JP7028037B2 - レジスト組成物 - Google Patents
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Description
その微細化の手法としては、一般に、基板上に設けられたレジスト膜をパターニングする際に該レジスト膜に照射する照射光を短波長化する手法が用いられている。具体的には、従来のg線(波長438nm)、i線(波長365nm)に代表される紫外線からDUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が変化してきている。具体的には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、F2エキシマレーザー(波長157nm)によるリソグラフィー技術が開発され、さらに、電子線リソグラフィー技術や、波長13.5nm近傍の極端紫外光(Extreme Ultra Violet light:EUV光)を用いるEUVリソグラフィー技術についても研究されている。
ポジ型の化学増幅型レジスト組成物にあっては、露光後の加熱によって、露光部におけるレジスト用重合体の酸脱離性基が酸と反応して脱離し、アルカリ現像液に可溶となる。
しかし、特許文献1の実施例に記載のレジスト組成物は、酸反応性が必ずしも良好とはいえない。
本発明は、酸反応性に優れたレジスト組成物の提供を目的とする。
[1]下記式(1)で表される構成単位を有するレジスト用重合体を含む、レジスト組成物。
[2]前記Z3は、(R21R22R23)C-が結合している炭素原子とともに炭素数3~10の単環の炭化水素基を形成する原子団であり、前記mが1~18の整数である、[1]のレジスト組成物。
[3]前記レジスト用重合体が、ラクトン骨格を含む構成単位をさらに有する、[1]または[2]のレジスト組成物。
[4]前記レジスト用重合体の全構成単位に対して、前記式(1)で表される構成単位の含有量が15モル%以上である、[1]~[3]のいずれかのレジスト組成物。
本明細書において、「構成単位」は、単量体の重合反応により形成される原子団を意味する。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
本明細書において、式(1)で表される構成単位を、構成単位(1)と記す。他の式で表される構成単位も同様に記す。
本発明のレジスト組成物は、構成単位(1)を有するレジスト用重合体(以下、「重合体(A)」ともいう。)を含む。構成単位(1)は特定の酸脱離性基を有する構成単位である。
重合体(A)は2種以上の構成単位を有する共重合体であることが好ましい。
重合体(A)は、構成単位(1)以外の他の構成単位の1種以上を含むことが好ましく、他の構成単位の1~5種を含むことがより好ましい。
他の構成単位としては、化学増幅型レジスト組成物において公知の構成単位を用いることができる。例えばラクトン骨格を有する構成単位、親水性基を有する構成単位が挙げられる。
構成単位(1)は下記式(1)で表される。構成単位(1)は、(メタ)アクリル酸エステル化合物である単量体(以下、単量体(1)という。)のエチレン性二重結合が開裂して形成される構成単位である。
R3は、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基である。mは1~18の整数である。
R3はZ3を構成する炭素原子と結合している置換基であり、mはZ3に結合している置換基(R3)の数である。mが2以上である場合、Z3に結合している複数のR3は互いに同一でもよく、異なってもよい。2個のR3が同一の炭素原子に結合していてもよい。
R3としての直鎖状もしくは分岐状のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基などが挙げられる。シクロアルキル基は、シクロペンチル基、シクロへキシル基などが挙げられる。アリール基は、フェニル基、4-メチルフェニル基などのアルキルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アラルキル基は、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、R3はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましい。
mは、合成容易性の観点から1~10が好ましく、1~4がより好ましい。
直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としてはシクロペンチル基、シクロへキシル基などが挙げられる。
これらの中でも、合成容易性の観点からR21、R22、R23のうちの1つが水素原子で残りの2つがメチル基、またはR21、R22、R23の全部がメチル基であることが好ましい。
Z1が2価の鎖式炭化水素基であるとき、直鎖状でもよく、分岐状でもよい。2価の鎖式炭化水素基としてはアルキレン基が好ましい。置換基としては-O-、-S-、-NH-、-PH-が挙げられる。炭素数は1~10が好ましく、1~6がより好ましい。
Z1が2価の環式炭化水素基であるとき、単環式でもよく、多環式でもよい。環式炭化水素基としては環式の飽和炭化水素基が好ましい。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子が挙げられる。環を構成する炭素原子に置換基が結合していてもよい。置換基としては、炭素数1~10の、直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
Z1は、レジスト溶媒に用いられる有機溶剤への良好な溶解性を確保しつつ疎水性を高める点で単結合が好ましい。
nは0~3の整数であり、0~2が好ましく、0または1がより好ましい。
環式炭化水素基の炭素数には(R21R22R23)C-が結合している炭素原子も含まれる。
炭素数3~10の単環の炭化水素からなる環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクタジエニル基等が挙げられる。これらの中でも入手容易性の観点からシクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。
