JP2015102146A - ディファレンシャル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ディファレンシャル装置のデフリングギヤおよびドライブピニオンの回転抵抗を低減し、燃費性能を向上させることを課題とする。【解決手段】デフリングギヤ(21)の歯面に沿って、デフリングギヤ(21)の上方からドライブピニオン(11)との噛み合い部(51)に向けて設けられ、デフリングギヤ(21)が掻き上げた潤滑油を噛み合い部(51)に案内する第1ガイド部材(41)と、ドライブピニオン(11)の歯面に沿って、ドライブピニオン(11)の上方から噛み合い部(51)に向けて設けられ、ドライブピニオン(11)が掻き上げた潤滑油を噛み合い部(51)に案内する第2ガイド部材(42)と、を備えることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等に供するディファレンシャル装置、特にデフリングギヤにより潤滑油を掻き上げて潤滑を行うディファレンシャル装置に関する。
一般に、自動車に備えられて旋回時における左右の駆動輪の回転差を吸収するディファレンシャル装置は、フロントエンジン・リヤドライブ車や4輪駆動車の場合、車体前後方向に延びるプロペラシャフトに連結された傘歯車等でなるドライブピニオンと、該ドライブピニオンに噛み合わされた同じく傘歯車等でなるデフリングギヤと、該デフリングギヤに設けられた差動機構部とで構成され、該差動機構部は、前記デフリングギヤに固定されたディファレンシャルギヤケース(以下、「デフケース」という)内に、左右の車軸に連結された一対のサイドギヤと、これらのサイドギヤに噛み合わされて差動動作を行うピニオン等を収納した構成とされている。
このディファレンシャル装置においては、ピニオンギヤとサイドギヤ、デフリングギヤとドライブピニオンの噛み合い部や軸受等を潤滑する必要があり、ハウジングの底部に貯留した潤滑油を前記デフリングギヤの回転によって掻き上げて各潤滑部に供給する掻き上げ給油方式が採用されるが、この方式では、潤滑油の粘性によって掻き上げ時にデフリングギヤに回転抵抗が作用し、駆動力の損失、ひいてはエンジンの燃費性能の悪化の原因となる。
そこで、近年、燃費性能の向上のために、このデフリングギヤの回転抵抗を低減することが提案されている。例えば、特許文献1には、ディファレンシャル装置のハウジングの底部とデフリングギヤの下部との間に、必要以上に掻き上げることがないように、デフリングギヤが掻き上げる潤滑油を制限するガイドをデフリングギヤの下部側方に設けることにより、デフリングギヤの回転抵抗を低減する構成が開示されている。このときのデフリングギヤ201と、該デフリングギヤ201と噛み合うドライブピニオン202の回転方向と、掻き上げられる潤滑油の流れる方向を図9に矢印で示す。
特開2013−122260号公報
しかしながら、特許文献1に記載された構成の場合、デフリングギヤ201とドライブピニオン202によって掻き上げられた潤滑油が互いにぶつかるとき、潤滑油に乱流が発生する(図9参照)。この乱流によってデフリングギヤおよびドライブピニオンの噛み合い始めの部分(以下、「噛み合い部」という。)の周辺の潤滑油の圧力が高くなり、これがギヤ歯面に当たりデフリングギヤおよびドライブピニオンの回転抵抗の要因となっていた。
したがって、本発明の目的は、ディファレンシャル装置のデフリングギヤおよびドライブピニオンの噛み合い部周辺において潤滑油がスムーズに流れるようにすることで、デフリングギヤおよびドライブピニオンの回転抵抗を低減し、燃費性能の向上を図ることにある。
上述の目的を達成するために、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
内部に差動機構を収納するデフケースと、該デフケースを回転自在に支持するハウジングと、前記デフケースに設けられたデフリングギヤと、前記ハウジングに回転自在に支持されると共に、前記デフリングギヤと噛み合うドライブピニオンとを備え、前記ハウジング内の底部に前記デフリングギヤの回転によって掻き上げられる潤滑油を貯留するディファレンシャル装置において、
