JP2015102820A - 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】LWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能に優れる感放射線性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】式(1)で表される基を含む第1構造単位を有する重合体、及び感放射線性酸発生体を含有する感放射線性樹脂組成物。式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。
Figure 2015102820

【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイス構造の形成には、フォトリソグラフィーによるレジストパターン形成方法が用いられている。このレジストパターン形成方法には、例えば、基板上にレジストパターンを形成させる感放射線性樹脂組成物等が用いられる。上記感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線、電子線などの露光光の照射により、露光部に酸を生成させ、この酸の触媒作用により露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にレジストパターンを形成させるものである。
かかる感放射線性樹脂組成物には、解像性及びレジストパターンの断面形状の矩形性に優れるだけでなく、LWR(Line Width Roughness)性能及びCDU(Critical Dimension Uniformity)性能に優れると共に、焦点深度、露光余裕度及びMEEF(Mask Error Enhancement Factor:マスク忠実性)性能にも優れ、高精度なパターンを高い歩留まりで得られることが求められる。この要求に対しては、感放射線性樹脂組成物に含有される重合体の構造が種々検討されており、ブチロラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造を有することで、レジストパターンの基板への密着性を高めると共に、上記性能を向上できるとされている(特開平11−212265号公報、特開2003−5375号公報及び特開2008−83370号公報参照)。
しかし、レジストパターンの微細化が線幅45nm以下のレベルまで進展している現在にあっては、上記性能の要求レベルはさらに高まり、上記従来の感放射線性樹脂組成物では、これらの要求を満足させることはできていない。
特開平11−212265号公報 特開2003−5375号公報 特開2008−83370号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、LWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能に優れる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、
下記式(1)で表される基を含む第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、及び感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう)を含有する感放射線性樹脂組成物である。
Figure 2015102820
(式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。*は、上記第1構造単位における上記式(1)で表される基以外の部分への結合部位を示す。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を露光する工程、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、
上記式(1)で表される基を含む構造単位を有する重合体である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、
下記式(i)で表される化合物である。
Figure 2015102820
(式(i)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。Yは、重合性炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。)
ここで、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
また、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れた焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能を発揮しつつ、LWR性能、CDU性能、解像性及び断面形状の矩形性に優れるレジストパターンを形成することができる。本発明の重合体は、当該感放射線性樹脂組成物の成分として好適に使用することができる。本発明の化合物は、当該重合体として好適に用いることができる。従って、これらは、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造プロセス等に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[C]酸拡散制御体、[D][A]重合体よりもフッ素原子含有率が小さく、かつ酸解離性基を含む構造単位を有する重合体(以下、「[D]重合体」ともいう)、[E][A]重合体以外のフッ素原子含有重合体(以下、「[E]重合体」ともいう)、[F]溶媒及び[G]偏在化促進剤を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。
当該感放射性樹脂組成物は、重合体成分として、ベース重合体のみを含有していてもよく、ベース重合体以外に撥水性重合体添加剤を含有することもできる。「ベース重合体」とは、感放射性樹脂組成物から形成されるレジスト膜の主成分となる重合体をいい、好ましくは、レジスト膜を構成する全重合体に対して50質量%以上を占める重合体をいう。また「撥水性重合体添加剤」とは、感放射性樹脂組成物に含有させることで、形成されるレジスト膜の表層に偏在化する傾向を有する重合体である。ベース重合体となる重合体より疎水性が高い重合体は、レジスト膜表層に偏在化する傾向があり、撥水性重合体添加剤として機能させることができる。当該感放射性樹脂組成物は、撥水性重合体添加剤を含有することで、レジスト膜からの酸発生体等の溶出を抑制できると共に、形成されたレジスト膜表面が高い動的接触角を示すので、レジスト膜表面は優れた水切れ特性を発揮することができる。これにより液浸露光プロセスにおいて、レジスト膜表面と液浸媒体を遮断するための上層膜を別途形成することを要することなく、高速スキャン露光を可能にすることができる。当該感放射性樹脂組成物が撥水性添加剤を含有する場合、撥水性重合体添加剤の含有量としては、ベース重合体100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.3質量部〜15質量部がより好ましく、0.5質量部〜10質量部がさらに好ましい。当該感放射性樹脂組成物におけるベース重合体の含有量としては、当該感放射性樹脂組成物中の全固形分に対して、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。
当該感放射性樹脂組成物において、重合体が撥水性重合体添加剤として良好に機能するには、撥水性重合体添加剤を構成する重合体は、フッ素原子を有する重合体が好ましく、またそのフッ素原子含有率が、ベース重合体のフッ素原子含有率より大きいことがより好ましい。撥水性重合体添加剤のフッ素原子含有率がベース重合体のフッ素原子含有率よりも大きいと、形成されたレジスト膜において、撥水性重合体添加剤がその表層に偏在化する傾向がより高まるため、レジスト膜表面の高い水切れ性等の撥水性重合体添加剤の疎水性に起因する特性が、より効果的に発揮される。撥水性重合体添加剤を構成する重合体のフッ素原子含有率としては、1質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましく、5質量%以上がさらに好ましく、7質量%以上が特に好ましい。なお、このフッ素原子含有率(質量%)は、13C−NMRの測定により求めた重合体の構造から算出することができる。
当該感放射性樹脂組成物における重合体成分の態様としては、(1)ベース重合体としての[A]重合体;(2)ベース重合体としての[A]重合体及び撥水性重合体添加剤としての[A]重合体;(3)ベース重合体としての[A]重合体及び撥水性重合体添加剤としての[E]重合体;(4)撥水性重合体添加剤としての[A]重合体及びベース重合体としての[D]重合体をそれぞれ含有する場合等が挙げられる。
以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、構造単位(I)を有する[A]重合体と[B]酸発生体とを含有することで、LWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能(これらの性能を、以下「リソグラフィー性能」ともいう)に優れる。
当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで、上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、以下のように推察することができる。すなわち、構造単位(I)は、アズラクトン環を含む。このアズラクトン環は、−COO−と窒素原子を有し高い極性を有するので、[A]重合体の現像液への溶解性を適度に調整することができ、露光部及び未露光部の溶解コントラストを向上させることができる。また、上記極性により、[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散長を適度に短くすることができる。これらの結果、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能を向上させることができると考えられる。
感放射線性樹脂組成物におけるベース重合体としての[A]重合体(以下、「[A1]重合体」ともいう)は、構造単位(I)以外にも、下記式(2)で表される構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)、及び構造単位(I)以外の構造単位であってラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう)を有することが好ましく、フッ素原子を含む構造単位(以下「構造単位(IV)」ともいう)を有してもよく、構造単位(I)〜(IV)以外のその他の構造単位等を有していてもよい。
また、感放射線性樹脂組成物における撥水性重合体添加剤としての[A]重合体(以下、「[A2]重合体」ともいう)は、構造単位(I)以外にも、上記構造単位(II)及び構造単位(IV)を有することが好ましく、上記構造単位(III)を有してもよく、上記構造単位(I)〜(IV)以外のその他の構造単位を有してもよい。[A]重合体は、各構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。
以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、下記式(1)で表される基(以下、「基(1)」ともいう)を含む構造単位である。
Figure 2015102820
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。*は、上記構造単位(I)における上記式(1)で表される基以外の部分への結合部位を示す。
及びRで表される炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜30の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(q)、上記炭化水素基及び基(q)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜30の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜30の鎖状炭化水素基、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基、炭素数6〜30の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記1価及び2価のヘテロ原子含有基が有するヘテロ原子としては、例えば酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ケイ素原子、リン原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。これらの中で、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、ハロゲン原子が好ましく、酸素原子、フッ素原子がより好ましい。
上記2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−CS−、−NR’−、これらを組み合わせた基等があげられる。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。
上記1価のヘテロ原子含有基としては、例えばヒドロキシ基、カルボキシル基、スルファニル基(−SH)、アミノ基、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子等が挙げられる。
上記R及びRの有機基がヘテロ原子含有基を含むと、極性をより高めることができ、現像液への溶解性をより適度に調整することができ、酸の拡散長をより適度に短くすることができる。