炭素数3~10の多環の炭化水素からなる環式炭化水素基としては、例えばビシクロ[4.3.0]ノナニル基、ナフタレニル基、デカヒドロナフタレニル基、ボルニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ノルアダマンチル基等が挙げられる。これらの中でも入手容易性の観点からノルボルニル基、アダマンチル基が好ましい。
重合体(A)の全構成単位に対する構成単位(1)の含有量は15モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましい。上記下限値以上であると、レジスト溶媒に用いられる有機溶媒への溶解性の向上効果に優れる。
レジスト性能のバランスの点で、前記構成単位(1)の含有量は80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。
a~gは、式(1)におけるmと同様に、置換基の数を表す整数である。
式(Q-1)において、aは1~4が好ましく、1~2がより好ましい。
式(Q-2)において、bは1~5が好ましく、1~3がより好ましい。
式(Q-3)において、cは1~14が好ましく、1~4がより好ましい。
式(Q-4)において、dは1~8が好ましく、1~4がより好ましい。
式(Q-5)において、eは1~16が好ましく、1~4がより好ましい。
式(Q-6)において、fは1~16が好ましく、1~4がより好ましい。
式(Q-7)において、gは1~14が好ましく、1~4がより好ましい。
R1は水素原子またはメチル基であり、Z3は(R21R22R23)C-が結合している炭素原子とともに、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基またはアダマンチル基を形成する原子団であり、R3はメチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基からなる群から選ばれる1種以上であり、mは1~4の整数であり、R21、R22、R23のうちの1つが水素原子で残りの2つがメチル基、またはR21、R22、R23の全部がメチル基であり、Z1が単結合であり、n=0である構成単位。
重合体(A)は、他の構成単位として、ラクトン骨格を有する構成単位の1種以上を有することが好ましい。
ラクトン骨格とは、-O-C(=O)-を有する環を含む単環または多環の原子団を意味する。前記-O-C(=O)-を有する環は、-C(=O)-O-C(=O)-を有する環でもよい。
ラクトン骨格は、4~20員環が好ましく、5~10員環がより好ましい。
ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に芳香族または非芳香族の、炭化水素環または複素環が縮合していてもよい。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体(A)がラクトン骨格を有する構成単位を含む場合、その含有量は、全構成単位に対して20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、70モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
重合体(A)は、他の構成単位として、親水性基を有する構成単位の1種以上を有してもよい。
本明細書における「親水性基」とは、-C(CF3)2-OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる1種以上である。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用される重合体は、ヒドロキシ基またはシアノ基を有することが好ましい。
親水性基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
基板等に対する密着性の点から、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシアダマンチル、(メタ)アクリル酸3,5-ジヒドロキシアダマンチル、2-または3-シアノ-5-ノルボルニル(メタ)アクリレート、2-シアノメチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体(A)が親水性基を有する構成単位を含む場合、その含有量は、レジストパターン矩形性の点から、全構成単位に対して5~30モル%が好ましく、10~25モル%がより好ましい。
重合体(A)は、他の構成単位として、構成単位(1)に該当しない、他の酸脱離性基を有する構成単位の1種以上を有してもよい。
また、他の酸脱離性基を有する構成単位と構成単位(1)の合計に対して、構成単位(1)が20モル%以上であることが好ましく、40モル%以上がより好ましく、50モル%以上がさらに好ましい。100モル%でもよい。
重合体(A)の重量平均分子量は、1,000~100,000が好ましく、3,000~50,000がより好ましく、5,000~30,000がさらに好ましい。
レジスト組成物は、重合体(A)と、レジスト溶媒と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物とを含むことが好ましい。重合体(A)は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
レジスト組成物(溶剤を除く)に対して、重合体(A)の含有量は、特に限定されないが、70~99.9質量%が好ましい。
レジスト溶媒の使用量は、形成するレジスト膜の厚みにもよるが、重合体(A)100質量部に対して100~10,000質量部の範囲が好ましい。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
光酸発生剤の使用量は、重合体(A)100質量部に対して、0.1~20質量部が好ましく、0.5~10質量部がより好ましい。
重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求めた。溶離液はテトラヒドロフラン(THF)を使用した。
各例で得られた重合体について、各単量体に基づく構成単位の組成比(単位:モル%)を、1H-NMRの測定により求めた。
この測定においては、日本電子(株)製、ECS-400型 超伝導FT(フーリエ変換)-NMR装置を用い、約5質量%のサンプル溶液(溶媒は重クロロホルム)を直径5mmφのサンプル管に入れ、観測周波数400MHz、シングルパルスモードにて、1H
64回の積算を行った。測定温度は60℃で行った。
