JP2015102214A - 駆動伝達装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動源を駆動させることによって生じる振動や騒音を低減すると共に、駆動源の回転力を被駆動部に高精度に伝達する。【解決手段】駆動伝達装置50において、モータ51によって回転駆動される駆動プーリ52と、感光体ドラム30に連結された従動プーリ53とに、ベルト54が巻回され、モータ51の回転駆動力が感光体ドラム30に伝達される。ベルト54の金属層54bと駆動プーリ52との間に誘電体層54aが第1の誘電体層として介在し、金属層54bと従動プーリ53との間に誘電体層54aが第2の誘電体層として介在する。そして、駆動プーリ52の導電部とベルト54の金属層54bとの間に電位差を与えて両者を静電的に吸着させると共に、従動プーリ53の導電部と金属層54bとの間に電位差を与えて両者を静電的に吸着させる。【選択図】図4

Description

本発明は、駆動源の回転力をベルトを介して被駆動部に伝達する駆動伝達技術に関する。
従来、画像形成装置をはじめとする各種の装置において、モータ等の駆動源の回転力を被駆動部に伝達する駆動伝達装置が設けられる。
例えば、画像形成装置において、駆動源としてのモータの駆動力を、ギアを介して、被駆動部としての感光体ドラムや中間転写ベルトを駆動する駆動ローラに伝達する構成が採用されている。しかし、この構成では、駆動力が入力されるギア(駆動入力ギア)と出力されるギア(従動ギア)との間の回転伝達誤差(特にかみあい伝達誤差)が起振力となって振動が発生する。ギアで発生した振動が軸、軸受、側板などのギア支持部材に伝わり、大きな騒音を発生させてしまう可能性があった。
そこで、ギアに替えて、ベルトに貫通孔を設けると共にプーリに突起を設けることによって、ベルトに形成された貫通孔とプーリの突起とが噛み合ってベルトの滑りを抑制する駆動力伝達装置が知られている(特許文献1)。
特登録第4081644号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、ベルトが裂けてしまったり、ベルトが伸びたりすると、ベルトの貫通孔とプーリの突起とが噛み合わず、駆動力を高精度に伝達することができない可能性がある。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、駆動源を駆動させることによって生じる振動や騒音を低減すると共に、駆動源の回転力を被駆動部に高精度に伝達することにある。
上記目的を達成するために本発明は、導電部を有し、駆動源によって回転駆動される駆動プーリと、導電部を有し、被駆動部に直接または間接的に連結される従動プーリと、導電部を有し、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻回されるベルトとを有し、前記駆動源の回転力が、前記駆動プーリ、前記ベルト及び前記従動プーリを介して前記被駆動部に伝達される駆動伝達装置であって、少なくとも、前記駆動プーリと前記従動プーリ、又は、前記ベルトに誘電体層を有し、前記駆動プーリの前記導電部と前記ベルトの前記導電部との間に電位差を与えると共に、前記従動プーリの前記導電部と前記ベルトの前記導電部との間に電位差を与える付与手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、駆動源を駆動させることによって生じる振動や騒音を低減すると共に、駆動源の回転力を被駆動部に高精度に伝達できる。
本発明の第1の実施の形態に係る駆動伝達装置を備える画像形成装置の模式的断面図である。 駆動伝達装置の斜視図である。 図2のA−A線に沿う断面図である。 図3のB−B線に沿う断面図、図4(a)の駆動伝達装置の電気的性質を表す等価回路を示す図である。 駆動伝達装置の模式的断面図である。 印加電圧と駆動力との関係を示す図である。 変形例の駆動伝達装置の模式的断面図である。 変形例の駆動伝達装置の模式的断面図、その等価回路を示す図である。 第2の実施の形態における駆動伝達装置の模式的断面図、その等価回路を示す図である。 変形例の駆動伝達装置の模式的断面図である。 変形例の駆動伝達装置の模式的断面図、その等価回路を示す図である。 変形例の駆動伝達装置の模式的断面図である。 第3の実施の形態の駆動伝達装置の斜視図である。 図13のC−C線に沿う断面図、図14(a)に示す駆動伝達装置の電気的性質を表す等価回路を示す図である。 変形例の駆動伝達装置の模式的断面図、その等価回路を示す図である。 第4の実施の形態の駆動伝達装置の斜視図である。 図16のD−D線に沿う断面図である。 変形例の駆動伝達装置の模式的断面図である。 変形例の駆動伝達装置の模式的断面図である。 第5の実施の形態の駆動伝達装置の模式的断面図、その電気的性質を表す等価回路を示す図である。 第6の実施の形態の駆動伝達装置の模式的断面図、その電気的性質を表す等価回路を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る駆動伝達装置を備える画像形成装置の模式的断面図である。以降、各図を通して同一符号は同一または対応する構成要素を示す。
