JP2015102860A - 消色装置、消色方法、および制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】シートの再利用率を向上させることができる消色装置、消色方法、および制御プログラムを提供することである。【解決手段】一実施形態の消色装置は、消色部と、取得部と、記憶部と、選択部とを備える。消色部は、消色可能な色剤によって画像が印刷されたシートから、画像を消色する。取得部は、消色部により画像が消色されたシートに残存する情報を取得する。記憶部は、消色状態の判定基準を複数記憶する。選択部は、取得された情報と、前記複数の判定基準とに基づいて、再利用可能な前記シートのランクを判定し、前記シートが排出される複数のシート受け部のうち、前記ランクに基づくシート受け部を排出先として選択する。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、消色装置、消色方法、および制御プログラムに関する。
従来、定着温度よりも高い温度を加えることにより色を消色することができるトナー(熱消色性トナー)などの消色可能な色剤がある。この消色可能な色剤によって印刷されたシートに対して加熱などの消色作業を行うことにより、シートを再利用可能な状態にする消色装置が知られている。このような消色装置では、シートや色剤の状態によっては、消色作業を行っても色が消色されずに残ってしまうことがある。これに関連して、色の消色状態を検出して、再利用可能なシートと、再利用不可能なシートとを判定する仕組みを備えた消色装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような消色装置において、色の消色状態によっては再利用不可と判定されるシートが多くなり、この場合には再利用率を向上できないことがあった。
本発明が解決しようとする課題は、シートの再利用率を向上させることができる消色装置、消色方法、および制御プログラムを提供することである。
一実施形態の消色装置は、消色部と、取得部と、記憶部と、選択部とを備える。消色部は、消色可能な色剤によって画像が印刷されたシートから、前記画像を消色する。取得部は、前記消色部により前記画像が消色された前記シートに残存する情報を取得する。記憶部は、消色の状態の判定基準を複数記憶する。選択部は、前記取得された前記消色状態を示す情報と、前記複数の判定基準とに基づいて、再利用可能な前記シートのランクを判定し、前記シートが排出される複数のシート受け部のうち、前記ランクに基づくシート受け部を排出先として選択する。
<実施形態1>
以下、実施形態1による消色装置1を図1〜3を参照して説明する。
図1は、本実施形態の消色装置1の構成の一例を示す概要図である。この消色装置1は、給紙部10と、消色部20と、読取部30と、排出部40と、排出トレイ50と、制御部60と、操作部70と、記憶部80とを備えている。
以下、実施形態1による消色装置1を図1〜3を参照して説明する。
図1は、本実施形態の消色装置1の構成の一例を示す概要図である。この消色装置1は、給紙部10と、消色部20と、読取部30と、排出部40と、排出トレイ50と、制御部60と、操作部70と、記憶部80とを備えている。
給紙部10は、シートSを載置するトレイを備えており、トレイに載置されたシートSを、ローラーR1を介して消色部20に給紙する。このシートSとは、色を消色することが可能な色剤によって画像(文字、写真、図など)が印刷されているシート状の紙葉類(紙、フィルムなど)である。以下、シートSがPPC(Plain Paper Copier)に用いられるコピー用紙である場合について説明する。また、この色剤とは、シートSに画像を印刷するためのトナー、またはインクなどである。以下、色剤とは、定着温度よりも高い温度を与えることによって色が消色される熱消色性トナーであるとして説明するが、これに限られない。例えば、色剤とは、溶剤を用いた化学的な処理などによって消色されるインクであってもよい。なお、以下の説明において、色剤の色を消色することによりシートSの画像を消色することを、単に「画像を消色する」とも記載する。
消色部20は、給紙部10からローラーR1を介して給紙されたシートSを加熱することにより、シートSに印刷されている画像を消色する。具体的には、消色部20は、表面用ヒーター21および裏面用ヒーター22を備えている。この表面用ヒーター21は、給紙されたシートSの表面をトナーの定着温度よりも高い温度で加熱することにより、シートSの表面に印刷されている画像を消色する。また裏面用ヒーター22は、給紙されたシートSの裏面をトナーの定着温度よりも高い温度で加熱することにより、シートSの裏面に印刷されている画像を消色する。これにより、消色部20は、シートSの表面の画像と裏面の画像とを同時に消色することができる。すなわち、消色部20は、消色可能な色剤によって画像が印刷されたシートから、画像を消色する。
なお、ここでは、消色部20は、表面用ヒーター21と裏面用ヒーター22との2つのヒーターを備えているとして説明したが、これに限られない。例えば、消色部20は、表面用ヒーター21と裏面用ヒーター22とのうち、いずれか一方のヒーターのみを備えている構成であってもよい。
読取部30は、イメージスキャナなどの画像センサを備えており、消色部20を通過したシートSの画像を読み取る。この読取部30は、消色部20により画像が消色されたシートSに残存する情報を取得する取得部の一例である。また、読取部30は、読み取ったシートSの画像を示す情報(画像情報)を後述する制御部60に出力する。ここで、画像情報とは、消色部20を通過したシートSの画像の消色状態を示す情報である。すなわち、読取部30は、消色部20による画像の消色状態を示す情報を取得する。この読取部30は、表面用画像センサ31および裏面用画像センサ32を備えている。この表面用画像センサ31は、消色部20を通過したシートSの表面の画像を読み取る。また裏面用画像センサ32は、消色部20を通過したシートSの裏面の画像を読み取る。これにより、読取部30は、シートSの表面の画像と裏面の画像とを同時に読み取ることができる。
なお、ここでは、読取部30は、表面用画像センサ31と裏面用画像センサ32との2つの画像センサを備えているとして説明したが、これに限られない。例えば、読取部30は、表面用画像センサ31と裏面用画像センサ32とのうち、いずれか一方の画像センサのみを備えている構成であってもよい。