前記デフリングギヤの歯面に沿って、前記デフリングギヤの上方から前記ドライブピニオンとの噛み合い部に向けて設けられ、前記デフリングギヤが掻き上げた潤滑油を前記噛み合い部に案内する第1ガイド部材と、
前記ドライブピニオンの歯面に沿って、前記ドライブピニオンの上方から前記噛み合い部に向けて設けられ、前記ドライブピニオンが掻き上げた潤滑油を前記噛み合い部に案内する第2ガイド部材と、を備える
ことを特徴とするディファレンシャル装置である。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、
前記ドライブピニオンの歯面に沿って、前記ドライブピニオンの下方から前記第2ガイド部材に向けて設けられ、前記ドライブピニオンが掻き上げた潤滑油を前記第2ガイド部材に案内する第3ガイド部材を備える
ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1または2のいずれか1項に記載の発明において、
前記デフリングギヤの歯面に沿って、前記デフリングギヤの下方から前記第1ガイド部材に向けて設けられ、前記デフリングギヤが掻き上げた潤滑油を前記第1ガイド部材に案内する第4ガイド部材を備える
ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、
前記ハウジングの内壁と前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材は、前記ディファレンシャルケースから飛散する潤滑油を貯留可能な凹部を構成する
ことを特徴とする。
上述の構成により、本願請求項1から4の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、第1ガイド部材と第2ガイド部材を設けることで、デフリングギヤが作る流れとドライブピニオンが作る流れが両ギヤの噛み合い部付近でスムーズに合流し、乱流の発生が抑制されるので、この噛み合い部周辺の潤滑油の圧力上昇が軽減でき、デフリングギヤおよびドライブピニオンの回転抵抗を低減することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、ドライブピニオンの下方にある潤滑油をドライブピニオンの掻き上げによりドライブピニオンの上方にある前記第2ガイド部材に向けて潤滑油の流れをスムーズ(整流)に導入し、噛み合い部周辺での乱流の発生を抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、デフリングギヤの下方にある潤滑油をデフリングギヤの掻き上げにより、デフリングギヤの上方にある前記第1ガイド部材に向けて効率よく掻き上げることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、デフケースからの潤滑油の飛散量が多い高速回転時にその飛散潤滑油を貯留部に退避させることができるので、オイルレベルを低下させることができ、デフリングギヤの回転抵抗が大きくなる高速回転時に、その回転抵抗を低減することができる。
さらに、デフケースから飛散する潤滑油がピニオンシャフトの軸受に供給される構成を備える場合、上述のような潤滑油を退避可能な貯留部が設けられていないと、この軸受への潤滑油の供給量が、高速回転時に過多になり、低速回転時に不足するという問題がある。しかし、請求項4に記載の発明によれば、デフケースの高速回転時には、オイルレベルが低下し、デフリングギヤが一回転毎に掻き上げてピニオンシャフトの軸受に供給できる潤滑油の量が少なくなるので、高速回転時もこれら軸受に潤滑油が過剰に供給されることがない。一方で、デフケースの低速回転時には、オイルレベルが上昇し、デフリングギヤが一回転毎に掻き上げてピニオンシャフトの軸受に供給できる潤滑油の量が多くなるので、低速回転時もこれら軸受に必要な量を供給することができる。