上記R及びRとしては、水素原子、炭化水素基、−O−を含む基、−COO−を含む基、ヒドロキシ基を含む基、フッ素原子を含む基が好ましく、水素原子、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、アセタール構造を有する基、ラクトン構造を有する基、ヒドロキシ置換炭化水素基、ヒドロキシ置換フッ素化炭化水素基がより好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、1,3−ジオキサシクロペンタン構造を有する基、γ−ブチロラクトン構造を有する基、ノルボルナンラクトン構造を有する基、、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシジ(パーフルオロアルキル)メチル基置換炭化水素基がさらに好ましく、メチル基、エチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、メチル置換γ−ブチロラクトン−イル基、ノルボルナンラクトン−イル基、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサシクロペンタン−4−イル基、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル基、ヒドロキシメチル基、4−ヒドロキシフェニル基、4−(ヒドロキシジ(トリフルオロメチル)メチル)フェニル基、6−(1−ヒドロキシ−1,1−ジ(トリフルオロメチル)エチル)ノルボルナン−2−イル基が特に好ましい。
上記R及びRのうち少なくともいずれかがフッ素原子を含む場合、[A]重合体は、[A2]重合体として好適に用いることができる。
またこの場合、上記フッ素原子を含むR及びRとしては、アルカリ解離性基を含む基が好ましい。「アルカリ解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の極性基の水素原子を置換する基であって、アルカリ(例えば、23℃の2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)の作用により解離する基をいう。R及びRを上記アルカリ解離性基を含む基とすることで、[A2]重合体を含有する感放射線性樹脂組成物から形成されるレジスト膜の表面は、アルカリ現像液により親水性を高めることができ、その結果アルカリ現像液等のレジスト膜に対する濡れ性を向上させることができる。
上記アルカリ解離性基を含む基としては、例えば、
2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル−2−イルオキシカルボニル基等のフッ素化アルキルオキシカルボニル基;
1−メトキシカルボニル−1,1−ジフルオロエチルオキシカルボニル基、1−(メトキシカルボニル−1,1−ジフルオロチル)ブタン−2−イルオキシカルボニル基等の1−アルコキシカルボニル−1,1−ジフルオロアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
上記基(1)としては、例えば、下記式(1−1)で表される基(以下、「基(1−1)」ともいう)、下記式(1−2)で表される基(以下、「基(1−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(1−1)及び(1−2)中、R、R及び*は上記式(1)と同義である。
構造単位(I)としては、例えば、下記式(a−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)、下記式(a−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(a−1)及び(a−2)中、Zは、上記式(1)で表される基である。
上記式(a−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
上記式(a−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上の結合により構成される環員数3〜20の環構造を表す。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。RとAとは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に環員数3〜20の環構造を構成してもよい。
上記A及びAで表される2価の有機基としては、例えば、上記式(1)におけるR及びRとして例示した1価の有機基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記Rとしては、構造単位(I−1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Rとしては、構造単位(I−2)を与える単量体の共重合性の観点から、メチル基が好ましい。
nとしては1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
上記R、R及びRで表される1価の有機基としては、例えば、上記式(1)におけるR及びRとして例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記R、R及びRの基のうちの2つ以上の結合により構成される環構造、並びに上記RとAとが互いに合わせられ構成される環構造としては、例えば、
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造;
シクロプロペン構造、シクロブテン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、シクロオクテン構造等の単環のシクロアルケン構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造、テトラシクロドデセン構造等の多環のシクロアルケン構造;
オキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造、オキサノルボルナン構造等のオキサシクロアルカン構造;
アザシクロペンタン構造、アザシクロヘキサン構造、アザノルボルナン構造等のアザシクロアルカン構造;
チアシクロペンタン構造、チアシクロヘキサン構造、チアノルボルナン構造等のチアシクロアルカン構造などが挙げられる。
上記A及びAとしては、例えば、下記式(A)で表される基(以下、「基(A)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(A)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。mは、1〜3の整数である。mが2以上の場合、複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記R及びRで表される1価の有機基としては、例えば、上記式(1)におけるR及びRとして例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記R及びRのうちの2つ以上の結合により構成される環構造としては、例えば、上記式(a−2)におけるR、R及びRが構成する環構造して例示したものと同様の環構造等が挙げられる。
mとしては、構造単位(I)を与える単量体の合成容易性の観点から、1が好ましい。
上記R及びRとしては、水素原子、鎖状炭化水素基、−COO−を含む基、ヒドロキシ基を含む基が好ましく、水素原子、アルキル基、ラクトン構造を有する基、ヒドロキシ基含有炭化水素基がより好ましく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、γ−ブチロラクトン構造を有する基、ノルボルナンラクトン構造を有する基、ヒドロキシシクロアルキル基、ヒドロキシアリール基、ヒドロキシジ(パーフルオロアルキル)メチル基含有炭化水素基がさらに好ましく、水素原子、メチル基、メチル置換γ−ブチロラクトン−イル基、ノルボルナンラクトン−イル基、4−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル基、4−(ヒドロキシジ(トリフルオロメチル)メチル)フェニル基、6−(1−ヒドロキシ−1,1−ジ(トリフルオロメチル)エチル)ノルボルナン−2−イル基が特に好ましい。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、1モル%が好ましく、3モル%がより好ましく、5モル%がさらに好ましく、10モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましく、50モル%が特に好ましい。
[A]重合体における構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をさらに向上させることができる。
構造単位(I)を与える単量体(以下、「化合物(i)」ともいう)としては、例えば、下記式(i)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(i)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。Yは、重合性炭素―炭素二重結合を含む1価の基である。
上記式(i)におけるYとしては、例えば、下記式(b−1)又は(b−2)で表される基等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(b−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
上記式(b−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上の結合により構成される環員数3〜20の環構造を表す。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。RとAとは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に環員数3〜20の環構造を構成してもよい。
化合物(i)としては、例えば、下記式(i−1)〜(i−57)(以下、「化合物(i−1)〜(i−57)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
これらの中で、化合物(i−1)〜(i−48)が好ましい。
上記化合物(i)は、例えば、上記式(i)におけるYがメタクリロイル基、上記基(1)が上記基(1−1)、R及びRがメチル基、Rが水素原子、Aが上記基(A)、Rが水素原子、Rがメチル基、mが1である下記式(M−1)で表される化合物の場合、下記反応スキームにより表され、
(A)アセトアルデヒドと下記式(M−x)で表される化合物とを反応させ、下記式(M−y)で表される化合物を得る工程、及び
(B)下記式(M−y)で表される化合物と下記式(M−z)を反応させる工程
を備える化合物の製造方法により製造することができる。
Figure 2015102820
上記スキーム中、Xは、ハロゲン原子である。X’は、ハロゲン原子、OH又はOCORである。Rは、1価の炭化水素基である。
上記Xとしては、塩素原子、臭素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。
上記X’としては、ハロゲン原子、OCORが好ましく、ハロゲン原子がより好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
上記(A)工程において、アセトアルデヒドと化合物(M−x)とを、亜鉛及び活性化剤としてのクロロトリメチルシラン等の存在下、脱水テトラヒドロフラン等の溶媒中で反応させることにより、化合物(M−y)が得られる。
続いて、上記(B)工程において、化合物(M−y)と化合物(M−z)とをN−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等の塩基存在下、脱水アセトニトリル等の溶媒中で反応させることにより、化合物(M−1)を得ることができる。得られた生成物は、再沈殿、再結晶、洗浄、カラムクロマトグラフィー等により精製することができる。
化合物(M−1)以外の化合物(i)についても上記同様の方法により製造することができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、下記式(2)で表される構造単位である。下記式(2)における−CRで表される基は、酸解離性基である。「酸解離性基」とは、カルボキシ基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(II)を有することで、感度を向上させることができ、その結果、リソグラフィー性能をより向上させることができる。
Figure 2015102820
上記式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。R10及びR11は、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。但し、R10及びR11が互いに合わせられ構成される脂環構造がこれらが結合する炭素原子に隣接する炭素原子とこの炭素原子に隣接する炭素原子との間に二重結合を含む場合、Rは水素原子であってもよい。
上記Rとしては、構造単位(II)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記R、R10及びR11で表される炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
これらの中で、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、i−プロピル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
上記R、R10及びR11で表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
これらの中で、単環のシクロアルキル基、多環のシクロアルキル基が好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基がより好ましい。
上記これらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成され表す環員数3〜20の脂環構造としては、例えば、
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造;
シクロプロペン構造、シクロブテン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、シクロオクテン構造等の単環のシクロアルケン構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造、テトラシクロドデセン構造等の多環のシクロアルケン構造等が挙げられる。
