JP2015103338A - 光電変換素子および光電変換素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期信頼性を向上することが可能な光電変換素子および光電変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】光電変換素子は、第1導電層12と、第1導電層12と間隔を空けて向かい合う第2導電層15と、第1導電層12上の光電変換層13と、第1導電層12と第2導電層15との間の電荷輸送層14とを備えている。光電変換層13は、波長変換材料23を含む多孔質半導体24層と、多孔質半導体層24上の光増感剤22とを含み、波長変換材料23は、紫外光を吸収し、紫外光よりも長波長の光を発光する。
【選択図】図1
【解決手段】光電変換素子は、第1導電層12と、第1導電層12と間隔を空けて向かい合う第2導電層15と、第1導電層12上の光電変換層13と、第1導電層12と第2導電層15との間の電荷輸送層14とを備えている。光電変換層13は、波長変換材料23を含む多孔質半導体24層と、多孔質半導体層24上の光増感剤22とを含み、波長変換材料23は、紫外光を吸収し、紫外光よりも長波長の光を発光する。
【選択図】図1
Description
本発明は、光電変換素子および光電変換素子の製造方法に関する。
クリーンエネルギーとして太陽電池の研究が盛んに行なわれているが、なかでも色素増感太陽電池が注目されている(たとえば特許文献1参照)。色素増感太陽電池は、材料コストおよび製造コストが低いというメリットがある一方、紫外光の照射によって劣化することがあるため、長期信頼性において課題を有している。
図4に、従来の一般的な色素増感太陽電池の模式的な断面図を示す。図4に示すように、従来の色素増感太陽電池は、ガラス基板111と、ガラス基板111上の透明電極112と、透明電極112上の光電変換層113と、ガラス基板111上の透明電極112と間隔を空けて設けられた対向電極115と、対向電極115を支持する支持体116と、透明電極112と対向電極115との間の電解液114とを備えている。ここで、光電変換層113は、酸化チタンからなる多孔質半導体層121と、多孔質半導体層121の表面に吸着した色素122とから構成されている。
図4に示す色素増感太陽電池においては、太陽119から放射された太陽光118が、ガラス基板111側から入射することによって、酸化チタンからなる多孔質半導体層121上の色素122が励起され、電子を多孔質半導体層121に放出する。そして、色素122から放出された電子は、多孔質半導体層121を通って透明電極112に到達し、その後、外部負荷(図示せず)を通って対向電極115に到達する。その後、電子は、対向電極115から電解液114に供給され、電解液114から色素122に供与される。
しかしながら、図4に示す従来の色素増感太陽電池は、比較的早期に特性が低下する傾向があったため、長期信頼性に課題を有していた。
上記の事情に鑑みて、長期信頼性を向上することが可能な光電変換素子および光電変換素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の実施態様によれば、第1導電層と、第1導電層と間隔を空けて向かい合う第2導電層と、第1導電層上の光電変換層と、第1導電層と第2導電層との間の電荷輸送層とを備え、光電変換層は、波長変換材料を含む多孔質半導体層と、多孔質半導体層上の光増感剤とを含み、波長変換材料は、紫外光を吸収し、紫外光よりも長波長の光を発光する光電変換素子を提供することができる。
本発明の第2の実施態様によれば、透光性基板上の第1導電層上に波長変換材料を含む多孔質半導体層を形成する工程と、多孔質半導体層上に光増感剤を設置する工程と、第1導電層と支持体上の第2導電層とが間隔を空けて向かい合うようにして透光性基板と支持体とを接合する工程と、第1導電層と第2導電層との間に電荷輸送層を形成する工程とを含む光電変換素子の製造方法を提供することができる。
本発明の実施態様によれば、長期信頼性を向上することが可能な光電変換素子および光電変換素子の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。なお、実施形態を説明するのに用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施形態1>
≪光電変換素子の構成≫
図1に、実施形態1の光電変換素子の模式的な断面図を示す。実施形態1の光電変換素子は、透光性基板11と、透光性基板11上の第1導電層12と、第1導電層12上の光電変換層13とを備えている。ここで、光電変換層13は、酸化物半導体の結晶粒21と無機蛍光体の結晶粒23とからなる多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24上の増感色素からなる光増感剤22とを有している。
≪光電変換素子の構成≫
図1に、実施形態1の光電変換素子の模式的な断面図を示す。実施形態1の光電変換素子は、透光性基板11と、透光性基板11上の第1導電層12と、第1導電層12上の光電変換層13とを備えている。ここで、光電変換層13は、酸化物半導体の結晶粒21と無機蛍光体の結晶粒23とからなる多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24上の増感色素からなる光増感剤22とを有している。
