ところが、従来の真空排気装置には、以下の解決すべき問題点が存在する。すなわち、従来の真空排気装置では、第1バルブ、第2バルブおよび第3バルブの開閉状態を変更することで第1真空ポンプおよび第2真空ポンプを並列接続状態および直列接続状態のいずれかに切り替える構成が採用されている。この場合、上記の特許文献1には、各バルブの開閉順序について明示されていないが、例えば、両真空ポンプを直列接続状態に切り替える際に、第2バルブを開くのに先立って第3バルブを閉じたとき(第3バルブを閉じるのが第2バルブを開くのよりも早いとき)には、第1ポンプにおいて、いわゆる締切り運転が生じ、第1ポンプから吐出される空気の移動先が存在しない状態となる。かかる状態においては、第1ポンプに大きな負担がかかり、締切り運転の時間が長いとき(第3バルブを閉じてから第2バルブを開くまでの時間が長いとき)には、第1ポンプが故障するおそれがあるという問題点が存在する。
また、この種の真空排気装置では、例えば、排気対象から大量の空気が吸引される状態となったときに、排気対象と真空排気装置とを相互に接続している配管内の真空圧が大きく低下することがある。このような状態となったときには、直列接続状態で運転している両真空ポンプを並列接続状態に切り替えることにより、配管内の真空圧を短時間で上昇させる必要が生じる。この場合、上記の特許文献1には、直列接続状態から並列接続状態への切替えについて明示されていないが、並列接続状態に切り替える際に、例えば、第3バルブを開くのに先立って第2バルブを閉じたとき(第2バルブを閉じるのが第3バルブを開くのよりも早いとき)には、第1ポンプにおいて締切り運転が生じ、第1ポンプから吐出される空気の移動先が存在しない状態となる。かかる状態においても、第1ポンプに大きな負担がかかり、締切り運転の時間が長いとき(第2バルブを閉じてから第3バルブを開くまでの時間が長いとき)には、第1ポンプが故障するおそれがあるという問題点が存在する。
さらに、従来の真空排気装置では、バルブ開閉の制御を行う制御手段によって3つのバルブの開閉が自動的に行われる構成が採用されている。この場合、制御手段によって開閉制御されるバルブ(電磁弁)は、その部品コストが高いことが知られている。このため、従来の真空排気装置では、高価なバルブを3つ備えて構成されていることに起因して、その製造コストの低減が困難となっているという問題点もある。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストの低減を図りつつ、吸引装置の故障を回避し得る吸引システムを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1記載の吸引システムは、第1吸引装置および第2吸引装置を備えて当該両吸引装置によって吸引対象から気体を吸引可能に構成されると共に、前記両吸引装置の吸入口を前記吸引対象にそれぞれ接続する並列接続状態と、前記第1吸引装置の前記吸入口を前記吸引対象に接続すると共に前記第2吸引装置の前記吸入口を当該第1吸引装置の排出口に接続する直列接続状態とのいずれかに切り替え可能に構成された吸引システムであって、前記第1吸引装置の前記吸入口を前記吸引対象に接続する第1接続用配管と、前記第2吸引装置の前記吸入口を前記吸引対象に接続する第2接続用配管と、前記第2接続用配管に配設された第1開閉弁と前記第1吸引装置の前記排出口に接続された排出用配管と、前記排出用配管に配設された第2開閉弁と、前記排出用配管における前記第1吸引装置側の端部および当該排出用配管における前記第2開閉弁の配設部位の間に一端部が接続されると共に、前記第2接続用配管における前記第2吸引装置側の端部および当該第2接続用配管における前記第1開閉弁の配設部位の間に他端部が接続された第3接続用配管と、前記第3接続用配管に配設された第3開閉弁とを備え、前記第2開閉弁は、前記第1吸引装置側の端部から前記排出用配管の外部に向かう気体の移動を許容すると共に当該排出用配管の外部から当該第1吸引装置側の端部に向かう気体の移動を規制する逆止弁で構成されている。
請求項2記載の吸引システムは、請求項1記載の吸引システムにおいて、前記両吸引装置を前記並列接続状態および前記直列接続状態のいずれかに切替え制御する制御部を備え、前記第1開閉弁は、前記吸引対象から前記第2吸引装置に向かう気体の移動を許容すると共に前記第2接続用配管における前記第3接続用配管の接続部位から当該吸引対象に向かう気体の移動を規制する逆止弁で構成され、前記第3開閉弁は、前記制御部によって開閉制御される電磁弁で構成され、前記制御部は、前記第3開閉弁を開口制御することで前記排出用配管から前記第2接続用配管に向かう空気の移動を許容して前記両吸引装置を前記直列接続状態に切り替えると共に、前記第3開閉弁を閉塞制御することで前記排出用配管から前記第2接続用配管に向かう空気の移動を規制して前記両吸引装置を前記並列接続状態に切り替える。
請求項3記載の吸引システムは、請求項2記載の吸引システムにおいて、前記第1接続用配管内の真空圧を検出する圧力センサを備え、前記制御部は、前記圧力センサからのセンサ信号に基づいて前記第1接続用配管内の真空圧を特定すると共に、当該特定した真空圧が予め規定された第1真空圧を超えたときに前記第3開閉弁を開口制御して前記両吸引装置を前記直列接続状態に切り替えると共に、当該特定した真空圧が予め規定された第2真空圧を下回ったときに前記第3開閉弁を閉塞制御して前記両吸引装置を前記並列接続状態に切り替える。なお、「第1真空圧を超えたとき」には、「第1真空圧を超えた瞬間」だけでなく、「第1真空圧を超えてから予め規定された数秒程度の時間(僅かな時間)が経過した時点(この時点での真空圧の程度に拘わらず)」や、「第1真空圧を超えてから予め規定された数秒程度の時間(僅かな時間)が経過した時点において第1真空圧を超えた状態が維持されているとき」などがこれに含まれる。同様にして、「第2真空圧を下回ったとき」には、「第2真空圧を下回った瞬間」だけでなく、「第2真空圧を下回ってから予め規定された数秒程度の時間(僅かな時間)が経過した時点(この時点での真空圧の程度に拘わらず)」や、「第2真空圧を下回ってから予め規定された数秒程度の時間(僅かな時間)が経過した時点において第2真空圧を下回った状態が維持されているとき」などがこれに含まれる。
請求項4記載の吸引システムは、請求項1記載の吸引システムにおいて、前記両吸引装置を前記並列接続状態および前記直列接続状態のいずれかに切替え制御する制御部を備え、前記第1開閉弁および前記第3開閉弁は、前記制御部によって開閉制御される電磁弁でそれぞれ構成され、前記制御部は、前記第1開閉弁を閉塞制御することで前記第2接続用配管における前記第3接続用配管の接続部位から前記吸引対象に向かう気体の移動を規制し、かつ前記第3開閉弁を開口制御することで前記排出用配管から前記第2接続用配管に向かう空気の移動を許容して前記両吸引装置を前記直列接続状態に切り替えると共に、前記第1開閉弁を開口制御することで前記吸引対象から前記第2吸引装置に向かう気体の移動を許容し、かつ前記第3開閉弁を閉塞制御することで前記排出用配管から前記第2接続用配管に向かう空気の移動を規制して前記両吸引装置を前記並列接続状態に切り替える。
請求項5記載の吸引システムは、請求項4記載の吸引システムにおいて、前記制御部は、前記両吸引装置を前記直列接続状態に切り替えるときに、前記第1開閉弁を閉塞制御した後に前記第3開閉弁を開口制御する。
請求項6記載の吸引システムは、請求項4または5記載の吸引システムにおいて、前記制御部は、前記両吸引装置を前記並列接続状態に切り替えるときに、前記第1開閉弁を開口制御した後に前記第3開閉弁を閉塞制御する。
