JP2015101938A - 地盤の液状化対策構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的コストが低く施工が容易であり、地震時に不同沈下および噴砂を防止することで、地盤としての機能の損失を防止できる地盤の液状化対策構造を提供する。【解決手段】表層または表層近くに液状化層13が存在する地盤(10)の液状化対策構造(20、30、40)において、対象領域(3〜7)の全域にわたって形成される、路盤24および舗装(23、25)からなる舗装層26と浅層改良層21との少なくとも一方と、対象領域(3〜7)に分散配置され、下端が液状化層13の下端に至らない所定の深さ(H1)をもって略鉛直に形成されるグラベルドレーン22とを有する構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、既存あるいは新設の共同住宅などの敷地のうち、駐車場や軽微な建物の支持地盤といった本体建物の支持地盤以外の外構部に好適な地盤の液状化対策構造に関する。
地盤を構成する土は土粒子と間隙から構成される。通常、間隙には水または空気が存在しており、地盤の地下水位以下の部分では、間隙は水で満たされている。土粒子(液状化が生じる緩い砂地盤の場合は砂)が緩く結合している場合、地震により地盤に振動が伝わると、土粒子(砂)のかみ合わせが崩れ、間隙を含んだ土の体積が小さくなろうとする。このとき、間隙は水で満たされているので、水圧が増加する。この水圧は、過剰間隙水圧と呼ばれる。地盤上に設けられた構造物の荷重は、土粒子(砂)で伝達される力と間隙水で伝達される力の合計で地盤深部に伝達される。土粒子(砂)で伝達される応力は有効応力と呼ばれる。地震で地盤に振動が与えられると、上述のように間隙水の圧力が増加するため、相対的に土粒子(砂)で伝達される力(有効応力)が減少する。この有効応力の減少により土の剛性が低下し、土が流動化した状態になることが、砂地盤の液状化と呼ばれる現象である。
このような液状化を発生する液状化層が存在する地盤にマンションやオフィスビルといった比較的大きな建物を建築する場合、本体建物に対しては、支持層に達する支持杭を構築したり、支持杭の構築とともに建物直下に締固め砂杭を構築したりするなどの十分な液状化対策が施されることが多い。一方、このような液状化対策には費用がかかるため、駐車場や軽微な建築物(マンションやオフィスビルといった比較的大きな建物以外の建築物であって、例えば、建築基準法第6条第1項第4号に規定される建築物(いわゆる4号建物)。)などの外構部の地盤に対しては十分な液状化対策が行われないことが多い。
地盤の液状化対策工法としては、液状化対象層に砂杭を造成し、砂地盤を締め固める方法(静的締め固め工法(SAVE工法)、サンドコンパクションパイル工法)や、液状化対象地盤を格子状に区画し、その区画の土のせん断変形を抑制する工法(TOFT工法)、透水性の良好な砕石柱を地盤中に形成し、液状化対象層の過剰間隙水圧を消散させるグラベルドレーン工法、浅層の液状化対象層の土とセメント系固化材などを混合して地盤改良する浅層混合処理工法などがある。
グラベルドレーン工法は、液状化対象層全長にわたりグラベルドレーンを設けるため、重機が大型となり敷地条件から施工が難しい場合がある。また、グラベルドレーン工法は、液状化の発生を防止するという設計思想に基づくため、グラベルドレーンのピッチが小さくなりコストが高くなるうえ、液状化対象層が深い場合にはグラベルドレーンの造成が困難な場合がある。さらに、外構部や駐車場などは、あまり重要度が高くない施設と考えられている一方、グラベルドレーン工法は、設計思想上、液状化の発生防止が目的になっているため、工事が大掛りでコストが高くなり、守ろうとする対象とそれを実現するための施工コストとのコストバランスが悪い。
