JP2015104913A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な接着強度を有し、接着後の表面外観にも優れ、かつ、接着対象の材料の制限を緩和できる積層体を提供すること。【解決手段】樹脂層11と、樹脂層11の表面上に形成された、下記式(1)で表される化合物を含有する接着層12と、を含む、積層体1。(式中、R1、R2及びR3は、各々独立して、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R4は、炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。)【選択図】図1

Description

本発明は、積層体に関する。
フレキシブル配線板(FPC基板)等に用いられる金属張積層体として、例えば、ポリイミドやポリエチレンテレフタレート等の絶縁性を有する樹脂製のベースフィルム上に、導電性を有する金属箔を積層したものが用いられている。このようなベースフィルム上に金属箔を積層させる手法としては、エポキシ系接着剤やアクリル系接着剤によってベースフィルムと金属箔を接着する手法が挙げられる。また、湿式めっきによってベースフィルム上に金属を積層させる手法により金属張積層体を作製する方法がある。例えば、特許文献1には、ポリマー製基板上に金属めっき膜を形成する方法として、アジド基やトリアジン環を有する化合物を用いる技術が開示されている。
特許4936344号公報
しかしながら、湿式めっきによってベースフィルム上に金属を積層させる手法は、その性質上電解金属箔の場合と同じ制限を受ける。すなわち電解金属箔を用いた積層体は、圧延金属箔を用いた積層体よりも耐屈曲性に劣る。そのため、電子機器のヒンジ部等に実装されて折り曲げられた際に、部品の破断や変形が生じやすく、電子機器の電気的特性に悪影響を与えたりするという問題もある。そして、積層体上の電解金属の厚みを厚くするにはめっき時間を長くしなければならないため、生産時の歩留まりが悪く、経済性に劣るという問題もある。
エポキシ系接着剤やアクリル系接着剤等によってベースフィルムと金属箔を接着する手法では、接着力を確保するために接着剤の層(接着層)を厚くする必要がある。そうすると、接着剤とベースフィルムや金属箔との熱膨張率の差が大きいため、金属箔をエッチングした際に積層体がカールし、寸法安定性が悪いという問題がある。また、接着層が厚いため、ACF接続やはんだ接続のための熱圧着時に、回路が沈み込む等といった変形が生じ易いといった問題もある。
また、より接着力を増すために金属箔の表面に粗化処理を施す場合、このような金属箔を用いた積層体をFPC基板等の精密電子部品等に用いると、電気的特性に悪影響を与えるという問題がある。かかる問題は、特に金属箔として銅箔を用いた場合やベースフィルムとしてポリイミドフィルムを用いた場合等に顕著となる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、十分な接着強度を有し、接着後の表面外観にも優れ、かつ、接着対象の材料の制限が緩和できる積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、樹脂層と、樹脂層の表面上に形成された、特定の構造を有する化合物を含有する接着層と、を含む積層体とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
樹脂層と、
前記樹脂層の表面上に形成された、下記式(1)で表される化合物を含有する接着層と、を含む、積層体。
(式中、R1、R2及びR3は、各々独立して、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R4は、炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。)
〔2〕
前記樹脂層が積層された表面と反対の前記接着層の表面上に形成された金属箔層を、更に含む、〔1〕に記載の積層体。
〔3〕
前記接着層が積層された表面と反対の前記樹脂層の表面上に形成された金属箔層を、更に含む、〔1〕に記載の積層体。
〔4〕
第1の金属箔層と、
前記第1の金属箔層の表面上に形成された第1の樹脂層と、
前記第1の樹脂層の表面上に形成された接着層と
前記接着層の表面上に形成された第2の樹脂層と、
前記第2の樹脂層の表面上に形成された第2の金属箔層と、をこの順で含み、
前記接着層は、下記式(1)で表される化合物を含有する、積層体。
(式中、R1、R2及びR3は、各々独立して、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R4は、炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。)
〔5〕
前記式(1)のR1、R2、及びR3は、各々独立して、炭素数1〜4の直鎖の炭化水素基である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の積層体。
〔6〕
前記式(1)のR4は、炭素数1〜3の直鎖の炭化水素基である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の積層体。
