JP2015102239A - オイルシールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転軸の潤滑油の油漏れ等を防止するためのオイルシールに関して、表面処理により摺動抵抗を低減するとともに、オイルシールの内径寸法のばらつきを抑制して、密封性を向上することができるオイルシール及びその製造方法を提供する。【解決手段】内周面に、互いに反対方向に傾斜した第1傾斜面4及び第2傾斜面6を有する断面三角形状のシールリップ3をゴム材で形成したオイルシールにおいて、前記第1傾斜面4から内部に向かって深さ0.02〜0.1mmの前記ゴム材の2重結合部分を、付加物を介して付加反応させることによって、硬質の第1表面処理層5を形成した。【選択図】図1

Description

本発明は、オイルシールおよびその製造方法に関する。
回転軸の潤滑油の油漏れ等を防止するためのオイルシールに関しては、本来的特性である密封性の向上のための種々の工夫がなされている。従来、空気側傾斜面と油側傾斜面とからなる断面三角形状のシールリップを形成せしめ密封性を保持して油漏れを抑制していた。
また、上記空気側傾斜面に複数の断面三角形状のリブを形成し、回転時のポンピング作用(空気側傾斜面に漏洩する油を油側に戻す吸引作用)によって、漏洩する油を油側に戻し、オイルシールの密封性を向上させていた。
近年は省エネルギーの観点等から、オイルシールは密封性のほかにシールリップと回転軸との接触面の摺動トルクを低減する低トルク性が求められている。
そのため、低トルク性向上の方法としては、例えば、特許文献1に示すようにオイルシールのシールリップ先端部の回転軸との接触面に摺動抵抗の小さい材料を塗布(コーティング)する方法がある。これらの材料として、例えば、固体潤滑作用が大きいポリテトラフルオロエチレン(以下「PTFE」という)等が使用されている。
特開2006−292160号公報
シールリップを金型で成形した後で、シールリップの表面にコーティング膜を形成すると、シールリップの円周状に均一な膜厚さを形成できないので、オイルシールの内径寸法のばらつきが発生して、シールリップと回転軸との接触面間の密封性に影響がでてくる場合がある。また、シールリップの空気側傾斜面に形成した断面三角形状のリブにコーティング膜を形成する場合、三角形状の先端部ではコーティング膜の膜厚さが薄くなりやすく、三角形状の根元では膜厚さが厚くなりやすく、結果としてリブの高さが金型成形時と比べて低くなり、回転時のポンピング作用が低下して密封性の向上への影響がでてくる。
上記に鑑み、本発明は、表面処理により摺動抵抗を低減するとともに、オイルシールの内径寸法のばらつきを抑制して、密封性を向上することができるオイルシール及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、内周面に、互いに反対方向に傾斜した第1傾斜面及び第2傾斜面を有する断面三角形状の環状シールリップをゴム材で形成したオイルシールにおいて、前記第1傾斜面から内部に向かって深さ0.02〜0.1mmの硬質の第1表面処理層を形成し、この第1表面処理層は、前記ゴム材の2重結合部分を付加物を介して付加反応させることによって構成したことを要旨としている。
請求項1によれば、第1傾斜面から内部に向かって硬質の第1表面処理層を形成するため、オイルシールの内径寸法に対して影響を与えない。したがって、オイルシールの内径寸法のばらつきを抑制することができる。また、硬質の第1表面処理層によって、オイルシールの摺動抵抗を小さくできる。
さらに、請求項2に記載の発明は、内周面に、互いに反対方向に傾斜した第1傾斜面及び第2傾斜面を有する断面三角形状の環状シールリップをゴム材で形成したオイルシールにおいて、前記第1傾斜面にこれに沿って軸方向に延び、互いに反対方向に傾斜した第3傾斜面および第4傾斜面を有し、内径側へ突出させた断面三角形状のリブを円周方向に多数突設させ、前記リブをゴム材で形成するとともに、前記第3傾斜面および前記第4傾斜面から内部に向かって硬質の第2表面処理層を形成し、この第2表面処理層は、前記ゴム材の2重結合部分を付加物を介して付加反応させることによって構成したことを要旨としている。