請求項7記載の吸引システムは、請求項4から6のいずれかに記載の吸引システムにおいて、前記第2接続用配管における前記吸引対象側の端部と前記第1開閉弁の配設部位との間に配設されて当該吸引対象から前記第2吸引装置に向かう空気の移動を許容すると共に前記第3接続用配管の接続部位から当該吸引対象に向かう空気の移動を規制する逆止弁で構成された第4開閉弁を備えている。
請求項8記載の吸引システムは、請求項4から7のいずれかに記載の吸引システムにおいて、前記第1接続用配管内の真空圧を検出する圧力センサを備え、前記制御部は、前記圧力センサからのセンサ信号に基づいて前記第1接続用配管内の真空圧を特定すると共に、当該特定した真空圧が予め規定された第1真空圧を超えたときに前記第1開閉弁を閉塞制御し、かつ前記第3開閉弁を開口制御して前記両吸引装置を前記直列接続状態に切り替えると共に、当該特定した真空圧が予め規定された第2真空圧を下回ったときに前記第1開閉弁を開口制御し、かつ前記第3開閉弁を閉塞制御して前記両吸引装置を前記並列接続状態に切り替える。
請求項1記載の吸引システムによれば、第1吸引装置の排出口に接続されている排出用配管に配設された第2開閉弁を、第1吸引装置側の端部から排出用配管の外部に向かう気体の移動を許容すると共に排出用配管の外部から第1吸引装置側の端部に向かう気体の移動を規制する逆止弁で構成したことにより、直列接続状態への切り替えに際して第3開閉弁が開口制御されることで排出用配管から第2接続用配管に向かう空気の移動が許容されたときに第1吸引装置からの空気の排出圧によって第2開閉弁が閉塞状態となるため、第3開閉弁が開口制御されるのに先立って第1吸引装置の排出口から排出用配管の外部に向かう空気の移動が規制される事態を回避できる結果、直列接続状態への切り替えに際して第1吸引装置に締切り運転が生じる事態を回避することができる。また、並列接続状態への切り替えに際して第3開閉弁が閉塞制御されることで排出用配管から第2接続用配管に向かう空気の移動が規制されたときに、第1吸引装置からの空気の排出圧によって第2開閉弁が自動的に開口状態となって第1吸引装置の排出口から排出用配管の外部に向かう空気の移動が許容されて第1吸引装置から排出された空気が排出用配管から排出されるため、並列接続状態への切り替えに際しても第1吸引装置に締切り運転が生じる事態を好適に回避することができる。これにより、第1吸引装置に大きな負担がかかる事態を回避できるため、第1吸引装置の故障を好適に回避することができる。さらに、直列接続状態および並列接続状態のいずれかに切り替えるために必要な複数の開閉弁の一部を安価な逆止弁で構成したことにより、吸引システムの製造コストを十分に低減することができる。
また、請求項2記載の吸引システムでは、第2接続用配管に配設された第1開閉弁を、吸引対象から第2吸引装置に向かう気体の移動を許容すると共に第2接続用配管における第3接続用配管の接続部位から吸引対象に向かう気体の移動を規制する逆止弁で構成すると共に、制御部が、排出用配管と第2接続用配管とを相互に接続する第3接続用配管に配設された第3開閉弁を開口制御することで排出用配管から第2接続用配管に向かう空気の移動を許容して両吸引装置を直列接続状態に切り替えると共に、第3開閉弁を閉塞制御することで排出用配管から第2接続用配管に向かう空気の移動を規制して両吸引装置を並列接続状態に切り替える。
したがって、請求項2記載の吸引システムによれば、直列接続状態への切り替えに際して第3開閉弁が開口制御されて第1吸引装置の排出口から排出用配管に排出された空気が第3接続用配管を介して第2接続用配管に流入したときに、第1開閉弁が自動的に閉塞状態に切り替わって第2接続用配管における第3接続用配管の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動が規制されるため、直列接続状態への切り替えに際して吸引対象に供給される真空圧が低下する事態を好適に回避することができる。また、並列接続状態への切り替えに際して第3開閉弁が閉塞制御されて排出用配管から第2接続用配管に向かう空気の移動が規制され、その状態で第2吸引装置による第2接続用配管内の空気の吸引によって第2接続用配管内の真空圧が十分に上昇したときに、第1開閉弁が自動的に開口状態に切り替わって吸引対象から第2吸引装置に向かう空気の移動が許容されるため、並列接続状態への切り替えに際して吸引対象に供給される真空圧が低下する事態も好適に回避することができる。さらに、並列接続状態への切り替えに際して第2吸引装置による吸引によって第2接続用配管内の真空圧が上昇したときに第1開閉弁が自動的に開口状態に切り替わるため、並列接続状態への切り替えに際して第2吸引装置に無理引きが生じる事態も好適に回避することができる。
さらに、請求項3記載の吸引システムによれば、制御部が、圧力センサからのセンサ信号に基づいて特定した第1接続用配管内の真空圧が第1真空圧を超えたときに第3開閉弁を開口制御して両吸引装置を直列接続状態に切り替えると共に、第1接続用配管内の真空圧が第2真空圧を下回ったときに第3開閉弁を閉塞制御して両吸引装置を並列接続状態に切り替えることにより、吸引対象の状態に応じて両吸引装置を自動的に直列接続状態および並列接続状態のいずれかに切り替えることができるため、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から十分な量の空気を確実に吸引することができる。
また、請求項4記載の吸引システムによれば、制御部が、第1開閉弁を閉塞制御することで第2接続用配管における第3接続用配管の接続部位から吸引対象に向かう気体の移動を規制し、かつ第3開閉弁を開口制御することで排出用配管から第2接続用配管に向かう空気の移動を許容して両吸引装置を直列接続状態に切り替えると共に、第1開閉弁を開口制御することで吸引対象から第2吸引装置に向かう気体の移動を許容し、かつ第3開閉弁を閉塞制御することで排出用配管から第2接続用配管に向かう空気の移動を規制して両吸引装置を並列接続状態に切り替えることにより、直列接続状態への切り替えに際して、第2接続用配管における第3接続用配管の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動を確実に規制することができ、また、並列接続状態への切り替えに際して吸引対象から第2吸引装置に向かう空気の移動を確実に許容することができる。
さらに、請求項5記載の吸引システムによれば、制御部が、両吸引装置を直列接続状態に切り替えるときに、第1開閉弁を閉塞制御した後に、第3開閉弁を開口制御することにより、直列接続状態への切り替えに際して第1開閉弁が閉塞制御されて第2接続用配管における第3接続用配管の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動が規制された後に第3開閉弁が開口制御されて第1吸引装置の排出口から排出用配管に排出された空気が第3接続用配管を介して第2接続用配管に流入するため、直列接続状態への切り替えに際して吸引対象に供給される真空圧が低下する事態を好適に回避することができる。
また、請求項6記載の吸引システムによれば、制御部が、両吸引装置を並列接続状態に切り替えるときに、第1開閉弁を開口制御した後に、第3開閉弁を閉塞制御することにより、並列接続状態への切り替えに際して、第1開閉弁が開口制御されて吸引対象から第2吸引装置に向かう空気の移動が許容される以前に第3開閉弁が閉塞制御されて排出用配管から第2接続用配管に向かう空気の移動が規制される事態が回避されるため、並列接続状態への切り替えに際して第2吸引装置に無理引きが生じる事態を好適に回避することができる。