本発明の好ましい実施形態であるディファレンシャル装置の全体構成を示す縦断面図である。 同ディファレンシャル装置をデフキャリア側とリアカバー側に分解した分解斜視図である。 同ディファレンシャル装置のデフキャリアの一部拡大図である。 (a)比較例および(b)本実施形態のディファレンシャル装置のリアカバー内における潤滑油の流れを示すリアカバー側正面図である。 (a)比較例および(b)本実施形態のディファレンシャル装置のデフキャリア内における潤滑油の流れを示すデフキャリア側正面図である。 (a)比較例および(b)本実施形態のディファレンシャル装置内における潤滑油の流れを示す縦断面図である。 本実施形態のディファレンシャル装置内における、(a)高速回転時と(b)低速回転時における潤滑油の流れを示す縦断面図である。 本実施形態の変形例であるディファレンシャル装置内における潤滑油の流れを示すデフキャリア側正面図と縦断面図である。 従来技術の問題点を説明するための図である。
以下、本発明の好ましい実施形態とその変形例について説明する。なお、以下では本発明に係るディファレンシャル装置1の実施例として、エンジンを車体前部に配置した4輪駆動車における後輪への動力伝達用のディファレンシャル装置について説明する。
(実施形態)
まず、本発明の好ましい実施形態のディファレンシャル装置1の全体構成について、図1から図3を参照しながら説明する。なお、図2は、差動機構20の図示を省略しており、図3は、ピニオンシャフト10の図示を省略している。
図1に示すように、ディファレンシャル装置1は、車体前後方向に延びるプロペラ軸(図示せず)の後端からカップリング機構(図示せず)を介して後方へ出力を取り出すドライブピニオンシャフト10(以下、「ピニオンシャフト10」という)と、該ピニオンシャフト10によって駆動され、左右の後輪車軸(図示せず)にトルクを分配して伝達する差動機構20とを有し、これらはハウジング30内に収納して一体化されている。なお、図1の右側が車体前方、左側が車体後方、紙面に垂直な方向が車幅方向をそれぞれ示している。
ハウジング30は、ピニオンシャフト10と差動機構20の前半部を収納するデフキャリア31と、差動機構20の後半部を収納するリアカバー32とを備え、互いにボルトで締結されて一体化される。
ピニオンシャフト10は、デフキャリア31に軸受12、13を介して回転自在に支持されると共に、その前端部がカップリング機構の出力軸(図示せず)にスプライン嵌合され、その後端部に差動機構20を駆動するドライブピニオン11が設けられている。
差動機構20は、ピニオンシャフト10の後端部のドライブピニオン11に噛み合わされたデフリングギヤ21と、該デフリングギヤ21に結合され、デフキャリア31およびリアカバー32に軸受(図示せず)を介して車幅方向の軸心周りに回転自在に支持されたデフケース22と、該デフケース22内に収納され、その軸心に直交する方向に配設されたピニオンピン23に回転自在に支持された一対のピニオン24、24と、これらのピニオン24、24に噛合された左右一対のサイドギヤ25、25と、を有する。
なお、これらのサイドギヤ25、25にそれぞれスプライン嵌合された左右の車軸(図示せず)は、デフケース22を貫通すると共に、デフキャリア31とリアカバー32の合わせ部に形成される穴を貫通して左右方向に延び、その先端にそれぞれ左右の後輪(図示せず)が取り付けられている。
ここで、ピニオンシャフト10および差動機構20が収納されたハウジング40の底部には、差動機構20における各ギヤの噛み合い部、ピニオンシャフト10の軸受12、13等の各種摩耗部品を潤滑するためのオイルが貯留されている。このオイルは、デフリングギヤ21およびドライブピニオン11の回転によって掻き上げられ、各種摩耗部品へ供給される。なお、ハウジング40の外部にオイルが漏れないように、車軸(図示せず)が貫通するデフキャリア31とリアカバー32との合わせ部の穴には、オイルシール(図示せず)が装着されている。
ドライブピニオン11およびデフリングギヤ21は、例えば、傘歯車、ハイポイドギヤ等の軸角が45°をなす歯車からなり、互いの軸線が傾斜して噛み合わされ、ドライブピニオン11に伝達された動力を最終的に減速して差動機構20に伝達する終減速機構を構成する。
