JP2015103741A - 面発光レーザ、およびそれを用いた光干渉断層計 - Google Patents

面発光レーザ、およびそれを用いた光干渉断層計 Download PDF

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Abstract

【課題】 広い波長帯域にわたって閾値電流が大きくならない面発光レーザの提供を目的とする。
【解決手段】 下部反射鏡と、活性層と、空隙部と、上部反射鏡と、をこの順に有し、前記下部反射鏡、前記上部反射鏡との間の距離を変化させることによって出射する光の波長を可変とする面発光レーザであって、前記下部反射鏡と前記上部反射鏡のいずれか一方を前記出射する光の光軸方向に変位させる駆動部を有し、前記下部反射鏡および前記上部反射鏡の少なくともいずれか一方は、第一の層と、前記第一の層より小さい屈折率を有する第二の層とが交互に積層され、かつ、両端の層が前記第一の層である積層体を有し、前記積層体の両端の少なくともいずれか一方に、第三の層がさらに設けられていることを特徴とする面発光レーザ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、面発光レーザ、および面発光レーザを用いた光干渉断層計に関する。
面発光レーザの1つに、垂直共振器型面発光レーザ(Vertical CavitySurface Emitting Laser、以下、VCSELと呼ぶことがある)がある。VCSELは、活性層の上下を二つの反射鏡で挟み、基板の表面に対して垂直な方向に共振器を形成し、基板の表面に対して垂直な方向にレーザ光を出射する。さらに、出射光の波長を変化させることができる波長可変VCSELというものがある。その一例として、VCSELにおける上部反射鏡と活性層との間に空隙部を設け、上部反射鏡をレーザ光の光路方向に移動させることで、共振器長を変更し、出射光の波長を変えることができるレーザがある。この、出射光の波長を変えることができる面発光レーザを、以下では、波長可変VCSELということがある。
一方、波長可変VCSELは光干渉断層計(Optical Coherence Tomography、以下OCTと略すことがある)用の光源として好適であることが知られている。波長可変VCSELをOCT用の光源に利用する場合、OCTの深さ分解能の向上のために、波長可変幅のさらなる広帯域化が望まれている。波長可変VCSELの波長可変幅を広くする手段の1つとして、活性層の上下に設けられる反射鏡において、広い反射帯域で高反射率とすることが挙げられる。
非特許文献1では、一対の分布ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector、以下DBRと略すことがある)が活性層の上下に設けられた構成を有する波長可変VCSELを開示している。
IEEE JOURNAL ON SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS,Vol.6,No.6,Nov.2000
ここで、反射鏡としては、レーザ発振に必要な高反射率を得るために、誘電体または半導体の多層膜で構成されたDBRを使用する事が一般的である。一般的なDBRは、屈折率の異なる2種類の層を、その光学厚さを、レーザ光の波長帯域の中心波長の1/4となるようにして、交互に積層することで形成される。ここで光学厚さとは、その層の厚さに、層を構成する物質の屈折率を掛けた値である。DBRの反射率、反射帯域は2種類の層の屈折率差と積層数で決まり、2種類の層の屈折率差が大きいほど、また、積層数が多いほど広帯域で高反射率な反射特性を得ることができる(図9(a)(b))。このとき、反射率の高い波長範囲を広げようとすると、反射率自体も高くなる(図9(a)(b))。一方、レーザにおいて光取り出し側の反射鏡の反射率が高すぎると光取り出しができず、反射率が低すぎるとレーザ発振の閾値が増大する。そのため、光取り出し側の反射鏡の反射率は適切なものとする必要がある。
すなわち、広帯域にわたって高反射率にするために、DBRを構成する各層の積層数を増やすと、反射率が高くなり過ぎ、光をレーザの外に取り出すことが難しくなることがある。一方、反射率が低いと共振器外に出る光が増え、レーザ発振しにくくなる。したがって、反射率が高過ぎる場合には発光効率が小さくなり、反射率が低い場合にはレーザ光を出射させるための閾値電流が増大する、といったことが生じうる。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、広い波長帯域にわたって発光効率が小さくならない、または閾値電流が大きくならない反射率の反射鏡を有する面発光レーザの提供を目的とする。
本発明に係る面発光レーザは、
下部反射鏡と、活性層と、空隙部と、上部反射鏡と、をこの順に有し、前記下部反射鏡、前記上部反射鏡との間の距離を変化させることによって出射する光の波長を可変とする面発光レーザであって、
前記下部反射鏡と前記上部反射鏡のいずれか一方を前記出射する光の光軸方向に変位させる駆動部を有し、
前記下部反射鏡および前記上部反射鏡の少なくともいずれか一方は、第一の層と、前記第一の層より小さい屈折率を有する第二の層とが交互に積層され、かつ、両端の層が前記第一の層である積層体を有し、