さらに、請求項7記載の吸引システムによれば、吸引対象から第2吸引装置に向かう空気の移動を許容すると共に第3接続用配管の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動を規制する逆止弁で構成された第4開閉弁を第2接続用配管における吸引対象側の端部と第1開閉弁の配設部位との間に配設したことにより、並列接続状態への切り替えに際して第1開閉弁が開口制御されてから第3開閉弁が閉塞制御されるまでの間に第1吸引装置から排出用配管に排出された空気が第3接続用配管を介して第2接続用配管に流入したときに、第4開閉弁が自動的に閉塞状態に切り替わって第2接続用配管における第3接続用配管の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動が規制されるため、並列接続状態への切り替えに際して吸引対象に供給される真空圧が低下する事態を好適に回避することができる。
また、請求項8記載の吸引システムによれば、制御部が、圧力センサからのセンサ信号に基づいて特定した第1接続用配管内の真空圧が第1真空圧を超えたときに第1開閉弁を閉塞制御し、かつ第3開閉弁を開口制御して両吸引装置を直列接続状態に切り替えると共に、第1接続用配管内の真空圧が第2真空圧を下回ったときに第1開閉弁を開口制御し、かつ第3開閉弁を閉塞制御して両吸引装置を並列接続状態に切り替えることにより、吸引対象の状態に応じて両吸引装置を自動的に直列接続状態および並列接続状態のいずれかに切り替えることができるため、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から十分な量の空気を確実に吸引することができる。
なお、本明細書においては、「大気圧よりも低い圧力(負圧)」を「真空圧」といい、「大気圧以上の圧力(正圧)」を単に「圧力」という。また、絶対真空に近い真空圧となっている状態を「真空圧が高い状態(高真空状態)」といい、大気圧に近い真空圧となっている状態を「真空圧が低い状態(低真空状態)」といい、大気圧に近い真空圧から絶対真空に近い真空圧に変化することを「真空圧が上昇する」といい、絶対真空に近い真空圧から大気圧に近い真空圧に変化することを「真空圧が低下する」という。
以下、添付図面を参照して、吸引システムの実施の形態について説明する。
最初に、吸引システム1の構成について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す吸引システム1は、「吸引システム」の一例であって、真空ポンプ2a,2b、インバータ回路2c、圧力センサ3および制御部4を備え、射出成型機、吸着保持装置、真空包装機、並びに、箱体および袋体等の各種容器内の空気を脱気する工具等の各種吸引対象から真空ポンプ2a,2bによって空気(「気体」の一例)を吸引する(吸引対象に対して真空圧を供給する)ことができるように構成されている。
具体的には、この吸引システム1では、真空ポンプ2aの吸入口が配管P1a,P1を介して吸引対象に接続されると共に、真空ポンプ2bの吸入口が配管P1b,P1を介して吸引対象に接続され、かつ、真空ポンプ2aの排出口が配管P2aを介して大気開放されると共に、真空ポンプ2bの排出口が配管P2bを介して大気開放されている。
この場合、配管P1aには、配管P1側(吸引対象側)から真空ポンプ2aに向かう空気の移動を許容し、かつ逆向きへの空気の移動を規制する逆止弁CV1(ボール式、ディスク式、およびスイング式などの機械式一方向性弁:一例として、ボールチェックバルブ)が配設されている。また、配管P1bには、配管P1側(吸引対象側)から真空ポンプ2bに向かう空気の移動を許容し、かつ逆向きへの空気の移動(配管P1bにおける後述の配管P3の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動)を規制する逆止弁(一例として、ボールチェックバルブ)CV2が配設されている。これにより、この吸引システム1では、真空ポンプ2a,2bの停止時においても、ある程度の時間に亘って配管P1内の真空圧の低下を阻止することが可能となっている。なお、真空ポンプ2a,2bの停止時に配管P1内の真空圧を維持する必要がないときには、上記の逆止弁CV1を不要とすることができる。
さらに、配管P2aには、真空ポンプ2aの排出口から配管P2aの外部に向かう空気の移動(大気への排出)を許容すると共に、配管P2aの外部から真空ポンプ2aの排出口に向かう空気の移動(配管P2aからの大気の進入)を規制する逆止弁(一例として、ボールチェックバルブ)CV3が配設されている。
また、この吸引システム1では、上記の配管P2aにおける真空ポンプ2a側の端部と逆止弁CV3の配設部位との間に一端部が接続されると共に、配管P1bにおける真空ポンプ2b側の端部と逆止弁CV2の配設部位との間に他端部が接続された配管P3を備えている。この場合、この配管P3には、後述するように制御部4の制御に従って配管P3を開口または閉塞する電磁弁SV1が配設されている。これにより、この吸引システム1では、後述するようにして、電磁弁SV1を閉塞状態にすることで吸引対象に対して真空ポンプ2a,2bを並列に接続した状態(並列接続状態)と、電磁弁SV1を開口状態にすることで吸引対象に対して真空ポンプ2a,2bを直列に接続した状態(直列接続状態)とのいずれかに切り替えることが可能となっている。
なお、本例の吸引システム1では、配管P1,P1aが相俟って「第1接続用配管」に相当すると共に、配管P1,P1bが相俟って「第2接続用配管」に相当する。また、本例では、配管P2aが「排出用配管」に相当すると共に、配管P3が「第3接続用配管」に相当する。さらに、本例では、配管P1bに配設されている逆止弁CV2が「第1開閉弁」に相当し、配管P2aに配設されている逆止弁CV3が「第2開閉弁」に相当し、かつ配管P3に配設されている電磁弁SV1が「第3開閉弁」に相当する。
真空ポンプ2a,2bは、インバータ回路2cから供給される電力の周波数に応じた回転数(回転速)で回転するモータを動力源として備えて構成されている。この場合、本例では、一例として、真空ポンプ2aが「第1吸引装置」に相当し、かつ真空ポンプ2bが「第2吸引装置」に相当する。また、本例の吸引システム1では、一例として、回転数あたりの吸引能力が同じ真空ポンプ(処理能力が同じ真空ポンプ)で両真空ポンプ2a,2bが構成されている。
インバータ回路2cは、制御部4と相俟って「制御部」を構成し、制御部4の制御に従って真空ポンプ2a,2bへの供給電力の周波数をそれぞれ変化させることで真空ポンプ2a,2bを任意の回転数で作動させる(真空ポンプ2a,2bの回転数を制御する)。圧力センサ3は、一例として、前述した配管P1に配設され、真空ポンプ2a,2bによって空気を吸引しているときの配管P1内の真空圧(「第1接続用配管内の真空圧」の一例)を特定可能なセンサ信号を出力する。
制御部4は、上記したように、インバータ回路2cと相俟って「制御部」を構成し、吸引システム1を総括的に制御する。具体的には、制御部4は、圧力センサ3からのセンサ信号に基づいて配管P1内の真空圧を演算する。また、制御部4は、演算した配管P1内の真空圧や、吸引システム1の運転状態に応じて、電磁弁SV1を閉塞状態に制御して真空ポンプ2a,2bを並列接続状態にしたり、電磁弁SV1を開口状態に制御して真空ポンプ2a,2bを直列接続状態にしたりする(切替え制御の実行)。さらに、制御部4は、インバータ回路2cを制御して両真空ポンプ2a,2bに対して電力を供給させることで真空ポンプ2a,2bを動作させる。