〔7〕
前記式(1)は、下記式(2)である、〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の積層体。
〔8〕
前記樹脂層が、ポリイミド層である、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の積層体。
〔9〕
前記金属箔層が、銅箔層である、〔2〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の積層体。
本発明によれば、十分な接着強度を有し、接着後の表面外観にも優れ、かつ、接着対象の材料の制限を緩和できる積層体を提供することができる。
本実施形態の積層体の第1の態様の概略断面図である。 本実施形態の積層体の第2の態様の概略断面図である。 本実施形態の積層体の第3の態様の概略断面図である。 本実施形態の積層体の第4の態様の概略断面図である。 本実施形態の積層体の第5の態様の概略断面図である。 本実施形態の積層体の第6の態様の概略断面図である。 実施例の引き剥がし強さの評価で用いたサンプルの上面概略図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、図面中、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。更に、図面中、共通する要素については重複する説明は省略する。
(積層体)
図1は、本実施形態の積層体の第1の態様の概略断面図を表す。本実施形態の積層体の第1の態様は、樹脂層と、樹脂層の表面上に形成された、下記式(1)で表される化合物を含有する接着層と、を含む積層体である。積層体1は、樹脂層11と、樹脂層11の表面上に形成された接着層12と、を含む。接着層12は、上述した式(1)で表される化合物を含有する。積層体1は、例えば、接着層12を介して、他の部材と接着することができる。他の部材としては、例えば、他の金属箔や樹脂等が挙げられる。さらに、本実施形態の積層体は、フィルム(シートと呼ばれることもある。)状の樹脂層11の上に接着層12が形成された、いわゆるポリマーフィルム等といった態様をとることもできる。
(式中、R1、R2及びR3は、各々独立して、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R4は、炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。)
反応性の観点から、R1、R2、及びR3は、各々独立して、炭素数1〜4の直鎖の炭化水素基であることが好ましく、炭素数2又は3の直鎖の炭化水素基であることがより好ましい。
1、R2、及びR3の具体例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基、n−ヘキシレン基、i−ヘキシレン基等が挙げられる。これらの中でも、溶解性及び反応性の観点から、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基がより好ましく、エチレン基が更に好ましい。
溶解性及び反応性の観点から、R4は、炭素数1〜3の直鎖の炭化水素基であることが好ましい。
4の具体例としては、例えば、エチル基、メチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基等が挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が好ましく、エチル基、メチル基、n−プロピル基がより好ましく、n−プロピル基が更に好ましい。
式(1)で表される化合物の製造方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用することもできる。例えば、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンにアルコキシシラン化合物を反応させ、次いでアミン化合物を反応させる方法等が挙げられる。
式(1)で表される化合物の具体例としては、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
接着層12の厚みは、特に限定されないが、1nm〜500nmであることが好ましく、1nm〜400nmであることがより好ましく、5nm〜300nmであることが更に好ましい。本実施形態では、式(1)で表される化合物を含むことで接着層の接着性等を発現させるが、当該化合物を用いることで単分子層(若しくはそれに近い薄層)とすることができる。これにより、式(1)で表される化合物と樹脂層表面の分子や金属箔層表面の分子との間の分子間力が効率的に相互作用を及ぼし接着がより強固となる。
接着層12は、式(1)で表される化合物の他に、各種溶剤、添加剤等を含んでいてもよい。なお、樹脂層11の表面上に接着層12を形成する方法としては、特に限定されず、種々の方法を採用することができる。例えば、溶剤を用いて式(1)で表される化合物の溶液とし、これを公知の手法によって樹脂層11に塗布及び乾燥すること等が挙げられる。塗布手段としては、例えば、スプレー、ローラーコーター等が挙げられる。