また、実施形態1の光電変換素子は、第1導電層12と間隔を空けて向かい合う第2導電層15と、第2導電層15を支持する支持体16とを備えている。さらに、実施形態1の光電変換素子は、透光性基板11と第2導電層15との間の電解液からなる電荷輸送層14と、電荷輸送層14を取り囲むとともに透光性基板11の周縁と第2導電層15の周縁とを接合する封止部(図示せず)とを備えている。
実施形態1の光電変換素子においては、たとえば、太陽光などの光18が透光性基板11側から入射されることによって、多孔質半導体層24上の光増感剤22が励起され、光増感剤22から多孔質半導体層24に電子が放出される。そして、光増感剤22から放出された電子は、多孔質半導体層24を通って第1導電層12に到達し、その後、外部負荷(図示せず)を通って第2導電層15に到達する。その後、電子は、第2導電層15から電荷輸送層14に供給され、電荷輸送層14から光増感剤22に供与される。
≪透光性基板≫
透光性基板11としては、たとえば、ソーダガラス、溶融石英ガラス、結晶石英ガラスなどのガラス基板、または可撓性フィルムなどの耐熱性樹脂板などを用いることができる。
透光性基板11としては、たとえば、ソーダガラス、溶融石英ガラス、結晶石英ガラスなどのガラス基板、または可撓性フィルムなどの耐熱性樹脂板などを用いることができる。
透光性基板11に用いられる可撓性フィルムとしては、たとえば、テトラアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PA)、ポリエーテルイミド(PEI)、フェノキシ樹脂およびテフロン(登録商標)からなる群から選択された少なくとも1種を含むフィルムなどを挙げることができる。
透光性基板11上に加熱を伴って他の部材を形成する場合、たとえば透光性基板11上に250℃程度の加熱を伴って光電変換層13を形成する場合には、透光性基板11としては250℃以上の耐熱性を有するテフロン(登録商標)を用いることが特に好ましい。
透光性基板11側を受光面側とする場合には、透光性基板11の受光面となる部分には少なくとも光透過性が必要となるため、透光性基板11の受光面となる部分には少なくとも光透過性の材料を用いる必要がある。ただし、少なくとも光増感剤22に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させる材料であればよく、必ずしもすべての波長領域の光に対して透過性を有する必要はない。また、透光性基板11の厚さは、0.2mm以上5mm以下であることが好ましい。
また、透光性基板11は、実施形態1の光電変換装置を他の構造体に取り付けるときの基体として利用することができる。すなわち、ガラス基板などの透光性基板11の周辺部を、たとえば金属加工部品とねじを用いて他の構造体に容易に取り付けることができる。
≪第1導電層≫
第1導電層12は、導電性を有する層であればよく、たとえば、インジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、およびタンタルあるいはニオブをドープした酸化チタンからなる群から選択された少なくとも1種を含む透明導電酸化物膜などを用いることができる。
第1導電層12は、導電性を有する層であればよく、たとえば、インジウム錫複合酸化物(ITO)、酸化錫(SnO2)、フッ素をドープした酸化錫(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)、およびタンタルあるいはニオブをドープした酸化チタンからなる群から選択された少なくとも1種を含む透明導電酸化物膜などを用いることができる。
透光性基板11側を受光面側とする場合には、第1導電層12を構成する材料は、少なくとも光増感剤22に実効的な感度を有する波長の光を実質的に透過させ得る材料であればよく、必ずしもすべての波長領域の光に対して透過性を有する必要はない。
第1導電層12は、たとえばスパッタリング法またはスプレー法などの公知の方法により、透光性基板11上に形成することができる。第1導電層12の厚さは、0.02μm以上5μm以下であることが好ましい。また、第1導電層12の表面抵抗率は低いほど好ましく、なかでも40Ω/sq以下であることがより好ましい。
透光性基板11としてのソーダ石灰フロートガラス上に第1導電層12としてのFTOを積層した透光性導電基板を用いることが特に好ましく、透光性導電基板の市販品を用いてもよい。
≪光電変換層≫
光電変換層13は、光エネルギーの少なくとも一部を電気エネルギーに変換する層であり、上述のように、酸化物半導体の結晶粒21と無機蛍光体の結晶粒23とからなる多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24上の増感色素からなる光増感剤22とを有している。多孔質半導体層24は、複数の孔を有しているため、電荷輸送層14を構成する電解液が、光電変換層13の内外を自在に移動することができるようになっている。以下に、光電変換層13に含まれる酸化物半導体の結晶粒21、無機蛍光体の結晶粒23および光増感剤22についてそれぞれ説明する。
