JP2015104753A - ホットスタンプ鋼材の製造方法及びホットスタンプ鋼材 - Google Patents

ホットスタンプ鋼材の製造方法及びホットスタンプ鋼材 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐食性を有するホットスタンプ鋼材の製造方法を提供する。【解決手段】本実施形態によるホットスタンプ鋼材の製造方法は、C、Si、Mn、P、S、sol.Al、Nを含有し、任意元素として、B、Ti、Cr、Nb、Ni、及び、Moを含有可能であり、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する鋼板を準備する工程と、鋼板に対して電気めっき処理又は溶融めっき処理を実施して鋼板上にZnとZnよりも高融点の元素とを含有するめっき層を形成する工程と、めっき層が形成された前記鋼板をAc3点〜950℃の熱処理温度に加熱した後、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れしてホットスタンプ鋼材を成形する工程とを備え、ホットスタンプ鋼材を成形する工程では、Znを含有するめっき層の融点から熱処理温度まで鋼板を加熱し、さらに、熱処理温度から鋼板を冷却して780℃に至るまでの時間を20秒以下にする。【選択図】図6

Description

本発明は、ホットスタンプを利用したホットスタンプ鋼材の製造方法及びホットスタンプ鋼材に関する。
自動車等に用いられる構造部材を高強度にするために、ホットスタンプにより構造部材を製造する場合がある。ホットスタンプでは、Ac3点以上に加熱された鋼板を、金型でプレスしつつ、金型で鋼板を急冷する。つまり、ホットスタンプでは、プレス加工と焼入れとを同時に行う。ホットスタンプにより、形状精度が高く、高強度の構造部材を製造できる。
鋼板に対してホットスタンプを実施した場合、鋼板表面に鉄酸化物が形成される。鉄酸化物は鋼板の塗装密着性を低下する。つまり、鉄酸化物が形成された場合、鋼板表面を塗装しても、塗膜が剥離しやすい。
特開2003−73774号公報(特許文献1)及び特開2003−129209号公報(特許文献2)及び特開2003−126921号公報(特許文献3)は、塗装密着性を改善する技術を提案する。これらの特許文献では、ホットスタンプ用鋼板として、溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板を利用する。溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板をホットスタンプに利用することにより、鉄酸化物が表面に形成されることなく、構造部材を成形できる。
しかしながら、溶融亜鉛めっき鋼板又は合金化溶融亜鉛めっき鋼板をホットスタンプに利用した場合、耐食性が低い場合がある。
特許第3591501号(特許文献4)及び特開2004−124207号公報(特許文献5)は、耐食性に優れたホットスタンプ鋼材を提案する。
特許文献4に開示されたホットスタンプ用鋼板では、亜鉛を含むめっき層上に、Fe、Ni及びCoからなる群から選択される1種又は2種以上の金属を主成分として含む金属又は合金からなるめっき層を設ける。これにより、ホットスタンプ工程において亜鉛の蒸発が抑制され、優れた耐食性が得られる、と特許文献4には記載されている。
特許文献5に開示されたホットスタンプ用鋼板では、亜鉛を含むめっき層上に、Ni、Cu、Cr、Snからなる群から選択される1種又は2種以上の元素を重量%で80%以上含有する層を設ける。これにより、ホットスタンプ工程において亜鉛の蒸発が抑制され、優れた耐食性が得られる、と特許文献5には記載されている。
特開2003−73774号公報 特開2003−129209号公報 特開2003−126921号公報 特許第3591501号 特開2004−124207号公報
ところで、ホットスタンプには、緩加熱によるホットスタンプと、急速加熱によるホットスタンプとがある。緩加熱によるホットスタンプでは、加熱炉の輻射加熱を利用する。初めに、ホットスタンプ用鋼板を加熱炉(ガス炉、電気炉等)に装入する。加熱炉内で、ホットスタンプ用鋼板をAc3点〜950℃に加熱し、この温度で保持(均熱)する。均熱時において、めっき層中のZnが溶融し、Feと結合して固相化する。Znが固相化した後、加熱炉から鋼板を抽出し、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れする。
急速加熱によるホットスタンプでは、次の工程を実施する。初めに、ホットスタンプ用鋼板をAc3点〜950℃まで急速加熱する。急速加熱はたとえば、通電加熱又は誘導加熱により実施される。平均加熱速度は20℃/秒以上である。急速加熱の場合、鋼板をAc3点〜950℃に加熱した後、めっき層中の溶融ZnがFeと結合して固相(Fe−Zn固溶体相又はZnFe合金相)になるまで、プレス成形等、鋼材に応力を付与することなく冷却する。冷却後、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れする。
特許文献4及び5の実施例では、緩加熱によるホットスタンプを実施して、その効果(ホットスタンプ鋼材の耐食性)を立証している。
しかしながら、特許文献4及び5に開示されたホットスタンプ用鋼板に対して、急速加熱によるホットスタンプを実施した場合、耐食性が低い場合がある。
本発明の目的は、急速加熱によるホットスタンプを実施しても優れた耐食性を有するホットスタンプ鋼材を製造できる、ホットスタンプ鋼材の製造方法を提供することである。
本実施形態によるホットスタンプ鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する鋼板を準備する工程と、鋼板上にZnとZnよりも高融点の元素とを含有するめっき層を形成する工程と、めっき層が形成された鋼板をAc3点〜950℃の熱処理温度に加熱した後、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れしてホットスタンプ鋼材を成形する工程とを備える。ホットスタンプ鋼材を成形する工程では、めっき層の融点から熱処理温度まで鋼板を加熱し、さらに、熱処理温度から鋼板を冷却して780℃に至るまでの時間を20秒以下にする。