排出トレイ50は、排出部40から排出されるシートSを載置するシート受け部を複数備えている。この一例においては、排出トレイ50は、シート受け部51−1からシート受け部51−5までの5個のシート受け部を備えている。排出トレイ50は、排出部40から排出されるシートSを、いずれかのシート受け部に載置する。以下の説明において、シート受け部51−1は、第1シート受け部とも記載する。また、シート受け部51−2〜シート受け部51−5は、それぞれ第2シート受け部〜第5シート受け部とも記載する。また、これらのシート受け部を総称する場合には、シート受け部51とも記載する。
このシート受け部51には、再利用可能なシートSが載置されるものと、再利用不可能なシートSが載置されるものとがある。以下では、一例として、再利用可能なシートSが載置されるシート受け部が、第1シート受け部から第4シート受け部までである例について説明する。すなわち、再利用不可能なシートSが載置されるシート受け部が、第5シート受け部である場合について、説明する。なお、再利用可能なシートSおよび再利用不可能なシートSの具体例については、後述する。
排出部40は、読取部30からローラーR2を介して供給されるシートSを、排出トレイ50が備えるシート受け部51に排出する。この排出部40は、制御部60の選択部61の指示に基づいて、シートSの排出先を切換える不図示の切換機構を備えている。この切替機構は、選択部61からの指示に基づいてシートSの排出先を切換えるフラッパを備えている。このフラッパには、第1フラッパF1と、第2フラッパF2とが含まれる。第1フラッパF1は、動作することによりシートSの排出先を第1シート受け部に切り替える。第2フラッパF2は、動作することによりシートSの排出先を第2シート受け部を切り換える。ここで、排出部40は、選択部61から第1シート受け部をシートSの排出先にする指示を受けた場合、次の動作を行う。切替機構は、選択部61からの指示に基づいて、第1フラッパF1を動作させ、第1シート受け部をシートSの排出先に切り替える。これにより、排出部40は、供給されたシートSをローラー3aおよびローラー3bを介して第1シート受け部に排出する。また、排出部40は、選択部61から第2シート受け部をシートSの排出先にする指示を受けた場合、次の動作を行う。切替機構は、選択部61からの指示に基づいて、第2フラッパF2を動作させ、第2シート受け部をシートSの排出先に切り替える。これにより、排出部40は、供給されたシートSをローラー3a、ローラー4aおよびローラー4bを介して第2シート受け部に排出する。また、排出部40は、選択部61から第5シート受け部をシートSの排出先にする指示を受けた場合、次の動作を行う。切替機構は、選択部61からの指示に基づいて、いずれのフラッパも動作させずに、第2シート受け部をシートSの排出先に切り替える。これにより、排出部40は、供給されたシートSをローラー3a、ローラー4a、ローラー5aおよびローラー5bを介して第5シート受け部に排出する。
操作部70は、キーボードなどの入力デバイスを備えており、消色装置1の利用者(ユーザ)の操作を受け付けて、受け付けた操作に基づく操作情報を制御部60に出力する。
制御部60は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)を備えている。この制御部60は、消色装置1の各部から情報を取得するとともに、取得した情報に基づいて消色装置1の各部を制御する。具体的には、制御部60は、消色装置1の各部を制御するための機能部としての、選択部61と変更部62とを備えている。このうち、変更部62については、後述する実施形態3において説明する。
選択部61は、読取部30が読み取ったシートSの画像情報に基づいて、シートSの消色率を算出する。この消色率とは、消色部20が消色した後のシートSの全面積に対する、色剤が発色していない部分の面積の割合である。例えば、シートSの全面が発色している場合には、消色率は0%である。また、シートSに発色している部分が無い場合には、消色率は100%である。ここで、消色部20が消色した熱消色性トナーなどの色剤には、印刷の状態や加熱の状態などにより、消色する部分と消色しない部分とが生じる場合がある。このため、シートSごとに消色率が相違することがある。選択部61は、読取部30が読み取ったシートSの画像情報に基づいて、シートSごとに消色率を算出する。すなわち、選択部61は、取得された情報と、複数の判定基準とに基づいて、再利用可能なシートSのランクを判定する。また、選択部61は、シートSが排出される複数のシート受け部51のうち、ランクに基づくシート受け部51を排出先として選択する。
ここで、シートSを再利用可能と判定するための消色率の判定基準が、シートSの再利用の用途ごとに相違する場合がある。具体的には、シートSの再利用の用途がメモ用紙である場合には、色剤の消色残りが目立っていても差し支えない場合がある。また、シートSの再利用の用途が清書用紙である場合には、できるかぎり消色残りが少ない方が好ましい。また、シートSの再利用の用途が、清書前の試し刷りなどに用いる下書き用紙である場合には、清書用紙よりは消色残りが多くても差し支えない。しかしながら、下書き用紙は、メモ用紙よりは消色残りが少ない方が好ましい。すなわち、この一例においては、清書用紙、下書き用紙、メモ用紙といった用途ごとに、要求される消色率の判定基準がそれぞれ異なる。
具体的な一例として、清書用紙として再利用されるシートSに要求される消色率の判定基準は、99.9%以上である。また、下書き用紙として再利用されるシートSの消色率に要求される判定基準は、98.0%以上99.9%未満である。また、メモ用紙として再利用されるシートSの消色率に要求される判定基準は、97.0%以上98.0%未満である。本実施形態の記憶部80には、これら各用途に応じた消色率の判定基準と、シートSの排出先のシート受け部51とが関連付けられて判定基準情報として記憶されている。この記憶部80に記憶されている判定基準情報の一例について、図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態の記憶部80に記憶されている判定基準情報の一例を示す表である。記憶部80には、判定基準No.と、判定基準と、シート受け部No.とが関連付けられて、判定基準情報として記憶されている。この判定基準情報のうち、シート受け部No.とは、シート受け部51を識別するための識別情報である。このシート受け部No.のうち、”1”〜”5”が、排出トレイ50のシート受け部51−1〜−5に、それぞれ対応付けられている。