光電変換層13は、光エネルギーの少なくとも一部を電気エネルギーに変換する層であり、上述のように、酸化物半導体の結晶粒21と無機蛍光体の結晶粒23とからなる多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24上の増感色素からなる光増感剤22とを有している。多孔質半導体層24は、複数の孔を有しているため、電荷輸送層14を構成する電解液が、光電変換層13の内外を自在に移動することができるようになっている。以下に、光電変換層13に含まれる酸化物半導体の結晶粒21、無機蛍光体の結晶粒23および光増感剤22についてそれぞれ説明する。
[酸化物半導体の結晶粒]
酸化物半導体の結晶粒21としては、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、銅−アルミニウム酸化物(CuAlO2)およびストロンチウム−銅酸化物(SrCu2O2)からなる群から選択された少なくとも1種(たとえば、酸化亜鉛と酸化錫との混合物)を含む酸化物半導体などを用いることができる。なかでも、酸化物半導体の結晶粒21は、酸化チタンを含むことが好ましい。酸化チタンは、紫外光が照射されることによって光触媒作用が発現するため、光触媒作用の発生を抑制することにより光電変換素子の長期信頼性を向上するという、後述の実施の形態1の光電変換素子の作用効果をより顕著に発現させることができる。
酸化物半導体の結晶粒21としては、たとえば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、銅−アルミニウム酸化物(CuAlO2)およびストロンチウム−銅酸化物(SrCu2O2)からなる群から選択された少なくとも1種(たとえば、酸化亜鉛と酸化錫との混合物)を含む酸化物半導体などを用いることができる。なかでも、酸化物半導体の結晶粒21は、酸化チタンを含むことが好ましい。酸化チタンは、紫外光が照射されることによって光触媒作用が発現するため、光触媒作用の発生を抑制することにより光電変換素子の長期信頼性を向上するという、後述の実施の形態1の光電変換素子の作用効果をより顕著に発現させることができる。
酸化物半導体の結晶粒21に好適に用いられる酸化チタンとしては、たとえば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチタン酸を含む化合物、オルソチタン酸を含む化合物、水酸化チタンおよび含水酸化チタンからなる群から選択された少なくとも1種を含む酸化チタンを用いることができる。アナターゼ型酸化チタンおよびルチル型酸化チタンの2種類の結晶系酸化チタンは、その製法や熱履歴によりいずれの形態にもなり得るが、実施形態1の光電変換素子においては、アナターゼ型酸化チタンの含有率の高いもの、たとえばアナターゼ型酸化チタンの含有率が80%以上の酸化チタンを用いることが特に好ましい。
[その他の実施形態]
なお、上記においては、多孔質半導体層24に酸化物半導体の結晶粒21を用いる場合について説明したが、長期信頼性を向上することができるという効果が得られるのであれば、酸化物半導体の結晶粒21に限定されるものでないことは言うまでもない。
なお、上記においては、多孔質半導体層24に酸化物半導体の結晶粒21を用いる場合について説明したが、長期信頼性を向上することができるという効果が得られるのであれば、酸化物半導体の結晶粒21に限定されるものでないことは言うまでもない。
[無機蛍光体の結晶粒]
無機蛍光体の結晶粒23としては、紫外光を吸収し、紫外光よりも長波長の光を発光する波長変換材料であれば特に限定されないが、平均粒径が50nm以下の無機蛍光体の結晶粒であることが好ましく、平均粒径が10nm以上20nm以下の無機蛍光体の結晶粒であることがより好ましい。多孔質半導体層24に含まれる酸化物半導体の結晶粒21としては、上述のように、酸化チタンを用いることが好ましいが、多孔質半導体層24を構成する酸化チタンの結晶粒の平均粒径が好ましくは50nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下である。そのため、無機蛍光体の結晶粒23の平均粒径が50nm以下である場合、特に10nm以上20nm以下である場合には、酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21とより均一に混合した多孔質半導体層24を形成することができるため、無機蛍光体の結晶粒23が酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21を十分に被覆することができる。無機蛍光体の結晶粒23が酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21を十分に被覆することができるため、酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21への紫外光の入射をより効果的に抑制することができ、ひいては実施形態1の光電変換素子の長期信頼性をより向上することができる。