前記積層体の両端の少なくともいずれか一方に、前記出射する光の中心波長をλとしたときに、光学厚さndが、0<nd<λ/2である第三の層がさらに設けられ、前記第三の層の屈折率は前記第一の層より小さく、かつ、前記第三の層の隣接する層のうち前記積層体とは逆側の層よりも大きいことを特徴とする。
本発明に係る面発光レーザによれば、面発光レーザを構成する反射鏡に、反射を抑制する層を設けることで、広い波長帯域にわたって発光効率が小さくならない、または閾値電流が大きくならない面発光レーザを提供することができる。
本発明の実施形態に係る波長可変VCSELの構成を示す断面図。 本発明の実施形態における上部反射鏡の構成を示す断面図。 本発明の実施形態に係る波長可変VCSELの反射率低減効果を説明するための図。 本発明の実施形態における上部反射鏡の反射率の波長依存性を示す計算結果。 (a)本発明の実施形態における上部反射鏡の別の構成を示す図。(b)本発明の実施形態における上部反射鏡の別の構成を用いた場合の反射率の波長依存性を示す計算結果。 本発明の実施形態に係る光干渉断層計の構成を示す図。 本発明の実施例2に係る波長可変VCSELの構成を示す断面図。 本発明の実施例3に係る波長可変VCSELの構成を示す断面図。 本発明の課題について説明するための図。
以下に、本発明の実施形態に係る波長可変VCSELについて説明する。図1は本実施形態に係る面発光レーザの断面図である。
本実施形態に係る面発光レーザは図1のように、下部電極101と、下部電極101の上に形成された基板102と、基板102の上に形成された下部反射鏡110と、下部反射鏡110の上に形成された下部クラッド層103と、下部クラッド層103の上に形成された活性層104と、活性層104の上に形成された上部クラッド層120と、上部クラッド層120の上に形成された上部電極105とを有する。また、上部クラッド層120の上に、絶縁層106が形成され、絶縁層106の上には、上部反射鏡130が形成されている。また、上部クラッド層120と上部反射鏡130との間は離間しており、空隙部107を有する。下部電極101、および上部電極105を用いて活性層104に電流が注入されると、そこで発光が生じ、その光が下部反射鏡110と上部反射鏡130とで形成される共振器内を往復し誘導放出を引き起こす。共振器内で誘導放出された光は、基板102の表面に対して垂直な方向に、すなわちy方向に、上部反射鏡130を透過して、特定の波長のレーザ光として出射される。また、上部クラッド層120は、電流狭窄層121を有するため、電極105から供給された電流は、電流狭窄層121の開口部分122を通って、活性層104に注入される。
ここで、上部クラッド層120と空隙部107との界面から、上部反射鏡130と空隙部107との界面までの距離(図1の距離α)を変えると、共振器長が変わるため、発振されるレーザ光の波長を変えることができる。したがって、距離αを変化させる駆動部140を用いれば、出射されるレーザ光の波長を変化させることができる。別の言い方をすれば、駆動部140を用いて、上部反射鏡130を光軸方向(図1のy方向)に上部反射鏡130を変位させることでレーザ光の波長を変化させることができる。
本実施形態に係る面発光レーザにおいて、下部反射鏡110と上部反射鏡130はともにDBRである。下部反射鏡110は、高屈折率の層と低屈折率の層とが交互に積層された多層膜で構成されている。
上部反射鏡130について、上部反射鏡130の拡大図である図2を用いて説明する。上部反射鏡130は、第一の層131と第二の層132とが交互に積層された積層体134を有し、第二の層132の屈折率(n)は第一の層131の屈折率(n)よりも小さい(n>n)。また、積層体134の積層方向の両端の層が第一の層131である。なお、図1、2に示す上部反射鏡130を構成する層の積層数は一例であり、実際にはより多くの層を有する。なお、第一の層131、第二の層132は本実施形態に係る面発光レーザの中心波長λの1/4の光学厚さとしている。
なお、本明細書において中心波長とは、面発光レーザから出射される光の波長範囲の中心の波長という意味で使用する。つまり、面発光レーザから出射される光の最短波長と最長波長の中心の波長を意味する。レーザから出射される光の波長は共振器長の変動幅、反射鏡の反射帯域、活性層の利得帯域などの要素によって決まる。設計時は、基本的には中心波長を設定して、それに合わせて各要素の構成を決める。
上部反射鏡130を構成する第一の層131と第二の層132の積層数を増やすことで、上部反射鏡130に、広帯域にわたって高反射率な反射特性をもたせることができる。しかし、上述したように、広帯域にわたって高反射率な反射特性をもたせたときに、反射率が高くなりすぎてしまい、光が取り出される側の反射鏡である上部反射鏡130を光が透過しにくくなり、レーザ光を出射する際の発光効率が小さくなる。
そこで本実施形態に係る面発光レーザでは、積層体134の反射スペクトルにおいて特に反射率が高くなってしまう、中心波長付近の反射を抑制する層を設ける。