本実施形態による製造方法は、急速加熱を実施しても優れた耐食性を有するホットスタンプ鋼材を製造できる。
図1は、急速加熱によるホットスタンプを実施して製造されたホットスタンプ鋼材の断面写真である。 図2は、急速加熱前のホットスタンプ用鋼板の断面図である。 図3は、急速加熱中のホットスタンプ用鋼板の断面図である。 図4は、図2と異なる構成のホットスタンプ鋼板の断面図である。 図5は、図4に示すホットスタンプ鋼板を急速加熱中の、ホットスタンプ鋼板の断面図である。 図6は、本実施形態によるホットスタンプ鋼材の断面写真である。 図7は、ホットスタンプ鋼材での酸化物層の浮上率の算出方法を説明するための模式図である。 図8は、図7の算出方法の一例を説明するためのホットスタンプ鋼材の断面写真である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
本発明者らは、ホットスタンプ鋼材の耐食性について調査及び検討を行った。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
溶融亜鉛めっき処理により形成された溶融亜鉛めっき層又は合金化亜鉛めっき層はAlを含有する。これらのめっき層中のAlは拡散してめっき層の表層に移動して、Al酸化膜を形成する。Al酸化膜はりん酸に溶解しないため、りん酸塩(りん酸亜鉛、りん酸マンガン等)との反応が阻害される。そのため、Al酸化膜が形成された領域では、りん酸塩皮膜が形成されにくい。つまり、Al酸化膜が形成された領域は、りん酸塩処理性が低い。そのため、溶融亜鉛めっき処理により形成されためっき層の塗装密着性及び耐食性は低い場合がある。
一方、電気亜鉛めっき処理により形成された電気亜鉛めっき層は、Alを含有しない。そのため、電気亜鉛めっき層ではAl酸化膜が形成されず、塗装密着性は高い。塗膜密着性が高ければ、高い耐食性も期待できる。
しかしながら、電気亜鉛めっき鋼板に対して急速加熱によるホットスタンプを実施してホットスタンプ鋼材を製造した場合、ホットスタンプ鋼材の耐食性が低い場合がある。
この原因について調査した結果、本発明者らは次の知見を得た。
図1は、急速加熱によるホットスタンプを実施して製造されたホットスタンプ鋼材の断面図である。このホットスタンプ鋼材は、電気亜鉛めっき鋼板を用いて製造した。
図1を参照して、ホットスタンプ鋼材の表面近傍に形成された酸化物層12の一部は、鋼材の表面から浮いて離れていた。つまり、酸化物層12と鋼材表面との間に隙間123が生じていた。このような酸化物層12の浮きが多く発生すれば、ホットスタンプ鋼材の耐食性が低下する。
このような酸化物層の浮きは、次の工程により発生すると考えられる。図2は、急速加熱前のホットスタンプ用鋼板の断面図である。図2を参照して、ホットスタンプ用鋼板は、母材である鋼板10と、鋼板10上に形成された亜鉛めっき層11と、亜鉛めっき層上に形成された酸化物層12とを備える。酸化物層12は、ZnOを主成分とする。酸化物層12はさらに、Al等を含有する。
このようなホットスタンプ用鋼板に対して、急速加熱によるホットスタンプを実施する。急速加熱により、亜鉛めっき層11が液相化する。そのため、酸化物層12は、液相である亜鉛めっき層11の液面上を、その厚みや面積を増しながら、浮遊する。急速加熱中、液面のゆらぎにより、図3に示すように、酸化物層12にしわ121が生じる。
上述のとおり、酸化物層12はZnO主体の皮膜であり、ポーラスである。そのため、酸化物層12にしわ121が生じれば、しわ121近傍部分の孔122から外気が酸化物層12と亜鉛めっき層11との間に侵入し、隙間123を形成する。この場合、腐食の際に水及び腐食因子が隙間123に侵入し、ホットスタンプ鋼材の耐食性が低下する。
このような耐食性の低下は、急速加熱によるホットスタンプで特有に発生するものである。緩加熱の場合、急速加熱と比較して、加熱中に亜鉛めっき層が液相になる割合が少ない。緩加熱の加熱速度は急速加熱よりも遅く、緩加熱の加熱時間は急速加熱よりも長い。そのため、加熱中のめっき層は固相化する。したがって、図1に示すような酸化物層の浮きは、緩加熱によるホットスタンプでは発生しにくい。
上述の酸化物相の浮きに起因する耐食性の低下を抑制するために、本発明者らはさらに調査及び研究を行った。その結果、本発明者らは次の知見を得た。
図4に示すとおり、亜鉛めっき層11上に、亜鉛めっき層11よりも融点の高いめっき層(以下、高融点めっき層という)13を形成する。高融点めっき層13はたとえば、Ni、Co及びFeからなる群から選択される1種以上の元素を10質量%以上含有する。好ましくは、高融点めっき層13は、Ni、Co及びFeからなる群から選択される1種以上の元素を50質量%以上含有する。
高融点めっき層13は、亜鉛めっき層11よりも融点が高い。そのため、急速加熱によるホットスタンプにおいて、亜鉛めっき層11が液相化しても、高融点めっき層13は液相化しにくい。さらに、高融点めっき層13は酸化物層12よりも緻密である。そのため、図5に示すように、仮に、酸化物層12と高融点めっき層13とにしわ121、131が発生しても、高融点めっき層13が孔122からの大気の侵入を抑制する。そのため、酸化物層12の下に隙間が形成されず、耐食性が高まる。
耐食性を高めるためにさらに、急速加熱における加熱冷却時間を20秒以下にする。ここで、急速加熱によるホットスタンプにおいて、亜鉛めっき層11の融点から熱処理温度まで鋼板を加熱し、さらに、熱処理温度から鋼板を冷却して780℃に至るまでの時間を、加熱冷却時間と定義する。熱処理温度とは、ホットスタンプ用鋼板のAc3点〜950℃の範囲の温度を意味する。
加熱冷却時間が長すぎれば、亜鉛めっき層11中のZnが拡散して高融点めっき層13に侵入する。この場合、高融点めっき層13の融点が下がる。そのため、急速加熱中に高融点めっき層13も液相化しやすくなる。その結果、高融点めっき層13が孔122からの大気の侵入を抑制するのが困難になり、ホットスタンプ鋼材の耐食性が低下する。加熱冷却時間が20秒以下であれば、高融点めっき層13が液相化しにくい。そのため、成形されたホットスタンプ鋼材では、優れた耐食性が得られる。