無機蛍光体の結晶粒23としては、紫外光を吸収し、紫外光よりも長波長の光を発光する波長変換材料であれば特に限定されないが、平均粒径が50nm以下の無機蛍光体の結晶粒であることが好ましく、平均粒径が10nm以上20nm以下の無機蛍光体の結晶粒であることがより好ましい。多孔質半導体層24に含まれる酸化物半導体の結晶粒21としては、上述のように、酸化チタンを用いることが好ましいが、多孔質半導体層24を構成する酸化チタンの結晶粒の平均粒径が好ましくは50nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下である。そのため、無機蛍光体の結晶粒23の平均粒径が50nm以下である場合、特に10nm以上20nm以下である場合には、酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21とより均一に混合した多孔質半導体層24を形成することができるため、無機蛍光体の結晶粒23が酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21を十分に被覆することができる。無機蛍光体の結晶粒23が酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21を十分に被覆することができるため、酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21への紫外光の入射をより効果的に抑制することができ、ひいては実施形態1の光電変換素子の長期信頼性をより向上することができる。
なお、本明細書において、酸化物半導体の結晶粒21の平均粒径および無機蛍光体の結晶粒23の平均粒径は、それぞれ、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)の画像から直接測定した結晶粒の長軸径aと短軸径bとの平均径((a+b)/2)を意味するものとする。
無機蛍光体の結晶粒23としては、紫外光を吸収し、光増感剤22の感度が高い波長の光を発光する波長変換材料を用いることが好ましい。なかでも、多孔質半導体層24に含まれる酸化物半導体の結晶粒21として酸化チタンを用いた場合には、無機蛍光体の結晶粒23としてY2SiO5:Ce,Tb(セリウムおよびテルビウム付活ケイ酸イットリウム)を用いることが好ましい。
図2に、Y2SiO5:Ce,Tbの吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す。図2に示すように、Y2SiO5:Ce,Tbの最大吸収ピーク(吸光強度が最大となる光の波長)波長W1は358nmであり、Y2SiO5:Ce,Tbの最大発光ピーク(発光強度が最大となる光の波長)波長W2は541nmであるため、Y2SiO5:Ce,Tbは紫外光(10nm以上400nm以下の光)を吸収し、紫外光よりも長波長の光を発光する。したがって、無機蛍光体の結晶粒23としてY2SiO5:Ce,Tbを用いた場合には、光18中の紫外光の一部がY2SiO5:Ce,Tbからなる無機蛍光体の結晶粒23に吸収されて可視光に変換され、酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21の光触媒作用の発生を抑えることができる。さらに、Y2SiO5:Ce,Tbの最大発光ピーク波長W2付近の波長の光に高い感度を有する光増感剤22を用いることによって、光増感剤22から酸化物半導体の結晶粒21に多くの電子を供給することができるために、実施形態1の光電変換素子の特性を向上することができる。
特に、波長変換材料としては、たとえばY2SiO5:Ce,Tbからなる無機蛍光体の結晶粒23のように、最大吸収ピーク波長が400nm以下であり、最大発光ピーク波長が500nm以上である波長変換材料を用いることが好ましい。この場合には、酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21の光触媒作用の発生を抑えることができる傾向が大きくなるとともに、光増感剤22から酸化物半導体の結晶粒21に多くの電子を供給することができる傾向が大きくなる。
[光増感剤]
光増感剤22としては、光18によって励起されて酸化物半導体の結晶粒21に電子を供給する物質を用いることができ、たとえば、可視光領域または赤外光領域に吸収領域を有する増感色素を用いることができる。
光増感剤22としては、光18によって励起されて酸化物半導体の結晶粒21に電子を供給する物質を用いることができ、たとえば、可視光領域または赤外光領域に吸収領域を有する増感色素を用いることができる。
増感色素としては、たとえば、無機色素および有機色素の少なくとも一方を用いることができる。無機色素としては、たとえば、従来から公知のRu(ルテニウム)金属錯体、Os(オスミウム)金属錯体、Fe(鉄)金属錯体、Cu(銅)金属錯体およびPt(白金)金属錯体から選択された少なくとも1種を用いることができる。また、有機色素としては、たとえば、メチン色素、メロシアニン色素、クマリン系色素、マーキュロクロム色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素およびアゾ系色素から選択された少なくとも1種を用いることができる。
[多孔質半導体層]
多孔質半導体層24の厚さは、特に限定されるものではなく、たとえば0.1μm以上100μm以下とすることが好適である。また、多孔質半導体層24は、表面積が大きいことが好ましく、多孔質半導体層24の表面積は、10m2/g以上200m2/g以下であることが好ましい。
多孔質半導体層24の厚さは、特に限定されるものではなく、たとえば0.1μm以上100μm以下とすることが好適である。また、多孔質半導体層24は、表面積が大きいことが好ましく、多孔質半導体層24の表面積は、10m2/g以上200m2/g以下であることが好ましい。