また、本発明の特徴として、ハウジング30の内壁面33、34には、ハウジング30内でドライブピニオン11およびデフリングギヤ21によって掻き上げられたオイルを所望の位置または方向へ案内するための第1ガイド部材41、第2ガイド部材42、第3ガイド部材43および第4ガイド部材44が設けられている。
まず、デフキャリア31の内壁面33には、デフリングギヤ21が掻き上げたオイルを噛み合い部51に案内するための第1ガイド部材41が一体的に設けられている。この第1ガイド部材41は、デフリングギヤ21の歯面に沿って、デフリングギヤ21の上方からドライブピニオン11との噛み合い部51に向けて設けられている。
本実施形態の場合、第1ガイド部材41は、図1に示すように車幅方向からみたとき、デフリングギヤ21の歯面のうち、前側半分であって、かつドライブピニオン11の上方に位置する歯面に沿う範囲に設けられている。なお、第1ガイド部材41が設けられる範囲は、噛み合い部51の近傍のみであってもよい。
また、デフキャリア31の内壁面33には、ドライブピニオン11が掻き上げたオイルを噛み合い部51に案内するための第2ガイド部材42が一体的に設けられている。この第2ガイド部材42は、ドライブピニオン11の歯面に沿って、ドライブピニオン11の上方から噛み合い部51に向けて設けられている。
本実施形態の場合、第2ガイド部材42は、図4(b)に示すように、車体前後方向の後方からみたとき、ドライブピニオン11の歯面のうち、おおよそ11時から2時の方向に位置する歯面に沿う範囲に設けられている。なお、第2ガイド部材42が設けられる範囲は、噛み合い部51の近傍のみであってもよい。
また、本実施形態の場合、第1ガイド部材41のデフリングギヤ回転方向の終端部と、第2ガイド部材42のドライブピニオン回転方向の終端部とは、図4(b)に示すように、噛み合い部51の近傍でほぼ直交するような状態で連結されている。これによれば、第1ガイド部材41によって案内されたオイルと第2ガイド部材42によって案内されたオイルを共にスムーズに噛み合い部51に向かって案内することができる。
さらに、図2に示すように、デフキャリア31の内壁面33には、ドライブピニオン11が掻き上げたオイルを第2ガイド部材42に案内する第3ガイド部材43が一体的に設けられている。この第3ガイド部材43は、ドライブピニオン11の歯面に沿って、ドライブピニオン11の下方から第2ガイド部材42に向けて設けられている。
さらにまた、図2に示すように、リアカバー32の内壁面34には、デフリングギヤ21が掻き上げたオイルを第1ガイド部材41に案内する第4ガイド部材44が一体的に設けられている。この第4ガイド部材44は、デフリングギヤ21の歯面に沿って、デフリングギヤ21の下方から第1ガイド部材41に向けて設けられている。
本実施形態の場合、第4ガイド部材44は、図1に示すように車幅方向からみたとき、デフリングギヤ21の歯面のうちの後側半分に位置する歯面に沿う範囲に設けられている。また、第4ガイド部材44と第1ガイド部材41は、デフリングギヤ21の最上部におけるデフキャリア31とリアカバー32の合わせ部で極力離間しないように配置されている。これによれば、第4ガイド部材44によって上方まで案内されたオイルを次の第1ガイド部材41によって連続してスムーズに案内することができる。なお、第4ガイド部材44が設けられる範囲は、その下端側がオイルの液面から上方に出ない範囲で短くしてもよい。
一方、図3に示すように、第1ガイド部材41と第2ガイド部材42とデフキャリア31の内壁面33によって囲まれた部分には、デフケース22から飛散するオイルを貯留可能な凹部45が形成されている。
なお、第1乃至第3ガイド部材41〜43は、デフキャリア31を鋳造する際に、デフキャリア31と一体部品として同時に形成してもよい。同様に、第4ガイド部材44は、リアカバー32を鋳造する際に、リアカバー32と一体部品として同時に形成してもよい。また、第1乃至第4ガイド部材41〜44を別部品として形成して、デフキャリア31またはリアカバー32に組み付けてもよい。この場合、隣接するガイド部41〜44同士を一体的に形成してもよい。
