JP2017085066A - レーザ装置、情報取得装置及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 波長可変帯域が広い面発光レーザを提供することである。【解決手段】 活性層13を有する波長可変型の面発光レーザ1と、面発光レーザ1を励起する励起手段2、3と、を備え、励起手段2、3は、XY面内方向において、面発光レーザ1の活性層13の異なる領域で異なる波長を発振しうるエネルギー準位のキャリア占有状態が得られるように面発光レーザ1の活性層13を励起する。【選択図】 図1
Description
本発明は、レーザ装置、情報取得装置及び撮像装置に関する。
発振波長を変えることのできる波長可変レーザは、通信やセンシング、イメージングなどの様々な分野への応用が期待できることから、近年盛んに研究開発が行われている。波長可変レーザとしては、Micro Electro Mechanical Systems(以下、MEMSという)技術により垂直共振器型面発光レーザ(以下、VCSELという)の発振波長を制御する、いわゆるMEMS−VCSELが知られている。MEMS−VCSELでは、具体的には、一対の反射鏡の一方を機械的に動かすことで共振器長を変動させ、レーザ発振波長を変化させている。非特許文献1には、外部光源を用いて活性層を励起するMEMS−VCSELについて開示されている。
D.Vakhschoori、他6名、「2mW CW singlemode operation of a tunable 1550nm vertical cavity surface emitting laser with 50nm tuning rannge」、ELECTORONICS LETTERS 27th May 1999 Vol.35 No.11 p.900−901
波長可変レーザの様々な応用を考えると、波長可変帯域が広い波長可変レーザが望まれており、本発明の目的は、波長可変帯域が広い面発光レーザを提供することである。
本発明のレーザ装置は、活性層を有する波長可変型の面発光レーザと、前記面発光レーザの前記活性層を励起する励起手段と、を備え、前記励起手段は、前記面発光レーザの光射出方向と交差する面内方向において、前記面発光レーザの前記活性層の異なる領域で異なる波長を発振しうるエネルギー準位のキャリア占有状態が得られるように前記面発光レーザの前記活性層を励起することを特徴とする。
本発明によれば、波長可変帯域が広い面発光レーザを得ることができる。
以下に、本発明のレーザ装置、情報取得装置及び撮像装置について述べる。図1は、本発明のレーザ装置の概要を説明する模式図である。
本発明のレーザ装置は、波長可変型の面発光レーザ1と、面発光レーザ1を励起する励起手段を有している。図1において、励起手段は、第1の励起光源2と第2の励起光源3である。また、第1の励起光源2と第2の励起光源3は、面発光レーザ1に含まれる活性層の異なる位置を励起するように配置されている。また、第1の励起光源2は、ピーク波長λ1の光を射出し、一方、第2の励起光源3は、ピーク波長λ1より長いピーク波長λ2の光を射出する構成である。つまり、第1の励起光源2と第2の励起光源3は、異なるピーク波長を射出する構成である。また、第1の励起光源2が射出する光のスペクトルと第2の励起光源3が射出する光のスペクトルは異なっている。
面発光レーザ1は、上述したMEMS−VCSELを用いることができる。具体的には、面発光レーザ1は、第1の反射鏡11と第2の反射鏡12とからなる一対の反射鏡と、一対の反射鏡の間に配置された活性層13と、を有している。そして、面発光レーザ1は、一対の反射鏡と活性層13とが積層された方向(図1(a)のZ方向)に光を射出する。また、第1の反射鏡11が可動鏡であり、この可動鏡を動かすことによって、一対の反射鏡で構成される共振器の共振器長を変えて、面発光レーザ1の発振波長を変えることができる。可動鏡の駆動には、例えば、静電気力や熱膨張などの公知の方法を用いることができる。また、可動鏡を駆動するために、可動鏡と面発光レーザ1の活性層との間には間隙14が設けられている。なお、面発光レーザ1は、活性層13と第2の反射鏡12との間、活性層13と間隙14との間に、共振器長を調整するスペーサ層を設けてもよい。
また、面発光レーザ1の活性層は、単一の量子井戸層を有する構成でもよいし、多重量子井戸層を有する構成されていてもよい。また、波長可変幅を広げるために、活性層が非対称多重量子井戸層を有することがより好ましい。
非対称多重量子井戸層とは、多重量子井戸層を構成する複数の井戸層のうち、少なくとも1つの井戸層の、幅、深さと基板に対する歪み量のうち少なくとも1つが、残りの井戸層のそれと異なっているものを指す。もしくは、非対称多重量子井戸層は、多重量子井戸層を構成する複数の障壁層のうち、少なくとも1つの障壁層の、幅、高さと基板に対する歪み量のうち少なくとも1つが、残りの障壁層のそれと異なっているものを指す。井戸層の幅や障壁層の幅を変えるには、それぞれ井戸層の厚さ、障壁層の厚さを変えればよい。また、井戸層の深さ、障壁層の高さは、障壁層と井戸層の伝導帯エネルギーまたは価電子帯エネルギーの差で決まる。このため、井戸層の深さ、障壁層の高さを変えるには、井戸層や障壁層に用いられる材料あるいは組成を変えればよい。井戸層や障壁層に用いられる材料あるいは組成を変えれば、井戸層、障壁層の歪み量も変えることができる。
第1の励起光源2、第2の励起光源3は、面発光レーザ1を励起することができればどんな構成でもよい。第1の励起光源2、第2の励起光源3は、例えば、発光ダイオードやスーパールミネッセンスダイオード(以下、SLDという)、端面発光型レーザや面発光レーザを用いることができる。
以下では、本発明の効果について説明する。上述したように、本発明では、第1の励起光源2と第2の励起光源3は、面発光レーザ1に含まれる活性層の異なる位置を励起するように配置されている。この構成により、第1の励起光源2と第2の励起光源3から射出される光によって、面発光レーザ1の活性層が励起される。ピーク波長λ1の方がピーク波長λ2よりも短波長であるため、励起エネルギーが大きい。そのため、活性層13内で、第1の励起光源2側の、ピーク波長λ1が照射された第1の領域Aの方が、第2の励起光源3側の、ピーク波長λ2が照射された第2の領域Bよりも活性層が励起されて電子と正孔であるキャリアの生成量が多くなる。