次に、吸引システム1によって吸引対象から空気を吸引する吸引処理(真空圧の供給処理)について、添付図面を参照して説明する。
この吸引システム1では、図示しない操作部のスタートスイッチが操作されたときに、制御部4が、電磁弁SV1を閉塞状態に制御すると共に、インバータ回路2cを制御して両真空ポンプ2a,2bの運転を開始させる。この際には、電磁弁SV1の閉塞制御によって配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が規制されて両真空ポンプ2a,2bが並列接続状態となる。また、インバータ回路2cからの電力の供給により、真空ポンプ2aが配管P1a内の空気の吸引を開始し、かつ真空ポンプ2bが配管P1b内の空気の吸引を開始する。
この場合、真空ポンプ2a,2bの作動開始時点においては、各配管P1,P1a,P1b,P2a,P2b,P3内が大気圧となっている。したがって、真空ポンプ2aによって配管P1a内の空気が吸引されることで逆止弁CV1が開口状態となって吸引対象から真空ポンプ2aに向かう空気の移動が許容されると共に、真空ポンプ2bによって配管P1b内の空気が吸引されることで逆止弁CV2が開口状態となって吸引対象から真空ポンプ2bに向かう空気の移動が許容される。この結果、配管P1,P1aを介して真空ポンプ2aによって吸引対象から空気が吸引されると共に、配管P1,P1bを介して真空ポンプ2bによって吸引対象から空気が吸引される。これにより、配管P1,P1a,P1b内が真空状態となり、真空ポンプ2a,2bの作動開始からの経過時間に応じてその真空圧が徐々に上昇する。
また、配管P1,P1aを介して真空ポンプ2aに吸引された空気は、排出口から配管P2aに排出される。この際に、この吸引システム1では、配管P2aにおける真空ポンプ2aとは逆側の端部が大気に開放されて大気圧となっている。また、配管P2aに接続された配管P3に配設されている電磁弁SV1が閉塞制御されて配管P2aから配管P3への空気の進入が規制されているため、真空ポンプ2aの排出口からの空気の排出圧によって、配管P2aにおける真空ポンプ2aと逆止弁CV3との間の圧力が上昇する。これにより、逆止弁CV3が開口状態となり、真空ポンプ2aにおいて締切り運転が生じることなく、真空ポンプ2aから配管P2aに排出された空気が逆止弁CV3を通過して大気中に放出される。また、配管P1,P1bを介して真空ポンプ2bに吸引された空気は、排出口から配管P2bを介して大気中に放出される。
一方、制御部4は、上記の電磁弁SV1の閉塞制御およびインバータ回路2cからの電力の供給制御を行うのと同時に、圧力センサ3から出力されるセンサ信号に基づく配管P1内の真空圧の演算(特定)を開始する。また、制御部4は、演算した真空圧が、一例として93.0kPa(「第1真空圧」の一例)を超えてから予め規定された数秒程度の時間が経過した時点において93.0kPaを超えた状態が維持されているときに(「第1真空圧を超えたとき」の一例)、両真空ポンプ2a,2bの動作を継続させつつ、電磁弁SV1を開口制御して両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態に切り替える。なお、上記の「第1真空圧」としては、並列接続状態で運転を継続するよりも直列接続状態に切り替えた方が単位時間あたりの空気の吸引量(単位時間あたりの真空圧の上昇量)が増加する真空圧を規定すればよい。
この際には、電磁弁SV1が開口制御されることにより、真空ポンプ2aの排出口に接続されている配管P2aと、真空ポンプ2bの吸入口に接続されている配管P1bとが配管P3を介して連通した状態となって配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が許容され、真空ポンプ2aの排出口と真空ポンプ2bの吸入口とが相互に接続された状態となる。また、真空ポンプ2aから配管P2aに排出される空気が配管P3,P1bを介して真空ポンプ2bによって吸引され、これにより、配管P2aにおける真空ポンプ2aと逆止弁CV3との間の真空圧が上昇する。この結果、逆止弁CV3が閉塞状態となって配管P2aへの大気の進入、および真空ポンプ2aから配管P2aに排出された空気の大気開放が規制される。
さらに、後述するように真空ポンプ2aの吸引効率が向上して配管P1,P1a内の真空圧が上昇し、かつ真空ポンプ2aから排出された空気が配管P2a,P3を介して配管P1bに流入する分だけ配管P1bにおける配管P3の接続部位側(真空ポンプ2b側)の真空圧が低下するため、逆止弁CV2が閉塞状態となり、配管P1から配管P1bを介して真空ポンプ2bに向かう空気の移動が規制される。これにより、両真空ポンプ2a,2bが直列接続状態に切り替わる。
また、両真空ポンプ2a,2bが直列接続状態に切り替えられたときには、真空ポンプ2aから排出された空気が真空ポンプ2bによって吸引されるため、真空ポンプ2aの排気抵抗が軽減される分だけ、真空ポンプ2aの吸引効率が向上する。したがって、直列接続状態で両真空ポンプ2a,2bによる空気の吸引を継続することにより、配管P1a,P1内の真空圧が並列接続状態において到達可能な真空圧よりも高くなった状態においても、吸引対象から空気を吸引することが可能となる。これにより、配管P1a,P1内の真空圧がさらに上昇し、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から空気が吸引される。
この場合、前述したように、従来の真空排気装置において両真空ポンプを直列接続状態に切り替える際に、第2バルブを開くのに先立って第3バルブが閉じられたときには、第1ポンプにおいて締切り運転が生じて第1ポンプに大きな負担がかかり、締切り運転の時間が長いときには、第1ポンプが故障するおそれがある。これに対して、「第2開閉弁」が逆止弁CV3で構成されている本例の吸引システム1では、直列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV1が開口制御されたときに、逆止弁CV3が自動的に閉塞状態に切り替わる。したがって、直列接続状態への切り替えに際して、電磁弁SV1が開口制御された後に逆止弁CV3が閉塞状態となるこの吸引システム1では、真空ポンプ2aにおいて締切り運転が生じる事態が好適に回避される。
また、従来の真空排気装置において両真空ポンプを直列接続状態に切り替える際に、第1バルブを閉じるのに先立って第2バルブが開かれたときには、両真空ポンプの吸入口を排気対象(吸引対象)に接続するための配管内に、第1ポンプから吐出された空気が流入し、これに起因して、排気対象(吸引対象)に接続されている配管内の真空圧が低下するおそれがある。これに対して、直列接続状態への切り替えに際して、電磁弁SV1が開口制御された直後に逆止弁CV2が自動的に閉塞状態となるこの吸引システム1では、真空ポンプ2aから配管P2a,P3を介して配管P1bに向かって移動した空気が配管P1に流入することがないため、配管P1内の真空度が低下する事態も好適に回避される。