これらの中で、単環のシクロアルカン構造、多環のシクロアルカン構造が好ましく、炭素数5〜8の単環のシクロアルカン構造、炭素数7〜12の多環のシクロアルカン構造がより好ましく、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロオクタン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造がさらに好ましい。
構造単位(II)としては、例えば、下記式(2−1)〜(2−5)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1)〜(II−5)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(2−1)〜(2−5)中、R〜R11は、上記式(2)と同義である。i及びjは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。R9’は、水素原子、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基又は炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基である。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。Rは、R9’が結合する炭素原子及びRが結合する炭素原子とRが結合する炭素原子との間の二重結合を含む炭素数1〜20の4価の脂環式炭化水素基である。
上記iとしては、1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
上記jとしては、1又は2が好ましく、2がより好ましい。
構造単位(II−1)〜(II−5)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015102820
Figure 2015102820
上記式中、Rは、上記式(2)と同義である。
構造単位(II)としては、構造単位(II−1)〜構造単位(II−5)が好ましく、1−アルキル−1−単環シクロアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−アルキル−2−多環シクロアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−シクロアルキル−2−プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、シクロアルケニル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
構造単位(II)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜90モル%が好ましく、20モル%〜85モル%がより好ましく、30モル%〜80モル%がさらに好ましく、35モル%〜75モル%が特に好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで当該感放射線性樹脂組成物の感度がより向上し、その結果、リソグラフィー性能がさらに向上する。上記含有割合が上記下限未満だと、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。上記含有割合が上記上限を超えると、レジストパターンの基板への密着性が低下する場合がある。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、構造単位(I)以外の構造単位であってラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(I)に加えて、構造単位(III)をさらに有することで、現像液への溶解性をさらに調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。また当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(III)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記RL1としては、構造単位(III)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
構造単位(III)としては、これらの中で、ラクトン構造を含む構造単位、スルトン構造を含む構造単位が好ましく、ノルボルナンラクトン構造を含む構造単位、オキサノルボルナンラクトン構造を含む構造単位、γ−ブチロラクトン構造を含む構造単位、ノルボルナンスルトン構造を含む構造単位がより好ましく、ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、シアノ置換ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、オキサノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、γ−ブチロラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンスルトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がさらに好ましい。
構造単位(III)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜70モル%が好ましく、0モル%〜60モル%がより好ましく、15モル%〜55モル%がさらに好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をさらに向上させることができる。また当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性をより向上させることができる。
[構造単位(IV)]
構造単位(IV)は、フッ素原子を含有する構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。[A]重合体は、構造単位(I)に加え構造単位(IV)をさらに有することで、例えば、撥水性重合体添加剤([A2]重合体)等として好適に用いることができ、これを含有する当該感放射線性樹脂組成物は、例えば、液浸露光用に好適に用いることができる。
構造単位(IV)としては、例えば、下記構造単位(IVa)、構造単位(IVb)等が挙げられる。
(構造単位(IVa))
構造単位(IVa)は、下記式(1a)で表される構造単位である。
Figure 2015102820
上記式(1a)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−O−、−SO−O−NH−、−CO−NH−又は−O−CO−NH−である。Rは、少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜6の1価の鎖状炭化水素基又は少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数4〜20の1価の脂肪族環状炭化水素基である。
上記Rで表される少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜6の鎖状炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロn−プロピル基、パーフルオロi−プロピル基、パーフルオロn−ブチル基、パーフルオロi−ブチル基、パーフルオロt−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
上記Rで表される少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数4〜20の脂肪族環状炭化水素基としては、例えば、モノフルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、モノフルオロシクロヘキシル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロヘキシルメチル基、フルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、フルオロボルニル基、フルオロイソボルニル基、フルオロトリシクロデシル基、フルオロテトラシクロデシル基等が挙げられる。
上記構造単位(IVa)を与える単量体としては、例えば、トリフルオロメチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロn−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロi−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロt−ブチル(メタ)アクリル酸エステル、2−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル)(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、1−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)(メタ)アクリル酸エステル、モノフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、ジフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、モノフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリル酸エステル、ジフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロノルボルニル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロアダマンチル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロボルニル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロイソボルニル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロトリシクロデシル(メタ)アクリル酸エステル、フルオロテトラシクロデシル(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
これらの中で、2,2,2−トリフルオロエチルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。
[A2]重合体における構造単位(IVa)の含有割合としては、[A2]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜70モル%が好ましく、5モル%〜50モル%がより好ましく、10モル%〜40モル%がさらに好ましい。[A2]重合体において構造単位(IVa)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は、液浸露光時においてレジスト膜表面のより高い動的接触角を発現させることができる。
(構造単位(IVb))
構造単位(IVb)は、下記式(1b)で表される構造単位である。
Figure 2015102820
上記式(1b)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R12は、炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基であり、R12のR13側の末端に酸素原子、硫黄原子、−NR−、カルボニル基、−CO−O−又は−CO−NH−が結合された構造のものも含む。Rは、水素原子又は1価の有機基である。R13は、単結合、炭素数1〜10の2価の鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の2価の脂肪族環状炭化水素基である。Xは、少なくとも1個のフッ素原子を有する炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基である。Aは、酸素原子、−NR−、−CO−O−*又は−SO−O−*である。Rは、水素原子又は1価の有機基である。*は、R14に結合する結合部位を示す。R14は、水素原子又は1価の有機基である。sは、1〜3の整数である。但し、sが2又は3の場合、複数のR13、X、A及びR14はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記R14が水素原子である場合には、[A]重合体のアルカリ現像液に対する溶解性を向上させることができる点で好ましい。
上記R14で表される1価の有機基としては、例えば、酸解離性基、アルカリ解離性基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基等が挙げられる。
上記構造単位(IVb)としては、例えば下記式(1b−1)〜(1b−3)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(1b−1)〜(1b−3)中、R12’は、炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基又は炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基である。R、X、R14及びsは、上記式(1b)と同義である。sが2又は3である場合、複数のX及びR14はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
[A2]重合体における構造単位(IVb)の含有割合としては、[A2]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜80モル%が好ましく、0モル%〜60モル%がより好ましく、5モル%〜40モル%がさらに好ましい。[A]重合体は、構造単位(IVb)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面は、アルカリ現像において動的接触角の低下度をより向上させることができる。
(構造単位(IVc))
構造単位(IV)は、上記構造単位(IVa)及び(IVb)以外にも、酸解離性基を含む構造単位(以下、「構造単位(IVc)」ともいう。)を有してもよい(但し、構造単位(IVb)に該当するものを除く)。構造単位(IVc)を含有させることで、得られるレジストパターンの形状がより良好になる。構造単位(IVc)としては、上述した[A]重合体における構造単位(II)等が挙げられる。