図1(b)は、活性層13が井戸層の深さが異なる2つの量子井戸層で構成されている場合において、量子井戸層の各エネルギー準位のキャリア占有状態を表している。以下では、活性層13が井戸層の深さが異なる2つの量子井戸層を有する場合、いわゆる非対称多重量子井戸層を有する場合で例示する。図1(b)の状態Aは、上述した第1の領域Aにおける活性層13の各井戸層におけるエネルギー準位のキャリア占有状態を表している。第1の領域Aでは、励起するエネルギーが大きく、また発生するキャリアが多いため、各量子井戸層の高次の準位にまでキャリア(電子)が占有することができる。このため、第1の領域Aでは、高次の準位に起因する、短波長で発振しやすい状態になっている。言い換えると、活性層13の第1の領域Aでは、短波長で光利得係数が大きくなっていると言える。
一方、図1(b)の状態Bは、上述した第2の領域Bにおける活性層13の各井戸層におけるエネルギー準位のキャリア占有状態を表している。第2の領域Bでは、励起するエネルギーが小さく、また発生するキャリアが少ないため、エネルギーの小さい基底準位にしかキャリア(電子)が占有できない。このため、第2の領域Bでは、基底準位に起因する、長波長で発振しやすい状態になっている。言い換えると、活性層13の第2の領域Bでは、長波長で光利得係数が大きくなっていると言える。
このように、第1の励起光源2、第2の励起光源3は、第1の領域Aと第2の領域Bとで活性層13の各井戸層におけるエネルギー準位のキャリア占有状態が異なるように、面発光レーザ1の活性層13を励起している。そして、面発光レーザ1の活性層13の面内方向(図1(a)のXY面内方向)において、第1の領域Aと第2の領域Bとで異なる波長で発振しやすい領域になるように、活性層13の各井戸層におけるエネルギー準位のキャリア占有状態が形成されている。この構成により、活性層13としては、短波長、長波長ともに発振しやすい状態になっている。つまり、本発明において、活性層13内に、上記のキャリア占有状態が形成されるため、短波長から長波長にわたって光利得係数が大きくなっており、可動鏡の駆動に合わせて、モードホップすることなく、波長可変が可能となり、波長可変幅が広がる。なお、活性層13の面内方向とは、面発光レーザ1の光射出方向(図1(a)のZ方向)と交差する面内方向である。
仮に、第1の励起光源2と第2の励起光源3とから同じピーク波長を有する光を射出して面発光レーザ1を励起させる構成では、上記のような各井戸層におけるエネルギー準位のキャリア占有状態が形成されない。例えば、第1の励起光源2と第2の励起光源3とからピーク波長λ1の光を射出する場合、活性層13では、第1の領域A、第2の領域Bともに、短波長で発振しやすいエネルギー準位のキャリア占有状態となり、短波長においては光利得係数が大きくなる。しかし、長波長において光利得係数が小さいため、長波長での発振のために、可動鏡を駆動させて、共振器長を長くする位置に可動鏡を配置しても、長波長での発振が生じず、モードホップして短波長の発振が生じる恐れがある。このため、波長可変幅が小さくなってしまう。第1の励起光源2と第2の励起光源3とからピーク波長λ2の光を射出する場合は、短波長での閾値が小さくなり、短波長での発振が得にくくなる。また、第1の励起光源2と第2の励起光源3とから、ピーク波長λ1とピーク波長λ2の間の波長で射出する場合も、同様に、短波長や長波長で本発明よりも閾値が高くなるため、モードホップや非発振によって、本発明よりも波長可変幅が小さくなる。
なお、図1(b)では、活性層13が非対称多重量子井戸層を有する例を用いたが、これに限らない。活性層13が単層の量子井戸層や対称多重量子井戸層(非対称多重量子井戸層の条件を満たさないもの)であっても、第1の励起光源2側の活性層13内の第1の領域Aでは、より高次の準位までキャリア(電子)が占有するので、短波長が発振しやすくなる。そして、第2の励起光源3側の活性層13内の第2の領域Bでは、基底準位あるいは低次の準位までしかキャリアが占有されないので、長波長が発振しやすい部分となる。このように、面発光レーザ1の活性層13において、異なる領域で、異なる波長で発振しうるエネルギー準位のキャリア占有状態が得られるように、励起手段が面発光レーザ1の活性層13を励起すれば、本発明の効果が得られる。
ピーク波長λ1は可変波長幅の中心波長より短い波長であり、ピーク波長λ2は可変波長幅の中心波長より長い波長であることが好ましい。また、ピーク波長λ1は、活性層13を構成する量子井戸層の高次のエネルギー準位に相当する波長以下であることが好ましい。また、ピーク波長λ2は、活性層13を構成する量子井戸層の基底のエネルギー準位に相当する波長以下であることが好ましい。また、ピーク波長λ2は、活性層13を構成する量子井戸層の高次のエネルギー準位に相当する波長より長いことが好ましい。
また、活性層13内にエネルギー準位のキャリア占有状態の面内分布を形成する方法としては、電流注入によって行う方法がある。詳細には後述するが、面発光レーザ1を電流注入型として、面発光レーザ1に活性層13にキャリアを注入する複数の電極を異なる位置に配置し、その複数の電極から異なる電流量を注入する方法が挙げられる。
(活性層)
活性層は光を発生する材料であれば特に限定されない。850nm付近の波長帯域の光を出射させる場合、AlnGa1−nAs(0≦n≦1)からなる量子井戸構造を有する材料を用いることができる。また、1060nm付近の波長帯域の光を出射させる場合、InnGa1−nAs(0≦n≦1)からなる材料などを用いることができる。
活性層は光を発生する材料であれば特に限定されない。850nm付近の波長帯域の光を出射させる場合、AlnGa1−nAs(0≦n≦1)からなる量子井戸構造を有する材料を用いることができる。また、1060nm付近の波長帯域の光を出射させる場合、InnGa1−nAs(0≦n≦1)からなる材料などを用いることができる。
また、活性層は十分に広い利得を有するものであることが好ましく、具体的には第1の反射鏡および第2の反射鏡の反射帯域より広い波長領域において利得を有することが好ましい。そのような活性層としては、上述したように、非対称量子井戸構造を有する活性層が挙げられる。本実施形態における活性層の材料・構造は、発振させたい波長に応じて適宜選択できる。