本実施の形態では、駆動伝達装置が適用される装置の一例として電子写真方式のプリンタである画像形成装置1を挙げる。画像形成装置1は、不図示のプリンタ制御部からの制御信号に基づいて、記録紙43に画像を印刷するための動作を行う。
この画像形成装置1は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色の画像を形成するための4つの画像形成部22、23、24、25を有する。各画像形成部22〜25の構成要素は同様であるので、代表してイエロー用の画像形成部22について詳細に説明する。なお、4つの画像形成部を採用しているがこれに限定されず、例えばブラック用のみの1つであってもよい。
画像形成部22において、回転駆動される像担持体としての感光体ドラム30の表面には潜像が形成される。すなわち、一次帯電器26は、感光体ドラム30の表面を所定の電位に帯電させ、潜像形成の準備をする。そして、レーザースキャナ29は画像データに従ってレーザービームを走査し、感光体ドラム30の表面へ照射する。これにより、帯電した感光体ドラム30上に画像データに対応した静電潜像が形成される。
現像器28は、感光体ドラム30上の潜像を現像してトナー画像を形成する。1次転写ローラ33は、無端状の中間転写体である中間転写ベルト31を挟んで感光体ドラム30の反対側から電圧を加え、感光体ドラム30上のトナー画像を中間転写ベルト31上に転写する。ドラムクリーニングブレード27は、転写終了後に感光体ドラム30に残ったトナーを掻き落とす。
次にベルトユニットについて説明する。ベルトユニットは、中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31を回転可能に支持する複数のローラから構成される。これらのローラには、駆動ローラ34、テンションローラ21、32、ステアリングローラ35が含まれる。さらには、各感光体ドラム30に対応し、対応する感光体ドラム30に形成されたトナー像を中間転写ベルト31に転写する1次転写ローラ33が含まれる。さらには中間転写ベルト31上に転写されたトナー像を記録紙43に転写する2次転写上ローラ36が含まれる。
ステアリングローラ35は、中間転写ベルト31の環状形状の内側から外側へ向かってバネ42によって加圧され、且つ、移動可能に取り付けられていることから、中間転写ベルト31に一定の張力を付与している。寄り検知センサ38は、中間転写ベルト31がトナー像を搬送する搬送方向と直交する方向における中間転写ベルト31の寄り移動量を検知する。寄り検知センサ38の検知結果に基づいてステアリングローラ35の角度が制御されることによって、中間転写ベルト31の寄り補正制御が行われる。
感光体ドラム30上に形成されたトナー像は、1次転写ローラ33によって中間転写ベルト31上に一次転写される。同様の画像形成工程が各画像形成部23、24、25においても行われることで各色のトナー像が各感光体ドラム30に形成され、中間転写ベルト31に各色のトナー像が重ねて転写される。これにより、中間転写ベルト31上にフルカラーのトナー像が形成される。中間転写ベルト31は、中間転写ベルト31上のフルカラーのトナー像を、2次転写上ローラ36及び2次転写下ローラ37に挟まれる2次転写領域へ搬送する。
一方、記録紙43が、給紙部から2次転写領域に搬送される。そして、中間転写ベルト31上に形成されたトナー像が、2次転写上ローラ36及び2次転写下ローラ37の作用によって記録紙43に転写される。このときに転写しきれずに中間転写ベルト31上に残ったトナーは、クリーニングブレード39によって除去される。
2次転写領域においてトナー像が転写された記録紙43は不図示の定着器へと搬送される。定着器(不図示)は、ヒータを備えた定着ローラと、当該定着ローラを加圧する加圧ローラとを備えている。トナー像が担持された記録紙43は、定着ローラと加圧ローラとに挟持されると共に、定着ローラと加圧ローラの回転によって搬送される。記録紙43が搬送されている間、記録紙43上のトナー像はヒータの熱と、定着ローラと加圧ローラとの圧力とによって記録紙43に定着される。
次に、感光体ドラム30の駆動軸122を回転駆動する駆動伝達装置50について図2、図3で説明する。
本実施の形態では、駆動伝達装置50によって、駆動源の回転駆動力が伝達されて回転駆動される被駆動部として感光体ドラム30を例示し、駆動源としてはモータ51を例示する。
駆動伝達装置50を画像形成装置1に適用する場合、被駆動部の他の例としては、中間転写ベルト31を駆動する駆動ローラ34や、定着ローラ等であってもよい。また、1つの駆動プーリから1つの従動プーリに駆動力を伝達する構成に限らず、1つの駆動プーリから複数の従動プーリに駆動力を伝達する構成であってもよい。
図2は、本実施の形態の駆動伝達装置の斜視図である。図3は、図2のA−A線に沿う断面図であり、モータ51の出力軸51aの軸方向の断面を示す。