一方、浅層混合処理工法は、セメント系固化材などの固結材料と現地盤の土を混合するので、固結材料を用いて地盤改良した箇所と、地盤改良をしていない箇所の境界など(建設敷地の境界などを含む)から水が噴出し、その水の流れが液状化対象層の砂を地表面に流出させることがある。この現象は噴砂と呼ばれており、噴砂が大量に流出する場合、地表面は地盤改良によって液状化していなくても、不同沈下が発生したり、噴砂によって車両動線の機能などが失われたりすることがある。加えて、浅層混合処理では、原理的に過剰間隙水圧の逃げ場がなく、弱点に噴砂が生じる可能性が避けられない。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、比較的コストが低く施工が容易であり、地震時に不同沈下および噴砂を防止することで、地盤としての機能の損失を防止できる地盤の液状化対策構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、表層または表層近くに液状化層(13)が存在する地盤(10)の液状化対策構造(20、30、40)であって、対象領域(3〜7)の全域にわたって形成される、路盤(24)および舗装(23、25)からなる舗装層(26)と浅層改良層(21)との少なくとも一方と、前記対象領域(3〜7)に分散配置され、下端が前記液状化層(13)の下端に至らない所定の深さ(H1)をもって略鉛直に形成されるグラベルドレーン(22)とを有する構成の液状化対策構造を提供する。
このような構成とすることにより、グラベルドレーンを液状化層の下端まで形成する必要がないため、大型の重機を用いることなく施工できるうえ、コストを低減することができる。そして、グラベルドレーンが形成された液状化層の上部では、過剰間隙水がグラベルドレーンに流入して過剰間隙水圧比の上昇が抑えられるため、液状化が防止される。すなわち液状化層の上部が非液状化層となる。なお、この際、過剰間隙水の排水によって地盤沈下が発生し得るが、非液状化層の上方に舗装層と浅層改良層との少なくとも一方が存在するため、不同沈下の発生が防止され、地盤としての機能は維持される。一方、液状化層におけるグラベルドレーンよりも下方では液状化が発生しうるが、上方に非液状化層が存在するため、液状化の影響が地表に及ぶこと、すなわちこの液状化による地盤沈下の発生や噴砂の発生により地上に液状化被害が発生することが低減される。
また、本発明の一側面によれば、前記所定の深さ(H1)は、前記液状化層(13)の下端までの深さ(H)に応じて設定される構成とすることができる。
この構成によれば、グラベルドレーンの深さを液状化層の深さに応じて適切に設定することで、液状化層におけるグラベルドレーンよりも下方で発生する液状化の影響が地表に及ぶことを低減したうえで、コストを低減することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記舗装層(26)と前記浅層改良層(21)との少なくとも一方の下方に前記対象領域(3〜7)の全域にわたって形成されるグラベルマット(31)を更に有する構成とする。
グラベルドレーンが形成された液状化層の上部においても、地震時には過剰間隙水圧比が一時的に大きくなるが、このような構成とすることにより、地震時に上昇した過剰間隙水圧比を早期に低下させることができ、液状化被害をより確実に防止することができる。
また、本発明の一側面によれば、少なくとも前記舗装層(26)を有し、前記舗装(23、25)には貫通孔(23a、25a)が形成され、当該貫通孔(23a、25a)には前記液状化層(13)の過剰間隙水圧の上昇時に過剰間隙水を地表に排水する蓋部材(27)が装着されている構成とすることができる。
この構成によれば、地震時の過剰間隙水の排水を担保しつつ、美観やメンテナンス性を向上させることができる。
このように本発明によれば、比較的コストが低く施工が容易であり、地震時に噴砂を防止することで地盤としての機能の損失を防止できる地盤の液状化対策構造を提供することができる。
第1実施形態に係る液状化対策構造の平面図 図1中のII−II断面図 図2中の要部拡大図 図2中の要部拡大図 図3に示す蓋部材の例を示す斜視図 非液状化層厚および液状化層厚と地表での液状化発生との関係図 第1実施形態に係る実験結果を示すグラフ 第2実施形態に係る液状化対策構造の断面図 第2実施形態に係る実験結果を示すグラフ 第3実施形態に係る液状化対策構造の断面図
