JP2015103666A - 発光装置および画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光量が一定以下に抑えられた安全性の高い発光装置、およびかかる発光装置を備える安全性の高い画像表示装置を提供すること。
【解決手段】発光装置9は、端面発光型の半導体レーザーである発光素子91と、発光素子91に対して並列に接続され、かつ、発光素子91の熱が伝導し得るよう設けられた温度可変抵抗素子92と、発光素子91および温度可変抵抗素子92を搭載するマウント93と、マウント93が実装された実装基板94と、を有している。このうち、温度可変抵抗素子92は、温度が上昇するとともに抵抗値が小さくなる特性を有する素子である。このような素子としては、例えばNTCサーミスター等が挙げられる。
【選択図】図6

Description

本発明は、発光装置および画像表示装置に関するものである。
瞳の網膜に直接レーザーを照射し、使用者に画像を視認させる表示装置としてヘッドマウントディスプレイ(HMD)が知られている。
ヘッドマウントディスプレイは、一般に、光を出射する発光装置と、出射した光が使用者の網膜を走査するよう光路を変更する走査手段と、を備えている。このようなヘッドマウントディスプレイにより、使用者は、例えば外の景色と走査手段によって描かれる画像の双方を同時に視認することができる。
ところで、このようなヘッドマウントディスプレイでは、発光装置から出射した光を網膜に照射するため、光によって網膜が損傷を受けないよう考慮する必要がある。一般的には、発光装置から出射される光の光量が規制値を超えないよう、発光装置の出力を制限することにより、安全性が担保される。
特許文献1には、発光出力を制御するために、発光素子に流れる電流を制御する抵抗体を備えた発光装置が開示されている。この発光装置では、抵抗体として温度上昇とともに抵抗値が増加する特性を有する素子を用いているため、仮に発光素子の温度が自己発熱や周囲温度の変化によって上昇し、発光素子の発光効率が低下した場合でも、発光素子の温度上昇に伴って抵抗体に流れる電流が減るように構成しておくことで、発光素子に流れる電流の割合を増やすことができる。このため、発光効率の低下分を補うことができ、常に所定の発光出力を得ることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の表示装置では、発光出力が大きく低下するのを防止することはできるものの、発光出力が大きく増加することを防止することができない。このため、仮に電流供給回路に不具合等が生じて、電流が過大になった場合、発光出力が想定の範囲を超えるおそれがある。
特開平6−151958号公報
本発明の目的は、光量が一定値以下に抑えられた安全性の高い発光装置、およびかかる発光装置を備える安全性の高い画像表示装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の発光装置は、発光素子と、
前記発光素子に対して並列に接続され、かつ、前記発光素子の熱が伝導し得るよう設けられた温度可変抵抗素子と、
を含み、
前記温度可変抵抗素子が、温度が上昇するにつれて抵抗値が小さくなる特性を有することを特徴とする。
これにより、電子回路等を用いることなく、発光装置から出射する光量を一定値以下に抑えることができるので、より安全性の高い発光装置が得られる。
[適用例2]
本発明の発光装置では、さらに、前記発光素子と前記温度可変抵抗素子との間に設けられ、熱伝導性を示す絶縁体を含むことが好ましい。
これにより、発光素子と温度可変抵抗素子との間で短絡等の不具合が生じるのを防止しつつ、熱伝導性を高めることができる。その結果、温度上昇における発光素子と温度可変抵抗素子との時間差を短縮することができ、より安全性の高い発光装置が得られる。
[適用例3]
本発明の発光装置では、前記発光素子および前記温度可変抵抗素子は、互いに重なっていることが好ましい。
これにより、発光素子から生じた熱を、ほとんど放熱させることなく温度可変抵抗素子へ伝導させることができる。このため、温度可変抵抗素子の昇温に費やすことのできる熱量がより多くなり、結果的に温度可変抵抗素子の昇温速度をより高め、温度上昇における発光素子と温度可変抵抗素子との時間差を短縮することができる。
[適用例4]
本発明の発光装置では、前記発光素子は、平面視形状が矩形をなすものであり、
前記温度可変抵抗素子は、前記矩形の1辺に対応する第1側面および前記第1側面に隣り合う第2側面に沿って設けられていることが好ましい。
これにより、発光素子と温度可変抵抗素子との間で、互いに相対する面積がより大きくなり、両者間で熱伝導に寄与する面積もより広くなるので、熱伝導量の増大を図ることができる。その結果、温度上昇における発光素子と温度可変抵抗素子との時間差をより短縮することができ、より安全性の高い発光装置が得られる。
[適用例5]
本発明の発光装置では、前記発光素子は、平面視形状が矩形をなすものであり、
前記温度可変抵抗素子は、前記矩形の1辺に対応する第1側面、前記第1側面に隣り合う第2側面、および前記第2側面に隣り合う第3側面に沿って設けられていることが好ましい。
これにより、発光素子と温度可変抵抗素子との間で、互いに相対する面積がさらに大きくなり、両者間で熱伝導に寄与する面積もさらに広くなるので、熱伝導量の増大を図ることができる。その結果、温度上昇における発光素子と温度可変抵抗素子との時間差をさらに短縮することができ、さらに安全性の高い発光装置が得られる。また、温度可変抵抗素子が発光素子を囲むように配置されるため、両者の位置ずれが生じ難い。このため、振動等が加わっても、発光素子と温度可変抵抗素子との熱伝導性を維持し易く、安全性の担保という観点から非常に有効である。
[適用例6]
本発明の発光装置では、前記発光素子は、前方端面と後方端面の双方から光を出射する端面発光型の素子であり、
前記温度可変抵抗素子は、前記後方端面に沿って設けられていることが好ましい。
これにより、後方端面から出射した光は、温度可変抵抗素子に照射されることとなり、光吸収に伴って温度可変抵抗素子の温度上昇を招く。このため、温度可変抵抗素子の温度上昇の経路に、発光素子からの熱伝導のみでなく、光吸収も加わることになる。その結果、温度可変抵抗素子の昇温速度が向上し、温度上昇における発光素子と温度可変抵抗素子との時間差をさらに短縮することができる。
[適用例7]
本発明の発光装置では、前記発光素子は、面発光型の素子であり、
前記温度可変抵抗素子は、前記発光素子の側面を囲っていることが好ましい。
これにより、発光素子と温度可変抵抗素子との間で、互いに相対する面積が大きくなる。このため、両者間で熱伝導に寄与する面積も広くなり、熱伝導量の増大を図ることができる。その結果、温度上昇における発光素子と温度可変抵抗素子との時間差をより短縮することができ、網膜に悪影響を及ぼす光量の光が出射する時間をより短くすることができる。