駆動伝達装置50は、モータ51の回転駆動力を減速して感光体ドラム30に伝達するものである。駆動伝達装置50は、駆動プーリ52、従動プーリ53、無端状のベルト54を備える。駆動プーリ52は、モータ51の出力軸51aに結合されて回転駆動される。感光体ドラム30は従動プーリ53に対して連結され、従動プーリ53の回転により感光体ドラム30が回転する。ベルト54は、駆動プーリ52と従動プーリ53とに掛け渡され、ベルト54と両プーリ52、53との間の摩擦力により動力伝達が行われる。ベルト54は例えば平ベルトであるが、両プーリ52、53との間で摩擦伝達を行える構造であればよく、VベルトやVリブドベルト等であってもよい。
続いて、駆動伝達装置50の各々の構成部品について詳述する。まずモータ51の出力軸51aに結合された駆動プーリ52は、導電性の金属材料を円筒形状に形成してなる。駆動プーリ52は電気的に接地(GND)されている。
一方、感光体ドラム30の駆動軸122に結合された従動プーリ53は、駆動プーリ52と同様に導電性の金属材料にて形成されてなる。ただし、駆動軸122と従動プーリ53との結合部位は電気的に絶縁されている。これは、後述するように、従動プーリ53とベルト54とを静電的に吸着させるために、従動プーリ53に電圧が印加されるからである。従動プーリ53とベルト54が静電的に吸着することによって、従動プーリ53とベルト54において滑りが生じてしまうことを抑制できる。
従動プーリ53への電圧印加方法については導電性ブラシ等の印加部56にて行われる。すなわち、図2、図3に示すように、付与手段(電圧印加部)である直流高圧電源55が接続された印加部56が従動プーリ53の回転中心の近傍に設けられ、印加部56を通じて直流高圧電源55から従動プーリ53に電圧が印加される。
ここで例示する感光体ドラム30は、例えばブラック用の画像形成部25のものとし、他の3つの感光体ドラム30については、別途の伝達機構(別途のベルト及びプーリ等)を介して従動プーリ53の回転が伝達される。ただし、これに限定されるものではなく、各々の感光体ドラム30が、対応する従動プーリに連結され、各従動プーリが駆動プーリ52と共にベルトで巻回される構成であってもよい。
図4(a)は、図3のB−B線に沿う断面図である。
ベルト54は、図4(a)に示すように、ベルト54が両プーリ52、53に接する領域(環状形状の内周面)に誘電体層54aを有し、誘電体層54aの外側に導電性のある金属層54bを有している。誘電体層54aの材質は、ポリイミドの樹脂材料から構成され、従動プーリ53の軸上に加わる回転負荷を駆動伝達するために必要な有効張力に対して十分な剛性を有していればよく、例示した材料に限定されるものではない。誘電体層54aの厚みは約70μm、幅は約10mmであり、従動プーリ53の軸上に加わる回転負荷を駆動伝達するために必要な有効張力に対して十分な剛性を有していれば、例示した厚みに限定されるものではない。また金属層54bは、例えばNi等のスパッタで形成され、厚みは100nm程度である。
ベルト54は電気的に非接地な状態とされ、従動プーリ53の導電部である金属部分に高圧が印加されると共に、駆動プーリ52の導電部である金属部分が接地されている。なお、駆動プーリ52及び従動プーリ53については、それらの一部に導電性を有しない部分が存在していてもよい。以降の電気的接続に関する説明においては、特に言及がない限り、各プーリ52、53が有する導電部、すなわち金属材料の部分に関する接続を述べているものとする。
ベルト54の幅方向の両側の端部である側縁部54eは絶縁されている。これにより、ベルト54の導電部である金属層54bと駆動プーリ52との間、及び、金属層54bと従動プーリ53との間における放電が防止される。
続いて駆動伝達装置50における電気的作用について図4(b)を用いて説明する。図4(b)は、図4(a)に示す駆動伝達装置50の電気的性質を表す等価回路を示す図である。図4(b)に示すように、この回路は、駆動プーリ52を電気的に接地し、従動プーリ53に電圧を印加し、ベルト54を非接地とした構成となっている。そして、駆動プーリ52の導電部、ベルト54の導電部(金属層54b)及び従動プーリ53の導電部が電気的に直列に接続された回路となっている。
すなわち、駆動プーリ52とベルト54との間に介在する誘電体層54aによる容量成分と、従動プーリ53とベルト54との間に介在する誘電体層54aによる容量成分とが直列に接続されている。
この直列回路からも明らかなように、金属層54bと駆動プーリ52及び従動プーリ53の各外周面とはそれぞれ、誘電体層54aを介して対面するため、誘電体層54aが仮想的なコンデンサを形成することとなる。金属層54bと、駆動プーリ52及び従動プーリ53との間にそれぞれ電界が生じて静電力が作用し、電気的に吸着することとなる。この静電吸着力が発生した結果、ベルト54と、両プーリ52、53との間の垂直抗力が増して摩擦力が増大する。これにより、ベルト54と両プーリ52、53との間の滑りを抑制することができ、伝達可能な駆動力を増加させることが可能となる。
次いで、静電吸着力の発生により、伝達可能な駆動力が増加することについて数式を用いて説明する。
まず静電吸着力について説明する。図4(b)に示すように、直流高圧電源55の電圧をVに設定し、駆動プーリ52とベルト54の金属層54bとの間の静電容量をC、従動プーリ53と金属層54bとの間の静電容量をCとする。直列回路のコンデンサの公式より、駆動プーリ52と金属層54bとの間の電位差をV、従動プーリ53と金属層54bとの間の電位差をVとすると、電位差V、Vはそれぞれ数式1、2により表される。