溶剤を用いて溶液とする場合、溶液中における式(1)で表される化合物の含有量は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.01〜5質量%であり、更に好ましくは0.1〜2質量%である。かかる含有量とすることで、極薄な塗膜を形成することができる。
溶剤としては、例えば、水、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、セルソルブ、カルビトール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデンカン、オクタデカン)、エステル(例えば、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、フタル酸メチル)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、エチルブチルエーテル、アニソール)等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性という観点から、水、アルコール等が好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の積層体1は、接着層12を介して他の部材を更に積層させることもでき、種々の構成の積層体とすることができる。以下、本実施形態がとり得る種々の態様について、更に例示する。
図2は、本実施形態の積層体の第2の態様の概略断面図を表す。本実施形態の積層体の第2の態様としては、例えば、積層体1の樹脂層11が積層された表面と反対側の接着層12の表面に形成された金属箔層23を、更に含む積層体2が挙げられる。積層体2は、フィルム状の樹脂層11と金属箔層23が、接着層12を介して接着された、積層体として用いることもできる。すなわち、積層体2は、金属箔層23、接着層12、及び樹脂層11をこの順に含む積層体2であり、金属箔層23が1層のみ形成されている片面積層体である。
積層体2の作製方法としては、例えば、積層体1の接着層12の表面と、金属箔層23の表面とを重ね合わせて熱圧着することで、一体化する方法等が挙げられる。熱圧着の条件は、特に限定されず、適宜好適な条件を採用することができる。加熱温度は、50〜400℃であることが好ましく、100〜400℃であることがより好ましく、150〜300℃であることが更に好ましい。また、熱圧着の際には、減圧してもよい。これにより熱圧着の際に層間に侵入した気体などの除去が容易になる。
図3は、本実施形態の積層体の第1の態様の概略断面図を表す。本実施形態の積層体の第3の態様としては、例えば、積層体1の接着層12が積層された表面と反対側の樹脂層11の表面に形成された金属箔層33を、更に含む積層体3が挙げられる。なお、積層体3は、必ずしも、積層体1の構造を前提とする必要はなく、例えば、接着層32、樹脂層31、及び金属箔層33をこの順で含み、接着層32は、式(1)で表される化合物を含む構成であってもよい。この場合、積層体3は、接着層32/樹脂層31/金属箔層33の構成を有する積層体である。このような積層体3は、金属箔層33が1層のみ形成されている片面積層体である。
積層体3の作製方法としては、例えば、金属箔層33と樹脂層31を有する銅箔積層体の、樹脂層31の表面に式(1)で表される化合物を含有する溶液を塗布し、乾燥させることによって、樹脂層31の表面上に接着層32を形成させる方法等が挙げられる。かかる積層体3は、接着層32を接着面として、金属箔層や樹脂層を含む他の部材等と強固に接着することができる。よって、積層体3も、多層の銅張積層体の部材としても好適に用いることができる。
図4は、本実施形態の積層体の第4の態様の概略断面図を表す。積層体4は、金属箔層431/接着層421/樹脂層41/接着層422/金属箔層432の順に積層された積層体であり、金属箔層431、432が2層形成されている両面積層体である。
積層体4は、例えば、以下の方法によって製造できる。まず、樹脂層41の両面に式(1)で表される化合物を含む溶液を塗布し、乾燥させることによって、樹脂層41の両面に接着層421、422を形成させる。そして、接着層421と金属箔層431を重ね合わせ、かつ、接着層422と金属箔層432を重ね合わせるようにして、熱圧着することで一体化する方法等が挙げられる。或いは、積層体2(図2参照)の樹脂層11の表面に式(1)を含む接着層(図示せず)を形成させ、それと他の金属箔層(図示せず)を熱圧着する方法等も挙げられる。
図5は、本実施形態の積層体の第5の態様の概略断面図を表す。積層体5は、第1の金属箔層531と、第1の金属箔層531の表面上に形成された第1の樹脂層511と、第1の樹脂層511の表面上に形成された接着層52と、接着層52の表面上に形成された第2の樹脂層512と、第2の樹脂層512の表面上に形成された第2の樹脂層532と、をこの順で含み、接着層52は、式(1)で表される化合物を含有する、積層体5である。すなわち、積層体5は、金属箔層531/樹脂層511/接着層52/樹脂層512/金属箔層532の順に積層された積層体であり、金属箔層531、532が2層形成されている両面積層体である。