以下、本発明に係る液状化対策構造20のいくつかの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図7を参照して本発明の第1実施形態について説明する。図1に示すように、敷地1には、本体建物であるマンション2のほか、駐輪場3や電気室4、ごみ置場5といった軽微な建物が建設されている。敷地1内には、マンション2やこのような軽微な建物の敷地のほか、マンション2のエントランスおよび駐輪場3に接続通路であるアプローチ6、駐車場7が外構部として存在している。
図2に示すように、敷地1は液状化層13が表層近くに存在する液状化地盤10であり、支持層11の上方に非液状化層12および液状化層13がこの順に堆積している。なお、図2は、施工後の液状化地盤10を示しており、施工前は液状化層13が地表面まで存在するものである。
液状化層13は、含水状態の砂質土からなり、地震時には振動によって砂粒の間に飽和していた水が流動し、砂粒の粒間結合が破られて液体のようにふるまうことで支持力を失う層である。液状化層13が液状化すると、流動化した間隙水の水圧が急上昇し、過剰間隙水が発生する。
ここでは敷地1のうち、駐輪場3や電気室4、ごみ置場5といった軽微な建物の敷地、並びにアプローチ6および駐車場7として利用される敷地を含む外構部を対象領域として、液状化地盤10に液状化対策構造20を構築する。各対象領域(駐輪場3、電気室4、ごみ置場5、アプローチ6および駐車場7)に対する液状化対策構造20は、液状化層13の上部を対象領域の全域にわって改良することで液状化層13の上方に形成された浅層改良層21と、地表面から浅層改良層21を貫通して液状化層13の上部に略鉛直に延在するように形成された複数のグラベルドレーン22とを有している。
浅層改良層21は、地表面近くの比較的浅い地盤(例えば、地表から1mの液状化層13)を改良した浅層改良地盤層であり、例えば粉体系またはスラリー系の固化材を液状化層13に攪拌、混合し、転圧により締め固めて固化させることにより形成される。浅層改良層21は、駐輪場3、電気室4、ごみ置場5の支持地盤となり、アプローチ6および駐車場7の路床となる。
グラベルドレーン22は、地震時に発生する液状化層13の過剰間隙水を上方向に排水するための砕石柱状体である。図1に示すように、グラベルドレーン22は、液状化地盤10の対象領域の全域に対して平面視で所定の間隔(水平方向間隔)をもって分散配置されている。本実施形態では、水平面上で直交する2方向に概ね一定の間隔をもって格子状にグラベルドレーン22が配置されている。他の実施形態では、合同な2つの正三角形を組み合わせて連続配置した斜方形の頂点にグラベルドレーン22を配置する千鳥配置としてもよい。なお、グラベルドレーン22には、空隙が多く排水能力の高い単粒度砕石を用いるとよい。
図3は、図1中のアプローチ6の地盤の拡大断面図である。アプローチ6にはタイル舗装23が施されている。タイル舗装23は、路盤24の上にサンドクッションを敷設し、その上にブロックやタイルを敷き詰めて目地を砂で充填して形成されている。図示は省略するが、駐輪場3や電気室4、ごみ置場5といった軽微な建物の支持地盤にグラベルドレーン22が位置する箇所では、建物の基礎下に路盤24を敷設してグラベルマットとして機能させ、過剰間隙水が路盤24を通って水平方向に排水されることにより地表に排水される。
図4は、図1中の駐車場7部分の拡大断面図である。駐車場7にはアスファルト舗装25が施されている。アスファルト舗装25は、非透水性のアスファルトからなり、浅層改良層21の上方に敷設した砕石からなる路盤24の上に形成されている。本明細書では、路盤24とタイル舗装23またはアスファルト舗装25とを含めて舗装層26と呼ぶものとする。
舗装23、25のグラベルドレーン22が形成される部分には貫通孔23a、25aが形成されており、グラベルドレーン22を上昇する過剰間隙水が貫通孔23a、25aを通って舗装23、25上に排水されるようになっている。この貫通孔23a、25aは、グラベルドレーン22が露出するように開放されていてもよいが、過剰間隙水圧を排水し得る蓋部材27が取り付けられてもよい。貫通孔23a、25aに蓋部材27を取り付けることで、美観やメンテナンス性を向上させることができる。