一方、例えば、吸引対象の状態が変化して単位時間あたりに大量の空気が吸引対象から吸引される状態(吸引システム1に対する負荷が増大した状態)となったときには、直列接続状態では吸引対象から十分に空気を吸引することが困難となり、配管P1内の真空圧が徐々に低下することがある。したがって、制御部4は、直列接続状態での運転中に、圧力センサ3から出力されるセンサ信号に基づく配管P1内の真空圧が、一例として93.0kPa(「第2真空圧」の一例)を下回ってから予め規定された数秒程度の時間が経過した時点において93.0kPaを下回った状態が維持されているときに(「第2真空圧を下回ったとき」の一例)、両真空ポンプ2a,2bの動作を継続させつつ、電磁弁SV1を閉塞制御して両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態に切り替える。なお、上記の「第2真空圧」としては、直列接続状態で運転を継続するよりも並列接続状態に切り替えた方が単位時間あたりの空気の吸引量(単位時間あたりの真空圧の上昇量)が増加する真空圧、すなわち、直列接続状態から並列接続状態に切り替えた方が、吸引対象において必要とされる真空圧まで上昇させるのに要する時間が短くなる(必要とされる真空圧まで短時間で復帰できる)真空圧を規定すればよい。
この際には、電磁弁SV1が閉塞制御されることによって配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が規制される。したがって、真空ポンプ2aの排出口からの空気の排出圧によって配管P2aにおける真空ポンプ2aと逆止弁CV3との間の圧力が上昇する結果、逆止弁CV3が開口状態となり、真空ポンプ2aにおいて締切り運転が生じることなく、真空ポンプ2aから配管P2aに排出された空気が逆止弁CV3を通過して大気中に放出される。
また、配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が規制されたこの状態では、真空ポンプ2bによって配管P1b内の空気が吸引されることで配管P1bにおける真空ポンプ2b側の真空圧が上昇する。この際には、吸引対象の状態の変化等に起因して配管P1内の真空圧が低下している。このため、真空ポンプ2bによる配管P1b内の空気の吸引によって、配管P1bにおける真空ポンプ2b側の真空圧が配管P1bにおける配管P1側(吸引対象側)の真空圧よりも高くなったときに逆止弁CV2が開口状態となり、配管P1から真空ポンプ2bに向かう空気の移動が許容される。これにより、両真空ポンプ2a,2bが並列接続状態に切り替わり、配管P1,P1aを介して吸引対象から真空ポンプ2aによって空気が吸引されると共に、配管P1,P1bを介して吸引対象から真空ポンプ2bによって空気が吸引される。したがって、両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態で運転していたときよりも単位時間あたりに吸引される空気の量が増加する結果、直列接続状態での運転を継続したときよりも配管P1内の真空圧が短時間で上昇する。これにより、比較的短時間で、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から空気を吸引可能な状態となる。
この場合、前述したように、従来の真空排気装置において両真空ポンプを並列接続状態に切り替える際に、第3バルブを開くのに先立って第2バルブが閉じられたときには、第1ポンプにおいて締切り運転が生じて第1ポンプに大きな負担がかかり、締切り運転の時間が長いときには、第1ポンプが故障するおそれがある。これに対して、「第2開閉弁」が逆止弁CV3で構成されている本例の吸引システム1では、並列接続状態への切り替えに際して、電磁弁SV1が閉塞制御された直後に逆止弁CV3が自動的に開口状態となるため、真空ポンプ2aにおいて締切り運転が生じる事態が好適に回避される。
また、従来の真空排気装置において両真空ポンプを並列接続状態に切り替える際に、第2バルブを閉じるのに先立って第1バルブが開かれたときには、両真空ポンプの吸入口を排気対象(吸引対象)に接続するための配管内に、第1ポンプから吐出された空気が流入し、これに起因して、排気対象(吸引対象)に接続されている配管内の真空圧が低下するおそれがある。また、従来の真空排気装置において両真空ポンプを並列接続状態に切り替える際に、第1バルブを開くのに先立って第2バルブが閉じられたときには、第2真空ポンプによる空気の吸引が困難な状態(いわゆる「無理引き」の状態:過度な吸引負荷が生じる状態)を招き、これに起因して、第2ポンプが故障するおそれがある。
これに対して、「第1開閉弁」が逆止弁CV2で構成され、並列接続状態に切り替えられた真空ポンプ2bによる吸引によって配管P1b内の真空圧がある程度上昇した時点で逆止弁CV2が自動的に開口状態となる本例の吸引システム1では、配管P1bにおける真空ポンプ2b側の真空圧が配管P1bにおける配管P1側(吸引対象側)の真空圧よりも低い状態において「第1開閉弁」が開口状態とならないため、配管P1内の真空圧が低下する事態が回避されると共に、真空ポンプ2bに無理引き(過度な吸引負荷)が生じる事態も回避される。
この後、並列接続状態での運転を継続することで、配管P1内の真空圧が徐々に上昇する。また、吸引対象の状態が変化して単位時間あたりに吸引対象から吸引される空気が減少したとき(吸引システム1に対する負荷が減少したとき)には、両真空ポンプ2a,2bによる吸引によって配管P1内の真空圧が予め規定された真空圧(上記の「第1真空圧」)を超える。この際に、制御部4は、前述したように、両真空ポンプ2a,2bの動作を継続させつつ、電磁弁SV1を開口制御して両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態に切り替える。これにより、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から空気が吸引される状態となる。
このように、この吸引システム1によれば、真空ポンプ2aの排出口に接続されている配管P2aに配設された「第2開閉弁」を、真空ポンプ2a側の端部から配管P2aの外部に向かう空気の移動を許容すると共に配管P2aの外部から真空ポンプ2a側の端部に向かう空気の移動を規制する逆止弁CV3で構成したことにより、直列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV1が開口制御されることで配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が許容されたときに真空ポンプ2aからの空気の排出圧によって逆止弁CV3が閉塞状態となるため、電磁弁SV1が開口制御されるのに先立って真空ポンプ2aの排出口から配管P2aの外部に向かう空気の移動が規制される事態を回避できる結果、直列接続状態への切り替えに際して真空ポンプ2aに締切り運転が生じる事態を回避することができる。また、並列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV1が閉塞制御されることで配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が規制されたときに、真空ポンプ2aからの空気の排出圧によって逆止弁CV3が自動的に開口状態となって真空ポンプ2aの排出口から配管P2aの外部に向かう空気の移動が許容されて真空ポンプ2aから排出された空気が配管P2aから排出されるため、並列接続状態への切り替えに際しても真空ポンプ2aに締切り運転が生じる事態を好適に回避することができる。これにより、真空ポンプ2aに大きな負担がかかる事態を回避できるため、真空ポンプ2aの故障を好適に回避することができる。さらに、直列接続状態および並列接続状態のいずれかに切り替えるために必要な複数の開閉弁の一部(この例では、逆止弁CV2,CV3の2つ)を安価な「逆止弁」で構成したことにより、吸引システム1の製造コストを十分に低減することができる。