積層体5の作製方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。まず、金属箔層531と樹脂層511を有する銅箔積層体と、金属箔層532と樹脂層512を有する銅箔積層体とを用意する。これらの銅箔積層体は樹脂フィルム等の市販品を用いることもできる。銅箔積層体の樹脂層511の表面に式(1)で表される化合物を含む溶液を塗布し、乾燥させることによって、樹脂層511の表面に接着層52を形成させる。そして、接着層52と樹脂層512を重ね合わせるようにして、2枚の銅箔積層体を熱圧着させる方法等が挙げられる。
あるいは、接着層32/樹脂層31/金属箔層33の層構成である積層体3(図3参照)を用意し、上述した金属箔層531と樹脂層511を有する銅箔積層体と熱圧着する方法等も挙げられる。この場合、接着層32と樹脂層511を重ね合わせるように熱圧着する。
図6は、本実施形態の積層体の第6の態様の概略断面図を表す。積層体6は、金属箔層63/接着層32/樹脂層31/金属箔層33の順に積層された積層体であり、2層の金属箔層63、33が形成されている両面積層体である。
積層体6の作製方法としては、例えば、接着層32/樹脂層31/金属箔層33の層構成である積層体3(図3参照)を用意し、その接着層32と金属箔層63を重ね合わせるようにして、熱圧着することで一体化する方法等が挙げられる。
上述した、本実施形態の各積層体は、その接着層に式(1)で表される化合物を含有することで、ポリイミド等をはじめとする種々の樹脂や、銅等をはじめとする種々の金属に対して強固な接着力を発揮できる。銅等の金属に対して強固な接着力を発揮できる理由としては、定かではないが、銅等の金属表面に存在するヒドロキシ基(OH)と、式(1)の−Si(OR43基が加水分解することによって生じるシラノール基(−Si(OH)3)とが、縮合反応により結合するためであると推測される(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
また、ポリイミド等の樹脂に対して強固な接着力を発揮できる理由としては、定かではないが、銅等の金属表面と同様に樹脂表面に存在するヒドロキシ基とシラノール基との縮合反応による結合や、式(1)の−NH2基の水素とポリイミド等の樹脂に存在するカルボニル基(例えば、−CO−N−結合等)の水素との間で生じる水素結合によるものが考えられる(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
上述したように、式(1)で表される化合物は、その1分子中で、樹脂と金属の両方と
新たな結合が形成可能であるため、接着層は十分な接着力を有するとともに、単分子膜であっても十分な接着力を発現させることができる。すなわち、単分子接着層は、厚みが薄い接着層でありながら、樹脂や金属を強固に接着することができる(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
なお、単分子膜の厚さよりも厚い場合(例えば、複数の分子が存在する場合)であっても、実用上十分な接着力を発現する。具体的には、式(1)で表される化合物が被着体間に複数存在する場合、基材表面に存在する官能基と直接結合に寄与しない−NH2基同士の水素結合やシラノール基同士の縮合反応による結合によって、単分子膜以上の厚みの接着層であっても強固な接着力を発揮できると考えられる(但し、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。
(樹脂層)
本実施形態の樹脂層に用いられる材料としては、特に限定されず、種々の樹脂を用いることができる。例えば、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらの中でも、接着力や積層体としての機能性向上といった観点から、ポリイミドであることが好ましい。上述したように、イミド骨格は、式(1)で表される化合物とより強固な結合を形成することができ、より強固に接着することが可能となる。
ポリイミドとしては、イミド骨格を有するものであればよく、その種類は特に限定されない。例えば、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸との縮合重合体、芳香族ジアミンとビスマレイミドとの付加重合体であるビスマレイミド樹脂、アミノ安息香酸ヒドラジドとビスマレイミドとの付加重合体であるポリアミノビスマレイミド樹脂、ジシアネート化合物とビスマレイミド樹脂とにより構成されるビスマレイイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
なお、従来のポリイミドベースの銅張積層体では、例えば、金属箔層とポリイミド層を接着させるためには、ガラス転移点(Tg)が低い熱可塑性ポリイミド(TPI;Thermoplastic polyimide)を接着面に介在させる必要があった。しかし、熱可塑性ポリイミドは、Tgが低く、熱膨張率(CTE)が高いため、非熱可塑性ポリイミドや熱硬化性ポリイミドと比べて耐熱性や寸法安定性に劣るという問題があり、熱圧着する際等で不具合が生じやすい。この点、本実施形態のポリイミドフィルムは、式(1)で表される化合物を接着層に配合することで、種々のポリイミドであっても優れた接着力を発揮でき、かつ、接着後の表面外観にも優れる。そのため、ポリイミドの種類についても制限を受けることがない。