より具体的には、記憶部80には、判定基準No.としての”1”と、第1の判定基準と、シート受け部No.としての”1”とが関連付けられて記憶されている。この第1の判定基準(例えば、99.9%以上)は、清書用紙として再利用されるシートSに要求される消色率に基づいて設定されている。
また、記憶部80には、判定基準No.としての”2”と、第2の判定基準と、シート受け部No.としての”2”とが関連付けられて記憶されている。また、記憶部80には、判定基準No.としての”3”と、第3の判定基準と、シート受け部No.としての”3”とが関連付けられて記憶されている。この第2の判定基準(例えば、99.0%以上99.9%未満)は、下書き用紙として再利用されるシートSに要求される消色率に基づいて設定されている。また、第3の判定基準(例えば、98.0%以上99.0%未満)は、下書き用紙として再利用されるシートSに要求される消色率に基づいて設定されている。
また、記憶部80には、判定基準No.としての”4”と、第4の判定基準と、シート受け部No.としての”4”とが関連付けられて記憶されている。この第4の判定基準(例えば、97.0%以上98.0%未満)は、メモ用紙として再利用されるシートSに要求される消色率に基づいて設定されている。
また、記憶部80には、判定基準No.としての”5”と、第5の判定基準と、シート受け部No.としての”5”とが関連付けられて記憶されている。この第5の判定基準(例えば、97.0%未満)は、清書用紙、下書き用紙、およびメモ用紙のいずれの用途にも再利用不可能なシートSの消色率に基づいて設定されている。
すなわち、記憶部80には、消色状態の判定基準が複数記憶されている。
また、記憶部80には、判定基準No.としての”2”と、第2の判定基準と、シート受け部No.としての”2”とが関連付けられて記憶されている。また、記憶部80には、判定基準No.としての”3”と、第3の判定基準と、シート受け部No.としての”3”とが関連付けられて記憶されている。この第2の判定基準(例えば、99.0%以上99.9%未満)は、下書き用紙として再利用されるシートSに要求される消色率に基づいて設定されている。また、第3の判定基準(例えば、98.0%以上99.0%未満)は、下書き用紙として再利用されるシートSに要求される消色率に基づいて設定されている。
また、記憶部80には、判定基準No.としての”4”と、第4の判定基準と、シート受け部No.としての”4”とが関連付けられて記憶されている。この第4の判定基準(例えば、97.0%以上98.0%未満)は、メモ用紙として再利用されるシートSに要求される消色率に基づいて設定されている。
また、記憶部80には、判定基準No.としての”5”と、第5の判定基準と、シート受け部No.としての”5”とが関連付けられて記憶されている。この第5の判定基準(例えば、97.0%未満)は、清書用紙、下書き用紙、およびメモ用紙のいずれの用途にも再利用不可能なシートSの消色率に基づいて設定されている。
すなわち、記憶部80には、消色状態の判定基準が複数記憶されている。
次に、図3を参照して、本実施形態の消色装置1の動作について説明する。
図3は、本実施形態の消色装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
消色部20は、給紙部10から供給されるシートSに熱を加えることにより、印刷された画像を消色する(ACT10)。
図3は、本実施形態の消色装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
消色部20は、給紙部10から供給されるシートSに熱を加えることにより、印刷された画像を消色する(ACT10)。
読取部30は、消色部20を通過したシートSの画像を読み取って、読み取ったシートSの画像を示す情報(画像情報)を制御部60の選択部61に出力する。選択部61は、読取部30が読み取ったシートSの画像情報に基づいて、シートSの消色率を算出する(ACT20)。
選択部61は、記憶部80から判定基準情報を読み出す(ACT30)。
選択部61は、記憶部80から判定基準情報を読み出す(ACT30)。
選択部61は、ACT20において算出したシートSの消色率と、ACT30において読み出した判定基準情報に含まれる判定基準とを比較する。これにより選択部61は、シートSが再利用可能であるか否かを判定する(ACT40、50、60、および70)。
具体的には、選択部61は、ACT20において算出したシートSの消色率が、第1の判定基準を満たすか否かを判定する。ここで、第1の判定基準とは、消色率が99.9%以上である。選択部61は、消色率が、第1の判定基準を満たすと判定した場合(ACT40;YES)には、処理をACT42に進める。選択部61は、消色率が、第1の判定基準を満たさないと判定した場合(ACT40;NO)には、処理をACT50に進める。
具体的には、選択部61は、ACT20において算出したシートSの消色率が、第1の判定基準を満たすか否かを判定する。ここで、第1の判定基準とは、消色率が99.9%以上である。選択部61は、消色率が、第1の判定基準を満たすと判定した場合(ACT40;YES)には、処理をACT42に進める。選択部61は、消色率が、第1の判定基準を満たさないと判定した場合(ACT40;NO)には、処理をACT50に進める。
ACT42において、選択部61は、第1の判定基準に関連付けられているシート受け部No.”1”に基づいて、シート受け部51−1をシートSの排出先として選択する。選択部61は、処理をACT80に進める。
ACT50において、選択部61は、ACT20において算出したシートSの消色率が、第2の判定基準を満たすか否かを判定する。ここで、第2の判定基準とは、99.0%以上99.9%未満である。選択部61は、消色率が、第2の判定基準を満たすと判定した場合(ACT50;YES)には、処理をACT52に進める。選択部61は、消色率が、第2の判定基準を満たさないと判定した場合(ACT50;NO)には、処理をACT60に進める。