(第1の反射鏡および第2の反射鏡)
第1の反射鏡および第2の反射鏡は、例えば、高屈折率の層と低屈折率の層とが光学厚さ1/4波長で交互に積層された分布ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector:以下DBRという)で構成されている。反射鏡は、波長可変範囲を広くするためには、出来る限り広帯域において高反射率を有することが好ましい。第1の反射鏡および第2の反射鏡には、半導体で構成されたDBR、誘電体で構成されたDBRのどちらを用いることもできる。一般的に、誘電体で構成されたDBRの方が半導体で構成されたDBRよりも、高屈折率の層と低屈折率の層の屈折率差を大きくしやすいため、少ない積層数で高い反射率を実現できる。一方、半導体で構成されたDBRはペア数が多くなってしまうが、結晶成長中に同時に成膜でき、ドーピングにより電流を流すことができる等のプロセス上の利点がある。
第1の反射鏡および第2の反射鏡は、例えば、高屈折率の層と低屈折率の層とが光学厚さ1/4波長で交互に積層された分布ブラッグ反射鏡(Distributed Bragg Reflector:以下DBRという)で構成されている。反射鏡は、波長可変範囲を広くするためには、出来る限り広帯域において高反射率を有することが好ましい。第1の反射鏡および第2の反射鏡には、半導体で構成されたDBR、誘電体で構成されたDBRのどちらを用いることもできる。一般的に、誘電体で構成されたDBRの方が半導体で構成されたDBRよりも、高屈折率の層と低屈折率の層の屈折率差を大きくしやすいため、少ない積層数で高い反射率を実現できる。一方、半導体で構成されたDBRはペア数が多くなってしまうが、結晶成長中に同時に成膜でき、ドーピングにより電流を流すことができる等のプロセス上の利点がある。
エピタキシャル成長で一括形成するためには、第2の反射鏡に半導体DBR、第1の反射鏡にも半導体DBRを用いることができるが、より広帯域で高反射率を得るために誘電体DBRを第1の反射鏡に用いてもよい。なお、誘電体DBRを第1の反射鏡として用いる際に、半導体層の上に誘電体DBRを形成する構成とすることができる。上記の第1の反射鏡の材料の例として、半導体DBRではAl0.4Ga0.6AsとAl0.9Ga0.1As、誘電体DBRでは酸化シリコンと酸化チタンを用いることができる。第2の反射鏡としてはGaAsとAlAsを用いることができる。
また、反射鏡として、高屈折率差サブ波長回折格子(High IndexContrast Subwavelength Grating:以下HCGという)を用いてもよい。HCGは高屈折率の材料と低屈折率の材料とが面内方向に交互に周期的に並んだ構成である。HCGの例として、AlGaAs層のような半導体層を加工して周期的な間隙を設けた、高屈折率領域(AlGaAs部)と低屈折領域(間隙部)の周期構造体が挙げられる。高速な波長可変を行う観点から、可動鏡である第1の反射鏡を軽量な反射鏡とすることが求められており、HCGを用いることが好ましい。なお、HCGとして、特許文献1及び2に記載されているものを用いることができる。
(間隙)
間隙には、通常固体が存在しない。よって、その雰囲気により間隙は真空であってもよいし、空気、不活性ガス、水のような液体といった流体が存在してもよい。なお、間隙の構造体の厚さ方向の長さは、波長可変幅や可動鏡のプルインを考慮して決定することができる。例えば、間隙を空気とした1060nmを中心として波長可変幅100nmで可変する際には、間隙の長さは2μm程度となる。
間隙には、通常固体が存在しない。よって、その雰囲気により間隙は真空であってもよいし、空気、不活性ガス、水のような液体といった流体が存在してもよい。なお、間隙の構造体の厚さ方向の長さは、波長可変幅や可動鏡のプルインを考慮して決定することができる。例えば、間隙を空気とした1060nmを中心として波長可変幅100nmで可変する際には、間隙の長さは2μm程度となる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書中では、面発光レーザの基板側を下側、基板と反対側を上側とする。
[実施形態1]
図2は、本実施形態のレーザ装置の一例を示す模式図である。図2(a)は、本実施形態のレーザ装置の断面模式図を示している。図2(b)は、本実施形態のレーザ装置の上面模式図を示しており、図2(a)は図2(b)のC−C’断面に対応する。図2(a)、(b)で示すように、本実施形態のレーザ装置は、面発光レーザ132と、面発光レーザ132を励起するための励起光源130、140、150、160と、を有している。本実施形態では、励起光源130、140、150、160は、いずれも端面発光レーザである。励起光源130、140は、ともにピーク波長λ1を射出し、励起光源150、160は、ともに励起光源130、140のピーク波長λ1とは異なるピーク波長λ2の光を射出する。つまり、励起光源130、140は、図1(a)の第1の励起光源2に相当し、励起光源150、160は、図1(a)の第2の励起光源3に相当する。なお、本実施形態において、励起光源は4つの例を示したが、異なるピーク波長を射出する励起光源が少なくとも1つずつあればよく、励起光源は2つ以上であればよい。また、2種類の光源を用いたが、ピーク波長が互いに異なる3種類以上の励起光源を用いてもよい。また、励起光源がレーザであるため、本実施形態におけるピーク波長とは、発振波長に相当する。