請求項2によれば、第3傾斜面および前記第4傾斜面から内部に向かって硬質の第2表面処理層を形成したため、リブの高さに対して影響を与えない。したがって、金型で成形したままのリブの高さを維持できる。このため、回転時のポンピング作用が低下せず密封性を維持でき、硬質の第2表面処理層によって、オイルシールの摺動抵抗を小さくできる。
また、請求項3に記載の発明は、前記ゴム材は、ニトリルゴムであり、前記ニトリルゴムをエポキシ化した前記第1表面処理層を形成したことを要旨としている。
請求項3によれば、第1傾斜面から内部に向かって硬質の第1表面処理層を形成するため、シールリップの内径寸法のばらつきを抑制したオイルシールができる。また、エポキシ化した第1表面処理層は、より硬質であるため、さらにオイルシールの摺動抵抗をより小さくできる。
また、請求項4に記載の発明は、前記ゴム材は、ニトリルゴムであり、前記ニトリルゴムをエポキシ化した前記第2表面処理層を形成したことを要旨としている。
請求項4によれば、第3傾斜面および前記第4傾斜面から内部に向かって硬質の第2表面処理層を形成したため、リブの高さに対して影響を与えない。したがって、金型で成形したままのリブの高さを維持できる。このため、回転時のポンピング作用が低下せず密封性を維持できる。また、エポキシ化した第2表面処理層は、より硬質であるため、さらにオイルシールの摺動抵抗をより小さくできる。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載のオイルシールの製造方法であって、金型にて成形した前記第1傾斜面に過酸存在下の水溶液で表面処理することにより、前記第1傾斜面にエポキシ化した被膜よりなる前記第1表面処理層を形成させ、その後リップカットすることにより前記第2傾斜面を作成することを要旨としている。
請求項5によれば、第1傾斜面から内部に向かって硬質の第1表面処理層を形成するため、シールリップの内径寸法のばらつきを抑制したオイルシールができる。また、鋭利なシールリップに仕上げることによって、密封性を向上させることができる。さらにオイルシールの摺動抵抗をより小さくできる。
さらに、請求項6に記載の発明は、請求項4に記載のオイルシールの製造方法であって、金型にて成形した前記第1傾斜面、前記第3傾斜面および前記第4傾斜面に過酸存在下の水溶液で表面処理することにより、前記第1傾斜面にエポキシ化した被膜よりなる前記第1表面処理層を形成させるとともに、前記第3傾斜面および第4傾斜面にエポキシ化した被膜よりなる前記第2表面処理層を形成させ、その後リップカットすることにより前記第2傾斜面を作成することを要旨としている。
請求項6によれば、第3傾斜面および前記第4傾斜面から内部に向かって硬質の第2表面処理層を形成したため、金型で成形したままのリブの高さを維持できる。このため、回転時のポンピング作用が低下せず密封性を維持できる。また、第2傾斜面側のリブを鋭利に仕上げることによって、密封性をさらに向上させることができる。さらにオイルシールの摺動抵抗を小さくできる。
本発明によれば、表面処理により摺動抵抗を低減するとともに、オイルシールの内径寸法のばらつきを抑制して、密封性を向上することができるオイルシール及びその製造方法を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係るオイルシールの断面図 本発明の第一実施形態に係る製造方法を示すリップカット前の状態図 本発明の第一実施形態に係る製造方法を示すリップカット後の状態図 本発明の第一実施形態に係るオイルシールの回転軸装着時のシールリップ付近断面図 本発明の第一実施形態に係るオイルシールの回転軸装着時のシールリップ付近の図4のA−A断面図 本発明の第二実施形態に係るオイルシールの断面図 本発明の第二実施形態に係るオイルシールの回転軸に装着時のシールリップ付近断面図 本発明の第二実施形態に係るオイルシールの回転軸装着時のシールリップ付近の図7のB−B断面図
以下に本発明の第一実施形態を詳しく説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るオイルシールの断面図を示す。