上記構造単位(IVc)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対し、5モル%〜90モル%が好ましく、10モル%〜70モル%がより好ましく、15モル%〜60モル%がさらに好ましく、15モル%〜50モル%が特に好ましい。構造単位(IVc)の含有割合が上記下限未満であると、レジストパターンにおける現像欠陥の発生を十分に抑制できない場合がある。構造単位(IVc)の含有割合が上記上限を超えると、得られるレジスト膜表面の疎水性が低下する場合がある。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(IV)以外にも、以下に示す構造単位等を有していてもよい。
[構造単位(V)]
構造単位(V)は、下記式(3−1)〜(3−4)からなる群より選ばれる少なくとも1種で表される構造単位(以下、「構造単位(V−1)〜(V−4)」ともいう)である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(V)を有することで、得られるレジストパターンの基板への密着性を向上させることができる。またKrF露光、EUV露光、電子線露光等の場合、当該感放射線性樹脂組成物の感度を高めることができる。
Figure 2015102820
上記式(3−1)〜(3−4)中、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
上記式(3−1)〜(3−3)中、cは、それぞれ独立して、1〜3の整数である。Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルキル基である。dは、それぞれ独立して、0〜4の整数である。但し、c+dは5以下である。Rが複数の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(3−4)中、L及びLは、単結合、メチレン基、炭素数2〜5のアルキレン基、炭素数3〜15のシクロアルキレン基、炭素数6〜20のアリーレン基、又はこれらの基と−O−及び−CO−からなる群より選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた2価の基である。Rは、水素原子、カルボキシ基、炭素数1〜5の1価の鎖状炭化水素基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、又は末端にヒドロキシ基を有しこのヒドロキシ基に隣接する炭素原子が少なくとも1個のフッ素原子若しくはフッ素化アルキル基を有する基である。eは、1〜5の整数である。L及びRがそれぞれ複数の場合、複数のL及びRはぞれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記R及びRで表される炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、直鎖状又は分岐状のプロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
上記Rとしては、構造単位(V)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。dとしては、0が好ましい。
上記L及びLで表される炭素数2〜5のアルキレン基としては、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基等が挙げられる。
上記L及びLで表される炭素数3〜15のシクロアルキレン基としては、例えばシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、ノルボルニレン基、アダマンチレン基等が挙げられる。
上記L及びLで表される炭素数6〜20のアリーレン基としては、例えばフェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、アントニレン基等が挙げられる。
上記L及びLで表される上記基と−O−及び−CO−からなる群より選ばれる少なくとも1種とを組み合わせた2価の基としては、例えば(シクロ)アルキレンオキシ基、(シクロ)アルキレンカルボニル基、(シクロ)アルキレンカルボニルオキシ基、(シクロ)アルキレンオキシカルボニル基、アリーレンオキシ基、アリーレンカルボニル基、アリーレンカルボニルオキシ基、アリーレンオキシカルボニル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜5の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基等が挙げられる。
上記Rで表される末端にヒドロキシ基を有しこのヒドロキシ基に隣接する炭素原子が少なくとも1個のフッ素原子若しくはフッ素化アルキル基を有する基としては、例えばヒドロキシジ(トリフルオロメチル)メチル基、ヒドロキシメチルトリフルオロメチルメチル基、ヒドロキシ−ジ(ペンタフルオロエチル)メチル基等が挙げられる。
構造単位(V)としては、構造単位(V−1)、構造単位(V−4)が好ましく、構造単位(V−1)がより好ましい。
構造単位(V)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜50モル%が好ましく、0モル%〜30モル%がより好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(V)を有することで、レジストパターンの基板への密着性をより向上させることができる。またKrF露光、EUV露光、電子線露光等における感度をより向上させることができる。
[構造単位(VI)]
構造単位(VI)は、ヒドロキシ基を有する構造単位である(但し、「構造単位(I)」に該当するものを除く)。[A]重合体は、構造単位(VI)をさらに有することで、現像液への溶解性をさらに調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。
構造単位(VI)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(VI)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜70モル%が好ましく、0モル%〜50モル%がより好ましく、10モル%〜40モル%がさらに好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をさらに向上させることができる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(VI)以外にもその他の構造単位を有してもよい。上記その他の構造単位としては、例えば、ケトン性カルボニル基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位等が挙げられる。上記その他の構造単位の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましい。
[A]重合体の含有量としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば、各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。これらの中で、AIBN、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば、
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1,000以上50,000以下が好ましく、2,000以上30,000以下がより好ましく、3,000以上20,000以下がさらに好ましく、5,000以上15,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性及び現像欠陥抑制性が向上する。[A]重合体のMwが上記下限未満だと、十分な耐熱性を有するレジスト膜が得られない場合がある。[A]重合体のMwが上記上限を超えると、レジスト膜の現像性が低下する場合がある。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
GPCカラム:東ソー社の「G2000HXL」 2本、「G3000HXL」 1本、「G4000HXL」 1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[A]重合体の低分子量成分の含有量としては、0.5質量%以下が好ましく、0.2質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましい。[A]重合体の低分子量成分の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性が向上する。なお、重合体の低分子量成分とは、分子量1,000以下の成分をいう。
本明細書における重合体の低分子量成分の含有量(質量%)は、以下の条件による高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定される値である。
HPLCカラム:Intersil ODS−25μm、4.6mmφ×250mm(ジーエルサイエンス社)
溶出溶媒 :アクリロニトリル/0.1質量%リン酸水溶液
流量 :1.0mL/分
試料濃度 :1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器 :示差屈折計
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基等が生じ、[A]重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物から、レジストパターンを形成することができる、当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」と称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
[B]酸発生剤の具体例としては、例えば、特開2009−134088号公報の段落[0080]〜[0113]に記載されている化合物等が挙げられる。
[B]酸発生剤としては、下記式(4)で表される化合物が好ましい。[B]酸発生剤が下記構造を有することで、[A]重合体の各構造単位との相互作用等により、露光により発生する酸のレジスト膜中の拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。
Figure 2015102820
上記式(4)中、R15は、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基又は環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基である。R16は、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
上記R15における環員数とは、脂環構造及び脂肪族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の脂環構造及び多環の脂肪族複素環構造の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
上記R15で表される環員数6以上の脂環構造を含む1価の基としては、例えば、
シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記R15で表される環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基としては、例えば、
ノルボルナンラクトン−イル基等のラクトン構造を含む基;
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等のイオウ原子含有複素環基等が挙げられる。
上記R15で表される基の環員数としては、上述の酸の拡散長がさらに適度になる観点から、8以上が好ましく、9〜15がより好ましく、10〜13がさらに好ましい。
上記R15としては、これらの中で、環員数9以上の脂環構造を含む1価の基、環員数9以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基が好ましく、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、ノルボルナンラクトン−イル基、5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基がより好ましく、アダマンチル基がさらに好ましい。
上記R16で表される炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基としては、例えば、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基等の炭素数1〜10のアルカンジイル基が有する水素原子の1個以上をフッ素原子で置換した基等が挙げられる。
これらの中で、SO 基に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基が好ましく、SO 基に隣接する炭素原子に2個のフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基がより好ましく、1,1−ジフルオロメタンジイル基、1,1−ジフルオロエタンジイル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1,2−プロパンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロエタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロブタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロヘキサンジイル基がさらに好ましい。