具体的には、積層体134の両端の両方に、中心波長付近の反射を抑制するために光学厚さndが0<nd<λ/2である第三の層133がさらに設けられる。第三の層133は、第一の層131の屈折率より小さく、かつ、前記第三の層133の隣接する層(131または108)のうち積層体134とは逆側の層、すなわち空気の層108の屈折率よりも大きい屈折率(n)を有する。なお、屈折率n、n、nはいずれも空気の層108の屈折率(≒1)よりも大きい。なお、第三の層の光学厚さndは、面発光レーザの中心波長をλとしたときに、λ/8<nd<3λ/8であることが好ましく、λ/4であることが特に好ましい。なぜなら、第三の層133の光学厚さがλ/4であるとき、中心波長における反射抑制効果が高く、λ/4よりも厚くなるにつれて、反射抑制効果が高い領域が長波長側にシフトし、薄くなるにつれて短波長側にシフトするからである。本実施形態では、第三の層133は本実施形態に係る面発光レーザの中心波長λの1/4の光学厚さとしている。次に図3(a)(b)を用いて、第三の層133を設けることにより、反射抑制効果を得られる理由について説明する。まず、図3(a)のように、第三の層133が設けられていない場合、第一の層131と空気の層108との界面で反射した光Lと第二の層132と第一の層131との界面で反射した光Lとは、同じ位相を有するため強めあい、反射光が残る。なぜなら光Lは光Lに比べて光路長がλ/2大きく、かつ光Lは低屈折率(n)の層からきて高屈折率(n)の層の界面で反射する際に位相がλ/2ずれるからである。結果的にLとLとは同じ位相を有する。
一方、図3(b)のように、第三の層133が設けられている場合、第三の層133と空気の層108との界面で反射した光L’と第一の層131と第三の層133との界面で反射した光L’とは、位相がλ/2異なるため弱めあい反射が起きないからである。なぜなら光L’は光Lに比べて光路長がλ/2大きく、かつ光Lは高屈折率(n)の層からきて低屈折率(n)の層の界面で反射する際に位相がずれないからである。結果的にLとLとは異なる位相を有する。
また、このような反射の抑制効果は中心波長λに近いほど大きいため、特に反射率が高くなる中心波長付近の反射率が低くなり、中心波長λに比べて反射率が低い波長帯域においては、反射の抑制効果が小さい。
その結果、広い波長帯域にわたって反射率が高くなりすぎず、また、低くならず、レーザ光を出射させるための閾値電流の増大や発光効率の低下を抑制できる。
ここで、第三の層133を設けることにより、反射率が抑制されることを示す計算結果を示す(図4)。計算では、高屈折率層である第一の層にはAl0.2Ga0.8As、低屈折率層である第二の層にはAl0.8Ga0.2As、第三の層にはAl0.55Ga0.45Asを用いた。屈折率はそれぞれ、n=3.35、n=3.05、n=3.14である。図4に、上記第一の層と第二の層を交互に22ペア積層した構造にさらに第一の層を積層して積層体の両端の層が第一層となるようにした反射鏡(22.5ペア)の反射率の波長依存性を点線で示す。また、上記第一の層と第二の層を交互に47ペア積層した構造にさらに第一の層を積層して積層体の両端の層が第一層となるように構成される反射鏡(47.5ペア)の反射率の波長依存性を一点鎖線で示す。さらに、上記反射鏡(47.5ペア)の両端にさらに第三の層を設けた構成の反射鏡(47.5ペア+第三の層)を実線で示す。なお、第一乃至第三の各層の光学厚さは、中心波長(1060nm)の1/4とした。図4によると、反射鏡(22.5ペア)のピーク反射率は99.5%程度、反射鏡(47.5ペア)のピーク反射率は99.9%程度となる。反射鏡(22.5ペア)は光取り出しのために適当なピーク反射率を有しているが、反射帯域が狭い。一方、反射鏡(47.5ペア)を用いた場合、反射帯域は広いが、ピーク反射率が99.9%程度と高いため、光取り出し効率が良くない。本実施形態における反射鏡(47.5ペア+第三の層)では反射帯域が広く、かつ、最適範囲の反射率を有している。このような反射鏡を取り出し側の反射鏡に用いることで、面発光レーザにおいて、広帯域にわたってレーザ光を効率的に発振することができる。
上記では、上部反射鏡130が積層体134の両端にさらに第三の層133が設けられた多層膜構造について説明したが、下部反射鏡110がこのような第三の層を有する多層膜構造であってもよい。また、上部、下部の両方の反射鏡がこのような第三の層を有する多層膜構造であってもよい。また、上部反射鏡130あるいは下部反射鏡110において、両端の両方ではなく、両端のいずれか一方に第三の層133が設けられていてもよい。
図5(a)に、積層体134の両端の一方に第三の層133が設けられた構造を有する上部反射鏡130の例を示す。また、先と同様、第三の層133を設けることにより、反射率が抑制されることを示す計算結果を示す(図5(b))。計算では、高屈折率層である第一の層131にはAl0.2Ga0.8As、低屈折率層である第二の層132にはAl0.8Ga0.2As、第三の層133にはAl0.45Ga0.55Asを用いた。屈折率はそれぞれ、n=3.35、n=3.05、n=3.2である。