上記観点から、本実施形態で用いられるポリイミドは、非熱可塑性ポリイミド又は熱硬化性ポリイミドであることが好ましい。ここでいう、非熱可塑性ポリイミドとは、一定の温度(例えば、200℃)以上において温度の上昇と共に弾性率が徐々に低下するが流動性を伴わないものをいい、熱硬化性ポリイミドとは、一定の温度以上において温度の上昇があってもほとんど弾性率の低下が起こらないものをいう。式(1)で表される化合物を接着層に配合することで、熱硬化性ポリイミドであっても金属箔層と強固に接着させることができる。そして、非熱可塑性ポリイミドや熱硬化性ポリイミドはTgが300℃以上と高く、かつCTEが低いことから、耐熱性と寸法安定性に一層優れる。そのため、電子部品として用いた場合には、パターン精度が高く、優れた電気的特性を安定的に発揮することができる。よって、ファインパターン回路の形成等といった要望にも応えることができる。
樹脂層は、プラズマ処理やコロナ処理等が施されていてもよい。
樹脂層の厚さは、特に限定されず、適宜好適な厚さを選択することができる。樹脂層の厚さとしては、5μm〜125μmであることが好ましく、5μm〜75μmであることがより好ましく、5μm〜50μmであることが更に好ましい。本実施形態では、式(1)で表される化合物を接着層に配合することで強固な接着力を発揮できるため、樹脂層の厚さの制限を受けない。
(金属箔層)
金属箔層としては、特に限定されず、種々の材料を用いることができる。本実施形態では、金属箔層に関する材料上の制限を緩和することができる。例えば、従来、樹脂層との接着力を向上させる観点等から、金属箔層には表面粗化等の表面処理が行われていた。しかしながら、このような表面粗化を行うと、電子部品としての電気的特性が安定しなくなる場合がある。また、表面粗化等の表面処理を施さない方が、金属箔層の電気的活性等が高いため、かかる観点からも極力表面粗化をしないことが望まれている。この点、式(1)で表される化合物を接着層に配合することで、表面粗度が低い金属箔層(フラットな金属箔層)であっても、種々の樹脂層等と強固に接着できる。
本実施形態では、表面粗化が施された金属箔層を用いることもできるが、表面粗化が施されていない金属箔層であることが好ましい。さらには、金属箔層は、酸洗処理が施されていることが好ましい。本実施形態において表面粗化が施された金属箔層を用いる場合は、予め、酸やエッチング液等を用いて、余分な銅成分を除去し、表面粗度を低くしておくことが好ましい。酸やエッチング液としては、特に限定されず、例えば、公知のものを使用することができる。
上述した観点から、金属箔層は、十点平均粗度(Rz)が、2.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以下であることがより好ましく、1.0μm以下であることが更に好ましい。十点平均粗度は、後述する実施例に記載の方法によって測定できる。
また、金属箔層の材料としては、特に限定されず、種々の金属を用いることができる。例えば、アルミニウムやステンレス等が挙げられる。これらの中でも、積層体としての機能性向上といった観点から、銅箔層であることが好ましい。銅箔層であることで、上述したように、式(1)で表される化合物とより強固な結合を形成することができ、より強固に接着することが可能となる。銅箔層である積層体は、FPC基板等に用いられる銅張積層体(CCL)等として、好適に用いることができる。
金属箔層の厚さは、特に限定されず、適宜好適な厚さを選択することができる。本実施形態では、式(1)で表される化合物を接着層に配合することで強固な接着力を発揮できるため、金属箔層の厚さの制限を受けない。金属箔層の厚さとしては、2〜400μmであることが好ましく、2〜70μmであることがより好ましく、2〜35μmであることが更に好ましい。
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
<銅箔層/(接着層)/ポリイミド層の片面積層体の作製(実施例1〜10、比較例1)、図2参照>
(実施例1)
ポリイミドフィルム(非熱可塑性ポリイミド、東レデュポン社製、「カプトン200EN」、厚さ50μm)を、アセトン溶剤に浸漬した後、80℃に設定した乾燥機にて乾燥させた。このポリイミドフィルムに「A−TES」(いおう化学研究所社製、式(2)で表される化合物)の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。そして、これを60℃に設定した乾燥機に10分保存して、ポリイミドフィルム1を得た。
また、10cm×12cmの圧延銅箔(ニラコ社製、「CU−113243」、厚さ30μm)を塩酸1%水溶液に10秒浸漬した後、水洗とアセトン洗浄を行い、ドライヤーを用いて銅箔表面を乾燥させて、圧延銅箔1を得た。