≪電荷輸送層≫
電荷輸送層14を構成する電解液としては、第2導電層15から受け取った電子を光増感剤22に供給することができればよく、なかでも酸化還元電位の低い電解液を用いることができる。電荷輸送層14を構成する電解液としては、たとえば、酸化還元種と酸化還元種を溶解可能な溶剤とからなる電解液を用いることができる。
電荷輸送層14を構成する電解液としては、第2導電層15から受け取った電子を光増感剤22に供給することができればよく、なかでも酸化還元電位の低い電解液を用いることができる。電荷輸送層14を構成する電解液としては、たとえば、酸化還元種と酸化還元種を溶解可能な溶剤とからなる電解液を用いることができる。
酸化還元種としては、たとえば、I-/I3-系、Br2-/Br3-系、またはCo2+/Co3+などを用いることができる。酸化還元種を溶解可能な溶剤としては、たとえば、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、アセトニトリルなどのニトリル化合物、エタノールなどのアルコール類、水および非プロトン極性物質からなる群から選択された少なくとも1種を含む溶剤などを用いることができる。
≪第2導電層≫
第2導電層15としては、導電性を有する層であればよく、たとえば、ITO、SnO2、FTOおよびZnOからなる群から選択された少なくとも1つの透明導電酸化物膜、または金、白金または炭素系材料などの導電膜などを用いることができる。また、第2導電層15としては、透明導電酸化物膜上に、たとえば、白金またはカーボンなどの導電膜を形成した層を用いてもよい。
第2導電層15としては、導電性を有する層であればよく、たとえば、ITO、SnO2、FTOおよびZnOからなる群から選択された少なくとも1つの透明導電酸化物膜、または金、白金または炭素系材料などの導電膜などを用いることができる。また、第2導電層15としては、透明導電酸化物膜上に、たとえば、白金またはカーボンなどの導電膜を形成した層を用いてもよい。
≪支持体≫
支持体16としては、たとえば、ソーダガラス、溶融石英ガラスまたは結晶石英ガラスなどのガラス基板を用いることができる。
支持体16としては、たとえば、ソーダガラス、溶融石英ガラスまたは結晶石英ガラスなどのガラス基板を用いることができる。
≪封止部≫
封止部は、第1導電層12と第2導電層15との間に電荷輸送層14を保持することができる部材であればよく、たとえば、熱可塑性ポリオレフィン樹脂などを用いることができる。
封止部は、第1導電層12と第2導電層15との間に電荷輸送層14を保持することができる部材であればよく、たとえば、熱可塑性ポリオレフィン樹脂などを用いることができる。
≪製造方法≫
図3に、実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例のフローチャートを示す。図3に示すように、実施形態1の光電変換素子の製造方法は、波長変換材料合成工程(S10)と、多孔質半導体層形成工程(S20)と、光増感剤設置工程(S30)と、透光性基板と支持体との接合工程(S40)と、電荷輸送層形成工程(S50)とを含んでおり、S10、S20、S30、S40およびS50の順で行われる。なお、実施形態1の光電変換素子の製造方法には、S10、S20、S30、S40およびS50以外の工程が含まれていてもよいことは言うまでもない。
図3に、実施形態1の光電変換素子の製造方法の一例のフローチャートを示す。図3に示すように、実施形態1の光電変換素子の製造方法は、波長変換材料合成工程(S10)と、多孔質半導体層形成工程(S20)と、光増感剤設置工程(S30)と、透光性基板と支持体との接合工程(S40)と、電荷輸送層形成工程(S50)とを含んでおり、S10、S20、S30、S40およびS50の順で行われる。なお、実施形態1の光電変換素子の製造方法には、S10、S20、S30、S40およびS50以外の工程が含まれていてもよいことは言うまでもない。
[波長変換材料合成工程]
波長変換材料合成工程(S10)は、たとえば以下のようにして行なうことができる。無機蛍光体の一般的な合成法として、固相合成および液相合成があるが、無機蛍光体としてY2SiO5:Ce,Tbを用いる場合には、たとえば、液相合成の一つである水熱合成法によって合成を行なうことができる。水熱合成法は、たとえば以下のようにして行なうことができる。まず、硝酸イットリウム、硝酸セリウムおよび硝酸テルビウムを混合した水溶液と、水溶性珪素水溶液とを、イットリウム、セリウム、テルビウムおよび珪素の元素比が所望する化学量論比になるように混ぜて一様な混合液を得る。次に、得られた混合液をテフロン(登録商標)製の水熱内容器に入れて蓋をし、オートクレーブにて200℃〜250℃程度にまで昇温した後、しばらく放置する。その後、室温まで放冷してから蓋を開けて水熱内容器を取り出し、固化したゲル状の反応物を得る。次に、この反応物を100℃程度で乾燥し、溶媒を完全に除去してから電気炉で1000℃〜1600℃程度の温度で熱処理を施すことによって、所定の平均粒径(好ましくは50nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下)を有するY2SiO5:Ce,Tb無機蛍光体微粒子を得ることができる。