ここで、ベルト54の誘電体層54aの誘電率をε、厚みをdとおく。単位面積あたりの静電吸着力については、駆動プーリ52と金属層54bとの間の静電吸着力をP、従動プーリ53と金属層54bと間の静電吸着力をPと記すと、数式3、4により表される。
続いて、静電吸着力による駆動力の増分について図5を用いて説明する。
まず駆動プーリ52での伝達可能な駆動力を考える。ベルト54を介して駆動プーリ52から従動プーリ53に伝達される駆動力は、駆動プーリ52の張力差(有効張力)に相当する。ここで、ベルト54が駆動プーリ52と従動プーリ53に取り付けられた状態におけるベルト53に作用する張力(初張力)をT、ベルト54の駆動プーリ52への巻き付き角度をθ、ベルト54と駆動プーリ52との摩擦係数をμとする。すると、伝達可能な駆動力Fは、オイラーの公式より数式5により表される。
一方、静電吸着力Pが加わった結果、垂直抗力が増加して摩擦力が増えたことによって発生する伝達可能な駆動力Fは、駆動プーリ52の半径r、ベルト54の幅bとした場合、数式6により表される。
よって、テンションTと静電吸着力Pとにより発生する駆動プーリ52における伝達可能な駆動力の合計(合計駆動力F)は、数式7により表される。
数式7及び数式3から、合計駆動力Fは、テンションTには1次比例だが、静電吸着力Pを発生させるための電位差Vには2次比例であることが分かる。つまり駆動力を増加させるためにはテンションTを増加させるよりも静電吸着力Pを増加させた方が効果的である。
図6は、印加電圧と駆動力との関係を示す図である。これは、合計駆動力Fを、数式7を用いて算出したものである。横軸が印加電圧(ボルト)、縦軸が駆動力(Kgf)であり、印加電圧に駆動力が2次比例していることがわかる。例えば、感光体ドラム30を適切に駆動するために必要な駆動力は3kgfである場合、必要な印加電圧は1300V程度である。この電圧値は、一般の画像形成装置に設けられる高圧電源で十分まかなえるレベルである。
数式7と同様に、従動プーリ53側で発生する駆動力の合計(合計駆動力F)は数式8により表される。ここで従動プーリ53の半径をr、ベルト54の従動プーリ53への巻き付き角をφ、ベルト54及び従動プーリ53間の摩擦係数をμとする。
なお、確実に滑りを発生させないようにするために、直流高圧電源55による印加電圧の値は余裕を持って設定する必要がある。特に、静電吸着力無しでは最も滑りやすくなるプーリ(ここでは、ベルト54の巻き付き角度が小さい駆動プーリ52)にて滑りが発生しないように留意する。そのために、従動プーリ53の軸上に加わる回転負荷を従動プーリ53の半径rで除算することで得られる値に安全率を乗算した数値よりも、合計駆動力F及び合計駆動力Fが大きくなるように設定される。
本実施の形態によれば、ベルト54が駆動プーリ52に巻回される領域においてベルト54の金属層54bと駆動プーリ52との間に誘電体層54aが介在する。また、ベルト54が従動プーリ53に巻回される領域において金属層54bと従動プーリ53との間に誘電体層54aが介在する。そして、駆動プーリ52の導電部とベルト54の金属層54bとの間に電位差を与えて両者を静電的に吸着させると共に、従動プーリ53の導電部と金属層54bとの間に電位差を与えて両者を静電的に吸着させるようにした。
これにより、ベルト54とプーリ52、53との間の摩擦力を増加させ、駆動力伝達時の滑りを抑制することができる。ギアを用いた伝達機構に比し、振動や騒音の発生も著しく少なくなる。よって、振動や騒音の低減を確保しつつ、駆動プーリ52とベルト54、及び、従動プーリ53とベルト54との滑りを防止して駆動プーリ52の回転力を従動プーリ53へ高精度に伝達することができる。ギアを廃した駆動伝達装置において、感光体ドラム30の回転駆動を安定して行うことができる。
また、静電吸着力で摩擦力が大きくなることから、テンションTを過大な値に設定しなくて済む。そのため、長期使用による精度変化(プーリ52、53の支持軸の平行度等の変化)が抑制され、駆動伝達装置50の耐久性の維持に有利である。
なお、ベルト54は誘電体層54aと金属層54bの2層構造としたが、これに限るものではなく、図4(b)に示すものと同様の直列回路が構成されればよい。そのためにはまず、ベルト54が駆動プーリ52に巻回される領域において、ベルト54の導電部である金属層54bと駆動プーリ52の導電部との間に介在する誘電体層(第1の誘電体層と呼称する)が必要である。また、ベルト54が従動プーリ53に巻回される領域において、ベルト54の導電部である金属層54bと従動プーリ53の導電部との間に介在する誘電体層(第2の誘電体層と呼称する)が必要である。第1の誘電体層は、ベルト54及び駆動プーリ52の少なくとも一方に設けられればよく、第2の誘電体層は、ベルト54及び従動プーリ53の少なくとも一方に設けられればよい。これらの例を含め、図7に変形例を示す。