ACT52において、選択部61は、第2の判定基準に関連付けられているシート受け部No.”2”に基づいて、シート受け部51−2をシートSの排出先として選択する。選択部61は、処理をACT80に進める。
ACT60において、選択部61は、ACT20において算出したシートSの消色率が、第3の判定基準を満たすか否かを判定する。ここで、第3の判定基準とは、98.0%以上99.0%未満である。選択部61は、消色率が、第3の判定基準を満たすと判定した場合(ACT60;YES)には、処理をACT62に進める。選択部61は、消色率が、第3の判定基準を満たさないと判定した場合(ACT60;NO)には、処理をACT70に進める。
ACT62において、選択部61は、第3の判定基準に関連付けられているシート受け部No.”3”に基づいて、シート受け部51−3をシートSの排出先として選択する。選択部61は、処理をACT80に進める。
ACT70において、選択部61は、ACT20において算出したシートSの消色率が、第4の判定基準を満たすか否かを判定する。ここで、第4の判定基準とは、97.0%以上98.0%未満である。選択部61は、消色率が、第4の判定基準を満たすと判定した場合(ACT60;YES)には、処理をACT72に進める。選択部61は、消色率が、第4の判定基準を満たさないと判定した場合(ACT60;NO)には、処理をACT75に進める。
ACT72において、選択部61は、第4の判定基準に関連付けられているシート受け部No.”4”に基づいて、シート受け部51−4をシートSの排出先として選択する。選択部61は、処理をACT80に進める。
ACT75において、選択部61は、第5の判定基準に関連付けられているシート受け部No.”5”に基づいて、シート受け部51−5をシートSの排出先として選択する。選択部61は、処理をACT80に進める。
排出部40は、選択部61が選択したシート受け部51に対してシートSを排出して、このシートSに対する処理を終了する(ACT80)。
図1に戻り、消色率の具体例を示しつつ選択部61の説明を続ける。選択部61は、算出したシートSの消色率と、記憶部80に記憶されている消色率の判定基準とを比較することにより、シートSが再利用可能であるか否かを判定する。また、選択部61は、判定した結果に基づいて、シート受け部51を選択する。具体的には、選択部61は、記憶部80から判定基準No.”1”に関連付けられている第1の判定基準と、シート受け部No.”1”とを読み出す。また、選択部61は、算出したシートSの消色率と、読み出した判定基準とを比較する。ここで、一例として、選択部61が算出したシートSの消色率が99.1%である場合について、説明する。選択部61は、算出したシートSの消色率(99.1%)と、読み出した第1の判定基準とを比較して、算出したシートSの消色率が第1の判定基準を満たすか否かを判定する。この場合には、選択部61は、第1の判定基準を満たさないと判定する。次に、選択部61は、記憶部80から判定基準No.”2”に関連付けられている第2の判定基準と、シート受け部No.”2”とを読み出す。また、選択部61は、算出したシートSの消色率(99.1%)と、読み出した第2の判定基準(99.0%以上99.9%未満)とを比較する。また、選択部61は、この比較の結果、第2の判定基準を満たすと判定する。
選択部61が、第2の判定基準を満たすと判定した場合について説明する。選択部61は、この第2の判定基準に関連付けられているシート受け部51−2をシートSの排出先にする指示を排出部40に対して出力する。排出部40は、この選択部61の指示に基づいて、供給されたシートSをローラー3a、ローラー4aおよびローラー4bを介してシート受け部51−2に排出する。
また例えば、算出されたシートSの消色率が99.1%である場合には、選択部61は、シート受け部51−2を排出先にする。また例えば、算出されたシートSの消色率が98.1%である場合には、選択部61は、シート受け部51−3を排出先にする。また例えば、算出されたシートSの消色率が97.1%である場合には、選択部61は、シート受け部51−4を排出先にする。また例えば、算出されたシートSの消色率が96.0%である場合には、選択部61は、シート受け部51−5を排出先にする。
上述したように、第1の判定基準は、清書用紙として再利用されるシートSに要求される消色率(この例においては、99.9%以上)に基づいて設定されている。また、記憶部80には、第1の判定基準と、シート受け部51−1を示す”1”とが関連付けられて記憶されている。したがって、シート受け部51−1には、この第1の判定基準を満たし、清書用紙として再利用可能なシートSが排出される。すなわち、シート受け部51−1に排出されるシートSは、清書用紙として再利用可能である。
また、上述したように、第2の判定基準、および第3の判定基準は、下書き用紙として再利用されるシートSに要求される消色率に基づいて設定されている。この一例においては、第2の判定基準、および第3の判定基準は、消色率(98.0%以上99.9%未満)に基づいて設定されている。また、記憶部80には、第2の判定基準と、シート受け部51−2を示す”2”とが関連付けられて記憶されている。また、記憶部80には、第3の判定基準と、シート受け部51−3を示す”3”とが関連付けられて記憶されている。したがって、シート受け部51−2には、この第2の判定基準を満たし、下書き用紙として再利用可能なシートSが排出される。また、シート受け部51−3には、この第3の判定基準を満たし、下書き用紙として再利用可能なシートSが排出される。すなわち、シート受け部51−2に排出されるシートS、およびシート受け部51−3に排出されるシートSは、いずれも下書き用紙として再利用可能である。
また、上述したように、第4の判定基準は、メモ用紙として再利用されるシートSに要求される消色率に基づいて設定されている。この一例においては、第4の判定基準は、消色率(97.0%以上98.0%未満)に基づいて設定されている。また、記憶部80には、第4の判定基準と、シート受け部51−4を示す”4”とが関連付けられて記憶されている。したがって、シート受け部51−4には、この第4の判定基準を満たし、下書き用紙として再利用可能なシートSが排出される。すなわち、シート受け部51−4に排出されるシートSは、下書き用紙として再利用可能である。