貫通孔23a、25aおよび蓋部材27は、例えば図5(A)に示すように、貫通孔23a、25aを画成する円筒枠28と円筒枠28に装着される蓋部材27とからなるマンホール状の蓋組立体29を路盤24上(グラベルドレーン22の上端)に設置し、その周囲にタイル舗装23を敷き詰める、あるいはアスファルト舗装25を施すことで設置することができる。他の実施形態として、図5(B)に示すように、型抜きまたはコア抜きによってタイル舗装23やアスファルト舗装25に貫通孔23a、25aを直接形成し、この貫通孔23aに適合する蓋部材27を嵌装させることで設置することもできる。いずれの形態であっても、グラベルドレーン22内の過剰間隙水圧に応じ、過剰間隙水圧よって舗装23、25が破損する水圧よりも小さな水圧で蓋部材27が開蓋し、過剰間隙水が貫通孔23a、25aから噴出できるようにする。図示は省略するが、更に他の実施形態として、蓋部材27をメッシュ状に形成して舗装23、25に取り付け、過剰間隙水がいつでも排水し得るように構成してもよい。
図3および図4のいずれにおいても、グラベルドレーン22は、液状化層13の厚さ(地表面から液状化層13の下面までの深さ)Hよりも小さいH1の高さ(地表面から下端までの深さ)を有するように形成されている。したがって、液状化層13の下部には、グラベルドレーン22が形成されない厚さH2(H2=H−H1)の非処理層14(液状化対策処理が施されておらず、地震時に液状化する層)が存在し、液状化層13の上部、すなわち非処理層14の上方部分が、グラベルドレーン22の形成という液状化対策処理が施された厚さH1の処理層15(見かけ上の非液状化地盤である液状化防止層)とされている。
ここで、グラベルドレーン22の設計深さについて説明する。図6は、石原研而氏が提案する、液状化の発生に関する表層の非液状化層の厚さと深部の液状化層の厚さとの関係図である。この図は、表層の非液状化層の厚さをH1とし、非液状化層の下方に存在する液状化層の厚さをH2としたときに、地表で液状化が発生する両者の関係を最大加速度に応じて示している。つまり、地震時に液状化層で液状化が発生しても、液状化の影響が地表に及ばなくなる非液状化層の厚さを示している。例えば、液状化層の厚さH2が3mある場合、200galでも液状化しないためには3m弱の非液状化層が必要となり、300galでも液状化しないためには約4.5mの非液状化層が必要となり、400〜500galでも液状化しないためには約7.5mの非液状化層が必要となる。
そこで、本実施形態では、図6の関係図を参照し、図3および図4の液状化対策処理前の液状化層13の厚さHに応じてグラベルドレーン22の深さを設定する。例えば、液状化層13の厚さHが10mある場合、200galでも液状化しないように設計する際には処理層15の厚さH1(グラベルドレーン22の高さ)を3m程度に設定し、300galでも液状化しないように設計する際には処理層15の厚さH1を6m弱以上に設定し、400〜500galでも液状化しないように設計する際には処理層15の厚さH1を7m強に設定する。
このように、図6の関係図を参照して液状化層13の厚さHに応じてグラベルドレーン22の深さを設定することにより、グラベルドレーン22を液状化層13の下端まで形成する必要がないため、大型の重機を用いることなく施工できるうえ、コストを低減することができる。
グラベルドレーン22が形成された処理層15では、地震時に過剰間隙水がグラベルドレーン22に流入し、地表に排出される。そのため処理層15では、過剰間隙水圧比の上昇が抑えられ、液状化が防止される。一方、非処理層14では液状化が発生しうるが、上方に処理層15が存在するため、液状化の影響が地表に及ぶこと、すなわちこの液状化による地盤沈下の発生や噴砂の発生により地上に液状化被害が発生することが防止される。つまり、地震発生時には液状化層13の下部での液状化の発生を許容しつつ、液状化の影響が地表に及ぶことを防止できる。
他方、地震時に処理層15の過剰間隙水がグラベルドレーン22に排水されると、処理層15が凝縮することで地盤沈下を発生させ得るが、処理層15の上方に舗装層26や浅層改良層21が存在するため、多少の地盤沈下が発生したとしても不同沈下の発生は防止される。このようなことから、駐車場7などの地盤としての機能は維持される。