[適用例8]
本発明の発光装置では、さらに、前記発光素子および前記抵抗素子が載置されたマウントを含むことが好ましい。
これにより、発光素子からの熱の一部は温度可変抵抗素子へ伝導する一方、マウントへも伝導する。マウントは、通常、比較的大きな熱容量を有しているので、発光素子の放熱に寄与することができる。
[適用例9]
本発明の発光装置では、さらに、前記温度可変抵抗素子と直列に接続され、前記温度可変抵抗素子を流れる電流の大きさを検出する検出部を含むことが好ましい。
これにより、発光素子側のラインを流れる電流の大きさを見積もることができるので、間接的に発光素子の光量を推定することができる。その結果、発光素子の光量を容易に知ることができる。また、発光装置が画像表示装置に組み込まれたとき、その画像表示装置において、制御部が発光装置に対して指示した電流値と実際に発光素子に流れた電流値とを比較するためのデータをとることができるので、例えば発光素子の健全性を確認するといった検査を行うことができる。
[適用例10]
本発明の画像表示装置は、電流源と、
本発明の発光装置と、
を含むことを特徴とする。
これにより、電子回路等を用いることなく、発光装置から出射する光量を一定値以下に抑えることができる発光装置を備えているので、より安全性の高い画像表示装置が得られる。
本発明の画像表示装置の実施形態(ヘッドマウントディスプレイ)の概略構成を示す図である。 図1に示す画像表示装置の部分拡大図である。 図1に示す画像表示装置の信号生成部の概略構成図である。 図3に示す光走査部の概略構成を示す図である。 図4に示す光走査部の作用を説明するための図である。 本発明の発光装置の第1実施形態(光源)の概略構成を示す斜視図である。 図6に示す発光装置と電流源との接続例を示す回路図である。 温度可変抵抗素子の有無による、発光素子の駆動電流と光量との関係性の違いを示す概念図である。 本発明の発光装置の第2実施形態を示す斜視図である。 本発明の発光装置の第3実施形態を示す斜視図である。 本発明の発光装置の第4実施形態を示す斜視図である。 本発明の発光装置の第5実施形態を示す斜視図である。 本発明の発光装置の第6実施形態を示す斜視図である。
以下、発光装置および画像表示装置について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<画像表示装置>
まず、本発明の画像表示装置の実施形態について説明する。
図1は、本発明の画像表示装置の実施形態(ヘッドマウントディスプレイ)の概略構成を示す図、図2は、図1に示す画像表示装置の部分拡大図である。また、図3は、図1に示す画像表示装置の信号生成部の概略構成図、図4は、図3に示す光走査部の概略構成を示す図、図5は、図4に示す光走査部の作用を説明するための図である。
なお、図1では、説明の便宜上、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、その図示した矢印の先端側を「+(プラス)」、基端側を「−(マイナス)」とする。また、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」という。
ここで、X軸、Y軸およびZ軸は、後述する画像表示装置1を観察者の頭部Hに装着した際に、Y軸方向が頭部Hの上下方向、Z軸方向が頭部Hの左右方向、X軸方向が頭部Hの前後方向となるように設定されている。
図1に示すように、本実施形態の画像表示装置1は、眼鏡のような外観を有するヘッドマウントディスプレイ(頭部装着型画像表示装置)であって、観察者の頭部Hに装着して使用され、観察者に虚像による画像を外界像と重畳した状態で視認させる。
この画像表示装置1は、図1に示すように、フレーム2と、信号生成部3と、走査光出射部4と、反射部6とを備える。
また、画像表示装置1は、図2に示すように、第1光ファイバー7と、第2光ファイバー8と、接続部5とを備える。
この画像表示装置1では、信号生成部3が画像情報に応じて変調された信号光を生成し、その信号光が第1光ファイバー7、接続部5および第2光ファイバー8を介して走査光出射部4へ導かれ、走査光出射部4が信号光を2次元的に走査して走査光を出射し、反射部6がその走査光を観察者の眼EYに向けて反射する。これにより、画像情報に応じた虚像を観察者に視認させることができる。
なお、本実施形態では、信号生成部3、走査光出射部4、接続部5、反射部6、第1光ファイバー7および第2光ファイバー8をフレーム2の右側にのみ設け、右眼用の虚像のみを形成する場合を例に説明するが、フレーム2の左側を右側と同様に構成することによって、右眼用の虚像と併せて左眼用の虚像も形成してもよいし、左眼用の虚像のみを形成するようにしてもよい。
以下、画像表示装置1の各部を順次詳細に説明する。
(フレーム)
図1に示すように、フレーム2は、眼鏡フレームのような形状をなし、信号生成部3および走査光出射部4を支持する機能を有する。
また、フレーム2は、図1に示すように、走査光出射部4およびノーズパッド部21を支持するフロント部22と、フロント部22に接続されて使用者の耳に当接する1対のテンプル部(つる部)23と、各テンプル部23のフロント部22と反対の端部であるモダン部24と、を含む。
ノーズパッド部21は、使用時に観察者の鼻NSに当接して、画像表示装置1を観察者の頭部に対して支持している。フロント部22には、リム部25やブリッジ部26が含まれる。
このノーズパッド部21は、使用時における観察者に対するフレーム2の位置を調整可能に構成されている。
なお、フレーム2の形状は、観察者の頭部Hに装着することができるものであれば、図示のものに限定されない。
(信号生成部)
図1に示すように、信号生成部3は、前述したフレーム2の一方(本実施形態では右側)のモダン部24(テンプル部23のフロント部22とは反対側の端部)に設けられている。
すなわち、信号生成部3は、使用時に観察者の耳EAに対して眼EYとは反対側に配置されている。これにより、画像表示装置1の重量バランスを優れたものとすることができる。
この信号生成部3は、後述する走査光出射部4の光走査部42で走査される信号光を生成する機能と、光走査部42を駆動する駆動信号を生成する機能とを有する。
このような信号生成部3は、図3に示すように、信号光生成部31と、駆動信号生成部32と、制御部33と、光検出部34と、固定部35とを備える。
信号光生成部31は、後述する走査光出射部4の光走査部42(光スキャナー)で走査(光走査)される信号光を生成するものである。
この信号光生成部31は、波長の異なる複数の光源311R、311G、311B(光源部)と、複数の駆動回路312R、312G、312Bと、レンズ313R、313G、313Bと、光合成部(合成部)314とを有する。
光源311R(R光源)は、赤色光を出射するものであり、光源311G(G光源)は、緑色光を出射するものであり、光源311Bは、青色光を出射するものである。このような3色の光を用いることにより、フルカラーの画像を表示することができる。