そして、プレス機を用いて、180℃×3MPa×10分(Hot−Hot)、真空度0.1MPaの条件で、ポリイミドフィルム1と圧延銅箔1を熱圧着した。熱圧着した後、80℃に設定した乾燥機に60分保存した。その後、乾燥機から取り出して室温で放冷して、片面銅張積層体1(銅箔層/(接着層)/ポリイミド層)を得た。
(実施例2)
コロナ処理が施されたポリイミドフィルム(非熱可塑性ポリイミド、カネカ社製、「アピカル50NPI」、厚さ50μm)を、アセトン溶剤に浸漬した後、80℃に設定した乾燥機にて乾燥させた。このポリイミドフィルムに「A−TES」の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。そして、これを60℃に設定した乾燥機に10分保存して、ポリイミドフィルム2を得た。
また、10cm×12cmの圧延銅箔(JX日鉱社製、「GHSN」、厚さ12μm)を塩酸1%水溶液に10秒浸漬した後、水洗とアセトン洗浄を行い、ドライヤーを用いて銅箔表面を乾燥させて、圧延銅箔2を得た。
そして、プレス機を用いて、180℃×3MPa×10分(Hot−Hot)、真空度0.1MPaの条件で、ポリイミドフィルム2と圧延銅箔2を熱圧着した。熱圧着した後、80℃に設定した乾燥機に60分保存した。その後、乾燥機から取り出して室温で放冷して、片面銅張積層体2を得た。
(実施例3)
プラズマ処理が施されたポリイミドフィルム(非熱可塑性ポリイミド、東レデュポン社製、「カプトン150EN」、厚さ38μm)を、アセトン溶剤に浸漬した後、80℃に設定した乾燥機にて乾燥させた。このポリイミドフィルムに「A−TES」の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。そして、これを60℃に設定した乾燥機に10分保存して、ポリイミドフィルム3を得た。
また、圧延銅箔として、実施例2で作製した圧延銅箔2を用いた。
そして、プレス機を用いて、180℃×3MPa×10分(Hot−Hot)、真空度0.1MPaの条件で、ポリイミドフィルム3と圧延銅箔2を熱圧着した。熱圧着した後、80℃に設定した乾燥機に60分保存した。その後、乾燥機から取り出して室温で放冷して、片面銅張積層体3を得た。
(実施例4)
ポリイミドフィルムとして、実施例3で作製したポリイミドフィルム3を用いた。
また、銅箔を30℃の過硫酸ナトリウム水溶液20質量%に1分浸漬し、水洗及び乾燥させて、ソフトエッチング(防錆処理除去)を行った点以外は、実施例3と同様にして、圧延銅箔4を得た。
そして、実施例3と同様の手法によって、ポリイミドフィルム3と圧延銅箔4から片面銅張積層体4を得た。
(実施例5)
ポリイミドフィルムとして、実施例3で作製したポリイミドフィルム3を用いた。
また、10cm×12cmの圧延銅箔(JX日鉱社製、「BHY」、厚さ35μm、粗化処理有り)を塩酸1%水溶液に10秒浸漬した後、水洗とアセトン洗浄を行い、ドライヤーを用いて銅箔表面を乾燥させて、圧延銅箔5を得た。
そして、実施例3と同様の手法によって、ポリイミドフィルム3と圧延銅箔5から片面銅張積層体5を得た。
(実施例6)
ポリイミドフィルムとして、実施例3で作製したポリイミドフィルム3を用いた。
また、銅箔を30℃の過硫酸ナトリウム水溶液20質量%に1分浸漬し、水洗及び乾燥させて、ソフトエッチング(銅箔の粗化処理除去及び防錆処理除去)を行った点以外は、実施例5と同様にして、圧延銅箔6を得た。この圧延銅箔6は、粗化処理と防錆処理が施された圧延銅箔から、ソフトエッチングにより粗化処理と防錆処理を除去した圧延銅箔といえる。
そして、実施例5と同様の手法によって、ポリイミドフィルム3と圧延銅箔6から片面銅張積層体6を得た。
(実施例7)
ポリイミドフィルムとして、実施例3で作製したポリイミドフィルム3を用いた。
また、10cm×12cmの防錆処理が施された電解銅箔(福田金属箔粉工業社製、「CF−T9DA−SV」(SV)、厚さ18μm)を塩酸1%水溶液に10秒浸漬した後、水洗とアセトン洗浄を行い、ドライヤーを用いて銅箔表面を乾燥させて、電解銅箔7を得た。
そして、実施例3と同様の手法によって、ポリイミドフィルム3と圧延銅箔7から片面銅張積層体7を得た。
(実施例8)
ポリイミドフィルムに「A−TES」の1%水溶液を1mL垂らした点以外は、実施例3と同様にして、ポリイミドフィルム8を得た。
また、電解銅箔として、電解銅箔7を用いた。
そして、実施例3と同様の手法によって、ポリイミドフィルム8と電解銅箔7から片面銅張積層体8を得た。
(実施例9)
ポリイミドフィルムに「A−TES」の0.5%水溶液を1mL垂らした点以外は、実施例3と同様にして、ポリイミドフィルム9を得た。
また、電解銅箔として、電解銅箔7を用いた。
そして、実施例3と同様の手法によって、ポリイミドフィルム9と電解銅箔7から片面銅張積層体9を得た。
(実施例10)
ポリイミドフィルムとして、実施例3で作製したポリイミドフィルム3を用いた。
また、微細粗化処理及び防錆処理が施された電解銅箔(福田金属箔粉工業社製、「CF−T4X−SV」、厚さ18μm)を用いた点以外は、実施例7と同様にして、電解銅箔10を得た。
そして、実施例3と同様の手法によって、ポリイミドフィルム3と圧延銅箔10から片面銅張積層体10を得た。
(比較例1)