また、上述したように、第5の判定基準は、清書用紙、下書き用紙、およびメモ用紙のいずれの用途にも再利用不可能なシートSの消色率に基づいて設定されている。この一例においては、第5の判定基準は、消色率(97.0%未満)に基づいて設定されている。すなわち、第5の判定基準は、上述した第1の判定基準〜第4の判定基準をいずれも満たさない場合の消色率に基づいて設定されている。また、記憶部80には、第5の判定基準と、シート受け部51−5を示す”5”とが関連付けられて記憶されている。したがって、シート受け部51−5には、この第5の判定基準を満たし、清書用紙、下書き用紙、およびメモ用紙のいずれの用途にも再利用不可能なシートSが排出される。換言すれば、シート受け部51−5には、上述した第1の判定基準〜第4の判定基準をいずれも満たさないシートSが排出される。具体的には、シート受け部51−5には、清書用紙、下書き用紙、およびメモ用紙のいずれの用途にも再利用不可能なシートSが排出される。すなわち、シート受け部51−5に排出されるシートSは、清書用紙、下書き用紙、およびメモ用紙のいずれの用途にも再利用不可能である。
換言すれば、複数のシート受け部51は、前記複数の判定基準にそれぞれ対応付けられている。選択部61は、複数の判定基準に基づいて、複数のシート受け部51のうち、充足された判定基準にそれぞれ対応付けられているシート受け部51を排出先として選択する。
以上説明したように、本実施形態の消色装置1は、複数の判定基準と、これらの判定基準にそれぞれ対応する複数のシート受け部51とを有している。これにより、本実施形態の消色装置1によれば、シートSの再利用の用途に応じて、段階的に判定基準を設定することができる。さらに、本実施形態の消色装置1によれば、段階的に設定された判定基準のそれぞれに対して、シートSの排出先のシート受け部51を割り当てることができる。したがって、消色装置1によれば、あるシート受け部51には、消色率が高いシートSが排出されるようにすることができる。また、消色装置1によれば、他のあるシート受け部51には、消色率が低いシートSが排出されるようにすることができる。すなわち、消色装置1によれば、シートSを再利用の用途ごとに分類して排出することができる。
ここで仮に、単一の判定基準に基づいてシートSの再利用可否を判定する場合について説明する。この場合、シートSの用途ごとに判定基準が設定されるわけではないため、様々な用途に再利用できるように消色率が高めに設定されることがある。ここで、消色率が高めとは、例えば、消色率が99.0%以上である。このため、消色率が97.0%以上であり、メモ用紙としてならば再利用可能なシートSも、この高めに設定された判定基準によると再利用不可能と判定されることがある。すなわち、単一の判定基準に基づいてシートSの再利用可否を判定する場合には、シートSの再利用率を向上させることが困難であった。一方、本実施形態の消色装置1によれば、複数の段階に設定された判定基準に基づいてシートSの再利用可否を判定することができる。このため、消色装置1によれば、単一の判定基準に基づく判定では再利用不可とされるシートSについても、再利用可能と判定されやすくすることができる。すなわち、本実施形態の消色装置1によれば、シートSの再利用率を向上させることができる。
<実施形態2>
以下、実施形態2による消色装置1について、再び図1を参照して説明する。以下の説明において、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。上述した実施形態1において、選択部61が、シートSの消色率に基づいてシートSの消色状態を判定する場合について説明したが、これに限られない。一例として、選択部61は、シートSの消色残り数に基づいて、シートSの消色状態を判定することができる。ここで、シートSの消色残り数とは、シートSのうち消色部20が消色しきれなかった領域、すなわち、発色している領域の数である。以下、図4を参照して、シートSの消色残り数の一例を説明する。
以下、実施形態2による消色装置1について、再び図1を参照して説明する。以下の説明において、実施形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。上述した実施形態1において、選択部61が、シートSの消色率に基づいてシートSの消色状態を判定する場合について説明したが、これに限られない。一例として、選択部61は、シートSの消色残り数に基づいて、シートSの消色状態を判定することができる。ここで、シートSの消色残り数とは、シートSのうち消色部20が消色しきれなかった領域、すなわち、発色している領域の数である。以下、図4を参照して、シートSの消色残り数の一例を説明する。
図4は、本実施形態の選択部61が判定するシートSの消色残り数の一例を示す模式図である。図4(a)に示すように、シートS1には、領域A1と領域A2とに消色できていない画像がある。この場合、このシートS1の消色残り数は、2である。また、図4(b)に示すように、シートS2には、領域A3から領域A7までの各領域に消色できていない画像がある。この場合、このシートS2の消色残り数は、5である。この一例においては、選択部61は、読取部30が読み取ったシートSの画像情報に基づいて、シートSの消色残り数を算出する。また、選択部61は、算出したシートSの消色残り数と、予め記憶部80に記憶されている消色残り数の判定基準(例えば、2以下)とを比較する。これにより選択部61は、シートSが再利用可能であるか否かを判定する。このように構成しても、消色装置1は、シートSの再利用率を向上させることができる。
<実施形態3>
以下、実施形態3による消色装置1について、再び図1を参照して説明する。以下の説明において、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。上述した実施形態1において、選択部61が、記憶部80に予め記憶されている判定基準に基づいてシートSの消色状態を判定する場合について説明した。すなわち、選択部61が、判定基準の初期値に基づいてシートSの消色状態を判定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、選択部61は、初期値から変更された判定基準に基づいてシートSの消色状態を判定してもよい。この場合、図1に示す制御部60の変更部62が、判定基準を変更する処理を行う。以下、図5を参照して、変更された判定基準の一例について説明する。