図2は、本実施形態のレーザ装置の一例を示す模式図である。図2(a)は、本実施形態のレーザ装置の断面模式図を示している。図2(b)は、本実施形態のレーザ装置の上面模式図を示しており、図2(a)は図2(b)のC−C’断面に対応する。図2(a)、(b)で示すように、本実施形態のレーザ装置は、面発光レーザ132と、面発光レーザ132を励起するための励起光源130、140、150、160と、を有している。本実施形態では、励起光源130、140、150、160は、いずれも端面発光レーザである。励起光源130、140は、ともにピーク波長λ1を射出し、励起光源150、160は、ともに励起光源130、140のピーク波長λ1とは異なるピーク波長λ2の光を射出する。つまり、励起光源130、140は、図1(a)の第1の励起光源2に相当し、励起光源150、160は、図1(a)の第2の励起光源3に相当する。なお、本実施形態において、励起光源は4つの例を示したが、異なるピーク波長を射出する励起光源が少なくとも1つずつあればよく、励起光源は2つ以上であればよい。また、2種類の光源を用いたが、ピーク波長が互いに異なる3種類以上の励起光源を用いてもよい。また、励起光源がレーザであるため、本実施形態におけるピーク波長とは、発振波長に相当する。
図2(a)で示すように、面発光レーザ132は、下部反射鏡(第2の反射鏡に相当)102と、第1下部スペーサ層122と、活性層124と、第1上部スペーサ層126と、上部反射鏡(第1の反射鏡に相当)110と、を基板100側から順に有している。上部反射鏡110は、梁120に支持され、梁120は、第1上部スペーサ層126上に形成された支持層118に支持されている。梁120の上には第1電極116が形成されている。第1上部スペーサ層126の上に第2電極128が形成されている。
梁120は、導電性を有する部材で構成されている。そして、第1電極116と第2電極128との間に交流電圧を印加することによって、梁120が活性層124の厚さ方向(Z方向)に振動する。この結果、上部反射鏡110も活性層124の厚さ方向に振動し、上部反射鏡110と下部反射鏡102からなる一対の反射鏡の共振器長が変動し、活性層124で発光した光のうち共振器長に応じた特定の波長の光が外部に射出される。このようにして、面発光レーザの発振波長が可変となる。
なお、活性層124は、後述する励起光源によって励起されることで発光する。
励起光源130(140)は、第2下部スペーサ層104と、活性層106と、第2上部スペーサ層108と、を基板100側から順に有する構成である。図2(a)には不図示の、図2(b)の励起光源150、160も同様の構成である。励起光源130、140、150、160は、面発光レーザ132と同一の基板100上に形成されている。また、励起光源130(140、150、160)の第2下部スペーサ層104、活性層106、第2上部スペーサ層108はそれぞれ、面発光レーザの第1下部スペーサ層122、活性層124、第1上部スペーサ層126と同じ材料で構成されていてもよい。その場合には、再成長が不要となり、同一工程で面発光レーザ132と励起光源130(140、150、160)を構成する各層を形成することができる。なお、励起光源130(140、150、160)の第2下部スペーサ層104、活性層106、第2上部スペーサ層108はそれぞれ、面発光レーザの第1下部スペーサ層122、活性層124、第1上部スペーサ層126と異なる材料でもよい。また、同一の基板100上に面発光レーザ132と励起光源130(140、150、160)が形成されていなくてもよい。
また、第2上部スペーサ層108の上部には、第3電極114が形成されている。また、基板100の下部に、第4電極112が形成されている。第3電極114と第4電極112の間に電流を印加することで、活性層106が発光する。なお、第4電極112は、面発光レーザ132の領域にまで形成されているが、第4電極112と第2電極128は同電位に設定(接地)されている。このため第2電極128と第4電極112との間には電流が印加されることがないため、面発光レーザ132において、電流が流れることはない。
また、図2(c)には、励起光源130(140、150、160)の斜視模式図が示されている。励起光源130(140、150、160)は、リッジ134と呼ばれる光導波路となる構造としてもよく、第2上部スペーサ層108に形成されている。また第3電極114はリッジ134の上に形成されている。
また、励起光源130、140と励起光源150、160は、共振器長が異なるように形成されている。つまり、励起光源130、140の発振方向であるX方向の長さよりも励起光源150、160発振方向であるY方向の長さの方が大きくなっている。この構成により、励起光源130、140と励起光源150、160の発振波長を変えることができる。具体的には、励起光源150、160ピーク波長(発振波長)λ2は、励起光源130、140のピーク波長(発振波長)λ1よりも長くなっている。
よって、励起光源130、140、150、160の励起光の同時照射により、面発光レーザ132の活性層124内で、面発光レーザ132が異なる波長で発振し得るようなエネルギー準位のキャリア占有状態の面内分布が形成される。このため、上述したように、波長可変幅を大きくすることができる。
なお、励起光源130、140は、面発光レーザ132を挟むように対向して配置されており、励起光源150、160は、面発光レーザ132を挟むように対向して配置されている。このように、同じピーク波長の光を射出する2つの励起光源を配置する場合には、それら2つの励起光源が、面発光レーザ132を挟むように対向して配置されることが好ましい。
面発光レーザ132、励起光源130、140、150、160は、公知のエピタキシャル成長法や犠牲層エッチング法、フォトリソグラフィ法などを用いて形成することができる。また、励起光源130、140、150、160の射出面とは反対側に高反射率コートを施すことで、射出面からレーザ光を効率良く射出させることが可能となる。
(梁)
梁は、2箇所の支持領域で支持されていてもよいし、3箇所以上の支持領域で支持されていてもよい。また、梁は、シリコンカンチレバーのような1箇所で支持する構成も構わない。また、梁には、結晶成長時の歪みや、動作環境温度に由来する応力などを緩和するための構造が形成されていてもよい。
梁は、2箇所の支持領域で支持されていてもよいし、3箇所以上の支持領域で支持されていてもよい。また、梁は、シリコンカンチレバーのような1箇所で支持する構成も構わない。また、梁には、結晶成長時の歪みや、動作環境温度に由来する応力などを緩和するための構造が形成されていてもよい。
梁は、共振器長を変化させることができるものであれば特に限定されない。例えば、本実施形態のように静電気力で梁を駆動する方法でもよいし、ピエゾ等の圧電材料を用いて機械的に梁を駆動する方法、熱による膨張、伸縮を用いて梁を駆動する方法でもよい。