まず、図4(a)に示す例の構成に加えて、図7(a)に示すように、誘電体層54aをベルト54の環状形状の外周面にも追加して、ベルト54を3層構造としてもよい。この場合、図4(a)の例と同様に、誘電体層54aが第1の誘電体層及び第2の誘電体層として機能する。
あるいは、図7(b)に示すように、駆動プーリ52の外周面に誘電体層52aを設けると共に、従動プーリ53の外周面に誘電体層53aを設け、ベルト54はステンレス鋼等の金属層54bの1層からなる構成としてもよい。金属層54bの厚みは70μm程度とする。
この場合、誘電体層52aが第1の誘電体層として機能し、誘電体層53aが第2の誘電体層として機能する。この場合の等価回路は、図4(b)に示す等価回路に対して、駆動プーリ52と金属層54bとの間の誘電体層54aに代わって誘電体層52aとなり、金属層54bと従動プーリ53との間の誘電体層54aに代わって誘電体層53aとなる。
なお、図7(c)に示すように、図7(b)に示す例の構成に加えて、ベルト54において金属層54bの外周側に誘電体層54aを形成してもよい。
また、図示はしないが、図7(b)に示す例の構成に加えて、ベルト54を、内周側に誘電体層54aを設けた2層構造としてもよい。この場合、誘電体層52aと誘電体層54aとを合わせた厚み、誘電体層53aと誘電体層54aとを合わせた厚みを、いずれも図4(a)に示す誘電体層54aの厚みと同程度にする。金属層54bの厚みは100nm程度とする。この場合、誘電体層52aと誘電体層54aとが重なる部分が協働して第1の誘電体層として機能し、誘電体層53aと誘電体層54aとが重なる部分が協働して第2の誘電体層として機能する。
ところで、本実施の形態では、静電吸着力の発生のために従動プーリ53側に電圧を印加し、駆動プーリ52側を電気的に接地する形態を示した。しかしこれに限られず、図8(a)、(b)に示す変形例を採用してもよい。すなわち、図8(a)、(b)に示すように、駆動プーリ52側に電圧を印加し、従動プーリ53側を電気的に接地する形態でもよい。このように駆動プーリ52側に電圧が印加される場合は、モータ51の出力軸51aと駆動プーリ52との結合部位は電気的に絶縁する必要がある。
本実施の形態によれば、直流高圧電源55によって駆動プーリ52とベルト54、及び、従動プーリ53とベルト54が静電的に吸着される。従って、モータ51を駆動させることによって生じる振動や騒音を低減すると共に、モータ51の回転力を感光体ドラム30に高精度に伝達することができる。
また、本実施の形態によれば、直流高圧電源55によって駆動プーリ52とベルト54、及び、従動プーリ53とベルト54が静電的に吸着される。従って、駆動プーリ52とベルト54、及び、従動プーリ53とベルト54との間の滑りによってスリップ音が生じることを抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対して、静電吸着力を発生させるための電圧印加の構成が異なり、それ以外の画像形成装置1の構成は同様である。
図9(a)は、本実施の形態の駆動伝達装置50の模式的断面図である。図9(b)は、図9(a)に示す駆動伝達装置50の電気的性質を表す等価回路を示す図である。
第1の実施の形態では、図4(a)に示したように、駆動プーリ52の導電部、ベルト54の誘電体層54a及び従動プーリ53の導電部が電気的に直列に接続された。これに対し、第2の実施の形態では、図9(a)に示すように、駆動プーリ52の導電部と従動プーリ53の導電部とが電気的に並列に接続される。
駆動プーリ52と従動プーリ53とは直流高圧電源55を用いて同電位とされる。各プーリ52、53への給電については、例えば、各プーリ52、53の中心近傍に導電性ブラシを接触させて行う。ベルト54は第1の実施の形態と同様の2層構造であり、各プーリ52、53には誘電体層54aが接触し、金属層54bは接地される。金属層54bの接地は、導電性ブラシやコロ等の接触によって行う。
プーリ52、53の各外周面は、それぞれベルト54の誘電体層54aを介して金属層54bと対面している。その結果、図9(b)に示すように、プーリ52、53と金属層54bとが対面する領域において誘電体層54aが仮想的なコンデンサを形成することとなる。
すなわち、駆動プーリ52とベルト54との間に介在する誘電体層54aによる容量成分と、従動プーリ53とベルト54との間に介在する誘電体層54aによる容量成分とが並列に接続されている。
金属層54bと、駆動プーリ52及び従動プーリ53の各導電部との間にそれぞれ電界が生じて静電力が作用し、駆動プーリ52とベルト54、及び、従動プーリ53とベルト54とが電気的に吸着する。駆動プーリ52とベルト54、及び、従動プーリ53とベルト54に静電吸着力が発生して摩擦力が増大することによる作用は第1の実施の形態と同様である。
本実施の形態において、静電吸着力の発生により、伝達可能な駆動力が増加することについて数式を用いて説明する。
まず静電吸着力について説明する。図9(b)に示すように、この等価回路は並列回路である。そのため、直流高圧電源55の電圧をVに設定した場合、駆動プーリ52とベルト54の金属層54bとの間の電位差V、従動プーリ53と金属層54bとの間の電位差VはいずれもVと同じ値となる(V=V=V)。