このような光源311R、311G、311Bが、後述する本発明の発光装置を備えている。なお、発光装置については、後に詳述する。
このような光源311R、311G、311Bは、それぞれ、駆動回路312R、312G、312Bに電気的に接続されている。
駆動回路312Rは、前述した光源311Rを駆動する機能を有し、駆動回路312Gは、前述した光源311Gを駆動する機能を有し、駆動回路312Bは、前述した光源311Bを駆動する機能を有する。
このような駆動回路312R、312G、312Bにより駆動された光源311R、311G、311Bから出射された3つ(3色)の光は、レンズ313R、313G、313Bを介して、光合成部314に入射する。
レンズ313R、313G、313Bは、それぞれ、コリメーターレンズである。これにより、光源311R、311G、311Bから出射された光は、それぞれ、平行光とされ、光合成部314に入射する。
光合成部314は、複数の光源311R、311G、311Bからの光を合成するものである。これにより、信号光生成部31で生成される信号光を走査光出射部4へ伝送するための光ファイバーの数を少なくすることができる。そのため、本実施形態では、第1光ファイバー7、接続部5および第2光ファイバーからなる1本の光伝送経路を介して信号生成部3から走査光出射部4へ信号光を伝送することができる。
本実施形態では、光合成部314は、3つのダイクロイックミラー314a、314b、314cを有し、光源311R、311G、311Bから出射された光(赤色光、緑色光および青色光の3色の光)を合成して1つの信号光を出射する。なお、以下では、光源311R、311G、311Bをまとめて「光源部311」ともいい、信号光生成部31で生成した信号光を「光源部311から出射された光」ともいう。
なお、光合成部314は、前述したようなダイクロイックミラーを用いた構成に限定されず、例えば、プリズム、光導波路、光ファイバー等で構成されていてもよい。
このような信号光生成部31で生成した信号光は、第1光ファイバー7の一端部に入射する。そして、かかる信号光は、第1光ファイバー7、接続部5および第2光ファイバー8をこの順で通過して、後述する走査光出射部4の光走査部42に伝送される。
ここで、第1光ファイバー7の信号光の入射側の端部(以下、単に「第1光ファイバー7の一端部」ともいう)近傍には、光検出部34が設けられている。この光検出部34は、信号光を検出する。また、第1光ファイバー7の一端部および光検出部34は、固定部35に固定されている。
駆動信号生成部32は、後述する走査光出射部4の光走査部42(光スキャナー)を駆動する駆動信号を生成するものである。
この駆動信号生成部32は、光走査部42の第1の方向での走査(水平走査)に用いる第1の駆動信号を生成する駆動回路321(第1の駆動回路)と、光走査部42の第1の方向に直交する第2の方向での走査(垂直走査)に用いる第2の駆動信号を生成する駆動回路322(第2の駆動回路)とを有する。
このような駆動信号生成部32は、図示しない信号線を介して、後述する走査光出射部4の光走査部42に電気的に接続されている。これにより、駆動信号生成部32で生成した駆動信号(第1の駆動信号および第2の駆動信号)は、後述する走査光出射部4の光走査部42に入力される。
前述したような信号光生成部31の駆動回路312R、312G、312Bおよび駆動信号生成部32の駆動回路321、322は、制御部33に電気的に接続されている。
制御部33は、映像信号(画像信号)に基づいて、信号光生成部31の駆動回路312R、312G、312Bおよび駆動信号生成部32の駆動回路321、322の駆動を制御する機能を有する。すなわち、制御部33は、走査光出射部4の駆動を制御する機能を有する。これにより、信号光生成部31が画像情報に応じて変調された信号光を生成するとともに、駆動信号生成部32が画像情報に応じた駆動信号を生成する。
また、制御部33は、光検出部34で検出された光の強度に基づいて、信号光生成部31の駆動回路312R、312G、312Bの駆動を制御し得るように構成されている。
(走査光出射部)
図1および図2に示すように、走査光出射部4は、前述したフレーム2のブリッジ部26近傍(言い換えればフロント部22の中心近傍)に取り付けられている。
このような走査光出射部4は、図4に示すように、ハウジング41(筐体)と、光走査部42と、レンズ43(カップリングレンズ)と、レンズ45(集光レンズ)と、支持部材46とを備える。
ハウジング41は、支持部材46を介してフロント部22に取り付けられている。
また、支持部材46のフレーム2とは反対側の部分には、ハウジング41の外表面が接合されている。
ハウジング41は、光走査部42を支持するとともに光走査部42を収納している。また、ハウジング41には、レンズ43およびレンズ45が取り付けられ、レンズ43、45がハウジング41の一部(壁部の一部)を構成している。
また、レンズ43(ハウジング41の信号光を透過する窓部)は、第2光ファイバー8に対して離間している。本実施形態では、第2光ファイバー8の信号光の出射側の端部は、フレーム2のフロント部22に設けられた反射部10に臨む位置で、かつ、走査光出射部4に離間している。
反射部10は、第2光ファイバー8から出射した信号光を光走査部42に向けて反射する機能を有する。また、反射部10は、フロント部22の内側に開口する凹部27に設けられている。なお、凹部27の開口には、透明材料で構成された窓部で覆われていてもよい。また、この反射部10は、信号光を反射し得るものであれば、特に限定されず、例えば、ミラー、プリズム等で構成することができる。
光走査部42は、信号光生成部31からの信号光を2次元的に走査する光スキャナーである。この光走査部42で信号光を走査することにより走査光が形成される。具体的には、光走査部42の光反射面に対し、第2光ファイバー8から出射した信号光がレンズ43を介して入射する。そして、駆動信号生成部32で生成された駆動信号に応じて、光走査部42を駆動することにより、信号光が2次元的に走査される。
また、光走査部42は、コイル17および信号重畳部18を有しており(図4参照)、コイル17、信号重畳部18および駆動信号生成部32は、光走査部42を駆動する駆動部を構成する。
レンズ43は、第1光ファイバー7から出射した信号光のスポット径を調整する機能を有する。また、レンズ43は、第1光ファイバー7から出射した信号光の放射角を調整し、略平行化する機能をも有する。
光走査部42で走査された信号光(走査光)は、レンズ45を介して、ハウジング41の外部へ出射する。
(反射部)
図1および図2に示すように、反射部6は、前述したフレーム2のフロント部22に含まれるリム部25に取り付けられている。