次に、このように構成されたディファレンシャル装置1の動作について、第1乃至第4ガイド部材41〜44を備えていないディファレンシャル装置1’と比較しながら、図4から図7を参照しながら説明する。なお、図4乃至図7は、(a)が比較例のディファレンシャル装置1’の構成を示し、(b)が本実施形態のディファレンシャル装置1の構成を示している。
車両を前進させるとき、エンジン(図示しない)からの回転力をピニオンシャフト10に伝達すると、ドライブピニオン11は、図4に示す方向に回転する。同時に、ドライブピニオン11と噛み合うデフリングギヤ21は、図6に示す方向に回転する。デフリングギヤ21およびドライブピニオン11が回転すると、デフリングギヤ21およびドライブピニオン11が有する複数の歯によって、ハウジング40の底部に貯留しているオイルが掻き上げられる。
ここで、比較例のディファレンシャル装置1’では、図4(a)に示すように、デフリングギヤ21とドライブピニオン11によって掻き上げられたオイルは、直交する面上でそれぞれ掻き上げられたのち、噛み合い部51の上方でそれぞれの歯面から飛散し、該噛み合い部51の上方でぶつかるので、この場所を流れるオイルに乱流が発生する。
これに対して本実施形態では、図4(b)に示すように、デフリングギヤ21によって掻き上げられたオイルは、第1ガイド部材41によってデフリングギヤ21の歯面に沿って上方から噛み合い部51へ案内される。一方、ドライブピニオン11によって掻き上げられたオイルは、第2ガイド部材42によって、ドライブピニオン11の歯面に沿って上方から噛み合い部51へ案内される。したがって、これらオイルは噛み合い部51で合流するが、どちらのオイルの流れも、上方から噛み合い部51へ向かう方向であるので、この噛み合い部51で整流状態を維持して合流し、これらの流れがぶつかることによるオイルの乱流の発生が抑制されることになる。
また、本実施形態では、ドライブピニオン11が高速回転すると、デフケース22から飛散するオイルが増える。このオイルは、第1ガイド部材41と第2ガイド部材42とデフキャリア31の内壁面33とで形成された凹部45に向けて飛散し、図4(b)、図7(a)に示すように、該凹部45にオイルが貯留される。したがって、高速回転時にデフケース22から飛散するオイルを凹部45に退避させることができるので、ハウジング30の底部に貯留するオイルのレベルを低下させることができ、回転抵抗が顕著となる高速回転時にデフリングギヤ21の回転抵抗を低減することができ、結果として、燃費性能を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、デフケース22から飛散するオイルがピニオンシャフト10の軸受12、13に供給される構成となっており、仮に上述の凹部45が設けられていない場合、デフケース22の回転速度が増すとデフケース22から飛散するオイルの量も増える傾向にあるので、これら軸受12、13に供給されるオイルの量は、高速回転時には過剰になり、低速回転時には不足するおそれがある。
しかし、本実施形態の場合、オイルを退避可能な凹部45が設けられているので、高速回転時は、上述のようにオイルレベルを低下させることができる。オイルレベルが低下すると、デフリングギヤ21が一回転毎に掻き上げてピニオンシャフト10の軸受12、13に供給できるオイルの量が少なくなるので、デフリングギヤ21の回転が高速になっても、これら軸受12、13にオイルが過剰に供給されることがない。
一方で、低速回転時は、図7(b)に示すように、デフケース22から飛散するオイルが減って凹部45に退避されるオイルの量も減るので、ハウジング30の底部に貯留するオイルのレベルを上昇させることができる。オイルレベルが上昇すると、デフリングギヤ21が一回転毎に掻き上げてピニオンシャフト10の軸受12、13に供給できるオイルの量が増えるので、デフリングギヤ21の回転が低速になっても、これら軸受12、13に必要な量を供給することができる。