なお、本願発明者らは、本実施形態の液状化対策構造20の作用効果を確認するため、模型を用いて振動実験を行った。以下にその概要および結果を示す。
実験用に、縮尺率を1/10とし、500mmの厚さの液状化層13の表層25mmにモルタルを混ぜて改良体を形成した模型を用意した。模型は、ドレーン長の影響を確認するため、ドレーンなしのケースA、液状化層13の厚さの1/2の深さのドレーンを形成したケースB、および液状化層13の厚さの全体にドレーンを形成したケースCの3つのケースについて作製した。振動実験では、10Hzの正弦波を入力波として、最大加速度を200gal、最大加速度での加振時間を6秒間として重力場で液状化層13を加振した。実験中、地表から液状化層13の厚さの1/4の間隙水圧を測定するとともに、噴砂の量を計測した。
図7は、計測した各ケースA〜Cの過剰間隙水圧比の推移を示している。過剰間隙水圧比は、間隙水圧を初期の有効土被り圧で除して算出しており、時刻歴波形は移動平均を行っている。図7より、ケースBの過剰間隙水圧比は、ケースCに比べて消散時間が長いものの、ケースAに比べて大幅に消散時間が短くなっている。このことから、グラベルドレーン22の存在によって処理層15の液状化が有効に防止されることがわかる。
各ケースの噴砂の量は以下の通りであった。
Figure 2015101938
上表からわかるように、ケースCおよびケースBにおいても噴砂は発生しているものの、噴砂の量はドレーンなしのケースAと比較して大幅に減少している。この結果は、大きな過剰間隙水圧比が維持される時間がドレーンの設置で低減したことと調和的である。
このように、液状化対策構造20は、従来のグラベルドレーン工法に比べて深さが浅く設計されているため、大型の重機を用いることなく比較的容易にかつ低コストで施工できる。そのため、液状化地盤10の敷地1のうち、軽微な建物やアプローチ6、駐車場7などの外構部の敷地に対して好適である。
≪第2実施形態≫
次に、図8および図9を参照して本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成や作用効果についての説明は省略する。以下の実施形態においても同様とする。
本実施形態の液状化対策構造30では、図8に示すように、第1実施形態の浅層改良層21の下方にグラベルマット31が付設されている。グラベルマット31は、地震時に発生する液状化層13の過剰間隙水を水平方向に排水するための砕石層である。グラベルマット31には、グラベルドレーン22と同様に空隙が多く排水能力の高い単粒度砕石を用いるとよい。
第1実施形態で説明したように、グラベルドレーン22が形成された処理層15においても、地震時には過剰間隙水圧比が一時的に大きくなるが、液状化対策構造30がこのような構成とされることにより、地震時に上昇した過剰間隙水圧比が早期に低下するため、液状化被害がより確実に防止される。
なお、本願発明者らは、本実施形態の液状化対策構造30の作用効果を確認するため、第1実施形態で説明したものと同様の模型を用いて振動実験を行った。以下にその概要および結果を示す。
この実験においても、ドレーン長の影響を確認するため、ドレーンなしのケースD、液状化層13の厚さの1/2の深さのドレーンを形成したケースE、および液状化層13の厚さの全体にドレーンを形成したケースFの3つのケースについて模型を作製し、液状化層13を加振して、地表から液状化層13の厚さの1/4の間隙水圧を測定するとともに、噴砂の有無を確認した。
図9は、計測した各ケースD〜Fの過剰間隙水圧比の推移を示している。図9より、図7に示した第1実施形態の対応するケースA〜Cに比べて、すべてのケースD〜Fにおいて過剰間隙水圧比の消散時間が短くなっている。このことから、グラベルドレーン22の存在により、大きな過剰間隙水圧比が維持される時間が短くなることがわかる。また、第1実施形態と同様に、ケースEの過剰間隙水圧比は、ケースFに比べて消散時間が長いものの、ケースDに比べて大幅に消散時間が短くなっており、グラベルドレーン22の存在が処理層15の液状化を有効に防止することがわかる。