すなわち、反射部6は、使用時に観察者の眼EYの前方かつ光走査部42よりも当該観察者に対して遠方側に位置するように配置されている。これにより、画像表示装置1に観察者の顔に対して前方側に張り出した部分が形成されるのを防止することができる。
この反射部6は、図5に示すように、光走査部42からの信号光を当該観察者の眼に向けて反射する機能を有する。
本実施形態では、反射部6は、ハーフミラーであり、外界光を透過させる機能(可視光に対する透光性)をも有する。すなわち、反射部6は、光走査部42からの信号光を反射させるとともに、使用時において反射部6の外側から観察者の眼に向かう外界光を透過させる機能を有する。これにより、観察者は、外界像を視認しながら、信号光により形成された虚像(画像)を視認することができる。すなわち、シースルー型のヘッドマウントディスプレイを実現することができる。
なお、反射部6は、例えば回折格子を有していてもよい。この場合、回折格子に様々な光学特性をもたせ、光学系の部品点数を減らしたり、デザインの自由度を高めたりすることができる。例えば、回折格子としてホログラム素子を用いることにより、反射部6で反射する信号光の出射方向を調整することができる。また、回折格子にレンズ効果をもたせることによって、反射部6で反射する信号光からなる走査光全体の結像状態を調整することもできる。
また、反射部6は、例えば、透明基板上に金属薄膜や誘電体多層膜等で構成された半透過反射膜を形成したものであってもよい。
(第1光ファイバー、光検出部および固定部)
固定部35は、光源部311から第1光ファイバー7に入射する光の強度が0よりも大きく所定値以下となる位置に第1光ファイバー7の一端部を固定する機能を有する。これにより、光源部311から第1光ファイバー7に入射する光の強度を小さくすることができる。
また、固定部35は、光検出部34を固定する機能をも有する。これにより、光源部311から出射された光(信号光)のうち第1光ファイバー7に入射しない残部を光検出部34の検出に有効利用することができる。また、第1光ファイバー7の一端部と光検出部34との位置関係を固定(一定に維持)することができる。
このように固定部35に固定された光検出部34は、光源311B、311G、311Rから出射された信号光を分岐する光学系を設けなくても、出射された光の強度を光検出部34で検出することができる。また、光検出部34で検出された光の強度に基づいて、光源311B、311G、311Rから出射される光の強度を制御部33で調整することができる。なお、制御部33は、光源311B、311G、311Rを制御する「光制御部」を構成するといえる。
なお、本発明の画像表示装置の実施形態は、上述したヘッドマウントディスプレイのような網膜走査方式の表示原理を有する実施形態に限定されない。すなわち、本発明の画像表示装置の実施形態は、例えば、ヘッドアップディスプレイ、レーザープロジェクター、レーザーテレビのような網膜走査方式以外の表示原理を有するものであってもよい。このような表示原理であっても、間接的かつ偶発的に、網膜に対して反射光が入射するおそれがあるため、本発明によって、網膜走査方式の場合と同様の作用、効果が期待できる。
<発光装置>
≪第1実施形態≫
次に、本発明の発光装置の第1実施形態について説明する。
図6は、本発明の発光装置の第1実施形態(光源)の概略構成を示す斜視図、図7は、図6に示す発光装置と電流源との接続例を示す回路図である。なお、以下の説明では、図6における上方を「上」として説明し、下方を「下」として説明する。
前述した光源311R、311G、311Bは、それぞれ本発明の発光装置の実施形態で構成される。
図6に示す発光装置9は、発光素子91と、温度可変抵抗素子92と、マウント93と、実装基板94とを備える。
また、発光素子91および温度可変抵抗素子92は、図7に示すように、互いに並列に接続されている。また、発光素子91の陽極は電流源99に接続され、陰極側は電気的に接地されている。なお、この電流源99は、前述した複数の駆動回路312R、312G、312B内に設けられる各電流源に相当する。
(実装基板)
実装基板94は、発光素子91および温度可変抵抗素子92が搭載されたマウント93を実装するための基板である。
このような実装基板94は、絶縁性基板941とその表面に設けられた2つの外部電極端子942、943とを備えている。また、図示しないものの、外部電極端子942、943に接続された配線を備えている。この外部電極端子942、943を介して発光素子91と電流源99とが接続されることとなる。
なお、実装基板94は、必要に応じて設けられ、省略することもできる。
(マウント)
マウント93は、発光素子91を搭載する土台として用いられる。一般的には熱伝導性の高い材料で構成され、発光素子91が発する熱を効率よく放熱させる機能を有している。また、それとともに、高い絶縁性を有し、発光素子91と図示しないヒートシンク等との絶縁を確保する機能も有する。
マウント93の構成材料としては、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素のようなセラミックス材料、銅、アルミニウムのような金属材料が用いられる。また、必要に応じてセラミックス材料からなる基板の片面または両面に金属層が成膜された複合体でマウント93が構成される。
また、マウント93と実装基板94との間には、図示しないヒートシンクが設けられていてもよい。
なお、マウント93は、必要に応じて設けられ、発光素子91の発熱量が小さい場合等には、省略することもできる。
(発光素子)
発光素子91としては、例えば、半導体レーザー(LD)、スーパールミネッセントダイオード(SLD)、発光ダイオード(LED)、有機EL素子、無機EL素子等が挙げられるが、図6には端面発光型の半導体レーザーを例に図示している。
半導体レーザーの構造は、一般に、半導体材料で構成された層を積層した積層体に電極等を取り付けたチップ構造であり、直方体あるいはそれに準じた形状を有している。端面発光型の半導体レーザーは、光を共振させるための共振器を半導体基板面と平行に構成したものである。共振器の反射面は半導体基板の2つのへき開面であり、一方のへき開面から光を取り出すことにより、レーザーが出射される。
図6に示す発光素子91は、n型半導体層、活性層およびp型半導体層の積層体で構成された半導体部911と、半導体部911の下方に設けられた下部電極912と、半導体部911の上方に設けられた上部電極913と、を備えている。下部電極912および上部電極913は、それぞれ導体層で構成されている。
このような発光素子91は、マウント93上に搭載されている。これにより、下部電極912は半導体部911とマウント93との間に介在することになる。また、下部電極912は、半導体部911からはみ出すように、発光素子91の長手方向に沿って、かつマウント93の上面に沿って延長されている。一方、上部電極913の幅は、半導体部911の幅より狭くなっている。