図1に示すように、オイルシールは、上半分の径方向断面がほぼL字形の補助環1と、その内外周を覆うように被着されたニトリルゴムなどの弾性体とからなる。弾性体は、取付部としての外周部2と、補助環1の内周部分に位置し、軸方向一方へ延びかつ内周側へ向けて先鋭となる断面ほぼ三角形のシールリップ3と、シールリップ3と隣り合わせに設けられ、かつそれとは逆方向へ斜めに延びる補助リップ8とからなり、それぞれ一体的に形成されている。シールリップ3の外周には、内径方向の締め付け力を与えるコイルスプリング9が装着されている。
シールリップ3は、回転軸の外周面に摺接して、回転軸との隙間を密封するものであり、互いに反対方向に傾斜した第1傾斜面である空気側傾斜面4と第2傾斜面である油側傾斜面6とを有する断面三角形に形成されている。図1においては左側が空気側に、右側が油側にそれぞれ設定されている。
さらに、図1に示すように、空気側傾斜面4には、内部に向かって深さ0.02〜0.1mmの硬質の第1表面処理層5が形成されている。油側傾斜面6には、第1表面処理層5は形成されていない。また空気側傾斜面4と油側傾斜面6とで形成されるシールリップの先端部7は、鋭利に形成されている。
図2及び図3は、第1表面処理層5を形成した後にリップカットをする製造工程を示す。シールリップ3を空気側傾斜面4のみが完成されるように金型にてゴム材を加硫成形し(図2参照)、上記空気側傾斜面4に、後述する表面処理法により硬質の表面処理層5を形成した。その後、図2のA矢印方向によるナイフカットにより上記空気側傾斜面4と反対方向に傾斜した油側傾斜面6を形成して、断面三角形状の鋭利なシールリップ先端部7を有するシールリップ3に仕上げることによって、オイルシール完成品を得た(図3参照)。
次に、第1表面処理層5の製法について詳述する。
本実施例では、酢酸もしくはギ酸の水溶液に過酸化水素を加えた水溶液であって、酢酸もしくはギ酸の水溶液の濃度が0.5〜20重量%で、且つ過酸化水素/酸のモル比が1.0〜30の範囲である処理液を用いて、アクリルニトリルとブタジエンとの共重合体であるニトリルゴムの二重結合部分を付加物であるエポキシを介して付加反応させ、すなわちエポキシ化させることにより、オイルシールのゴム材の空気側傾斜面4の表面に非粘着性、摺動抵抗を低減させる滑性、及びその他のバリア的効果を付与するものである。
炭素間の二重結合部分をエポキシ化する方法として、有機化合物の過酸が用いられることが知られ、一般式はRCO3Hで表される。例えば過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸などがある。単に過酸、例えば過酢酸の水溶液(例えば1〜4%程度の水溶液)にオイルシールのゴム材の表面を浸漬し過熱するという処理では、オイルシールのゴム材の表面に充分な滑り性を与えるまでに至らず非粘着性にとどまるか、あるいは水溶液中でゴム材表面が洗浄されてかえって粘着性が強くなることがある。また4%以上の過酸濃度で効率的に反応させようとすると、ゴム材表面に亀裂などの現象が起き、ゴム材の物性が大きく低下する。上記実施形態のように、酢酸もしくはギ酸に対しある範囲のモル比で過剰の過酸化物を配合することにより、最小限の有機酸を効率的に作用させ、1〜4%あるいはそれ以上の過酸存在下においても、オイルシールのゴム材の物性を低下させることなく、オイルシールのゴム材の表面層をエポキシ化し、非粘着性、滑性、その他のバリア的効果を付与させている。
図4に本発明の第一実施形態に係るオイルシールの回転軸装着時のシールリップ付近断面図を示し、図5に本発明の第一実施形態に係るオイルシールの回転軸装着時のシールリップ付近の図4のA−A断面図をしめしている。
図4、図5に示すように、シールリップ3に硬質の第1表面処理層5を形成し、鋭利なシールリップ3に仕上げることによって、オイルシールの回転軸10に装着時には、回転軸の円周方向に隙間を発生しない接触面を形成しており、密封性を向上させることができる。
本発明の第一実施形態の構造によると、成形により形成された空気側傾斜面4に深さが一定の第1表面処理層5を形成させたため、シールリップ3の内径寸法へ影響しない。このため、内径寸法のばらつきを抑制したオイルシールができる。また、硬質の第1表面処理層5によって、オイルシールの摺動抵抗をより小さくできる。