また、比較例のディファレンシャル装置1’では、図5(a)に示すように、デフリングギヤ21によってオイルを掻き上げる際、デフリングギヤ21の歯面から離れる方向にオイルが飛散してしまう。
これに対して、本実施形態では、図5(b)に示すように、デフリングギヤ21によって掻き上げられたオイルは、リアカバー32の内壁面34に設けられた第3ガイド部材43によって、デフリングギヤ21の歯面に沿って上方へ流すことができる。したがって、デフリングギヤ21によってオイルを効率よく掻き上げることができる。
また、比較例のディファレンシャル装置1’では、図6(a)に示すように、デフリングギヤ21によって掻き上げられたオイルは、一部が軸受12、13に向かって流されるが、一部がドライブピニオン11の上方に向かって流される。そして、ドライブピニオン11との噛み合い部51に向かって流されたオイルは、ドライブピニオン11によって掻き上げられたオイルと噛み合い部51の上方で衝突し、この衝突する場所で乱流が発生する。したがって、この乱流の影響を受け、軸受12、13に向かって流されるオイルもスムーズに流れなくなり、軸受12、13の潤滑が不十分になるおそれがある。
これに対して、本実施形態では、図6(b)に示すように、デフリングギヤ21によって掻き上げられたオイルは、一部が軸受12、13に向かって流され、一部が第1ガイド部材41によってドライブピニオン11との噛み合い部51に向かって流される。しかし、ドライブピニオン11によって掻き上げられたオイルは、第2ガイド部材42によって噛み合い部51に向けてスムーズに案内されるので乱流の発生を抑制することができる。したがって、軸受12、13に向かって流されるオイルもスムーズに流れるので、軸受12、13を確実に潤滑状態で維持することができる。
以上により、本実施形態のディファレンシャル装置1によれば、デフリングギヤ21とドライブピニオン11の掻き上げるオイルの流れをスムーズにし、乱流の発生が抑制できるので、ギヤに当たるオイルの圧力上昇が軽減でき、デフリングギヤ21およびドライブピニオン11の回転抵抗を低減することができる。
(変形例)
次に、上述の好ましい実施形態の変形例としてディファレンシャル装置100の構成について、図8を参照しながら説明する。なお、上述の実施形態と同様の機能、作用を有する構成部材については、説明を省略し、図面には同じ符号を付す。
図8(a)に示すように、ディファレンシャル装置100には、第1ガイド部材41と第2ガイド部材42とデフキャリア31の内壁面33によって形成された凹部45を囲む縦壁部材101がさらに設けられている。縦壁部材101は、ボルト等によりデフキャリア31の内壁面33に固定される。凹部45に貯められたオイルは、その縦壁部材101の下方にある第2ガイド部材42との隙間102から滴下され、再びハウジング30の底部に戻される。
デフケース22の高速回転時には、図8(b)に示すように、デフケース22から飛散したオイルは、その一部が凹部45の上方にあるデフキャリア31の内壁面33に飛ばされる。このオイルは内壁面33で反射し、または内壁面33に沿って流れて凹部45に貯留される。本変形例の場合、凹部45に縦壁部材101が設けられているので、先の実施形態よりも多くのオイルを凹部45に貯めることができる。従って、オイルレベルが低下し、デフリングギヤ21が一回転毎に掻き上げてピニオンシャフト10の軸受12、13に供給できるオイルの量がさらに少なくなるので、デフケース22と共にデフリングギヤ21の回転がさらに高速となっても、これら軸受12、13にオイルが過剰に供給されることがない。一方で、デフケース22の低速回転時には、オイルレベルが上昇し、デフリングギヤ21が一回転毎に掻き上げてピニオンシャフト10の軸受12、13に供給できるオイルの量が多くなるので、デフリングギヤ21の回転が低速となっても、これら軸受12、13に必要な量を供給することができる。