また、下部電極912と外部電極端子942との間は、ボンディングワイヤー981を介して電気的に接続されている。一方、上部電極913と外部電極端子943との間は、ボンディングワイヤー982を介して電気的に接続されている。外部電極端子942と外部電極端子943のうち、発光素子91のアノード側に電流を流すと、発光素子91の出射部910から光が出射する。半導体レーザーの場合、半導体部911を構成する半導体材料の組成を変更することにより、出射する光の波長(色)を選択することができる。
なお、上記説明では、下部電極912および上部電極913と半導体部911とを含めて発光素子91としているが、発光素子91の形態はこれに限定されず、例えば図示した下部電極912と半導体部911との間にAuSn共晶はんだのような導電材料が介在していてもよい。
また、マウント93が金属材料である場合や表面に金属層を備えたセラミックス材料である場合には、それら金属部が電極として機能するため、下部電極912を省略することができる。
(温度可変抵抗素子)
本実施形態に係る温度可変抵抗素子92は、温度が上昇するにつれて抵抗値が小さくなる特性を有する抵抗素子である。このような特性を有する抵抗素子としては、例えば、NTCサーミスター、CTRサーミスター等が挙げられる。このうち、小型化が容易で応答性が高いNTCサーミスターが好ましく用いられる。
本実施形態では、発光素子91と温度可変抵抗素子92とが互いに近接して配置され、両者の間で容易に熱伝導し得るようになっている。このため、発光素子91の駆動によって熱が発生すると、この熱が温度可変抵抗素子92に伝導し、温度可変抵抗素子92の温度が上昇する。そして、温度可変抵抗素子92の温度が上昇すると、前述した特性に基づいて素子の抵抗値が小さくなる。
前述したように、発光素子91と温度可変抵抗素子92とは互いに並列に接続されている。このため、温度上昇前には発光素子91側のラインを流れていた電流が、温度上昇後には、温度可変抵抗素子92の抵抗値が小さくなった分だけ、温度可変抵抗素子92側のラインを流れることになる。その結果、発光素子91側のラインを流れる電流が減少することとなる。
半導体レーザー等では、駆動電流と光量とはほぼ比例の関係にあるため、発光素子91側のラインを流れる電流が減少すると、発光素子91の光量が減少する。これにより、発光素子91の光量がそれ以上高くなることが防止される。
以上のような挙動は、受動素子の1つである温度可変抵抗素子92が有する本質的な特性に基づいており、電子回路を含むICといった能動素子の動作に基づく挙動とは異なる。また、温度可変抵抗素子92は、IC等に比べて温度変化や衝撃等の環境変化に対する耐性が高く、故障確率が非常に低くなると考えられる。このため、本実施形態によれば、演算等を伴うことなく、発光素子91から出射する光量を一定値以下に抑えることができるので、発光装置9の安全性を十分に担保することができる。すなわち、観察者の眼EYに向けて直接信号光を入射させるような画像表示装置1において、仮に発光素子91を流れる電流が過大になった場合でも、速やかに電流を抑え、光量を一定値以下に抑えることができるので、観察者の網膜に及ぼす悪影響を最小限に抑えることができる。
図8は、温度可変抵抗素子の有無による、発光素子の駆動電流と光量との関係性の違いを示す概念図である。なお、図8に示す破線R1は、網膜に悪影響が及ばない光量の上限の例を示す線である。また、図8に示す破線R2は、画像表示装置1において平常時に使用される光量の上限の例を示す線である。
温度可変抵抗素子92がない場合、発光素子91を流れる電流が増加するにつれて、発光素子91から出射する光量は、実線L1に示すように、電流にほぼ比例して増加する。このため、実線L1が破線R1を超えた場合、網膜に悪影響が及ぶおそれがある。
一方、温度可変抵抗素子92を設けた場合も、図8に実線L2で示すように、当初は発光素子91を流れる電流が増加するについて光量が増加するものの、徐々に光量が増加する割合が低下し、最終的には一定値に収束するか、あるいは極めてわずかな増加に留まる状態(飽和状態)に行き着く。このとき、どの程度の光量で飽和するかは、温度変化と抵抗値変化との関係が異なる素子を適宜選択することによって調整することができる。したがって、実線L2が破線R1を超えないように設定すれば、安全性が十分に担保された発光装置9を実現することができる。
なお、NTCサーミスターには、チップ型、リード型等の形態があるが、特にチップ型のNTCサーミスターが好ましく用いられる。チップ型のNTCサーミスターは、図6に示すようなチップ型の発光素子91に対して容易に近接配置することができ、かつ、互いの距離を近づけ易い。このため、発光素子91と温度可変抵抗素子92との間で熱伝導に寄与する面積が広くなり、その結果、両者間の熱伝導性が高くなる。したがって、温度上昇における発光素子91と温度可変抵抗素子92との時間差を短縮することができる。このことは、発光素子91の光量が一定値を超えた後、温度可変抵抗素子92の抵抗値が十分に小さくなって発光素子91の光量が一定値を下回る程度に電流が減少するまでのタイムラグを短縮し、網膜に悪影響を及ぼす光量の光が出射する時間を最小限にすることにつながる。よって、発光装置9の安全性をより高めることができる。
また、図6に示す発光装置9では、発光素子91と温度可変抵抗素子92との間が、層状の絶縁体95を介して絶縁されている。このため、発光素子91と温度可変抵抗素子92とを近接して配置した場合でも、短絡等の不具合が生じるのを防止しつつ、発光素子91と温度可変抵抗素子92との間の熱伝導性を高めることができる。
なお、かかる観点から、絶縁体95としては、熱伝導性を有するものが好ましく用いられる。熱伝導性を有する絶縁体95としては、例えば、セラミックス、熱伝導性グリース、熱伝導性接着剤、熱伝導性テープ等が挙げられる。このうち、絶縁性および接着性の観点からエポキシ樹脂やポリイミド樹脂で構成されたものが好ましく用いられる。このような樹脂材料であっても、絶縁体95の厚さを薄くすることで、十分な熱伝導性を確保することができる。なお、熱伝導性を高めるため、必要に応じて一定量の導電性粒子が添加される場合もある。
図6に示す温度可変抵抗素子92は、チップ型のNTCサーミスターの一例であり、サーミスター素体921とその上面に設けられた一対の端子電極922、923とを備えている。サーミスター素体921は、マンガン、ニッケル、コバルトといった遷移金属の酸化物を主成分とする半導体材料で構成されている。サーミスター素体921の温度が変化することにより、端子電極922と端子電極923との間の抵抗値が変化する。また、必要に応じてサーミスター素体921内に内部電極を設けることにより、サーミスター素体921が積層構造になっていてもよい。