次に、本発明の第二実施形態のリブ付オイルシールについて説明する。
図6に本発明の第二実施形態に係るオイルシールの断面図を示している。
図6に示すように、オイルシールは、上半分の径方向断面がほぼL字形の補助環11と、その内外周を覆うように被着されたゴム材などの弾性体とからなる。弾性体は、取付部として外周部12と、補助環11の内周部分に位置し、軸方向一方へ延びかつ内周側へ向けて先鋭となる断面ほぼ三角形のシールリップ13と、シールリップ13と隣り合わせに設けられかつそれとは逆方向へ斜めに延びる補助リップ18とからなり、それぞれ一体的に形成されている。シールリップ13の外周には、軸方向の締め付け力を与えるコイルスプリング19が装着されている。
シールリップ13は、軸の外周面に摺接して、軸との隙間を密封するものであり、互いに反対方向に傾斜した空気側傾斜面14と油側傾斜面16とを有する断面三角形に形成されている。図6においては左側が空気側に、右側が油側にそれぞれ設定されている。
シールリップ13の空気側傾斜面14には、シールリップ13のポンピング作用を増大させるためのリブ20が、所定間隔毎に多数形成されている。各リブ20は、断面が山形に形成されており(図6参照)、その稜線20aは、シールリップ13の先端縁部13aに対して所定角度α(例えば45°)傾斜している。また、各リブ20は、それぞれ螺旋形状の一部を構成しており、その空気側傾斜面14からの突出高さは、軸径52.4mm用のもので、例えば0.03〜0.04mmに設定されおり、頂角βは90°〜100°程度に設定されている。なお、上記リブ20は、一方向だけでなく双方向に傾斜させて形成する場合もある。
上記シールリップ13の空気側傾斜面14及び油側傾斜面16、並びにリブ20のそれぞれの表面には、リブ20をニトリルゴムで形成し、第1傾斜面14に第一実施形態と同じような製法でエポキシ化した第1表面処理層15を形成し、第3傾斜面21および第4傾斜面22に第一実施形態と同じような製法でエポキシ化した第2表面処理層25を形成した。すなわち、ニトリルの2重結合部分に付加物であるエポキシを付加反応させて第2表面処理層25がそれぞれ形成されている。
また、上記リブ20に形成された第2表面処理層25の厚みは、上記シールリップ3に形成された第1表面処理層の厚みと同等になっている。上記第2表面処理層25の厚みは、リブ20の高さの10〜90%の0.005 〜 0.045mm の範囲が好ましい。
シールリップ13を空気側傾斜面14のみが完成されるように金型にてゴムを加硫成形し、上記空気側傾斜面14に、表面処理法により硬質の第1表面処理層15を形成した。その後、ナイフカットにより上記空気側傾斜面14と反対方向に傾斜した油側傾斜面16を形成して、断面三角形状の鋭利な先端部17を有するシールリップ13に仕上げることによって、オイルシール完成品を得た。
図7に本発明の第二実施形態に係るオイルシールの回転軸装着時のシールリップ付近断面図を示し、図8に本発明の第二実施形態に係るオイルシールの回転軸装着時のシールリップ付近の図7のB−B断面図を示している。
図7、図8に示すように、油側傾斜面16側のリブ20を鋭利に仕上げることによって、オイルシールの回転軸10に装着時には、リブ20およびシールリップ13の先端部13aは回転軸10の円周方向に隙間を発生しない接触面を形成しており、さらに密封性を向上させることができる。第3傾斜面21および第4傾斜面22から内部に向かって硬質の第2表面処理層25を形成したため、金型で成形したままのリブ20の高さを維持できる。このため、回転時のポンピング作用が低下せず密封性を維持できる。
以上の構成のリブ付オイルシールは、シールリップ13の空気側傾斜面14に、ニトルルゴムで第3傾斜面21および第4傾斜面22のリブ20を形成し、第3傾斜面21および第4傾斜面の表面に第2表面処理層25を形成したので、ニトリルゴムの弾性変形を維持しながらエポキシ化した硬化層を形成、しかも、均一な深さで硬化層が形成されるため、回転軸に装着された時、回転軸10と隙間を発生することなく接触面を形成できる。また、エポキシ化した第2表面処理層25は、より硬質であるため、オイルシールの摺動抵抗をより小さくできる。