図5(b)に、上記第一の層と第二の層を交互に22ペア積層した構造にさらに第一の層を積層して、両端の層が第一の層131となるようにした反射鏡(22.5ペア)の反射率の波長依存性を点線で示す。また、上記第一の層と第二の層を交互に40ペア積層した構造にさらに第一の層を積層して両端の層が第一層となるようにした反射鏡(40ペア)の反射率の波長依存性を一点鎖線で示す。さらに、上記反射鏡(40ペア)の両端の層である第一の層にさらに第三の層を設けた構成の反射鏡(40ペア+第三の層)の反射率の波長依存性を実線で示す。なお、第一乃至第三の各層の光学厚さは、中心波長(1060nm)の1/4とした。
図5(b)によると、図4と同様、積層体の両端の両方に第三の層を設ける場合と同様な効果を得ることが確認できる。すなわち、反射鏡(22.5ペア)のピーク反射率は99.5%程度、反射鏡(40.5ペア)のピーク反射率は99.9%程度となる。反射鏡(22.5ペア)は光取り出しのために適当なピーク反射率を有しているが、反射帯域が狭い。一方、反射鏡(40.5ペア)は、反射帯域は広いが、ピーク反射率が99.9%程度と高いため、光取り出し効率が良くない。本実施形態における反射鏡(40.5ペア+第三の層)では反射帯域が広く、かつ、適切な範囲内の反射率を有している。このような反射鏡を取り出し側の反射鏡に用いることで、面発光レーザにおいて、広帯域にわたってレーザ光を効率的に発振することができる。図5(a)のように、第三の層が一方だけに設けられた構成の反射鏡は、下部反射鏡に適用する場合に好適である。下部反射鏡として用いる場合、第三の層133は積層体134と、(i)下部クラッド層103、(ii)基板102、(iii)基板102と電極101をくり抜かれていれば空気の層109、のいずれかと接する。このとき、第三の層133は、下部クラッド層103、基板102、空気の層109よりも屈折率が高い。
(iii)の場合、基板から半導体層をエピタキシャル成長させたあとに基板を下部反射鏡までエッチング等でくり抜くことで、第三の層の界面を屈折率差の大きい空気とすることができる。
(上部反射鏡、および下部反射鏡)
本実施形態においては上部反射鏡および下部反射鏡は、少なくともいずれか一方が上記のような多層膜を有する積層体であればよく、両方ともに上記のような多層膜を有する積層体であってもよい。なお、本実施形態に係る上部反射鏡と下部反射鏡の構造や材料は各々独立に選ぶことができる。
また、上部反射鏡および下部反射鏡の一方が、回折格子、例えば高屈折率差サブ波長回折格子(High Contrast Grating、以下HCGと略すことがある)ミラーであってもよい。HCGミラーは、高屈折率の材料と低屈折率の材料とが面内方向に交互に周期的に並んだ構成である。HCGミラーの例として、AlGaAs層のような半導体層を加工して周期的な空隙を設けた、高屈折率領域(AlGaAs部)と低屈折領域(空隙部)の周期構造体が挙げられる。
波長可変VCSELの場合、移動させる方の反射鏡(図1では上部反射鏡)を軽量なミラーとすることが、波長可変速度を高速にするという観点から好ましい。そのため、本実施形態において、上部反射鏡として厚い(重い)構成となる多層膜ミラーではなく、薄い(軽い)構成のHCGミラーを用いることが好ましい。
また、上部反射鏡および下部反射鏡で用いる多層膜を有する積層体は半導体多層膜ミラーに限らず、誘電体多層膜ミラーを用いてもよい。誘電体多層膜ミラーの例として、酸化シリコン層としてのSiO層と酸化チタン層としてのTiO層のペアを複数組有する誘電体多層膜が挙げられる。
一方、半導体多層膜ミラー、すなわち第一の層、第二の層、および第三の層がいずれも半導体層である場合、半導体層を構成する材料がAlxGa(1−x)As(0≦x≦1)で表わされる材料を有することが好ましい。例えば、高屈折率層としてのGaAs層と低屈折率層としてのAlGa(1−x)As層(0.9≦x≦1)とのペアを複数組有する半導体多層膜が挙げられる。また、上記高屈折率層としてx=1となるAlAsを用いることもできる。
なお、多層膜ミラーのペア数を適宜変えることによって高反射率の反射帯域幅や反射率を制御することが可能である。
また、本発明の実施形態においては、可動ミラーは静電引力で駆動するシリコンカンチレバーのようなMEMS(Micro Electro Mechanical System)構造を用いることができる。
上記本実施形態における面発光レーザでは、上部反射鏡130を光取り出し側の反射鏡として用いているが、下部反射鏡110を光取り出し側の反射鏡として用いてもよい。光取り出し側の反射鏡のピーク反射率は、他方の反射鏡の反射率よりも低い。
ここで、光を取り出す側の反射鏡としては、反射率の値が99.0%から99.5%の間であることが好ましい。通常の設計では、DBR、すなわち、高屈折率層である第一の層131と低屈折率層である第二の層132のペア数を増やすことで反射率が大きくなるため、高屈折率層と低屈折率層の材料が決まるとおおよそのペア数が決まる。本実施形態では、上部反射鏡130のペア数を通常の光取り出し側の反射鏡で用いられる設計のDBRのペア数より多くする。すなわち、反射率のピークが99.5%以上となるためのペア数で構成されるDBRにさらに同一材料の数10ペアの積層を付加する。そして、光取り出し側の反射鏡のペア数の範囲として、第三の層を配置したときに、反射率の適切な範囲の一例である99.0%から99.5%の間となるようなペア数であることが好ましい。