この実験では、すべてのケースD〜Fで噴砂の発生は見られなかった。このことから、浅層改良層21と処理層15との間にグラベルマット31が敷設されたことにより、大きな過剰間隙水圧比が維持される時間の短縮に加え、噴砂が流出し難くなることがわかる。
≪第3実施形態≫
最後に、図10を参照して本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の液状化対策構造40では、第1実施形態の浅層改良層21の代わりに、舗装層26の下方にグラベルマット31が付設されている。液状化対策構造40がこのような構成とされることによっても、過剰間隙水を排水する際の一時的な液状化時には、処理層15が凝縮することで地盤沈下が発生し得るが、処理層15の上方に舗装層26やグラベルマット31が存在するため、不同沈下が防止される。
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、表層に液状化層13が存在している液状化地盤10に対して液状化対策構造20、30、40を構築しているが、液状化層13の上に非液状化層が堆積した液状化地盤10に適用することもできる。この場合には、表層の非液状化層を浅層混合処理して浅層改良層21を形成すればよい。また、上記実施形態では、駐車場7の舗装としてアスファルト舗装25を採用しているが、コンクリート舗装などを採用してもよく、舗装層26の下方に浅層改良層21やグラベルマット31を設けない形態とすることもできる。また、上記実施形態では、過剰間隙水がグラベルドレーン22を通って地表に排水されるようにしているが、グラベルドレーン22の上端に透水性の排水溝を設け、過剰間隙水を排水溝に排水するようにしてもよい。また、上記第3実施形態では、グラベルマット31の上方に舗装層26を形成しているが、グラベルマット31を路盤24とみなし、グラベルマット31の上に直接舗装を形成してもよい。さらに、グラベルドレーン22やグラベルマット31の内部に有孔管を設置する形態なども可能である。この他、各要素の具体的寸法や、配置、材料などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した本発明に係る液状化対策構造20、30、40の各要素は、必ずしも全てが必須ではなく、適宜取捨選択可能である。
3 駐輪場(対象領域)
4 電気室(対象領域)
5 置場(対象領域)
6 アプローチ(対象領域)
7 駐車場(対象領域)
10 液状化地盤
13 液状化層
14 非処理層
15 処理層
20、30、40 液状化対策構造
21 浅層改良層
22 グラベルドレーン
23 タイル舗装
23a 貫通孔
24 路盤
25 アスファルト舗装
25a 貫通孔
26 舗装層
27 蓋部材
31 グラベルマット
H 液状化層13の厚さ
H1 処理層15の厚さ(グラベルドレーン22の高さ)
H2 非処理層14の厚さ

Claims (4)

  1. 表層または表層近くに液状化層が存在する地盤の液状化対策構造であって、
    対象領域の全域にわたって形成される、路盤および舗装からなる舗装層と浅層改良層との少なくとも一方と、
    前記対象領域に分散配置され、下端が前記液状化層の下端に至らない所定の深さをもって略鉛直に形成されるグラベルドレーンと
    を有することを特徴とする液状化対策構造。
  2. 前記所定の深さは、前記液状化層の下端までの深さに応じて設定されることを特徴とする、請求項1に記載の液状化対策構造。
  3. 前記舗装層と前記浅層改良層との少なくとも一方の下方に前記対象領域の全域にわたって形成されるグラベルマットを更に有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の液状化対策構造。
  4. 少なくとも前記舗装層を有し、前記舗装には前記グラベルドレーンに対応する位置に貫通孔が形成され、当該貫通孔には前記液状化層の過剰間隙水圧の上昇時に過剰間隙水を地表に排水する蓋部材が装着されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の液状化対策構造。
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