波長変換材料合成工程(S10)は、たとえば以下のようにして行なうことができる。無機蛍光体の一般的な合成法として、固相合成および液相合成があるが、無機蛍光体としてY2SiO5:Ce,Tbを用いる場合には、たとえば、液相合成の一つである水熱合成法によって合成を行なうことができる。水熱合成法は、たとえば以下のようにして行なうことができる。まず、硝酸イットリウム、硝酸セリウムおよび硝酸テルビウムを混合した水溶液と、水溶性珪素水溶液とを、イットリウム、セリウム、テルビウムおよび珪素の元素比が所望する化学量論比になるように混ぜて一様な混合液を得る。次に、得られた混合液をテフロン(登録商標)製の水熱内容器に入れて蓋をし、オートクレーブにて200℃〜250℃程度にまで昇温した後、しばらく放置する。その後、室温まで放冷してから蓋を開けて水熱内容器を取り出し、固化したゲル状の反応物を得る。次に、この反応物を100℃程度で乾燥し、溶媒を完全に除去してから電気炉で1000℃〜1600℃程度の温度で熱処理を施すことによって、所定の平均粒径(好ましくは50nm以下、より好ましくは10nm以上20nm以下)を有するY2SiO5:Ce,Tb無機蛍光体微粒子を得ることができる。
[多孔質半導体層形成工程]
多孔質半導体層形成工程(S20)は、透光性基板11上の第1導電層12上に多孔質半導体層24を形成することにより行なわれる。多孔質半導体層24は、たとえば、市販の酸化物半導体微粒子および波長変換材料調製工程(S10)で調製した波長変換材料の微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調整したコロイド溶液を、必要に応じて所望の添加剤を添加した後、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法またはスプレー塗布法などの公知の方法により塗布し、乾燥させた後に焼成することにより形成することができる。また、この方法以外にも、コロイド溶液中に任意の陽極基板を浸漬して電気泳動により酸化物半導体微粒子および波長変換材料の微粒子を透光性基板11上の第1導電層12の表面上に付着させる泳動電着法、コロイド溶液若しくは分散液に発泡剤を混合して塗布した後に焼結して多孔質化する方法、またはポリマーマイクロビーズを混合して塗布した後にこのポリマーマイクロビーズを加熱処理や化学処理により除去して空隙を形成させ多孔質化する方法などを用いることができる。
多孔質半導体層形成工程(S20)は、透光性基板11上の第1導電層12上に多孔質半導体層24を形成することにより行なわれる。多孔質半導体層24は、たとえば、市販の酸化物半導体微粒子および波長変換材料調製工程(S10)で調製した波長変換材料の微粒子を所望の分散媒に分散させた分散液、あるいは、ゾル−ゲル法により調整したコロイド溶液を、必要に応じて所望の添加剤を添加した後、スクリーンプリント法、インクジェットプリント法、ロールコート法、ドクターブレード法、スピンコート法またはスプレー塗布法などの公知の方法により塗布し、乾燥させた後に焼成することにより形成することができる。また、この方法以外にも、コロイド溶液中に任意の陽極基板を浸漬して電気泳動により酸化物半導体微粒子および波長変換材料の微粒子を透光性基板11上の第1導電層12の表面上に付着させる泳動電着法、コロイド溶液若しくは分散液に発泡剤を混合して塗布した後に焼結して多孔質化する方法、またはポリマーマイクロビーズを混合して塗布した後にこのポリマーマイクロビーズを加熱処理や化学処理により除去して空隙を形成させ多孔質化する方法などを用いることができる。
なお、第1導電層12は、たとえばスパッタリング法またはスプレー法などの方法により透光性基板11上に形成することができる。
[光増感剤設置工程]
光増感剤設置工程(S30)は、多孔質半導体層24の表面の一部に光増感剤22を設置することにより行なわれる。光増感剤22は、たとえば、増感色素を溶解した溶液(増感色素吸着用溶液)に多孔質半導体層24を浸漬することなどによって、多孔質半導体層24に設置することができる。このとき、増感色素吸着用溶液を多孔質半導体層24内の微細孔の奥部まで浸透させるために、増感色素吸着用溶液を加熱してもよい。
光増感剤設置工程(S30)は、多孔質半導体層24の表面の一部に光増感剤22を設置することにより行なわれる。光増感剤22は、たとえば、増感色素を溶解した溶液(増感色素吸着用溶液)に多孔質半導体層24を浸漬することなどによって、多孔質半導体層24に設置することができる。このとき、増感色素吸着用溶液を多孔質半導体層24内の微細孔の奥部まで浸透させるために、増感色素吸着用溶液を加熱してもよい。
[透光性基板と支持体との接合工程]
透光性基板と支持体との接合工程(S40)は、たとえば、透光性基板11(若しくは透光性基板11上の第1導電層12)の表面の周縁部分と、支持体16(若しくは支持体16上の第2導電層15)の表面の周縁部分とを封止部(図示せず)で接合することにより行なうことができる。透光性基板と支持体との接合工程(S40)は、たとえば、透光性基板11(若しくは透光性基板11上の第1導電層12)の表面の周縁部分と、支持体16(若しくは支持体16上の第2導電層15)の表面の周縁部分とを熱可塑性ポリオレフィン樹脂シートからなる封止部(図示せず)を介在させた状態で対向させ、封止部(図示せず)を加熱して溶融させた後に冷却して硬化することによって行なうことができる。