上記本発明の実施形態において、第三の層133は空気の層108と接している構成を示したが、第三の層133よりも屈折率の低いSiO等の誘電体材料を用いてもよい。SiOを用いた場合でも第三の層との屈折率差は大きくすることができ、また、誘電体材料を用いることで直接空気に半導体層(第三の層)が接触する場合よりも耐環境性を向上させることができる。
また一般的に、誘電体で構成されるDBRと半導体で構成されるDBRとでは、誘電体の方が屈折率差を大きくしやすいため、少ない積層数で高い反射率を実現できる。一方で、半導体で構成されるDBRでは誘電体で構成されるDBRに比べてペア数が多くなってしまうが、結晶成長中に同時に成膜できる、ドーピングにより電流を流すことができる等のプロセス上の利点がある。誘電体に比べて屈折率差を大きくとれない半導体でDBRを形成する場合では、積層数を多くすることによって高い反射率、広い反射帯域を得ることができる。例えば、高屈折率層である第一の層と低屈折率である第二の層とが交互に35ペア以上積層された構造を有することが好ましい。
(活性層)
本実施形態における活性層は電流を注入することで光を発生する材料であれば特に限定されない。850nm付近の波長帯域の光を出射させる場合、AlGa(1−n)As(0≦n≦1)からなる量子井戸構造を有する材料を用いることができる。また、1060nm付近の波長帯域の光を出射させる場合、InGa(1−n)As(0≦n≦1)からなる材料などを用いることができる。
また、本実施形態における活性層は十分に広い利得を有するものであることが好ましく、具体的には上部反射鏡および下部反射鏡の反射帯域より広い波長領域において利得を有することが好ましい。そのような活性層としては、例えば、少なくとも2つ以上の異なるエネルギー準位で発光が可能な量子井戸構造を有する活性層が挙げられる。また、量子井戸構造は、単量子井戸または多重量子井戸を有するように複数の層で構成されたものであってもよい。
本実施形態における活性層の材料・構造は、発振波長させたい波長に応じて適宜選択できる。
また、本実施形態における活性層は光が照射されて励起されることによって発光してもよいし、電流が注入されることによって発光してもよい。したがって、本実施形態における面発光レーザまたは、後述する光干渉断層計は、活性層を励起するための励起光源を有していてもよいし、活性層に電流を注入するための電源を有していてもよい。
(第一のクラッド層、および第二のクラッド層)
本発明の実施形態においては、光やキャリアを閉じ込めるためにクラッド層が設けられる。また本発明の実施形態においては、共振器長を調整するためのスペーサとしての役割もクラッド層が担っている。
本実施形態における第一のクラッド層、第二のクラッド層として、出射する波長帯域によりAlの組成を適宜選択したAlGaAs層を用いることができる。例えば、850nm付近の波長帯域の光を出射させる場合にはAl0.8GaAs層を用いることができ、1060nm付近の波長帯域の光を出射させる場合は、Al0.4GaAs層とGaAs層との積層を用いることができる。なお、第一のクラッド層と第二のクラッド層とは導電型が互いに異なるものである。また、共振器長については、波長固定VCSELではλ共振器や、5λ程度の長共振器とすることができるため、共振器長を確保するためにクラッド層厚を調整する。一方で、波長可変VCSELにおいては、可動ミラーの可動領域(後述の空隙部)や駆動、また電流狭窄構造を考慮すると3乃至は4λ共振器とすることが好ましく、クラッド層厚を調整する。なおクラッド層厚を調整する際には必ずしも第一のクラッド層と第二のクラッド層の厚さを同じにする必要はなく、共振器長を調整できれば適宜選択できる。
(電流狭窄層)
本実施形態においては、レーザに注入された電流が流れる領域を制限するための電流狭窄層を必要に応じて設けることができる。電流狭窄層は水素イオン打ち込み、あるいはクラッド層内に設けたAl組成90%以上のAlGaAs層を選択的に酸化することで形成される。本実施形態において電流狭窄層は、活性層に光が照射されて励起されることによって発光するような構造の場合には特に必要でなく、電流注入により発光するような構造の場合に好適に用いられる。
(空隙部)
本実施形態における空隙部には通常固体が存在しない。よって、その雰囲気により空隙部は真空であってもよいし、空気、不活性ガス、水のような液体といった流体が存在してもよい。なお、空隙部の長さ(図1のα)は、波長可変帯域幅や可動ミラーのプルインを考慮して決定することができる。例えば、空隙部を空気とした1060nmを中心として波長可変帯域幅100nmで可変する3ないしは4λ共振器においては、空隙部の長さは1μm程度となる。
(駆動部)
駆動部は、本実施形態に係る波長可変VCSELの共振器長を変化させることができるものであれば特に限定されない。例えば、MEMS機構を用いて電圧を印加することで駆動する駆動部や、ピエゾ等の圧電材料を用いて駆動する駆動部が挙げられる。また、本実施形態において片持ち梁構造となっているが、両持ち梁構造となっていてもよい。
本実施形態における駆動部は、上部反射鏡を変位させる構成であってもよいし、下部反射鏡を変位させる構成であってもよいし、両方を変位させる構成であってもよい。
(光干渉断層計)