図6は、亜鉛めっき層11と、高融点めっき層13とを有する鋼板を、20秒以内の加熱冷却時間で急速加熱して成形したホットスタンプ鋼材の表面近傍の断面写真である。図6の写真は図1と同じ倍率(1000倍)である。図1と比較して、酸化物層12のうち、隙間123が形成された部分の割合が少なくなっている。そのため、図6のホットスタンプ鋼材は図1と比較して優れた耐食性を有する。
以上の知見に基づいて完成した本実施形態のホットスタンプ鋼材の製造方法は、質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する鋼板を準備する工程と、鋼板に対して電気めっき処理又は溶融めっき処理を実施して、鋼板上にZnとZnよりも高融点の元素とを含有するめっき層を形成する工程と、めっき層が形成された鋼板をAc3点〜950℃の熱処理温度に加熱した後、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れしてホットスタンプ鋼材を成形する工程とを備える。ホットスタンプ鋼材を成形する工程では、めっき層の融点から熱処理温度まで鋼板を加熱し、さらに、熱処理温度から鋼板を冷却して780℃に至るまでの時間を20秒以下にする。
本実施形態の製造方法は、上述のとおり、優れた耐食性を有するホットスタンプ鋼材を製造できる。
上記製造方法であって、めっき層は、亜鉛を含有する亜鉛めっき層と、亜鉛めっき層よりも高い融点を有する高融点めっき層とを含んでもよい。この場合、めっき層を形成する工程は、鋼板上に電気亜鉛めっき層、溶融亜鉛めっき層及び合金化溶融亜鉛めっき層のいずれかである亜鉛めっき層を形成する工程と、亜鉛めっき層上に、高融点めっき層を形成する工程とを含む。
この場合、亜鉛めっき層上に高融点めっき層を形成することにより、耐食性に優れたホットスタンプ鋼材を製造できる。
好ましくは、高融点めっき層は、Ni、Co及びFeからなる群から選択される1種以上の元素を総量で10質量%以上含有する。さらに好ましくは、高融点めっき層は、Ni、Co及びFeからなる群から選択される1種以上の元素を総量で50質量%以上含有する。
好ましくは、高融点めっき層は、Ni及び不純物からなる。高融点めっき層を形成する工程では、高融点めっき層の付着量を6g/m2以下にする。
この場合、ホットスタンプ鋼材において、孔食の発生が抑制される。
上記製造方法において、めっき層は、亜鉛ニッケル合金めっき層であってもよい。
本実施形態によるホットスタンプ鋼材は、母材と、固溶体層と、合金層と、酸化物層とを備える。母材は、質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する。固溶体層は、母材上に形成され、Feと、Feに固溶したZnとを含有する。合金層は、固溶体相上に形成され、Znと、Znよりも高融点の元素とを含有する。酸化物層は、合金層上に形成され、50体積%以上のZnOを含有する。ホットスタンプ鋼材の酸化物層が形成された表面と垂直な断面において、酸化物層を10μmピッチで複数の酸化物層領域に区分した場合、複数の酸化物層領域のうち、表面と垂直な方向に1μm以上の隙間が形成された酸化物層領域の割合は60%以下である。
本実施形態によるホットスタンプ鋼材は、優れた耐食性を有する。
以下、上述のホットスタンプ鋼材の製造方法について詳述する。
[第1の実施の形態]
本実施形態によるホットスタンプ鋼材の製造方法は、準備工程と、めっき層形成工程と、ホットスタンプ工程とを備える。以下、各工程について詳述する。
[準備工程]
初めに、鋼板を準備する。鋼板は、次の化学組成を有する。以下、元素に関する「%」は、質量%を意味する。
C:0.05〜0.4%
炭素(C)は、ホットスタンプ後の鋼材の強度を高める。C含有量が低すぎれば、上記効果が得られない。一方、C含有量が高すぎれば、ホットスタンプ後の強度は高くなるが、鋼板の靭性が低下する。すなわち所望の強度と靱性が得られるようC量は調整されればよい。その際に好ましいC含有量は、0.05〜0.4%である。C含有量の好ましい下限は0.10%である。C含有量の好ましい上限は0.35%である。
Si:0.5%以下
シリコン(Si)は一般的に鋼の脱酸目的で使用されることが多く、その場合不可避的に含有される。しかしながら、Si含有量が高すぎれば、ホットスタンプにおける加熱中に鋼中のSiが拡散し、鋼板表面に酸化物を形成する。酸化物はりん酸塩処理性を低下し得る。Siはさらに、鋼板のAc3点を上昇させる働きがあり、Ac3点が上昇するとホットスタンプ時の加熱温度が、Znめっきの蒸発温度を超えてしまう。したがって、Si含有量は0.5%以下である。好ましいSi含有量の上限は0.3%である。Si含有量の好ましい下限は、求められる脱酸レベルによるが、0.05%である。
Mn:0.5〜2.5%
マンガン(Mn)は、焼入れ性を高め、ホットスタンプ後の鋼材の強度を高める。Mn含有量が低すぎれば、その効果が得られない。一方、Mn含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、Mn含有量は0.5〜2.5%である。Mn含有量の好ましい下限は0.6%である。Mn含有量の好ましい上限は2.4%である。
P:0.03%以下
りん(P)は鋼中に含まれる不純物である。Pは粒界に偏析して鋼の靭性を低下し、耐遅れ破壊性を低下する。したがって、P含有量はなるべく低い方が好ましい。P含有量は0.03%以下である。
S:0.01%以下
硫黄(S)は鋼中に含まれる不純物である。Sは硫化物を形成して鋼の靭性を低下し、耐遅れ破壊性を低下する。したがって、S含有量はなるべく低い方が好ましい。S含有量は0.01%以下である。
sol.Al:0.1%以下
アルミニウム(Al)は一般的に鋼の脱酸目的で使用されることが多く、その場合不可避的に含有される。Alは鋼を脱酸する。一方、Al含有量が高すぎれば、脱酸は十分となるが、Al含有量が高すぎればさらに、鋼板のAc3点が上昇して、ホットスタンプ時の必要な加熱温度がZnめっきの蒸発温度を超える。したがって、Al含有量は0.1%以下である。Al含有量の好ましい上限は0.05%である。Al含有量の好ましい下限は0.01%である。本明細書におけるAl含有量は、sol.Al(酸可溶Al)の含有量を意味する。
N:0.01%以下