プラズマ処理が施されたポリイミドフィルム(非熱可塑性ポリイミド、東レデュポン社製、「カプトン150EN」、厚さ38μm)を、アセトン溶剤に浸漬した後、80℃に設定した乾燥機にて乾燥させた。このポリイミドフィルムに「KBM−403」(信越シリコーン社製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。そして、これを60℃に設定した乾燥機に10分保存して、ポリイミドフィルムaを得た。
また、圧延銅箔として、実施例2で作製した圧延銅箔2を用いた。
そして、実施例2と同様の手法によって、ポリイミドフィルムaと圧延銅箔2から片面銅張積層体aを得た。
<銅箔層/(接着層)/ポリイミド層/(接着層)/銅箔層の両面積層体の作製(実施例11〜12)、図4参照>
(実施例11)
コロナ処理が施されたポリイミドフィルム(非熱可塑性ポリイミド、カネカ社製、「アピカル50NPI」、厚さ50μm)を、アセトン溶剤に浸漬した後、80℃に設定した乾燥機にて乾燥させた。このポリイミドフィルムの片面に「A−TES」の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。そして、これを60℃に設定した乾燥機に10分保存した。乾燥機から取り出した後、ポリイミドフィルムのもう一方の表面にも「A−TES」の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。そして、これを60℃に設定した乾燥機に10分保存して、ポリイミドフィルム11を得た。
また、電解銅箔として、実施例7で作製した電解銅箔7を用いた。
そして、プレス機を用いて、180℃×3MPa×10分(Hot−Hot)、真空度0.1MPaの条件で、ポリイミドフィルム11の両面に電解銅箔7をそれぞれ熱圧着した。熱圧着した後、80℃に設定した乾燥機に60分保存した。その後、乾燥機から取り出して室温で放冷して、両面銅張積層体11(銅箔層/(接着層)/ポリイミド層/(接着層)/銅箔層)を得た。
(実施例12)
プラズマ処理が施されたポリイミドフィルム(非熱可塑性ポリイミド、東レデュポン社製、「カプトン150EN」、厚さ38μm)を、アセトン溶剤に浸漬した後、80℃に設定した乾燥機にて乾燥させた。このポリイミドフィルムの片面に「A−TES」の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。そして、これを60℃に設定した乾燥機に10分保存した。乾燥機から取り出した後、ポリイミドフィルムのもう一方の表面にも「A−TES」の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。そして、これを60℃に設定した乾燥機に10分保存して、ポリイミドフィルム12を得た。
また、電解銅箔として、実施例7で作製した電解銅箔7を用いた。
そして、プレス機を用いて、180℃×3MPa×10分(Hot−Hot)、真空度0.1MPaの条件で、ポリイミドフィルム11の両面に電解銅箔7をそれぞれ熱圧着した。熱圧着した後、80℃に設定した乾燥機に60分保存した。その後、乾燥機から取り出して室温で放冷して、両面銅張積層体12(銅箔層/(接着層)/ポリイミド層/(接着層)/銅箔層)を得た。
<銅箔ポリイミド積層体/(接着層)/銅箔ポリイミド積層体の両面積層体の作製(実施例13〜14)、図5参照>
(実施例13)
10cm×12cmのポリイミド層/銅箔層の片面積層体(有沢製作所社製、「PNS H1035RA」)を2枚用意し、これらをアセトン溶剤に浸漬した後、80℃に設定した乾燥機にて乾燥させた。そのうちの1枚の片面積層体に「A−TES」の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。これらを60℃に設定した乾燥機に10分保存した。
プレス機を用いて、180℃×3MPa×10分(Hot−Hot)、真空度−0.1MPaの条件で、2枚の片面積層体のポリイミド層どうしを貼り合わせて熱圧着した。そして、80℃に設定した乾燥機に60分保存した後、乾燥機から取り出して室温で放冷して、両面銅張積層体13を得た。
(実施例14)
「A−TES」の2%水溶液1mLを「A−TES」の0.5%水溶液1mLに変更した点以外は、実施例13と同様にして、両面銅張積層体14を得た。
<銅箔ポリイミド積層体/(接着層)/銅箔の両面積層体の作製(実施例15〜16)、図6参照>
(実施例15)
10cm×12cmのポリイミド層/銅箔層の片面積層体(有沢製作所社製、「PNS H1035RA」)を1枚用意し、これらをアセトン溶剤に浸漬した後、80℃に設定した乾燥機にて乾燥させた。これに「A−TES」の2%水溶液を1mL垂らし、ガラス棒を用いてフィルム全体に均一に伸ばした。そして、60℃に設定した乾燥機に10分保存して、片面積層体15を得た。
また、圧延銅箔として、実施例2で作製した圧延銅箔2を用いた。
そして、プレス機を用いて、180℃×3MPa×10分(Hot−Hot)、真空度−0.1MPaの条件で、片面積層体15のポリイミド層と圧延銅箔2とが重なるように貼り合わせ、熱圧着した。そして、80℃に設定した乾燥機に60分保存した後、乾燥機から取り出して室温で放冷して、両面銅張積層体15を得た。
(実施例16)