また、この吸引システム1では、配管P1bに配設された「第1開閉弁」を、吸引対象から真空ポンプ2bに向かう空気の移動を許容すると共に配管P1bにおける配管P3の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動を規制する逆止弁CV2で構成すると共に、制御部4が、配管P2aと配管P1bとを相互に接続する配管P3に配設された電磁弁SV1を開口制御することで配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動を許容して両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態に切り替えると共に、電磁弁SV1を閉塞制御することで配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動を規制して両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態に切り替える。
したがって、この吸引システム1によれば、直列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV1が開口制御されて真空ポンプ2aの排出口から配管P2aに排出された空気が配管P3を介して配管P1bに流入したときに、逆止弁CV2が自動的に閉塞状態に切り替わって配管P1bにおける配管P3の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動が規制されるため、直列接続状態への切り替えに際して配管P1内の真空圧(吸引対象に供給される真空圧)が低下する事態を好適に回避することができる。また、並列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV1が閉塞制御されて配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が規制され、その状態で真空ポンプ2bによる配管P1b内の空気の吸引によって配管P1b内の真空圧が十分に上昇したときに、逆止弁CV2が自動的に開口状態に切り替わって配管P1(吸引対象)から真空ポンプ2bに向かう空気の移動が許容されるため、並列接続状態への切り替えに際して配管P1内の真空圧(吸引対象に供給される真空圧)が低下する事態も好適に回避することができる。さらに、並列接続状態への切り替えに際して真空ポンプ2bによる吸引によって配管P1b内の真空圧が上昇したときに逆止弁CV2が自動的に開口状態に切り替わるため、並列接続状態への切り替えに際して真空ポンプ2bに無理引きが生じる事態も好適に回避することができる。
さらに、この吸引システム1によれば、制御部4が、圧力センサ3からのセンサ信号に基づいて特定した配管P1内の真空圧が「第1真空圧」を超えたときに電磁弁SV1を開口制御して両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態に切り替えると共に、配管P1内の真空圧が「第2真空圧」を下回ったときに電磁弁SV1を閉塞制御して両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態に切り替えることにより、吸引対象の状態に応じて両真空ポンプ2a,2bを自動的に直列接続状態および並列接続状態のいずれかに切り替えることができるため、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から十分な量の空気を確実に吸引することができる。
次に、吸引システムの他の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、上記の吸引システム1と同様の構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図2に示す吸引システム1Aは、「吸引システム」の他の一例であって、前述した吸引システム1と同様にして、並列接続状態および直列接続状態のいずれかに切り替えられた真空ポンプ2a,2bによって各種吸引対象から空気を吸引する(吸引対象に対して真空圧を供給する)ことができるように構成されている。この吸引システム1Aでは、配管P1bにおける配管P1側(吸引対象側)の端部と配管P3の接続部位との間(本例では、逆止弁CV2の配設部位と配管P3の接続部位との間)に、電磁弁SV2が配設されている点を除き、上記の吸引システム1と同様に構成されている。この場合、電磁弁SV2を「第1開閉弁」として備えたこの吸引システム1Aでは、逆止弁CV2が「第4開閉弁」として機能する。
この吸引システム1Aでは、図示しない操作部のスタートスイッチが操作されたときに、制御部4が、電磁弁SV2を開口状態に制御し、かつ電磁弁SV1を閉塞状態に制御すると共に、インバータ回路2cを制御して両真空ポンプ2a,2bの運転を開始させる。この際には、電磁弁SV2の開口制御によって配管P1から配管P1bに向かう空気の移動が許容され、かつ、電磁弁SV1の閉塞制御によって配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が規制されて両真空ポンプ2a,2bが並列接続状態となる。また、インバータ回路2cからの電力の供給により、真空ポンプ2aが配管P1a内の空気の吸引を開始し、かつ真空ポンプ2bが配管P1b内の空気の吸引を開始する。これにより、配管P1,P1a,P1b内が真空状態となり、真空ポンプ2a,2bの作動開始からの経過時間に応じてその真空圧が徐々に上昇する。
また、真空ポンプ2aの排出口からの空気の排出圧によって配管P2aにおける真空ポンプ2aと逆止弁CV3との間の圧力が上昇して逆止弁CV3が開口状態となり、真空ポンプ2aにおいて締切り運転が生じることなく、真空ポンプ2aから配管P2aに排出された空気が逆止弁CV3を通過して大気中に放出される。さらに、配管P1,P1bを介して吸引対象から真空ポンプ2bに吸引された空気は、排出口から配管P2bを介して大気中に放出される。
一方、制御部4は、上記の電磁弁SV2の開口制御、電磁弁SV1の閉塞制御、およびインバータ回路2cからの電力の供給制御を行うのと同時に、圧力センサ3から出力されるセンサ信号に基づく配管P1内の真空圧の演算(特定)を開始する。また、制御部4は、演算した真空圧が、一例として93.0kPa(「第1真空圧」の一例)を超えてから予め規定された数秒程度の時間が経過した時点において93.0kPaを超えた状態が維持されているときに(「第1真空圧を超えたとき」の一例)、両真空ポンプ2a,2bの動作を継続させつつ、電磁弁SV2を閉塞制御し、その後に電磁弁SV1を開口制御することにより、両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態から直列接続状態に切り替える。
この際には、電磁弁SV2が閉塞制御されることにより、配管P1bにおける配管P3の接続部位から配管P1(吸引対象)に向かう空気の移動、および配管P1(吸引対象)から配管P1bを介して真空ポンプ2bに向かう空気の移動が規制される。また、電磁弁SV1が開口制御されることにより、真空ポンプ2aの排出口に接続されている配管P2aと、真空ポンプ2bの吸入口に接続されている配管P1bとが配管P3を介して連通した状態となって配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が許容され、真空ポンプ2aの排出口と真空ポンプ2bの吸入口とが相互に接続された状態となる。これにより、両真空ポンプ2a,2bが直列接続状態に切り替わる。