窒素(N)は鋼中に不可避的に含まれる不純物である。Nは窒化物を形成して鋼の靭性を低下する。Nはさらに、Bが含有される場合、Bと結合して固溶B量を減らす。その結果、焼入れ性が低下する。したがって、N含有量はなるべく低い方が好ましい。N含有量は0.01%以下である。
本実施形態の鋼板の化学組成の残部はFe及び不純物からなる。本明細書において、不純物とは、鉄鋼材料を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップ、または製造環境などから混入するものを意味する。
本実施形態による鋼板はさらに、Feの一部に代えて、B及びTiを含有してもよい。
B:0〜0.005%
ボロン(B)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Bは鋼の焼入れ性を高め、ホットスタンプ後の鋼材の強度を高める。しかしながら、B含有量が高すぎれば、その効果が飽和する。したがって、B含有量は、0〜0.005%である。B含有量の好ましい下限は0.0001%である。
Ti:0〜0.1%
チタン(Ti)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、TiはNと結合して窒化物を形成する。そのため、BとNとの結合が抑制され、BN形成による焼入れ性の低下を抑制できる。しかしながら、Ti含有量が高すぎれば、上記効果が飽和し、さらに、Ti窒化物が過剰に析出して鋼の靭性が低下する。したがって、Ti含有量は0〜0.1%である。Tiはそのピン止め効果により、ホットスタンプ加熱時のオーステナイト粒径を微細化し、それにより鋼材の靱性等を高める。Ti含有量の好ましい下限は0.01%である。
本実施形態による鋼板はさらに、Feの一部に代えて、Cr及びMoからなる群から選択される1種以上を含有してもよい。これらの元素は任意元素であり、鋼の焼入れ性を高める。
Cr:0〜0.5%
クロム(Cr)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Crは鋼の焼入れ性を高める。しかしながら、Cr含有量が高すぎれば、Cr炭化物が形成され、ホットスタンプの加熱時に炭化物が溶解しにくくなる。そのためオーステナイト化が進行しにくくなり、焼き入れ性が低下する。したがって、Cr含有量は0〜0.5%である。Cr含有量の好ましい下限は0.1%である。
Mo:0〜0.5%
モリブデン(Mo)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Moは鋼の焼入れ性を高める。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。したがって、Mo含有量は0〜0.5%である。Mo含有量の好ましい下限は0.05%である。
本実施形態による鋼板素材はさらに、Feの一部に代えて、Nb及びNiからなる群から選択される1種以上を含有してもよい。これらの元素は任意元素であり、鋼の靭性を高める。
Nb:0〜0.1%
ニオブ(Nb)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Nbは炭化物を形成して、ホットスタンプ時に結晶粒を微細化する。細粒化により、鋼の靭性が高まる。しかしながらNb含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。Nb含有量が高すぎればさらに、焼入れ性が低下する。したがって、Nb含有量は0〜0.1%である。Nb含有量の好ましい下限は0.02%である。
Ni:0〜1.0%
ニッケル(Ni)は任意元素であり、含有されなくてもよい。含有される場合、Niは鋼の靭性を高める。Niはさらに、ホットスタンプでの加熱時に、溶融Znに起因した脆化を抑制する。しかしながら、Ni含有量が高すぎれば、上記効果が飽和する。したがって、Ni含有量は0〜1.0%である。Ni含有量の好ましい下限は0.1%である。
上述の化学組成を有する鋼板はたとえば、次の方法で製造される。上述の化学組成を有する溶鋼を製造する。製造された溶鋼を用いて、鋳造法によりスラブを製造する。製造された溶鋼を用いて、造塊法によりインゴットを製造してもよい。製造されたスラブ又はインゴットを熱間圧延して鋼板(熱延鋼板)を製造する。必要に応じて、熱延鋼板に対して酸洗処理を実施し、酸洗処理後の熱延鋼板に対して冷間圧延を実施して鋼板(冷延鋼板)としてもよい。
[めっき層形成工程]
上述の鋼板に対して、めっき層を形成する。本実施の形態では、初めに、鋼板に対して亜鉛めっき層を形成する(亜鉛めっき層形成工程)。続いて、亜鉛めっき層上に高融点めっき層を形成する(高融点めっき層形成工程)。
[亜鉛めっき層形成工程]
亜鉛めっき層の形成方法は、溶融亜鉛めっき処理であってもよいし、合金化溶融亜鉛めっき処理であってもよいし、電気亜鉛めっき処理であってもよい。
溶融亜鉛めっき処理による亜鉛めっき層の形成は次のとおりである。鋼板をめっき浴(溶融亜鉛めっき浴)に浸漬して鋼板表面にめっきを付着させる。めっきが付着した鋼板をめっき浴から引きあげる。好ましくは、鋼板表面のめっき付着量を調整して20〜100g/m2にする。鋼板の引き上げ速度や、ワイピングのガスの流量を調整することにより、めっき付着量を調整できる。めっき付着量のさらに好ましい下限は25g/m2である。めっき付着量のさらに好ましい上限は80g/m2である。溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度は特に限定されない。以上の工程により、亜鉛めっき層(溶融亜鉛めっき層)を備えるホットスタンプ用鋼板(GI)が製造される。
合金化溶融亜鉛めっき処理(以下、合金化処理ともいう)による亜鉛めっき層の形成は次のとおりである。上述の溶融亜鉛めっき層が形成された鋼板を、470〜600℃で加熱する。加熱後、30秒以内で均熱し、その後、冷却する。上記加熱温度まで加熱した直後に冷却してもよい。均熱時間は上述の時間に限定されない。めっき層中の所望のFe濃度に応じて、加熱温度及び均熱時間は適宜設定される。合金化処理における加熱温度の好ましい下限は540℃である。以上の合金化処理により、亜鉛めっき層(合金化溶融亜鉛めっき層)を有するホットスタンプ用鋼板(GA)が製造される。