露光後に加熱されたときの酸脱離性基と酸との反応性(酸反応性)を下記の方法で評価した。
ガラス製のフラスコ内で、酸脱離性基を有する単量体0.1mol/L、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)30mL、酸としてパラトルエンスルホン酸を単量体に対して0.1モル当量、および内部標準物質として2-メトキシフェノール0.05gを混合して試験溶液(加熱前の試験溶液)を調製した。試験溶液を室温(25℃)から80℃まで5分間で昇温し、80℃で1時間保持した後、室温まで放冷したものを加熱後の試験溶液とした。
加熱前の試験溶液中の前記単量体の含有量(X1)、および加熱後の試験溶液中の前記単量体の含有量(X2)を、下記条件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)でそれぞれ測定し、下記式により単量体減少率(単位:%)を求めた。単量体減少率が高いほど酸反応性に優れることを意味する。
単量体減少率(%)=(X1-X2)/X1×100
<HPLC測定条件>
試験溶液を0.1g採取し、アセトニトリル7.74gで希釈した。この希釈液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、Waters社製、ACQUITY H-Class(製品名)を用いて、該希釈液中の未反応の単量体含有量を求めた。
分離カラムはWaters社製、ACQUITY UPLC BEH C18 1.7μm 2.1×50nm(商品名)を1本使用し、移動相は水/アセトニトリルのグラジエント系、流量0.5mL/min、検出器はWaters社製、フォトダイオードアレイ検出器(商品名)、検出波長220nm、測定温度40℃、注入量2μLで測定した。移動相のグラジエント条件は、A液を水、B液をアセトニトリルとし、下記の通りとした。また、単量体の含有量を定量するために、濃度の異なる3種類の単量体溶液を標準液として用いた。
測定時間0~4分:A液/B液=90体積%/10体積%。
測定時間4~6分:A液/B液=90体積%/10体積%から、70体積%/30体積%まで。
測定時間6~7分:A液/B液=70体積%/30体積%から、0体積%/100体積%まで。
測定時間7~7.1分:A液/B液=0体積%/100体積%から、90体積%/10体積%まで。
測定時間7.1~9分:A液/B液=90体積%/10体積%。
(工程1)
ガラス製のフラスコに、塩化セリウム5.4684g(22mmol)とテトラヒドロフラン12.2mLを加え、窒素フロー下、室温にて1.8時間撹拌した。0℃に冷却し、t-ブチルマグネシウムクロリド12.2mL(23質量%テトラヒドロフラン溶液、24mmol)を加え、1時間撹拌した。続いて-40℃に冷却し、3-メチルシクロペンタノン2.1815g(22mmol)を滴下し、2.5時間撹拌した後、-25℃で21時間撹拌した。反応収率は48%であった。飽和塩化アンモニウム水溶液20mL、酢酸エチル20mLを加え分液した後、水層を酢酸エチル20mLで2回抽出した。有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mL、続いて飽和食塩水10mLを加え洗浄した。硫酸マグネシウムを用いて乾燥させたのち、溶媒を留去した。得られた粗生成物を蒸留し、3-メチル-t-ブチルシクロペンタノールを得た。
(工程2)
ガラス製のフラスコに、工程1で得た3-メチル-t-ブチルシクロペンタノール199.3mg(1.3mmol)、テトラヒドロフラン2.6mLを加え、窒素フロー下、-40℃に冷却した。n-ブチルリチウム1.12mL(15質量%ヘキサン溶液、1.8mmol)を滴下し、0℃で1時間撹拌した。再び-40℃に冷却し、メタクリル酸クロライド225μL(2.3mmol)を滴下した後、0℃で2時間撹拌した。10質量%水酸化リチウム水溶液1.1gを加え50℃で1時間撹拌した後、分液した。水層を酢酸エチル5mLで2回抽出し、有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液5mL、続いて飽和食塩水5mLを加え洗浄した。硫酸マグネシウムを用いて乾燥させたのち、溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、式(m2)で表される単量体(3-メチル-t-ブチルシクロペンチルメタクリレート)を得た。
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEAの23.4質量部を入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。その後、下記混合物1を滴下漏斗より、4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持して反応溶液を得た。
(混合物1の組成)
単量体(m1):式(m1)で表される単量体6.80質量部(40モル%)、
単量体(m2):式(m2)で表される単量体8.97質量部(40モル%)、
単量体(m4):式(m4)で表される単量体4.72質量部(20モル%)
溶媒:PGMEA 38.1質量部
重合開始剤:ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名)) 0.44質量部
得られた重合体の共重合組成比、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、の測定結果を表1に示す(以下、同様)。
また本例で用いた酸脱離性基を有する単量体(m2)について上記の方法で酸反応性を評価した結果として、単量体減少率を表1に示す。
実施例1において、単量体(m2)を、式(m3)で表される単量体(m3)7.46質量部(40モル%)に変更した。その他は実施例1と同様である。
単量体(m3)の単量体減少率を表1に示す。
Claims (3)
- 下記式(1)で表される構成単位を有するレジスト用重合体を含む、レジスト組成物。
- 前記レジスト用重合体が、ラクトン骨格を含む構成単位をさらに有する、請求項1に記載のレジスト組成物。
- 前記レジスト用重合体の全構成単位に対して、前記式(1)で表される構成単位の含有量が15モル%以上である、請求項1又は2に記載のレジスト組成物。
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