また、両真空ポンプ2a,2bが直列接続状態に切り替わったときには、真空ポンプ2aから配管P2aに排出される空気が配管P3,P1bを介して真空ポンプ2bによって吸引され、これにより、配管P2aにおける真空ポンプ2a側の端部と逆止弁CV3の配設部位との間が真空状態となるため、逆止弁CV3が閉塞状態となり、配管P2aへの大気の進入、および真空ポンプ2aから配管P2aに排出された空気の大気開放が規制される。
さらに、真空ポンプ2aから排出された空気が真空ポンプ2bによって吸引されるため、真空ポンプ2aの排気抵抗が軽減される分だけ、真空ポンプ2aの吸引効率が向上する。したがって、直列接続状態で両真空ポンプ2a,2bによる空気の吸引を継続することにより、配管P1a,P1内の真空圧が並列接続状態において到達可能な真空圧よりも高くなった状態においても、吸引対象から空気を吸引することが可能となる。これにより、配管P1a,P1内の真空圧がさらに上昇し、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から空気が吸引される。
この場合、「第2開閉弁」が逆止弁CV3で構成されている本例の吸引システム1Aでは、前述した吸引システム1と同様にして、直列接続状態への切り替えに際して、電磁弁SV1が開口制御された後に逆止弁CV3が閉塞状態となるため、真空ポンプ2aにおいて締切り運転が生じる事態が好適に回避される。また、直列接続状態への切り替えに際して、電磁弁SV2を閉塞制御した後に電磁弁SV1を開口制御するこの吸引システム1Aでは、真空ポンプ2aから配管P2a,P3を介して配管P1bに向かって移動した空気が配管P1に流入することがないため、配管P1内の真空度が低下する事態も好適に回避される。
一方、例えば、吸引対象の状態が変化して単位時間あたりに大量の空気が吸引対象から吸引される状態(吸引システム1Aに対する負荷が増大した状態)となったときには、直列接続状態では吸引対象から十分に空気を吸引することが困難となり、配管P1内の真空圧が徐々に低下することがある。したがって、制御部4は、直列接続状態での運転中に、圧力センサ3から出力されるセンサ信号に基づく配管P1内の真空圧が、一例として93.0kPa(「第2真空圧」の一例)を下回ってから予め規定された数秒程度の時間が経過した時点において93.0kPaを下回った状態が維持されているときに(「第2真空圧を下回ったとき」の一例)、両真空ポンプ2a,2bの動作を継続させつつ、電磁弁SV2を開口制御し、その後に電磁弁SV1を閉塞制御して両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態から並列接続状態に切り替える。
この際には、電磁弁SV2が開口制御されることによって配管P1(吸引対象)から真空ポンプ2bに向かう空気の移動が許容され、電磁弁SV1が閉塞制御されることによって配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が規制される。これにより、両真空ポンプ2a,2bが並列接続状態に切り替わり、配管P1,P1aを介して吸引対象から真空ポンプ2aによって空気が吸引されると共に、配管P1,P1bを介して吸引対象から真空ポンプ2bによって空気が吸引される。したがって、両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態で運転していたときよりも単位時間あたりに吸引される空気の量が増加する結果、直列接続状態での運転を継続したときよりも配管P1内の真空圧が短時間で上昇する。これにより、比較的短時間で、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から空気を吸引可能な状態となる。
また、電磁弁SV1が閉塞制御されている並列接続状態においては、真空ポンプ2aの排出口からの空気の排出圧によって配管P2aにおける真空ポンプ2aと逆止弁CV3との間の圧力が上昇する結果、逆止弁CV3が開口状態となる。これにより、真空ポンプ2aの排出口から配管P2aに排出された空気が逆止弁CV3を通過して大気中に放出される。この場合、「第2開閉弁」が逆止弁CV3で構成されている本例の吸引システム1Aでは、並列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV1が閉塞制御された直後に逆止弁CV3が自動的に開口状態となるため、真空ポンプ2aにおいて締切り運転が生じる事態が好適に回避される。さらに、並列接続状態への切り替えに際して、電磁弁SV2を開口制御した後に電磁弁SV1を閉塞するこの吸引システム1Aでは、真空ポンプ2bに無理引き(過度な吸引負荷)が生じる事態も回避される。
一方、この吸引システム1Aでは、電磁弁SV2を開口制御してから電磁弁SV1を閉塞するまでの間に、真空ポンプ2aから配管P2aに排出された空気が配管P3を介して配管P1bに流入するが、この空気が配管P1bを配管P1(吸引対象)に向かって移動しようとしたとき、すなわち、配管P1bにおける配管P1側(吸引対象側)の真空圧が、配管P1bにおける配管P3の接続部位側(真空ポンプ2b側)の真空圧よりも高いときには、逆止弁CV2が閉塞状態となって配管P1bにおける配管P3の接続部位から配管P1側への空気の移動が規制される。したがって、配管P1(吸引対象)から真空ポンプ2bに向かう空気の移動を許容すると共に、配管P3の接続部位から配管P1(吸引対象)に向かう空気の移動を規制する逆止弁CV2を、配管P1bにおける配管P1側(吸引対象側)の端部と電磁弁SV2の配設部位との間に配設した本例の吸引システム1Aでは、電磁弁SV2を開口制御してから電磁弁SV1を閉塞するまでの間に配管P1内の真空圧が低下する事態が回避される。
この後、並列接続状態での運転を継続することで、配管P1内の真空圧が徐々に上昇する。また、吸引対象の状態が変化して単位時間あたりに吸引対象から吸引される空気が減少したとき(吸引システム1Aに対する負荷が減少したとき)には、両真空ポンプ2a,2bによる吸引によって配管P1内の真空圧が予め規定された真空圧(上記の「第1真空圧」)を超える。この際に、制御部4は、前述したように、両真空ポンプ2a,2bの動作を継続させつつ、電磁弁SV2を閉塞制御した後に電磁弁SV1を開口制御して両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態に切り替える。これにより、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から空気が吸引される状態となる。