また、端子電極922と発光素子91の下部電極912との間は、ボンディングワイヤー983を介して電気的に接続されている。一方、端子電極923と発光素子91の上部電極913との間は、ボンディングワイヤー984を介して電気的に接続されている。このように温度可変抵抗素子92と発光素子91とが互いに並列に接続されていることで、前述したように、発光素子91に印加される電圧を大きく変化させることなく、発光素子91を流れる電流を小さくすることができるので、発光素子91の安定的な発光と安全性の担保とを両立させることができる。
また、図6に示す発光装置9では、発光素子91と温度可変抵抗素子92の双方がマウント93上に載置されている。このため、発光素子91からの熱の一部は温度可変抵抗素子92へ伝導する一方、マウント93へも伝導する。マウント93は、通常、比較的大きな熱容量を有しているので、発光素子91の放熱に寄与することができる。
一方、温度可変抵抗素子92とマウント93との間には、層状の絶縁体95が介挿されている。これにより、マウント93が導電性を有している場合であっても、温度可変抵抗素子92とマウント93との短絡を防止することができる。また、絶縁体95が熱伝導性を有していることにより、温度可変抵抗素子92の放熱性が向上する。その結果、発光素子91から温度可変抵抗素子92に伝導した熱が、温度可変抵抗素子92内に滞留してしまい、発光素子91の温度変化に対して温度可変抵抗素子92の温度変化を十分に追従させられなくなる不具合を回避することができる。
なお、図6に示す発光装置9では、温度上昇において、発光素子91と温度可変抵抗素子92との間に埋め難い時間差が生じる。このわずかな時間の間、発光素子91の光量が一定値を上回ったままとなる。一方、この程度の短時間であれば、光量が規制値を上回っても、網膜に悪影響を及ぼすことは少ないと考えられている。
ここで、発光素子91に流れる電流が規制されるまでの短い時間の間、発光素子91からは光量の大きい光が出射する。したがって、発光装置9においては、この光量が大きい光を警告の旨を伝える発光として用いるようにしてもよい。このような警告(アラーム)が発せられることにより、発光装置9の使用者、すなわち画像表示装置1の使用者は、発光装置9の異常を知ることができ、例えば、一定時間使用を控える、発光装置9を点検、修理する、といった行動をとるきっかけを得ることができる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の発光装置の第2実施形態について説明する。
図9は、本発明の発光装置の第2実施形態を示す斜視図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。なお、図9では、実装基板94の図示を省略している。
第2実施形態は、温度可変抵抗素子92の形状が異なる以外、第1実施形態と同様である。
第2実施形態に係る温度可変抵抗素子92は、図9に示すように、その平面視形状が、端子電極922と端子電極923との間が途中で90度折れ曲がった形状をなしている。具体的には、図9に示す発光素子91は、平面視形状が矩形(長方形)をなしているのに対し、温度可変抵抗素子92は、この矩形の第1辺914に対応する第1側面と、この第1辺914に隣り合う第2辺915に対応する第2側面に沿うような形状をなしている。換言すれば、図9に示す発光素子91が矩形状をなしており、かつ、図9に示す温度可変抵抗素子92が90度折れ曲がった形状をなしていることから、発光素子91の2辺に対して温度可変抵抗素子92の2辺が嵌るようにして両者が組み合わされている。なお、本明細書において、矩形とは、長方形だけでなく正方形も含めた四角形等を意味するものである。また、本明細書において、沿うとは、対面する面同士が平行である必要はなく非平行であってもよい。
このような構成をとることで、発光素子91と温度可変抵抗素子92との間で、互いに相対する面積が大きくなる。このため、両者間で熱伝導に寄与する面積も広くなり、熱伝導量の増大を図ることができる。その結果、温度上昇における発光素子91と温度可変抵抗素子92との時間差をより短縮することができ、網膜に悪影響を及ぼす光量の光が出射する時間をより短くすることができる。
また、図9に示す発光素子91では、矩形をなす平面視形状のうち、第2辺915に対向する第4辺917に対応する第4側面に出射部910が設けられている。この出射部910からの出射光は、画像表示装置1における描画に用いられるものであり、このような光を出射する出射部910が設けられている第4側面は、通常、前方端面と呼ばれる。
一方、発光素子91が端面発光型の半導体レーザーである場合、前方端面(第4側面)のみでなく、第4側面の反対側に位置する第2側面からも光が出射するタイプの素子がある。このような第2側面は、通常、後方端面と呼ばれる。図9に示す発光装置9では、温度可変抵抗素子92が、発光素子91の第1側面だけでなく、この後方端面(第2側面)にも相対するよう配置されている。この場合、後方端面から出射した光は、温度可変抵抗素子92に照射されることとなり、光吸収に伴って温度可変抵抗素子92の温度上昇を招く。このため、本実施形態では、温度可変抵抗素子92の温度上昇の経路に、発光素子91からの熱伝導のみでなく、光吸収も加わることになる。その結果、温度可変抵抗素子92の昇温速度が向上し、温度上昇における発光素子91と温度可変抵抗素子92との時間差をさらに短縮することができる。すなわち、発光装置9から出射する光が規制されるまでの応答速度をより高めることができる。
また、前方端面から出射する光は、温度可変抵抗素子92によって何ら影響されないことから、発光素子91が本来有する特性の光となる。このため、例えば光量不足等の問題が発生し難くなり、このような発光装置9は、良好な画像を表示し得る画像表示装置1の実現に寄与する。
このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の発光装置の第3実施形態について説明する。
図10は、本発明の発光装置の第3実施形態を示す斜視図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した第1、第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。なお、図10では、実装基板94の図示を省略している。
第3実施形態も、温度可変抵抗素子92の形状が異なる以外、第2実施形態と同様である。
第3実施形態に係る温度可変抵抗素子92は、図10に示すように、その平面視形状が、端子電極922と端子電極923との間が途中で2回、90度折れ曲がった形状をなしている。具体的には、図10に示す発光素子91は、平面視形状が矩形(長方形)をなしているのに対し、温度可変抵抗素子92は、この矩形の第1辺914に対応する第1側面と、この第1辺914に隣り合う第2辺915に対応する第2側面と、この第2辺915に隣り合う第3辺916に対応する第3側面とに沿うような形状をなしている。換言すれば、図10に示す発光素子91が矩形状をなしており、かつ、図10に示す温度可変抵抗素子92が180度折れ曲がった形状をなしていることから、発光素子91の3辺に対して温度可変抵抗素子92の3辺が嵌るようにして両者が組み合わされている。