電気亜鉛めっき処理による亜鉛めっき層の形成は次のとおりである。電気亜鉛めっき浴として、周知の硫酸浴、塩酸浴、ジンケート浴及びシアン浴等のいずれかを準備する。上述の鋼板を酸洗する。酸洗後の鋼板を電気亜鉛めっき浴に浸漬する。鋼板を陰極として、電気亜鉛めっき浴中に電流を流す。これにより、鋼板表面に亜鉛が析出して亜鉛めっき層(電気亜鉛めっき層)が形成される。以上の工程により、電気亜鉛めっき鋼板(EG)が製造される。
亜鉛めっき層が合金化溶融亜鉛めっき層の場合、及び、亜鉛めっき層が電気亜鉛めっき層である場合、好ましい亜鉛めっき層の付着量は、溶融亜鉛めっき層の場合と同じである。つまり、これらの亜鉛めっき層の好ましい付着量は20〜100g/m2である。めっき付着量のさらに好ましい上限は80g/m2であり、さらに好ましい下限は25g/m2である。
これらの亜鉛めっき層は、Znを含有する。具体的には、溶融亜鉛めっき層の化学組成は、Znと、0.01〜0.20質量%のAlとを含有し、残部はFe及び不純物からなる。電気亜鉛めっき層の化学組成は、Zn及び不純物からなる。合金化溶融亜鉛めっき層の化学組成は、5〜20%のFeを含有し、残部はZn及び不純物からなる。
[高融点めっき層形成工程]
亜鉛めっき層が形成された鋼板に対して、高融点めっき層形成工程を実施する。高融点めっき層は、亜鉛めっき層よりも高い融点を有する。
たとえば、ワット浴を用いた電気ニッケル処理により、Ni及び不純物からなる高融点めっき層を、亜鉛めっき層上に形成する。
高融点めっき層として、Niめっき層に代えて、Co及び不純物からなるCoめっき層を形成してもよいし、Fe及び不純物からなるFeめっき層を形成してもよい。高融点めっき層の化学組成は、上述の亜鉛めっき層よりも融点が高ければ、特に限定されない。
好ましくは、高融点めっき層は、Ni、Co及びFeからなる群から選択される1種以上の元素を総量で10質量%以上含有する。この場合、高融点めっき層は、亜鉛めっき層よりも高融点を有する。好ましくは、高融点めっき層は、Ni、Co及びFeからなる群から選択される1種以上の元素を総量で50質量%以上含有する。
好ましくは、高融点めっき層の付着量は9g/m2未満にする。付着量が9g/m2以上であれば、ホットスタンプ工程での急速加熱中に、高融点めっき層が酸化しやすい。付着量が9g/m2未満であれば、高融点めっき層が酸化しにくい。そのため、ホットスタンプ鋼材の酸化物層の密着性がさらに高くなり、耐食性がさらに高くなる。
以上の工程により、本実施形態のホットスタンプ用鋼板が製造される。本実施形態のホットスタンプ鋼板は、母材である鋼板と、鋼板上に形成される亜鉛めっき層と、亜鉛めっき層上に形成される高融点めっき層とを備える。
[ホットスタンプ工程]
上述のホットスタンプ用鋼板に対して、急速加熱によるホットスタンプを実施する。初めに、ホットスタンプ用鋼板を、鋼板のAc3点〜950℃の熱処理温度まで急速加熱する。急速加熱はたとえば、通電加熱又は誘導加熱により実施される。平均加熱速度はたとえば、20℃/秒以上である。
鋼板を熱処理温度に加熱した後、プレス成形等、鋼板に応力を付与することなく鋼板を冷却する。具体的には、亜鉛めっき層中の溶融ZnがFeと結合して固相(Fe−Zn固溶体相又はZnFe合金相)になる780℃以下になるまで、冷却する。冷却後、金型を用いて鋼板をプレスしながら焼入れする。
以上の急速加熱において、加熱冷却時間(亜鉛めっき層の融点から熱処理温度まで加熱し、さらに熱処理温度から780℃まで冷却するまでの時間)を20秒以内にする。加熱冷却時間が20秒を超えれば、亜鉛めっき層中のZnが拡散して高融点めっき層に侵入する。この場合、高融点めっき層の融点が低下して、加熱中に高融点めっき層が溶融しやすくなる。そのため、外気が酸化物相下に侵入しやすく、ホットスタンプ鋼材の耐食性が低下しやすい。
加熱冷却時間が20秒以内であれば、高融点めっき層の融点は低下しにくい。したがって、上述のとおり、外気が酸化物層下に侵入しにくく、ホットスタンプ鋼材の耐食性が高まる。
加熱冷却時間の好ましい上限は20秒未満であり、さらに好ましくは18秒であり、さらに好ましくは16秒である。加熱冷却時間の好ましい下限は1秒であり、さらに好ましくは5秒であり、さらに好ましくは10秒である。
[ホットスタンプ鋼材]
以上の方法により製造されたホットスタンプ鋼材は、鋼板である母材と、母材上に形成される固溶体層と、固溶体層上に形成される合金層と、合金層上に形成される酸化物層とを備える。
母材は、上述のとおり、質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する。
固溶体層は、Feと、Feに固溶したZnとを含有する。好ましくは、固溶体中のZn含有量は5〜40質量%である。固溶体層は、Znよりも高い融点を有する高融点金属元素を含有してもよい。好ましくは、高融点金属元素は、Ni又はCoである。高融点金属元素がNi又はCoである場合、固溶体層中の高融点金属元素の好ましい含有量は、5%以下(0%を含まない)であり、さらに好ましくは3%未満(0%を含まない)である。
合金層は、FeとNi及び/又はCoとを含有し、残部はZn及び不純物からなる合金(金属間化合物)である。好ましくは、合金層は、FeとNi及び/又はCoとを総量で15〜30質量%含有し、残部はZn及び不純物からなる。
酸化物層は、ZnOを主体とする層である。具体的には、酸化物層は、体積率で50%以上のZnOを含有する。酸化物層は、ZnOの他に、Al、Fe、Mnや高融点金属などを含有してもよい。
[酸化物層の浮上率について]
ホットスタンプ鋼材ではさらに、酸化物層の浮上率は60%以下である。ここで、浮上率は次のとおり定義される。ホットスタンプ鋼材の酸化物層が形成された表面と垂直な断面において、任意の10視野を特定する。各視野の範囲(断面における酸化物層が形成された表面の範囲)は500μmとする。