単位面積あたりの静電吸着力については、駆動プーリ52と金属層54bとの間の静電吸着力Pと従動プーリ53と金属層54bと間の静電吸着力Pとは同じ値となり、これら静電吸着力P、Pは、数式9により表される。
続いて、静電吸着力により伝達可能な駆動力については、第1の実施の形態で説明したのと同様である。各プーリ52、53で駆動可能な合計駆動力F、合計駆動力Fは、数式9で求められる静電吸着力P、Pを数式7、8に代入すれば求めることができる。確実に滑りを発生させないような合計駆動力F及び合計駆動力Fを設定するために、安全率を考慮して直流高圧電源55による印加電圧を設定する点は第1の実施の形態と同様である。
ところで、本実施の形態においても、ベルト54は2層構造に限定されず、ベルト54の金属層54bと駆動プーリ52の導電部との間に介在する第1の誘電体層と、金属層54bと従動プーリ53との間に介在する第2の誘電体層とを有すればよい。従って例えば、図7(a)〜(c)と同様に、図10(a)〜(c)に示した変形例を採用することができる。
また、図11(a)、(b)に本実施の形態の変形例を示す。図11(a)、(b)に示す例では、直流高圧電源55がベルト54に電圧を印加し、従動プーリ53及び駆動プーリ52が電気的に接地されている。
駆動プーリ52及び従動プーリ53は、各プーリ52、53の支持軸を介して接地してもよいし、各プーリ52、53の中心近傍に導電性ブラシを接触させて接地してもよい。ベルト54の金属層54bへの給電は、導電性ブラシやコロ等の接触によって行える。静電吸着力P、P、合計駆動力F、合計駆動力Fの算出、さらには安全率を考慮した直流高圧電源55の印加電圧の設定については図9の例と同様である。
また、図11に例示するような、直流高圧電源55がベルト54に電圧を印加する構成においても、ベルト54は2層構造に限定されない。ベルト54の金属層54bと駆動プーリ52の導電部との間に介在する第1の誘電体層と、金属層54bと従動プーリ53との間に介在する第2の誘電体層とを有する構成とすればよい。従って例えば、図10(a)〜(c)と同様に、図12(a)〜(c)に示した変形例を採用することができる。
(第3の実施の形態)
第1、第2の実施の形態では、ベルト54を介して駆動プーリ52の回転が伝達される従動プーリは1つであった。これに対し、第3の実施の形態では、従動プーリを複数(例えば2つ)とする。
図13は、第3の実施の形態の駆動伝達装置50の斜視図である。
図13に示すように、一本のベルト54を、駆動プーリ52と従動プーリ53と従動プーリ57とに掛け渡す。従動プーリ53と従動プーリ57の構成は同様である。モータ51により回転駆動される駆動プーリ52の回転を、ベルト54を介して従動プーリ53、57に伝達し、2つの感光体ドラム30を回転させる構成である。なお、従動プーリの数は3以上であってもよい。
図14(a)は、図13のC−C線に沿う断面図である。図14(b)は図14(a)に示す駆動伝達装置50の電気的性質を表す等価回路を示す図である。
ベルト54、駆動プーリ52、従動プーリ53、57の基本的構成は、第2の実施の形態(図9)に示したベルト54、駆動プーリ52、従動プーリ53と同様である。
図14(a)に示すように、駆動プーリ52及び従動プーリ53、57の導電部に直流高圧電源55を用いて電圧を印加し、ベルト54の金属層54bを接地する。すると、図14(b)に示すように、プーリ52、53、57の各外周面と金属層54bとがそれぞれ対面する3つの領域において誘電体層54aが仮想的なコンデンサを形成することとなる。これにより静電吸着力が発生して摩擦力が増加し、プーリ52、53、57とベルト54との滑りが抑制される。上記説明と同様に、ベルト54の巻き付き角度が小さい駆動プーリ52にて滑りが発生しないように留意して、直流高圧電源55による印加電圧を設定する。
この場合、駆動プーリ52と金属層54bとの間の誘電体層54aが第1の誘電体層として機能する。従動プーリ53、57と金属層54bとの間の誘電体層54aが第2の誘電体層として機能する。
また、図15(a)、(b)に本実施の形態の変形例を示す。図15(a)、(b)に示す例では、直流高圧電源55がベルト54に電圧を印加し、従動プーリ53、57及び駆動プーリ52が電気的に接地されている。
なお、図14または図15の構成においても、図10に示したような変形例が適用可能な点は第2の実施の形態と同様である。
本実施の形態によれば、直流高圧電源55によって駆動プーリ52とベルト54、及び、従動プーリ53、57とベルト54が静電的に吸着される。従って、モータ51を駆動させることによって生じる振動や騒音を低減すると共に、モータ51の回転力を感光体ドラム30に高精度に伝達することができる。
また、本実施の形態によれば、直流高圧電源55によって駆動プーリ52とベルト54、及び、従動プーリ53、57とベルト54が静電的に吸着される。従って、駆動プーリ52とベルト54、従動プーリ53とベルト54、及び、従動プーリ57とベルト54との間の滑りによってスリップ音が生じることを抑制することができる。
(第4の実施の形態)
第1〜第3の実施の形態では、全てのプーリが環状形状のベルト54の内側に配置された構成であったが、図16〜図19にも例示するように、一部のプーリがベルト54の外側に配置されてもよい。