波長可変光源を用いた光干渉断層計(Optical Coherence Tomography、以下、OCTと略すことがある)は、分光器を用いないことから、光量のロスが少なく高SN比の断層像の取得が期待されている。実施形態による面発光レーザをOCTの光源部に用いた例について図6を用いて説明する。
本実施形態に係るOCT装置6は、光源部601、干渉光学系602、光検出部603、情報取得部604、を少なくとも有する構成であり、光源部601として上述した面発光レーザを用いることができる。また、図示していないが、情報取得部604はフーリエ変換器を有する。ここで、情報取得部604がフーリエ変換器を有するとは、情報取得部が入力されたデータに対してフーリエ変換する機能を有していれば形態は特に限定されない。一例は、情報取得部604が演算部を有し、該演算部がフーリエ変換する機能を有する場合である。具体的には、該演算部がCPUを有するコンピュータであり、このコンピュータが、フーリエ変換機能を有するアプリケーションを実行する場合である。他の例は、情報取得部604がフーリエ変換機能を有するフーリエ変換回路を有する場合である。光源部601から出た光は干渉光学系602を経て測定対象の物体612の情報を有する干渉光となって出力される。干渉光は光検出部603において受光される。なお光検出部603は差動検出型でも良いし単純な強度モニタ型でも良い。受光された干渉光の強度の時間波形の情報は光検出部603から情報取得部604に送られる。情報取得部604では、受光された干渉光の強度の時間波形のピーク値を取得してフーリエ変換をし、物体612の情報(例えば断層像の情報)を取得する。なお、ここで挙げた光源部601、干渉光学系602、光検出部603、情報取得部604を任意に設けることができる。
以下、光源部601から光が発振されてから、測定対象の物体の断層像の情報を得るまでについて詳細に説明する。
光の波長を変化させる光源部601から出た光は、ファイバ605を通って、カップラ606に入り、照射光用のファイバ607を通る照射光と、参照光用のファイバ608を通る参照光とに分岐される。カップラ606は、光源の波長帯域でシングルモード動作のもので構成し、各種ファイバカップラは3dBカップラで構成することができる。照射光はコリメーター609を通って平行光になり、ミラー610で反射される。ミラー610で反射された光はレンズ611を通って物体612に照射され、物体612の奥行き方向の各層から反射される。一方、参照光はコリメーター613を通ってミラー614で反射される。カップラ606では、物体612からの反射光とミラー614からの反射光による干渉光が発生する。干渉した光はファイバ615を通り、コリメーター616を通って集光され、光検出部603で受光される。光検出部603で受光された干渉光の強度の情報は電圧などの電気的な情報に変換されて、情報取得部604に送られる。情報取得部604では、干渉光の強度のデータを処理、具体的にはフーリエ変換し断層像の情報を得る。この、フーリエ変換する干渉光の強度のデータは通常、等波数間隔にサンプリングされたデータであるが、等波長間隔にサンプリングされたデータを用いることも可能である。
得られた断層像の情報は、情報取得部604から画像表示部617に送って画像として表示させてもよい。なお、ミラー611を照射光の入射する方向と垂直な平面内で走査することで、測定対象の物体612の3次元の断層像を得ることができる。また、光源部601の制御は情報取得部604が電気回路618を介して行ってもよい。また図示しないが、光源部601から出る光の強度を逐次モニタリングし、そのデータを干渉光の強度の信号の振幅補正に用いてもよい。本発明の実施形態による面発光レーザはレーザ光を出射させるための閾値電流の増大、発光効率の低下を抑制しつつ、広帯域にわたるレーザ光を発振できる。そのため、本実施形態における面発光レーザをOCT装置に用いた場合、レーザ光を出力するための電流を小さくしつつ、深さ分解能の高い断層像を取得できる。
実施形態に係るOCT装置は、眼科、歯科、皮膚科等の分野において、動物や人のような生体の断層像を取得する際に有用である。生体の断層像に関する情報とは、生体の断層像のみならず、断層像を得るために必要な数値データをも含む。
特に測定対象を人体の眼底とし、眼底の断層像に関する情報を取得するために用いることが好適である。
(他用途)
本発明の実施形態による面発光レーザは、上記のOCT以外にも、光通信用光源や光計測用光源として利用できる。
以下に本発明の実施例を示す。以下の実施例で示す活性層構造や層構造はあくまで一例であり、それらに限定されるものではない。また、面発光レーザの製造方法は、実施例に具体的に示したが、レーザの各構成要素の寸法、製造の各工程、装置、各種パラメータは実施例に限定されない。また、半導体材料、電極材料、誘電体材料などに関しても実施例で開示したものに限らない。
(実施例1)
本発明の実施例1に係る、1060nmを中心波長とする波長可変VCSELの構成について、図1を用いて説明する。本実施例に係る波長可変VCSELは、図1に示すように、片持ち梁構造である。
本実施例における面発光レーザは、基板102としてn型GaAs基板、下部反射鏡110としてn型半導体DBR、活性層104として量子井戸構造を有するInGaAs層、絶縁層106としてGaAs層、上部反射鏡130としてn型半導体DBRを用いる。