圧延銅箔2の替わりに、実施例7で作製した電解銅箔7を用いた点以外は、実施例15と同様にして、両面銅張積層体16を得た。
(引き剥がし強さの評価)
各実施例及び比較例1で作製した積層体の引き剥がし強さの評価は、JIS C6471に準拠した。作製した積層体の銅箔表面に10mm幅のエッチングレジストRをパターニングした後、エッチングにより残余の銅箔を除去したものを、サンプルとした。図7は、実施例の引き剥がし強さの評価で用いたサンプルの上面概略図を表す。このサンプルを、両面テープで補強板に固定し、サンプルを補強板から180°方向に引き剥がし、その際の接着強度を測定した。そして、以下の基準に基づき評価した。
5N以上であった場合:◎
5N未満〜3N以上であった場合:○
3N未満であった場合:△
接着せず測定不可であった場合:×
(外観の評価)
各実施例及び比較例1で作製した積層体両面を目視で観察し、表面に気泡、異物、及び変色のいずれも確認されなかった場合を「○」と評価した。そして、その表面に気泡、異物、及び変色のいずれかが少なくとも確認された場合を「−」と評価した。
(積層体の表面粗さ;Rz)
JIS B0601−1976に準拠して積層体の表面の十点平均粗さ(Rz)を測定し、その値を表面粗さとした。
各実施例及び比較例1の製造条件及び評価結果を表1〜5に示す。
※1:「◎」5N以上、「○」5N未満〜3N以上、「△」3N未満、「×」接着せず測定不可
※2:「○」異常なし、「×」異常あり、「−」判断不可
※1:「◎」5N以上、「○」5N未満〜3N以上、「△」3N未満、「×」接着せず測定不可
※2:「○」異常なし、「×」異常あり、「−」判断不可
※1:引き剥がし強さは、(塗布1回目(表面))/(塗布2回目(裏面))の結果を表す。
「◎」5N以上、「○」5N未満〜3N以上、「△」3N未満、「×」接着せず測定不可
※2:「○」異常なし、「×」異常あり、「−」判断不可
※1:「◎」5N以上、「○」5N未満〜3N以上、「△」3N未満、「×」接着せず測定不可
※2:「○」異常なし、「×」異常あり、「−」判断不可
※1:「◎」5N以上、「○」5N未満〜3N以上、「△」3N未満、「×」接着せず測定不可
※2:「○」異常なし、「×」異常あり、「−」判断不可
以上より、各実施例の積層体は、いずれも十分な接着強度を有し、接着後の表面外観にも優れ、かつ、接着対象の材料の制限を受けないことが少なくとも確認された。さらには、積層体とした際も構造上の制限を受けないことも確認された。
本発明に係る積層体は、フレキシブルプリント積層体等の各種電子部品の材料等として、幅広い分野において利用することができる。
1、2、3、4、5、6…積層体、11、31、41、511、512…樹脂層、12、32、421、422、52…接着層、23、33、431、432、511、512、531、532、63…金属箔層、R…エッチングレジスト

Claims (9)

  1. 樹脂層と、
    前記樹脂層の表面上に形成された、下記式(1)で表される化合物を含有する接着層と、
    を含む、積層体。
    (式中、R1、R2及びR3は、各々独立して、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R4は、炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。)
  2. 前記樹脂層が積層された表面と反対の前記接着層の表面上に形成された金属箔層を、更に含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記接着層が積層された表面と反対の前記樹脂層の表面上に形成された金属箔層を、更に含む、請求項1に記載の積層体。
  4. 第1の金属箔層と、
    前記第1の金属箔層の表面上に形成された第1の樹脂層と、
    前記第1の樹脂層の表面上に形成された接着層と
    前記接着層の表面上に形成された第2の樹脂層と、
    前記第2の樹脂層の表面上に形成された第2の金属箔層と、をこの順で含み、
    前記接着層は、下記式(1)で表される化合物を含有する、積層体。
    (式中、R1、R2及びR3は、各々独立して、炭素数1〜6の2価の炭化水素基を表し、R4は、炭素数1〜4の1価の炭化水素基を表す。)
  5. 前記式(1)のR1、R2、及びR3は、各々独立して、炭素数1〜4の直鎖の炭化水素基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記式(1)のR4は、炭素数1〜3の直鎖の炭化水素基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記式(1)は、下記式(2)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記樹脂層が、ポリイミド層である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
  9. 前記金属箔層が、銅箔層である、請求項2〜8のいずれか一項に記載の積層体。
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