さらに、本発明の第二実施形態のリブ付オイルシール構造によると、シールリップの先端部17に対して傾斜する断面山形のリブ20を硬質の処理層の深さを一定の処理層の厚さに仕上げて作成されているため、リブ20の三角形状の先端部でも膜厚さが一定となり、金型で成形したまま精度良く形成されているリブ20の高さの変化は発生しない。
本実施形態は、こうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
上記実施例では、オイルシールのゴム材の空気側傾斜面4の表面を過酸水溶液中に浸漬して表面処理する例を示しているが、他の実施形態として、例えば酢酸もしくはギ酸溶液に過酸化水素を加えた水溶液(過酸水溶液)をオイルシールのゴム材の表面に塗布あるいは噴霧することにより、オイルシールのゴムの表面層をエポキシ化する方法を採用してもよい。
以上のように、天然ゴム及び他のジエン系合成オイルシールのゴム材の表面における分子の二重結合部分を過酸によりエポキシ化することにより、比較的簡単な処理設備と安価な原料とで、オイルシールのゴム本来の弾性、伸び、引張り強さ等を損なうことなく、オイルシールの空気側傾斜面4の表面の非接着性、滑性及びその他のバリア的効果を付与することができた。
また、他の実施形態として、オイルシールの空気側傾斜面4の表面を塩素ガスに曝したり、塩素ガスを通した水に浸漬する塩素処理法、擬ハロゲン化合物を用いて表面処理して、炭素間の二重結合部分を付加反応して硬化処理して、ゴム材を硬化させることも一般的に実施可能である。
1…補助環、2…外周部、3…シールリップ、4…空気側傾斜面(第1傾斜面)、5…第1表面処理層、6…油側傾斜面(第2傾斜面)、7…シールリップ先端部、10…回転軸、20…リブ

Claims (6)

  1. 内周面に、互いに反対方向に傾斜した第1傾斜面及び第2傾斜面を有する断面三角形状の環状シールリップをゴム材で形成したオイルシールにおいて、
    前記第1傾斜面から内部に向かって深さ0.02〜0.1mmの硬質の第1表面処理層を形成し、この第1表面処理層は、前記ゴム材の2重結合部分を付加物を介して付加反応させることによって構成したことを特徴とするオイルシール。
  2. 内周面に、互いに反対方向に傾斜した第1傾斜面及び第2傾斜面を有する断面三角形状の環状シールリップをゴム材で形成したオイルシールにおいて、
    前記第1傾斜面にこれに沿って軸方向に延び、互いに反対方向に傾斜した第3傾斜面および第4傾斜面を有し、内径側へ突出させた断面三角形状のリブを円周方向に多数突設させ、前記リブをゴム材で形成するとともに、前記第3傾斜面および前記第4傾斜面から内部に向かって硬質の第2表面処理層を形成し、この第2表面処理層は、前記ゴム材の2重結合部分を付加物を介して付加反応させることによって構成したことを特徴とするオイルシール。
  3. 前記ゴム材は、ニトリルゴムであり、前記ニトリルゴムをエポキシ化した前記第1表面処理層を形成したことを特徴とする請求項1に記載のオイルシール。
  4. 前記ゴム材は、ニトリルゴムであり、前記ニトリルゴムをエポキシ化した前記第2表面処理層を形成したことを特徴とする請求項2に記載のオイルシール。
  5. 請求項3に記載のオイルシールの製造方法であって、金型にて成形した前記第1傾斜面に過酸存在下の水溶液で表面処理することにより、前記第1傾斜面にエポキシ化した被膜よりなる前記第1表面処理層を形成させ、その後リップカットすることにより前記第2傾斜面を作成したことを特徴とするオイルシール製造方法。
  6. 請求項4に記載のオイルシールの製造方法であって、金型にて成形した前記第3傾斜面および前記第4傾斜面に過酸存在下の水溶液で表面処理することにより、前記第3傾斜面および第4傾斜面にエポキシ化した被膜よりなる前記第2表面処理層を形成させ、その後リップカットすることにより前記第2傾斜面を作成したことを特徴とするオイルシール製造方法。
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