) 2019-07-24 2021-01-28 オーミケンシ株式会社 カーボンナノチューブ含有セルロース繊維およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6316577B2 (ja) 2018-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6316577B2 (ja) カーボンナノチューブ含有繊維の製造方法およびカーボンナノチューブ含有繊維
JP5544510B2 (ja) コンポジット繊維およびコンポジット繊維の製造方法
Xu et al. Fabrication of high strength PVA/SWCNT composite fibers by gel spinning
JP7224256B2 (ja) カーボンナノチューブ含有セルロース繊維およびその製造方法
US20220033529A1 (en) Regenerated cellulosic fibres spun from an aqueous alkaline spindope
Chen et al. Regenerated bacterial cellulose/multi-walled carbon nanotubes composite fibers prepared by wet-spinning
JP6442160B2 (ja) カーボンナノチューブ複合材料の製造方法
Kou et al. A mini review on nanocarbon-based 1D macroscopic fibers: assembly strategies and mechanical properties
JP5536439B2 (ja) 高強度かつ高弾性率の炭素繊維を得るための前駆体繊維の製造方法
RU2757283C2 (ru) Способ формования профилированных изделий, включающих углеродные нанотрубки
JP5251524B2 (ja) 高強度かつ高弾性率の炭素繊維を得るための前駆体繊維の製造方法
JP5257813B2 (ja) ポリビニルアルコール系コンポジット繊維およびその製造方法
Jiang et al. Composite fibers prepared from multi-walled carbon nanotubes/cellulose dispersed/dissolved in ammonium/dimethyl sulfoxide mixed solvent
Zhang et al. High‐strength regenerated cellulose fibers spun from 1‐butyl‐3‐methylimidazolium chloride solutions
Fu et al. Composite fibers from poly (vinyl alcohol) and poly (vinyl alcohol)‐functionalized multiwalled carbon nanotubes
Zhang et al. Dry‐jet wet‐spun PAN/MWCNT composite fibers with homogeneous structure and circular cross‐section
Jee et al. Effects of wet-spinning conditions on structures, mechanical and electrical properties of multi-walled carbon nanotube composite fibers
JPWO2011102400A1 (ja) 高強度かつ高弾性率の炭素繊維を得るための前駆体繊維の製造方法
Uddin et al. A novel approach to reduce fibrillation of PVA fibres using cellulose whiskers
JP2015074855A (ja) ポリビニルアルコール系コンポジット繊維およびその製造方法
JP6424000B2 (ja) ゴム構造体補強用繊維及びその製造方法
Nasri-Nasrabadi et al. Surface nanogrooving of carbon microtubes
JP4582819B1 (ja) 高強度ポリアクリロニトリル系炭素繊維の製造方法
JP3829954B2 (ja) 中空断面再生セルロース繊維およびその製法
Hu et al. Poly (vinyl alcohol) fibers with excellent mechanical properties produced by reinforcement of single-walled graphene oxide nanoribbons with complete morphology obtained by freeze-drying

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170704

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6316577

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250