上記Xで表される1価の感放射線性オニウムカチオンは、露光光の照射により分解するカチオンである。露光部では、この感放射線性オニウムカチオンの分解により生成するプロトンと、スルホネートアニオンとからスルホン酸を生じる。上記Xで表される1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えば、S、I、O、N、P、Cl、Br、F、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi等の元素を含む感放射線性オニウムカチオンが挙げられる。元素としてS(イオウ)を含むカチオンとしては、例えば、スルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン等が挙げられ、元素としてI(ヨウ素)を含むカチオンとしては、ヨードニウムカチオン等が挙げられる。これらの中で、下記式(X−1)で表されるスルホニウムカチオン、下記式(X−2)で表されるテトラヒドロチオフェニウムカチオン、下記式(X−3)で表されるヨードニウムカチオンが好ましい。
Figure 2015102820
上記式(X−1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−RP’若しくは−SO−RQ’であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上の結合により構成される環構造を表す。RP’及びRQ’は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra1〜Ra3並びにRP’及びRQ’がそれぞれ複数の場合、複数のRa1〜Ra3並びにRP’及びRQ’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(X−2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一でも異なっていてもよく、また複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rb2は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一でも異なっていてもよく、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。tは0〜3の整数である。
上記式(X−3)中、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上の結合により構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rc1、Rc2、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRc1、Rc2、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の直鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rc1及びRc2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rb1及びRb2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記アルキル基及び芳香族炭化水素基が有してもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。
これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2としては、非置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”、−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
上記式(X−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(4)で表される酸発生剤としては、例えば下記式(4−1)〜(4−13)で表される化合物(以下、「化合物(4−1)〜(4−13)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(4−1)〜(4−11)中、Xは、上記式(4)と同義である。
[B]酸発生剤としては、これらの中で、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩がより好ましく、アダマンタン構造を含むアニオンを有するスルホニウム塩、ノルボルナンスルトン構造を含むアニオンを有するスルホニウム塩、スルホンアミド構造を有するスルホニウム塩がさらに好ましく、化合物(4−1)、化合物(4−2)、化合物(4−12)、化合物(4−13)が特に好ましい。
[B]酸発生体の含有量としては、[B]酸発生体が[B]酸発生剤の場合、当該感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上40質量部以下が好ましく、0.5質量部以上35質量部以下がより好ましく、1質量部以上30質量部以下がさらに好ましく、3質量部以上25質量部が特に好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度がより適度に向上し、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能がさらに向上する。[B]酸発生体は、1種又は2種以上を用いることができる。
<[C]酸拡散制御体>
当該感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、[C]酸拡散制御体を含有してもよい。
[C]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏し、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。[C]酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、低分子化合物(以下、適宜「[C]酸拡散制御剤」と称する)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[C]酸拡散制御剤としては、例えば、下記式(2a)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう)、窒素原子を3個有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(2a)中、R17、R18及びR19は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
含窒素化合物(I)としては、例えばn−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリn−ペンチルアミン等のトリアルキルアミン類;2,6−ジi−プロピルアニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
含窒素化合物(II)としては、例えばエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(III)としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類;N−プロピルモルホリン、N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
また上記含窒素化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素化合物としては、例えば、N−t−ブトキシカルボニルピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
これらの中で、含窒素化合物(I)、含窒素複素環化合物が好ましく、芳香族アミン類、トリアルキルアミン類、モルホリン類がより好ましく、2,6−ジi−プロピルアニリン、トリn−ペンチルアミン、N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリンがさらに好ましい。
また、[C]酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば下記式(2b−1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(2b−2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記式(2b−1)及び式(2b−2)中、R20〜R24は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。E及びQは、それぞれ独立して、OH、Rβ−COO、Rβ−SO 又は下記式(5−3)で表されるアニオンである。但し、Rβは、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Figure 2015102820
上記式(2b−3)中、R25は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基である。uは、0〜2の整数である。
上記光崩壊性塩基としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015102820
上記光崩壊性塩基としては、これらの中で、スルホニウム塩が好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウムサリチレート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートがさらに好ましい。
[C]酸拡散制御体の含有量としては、[C]酸拡散制御体が[C]酸拡散制御剤である場合、[A]重合体100質量部に対して、0質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜15質量部がより好ましく、0.3質量部〜10質量部がさらに好ましく、0.5質量部〜5質量部が特に好ましい。[C]酸拡散制御剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をさらに向上させることができる。[C]酸拡散制御剤の含有量が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物の感度が低下する場合がある。当該感放射線性樹脂組成物は、[C]酸拡散制御体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[D]重合体>
[D]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が小さく、かつ酸解離性基を含む構造単位を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、例えば、[A]重合体が撥水性重合体添加剤として用いられている場合([A2]重合体)に、ベース重合体として[D]重合体を含有することが好ましい。[D]重合体としては、[A]重合体における構造単位(II)及び構造単位(III)を有するものが好ましく、構造単位(IV)〜(VI)を有していてもよい。
上記構造単位(II)の含有割合としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜80モル%が好ましく、20モル%〜70モル%がより好ましい。
上記構造単位(III)の含有割合としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%〜70モル%が好ましく、30モル%〜60モル%がより好ましい。
上記構造単位(IV)〜(VI)の含有割合としてはそれぞれ、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜40モル%が好ましく、10モル〜30モル%がより好ましい。
[D]重合体のMwとしては、1,000以上50,000以下が好ましく、2,000以上30,000以下がより好ましく、3,000以上20,000以下がさらに好ましく、5,000以上15,000が特に好ましい。
[D]重合体のMw/Mnとしては、通常、1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物における[D]重合体の含有量としては、[A2]重合体のレジスト膜表層への偏在化を促進し、感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をさらに向上させる観点から、[A2]重合体100質量部に対して、500質量部〜100,000質量部が好ましく、700質量部〜20,000質量部がより好ましく、1,000質量部〜10,000質量部がさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[D]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[E]重合体>
上述したように[E]重合体は、[A]重合体以外のフッ素原子含有重合体である。当該感放射性樹脂組成物は、例えば[A]重合体がベース重合体として用いられている場合、撥水性重合体添加物として[E]重合体を含有することが好ましい。[E]重合体は、上記[A]重合体における構造単位(IV)、すなわちフッ素原子を含む構造単位を有することが好ましい。
感放射線性樹脂組成物が[E]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、レジスト膜中の[E]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があり、液浸露光時における酸発生剤や酸拡散制御体等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[E]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように当該感放射線性樹脂組成物が[E]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
[E]重合体としては、フッ素原子を有する重合体である限り、特に限定されないが、当該感放射線性樹脂組成物中のベース重合体としての[A]重合体よりも、フッ素原子含有率(質量%)が高いことが好ましい。ベース重合体としての[A]重合体よりもフッ素原子含有率が高いことで、上述の偏在化の度合いがより高くなり、得られるレジスト膜の撥水性及び溶出抑制性等の特性が向上する。