このような構成をとることで、発光素子91と温度可変抵抗素子92との間で、互いに相対する面積がさらに大きくなる。このため、両者間で熱伝導に寄与する面積もさらに増大することとなり、熱伝導量の増大を図ることができる。その結果、温度上昇における発光素子91と温度可変抵抗素子92との時間差をさらに短縮することができ、網膜に悪影響を及ぼす光量の光が出射する時間をさらに短くすることができる。
このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
また、第3実施形態では、温度可変抵抗素子92が発光素子91を囲むように配置されているため、両者の位置ずれが生じ難い。このため、振動等が加わっても、発光素子91と温度可変抵抗素子92との熱伝導性を維持し易く、安全性の担保という観点から非常に有効である。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の発光装置の第4実施形態について説明する。
図11は、本発明の発光装置の第4実施形態を示す斜視図である。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した第1〜第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。なお、図11では、実装基板94の図示を省略している。
第4実施形態は、発光素子91のタイプが異なる以外、第1実施形態と同様である。
第4実施形態に係る発光素子91は、面発光型の半導体レーザーである。面発光型の半導体レーザーは、光を共振させるための共振器を半導体基板面と垂直に構成したものである。このような面発光型の半導体レーザーは、端面発光型の半導体レーザーに比べて発光効率が高く、また、高速変調が可能であるため、特に画像表示装置に用いられる発光素子として有用である。
また、第4実施形態では、図11に示すように、発光素子91と温度可変抵抗素子92とが互いに重なるように設けられている。具体的には、温度可変抵抗素子92の上面924に発光素子91が載置されており、その結果、発光素子91とマウント93との間に温度可変抵抗素子92が介在するよう構成されている。このような構成にすることで、発光素子91から生じた熱を、ほとんど放熱させることなく温度可変抵抗素子92へ伝導させることができる。このため、温度可変抵抗素子92の昇温に費やすことのできる熱量がより多くなり、結果的に温度可変抵抗素子92の昇温速度をより高めることができる。すなわち、温度上昇における発光素子91と温度可変抵抗素子92との時間差をより短縮することができる。
一方、温度可変抵抗素子92のうち、発光素子91が載置されている上面924とは反対側の面は、マウント93に相対している。このため、発光素子91から温度可変抵抗素子92へ伝導した熱は、温度可変抵抗素子92を通過して比較的速やかにマウント93へ拡散すると考えられる。その結果、温度可変抵抗素子92内に熱が滞留し難くなり、発光素子91の温度変化に対する温度可変抵抗素子92の温度変化の追従性が良好になる。
また、発光素子91は、その上面に第1電極912’と第2電極913’とを備えている。第1電極912’と温度可変抵抗素子92の端子電極922との間は、ボンディングワイヤー983を介して電気的に接続されている。一方、第2電極913’と温度可変抵抗素子92の端子電極923との間は、ボンディングワイヤー984を介して電気的に接続されている。
なお、発光素子91と温度可変抵抗素子92との間は、図11に示すように層状の絶縁体95を介して絶縁されているが、この絶縁体95が熱伝導性を有していることにより、温度可変抵抗素子92の昇温速度の低下を抑制することができる。
このような第4実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
≪第5実施形態≫
次に、本発明の発光装置の第5実施形態について説明する。
図12は、本発明の発光装置の第5実施形態を示す斜視図である。
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した第1〜第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。なお、図12では、実装基板94の図示を省略している。
第5実施形態は、温度可変抵抗素子92の形状が異なる以外、第4実施形態と同様である。
第5実施形態に係る温度可変抵抗素子92は、図12に示すように、その平面視形状が、一部が開放した枠状をなしている。具体的には、図12に示す発光素子91は、平面視形状が矩形(長方形)をなしているのに対し、温度可変抵抗素子92は、この矩形の第1辺914に対応する第1側面と、この第1辺914に隣り合う第2辺915に対応する第2側面と、この第2辺915に隣り合う第3辺916に対応する第3側面と、この第3辺916に隣り合う第4辺917に対応する第4側面とに沿うような形状をなしている。換言すれば、図12に示す発光素子91が矩形状をなしており、かつ、図12に示す温度可変抵抗素子92が枠状をなしていることから、発光素子91の4つの側面を温度可変抵抗素子92が囲うようにして両者が組み合わされている。
このような構成をとることで、発光素子91と温度可変抵抗素子92との間で、互いに相対する面積が大きくなる。このため、両者間で熱伝導に寄与する面積も広くなり、熱伝導量の増大を図ることができる。その結果、温度上昇における発光素子91と温度可変抵抗素子92との時間差をより短縮することができ、網膜に悪影響を及ぼす光量の光が出射する時間をより短くすることができる。
このような第5実施形態においても、第4実施形態と同様の作用、効果が得られる。
また、第5実施形態では、温度可変抵抗素子92が発光素子91を囲むように配置されているため、両者の位置ずれが生じ難い。このため、振動等が加わっても、発光素子91と温度可変抵抗素子92との熱伝導性を維持し易く、安全性の担保という観点から非常に有効である。
≪第6実施形態≫
次に、本発明の発光装置の第6実施形態について説明する。
図13は、本発明の発光装置の第6実施形態を示す斜視図である。
以下、第6実施形態について説明するが、以下の説明では、前述した第1〜第5実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。また、図において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
第6実施形態は、温度可変抵抗素子92と直列に接続された抵抗素子96を備える以外、第1実施形態と同様である。
第6実施形態に係る発光装置9は、図13に示すように、マウント93上に載置された抵抗素子96を備えている。