図16は、第4の実施の形態の駆動伝達装置50の斜視図である。図17は、図16のD−D線に沿う断面図である。
第4の実施の形態では、第3の実施の形態に対して、駆動プーリ52がベルト54の外側に配置される点が異なる。また、誘電体層52aは、ベルト54の金属層54bの内側だけでなく、金属層54bの外側にも設けられる。その他の構成は第3の実施の形態と同様である。
駆動プーリ52及び従動プーリ53、57の各導電部に、直流高圧電源55を用いて電圧を印加すると共に、ベルト54の金属層54bを接地している。図17に示す駆動伝達装置50の電気的性質を表す等価回路は図14(b)に示すのと同様となる。この構成では、駆動プーリ52と金属層54bとの間の外側の誘電体層54aが第1の誘電体層として機能する。従動プーリ53、57と金属層54bとの間の内側の誘電体層54aが第2の誘電体層として機能する。
ところで、本実施の形態では、静電吸着力の発生のために従動プーリ53、57及び駆動プーリ52の側に電圧を印加し、ベルト54の側を電気的に接地する形態を示した。しかしこれに限られず、図18に示す変形例を採用してもよい。すなわち、図18に示すように、ベルト54の側に電圧を印加し、従動プーリ53、57及び駆動プーリ52を電気的に接地する形態でもよい。図18に示す駆動伝達装置50の電気的性質を表す等価回路は図15(b)に示すのと同様となる。
図16〜図18に示す例では、ベルト54の内側面及び外側面に誘電体層54aを設けた。しかし、図19(a)に変形例を示すように、誘電体層を、ベルト54に設けるのではなく、各プーリに設けてもよい。
すなわち、図19(a)に示すように、駆動プーリ52の外周面に誘電体層52aを設けると共に、従動プーリ53、57の各外周面に誘電体層53a、57aを設ける。そしてベルト54はステンレス鋼等の金属層54bの1層からなる構成とする。この場合、誘電体層52aが第1の誘電体層として機能し、誘電体層53a、57aが第2の誘電体層として機能する。なお、この例においても、図18に示すものと同様に、ベルト54の側に電圧を印加すると共に、従動プーリ53、57及び駆動プーリ52を電気的に接地する形態としてもよい。
なお、第3の実施の形態のように従動プーリが複数ある場合は、従動プーリのうち環状形状のベルトの内側に配置されるものと外側に配置されるものと混在してもよい。また、駆動プーリがベルト54の内側に配置され従動プーリが外側に配置されてもよい。
例えば、図19(b)に変形例を示すように、駆動プーリ52及び従動プーリ53がベルト54の内側に配置される。従動プーリ57がベルト54の外側に配置される。そして、ベルト54の金属層54bの内側と外側とに誘電体層54aが設けられる。この場合、内側の誘電体層54aは、第1の誘電体層及び第2の誘電体層として機能し、外側の誘電体層54aは、第2の誘電体層として機能する。
なお、図16〜図19に例示した構成においては、上記説明と同様に、静電吸着力無しでは最も滑りやすくなるプーリに留意して、直流高圧電源55による印加電圧を設定する。ここではベルト54の巻き付き角度が小さいまたはベルト54の巻き付き長さが短いプーリ(駆動プーリ52または従動プーリ57)の滑りに留意する。
(第5の実施の形態)
第3、第4の実施の形態では、駆動プーリ52の導電部と従動プーリ53の導電部とが電気的に並列に接続された。しかしこれに限られず、直列接続と並列接続とが混在してもよい。
図20(a)は、第5の実施の形態の駆動伝達装置50の模式的断面図である。図20(b)は、図20(a)に示す駆動伝達装置50の電気的性質を表す等価回路を示す図である。
駆動プーリ52及び従動プーリ53、57がベルト54の内側に配置される。そして、ベルト54の金属層54bの内側に誘電体層54aが設けられる。図20(a)に示すように、駆動プーリ52を電気的に接地し、従動プーリ53、57には直流高圧電源55を用いて同電位となる電圧が印加される。ベルト54は非接地とされる。これにより、電気的に、従動プーリ53の導電部と従動プーリ57の導電部とが並列に接続されたものに対して、駆動プーリ52の導電部が直列に接続された構成となる。
(第6の実施の形態)
上記各実施の形態では、共通の直流高圧電源55を用いて各プーリに電圧が印加されたが、直流高圧電源を複数設けてもよい。
図21(a)は、第6の実施の形態の駆動伝達装置50の模式的断面図である。図21(b)は、図21(a)に示す駆動伝達装置50の電気的性質を表す等価回路を示す図である。
直流高圧電源55Aにより駆動プーリ52に電圧が印加されると共に、直流高圧電源55Bにより従動プーリ53電圧が印加される。ベルト54の金属層54bは接地される。ベルト54の金属層54bの内側に誘電体層54aが設けられる。
なお、第5、第6の実施の形態においても、誘電体層を各プーリの外周面に設けてもよい。
なお、駆動プーリの直径が従動プーリの直径より大きい増速系にも本発明を適用可能である。また、摩擦係数が駆動プーリと従動プーリとで異なる場合もある。そのため、実質的に、静電吸着力無しでは最も滑りやすくなるプーリにて滑りが生じないように、印加電圧の値を設定するのがよい。