[E]重合体のフッ素原子含有率としては、1質量%以上が好ましく、2質量%〜60質量%がより好ましく、4質量%〜40質量%がさらに好ましく、7質量%〜30質量%が特に好ましい。[E]重合体のフッ素原子含有率が上記下限未満だと、レジスト膜表面の疎水性が低下する場合がある。なお重合体のフッ素原子含有率(質量%)は、13C−NMRスペクトル測定により重合体の構造を求め、その構造から算出することができる。
[E]重合体としては、フッ素原子を含む構造単位として、[A]重合体における構造単位(IVa)及び構造単位(IVb)からなる群より選ばれる少なくとも1種を有することが好ましい。[E]重合体は、構造単位(IVa)及び構造単位(IVb)をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。
上記構造単位(IVa)及び構造単位(IVb)の含有割合としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%〜80モル%が好ましく、10モル%〜70モル%がより好ましく、15モル%〜50モル%がさらに好ましい。
また、[E]重合体としては、酸解離性基を含む構造単位を有することが好ましい。酸解離性基を含む構造単位としては、[A]重合体における構造単位(II)等が挙げられる。
上記酸解離性基を含む構造単位の含有割合としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、30モル%〜90モル%が好ましく、40モル%〜85モル%がより好ましく、50モル%〜80モル%がさらに好ましい。
[E]重合体は、上記構造単位以外にも、例えば、アルカリ可溶性基を含む構造単位、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を含む構造単位、非酸解離性の脂環式炭化水素基を含む構造単位等のその他の構造単位を有していてもよい。上記アルカリ可溶性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホンアミド基、スルホ基等が挙げられる。ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を有する構造単位としては、[A]重合体における構造単位(III)等が挙げられる。
上記他の構造単位の含有割合としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、通常、30モル%以下であり、20モル%以下が好ましい。上記他の構造単位の含有割合が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。
当該感放射線性樹脂組成物における[E]重合体の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、0質量部〜20質量部が好ましく、0.5質量部〜15質量部がより好ましく、1質量部〜10質量部がさらに好ましい。[E]重合体の含有量が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。当該感放射線性樹脂組成物は、[E]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[F]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は、通常[F]溶媒を含有する。[F]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体及び所望により含有される[C]酸拡散制御体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[F]溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系有機溶媒、アミド系溶媒、エステル系有機溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば、
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、[F]溶媒としては、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、環状ケトン系溶媒がより好ましく、多価アルコール部分アルキルエーテルアセテート、シクロアルカノンがさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンが特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[F]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[G]偏在化促進剤>
[G]偏在化促進剤は、感放射線性樹脂組成物が[A]重合体及び/又は[E]重合体として撥水性重合体添加剤を含有する場合等に、この撥水性重合体添加剤を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該感放射線性樹脂組成物にこの[G]偏在化促進剤を含有させることで、上記撥水性重合体添加剤の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、解像性、LWR性能及び欠陥抑制性を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような[G]偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
上記ラクトン化合物の具体例としては、例えばγ−ブチロラクトン、バレロラクトン、メバロニックラクトン、ノルボルナンラクトン等を挙げることができる。
上記カーボネート化合物の具体例としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等を挙げることができる。
上記ニトリル化合物の具体例としては、例えばスクシノニトリル等を挙げることができる。上記多価アルコールの具体例としては、例えばグリセリン等を挙げることができる。
[G]偏在化促進剤の含有量としては、当該樹脂組成物における重合体の総量100質量部に対して、10質量部〜500質量部が好ましく、15質量部〜300質量部がより好ましく、20質量部〜200質量部がさらに好ましく、25質量部〜100質量部が特に好ましい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[G]以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、信越化学工業社の「KP341」、共栄社化学社の「ポリフローNo.75」、「同No.95」、トーケムプロダクツ社の「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」、DIC社の「メガファックF171」、「同F173、住友スリーエム社の「フロラードFC430」、「同FC431」、旭硝子工業社の「アサヒガードAG710」、「サーフロンS−382」、「同SC−101」、「同SC−102」、「同SC−103」、「同SC−104」、「同SC−105」、「同SC−106」等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における界面活性剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
(脂環式骨格含有化合物)
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における脂環式骨格含有化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常5質量部以下である。
(増感剤)
増感剤は、[B]酸発生体等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。これらの増感剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。当該感放射線性樹脂組成物における増感剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生体、必要に応じて含有される[C]酸拡散制御体、[D]重合体、[E]重合体、[G]偏在化促進剤及びその他の任意成分、並びに[F]溶媒を所定の割合で混合し、好ましくは、得られる混合液を、例えば、孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより調製することができる。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度としては、通常0.1質量%〜50質量%であり、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましい。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、
レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、
上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び
上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)
を備え、
上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成する。
当該レジストパターン形成方法によれば、上述した当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、優れた焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能を発揮しつつ、LWR性能、CDU性能、解像性及び断面形状の矩形性に優れるレジストパターンを形成することができる。以下、各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物を用い、レジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウエハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度としては、通常60℃〜140℃であり、80℃〜120℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚としては、10nm〜1,000nmが好ましく、10nm〜500nmがより好ましい。
環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するために、例えば特開平5−188598号公報等に開示されている保護膜をレジスト膜上に設けることもできる。さらに、レジスト膜からの酸発生体等の流出を防止するために、例えば特開2005−352384号公報等に開示されている液浸用保護膜をレジスト膜上に設けることもできる。なお、これらの技術は併用できる。
[露光工程]
本工程では、レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介するなどして(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)露光光を照射し、露光する。露光光としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、極紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV、電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV、電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV、電子線がさらに好ましい。
露光を液浸露光により行う場合、用いる液浸液としては、例えば、水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤をわずかな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、露光により[B]酸発生体から発生した酸による[A]重合体等が有する酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差が生じる。PEBの温度としては、通常50℃〜180℃であり、80℃〜130℃が好ましい。PEBの時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。
[現像工程]
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。
上記現像に用いる現像液としては、
アルカリ現像の場合、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
また、有機溶媒現像の場合、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する溶媒が挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば、上述の感放射線性樹脂組成物の[F]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば、水、シリコンオイル等が挙げられる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
上記現像後は、水、アルコール等のリンス液を用いてリンスした後、乾燥することが好ましい。上記リンスの方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
<重合体>
本発明の重合体は、上記式(1)で表される基を含む構造単位を有する。
当該重合体は、上述の当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができる。
<化合物>
本発明の化合物は、上記式(i)で表される。当該化合物は、上記構造を有するので、当該重合体成分として好適に用いることができる。
当該重合体及び化合物については、当該感放射線性樹脂組成物における[A]重合体の項で説明している。
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における各物性測定は、下記方法により行った。
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)]