また、梁は、本実施形態のように、上部反射鏡を兼ねる構成であってもよいし、上部反射鏡とは別に構成されていてもよい。後者の場合、梁の発光部領域と対応する位置、つまり発光領域と対応する位置に、上部反射鏡が配置されていればよく、上部反射鏡は梁の上でも下でどちらにでも配置されていてもよい。また梁の発光領域と対応する位置に貫通孔が形成され、その貫通孔に上部反射鏡が配置されている構成でもよい。
(第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極)
第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極は、チタンや金などの単体の金属や合金、または金属膜の積層体を用いることができる。例えば、Ti/Au、AuGe/Ni/Auを電極材料として用いることができる。第2電極は、第1上部スペーサ層の上であれば、どこに配置されていてもよい。
第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極は、チタンや金などの単体の金属や合金、または金属膜の積層体を用いることができる。例えば、Ti/Au、AuGe/Ni/Auを電極材料として用いることができる。第2電極は、第1上部スペーサ層の上であれば、どこに配置されていてもよい。
(第1上部スペーサ層、第1下部スペーサ層、第2上部スペーサ層及び第2下部スペーサ層)
第1上部スペーサ層と第2上部スペーサ層は、同じ半導体材料で構成されていてもよいし、異なる半導体材料で構成されていてもよい。同様に、第1下部スペーサ層と第2下部スペーサ層は、同じ半導体材料で構成されていてもよいし、異なる半導体材料で構成されていてもよい。半導体材料は、GaAs、AlGaAsなどを用いることができる。
第1上部スペーサ層と第2上部スペーサ層は、同じ半導体材料で構成されていてもよいし、異なる半導体材料で構成されていてもよい。同様に、第1下部スペーサ層と第2下部スペーサ層は、同じ半導体材料で構成されていてもよいし、異なる半導体材料で構成されていてもよい。半導体材料は、GaAs、AlGaAsなどを用いることができる。
また、第2上部スペーサ層と第2下部スペーサ層は、導電性を有している。例えば、p型であれば、Mgなどのアクセプターが適量ドープされている。一方、n型であれば、Siなどのドナーが適量ドープされている。なお、第1上部スペーサ層と第1下部スペーサ層にもアクセプターやドナーがドープされていてもよい。これらのスペーサ層は、単層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
(励起光源の活性層)
励起光源の活性層は、面発光レーザの活性層と同じ半導体材料を用いてもよいし、異なる半導体材料を用いてもよい。また、励起光源の活性層は、非対称多重量子井戸層を有していてもよいし、単層の量子井戸層、対称多重量子井戸層を有していてもよい。また、励起光源の射出するピーク波長に応じて、活性層の材料、厚さなどの構成を適宜変えてもよいし、それらは同じであってもよい。半導体材料は、GaAs、AlGaAsなどを用いることができる。
励起光源の活性層は、面発光レーザの活性層と同じ半導体材料を用いてもよいし、異なる半導体材料を用いてもよい。また、励起光源の活性層は、非対称多重量子井戸層を有していてもよいし、単層の量子井戸層、対称多重量子井戸層を有していてもよい。また、励起光源の射出するピーク波長に応じて、活性層の材料、厚さなどの構成を適宜変えてもよいし、それらは同じであってもよい。半導体材料は、GaAs、AlGaAsなどを用いることができる。
[実施形態2]
図3は、本実施形態のレーザ装置の一例を示す模式図である。図3(a)は、本実施形態のレーザ装置の断面模式図を示している。図3(b)は、本実施形態のレーザ装置の上面模式図を示しており、図3(a)は図3(b)のD−D’断面に対応する。図3(a)、(b)で示すように、本実施形態のレーザ装置は、面発光レーザ132と、面発光レーザ132を励起するための励起光源330、340、350、360と、を有している。実施形態1では、励起光源130、140、150、160は端面発光レーザであったが、本実施形態では、励起光源330、340、350、360は、SLDである。これ以外の構成は、実施形態1と同様である。
図3は、本実施形態のレーザ装置の一例を示す模式図である。図3(a)は、本実施形態のレーザ装置の断面模式図を示している。図3(b)は、本実施形態のレーザ装置の上面模式図を示しており、図3(a)は図3(b)のD−D’断面に対応する。図3(a)、(b)で示すように、本実施形態のレーザ装置は、面発光レーザ132と、面発光レーザ132を励起するための励起光源330、340、350、360と、を有している。実施形態1では、励起光源130、140、150、160は端面発光レーザであったが、本実施形態では、励起光源330、340、350、360は、SLDである。これ以外の構成は、実施形態1と同様である。
励起光源330、340は、ともにピーク波長λ1を射出し、励起光源350、360は、ともに、励起光源330、340のピーク波長λ1とは異なるピーク波長λ2の光を射出する。つまり、励起光源330、340は図1(a)の第1の励起光源2に相当し、励起光源350、360は図1(a)の第2の励起光源3に相当する。
励起光源330、340、350、360は同一構成である。励起光源330、340、350、360の各第3電極は、第1分割電極314a、第2分割電極314b、第3分割電極314cに分割されている。そして、第1分割電極314a、第2分割電極314b、第3分割電極314cの電流注入密度を調整することにより、励起光源330、340、350、360のピーク波長を調整することができる。例えば、第1分割電極314aから注入される電流注入密度を、第2分割電極314b、第3分割電極314cに注入される電流注入密度より大きくすることで、ピーク波長を短波長化することができる。また、第3分割電極314cに注入される電流注入密度を、第1分割電極314a、第2分割電極314bに注入される電流注入密度より大きくすることで、ピーク波長を長波長化することができる。このように、第1分割電極314a、第2分割電極314b、第3分割電極314cの電流注入密度を調整することで、励起光源330、340は、ともにピーク波長λ1を射出し、励起光源350、360はともに、ピーク波長λ2の光を射出するようにできる。また、このような電流調整を行うことで、ピーク波長だけでなく、スペクトルの調整を行うことができ、活性層13内において所望のエネルギー準位のキャリア占有状態の面内分布を形成することが可能となる。なお、複数の分割電極を有するSLDは、特許文献3に記載されているものを用いることができる。