下部反射鏡110はGaAsとAlAsとが交互に40ペア積層された構造である。
また、電流狭窄層121としてAl0.98Ga0.02As層を用いており、選択酸化により電流狭窄構造を形成している。レーザ駆動用の電極は、下部電極101としてAuGe/Ni/Auからなるn型電極、上部電極105としてTi/Auからなるp電極を用いる。これらの電極によって、活性層104に電流を注入して発光させ、レーザ発振させる。さらに、駆動部140を用いてMEMS駆動させることで上部反射鏡130をy方向に変位させることで、レーザ光の波長を変化させることができる。
次に、上部反射鏡130の構成について図2を用いて説明する。
本実施例における上部反射鏡130は、第一の層131と第二の層132が交互に47ペア積層された構造にさらに、第二の層132上に第一の層131が設けた積層体134を有する。さらに、積層体134の両方の最表面に第三の層133が設けられている。第一の層131として高屈折率であるAl0.2Ga0.8As層、第二の層132として低屈折率であるAl0.8Ga0.2As層、第三の層133として、Al0.55Ga0.45As層を用いる。第一の層131、第二の層132、第三の層133の屈折率はそれぞれ、3.35、3.05、3.15である。また、第一の層131、第二の層132、第三の層133はともに、光学厚さが上記中心波長の1/4である。
以上のような上部反射鏡の反射率の波長依存性の計算結果を、図4のグラフの実線で示す。本実施例における反射鏡(47.5ペア+第三の層)では反射帯域が広く、かつ、適切な範囲内の反射率を有している。このような反射鏡を取り出し側の反射鏡に用いることで、面発光レーザにおいて、広帯域にわたってレーザ光を効率的に発振することができる。
なお、本実施例に係る波長可変VCSELは、エピタキシャル成長と選択ウエットエッチングを用いて製造することができる。空隙部107はGaAsを犠牲層として成膜し、選択ウエットエッチングによって形成することができる。GaAsのエッチャントとしては、水とクエン酸と過酸化水素の混合液を用いることで、AlGaAsのAl組成に応じた選択エッチングが可能である。本実施例では水とクエン酸(重量比1:1)を混ぜ合わせたクエン酸溶液と、濃度30%の過酸化水素水を4:1の割合で混ぜたものをエッチャントとして用いた。エッチング時間を制御することで、上部反射鏡130の梁を支えるGaAs層106と上部反射鏡130を残した本実施例に係る波長可変VCSELを形成することができる。
(実施例2)
本発明の実施例2に係る波長可変VCSELついて図7を用いて説明する。実施例2では、実施例1と異なる点について説明し、共通する点については、説明を省略する。本実施例では、下部反射鏡710として以下のようなn型半導体DBRを用いる。
本実施例における下部反射鏡710は、第一の層731と第二の層732が交互に40ペア積層された構造にさらに、第二の層732上に第一の層731が設けた積層体734を有する。さらに、その積層体734の両端の一方の面に第三の層733が設けられている。このとき、第三の層733は、積層体734と空気の層709とに接している。
また、第一の層731として高屈折率であるAl0.2Ga0.8As層、第二の層732として低屈折率であるAl0.8Ga0.2As層、第三の層733として、Al0.45Ga0.55As層を用いる。第一の層731、第二の層732、第三の層733の屈折率はそれぞれ、3.35、3.05、3.2である。また、第一の層731、第二の層732、第三の層733はともに、光学厚さが中心波長の1/4である。
本実施例においては、上部反射鏡730としてHCGミラーを用いる。本実施例に係る波長可変VCSELは、下部反射鏡710を透過して光が出射される構成となっており、基板702、および下部電極701はレーザ光の進行を妨げないように、くりぬかれている。
上記上部反射鏡730としてのHCGミラーには、Al0.7Ga0.3As層を用い、図7のように、空気(白い長方形部分と、それと隣接する白い長方形部分との間)とAl0.7Ga0.3As層(白い長方形部分)とが交互に並び、格子を形成している。このようなHCGミラーを製造するために、Al0.7Ga0.3As層の下にGaAsからなる犠牲層を形成しておき、EB描画により、パターンを形成して、ドライエッチングにてAl0.7Ga0.3As層をエッチングする。そして、GaAsからなる犠牲層を選択ウエットエッチングにて除去することで、図7のように、平面方向にAl0.7Ga0.3Asと空気の周期構造が形成される。
本実施例に係る波長可変VCSELは、実施例1と同様に、上部反射鏡730がy方向に変位することで、出射される光の波長が変化する。本実施例のように、HCGミラーを用いることで、半導体DBRを駆動部として用いる場合に比べて、変位させる部材が薄い層で構成されるため、高速駆動、すなわち高速な波長可変を実現できる。
(実施例3)
本発明の実施例3に係る波長可変VCSELについて図8を用いて説明する。実施例3では、実施例2と異なる点について説明し、共通する点については、説明を省略する。