以下、実施形態3による消色装置1について、再び図1を参照して説明する。以下の説明において、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。上述した実施形態1において、選択部61が、記憶部80に予め記憶されている判定基準に基づいてシートSの消色状態を判定する場合について説明した。すなわち、選択部61が、判定基準の初期値に基づいてシートSの消色状態を判定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、選択部61は、初期値から変更された判定基準に基づいてシートSの消色状態を判定してもよい。この場合、図1に示す制御部60の変更部62が、判定基準を変更する処理を行う。以下、図5を参照して、変更された判定基準の一例について説明する。
図5は、本実施形態の記憶部80に記憶されている変更された判定基準情報の一例を示す表である。上述したように、記憶部80には、判定基準No.と、判定基準と、シート受け部No.とが関連付けられた判定基準情報が記憶されている。この判定基準情報のうち、判定基準No.”2”に関連付けられている第2の判定基準が変更されている。具体的には、第2の判定基準が、図2に示す(99.0%以上99.9%未満)から、(95.0%以上99.9%未満)に変更されている。また、この判定基準情報のうち、判定基準No.”3”に関連付けられている第3の判定基準が変更されている。具体的には、第3の判定基準が、図2に示す(98.0%以上99.0%未満)から、(95.0%以上99.9%未満)に変更されている。また、この判定基準情報のうち、判定基準No.”4”に関連付けられている第4の判定基準が変更されている。具体的には、第4の判定基準が、図2に示す(97.0%以上98.0%未満)から、(90.0%以上92.0%未満)に変更されている。また、この判定基準情報のうち、判定基準No.”5”に関連付けられている第5の判定基準が変更されている。具体的には、第5の判定基準が、図2に示す(97.0%未満)から、(90.0%未満)に変更されている。すなわち、判定基準は、初期値から変更可能である。
ここで、この判定基準の変更は、消色装置1の利用者が行うことができる。具体的には、変更部62は、記憶部80から変更前の判定基準情報を読み出す。また、変更部62は、読み出した判定基準情報に含まれる判定基準とシート受け部No.とを不図示の表示部に表示する。利用者は、この表示部に表示された判定基準を変更する場合には、操作部70を操作してシート受け部No.と、変更後の判定基準とを入力する。変更部62は、操作部70に入力されたシート受け部No.と、変更後の判定基準とを取得し、取得したこれらの情報を関連付けて、記憶部80に記憶させる。これにより、記憶部80に記憶されている判定基準情報が変更される。
上述したように、本実施形態の消色装置1は、判定基準情報を変更することができる。上述の具体例においては、第2の判定基準から第5の判定基準について、判定基準が初期値よりも低い値に変更されている。これにより、本実施形態の消色装置1は、初期値の判定基準情報に基づいてシートSの再利用可否を判定した場合には再利用不可と判定されるシートSについても、再利用可能と判定されやすくすることができる。すなわち、本実施形態の消色装置1によれば、シートSの再利用率を向上させることができる。
なお、上述の具体例においては、判定基準が初期値よりも低い値に変更されているが、これに限られない。例えば、判定基準が初期値よりも高い値に変更されてもよい。この場合には、本実施形態の消色装置1は、初期値の判定基準情報に基づいてシートSの再利用可否を判定した場合には再利用可能と判定されるシートSについて、再利用不可と判定されやすくすることができる。すなわち、本実施形態の消色装置1によれば、再利用可能なシートSとして排出されるシートSの消色率の設定範囲を柔軟に変更することができる。
また、ここでは消色装置1の利用者が判定基準を変更する場合について説明したが、これに限られない。例えば、消色装置1は、ネットワークを介して消色装置1の外部の装置から変更後の判定基準情報をダウンロードする不図示の通信部を備えていてもよい。この構成の場合、消色装置1は、ダウンロードした変更後の判定基準情報に基づいて、判定基準を変更する。このように構成すれば、複数の消色装置1の判定基準情報を一括して変更することができる。
また、上述において、消色装置1が複数の判定基準に基づいて消色率を判定する構成について説明したが、これに限られない。消色装置1は、変更部62が1つの判定基準を複数段階に変更して、この変更された判定基準情報に基づいてシートSの再利用可否を判定してもよい。
<実施形態4>
以下、実施形態4による消色装置1について、再び図1を参照して説明する。以下の説明において、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。上述の各実施形態において、選択部61は、シートSの再利用時の用途に応じた判定基準に基づいてシートSの消色状態を判定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、選択部61は、消色装置1の利用者(ユーザ)毎に設定される判定基準に基づいてシートSの消色状態を判定してもよい。以下、図6を参照して、利用者毎に設定された判定基準の一例について説明する。
以下、実施形態4による消色装置1について、再び図1を参照して説明する。以下の説明において、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。上述の各実施形態において、選択部61は、シートSの再利用時の用途に応じた判定基準に基づいてシートSの消色状態を判定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、選択部61は、消色装置1の利用者(ユーザ)毎に設定される判定基準に基づいてシートSの消色状態を判定してもよい。以下、図6を参照して、利用者毎に設定された判定基準の一例について説明する。