透光性基板と支持体との接合工程(S40)は、たとえば、透光性基板11(若しくは透光性基板11上の第1導電層12)の表面の周縁部分と、支持体16(若しくは支持体16上の第2導電層15)の表面の周縁部分とを封止部(図示せず)で接合することにより行なうことができる。透光性基板と支持体との接合工程(S40)は、たとえば、透光性基板11(若しくは透光性基板11上の第1導電層12)の表面の周縁部分と、支持体16(若しくは支持体16上の第2導電層15)の表面の周縁部分とを熱可塑性ポリオレフィン樹脂シートからなる封止部(図示せず)を介在させた状態で対向させ、封止部(図示せず)を加熱して溶融させた後に冷却して硬化することによって行なうことができる。
なお、第2導電層15の形成は、たとえば、支持体16の表面上に塩化白金酸を塗布した後に熱処理することによって、白金膜を形成する方法などにより行なうことができる。また、第2導電層15の形成は、たとえば、蒸着法またはスパッタリング法などによって、支持体16の表面上に、ITO、SnO2、FTOおよびZnOからなる群から選択された少なくとも1つの透明導電性酸化物膜、または金、白金または炭素系材料などの導電膜を形成することなどにより行なうことができる。
[電荷輸送層形成工程]
電荷輸送層形成工程(S50)は、少なくとも第1導電層12と第2導電層15との間に電荷輸送層14を形成することにより行なわれる。電荷輸送層14は、たとえば、任意の箇所に設けられた注液口(図示せず)から、第1導電層12と第2導電層15と封止部(図示せず)とによって取り囲まれた空間に上述の電解液を注入することなどにより形成することができる。以上の工程により、実施形態1の光電変換素子を製造することができる。
電荷輸送層形成工程(S50)は、少なくとも第1導電層12と第2導電層15との間に電荷輸送層14を形成することにより行なわれる。電荷輸送層14は、たとえば、任意の箇所に設けられた注液口(図示せず)から、第1導電層12と第2導電層15と封止部(図示せず)とによって取り囲まれた空間に上述の電解液を注入することなどにより形成することができる。以上の工程により、実施形態1の光電変換素子を製造することができる。
≪作用効果≫
上述のように、図4に示す従来の色素増感太陽電池は、早期に劣化する傾向があり、長期信頼性に課題を有していた。その理由は以下のように推測される。すなわち、多孔質半導体層121に用いられている酸化チタンが、太陽光118中の紫外光を吸収することによって、光触媒作用が起こる。この光触媒作用によって、一般的に有機化合物が用いられている色素122および電解液114の分解が促進され、これが色素増感太陽電池の劣化を引き起こしていたと考えられる。
上述のように、図4に示す従来の色素増感太陽電池は、早期に劣化する傾向があり、長期信頼性に課題を有していた。その理由は以下のように推測される。すなわち、多孔質半導体層121に用いられている酸化チタンが、太陽光118中の紫外光を吸収することによって、光触媒作用が起こる。この光触媒作用によって、一般的に有機化合物が用いられている色素122および電解液114の分解が促進され、これが色素増感太陽電池の劣化を引き起こしていたと考えられる。
しかしながら、実施形態1の光電変換素子において、光電変換層13に含まれる多孔質半導体層24には、酸化物半導体の結晶粒21だけでなく無機蛍光体の結晶粒23も含まれている。したがって、実施形態1の光電変換素子の透光性基板11側から太陽光などの紫外光を含む光18が光電変換層13に入射した場合であっても、光18に含まれる紫外光のすべてが酸化物半導体の結晶粒21に照射されるのではなく、その少なくとも一部が無機蛍光体の結晶粒23に照射され、無機蛍光体の結晶粒23によって可視光などの紫外光よりも長波長の光に変換された後に酸化物半導体の結晶粒21または光増感剤22に照射されることになる。
それゆえ、実施形態1の光電変換素子においては、図4に示す従来の色素増感太陽電池と比べて酸化物半導体の結晶粒21に照射される紫外光の量を低減することができるために、紫外光の照射により発生する酸化物半導体の結晶粒21の光触媒作用の発生を低減することができる。これにより、実施形態1の光電変換素子においては、図4に示す従来の色素増感太陽電池と比べて光増感剤22および電荷輸送層14の分解を抑制することができるため、実施形態1の光電変換素子の劣化を抑制することができる。これにより、実施形態1の光電変換素子の特性をより長期にわたって保持することができるため、実施形態1の光電変換素子の長期信頼性を向上することができる。
<実施形態2>
実施形態2の光電変換素子は、無機蛍光体の結晶粒23としてY2SiO5:Ce,Tbの代わりにYVO4:Dy3+を用いたこと以外は実施形態1と同一の構造を有している。
実施形態2の光電変換素子は、無機蛍光体の結晶粒23としてY2SiO5:Ce,Tbの代わりにYVO4:Dy3+を用いたこと以外は実施形態1と同一の構造を有している。