このように、この吸引システム1Aによれば、真空ポンプ2aの排出口に接続されている配管P2aに配設された「第2開閉弁」を、真空ポンプ2a側の端部から配管P2aの外部に向かう空気の移動を許容すると共に配管P2aの外部から真空ポンプ2a側の端部に向かう空気の移動を規制する逆止弁CV3で構成したことにより、前述した吸引システム1と同様にして、直列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV1が開口制御されることで配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が許容されたときに真空ポンプ2aからの空気の排出圧によって逆止弁CV3が閉塞状態となるため、電磁弁SV1が開口制御されるのに先立って真空ポンプ2aの排出口から配管P2aの外部に向かう空気の移動が規制される事態を回避できる結果、直列接続状態への切り替えに際して真空ポンプ2aに締切り運転が生じる事態を回避することができる。また、並列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV1が閉塞制御されることで配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が規制されたときに、真空ポンプ2aからの空気の排出圧によって逆止弁CV3が自動的に開口状態となって真空ポンプ2aの排出口から配管P2aの外部に向かう空気の移動が許容されて真空ポンプ2aから排出された空気が配管P2aから排出されるため、並列接続状態への切り替えに際しても真空ポンプ2aに締切り運転が生じる事態を好適に回避することができる。これにより、真空ポンプ2aに大きな負担がかかる事態を回避できるため、真空ポンプ2aの故障を好適に回避することができる。さらに、直列接続状態および並列接続状態のいずれかに切り替えるために必要な複数の開閉弁の一部(この例では、逆止弁CV3)を安価な「逆止弁」で構成したことにより、吸引システム1Aの製造コストを十分に低減することができる。
また、この吸引システム1Aによれば制御部4が、電磁弁SV2を閉塞制御することで配管P1bにおける配管P3の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動を規制し、かつ電磁弁SV1を開口制御することで配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動を許容して両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態に切り替えると共に、電磁弁SV2を開口制御することで吸引対象から真空ポンプ2bに向かう空気の移動を許容し、かつ電磁弁SV1を閉塞制御することで配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動を規制して両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態に切り替えることにより、直列接続状態への切り替えに際して、配管P1bにおける配管P3の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動を確実に規制することができ、また、並列接続状態への切り替えに際して吸引対象から真空ポンプ2bに向かう空気の移動を確実に許容することができる。
さらに、この吸引システム1Aによれば、制御部4が、両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態に切り替えるときに、電磁弁SV2を閉塞制御した後に電磁弁SV1を開口制御することにより、直列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV2が閉塞制御されて配管P1bにおける配管P3の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動が規制された後に電磁弁SV1が開口制御されて真空ポンプ2aの排出口から配管P2aに排出された空気が配管P3を介して配管P1bに流入するため、直列接続状態への切り替えに際して配管P1内の真空圧(吸引対象に供給される真空圧)が低下する事態を好適に回避することができる。
また、この吸引システム1Aによれば、制御部4が、両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態に切り替えるときに、電磁弁SV2を開口制御した後に電磁弁SV1を閉塞制御することにより、並列接続状態への切り替えに際して、電磁弁SV2が開口制御されて配管P1(吸引対象)から真空ポンプ2bに向かう空気の移動が許容される以前に電磁弁SV1が閉塞制御されて配管P2aから配管P1bに向かう空気の移動が規制される事態が回避されるため、並列接続状態への切り替えに際して真空ポンプ2bに無理引きが生じる事態を好適に回避することができる。
さらに、この吸引システム1Aによれば、吸引対象から真空ポンプ2bに向かう空気の移動を許容すると共に配管P3の接続部位から吸引対象に向かう空気の移動を規制する逆止弁CV2で構成された「第4開閉弁」を配管P1bにおける吸引対象側の端部と電磁弁SV2の配設部位との間に配設したことにより、並列接続状態への切り替えに際して電磁弁SV2が開口制御されてから電磁弁SV1が閉塞制御されるまでの間に真空ポンプ2aから配管P2aに排出された空気が配管P3を介して配管P1bに流入したときに、逆止弁CV2が自動的に閉塞状態に切り替わって配管P1bにおける配管P3の接続部位から配管P1(吸引対象)に向かう空気の移動が規制されるため、並列接続状態への切り替えに際して配管P1内の真空圧(吸引対象に供給される真空圧)が低下する事態を好適に回避することができる。
また、この吸引システム1Aによれば、制御部4が、圧力センサ3からのセンサ信号に基づいて特定した配管P1内の真空圧が「第1真空圧」を超えたときに電磁弁SV2を閉塞制御し、かつ電磁弁SV1を開口制御して両真空ポンプ2a,2bを直列接続状態に切り替えると共に、配管P1内の真空圧が「第2真空圧」を下回ったときに電磁弁SV2を開口制御し、かつ電磁弁SV1を閉塞制御して両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態に切り替えることにより、吸引対象の状態に応じて両真空ポンプ2a,2bを自動的に直列接続状態および並列接続状態のいずれかに切り替えることができるため、吸引対象において必要とされる十分に高い真空圧下で吸引対象から十分な量の空気を確実に吸引することができる。
なお、制御部4が「第3開閉弁」としての電磁弁SV1を開閉制御することで両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態および直列接続状態のいずれかに切り替える構成の吸引システム1,1Aについて説明したが、このような構成に代えて、手動で開閉される機械式の開閉弁を「第3開閉弁」として配管P3(第3接続用配管)に配設し、その開閉弁を閉塞状態に操作することで両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態に切り替えると共に、閉塞状態に操作することで両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態に切り替える構成を採用することもできる。また、前述した吸引システム1Aにおける電磁弁SV2(第1開閉弁)についても機械式の開閉弁を採用することができる。これらの構成を採用した場合においても、「第2開閉弁」を逆止弁で構成することにより、前述した吸引システム1,1Aと同様にして、両真空ポンプ2a,2bを並列接続状態および直列接続状態のいずれかに切り替える際に、真空ポンプ2aに締切り運転が生じる事態を好適に回避することができる。
さらに、「第1真空圧」および「第2真空圧」を同じ真空圧(上記の例では、93.0kPa)とした例について説明したが、「第1真空圧」を「第2真空圧」よりも高い真空圧に規定することもできる。