図13に示す抵抗素子96は、抵抗部961と、その一端に設けられた端子電極962と、他端に設けられた端子電極963と、を備えている。そして、温度可変抵抗素子92の端子電極922と抵抗素子96の端子電極962との間が、ボンディングワイヤー985を介して電気的に接続されている。一方、発光素子91の下部電極912と抵抗素子96の端子電極963との間は、ボンディングワイヤー986を介して電気的に接続されている。
このような抵抗素子96を温度可変抵抗素子92と直列に接続することで、抵抗素子96は温度可変抵抗素子92を流れる電流の大きさを検出する検出部として機能する。すなわち、温度可変抵抗素子92側のラインに電流が流れるとき、抵抗素子96の端子電極間にはその抵抗値に応じた電位差が発生する。このため、この電位差を測定することにより、温度可変抵抗素子92を流れる電流の大きさを見積もることができる。
このようにして電流の大きさを検出することにより、発光素子91側のラインを流れる電流の大きさを見積もることができるので、間接的に発光素子91の光量を推定することができる。これにより、発光素子91の光量を容易に知ることができる。また、画像表示装置1において、制御部33が光源に指示した電流値と実際に発光素子91に流れた電流値とを比較するためのデータをとることができるので、例えば発光素子91の健全性を確認するといった検査を行うことができる。
なお、このような抵抗素子96は、シャントと呼ばれることもあり、その抵抗値は、回路に印加される電圧や電流に応じて異なるものの、例えば10Ω以下程度に設定される。
このような第6実施形態においても、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。
以上、本発明の発光装置および画像表示装置について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の発光装置および画像表示装置では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した各実施形態のうち2つ以上を組み合わせるようにしてもよい。例えば、発光素子が端面発光型の素子である場合にも、発光素子と温度可変抵抗素子とを互いに重ねるようにしてもよい。さらに、温度可変抵抗素子と直列に接続される抵抗素子も、各実施形態に追加可能である。
1……画像表示装置 2……フレーム 3……信号生成部 4……走査光出射部 5……接続部 6……反射部 7……第1光ファイバー 8……第2光ファイバー 9……発光装置 10……反射部 17……コイル 18……信号重畳部 21……ノーズパッド部 22……フロント部 23……テンプル部 24……モダン部 25……リム部 26……ブリッジ部 27……凹部 31……信号光生成部 32……駆動信号生成部 33……制御部 34……光検出部 35……固定部 41……ハウジング 42……光走査部 43……レンズ 45……レンズ 46……支持部材 91……発光素子 92……温度可変抵抗素子 93……マウント 94……実装基板 95……絶縁体 96……抵抗素子 99……電流源 311……光源部 311B……光源 311G……光源 311R……光源 312B……駆動回路 312G……駆動回路 312R……駆動回路 313B……レンズ 313G……レンズ 313R……レンズ 314……光合成部 314a……ダイクロイックミラー 314b……ダイクロイックミラー 314c……ダイクロイックミラー 321……駆動回路 322……駆動回路 910……出射部 911……半導体部 912……下部電極 912’……第1電極 913……上部電極 913’……第2電極 914……第1辺 915……第2辺 916……第3辺 917……第4辺 921……サーミスター素体 922……端子電極 923……端子電極 924……上面 941……絶縁性基板 942……外部電極端子 943……外部電極端子 961……抵抗部 962……端子電極 963……端子電極 981……ボンディングワイヤー 982……ボンディングワイヤー 983……ボンディングワイヤー 984……ボンディングワイヤー 985……ボンディングワイヤー 986……ボンディングワイヤー EA……耳 EY……眼 H……頭部 L1……実線 L2……実線 NS……鼻 R1……破線 R2……破線

Claims (10)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子に対して並列に接続され、かつ、前記発光素子の熱が伝導し得るよう設けられた温度可変抵抗素子と、
    を含み、
    前記温度可変抵抗素子が、温度が上昇するにつれて抵抗値が小さくなる特性を有することを特徴とする発光装置。
  2. さらに、前記発光素子と前記温度可変抵抗素子との間に設けられ、熱伝導性を示す絶縁体を含む請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記発光素子および前記温度可変抵抗素子は、互いに重なっている請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記発光素子は、平面視形状が矩形をなすものであり、
    前記温度可変抵抗素子は、前記矩形の1辺に対応する第1側面および前記第1側面に隣り合う第2側面に沿って設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記発光素子は、平面視形状が矩形をなすものであり、
    前記温度可変抵抗素子は、前記矩形の1辺に対応する第1側面、前記第1側面に隣り合う第2側面、および前記第2側面に隣り合う第3側面に沿って設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記発光素子は、前方端面と後方端面の双方から光を出射する端面発光型の素子であり、
    前記温度可変抵抗素子は、前記後方端面に沿って設けられている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記発光素子は、面発光型の素子であり、
    前記温度可変抵抗素子は、前記発光素子の側面を囲っている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. さらに、前記発光素子および前記温度可変抵抗素子が載置されたマウントを含む請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. さらに、前記温度可変抵抗素子と直列に接続され、前記温度可変抵抗素子を流れる電流の大きさを検出する検出部を含む請求項1ないし8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 電流源と、
    請求項1ないし9のいずれか1項に記載の発光装置と、
    を含むことを特徴とする画像表示装置。
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