さらに、第1分割電極314a、第2分割電極314b、第3分割電極314cその電流注入密度の調整に加えて、SLDのリッジの長さをピーク波長に対応させることも好ましい。この構成によれば、より効率よく、励起光源が射出する光のピーク波長やスペクトルを所望の値にすることができ、所望のキャリア密度分布を活性層内に形成することができる。
なお、複数の励起光源としては、実施形態1に示した端面発光レーザと本実施形態のSLDとを両方備える構成であってもよい。
[実施形態3]
図4は、本実施形態のレーザ装置の一例を示す上面模式図である。図4で示すように、本実施形態のレーザ装置は、面発光レーザ432と、面発光レーザ432を励起するための励起光源330、340、350、360と、を有している。本実施形態では、励起光源330、340、350、360の光射出面と、面発光レーザ432の光入射面との間で共振器が形成されている点が、実施形態2と異なる。それ以外は、実施形態2と同様である。なお、励起光源330、340、350、360は、実施形態1の励起光源130、140、150、160と同様に端面発光レーザであってもよい。
図4は、本実施形態のレーザ装置の一例を示す上面模式図である。図4で示すように、本実施形態のレーザ装置は、面発光レーザ432と、面発光レーザ432を励起するための励起光源330、340、350、360と、を有している。本実施形態では、励起光源330、340、350、360の光射出面と、面発光レーザ432の光入射面との間で共振器が形成されている点が、実施形態2と異なる。それ以外は、実施形態2と同様である。なお、励起光源330、340、350、360は、実施形態1の励起光源130、140、150、160と同様に端面発光レーザであってもよい。
本実施形態では、面発光レーザ432の励起光源330から射出された光が入射する光入射面434は、励起光源330の光射出面442に対して略平行となる平面に形成される。面発光レーザ432の光入射面436、438、440もそれぞれ、励起光源330の光射出面444、446、448に対して略平行となる平面に形成される。さらに、励起光源330の光射出面442と光入射面434の間の距離は、ピーク波長λ1を共振する共振器となる距離である。また、励起光源330の光射出面444と光入射面436の間の距離は、ピーク波長λ1を共振する共振器となる距離である。また、励起光源330の光射出面446と光入射面438の間の距離は、ピーク波長λ2を共振する共振器となる距離、励起光源330の光射出面448と光入射面440の間の距離は、ピーク波長λ2を共振する共振器となる距離である。このような構成によって、励起光源330、340、350、360から射出される光のピーク波長を強めることができ、効率よくエネルギー準位のキャリア占有状態の面内分布を面発光レーザ432の活性層内に形成することができる。
[実施形態4]
図5は、本実施形態のレーザ装置の一例を示す模式図である。図5(a)は、本実施形態のレーザ装置の断面模式図を示している。図5(b)は、本実施形態のレーザ装置の上面模式図を示しており、図5(a)は図5(b)のE−E’断面に対応する。
図5は、本実施形態のレーザ装置の一例を示す模式図である。図5(a)は、本実施形態のレーザ装置の断面模式図を示している。図5(b)は、本実施形態のレーザ装置の上面模式図を示しており、図5(a)は図5(b)のE−E’断面に対応する。
実施形態1乃至3では、光励起によって面発光レーザの活性層を励起する構成について述べたが、本実施形態では、電流注入型の面発光レーザ532についての形態である。具体的には、図5(b)で示すように、面発光レーザ532は、第1上部スペーサ層126上に、上部反射鏡110を挟むように、第5電極が形成されている。第5電極は、2つの分割電極528a、528bを有している。分割電極528a、528bはそれぞれ独立して電流を注入する構成である。また、分割電極528a、528bは、実施形態1乃至4とは異なり、第4電極112と同電位ではない。そのため、分割電極528a、528bと第4電極112との間に電流を印加することで、活性層124に電子とホールが供給されて再結合し、活性層124で発光が生じる。
また、本実施形態では、分割電極528a、528bから、異なる電流注入密度でキャリアを第1上部スペーサ層126に注入する構成である。このため、活性層124のXY面内方向において、異なる領域で異なる波長を発振しうるエネルギー準位のキャリア占有状態の面内分布が形成される。なお、面発光レーザ532は電流狭窄層525を備えている。これは、活性層124内の発光領域に電流を流し、発光効率を向上させるためである。
(電流狭窄層)
電流狭窄層は、選択酸化プロセスにより選択的に酸化される酸化領域を高抵抗部、酸化されない非酸化領域を低抵抗部として構成されている。選択酸化プロセスにより酸化されるためには、AlAs層またはAl組成比の高い、例えばAl0.98Ga0.02As層w用いることが好ましい。高温水蒸気雰囲気中でその層を選択酸化することで、AlxOyが形成され、電流狭窄層が形成される。非酸化領域の形状を制御することによって発光形状を制御できる。非酸化領域、すなわち発光領域の大きさは5μm乃至15μm程度である。
電流狭窄層は、選択酸化プロセスにより選択的に酸化される酸化領域を高抵抗部、酸化されない非酸化領域を低抵抗部として構成されている。選択酸化プロセスにより酸化されるためには、AlAs層またはAl組成比の高い、例えばAl0.98Ga0.02As層w用いることが好ましい。高温水蒸気雰囲気中でその層を選択酸化することで、AlxOyが形成され、電流狭窄層が形成される。非酸化領域の形状を制御することによって発光形状を制御できる。非酸化領域、すなわち発光領域の大きさは5μm乃至15μm程度である。