図5に、YVO4:Dy3+の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す。図5に示すように、YVO4:Dy3+の最大吸収ピーク(吸光強度が最大となる光の波長)波長W1は318nmであり、YVO4:Dy3+の最大発光ピーク(発光強度が最大となる光の波長)波長W2は573nmであるため、YVO4:Dy3+は紫外光(10nm以上400nm以下の光)を吸収し、紫外光よりも長波長の光を発光する。したがって、無機蛍光体の結晶粒23としてYVO4:Dy3+を用いた場合でも、光18中の紫外光の一部がYVO4:Dy3+からなる無機蛍光体の結晶粒23に吸収されて可視光に変換され、酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21の光触媒作用の発生を抑えることができる。さらに、YVO4:Dy3+の最大発光ピーク波長W2付近の波長の光に高い感度を有する光増感剤22を用いることによって、光増感剤22から酸化物半導体の結晶粒21に多くの電子を供給することができるために、実施形態2の光電変換素子の特性を向上することができる。
実施形態2における上記以外の説明は実施形態1と同様であるため、ここではその説明については繰り返さない。
<実施形態3>
実施形態2の光電変換素子は、無機蛍光体の結晶粒23としてY2SiO5:Ce,Tbの代わりにCa10(Si2O7)3Cl2:Eu2+を用いたこと以外は実施形態1と同一の構造を有している。
実施形態2の光電変換素子は、無機蛍光体の結晶粒23としてY2SiO5:Ce,Tbの代わりにCa10(Si2O7)3Cl2:Eu2+を用いたこと以外は実施形態1と同一の構造を有している。
図6に、Ca10(Si2O7)3Cl2:Eu2+の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す。図6に示すように、Ca10(Si2O7)3Cl2:Eu2+の最大吸収ピーク(吸光強度が最大となる光の波長)波長W1は367nmであり、Ca10(Si2O7)3Cl2:Eu2+の最大発光ピーク(発光強度が最大となる光の波長)波長W2は508nmであるため、Ca10(Si2O7)3Cl2:Eu2+は紫外光(10nm以上400nm以下の光)を吸収し、紫外光よりも長波長の光を発光する。したがって、無機蛍光体の結晶粒23としてCa10(Si2O7)3Cl2:Eu2+を用いた場合でも、光18中の紫外光の一部がCa10(Si2O7)3Cl2:Eu2+からなる無機蛍光体の結晶粒23に吸収されて可視光に変換され、酸化チタンからなる酸化物半導体の結晶粒21の光触媒作用の発生を抑えることができる。さらに、Ca10(Si2O7)3Cl2:Eu2+の最大発光ピーク波長W2付近の波長の光に高い感度を有する光増感剤22を用いることによって、光増感剤22から酸化物半導体の結晶粒21に多くの電子を供給することができるために、実施形態3の光電変換素子の特性を向上することができる。
実施形態3における上記以外の説明は実施形態1と同様であるため、ここではその説明については繰り返さない。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の各実施の形態の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、光電変換素子および光電変換素子の製造方法に利用することができ、特に、色素増感太陽電池および色素増感太陽電池の製造方法に好適に利用することができる。
11 透光性基板、12 第1導電層、13 光電変換層、14 電荷輸送層、15 第2導電層、16 支持体、18 光、21 酸化物半導体の結晶粒、22 光増感剤、23 無機蛍光体の結晶粒、24 多孔質半導体層、111 ガラス基板、112 透明電極、113 光電変換層、114 電解液、115 対向電極、116 支持体、118 太陽光、119 太陽、121 多孔質半導体層、122 色素。
Claims (7)
- 第1導電層と、
前記第1導電層と間隔を空けて向かい合う第2導電層と、
前記第1導電層上の光電変換層と、
前記第1導電層と前記第2導電層との間の電荷輸送層とを備え、
前記光電変換層は、波長変換材料を含む多孔質半導体層と、前記多孔質半導体層上の光増感剤とを含み、
前記波長変換材料は、紫外光を吸収し、前記紫外光よりも長波長の光を発光する、光電変換素子。 - 前記多孔質半導体層は、酸化チタンをさらに含む、請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記波長変換材料は、平均粒径が50nm以下の無機蛍光体の結晶粒を含む、請求項1または請求項2に記載の光電変換素子。
- 前記無機蛍光体の結晶粒の平均粒径が10nm以上20nm以下である、請求項3に記載の光電変換素子。
- 前記無機蛍光体は、Y2SiO5:Ce,Tb、YVO4:Dy3+、およびCa10(Si2O7)3Cl2:Eu2+からなる群から選択された少なくとも1種を含む、請求項3または請求項4に記載の光電変換素子。
- 前記波長変換材料の最大吸収ピーク波長は400nm以下であり、最大発光ピーク波長は500nm以上である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
- 透光性基板上の第1導電層上に波長変換材料を含む多孔質半導体層を形成する工程と、
前記多孔質半導体層上に光増感剤を設置する工程と、
前記第1導電層と支持体上の第2導電層とが間隔を空けて向かい合うようにして前記透光性基板と前記支持体とを接合する工程と、
前記第1導電層と前記第2導電層との間に電荷輸送層を形成する工程とを含む、光電変換素子の製造方法。
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