GPCカラム(東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃、検出器:示差屈折計の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
13C−NMR分析]
核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して、各重合体における各構造単位の含有割合(モル%)を求める分析を行った。
<化合物の合成>
[実施例1](化合物(M−1)の合成)
下記スキームに従い、下記式(M−1)で表される化合物を合成した。
300mLのナス型フラスコに亜鉛粉末4.25g(65.0mmol)、脱水テトラヒドロフラン50mL及びクロロトリメチルシラン0.272g(2.5mmol)を加えた後、35℃で15分間撹拌した。そこへacetaldehyde2.20g(50.0mmol)と4−bromo−2−methyloxazol−5(4H)−one13.4g(55.0mmol)とを脱水テトラヒドロフラン40mLに溶解させた溶液をゆっくりと滴下した。この際、反応熱により溶液温度が上昇するが、内温が45℃以下になるよう滴下速度を調整しつつ滴下を実施した。滴下終了後、35℃で5時間撹拌し、薄層クロマトグラフィー(TLC)で原料の消失を確認した。塩化アンモニウム水溶液で反応を停止した後、セライトろ過により沈殿物を除去した。溶媒を酢酸エチルに置換した後、水洗を実施した。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィーで精製することにより、4−(1−hydroxyethyl)−2−methyloxazol−5(4H)−one6.44gを得た(収率90%)。
次に、200mLのナス型フラスコに上記合成した4−(1−hydroxyethyl)−2−methyloxazol−5(4H)−one5.72g(40.0mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン0.244g(2.00mmol)、トリエチルアミン6.07g(60.0mmol)及び脱水アセトニトリル50mLを加えた後、氷水浴で0℃に冷却した。そこへ、塩化メタクリロイル4.60g(44.0mmol)を滴下した。0℃で1時間撹拌した後、室温で6時間撹拌した。TLCにて原料の消失を確認した後、水を加えて反応を停止した。反応生成物を酢酸エチルで抽出した後、水洗を実施し、カラムクロマトグラフィーで精製することにより、化合物(M−1)6.76g(収率80%)を得た。
Figure 2015102820
[実施例2〜48](化合物(M−2)〜(M−48)の合成)
前駆体を適宜選択し、実施例1と同様の操作を行うことによって、下記式(M−2)〜(M−48)で表される化合物を合成した。
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
<重合体の合成>
[[A]重合体、[D]重合体及び[E]重合体の合成]
[A]重合体として、ベース重合体として用いられる[A1]重合体、及び撥水性重合体添加剤として用いられる[A2]重合体、ベース重合体として用いられる[D]重合体、並びに撥水性重合体添加剤として用いられる[E]重合体を合成した。
上記合成した化合物(M−1)〜(M−48)以外の重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。
Figure 2015102820
なお、化合物(M−1)〜(M−48)は構造単位(I)を、化合物(M’−1)〜(M’−17)は構造単位(II)を、化合物(M’−18)〜(M’−23)は構造単位(III)を、化合物(M’−24)及び(M’−25)は構造単位(VI)を、化合物(M’−27)及び(M’−28)は構造単位(IV)、化合物(M’−26)はその他の構造単位をそれぞれ与える。
[[A1]重合体及び[D]重合体の合成]
[実施例49](重合体(A1−1)の合成)
化合物(M−1)4.70g(20モル%)、化合物(M’−1)11.23g(60モル%)及び化合物(M’−20)4.07g(20モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.87g(化合物の合計に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次いで2−ブタノン20gを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗を用い、3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。メタノール400g中に冷却した重合反応液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末をメタノール80gで2回洗浄した後ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A1−1)を合成した(収量14.8g、収率74%)。重合体(A1−1)のMwは7,300、Mw/Mnは1.53、低分子量成分の含有量0.04質量%であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)、(M’−1)及び(M’−20)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ19.5モル%、50.1モル%及び30.4モル%であった。
[実施例50〜122及び合成例1](重合体(A1−2)〜(A1−74)及び重合体
(D−1)の合成)
下記表1〜3に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、実施例49と同様にして、重合体(A1−2)〜(A1−74)及び重合体(D−1)を合成した。用いる単量体の合計質量は、20gとした。なお、表3中の「−」は、該当する単量体を用いなかったことを示す。合成した重合体の収率(%)、低分子量成分の含有量(質量%)、Mw、Mw/Mn及び各構造単位の含有割合(モル%)を下記表1〜3に合わせて示す。
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
[[A2]重合体及び[E]重合体の合成]
[実施例123](重合体(A2−1)の合成)
化合物(M−26)47.9g(30モル%)及び化合物(M’−2)52.1g(70モル%)を、2−ブタノン100gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート4.77gを溶解させて単量体溶液を調製した。次いで2−ブタノン100gを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合溶液を水冷して30℃以下に冷却した。反応溶液を2L分液漏斗に移液した後、n−ヘキサン150gで上記重合溶液を均一に希釈し、メタノール600gを投入して混合した。
次いで蒸留水30gを投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、固形分である重合体(A2−1)を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(収率60%)。重合体(A2−1)のMwは7,000、Mw/Mnは1.99、低分子量成分の含有量0.05質量%であった。13C−NMR分析の結果、(M−26)及び(M’−2)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ29.9モル%及び70.1モル%であった。
[実施例124〜139及び合成例2]
下記表4に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、実施例123と同様の操作を行うことによって、重合体(A2−2)〜(A2−17)及び(E−1)を合成した。用いる単量体の合計質量は、100gとした。なお、表4中の「−」は、該当する単量体を用いなかったことを示す。合成した重合体の収率(%)、低分子量成分の含有量(質量%)、Mw、Mw/Mn及び各構造単位の含有割合(モル%)を下記表4に合わせて示す。
Figure 2015102820
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]酸発生剤、[C]酸拡散制御剤、[F]溶媒及び[G]偏在化促進剤を以下に示す。
[[B]酸発生剤]
各構造式を以下に示す。
B−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
B−2:トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
B−3:トリフェニルスルホニウムピペリジン−1−イルスルホニル−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート
B−4:トリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
Figure 2015102820
[[C]酸拡散制御剤]
各構造式を以下に示す。
C−1:トリフェニルスルホニウムサリチレート
C−2:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
C−3:N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン
C−4:2,6−ジ(i−プロピル)アニリン
C−5:トリn−ペンチルアミン
Figure 2015102820
[[F]溶媒]
F−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
F−2:シクロヘキサノン
[[G]偏在化促進剤]
G−1:γ−ブチロラクトン
<ArF露光用感放射線性樹脂組成物の調製>
(感放射線性樹脂組成物(J1):[A1]重合体をベース重合体として含有するArF露光用感放射線性樹脂組成物の調製)
[実施例140]
[A1]重合体としての(A1−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8.5質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)2.3質量部、[E]重合体としての(E−1)3質量部、[F]溶媒としての(F−1)2,240質量部及び(F−2)960質量部、並びに[G]偏在化促進剤としての(G−1)30質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(J1−1)を調製した。
[実施例141〜218及び比較例1]
下記表5〜7に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例140と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(J1−2)〜(J1−79)及び(CJ−1)を調製した。
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
(感放射線性樹脂組成物(J2):[A2]重合体を撥水性重合体添加剤として含有するArF露光用感放射線性樹脂組成物の調製)
[実施例219]
[A2]重合体としての(A2−1)3質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8.5質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)2.3質量部、[D]重合体としての(D−1)100質量部、[F]溶媒としての(F−1)2,240質量部及び(F−2)960質量部、並びに[G]偏在化促進剤としての(G−1)30質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(J2−1)を調製した。
[実施例220〜238]
下記表8に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例219と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(J2−2)〜(J2−20)を調製した。
Figure 2015102820
<電子線露光用感放射線性樹脂組成物の調製>
(感放射線性樹脂組成物(J3):[A1]重合体をベース重合体として含有する電子線露光用感放射線性樹脂組成物の調製)
[実施例239]
[A1]重合体としての(A1−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)20質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)3.6質量部、並びに[F]溶媒としての(F−1)4,280質量部及び(F−2)1,830質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(J3−1)を調製した。
[実施例240〜323及び比較例2]
下記表9〜11に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例239と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(J3−2)〜(J3−85)及び(CJ−2)を調製した。
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
<レジストパターンの形成(1)>
12インチのシリコンウエハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量(Eop)とした。
<レジストパターンの形成(2)>
上記<レジストパターンの形成(1)>においてTMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記<レジストパターンの形成(1)>と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
<レジストパターンの形成(3)>