また、電流狭窄層の位置は、第1上部スペーサ層または第1下部スペーサ層の中に形成されていればよい。また、電流狭窄層は複数あってもよい。その場合には、複数の電流狭窄層は、活性層の上側、下側のいずれか一方にあってもよいし、両方にあってもよい。
(コンタクト層)
本実施形態では、第5電極と第4電極とを用いて、活性層にキャリアを注入するため、第5電極と直接接するコンタクト層を有することが好ましい。コンタクト層は、第5電極からキャリアが注入されやすい構成あれば特に限定されない。例えば、コンタクト層は、ドーパントを含有する半導体層が挙げられる。この場合、例えば、ドーパントのドーピング濃度が3×1018cm−3以上であることが好ましい。また、活性層で発光された光の吸収を抑えるために、ドーピング濃度は5×1018cm−3以下であることが好ましい。
本実施形態では、第5電極と第4電極とを用いて、活性層にキャリアを注入するため、第5電極と直接接するコンタクト層を有することが好ましい。コンタクト層は、第5電極からキャリアが注入されやすい構成あれば特に限定されない。例えば、コンタクト層は、ドーパントを含有する半導体層が挙げられる。この場合、例えば、ドーパントのドーピング濃度が3×1018cm−3以上であることが好ましい。また、活性層で発光された光の吸収を抑えるために、ドーピング濃度は5×1018cm−3以下であることが好ましい。
キャリア移動度を高めるために、コンタクト層以外の例えばスペーサ層などの半導体層にドーパントが含まれていてもよいが、第5電極と第4電極の間にある半導体層の中では、コンタクト層のドーピング濃度が最も高いことが好ましい。
[実施形態5]
本実施形態では、実施形態1乃至4のいずれかのレーザ装置を光源装置として用いた情報取得装置の例について説明する。波長可変型の光源装置は、光通信用光源や光計測用光源として利用することができる。さらに、波長可変型の光源装置は、非侵襲、非破壊で測定対象物の内部の情報を取得する情報取得装置の光源装置として利用することができる。以下では、本実施形態の光源装置を用いた情報取得装置の一例として、光干渉断層撮像装置(以下、OCT装置という)について図6を用いて説明する。
本実施形態では、実施形態1乃至4のいずれかのレーザ装置を光源装置として用いた情報取得装置の例について説明する。波長可変型の光源装置は、光通信用光源や光計測用光源として利用することができる。さらに、波長可変型の光源装置は、非侵襲、非破壊で測定対象物の内部の情報を取得する情報取得装置の光源装置として利用することができる。以下では、本実施形態の光源装置を用いた情報取得装置の一例として、光干渉断層撮像装置(以下、OCT装置という)について図6を用いて説明する。
図6は、本実施形態に係るOCT装置を示す模式図である。OCT装置は、光源装置801、干渉光学系802、光検出部803、測定対象物の内部情報を取得する情報取得部804、を少なくとも有する。光源装置801として、実施形態1乃至3のいずれかのレーザ装置を用いることができる。また、図示していないが、情報取得部804はフーリエ変換器を有する。ここで、情報取得部804がフーリエ変換器を有するとは、情報取得部804が入力されたデータに対してフーリエ変換する機能を有していれば形態は特に限定されない。一例は、情報取得部804が演算部を有し、この演算部がフーリエ変換する機能を有する場合である。具体的には、演算部がCPUを有するコンピュータであり、このコンピュータが、フーリエ変換機能を有するアプリケーションを実行する場合である。他の例は、情報取得部804がフーリエ変換機能を有するフーリエ変換回路を有する場合である。
光源装置801から出た光は干渉光学系802を経て測定対象の物体812の情報を有する干渉光となって出力される。干渉光は光検出部803において受光される。なお光検出部803は差動検出型でも良いし単純な強度モニタ型でも良い。受光された干渉光の強度の時間波形の情報は光検出部803から情報取得部804に送られる。情報取得部804では、受光された干渉光の強度の時間波形のピーク値を取得してフーリエ変換をし、物体812の情報(例えば断層像の情報)を取得する。なお、ここで挙げた光源装置801、干渉光学系802、光検出部803、情報取得部804を任意に設けることができる。
以下、光源装置801から光が照射されてから、測定対象の物体の内部の情報を得るまでについて詳細に説明する。光源装置801から出た光は、ファイバ805を通って、カップラ806に入り、照射光用のファイバ807を通る照射光と、参照光用のファイバ808を通る参照光とに分岐される。カップラ806は、光源の波長帯域でシングル状態動作のもので構成し、各種ファイバカップラは3dBカップラで構成することができる。照射光はコリメーター809を通って平行光になり、ミラー810で反射される。ミラー810で反射された光はレンズ811を通って物体812に照射され、物体812の奥行き方向の各層から反射される。
一方、参照光はコリメーター813を通ってミラー814で反射される。カップラ806では、物体812からの反射光とミラー814からの反射光による干渉光が発生する。干渉した光はファイバ815を通り、コリメーター816を通って集光され、光検出部803で受光される。光検出部803で受光された干渉光の強度の情報は電圧などの電気的な情報に変換されて、情報取得部804に送られる。情報取得部804では、干渉光の強度のデータを処理、具体的にはフーリエ変換し断層像の情報を得る。このフーリエ変換する干渉光の強度のデータは通常、等波数間隔にサンプリングされたデータであるが、等波長間隔にサンプリングされたデータを用いることも可能である。
得られた断層像の情報は、情報取得部804から画像表示部817に送って画像として表示させてもよい。なお、ミラー810を照射光の入射する方向と垂直な平面内で走査することで、測定対象の物体812の3次元の断層像を得ることができる。また、光源装置801の制御は、情報取得部804が電気回路818を介して行ってもよい。また図示しないが、光源装置801から出る光の強度を逐次モニタリングし、そのデータを干渉光の強度の信号の振幅補正に用いてもよい。