図7は、上記視野の一部を示すホットスタンプ鋼材の断面図であり、図8は、断面写真である。図7を参照して、ホットスタンプ鋼材は、上述のとおり図示しない母材と、固溶体層1と、合金層2と、酸化物層3とを備える。図7及び図8を参照して、この断面において、酸化物層3を表面の延在方向(母材である鋼板の圧延方向)に10μmピッチで酸化物層を区分する。区分された各酸化物層部分を、酸化物層領域と称する。1視野につき50個の酸化物層領域が形成される。複数の酸化物層領域のうち、酸化物層3が形成された表面と垂直な方向に1μm以上の隙間が形成された酸化物層領域(以下、浮上領域という)を特定する。図7においては、酸化物層領域10Aが浮遊領域に相当する。この視野での浮上率(%)は式(1)により求められる。
浮上率=浮遊領域の総数/酸化物層領域の総数(50個)×100 (1)
浮上率が60%以下であれば、腐食の際に水や腐食因子が酸化物層3の下に入りにくい。そのため、ホットスタンプ鋼材の耐食性が高まる。なお、製造されたホットスタンプ鋼材の組織は、体積率で90%以上のマルテンサイトを含有する。そのため、ホットスタンプ鋼材は高い強度を有する。
上記高融点めっき層の形成工程において、高融点めっき層がNi及び不純物からなる場合、又は、高融点めっき層がCo及び不純物からなる場合、高融点めっき層の好ましい付着量は6g/m2以下である。この場合、固溶体層中のNi又はCoの含有量が5質量%以下になり、孔食の発生が抑制される。さらに好ましい付着量は3g/m2以下である。この場合、固溶体層中のNi又はCoの含有量が3質量%以下になり、孔食の発生がさらに抑制される。
[第2の実施の形態]
上述の実施の形態では、ホットスタンプ用鋼板上に亜鉛めっき層を形成し、亜鉛めっき層上にさらに高融点めっき層を形成する。しかしながら、亜鉛めっき層及び高融点めっき層と異なる、他のめっき層を形成してもよい。
本実施の形態によるホットスタンプ鋼材の製造方法では、めっき層を形成する工程において、Znと高融点金属元素とを含有する合金めっき層を鋼板上に形成する。その他の工程は第1の実施の形態と同じである。
高融点合金元素は、Znよりも融点が高い金属元素である。好ましい高融点金属元素は、Ni、Co及びFeからなる群から選択される1種以上である。合金めっき層はたとえば、周知の電気めっき法により鋼板上に形成される。
合金めっき層内の高融点合金元素の好ましい含有量(複数の高融点合金元素の場合は総含有量)は10〜15質量%である。
合金めっき層を形成した後の、ホットスタンプ工程は、第1の実施例と同じである。以上のとおり、亜鉛めっき層及び高融点めっき層に代えて、鋼板上に合金めっき層を形成した場合であっても、上述のホットスタンプ鋼材を製造することができる。
[その他の実施の形態]
[防錆油膜形成工程]
上述の実施の形態はさらに、めっき層形成工程後であってホットスタンプ工程の前に、防錆油膜形成工程を含んでもよい。
防錆油膜形成工程では、ホットスタンプ用鋼板の表面に、防錆油を塗布して防錆油膜を形成する。ホットスタンプ用鋼板が製造されてから、ホットスタンプ工程が実施されるまでの期間が長い場合があり得る。その場合、ホットスタンプ用鋼板の表面が酸化する場合があり得る。本工程により防錆油膜が形成された鋼板の表面は酸化しにくく、スケールの発生がより抑制される。
[ブランキング加工工程]
上述の製造方法はさらに、防錆油膜形成工程の後であって、ホットスタンプ工程の前に、ブランキング加工工程を実施してもよい。
ブランキング加工では、ホットスタンプ用鋼板に対して剪断加工及び/又は打ち抜き加工等を実施して、特定の形状に成形する。ブランキング加工後の鋼板の剪断面は酸化しやすい。鋼板表面に防錆油膜が形成されていれば、剪断面にも防錆油がある程度広がる。そのため、ブランキング加工後の鋼板の酸化が抑制される。
表1に示す化学組成を有する鋼A〜Fの鋼板を準備した。
表1を参照して、いずれの鋼の化学組成も、本実施形態の鋼板の化学組成を満たした。
上記化学組成の各鋼の溶鋼を製造した。溶鋼を用いて連続鋳造法によりスラブを製造した。スラブを熱間圧延し、熱延鋼板を製造した。熱延鋼板を酸洗した後、冷間圧延を実施して、冷延鋼板を製造した。冷延鋼板をホットスタンプ鋼材の製造に利用する鋼板とした。表1に示すとおり、各鋼種の鋼板の板厚はいずれも1.6mmであった。
鋼A〜Fの鋼板を利用して、表2中の試験番号1〜29の製造条件でホットスタンプ鋼材を製造した。
具体的には、試験番号1〜19、22〜29の鋼板に対して、亜鉛めっき層形成工程を実施した。試験番号1では、電気めっき処理により電気亜鉛めっき層を形成した。試験番号2、9〜12、15、17、19、22〜29では、溶融亜鉛めっき層を有する鋼板に対して合金化処理を実施して、合金化溶融亜鉛めっき層を形成した。合金化処理での最高温度はいずれも約530℃であり、約30秒加熱した後、室温まで冷却した。
合金化溶融亜鉛めっき層内のFe含有量は質量%で12%であった。Fe含有量は次の測定方法により得られた。合金化溶融亜鉛めっき層を含む鋼板のサンプルを採取した。サンプルの合金化溶融亜鉛めっき層を塩酸で溶解し、ICPにて各元素の量を測定した。合金化溶融亜鉛めっき層が形成されていた面積に基づいて、Zn付着量ならびにFe付着量を求め、Fe含有量(質量%)を求めた。高融点めっき層を施した後から測定する場合、サンプル中の合金化溶融亜鉛めっき層内の任意の5箇所において、EPMA(電子線マイクロアナライザ)によりFe含有量(質量%)を測定した。測定された値の平均値を、その試験番号の合金化溶融亜鉛めっき層のFe含有量(質量%)と定義した。
試験番号3〜19、22〜28ではさらに、高融点めっき層形成工程を実施した。具体的には、試験番号3〜12、22〜28では、電気めっき法により、亜鉛めっき層(溶融亜鉛めっき層又は合金化溶融亜鉛めっき層)上にNiめっき層を形成した。試験番号13〜15では、電気めっき法により、亜鉛めっき層上にCoめっき層を形成した。試験番号16及び17では、電気めっき法により、亜鉛めっき層上にFeめっき層を形成した。試験番号18及び19では、電気めっき法により、亜鉛めっき層上に鉄亜鉛合金めっき層を形成した。EPMAによる測定箇所5箇所のFe含有量の平均値を求めた結果、鉄亜鉛合金めっき層中のFe含有量は質量%で80%であった。
試験番号20及び21では、合金めっき層形成工程を実施して、亜鉛ニッケル合金層を形成した。EPMAによる測定箇所5箇所のFe含有量の平均値を求めた結果、亜鉛ニッケル合金めっき層中のNi含有量は、試験番号20で12質量%であり、試験番号21で14質量%であった。