なお、上記各実施の形態の駆動伝達装置50において、摩擦力を増加させるために得る静電的な吸着力の元はクーロン力が主であるが、ジョンセンラーベック(Johnsen-Rahbek)力による吸着力が除外されるものではない。
なお、駆動伝達装置50による回転力の伝達対象となる被駆動部と駆動源とは、複数組設けてもよく、各組に対して本発明を適用することができる。また、被駆動部と従動プーリとの連結、駆動源と駆動プーリとの連結は、直接でなく間接的であってもよい。
本発明は、画像形成装置に限られず、シート処理装置やその他の各種装置にも適用可能である。また、画像形成装置に適用する場合でも、電子写真方式に限られず、熱転写方式、インクジェット方式等の他の方式の画像形成装置にも適用可能である。例えば、インクジェット方式においては、キャリッジを駆動するためのキャリッジベルトが被駆動部となり得る。熱転写方式においては、プラテンローラが被駆動部となり得る。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
30 感光体ドラム
50 駆動伝達装置
51 モータ
52 駆動プーリ
52a、54a、53a、57a 誘電体層
53、57 従動プーリ
54 ベルト
54b 金属層
55 直流高圧電源

Claims (12)

  1. 導電部を有し、駆動源によって回転駆動される駆動プーリと、
    導電部を有し、被駆動部に直接または間接的に連結される従動プーリと、
    導電部を有し、前記駆動プーリ及び前記従動プーリに巻回されるベルトとを有し、
    前記駆動源の回転力が、前記駆動プーリ、前記ベルト及び前記従動プーリを介して前記被駆動部に伝達される駆動伝達装置であって、
    少なくとも、前記駆動プーリと前記従動プーリ、又は、前記ベルトに誘電体層を有し、
    前記駆動プーリの前記導電部と前記ベルトの前記導電部との間に電位差を与えると共に、前記従動プーリの前記導電部と前記ベルトの前記導電部との間に電位差を与える付与手段を有することを特徴とする駆動伝達装置。
  2. 前記ベルトを非接地とし、且つ、前記付与手段は、前記駆動プーリの前記導電部と前記従動プーリの前記導電部との間にも電位差を与えることを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。
  3. 前記駆動プーリの前記導電部、または、前記従動プーリの前記導電部のいずれかが接地されることを特徴とする請求項2に記載の駆動伝達装置。
  4. 前記ベルトの前記導電部は接地されることを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。
  5. 前記駆動プーリの前記導電部、及び、前記従動プーリの前記導電部は接地されることを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達装置。
  6. 前記付与手段は、前記駆動プーリと前記ベルトとの間に介在する誘電体層による容量成分と、前記従動プーリと前記ベルトとの間に介在する誘電体層による容量成分とが直列に接続されるように、前記駆動プーリの前記導電部、又は、前記従動プーリの前記導電部に電圧を印加する電圧印加部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の駆動伝達装置。
  7. 前記付与手段は、前記駆動プーリと前記ベルトとの間に介在する誘電体層による容量成分と、前記従動プーリと前記ベルトとの間に介在する誘電体層による容量成分とが並列に接続されるように、前記駆動プーリの前記導電部と前記従動プーリの前記導電部に電圧を印加する電圧印加部を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の駆動伝達装置。
  8. 前記誘電体層は、前記駆動プーリの外周面及び前記従動プーリの外周面に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の駆動伝達装置。
  9. 前記駆動プーリ及び前記従動プーリはいずれも環状の前記ベルトの内側に配置され、前記誘電体層は、前記ベルトの内周面に設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の駆動伝達装置。
  10. 前記ベルトの幅方向の縁部は絶縁されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の駆動伝達装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の駆動伝達装置を備えた画像形成装置であって、
    前記被駆動部は、トナー像が担持される像担持体であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の駆動伝達装置を備えた画像形成装置であって、
    前記被駆動部は、感光体に形成されたトナー像が転写される中間転写ベルトを回転駆動させるためのローラであることを特徴とする画像形成装置。
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