OCT装置は、眼科、歯科、皮膚科等の分野において、動物や人のような生体内の断層像を取得する際に有用である。生体の断層像に関する情報とは、生体の断層像のみならず、断層像を得るために必要な数値データをも含む。特に、測定対象を人体の眼底や歯、血管とし、それらの断層像に関する情報を取得することに用いられることが好適である。
1 波長可変型の面発光レーザ
2 第1の励起光源
3 第2の励起光源
2 第1の励起光源
3 第2の励起光源
Claims (18)
- 活性層を有する波長可変型の面発光レーザと、
前記面発光レーザを励起する励起手段と、を備え、
前記励起手段は、前記面発光レーザの光射出方向と交差する面内方向において、前記面発光レーザの前記活性層の異なる領域で異なる波長を発振しうるエネルギー準位のキャリア占有状態が得られるように前記面発光レーザの前記活性層を励起することを特徴とするレーザ装置。 - 前記励起手段は、
前記面発光レーザを励起する、ピーク波長λ1の光を射出する第1の励起光源と、
前記面発光レーザを励起する、前記ピーク波長λ1と異なるピーク波長λ2の光を射出する第2の励起光源と、を備え、
前記第1の励起光源と前記第2の励起光源は、前記面発光レーザの前記活性層の異なる位置を励起するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。 - 前記第1の励起光源と前記第2の励起光源はともに、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極の間に配置された活性層と、を有し、前記第1電極と前記第2電極と前記活性層とが積層された方向とは垂直な方向に光を射出することを特徴とする請求項2に記載のレーザ装置。
- 前記第1の励起光源の活性層と前記第2の励起光源の活性層の少なくとも一方は、非対称多重量子井戸層を有することを特徴とする請求項3に記載のレーザ装置。
- 前記第1の励起光源の活性層と前記第2の励起光源の活性層のうち少なくとも一方は、前記面発光レーザの活性層と同じ構成の活性層であることを特徴とする請求項3又は4に記載のレーザ装置。
- 前記第1の励起光源の活性層と前記第2の励起光源の活性層は、異なる構成の活性層であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1の励起光源の活性層と前記第2の励起光源の活性層は、同じ構成の活性層であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1の励起光源の第1電極と前記第2の励起光源の第1電極の少なくとも一方は、複数の分割電極を有することを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第1の励起光源の第1電極は、複数の分割電極を有し、
前記第1の励起光源の第1電極の前記複数の分割電極それぞれにおける電流注入密度は、前記第1の励起光源が前記ピーク波長λ1の光を射出するように調整されていることを特徴とすることを特徴とする請求項8に記載のレーザ装置。 - 前記第2の励起光源の第1電極は、複数の分割電極を有し、
前記第2の励起光源の第1電極の前記複数の分割電極それぞれにおける電流注入密度は、前記第2の励起光源が前記ピーク波長λ2の光を射出するように調整されていることを特徴とすることを特徴とする請求項8又は9に記載のレーザ装置。 - 前記第1の励起光源の光射出面と、前記第1の励起光源から射出された光が前記面発光レーザに入射される前記面発光レーザの光入射面と、の間で、前記ピーク波長λ1の光を共振させる共振器が形成されていることを特徴とする請求項2乃至10のいずれか1項に記載のレーザ装置。
- 前記第2の励起光源の光射出面と、前記第2の励起光源から射出された光が前記面発光レーザに入射される前記面発光レーザの光入射面と、の間で、前記ピーク波長λ2の光を共振させる共振器が形成されていることを特徴とする請求項2乃至11のいずれか1項に記載のレーザ装置。
- 前記面発光レーザは、前記面発光レーザの前記活性層を挟むように配置された一対の電極を有し、
前記一対の電極の一方は、前記活性層の同じ側に形成された複数の分割電極を有し、
前記励起手段は、前記複数の分割電極であり、
前記複数の分割電極からの電流注入密度が変えられることで、前記面発光レーザの光射出方向と交差する面内方向において、前記面発光レーザの前記活性層の異なる領域で異なる波長を発振しうるエネルギー準位のキャリア占有状態が得られることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。 - 前記面発光レーザは、一対の反射鏡と、前記一対の反射鏡の間に配置された前記活性層と、を有し、前記一対の反射鏡と前記活性層とが積層された方向に光を射出することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載のレーザ装置。
- 前記面発光レーザの前記活性層は、非対称多重量子井戸層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレーザ装置。
- 活性層を有する波長可変型の面発光レーザと、
前記面発光レーザを励起する、ピーク波長λ1の光を射出する第1の励起光源と、
前記面発光レーザを励起する、前記ピーク波長λ1と異なるピーク波長λ2の光を射出する第2の励起光源と、を備え、
前記第1の励起光源と前記第2の励起光源は、前記面発光レーザの光射出方向と交差する面内方向において、前記面発光レーザの前記活性層の異なる領域を励起するように配置されていることを特徴とするレーザ装置。 - 請求項1乃至16のいずれか1項に記載のレーザ装置と、
測定対象物の内部情報を取得する情報取得部と、を有することを特徴とする情報取得装置。 - 請求項1乃至16のいずれか1項に記載のレーザ装置と、
前記面発光レーザからの光を測定対象物へ照射する照射光と参照光とに分岐させ、前記測定対象物に照射された光の反射光と前記参照光による干渉光を発生させる干渉光学系と、
前記干渉光を受光する検出部と、を有することを特徴とする撮像装置。
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