これらのめっき層の付着量(g/m2)を、次の方法により測定した。各鋼板からめっき層を含むサンプルを採取した。JIS H0401に準拠してサンプルのめっき層を塩酸で溶解した。溶解した溶液をICPにて分析し、各元素の濃度から組成を求め、めっき層が形成されていた面積に基づいて付着量を求めた。2層のめっき組成に同一元素が含まれる場合、同一サンプル中のめっき層ならびに高融点めっき層内それぞれの任意の5箇所において、EPMA(電子線マイクロアナライザ)により各元素含有量(質量%)と、めっき層及び高融点めっき層の厚みとを測定し、測定された値の平均値に対してICPで得られた各元素濃度とを案分し、めっき層が形成されていた面積に基づいて組成及び付着量を求めた。測定結果を表2に示す。
めっき層を形成した後、各試験番号の鋼板に対して、急速加熱によるホットスタンプを実施した。具体的には、各鋼板に対して通電加熱を実施して、鋼種A〜FのAc3点以上の温度である870℃に加熱した。昇温速度(℃/秒)及び加熱冷却時間(秒)は表2に示すとおりであった。表2に示すように、電気亜鉛めっきは純亜鉛であるため425℃を融点、合金化溶融亜鉛めっきはその組成から状態図上で見積もられる665℃を融点とした。
加熱冷却時間が経過した後、水冷ジャケットを備えた平板金型を利用して、鋼板を挟み込んでホットスタンプ鋼材(鋼板)を製造した。ホットスタンプ時冷却速度が遅い部分でも、マルテンサイト変態開始点である360℃程度まで、50℃/秒以上の冷却速度となるように焼入れした。以上の工程により、試験番号1〜29のホットスタンプ鋼材を製造した。
[評価試験]
各試験番号のホットスタンプ鋼材に対して、次の評価試験を実施した。
[固溶体層中のNi濃度及びCo濃度]
各ホットスタンプ鋼材は、鋼板上に固溶体層と、合金層と、酸化物層とを有した。そこで、試験番号3〜15、20〜28のホットスタンプ鋼材の固溶体層中のNi濃度及びCo濃度を、次の方法により測定した。上述の試験番号のホットスタンプ鋼材から、固溶体層を含むサンプルを採取した。固溶体層中の任意の5箇所に対してEPMAによる定量分析を実施し、Ni濃度(質量%)又はCo濃度(質量%)を測定した。5箇所のNi濃度又はCo濃度の平均を、その試験番号のNi濃度(質量%)又はCo濃度(質量%)と定義した。各試験番号のNi濃度及びCo濃度を表2に示す。
[電位差測定試験]
NaClを200g/リットル、ZnSO4・6H2Oを100g/リットル含有し、空気飽和した電解液浴を準備した。浴の温度は35℃であった。浴中で、0.007A/cm2のアノード電流を、ホットスタンプ鋼材の任意の箇所から採取された3つの試験片に印加して、固溶体層の電位と、母材の電位とを測定した。測定された電位の平均を、固溶体層の電位、母材の電位と定義した。式(2)により、電位差Vd(V)を求めた。
Vd=固溶体層の電位−母材の電位 (2)
得られた電位差Vd(V)を表2に示す。
[酸化物層の密着性評価試験]
各試験番号のホットスタンプ鋼材の酸化物層の密着性について、次の評価試験を実施した。
ホットスタンプ鋼材の表面のうち、任意の領域(450mm2、以下、評価領域という)にポリエステル製テープを貼り付けた。その後、テープを引きはがした。テープを引き剥がした後の評価領域において、酸化物層が剥離した部分の面積を求めた。そして、式(3)により、酸化物層の剥離率(%)を求めた。
酸化物層の剥離率=酸化物層が剥離した部分の面積/評価領域の面積×100 (3)
上記剥離率が5%以下である場合、酸化物層の密着性が高いと判断した。一方、上記剥離率が5%よりも高い場合、酸化物層の密着性が低いと判断した。表2に評価結果を示す。表2中の「酸化物層密着性」欄の「E」(Excellent)は、上記剥離率が5%以下であり、酸化物層の密着性が高いことを示す。
[りん酸塩処理性評価試験]
各試験番号のホットスタンプ鋼材に対して、日本パーカライジング株式会社製の表面調整処理剤プレパレンX(商品名)を用いて表面調整を室温で20秒実施した。さらに、日本パーカライジング株式会社製のりん酸亜鉛処理液パルボンド3020(商品名)を用いてりん酸塩処理を実施した。処理液の温度は43℃とし、ホットスタンプ鋼材を処理液に120秒間浸漬した。
りん酸塩処理後、ホットスタンプ鋼材の任意の5視野(125μm×90μm)を1000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して、反射電子像(BSE)を得た。反射電子像では、観察領域をグレースケールで画像表示した。反射電子像内において、りん酸塩皮膜が形成された部分と、りん酸塩皮膜が形成されていない部分とで、コントラストが異なる。そこで、りん酸塩皮膜が形成されていない部分の明度(複数階調)の数値範囲X1を、SEM及びEDS(エネルギ分散型X線マイクロアナライザ)によりあらかじめ決定した。
各視野の反射電子像において、画像処理により、数値範囲X1内のコントラストを示す領域の面積A1を求めた。そして、次の式(2)に基づいて、各視野の透け面積率TR(%)を求めた。
TR=A1/A0×100 (2)
ここで、A0は視野の全面積(125μm×90μm=11250μm2)である。5視野の透け面積率TR(%)の平均を、その試験番号のホットスタンプ鋼材の透け面積率(%)と定義した。透け面積率が5%未満である場合、りん酸塩処理性に優れると評価した。表2中に評価結果を示す。「りん酸塩処理性」欄の「E」は、透け面積率が5%未満であり、りん酸塩処理性が高いことを示す。「NA」は、透け面積率が5%以上であり、りん酸塩処理性が低いことを示す。
[浮上率評価試験]
各試験番号のホットスタンプ鋼材の酸化物層の浮上率を上述の方法で求めた。表2に、測定結果を示す。
[SDT試験(塩水浸漬試験)]
上述のりん酸塩処理を実施した後、各試験番号のホットスタンプ鋼材に対して、日本ペイント株式会社製のカチオン型電着塗料を電圧160Vのスロープ通電で電着塗装し、さらに、焼き付け温度170℃で20分間焼き付け塗装した。電着塗装後の塗料の膜厚の平均は、いずれの試験番号も10μmであった。
電着塗装後、ホットスタンプ鋼材を、50℃の温度を有する5%NaCl水溶液に500時間浸漬した。浸漬後、ホットスタンプ鋼材の試験面60mm×120mmの領域(面積A10=60mm×120mm=7200mm2)全面のうち、赤錆(Fe23)が発生した領域の面積率を求めた。