図6は、本実施形態の記憶部80に記憶されている利用者毎に設定された判定基準情報の一例を示す表である。この記憶部80には、判定基準No.と、ユーザIDと、判定基準と、シート受け部No.とが関連付けられた判定基準情報が記憶されている。ここで、ユーザIDとは、消色装置1の利用者(ユーザ)を識別するための識別情報である。この具体例においては、消色装置1には少なくとも4名の利用者がおり、このうち第1の利用者には、ユーザID(U01)が割り当てられている。また、第2の利用者から第4の利用者には、それぞれユーザID(U02〜U04)が割り当てられている。この具体例において、記憶部80には、第1の利用者から第4の利用者までの情報が記憶されている。この記憶部80には、判定基準No.”1”と、ユーザID(U01)と、判定基準(99.0%以上)と、シート受け部No.”1”とが関連付けられて記憶されている。また、記憶部80には、判定基準No.”2”と、ユーザID(U02)と、判定基準(98.0%以上)と、シート受け部No.”2”とが関連付けられて記憶されている。また、記憶部80には、判定基準No.”3”と、ユーザID(U03)と、判定基準(96.0%以上)と、シート受け部No.”3”とが関連付けられて記憶されている。また、記憶部80には、判定基準No.”4”と、ユーザID(U04)と、判定基準(97.0%以上)と、シート受け部No.”4”とが関連付けられて記憶されている。また、記憶部80には、各利用者に共通に利用される情報が記憶されている。具体的には、記憶部80には、判定基準No.”5”と、ユーザID(なし)と、判定基準と、シート受け部No.”5”とが関連付けられて記憶されている。ここで、判定基準No。”5”に関連付けられている判定基準とは”ユーザ毎の判定基準未達”である。
以下、具体的な動作について説明する。消色装置1の利用者は、操作部70を操作して自らのユーザIDを入力する。ここで、一例として、第1のユーザが操作する場合について説明する。第1のユーザは、操作部70を操作して、ユーザID(U01)を入力する。制御部60は、入力されたユーザIDに関連付けられている判定基準と、シート受け部No.とを記憶部80から読み出す。この一例においては、制御部60は、入力されたユーザID(U01)に関連付けられている判定基準(99.0%以上)と、シート受け部No.”1”とを読み出す。
上述したように、制御部60の選択部61は、読取部30が読み取ったシートSの画像情報に基づいて、シートSの消色状態を判定する。このとき、選択部61は、第1のユーザの判定基準(99.0%以上)によって、シートSの消色状態を判定する。すなわち、選択部61は、シートSの消色率が99.0%以上である場合には、判定基準を満たすと判定して、排出部40によるシートSの排出先を選択する。具体的には、選択部61は、シート受け部51−1をシートSの排出先にする指示を排出部40に対して出力する。これにより、第1のユーザの判定基準を満たすシートSは、シート受け部51−1に排出される。
また、選択部61は、シートSの消色率が99.0%未満である場合には、ユーザ毎の判定基準未達と判定する。また、選択部61は、シート受け部51−5をシートSの排出先にする指示を排出部40に対して出力する。これにより、第1のユーザの判定基準を満たすシートSは、シート受け部51−5に排出される。
すなわち、この記憶部80には、利用者毎に判定基準とシート受け部No.とが関連付けられて記憶されている。つまり、各利用者には、シート受け部51が1つずつ割り当てられている。したがって、消色装置1の利用者は、割り当てられたシート受け部51を自分用のシート受け部51として利用することができる。また、消色装置1は、利用者毎に判定基準を設定することができる。ここで、消色装置1が排出するシートSに対して、利用者が要求する消色率は、利用者毎に異なる場合がある。この場合に、消色装置1は、消色率が高いシートSを再利用したい利用者(例えば、第1のユーザ)と、消色率が比較的低いシートSでも再利用する利用者(例えば、第2のユーザ)とについて、それぞれ判定基準を設定することができる。このため、本実施形態の消色装置1は、すべての利用者について単一の判定基準に基づいて再利用可否を判定する場合に比べて、再利用率を向上させることができる。
<実施形態5>
以下、実施形態5による消色装置1aについて、図7を参照して説明する。以下の説明において、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
以下、実施形態5による消色装置1aについて、図7を参照して説明する。以下の説明において、上述した各実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、実施形態2の消色装置1aの構成の一例を示す概要図である。この消色装置1aは、給紙部10と、消色部20aと、読取部30aと、排出部40と、排出トレイ50と、制御部60aと、操作部70と、記憶部80とを備えている。ここで、消色装置1aは、シートSが読取部30aを消色前と消色後との複数回通過できるように構成されている点で、消色装置1と相違する。また、消色装置1aは、制御部60aが消色前のシートSの画像を記憶部80に記憶させる点において、消色装置1と相違する。具体的には、消色装置1aは、読取部30aから排出されたシートSを再び読取部30aに供給するための給紙経路FD1を備えている。この給紙経路FD1には、ローラーR6〜R8が備えられている。
以下、シートSが、読取部30aを2回通過する場合を一例にして、より具体的な構成について説明する。まず、シートSが1回目に読取部30aを通過する場合について説明する。消色装置1aの給紙部10は、ローラーR1を介してシートSを消色部20に給紙する。消色部20aは、1回目の通過時には、給紙部10からローラーR1を介して給紙されたシートSを加熱せずに、読取部30aにシートSを排出する。
読取部30aは、消色部20aを通過したシートSの画像を読み取る。1回目の通過時においては、読取部30aは、消色部20aによって消色される前のシートSの画像を読み取る。読取部30aは、読み取ったシートSの画像を示す情報(画像情報)を制御部60aに出力する。
制御部60aは、読取部30aが読み取った画像情報を、記憶部80に記憶させる。これにより、記憶部80には、消色前のシートSの画像情報が記憶される。また、制御部60aは、シートSが再び消色部20aを通過するように、給紙の経路を給紙経路FD1に切り替える。これにより、読取部30aから排出されたシートSは、ローラーR2、およびローラーR6〜R8を介して、再び消色部20aに供給される。