本実施例では、上部反射鏡860として、誘電体DBRを用いる。誘電体DBRはAl0.7Ga0.3Asからなる半導体層850の上に設けられる。また、誘電体DBRは、高屈折率層861と低屈折率層862とを交互に5ペア形成した構造にさらに、低屈折率層862上に高屈折率層861を設ける。高屈折率層861としてTiO層、低屈折率層862としてSiO層を用いる。
本実施例のように、上部反射鏡として誘電体DBRを用いることで、半導体DBRに比べて高屈折率層と低屈折率層のペア数が少なくても、広い反射帯域において高反射率を得ることができる。したがって、半導体DBRに比べて、少ない層数で形成することが可能なため、駆動させるミラーとして用いる場合に好適である。なお、誘電体DBRは、誘電体DBR以外の半導体からなる層を一括形成した後にさらに誘電体DBRを形成することができる。
101 下部電極
102 基板
103 下部クラッド層
104 活性層
105 上部電極
106 絶縁層
107 空隙部
120 上部クラッド層
121 電流狭窄層
130 上部反射鏡
131 第一の層
132 第二の層
133 第三の層
134 積層体
140 駆動部

Claims (17)

  1. 下部反射鏡と、
    活性層と、
    空隙部と、
    上部反射鏡と、をこの順に有し、前記下部反射鏡、前記上部反射鏡との間の距離を変化させることによって出射する光の波長を可変とする面発光レーザであって、
    前記下部反射鏡と前記上部反射鏡のいずれか一方を前記出射する光の光軸方向に変位させる駆動部を有し、
    前記下部反射鏡および前記上部反射鏡の少なくともいずれか一方は、第一の層と、前記第一の層より小さい屈折率を有する第二の層とが交互に積層され、かつ、両端の層が前記第一の層である積層体を有し、
    前記積層体の両端の少なくともいずれか一方に、前記出射する光の中心波長をλとしたときに、光学厚さndが、0<nd<λ/2である第三の層がさらに設けられ、前記第三の層の屈折率は前記第一の層より小さく、かつ、前記第三の層の隣接する層のうち前記積層体とは逆側の層よりも大きい屈折率を有することを特徴とする面発光レーザ。
  2. 前記隣接する層は空気であることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ。
  3. 前記光学厚さndが、λ/8<nd<3λ/8であることを特徴とする請求項1または2に記載の面発光レーザ。
  4. 前記光学厚さndがλ/4であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  5. 前記積層体の、前記中心波長λに対する反射率が99.5%以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  6. 前記積層体は前記第一の層と前記第二の層とが交互に35ペア以上積層された構造を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  7. 前記第一の層、前記第二の層、および前記第三の層はいずれも半導体層であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  8. 前記半導体層がAlxGa(1−x)As(0≦x≦1)で表わされる材料を有することを特徴とする請求項7に記載の面発光レーザ。
  9. 前記駆動部は、前記上部反射鏡を変位させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  10. 前記上部反射鏡が回折格子であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  11. 前記駆動部は、前記下部反射鏡を変位させることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  12. 前記下部反射鏡が前記積層体を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  13. 前記積層体の両端のいずれか一方に前記第三の層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  14. 前記積層体の両端の両方に前記第三の層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  15. 前記活性層は光が照射されて励起されることによって発光する請求項1乃至14のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  16. 前記活性層は電流が注入されることによって発光する請求項1乃至14のいずれか一項に記載の面発光レーザ。
  17. 光の波長を変化させる光源部と、
    前記光源部からの光を物体へ照射する照射光と参照光とに分岐させ、前記物体に照射された光の反射光と前記参照光による干渉光を発生させる干渉光学系と、
    前記干渉光を受光する光検出部と、
    前記光検出部からの信号を処理して、前記物体の情報を取得する情報取得部と、
    を有する光干渉断層計において、
    前記光源部が請求項1乃至16のいずれか一項に記載の面発光レーザであることを特徴とする光干渉断層計。
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