8インチのシリコンウエハ表面にスピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して、上記調製した感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm)を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%のTMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジストパターンについて、下記方法により測定を行うことにより、感放射線性樹脂組成物についてのLWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能を評価した。評価結果を表12〜18に示す。上記レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S−9380」)を用いた。なお、LWR性能、CDU性能、解像性、焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能における判定基準となる比較例は、実施例140〜238については比較例1、実施例239〜323については比較例2である。なお、表14及び18中「−」は判定基準であることを表す。
[LWR性能]
上記Eopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能とした。LWR性能は、その値が小さいほどラインのガタつきが小さく良いことを示す。LWR性能は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(LWR性能の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(LWR性能の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
[CDU性能]
上記Eopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用いてパターン上部から観察した。400nmの範囲で線幅を20点測定してその平均値を求め、その平均値を任意のポイントで計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをCDU性能とした。CDU性能は、その値が小さいほど長周期での線幅のバラつきが小さく良いことを示す。CDU性能は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(CDU性能の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(CDU性能の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
[解像性]
上記Eopの露光量を照射して解像される最小のレジストパターンの寸法を測定し、この測定値を解像性とした。解像性は、その値が小さいほどより微細なパターンを形成でき良いことを示す。解像性は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(解像性の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(解像性の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
[断面形状の矩形性]
上記Eopの露光量を照射して解像されるレジストパターンの断面形状を観察し、レジストパターンの高さ方向での中間での線幅Lb及びレジストパターンの上部での線幅Laを測定した。断面形状の矩形性は、その値が1に近いほど、レジストパターンがより矩形であり良いことを示す。断面形状の矩形性は、0.9≦(La/Lb)≦1.1である場合は「良好」と、(La/Lb)<0.9又は1.1<(La/Lb)である場合は「不良」と評価した。
[焦点深度]
上記Eopの露光量を照射して解像されるレジストパターンにおいて、深さ方向にフォーカスを変化させた際の寸法を観測し、ブリッジや残渣が無いままパターン寸法が基準の90%〜110%に入る深さ方向の余裕度を測定し、この測定値を焦点深度とした。焦点深度は、その値が大きいほど、焦点の位置が変動した際に得られるパターンの寸法の変動が小さく、デバイス作製時の歩留まりを高くすることができる。焦点深度は、その値を比較例のものと比べたとき10%以上の向上(焦点深度が110%以上)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(焦点深度が110%未満)の場合は「不良」と評価した。
[露光余裕度]
上記Eopを含む露光量の範囲において、露光量を1mJ/cmごとに変えて、それぞれレジストパターンを形成し、上記走査型電子顕微鏡を用いて、それぞれの線幅を測定した。得られた線幅と露光量の関係から、線幅が44nmとなる露光量E(44)、及び線幅が36nmとなる露光量E(36)を求め、露光余裕度=(E(36)−E(44))×100/(最適露光量)の式から露光余裕度(%)を算出した。露光余裕度は、その値が大きいほど、露光量が変動した際に得られるパターンの寸法の変動が小さく、デバイス作製時の歩留まりを高くすることができる。露光余裕度は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(露光余裕度の値が110%以上)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(露光余裕度の値が110%未満)の場合は「不良」と評価した。
[MEEF性能]
上記Eopの露光量を照射して解像されるレジストパターンにおいて、線幅が51nm、53nm、55nm、57nm、59nmとなるマスクパターンを用いて形成されたレジストパターンの線幅を縦軸に、マスクパターンのサイズを横軸にプロットしたときの直線の傾きを算出し、これをMEEF性能とした。MEEF性能は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であることを示す。MEEF性能は、その値を比較例のものと比べたとき、10%以上の向上(MEEF性能の値が90%以下)があった場合は「良好」と、10%未満の向上(MEEF性能の値が90%超)の場合は「不良」と評価した。
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
Figure 2015102820
表12〜15の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物は、ArF露光場合、かつアルカリ現像及び有機溶媒現像の場合とも、LWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能に優れている。また、表16〜18の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物は、電子線露光かつアルカリ現像の場合、LWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度及び露光余裕度に優れている。なお
、一般的に、電子線露光によればEUV露光の場合と同様の傾向を示すことが知られており、従って、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、EUV露光の場合においても、リソグラフィー性能に優れることが推測される。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れた焦点深度、露光余裕度及びMEEF性能を発揮しつつ、LWR性能、CDU性能、解像性及び断面形状の矩形性に優れるレジストパターンを形成することができる。本発明の重合体は、当該感放射線性樹脂組成物の成分として好適に使用することができる。本発明の化合物は、本発明の化合物は、当該重合体として好適に用いることができる。従って、これらは、今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造プロセス等に好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表される基を含む第1構造単位を有する重合体、及び
    感放射線性酸発生体
    を含有する感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015102820
    (式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。*は、上記第1構造単位における上記式(1)で表される基以外の部分への結合部位を示す。)
  2. 上記第1構造単位が、下記式(a−1)又は(a−2)で表される請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015102820
    (式(a−1)及び(a−2)中、Zは、上記式(1)で表される基である。
    式(a−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
    式(a−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上の結合により構成される環員数3〜20の環構造を表す。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。RとAとは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に環員数3〜20の環構造を構成してもよい。)
  3. 上記式(1)で表される基が、下記式(1−1)又は(1−2)で表される請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015102820
    (式(1−1)及び(1−2)中、R、R及び*は、上記式(1)と同義である。)
  4. 上記重合体が、下記式(2)で表される第2構造単位をさらに有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015102820
    (式(2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。R10及びR11は、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。但し、R10及びR11が互いに合わせられ構成される脂環構造がこれらが結合する炭素原子に隣接する炭素原子とこの炭素原子に隣接する炭素原子との間に二重結合を含む場合、Rは水素原子であってもよい。)
  5. 上記式(a−1)におけるA及び上記式(a−2)におけるAが、下記式(A)で表される請求項2、請求項3又は請求項4に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015102820
    (式(A)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。mは、1〜3の整数である。mが2以上の場合、複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
  6. 上記重合体が、上記第1構造単位以外の構造単位であってラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む第3構造単位をさらに有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. 上記重合体がフッ素原子を有し、
    この重合体よりもフッ素原子含有率が小さく、かつ酸解離性基を含む構造単位を有する重合体
    をさらに含有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  8. 上記式(1)におけるR及びRの少なくともいずれかがフッ素原子を含む請求項7に記載の感放射線性樹脂組成物。
  9. レジスト膜を形成する工程、
    上記レジスト膜を露光する工程、及び
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程
    を備え、
    上記レジスト膜を請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
  10. 下記式(1)で表される基を含む構造単位を有する重合体。
    Figure 2015102820
    (式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。*は、上記構造単位における上記式(1)で表される基以外の部分への結合部位を示す。)
  11. 上記構造単位が、下記式(a−1)又は(a−2)で表される請求項10に記載の重合体。
    Figure 2015102820
    (式(a−1)及び(a−2)中、Zは、上記式(1)で表される基である。
    式(a−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
    式(a−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上の結合により構成される環員数3〜20の環構造を表す。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。RとAとは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に環員数3〜20の環構造を構成してもよい。)
  12. 下記式(i)で表される化合物。
    Figure 2015102820
    (式(i)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。Yは、重合性炭素−炭素二重結合を含む1価の基である。)
  13. 上記式(i)におけるYが、(b−1)又は(b−2)で表される請求項12に記載の化合物。
    Figure 2015102820
    (式(b−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
    式(b−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上の結合により構成される環員数3〜20の環構造を表す。nは、1〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。RとAとは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に環員数3〜20の環構造を構成してもよい。)
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