なお、本実施形態において、縦壁部材101は、デフキャリア31とは別体で形成されているが、一体的に形成してもよい。また、縦壁部材101の高さおよび第2ガイド部材42との隙間102を適宜調整することで、凹部45に貯留されるオイルの量を調整することができる。これによれば、ハウジング30の底部に貯留するオイルのオイルレベルを適宜調整することが可能である。
以上により、本実施形態の変形例のディファレンシャル装置100によれば、高速回転時にデフケース22から飛散するオイルを凹部45に退避でき、オイルレベルを低下させる一方、低速回転では、デフケース22から飛散するオイル量が少なく、隙間102からオイル滴下があることからオイルレベルを上昇させることができる。また、縦壁部材101の形状あるいは隙間102の寸法を変更することで、退避する量も適宜調節可能であるので、ハウジング30の底部に貯留するオイルのオイルレベルを調整することができ、摩耗部品の潤滑とデフリングギヤ21の回転抵抗の低減を両立することが比較的容易にできる。
なお、本発明は例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明に係るディファレンシャル装置1の実施例として、エンジンを車体前部に配置した4輪駆動車における後輪への動力伝達用のディファレンシャル装置について説明したが、エンジンを車体前部に配置した後輪駆動車のディファレンシャル装置に適用してもよい。
以上のように、本発明によれば、ディファレンシャル装置において、デフリングギヤおよびドライブピニオンの回転抵抗を低減し、燃費性能を向上できるので、自動車等の技術分野において好適に利用される可能性がある。
1、100: ディファレンシャル装置
11: ドライブピニオン
20: 差動機構
21: デフリングギヤ
22: デフケース
30: ハウジング
33: 内壁面(内壁)
41: 第1ガイド部材
42: 第2ガイド部材
43: 第3ガイド部材
44: 第4ガイド部材
45: 凹部
51: 噛み合い部

Claims (4)

  1. 内部に差動機構を収納するデフケースと、該デフケースを回転自在に支持するハウジングと、前記デフケースに設けられたデフリングギヤと、前記ハウジングに回転自在に支持されると共に、前記デフリングギヤと噛み合うドライブピニオンとを備え、前記ハウジング内の底部に前記デフリングギヤの回転によって掻き上げられる潤滑油を貯留するディファレンシャル装置において、
    前記デフリングギヤの歯面に沿って、前記デフリングギヤの上方から前記ドライブピニオンとの噛み合い部に向けて設けられ、前記デフリングギヤが掻き上げた潤滑油を前記噛み合い部に案内する第1ガイド部材と、
    前記ドライブピニオンの歯面に沿って、前記ドライブピニオンの上方から前記噛み合い部に向けて設けられ、前記ドライブピニオンが掻き上げた潤滑油を前記噛み合い部に案内する第2ガイド部材と、を備える
    ことを特徴とするディファレンシャル装置。
  2. 前記ドライブピニオンの歯面に沿って、前記ドライブピニオンの下方から前記第2ガイド部材に向けて設けられ、前記ドライブピニオンが掻き上げた潤滑油を前記第2ガイド部材に案内する第3ガイド部材を備える
    ことを特徴とする前記請求項1に記載のディファレンシャル装置。
  3. 前記デフリングギヤの歯面に沿って、前記デフリングギヤの下方から前記第1ガイド部材に向けて設けられ、前記デフリングギヤが掻き上げた潤滑油を前記第1ガイド部材に案内する第4ガイド部材を備える
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のディファレンシャル装置。
  4. 前記ハウジングの内壁と前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材は、前記ディファレンシャルケースから飛散する潤滑油を貯留可能な凹部を構成する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のディファレンシャル装置。
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