さらに、試験面全面にポリエステル製テープを貼り付けた。その後、テープを引きはがした。そして、塗料が剥離しているか否かを目視で確認した。
塗料が剥離しておらず、かつ、赤錆が発生した面積率が5%未満である場合、塗膜密着性に優れ、耐食性に優れると判断した。表2に評価結果を示す。表2中の「SDT」欄の「E」は、試験の結果、塗料が剥離せず、かつ、赤錆が発生した面積率が5%未満であったことを示す。「NA」は、塗料が剥離したか、又は、赤錆が発生した面積率が5%以上であったことを示す。
[試験結果]
表2を参照して、試験番号6〜19、22〜28の鋼板の化学組成は適切であった。さらに、加熱冷却時間は20秒以内であった。そのため、酸化物層の密着性が高く、りん酸塩処理性も高かった。試験番号20及び21の鋼板の化学組成も適切であり、めっき層は電気亜鉛めっき法により製造された。さらに、加熱冷却時間は20秒以内であった。そのため、試験番号20及び21では、酸化物層の密着性及びりん酸塩処理性が高かった。
さらに、試験番号6〜28のホットスタンプ鋼材の酸化物層の浮上率は60%以下であった。そのため、塗料が剥離せず、赤錆が発生した面積率は5%未満であり、耐食性が高かった。
さらに、試験番号6、7、9〜19、22〜27のホットスタンプ鋼材では、第2めっき層中の金属元素の付着量が6g/m2以下であった。そのため、ホットスタンプ鋼材の固溶体層のNi濃度及びCo濃度が5質量%以下であった。その結果、ホットスタンプ鋼材の酸化物層の浮上率が40%以下であった。さらに、固溶体層の電位よりも母材の電位が高く、孔食が発生しにくかった。
一方、試験番号1では、電気めっき処理により、鋼板上に電気亜鉛めっき層を形成した。そのため、りん酸塩処理性は高かった。しかしながら、亜鉛めっき層上に高融点めっき層を形成しなかった。そのため、ホットスタンプ鋼材での酸化物層の浮上率が60%を超え、耐食性が低かった。
試験番号2及び29では、溶融亜鉛めっき処理及び合金化処理により、鋼板上に合金化溶融亜鉛めっきを形成した。しかしながら、高融点めっき層を形成しなかった。そのため、りん酸塩処理性が低く、耐食性が低かった。
試験番号3〜5では、加熱冷却時間が長すぎた。そのため、ホットスタンプ鋼材の酸化物層の浮遊率は60%を超え、耐食性が低かった。
以上、本発明の実施の形態を説明した。しかしながら、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。したがって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変更して実施することができる。
本実施形態によるホットスタンプ鋼材の製造方法は、ホットスタンプにより製造される鋼材の製造方法として広く適用可能である。通電加熱に代表される急速加熱によるホットスタンプを実施する場合において、特に適する。
10 鋼板
11 亜鉛めっき層
12 酸化物層
13 高融点めっき層
123 隙間

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する鋼板を準備する工程と、
    前記鋼板に対して電気めっき処理又は溶融めっき処理を実施して、前記鋼板上にZnとZnよりも高融点の元素とを含有するめっき層を形成する工程と、
    前記めっき層が形成された前記鋼板をAc3点〜950℃の熱処理温度に加熱した後、金型を用いて前記鋼板をプレスしながら焼入れしてホットスタンプ鋼材を成形する工程とを備え、
    前記ホットスタンプ鋼材を成形する工程では、前記めっき層の融点から前記熱処理温度まで前記鋼板を加熱し、さらに、前記熱処理温度から前記鋼板を冷却して780℃に至るまでの時間を20秒以下にする、ホットスタンプ鋼材の製造方法。
  2. 請求項1に記載のホットスタンプ鋼材の製造方法であって、
    前記めっき層は、第1及び第2のめっき層を含み、
    前記めっき層を形成する工程は、
    鋼板上に電気亜鉛めっき層、溶融亜鉛めっき層及び合金化溶融亜鉛めっき層のいずれかである亜鉛めっき層を形成する工程と、
    前記亜鉛めっき層上に、前記亜鉛めっき層よりも高い融点を有する高融点めっき層を形成する工程とを含む、ホットスタンプ鋼材の製造方法。
  3. 請求項2に記載のホットスタンプ鋼材の製造方法であって、
    前記高融点めっき層は、Ni、Co及びFeからなる群から選択される1種以上の元素を総量で10質量%以上含有する、ホットスタンプ鋼材の製造方法。
  4. 請求項3に記載のホットスタンプ鋼材の製造方法であって、
    前記高融点めっき層は、Ni及び不純物からなり、
    前記高融点めっき層を形成する工程では、前記高融点めっき層の付着量を6g/m2以下にする、ホットスタンプ鋼材の製造方法。
  5. 請求項1に記載のホットスタンプ鋼材の製造方法であって、
    前記めっき層は、亜鉛ニッケル合金めっき層からなる、ホットスタンプ鋼材の製造方法。
  6. ホットスタンプ鋼材であって、
    質量%で、C:0.05〜0.4%、Si:0.5%以下、Mn:0.5〜2.5%、P:0.03%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.1%以下、N:0.01%以下、B:0〜0.005%、Ti:0〜0.1%、Cr:0〜0.5%、Nb:0〜0.1%、Ni:0〜1.0%、及び、Mo:0〜0.5%を含有し、残部がFe及び不純物からなる化学組成を有する母材と、
    前記母材上に形成され、Feと、Feに固溶したZnとを含有する固溶体層と、
    前記固溶体相上に形成され、Znと、Znよりも高融点の元素とを含有する合金層と、
    前記合金層上に形成され、50体積%以上のZnOを含有する酸化物層とを備え、
    前記ホットスタンプ鋼材の前記酸化物層が形成された表面と垂直な断面において、前記酸化物層を10μmピッチで複数の酸化物層領域に区分した場合、前記複数の酸化物層領域のうち、前記表面と垂直な方向に1μm以上の隙間が形成された前記酸化物層領域の割合は60%以下である、ホットスタンプ鋼材。
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