次に、シートSが2回目に読取部30aを通過する場合について説明する。2回目の通過の場合には、上述した第1の実施形態と同様にして、シートSが処理される。すなわち、消色部20aがシートSに印刷されている画像を消色し、読取部30aがシートSの画像を読み取る。また、選択部61は、読取部30が読み取ったシートSの画像情報に基づいて、シートSの消色率を判定し、判定結果に基づいて排出部40によるシートSの排出先を選択する。排出部40は、この選択部61の選択に基づくシート受け部51にシートSを排出する。
以上説明したように、本実施形態の消色装置1aは、読取部30aにシートSを複数回通過させることが可能であるため、シートSを消色する前にシートSに印刷された画像情報を読み取って、この読み取った画像情報を記憶部80に記憶させることができる。このため、本実施形態の消色装置1aによれば、保存しておきたい画像がシートSに印刷されている場合において、シートSの画像を消色したとしても、この画像を画像情報として保存することができる。したがって、本実施形態の消色装置1aによれば、保存しておきたい画像が印刷されているシートSについても、シートSの画像を消色して再利用することができる。すなわち、本実施形態の消色装置1aによれば、シートSの再利用率を向上させることができる。
また、本実施形態の消色装置1aによれば、シートSに印刷された画像を読み取る機能と、シートSの消色状態を読み取る機能とを、1つの読取部30aによって実現している。したがって、本実施形態の消色装置1aによれば、シートSに印刷された画像を読み取る読取部と、シートSの消色状態を読み取る読取部とを個別に備える場合に比べて、装置の構成を簡素にすることができる。
また、本実施形態の消色装置1aによれば、消色部20aにシートSを複数回通過させることができる。ここで、消色部20aによる1回目の加熱では消色できなかった画像であっても、2回目以降の加熱により消色できることがある。本実施形態の消色装置1aによれば、消色部20aによる消色後のシートSについて、消色率があるしきい値よりも低い場合には、給紙経路FD1を通過させることにより、再度、消色部20aに給紙して加熱消色することができる。したがって、消色装置1aは、シートSの消色率を向上させることができる。このため、本実施形態の消色装置1aによれば、シートSの再利用率を向上させることができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態の消色装置によれば、シートSの消色率に応じてシートSを選別することができるため、シートSの再利用率を向上させることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、上述の消色装置1、および消色装置1a(以下の説明においては、消色装置と総称する。)は内部にコンピュータを有している。そして、上述した消色装置の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1、1a…消色装置、10…給紙部、20、20a…消色部、30、30a…読取部、40…排出部、50…排出トレイ、51…シート受け部、60、60a…制御部、61…選択部、62…変更部、70…操作部、80…記憶部
Claims (6)
- 消色可能な色剤によって画像が印刷されたシートから、前記画像を消色する消色部と、
前記消色部により前記画像が消色された前記シートに残存する情報を取得する取得部と、
消色の状態の判定基準を複数記憶する記憶部と、
前記取得された情報と、複数の前記判定基準とに基づいて、再利用可能な前記シートのランクを判定し、前記シートが排出される複数のシート受け部のうち、前記ランクに基づくシート受け部を排出先として選択する選択部と、
を備える消色装置。 - 前記判定基準を初期値から変更する変更部
をさらに備える請求項1に記載の消色装置。 - 消色可能な色剤によって画像が印刷されたシートから、前記画像を消色する消色部と、
前記消色部により前記画像が消色された前記シートに残存する情報を取得する取得部と、
前記消色の状態の判定基準を自消色装置の利用者毎に記憶する記憶部と、
前記取得された情報と、前記利用者毎の判定基準とに基づいて、前記シートが排出される複数のシート受け部のうち、前記利用者毎の判定基準に基づくシート受け部を排出先として選択する選択部と、
を備える消色装置。 - 消色可能な色剤によって画像が印刷されたシートから、前記画像を消色する消色部と、
前記消色部により前記画像が消色された前記シートに残存する情報を取得する取得部と、
前記消色の状態の判定基準を記憶する記憶部と、
前記記憶部が記憶する前記判定基準を変更する変更部と、
前記取得された情報と、前記変更部が変更した判定基準とに基づいて、再利用可能な前記シートのランクを判定し、前記シートが排出される複数のシート受け部のうち、前記ランクに基づくシート受け部を排出先として選択する選択部と、
を備える消色装置。 - 消色可能な色剤によって画像が印刷されたシートから、前記画像を消色する消色手順と、
前記消色手順により前記画像が消色された前記シートに残存する情報を取得する取得手順と、
前記消色の状態の判定基準を複数記憶する記憶部から前記判定基準を読み出す読出手順と、
前記取得された情報と、前記複数の判定基準とに基づいて、再利用可能な前記シートのランクを判定し、前記シートが排出される複数のシート受け部のうち、前記ランクに基づくシート受け部を排出先として選択する選択手順と、
を有する消色方法。 - 消色可能な色剤によって画像が印刷されたシートから、前記画像を消色する消色部と、前記消色部により前記画像が消色された前記シートに残存する情報を取得する取得部と、前記消色の状態の判定基準を複数記憶する記憶部とを備える消色装置のコンピュータに、
前記記憶部から前記判定基準を読み出す読出手順と、
前記取得された情報と、前記複数の判定基準とに基づいて、再利用可能な前記シートのランクを判定する判定手順と、
前記シートが排出される複数のシート受け部のうち、前記ランクに基づくシート受け部を排出先として選択する選択手順と、
を実行させるための制御プログラム。
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