JP2015101487A - パーツフィーダー - Google Patents

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Abstract

【課題】ランダムな向きで堆積した棒状部材群から迅速に整列した棒状部材をユーザーに供給するパーツフィーダーを提供する。
【解決手段】所定間隔を介して立設した板状体14a、14bの側端部の一方を、ケーシング12の鍔付棒状部材15の送出口19に挿入した整列レール14と、整列レール14で仕切った一対の仕切部16,16の各々に昇降可能に設け、仕切部16,16の各底面に相当し整列レール14の方向に傾斜する傾斜面20aに棒状部材群を載置し、傾斜面20aの下端が整列レール14の上端位置まで交互に昇降する一対のリフター18a,18bと、送出口19に対し往復動し、整列レール14の上端に到達したリフター18aの傾斜面20aから、低位置のリフター18bの傾斜面20aに転がり落ちる鍔付棒状部材15のうち、整列レール14に整列した鍔付棒状部材15を送出口19に押し出すプッシャー28とを具備する。
【選択図】図2

Description

本発明はランダムな向きに堆積された複数本の棒状部材を所定向きに整列して送り出すパーツフィーダーに関するものである。
機械の組立等に使用するボルト、ねじ等の棒状部材は、従来、複数本の棒状部材がランダムな向きで堆積された状態で貯蔵されている。このような状態の棒状部材群から所定向きに整列した棒状部材を機械の組立装置等に供給するパーツフィーダーとしては、例えば下記特許文献1に記載されているものがある。
特許文献1には、頭部とこれに連接された脚部とを有する有頭パーツを整列搬送するためのパーツフィーダーであって、垂直に延びて配置した案内部材と、この案内部材の下方側に向かって低くなるよう傾斜した底板を有するパーツ貯留用のバケットと、前記案内部材に沿って配置され往復駆動源の駆動を受けて案内部材に沿って昇降することによりその上端面でバケットに貯留された有頭パーツを支持し案内部材上端まで掻き上げる掻上板と、前記案内部材に沿って前記掻上板の反対側に位置しバケットの外側まで延びて設けた整列搬送路と、この整列搬送路を振動させる加振機とを有し、前記案内部材は、整列搬送路の延びる方向の長さが整列搬送路よりも短く、その上端面が掻上板側とは反対側へ向かって低くなる傾斜面に形成され、また前記整列搬送路は、前記案内部材の上端面と同じ方向に向かって低くなる第1の斜面と、この第1の斜面の上側に連接して第1の斜面とは反対方向に向かって低くなる第2の斜面とを全長に渡って有し、この第2の斜面が前記案内部材の上端面に沿って転落する有頭パーツの移動路上に位置するよう配置されるものが記載されている。
このパーツフィーダーによれば、バケット内に複数本の有頭パーツがランダムな向きに堆積されて貯留された有頭パーツ群から所定向きに整列した有頭パーツをユーザーに搬送できる。しかし、掻上板で押し上げられて整列に供される有頭パーツは有頭パーツ群の一部であることから、有頭パーツの整列速度が遅く、整列された有頭パーツのユーザーへの供給速度には限界がある。このようなパーツフィーダーでは、有頭パーツのユーザーへの供給速度の向上を図るには、例えば下記特許文献2の図5に記載されているように複数本の有頭パーツを予め整列した状態でバケット内に貯留することを要する。
特許第2974640号公報 特許第5291380号公報
特許文献1,2に記載されたパーツフィーダーによれば、貯留ホッパ内に貯留されている棒状部材群から所定向きに整列した棒状部材を連続的にユーザーに供給できる。しかし、ユーザーへの棒状部材の供給速度の向上を図るには、特許文献2の図5に記載されているように複数本の棒状部材を予め整列した状態でバケット内に貯留することを要し、余計な工程を増やすことになる。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたもので、ランダムな向きで複数本の棒状部材が堆積されている棒状部材群から所定向きに整列された棒状部材のユーザーへの供給速度を向上できるパーツフィーダーを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた本発明は、ケーシングに形成され、複数本の棒状部材がランダムな向きで堆積されている棒状部材群から所定向きに整列された前記棒状部材を送り出す送出口に、前記ケーシング内を仕切るように所定間隔を介して立設された二枚の板状体の側端部の一方側が挿入されている整列レールと、前記整列レールで仕切られた前記ケーシング内の一対の仕切部内に昇降可能に設けられ、前記仕切部の各底面に相当する面が前記整列レールの方向に傾斜する傾斜面に形成されている一対のリフターと、前記傾斜面に前記棒状部材群を載置した前記一対のリフターを、前記整列レールの上端近傍に前記傾斜面の下端が位置するまで交互に昇降する昇降動駆動装置と、前記整列レールの前記間隔内に少なくとも一部が挿入された状態で前記送出口に対して往復動可能に設けられ、前記整列レールの上端近傍に到達した前記リフターの一方の傾斜面を、前記一方のリフターよりも低位置の他方のリフターの傾斜面の方向に転がり落ちる前記棒状部材のうち、前記整列レールの前記間隔内に整列された前記棒状部材を前記送出口方向に押し出すプッシャーと、前記プッシャーを前記送出口に対して往復動する往復動駆動装置とが設けられていることを特徴とするパーツフィーダーにある。
本発明に係るパーツフィーダーにおいて、前記一対のリフターの各傾斜面の前記送出口側コーナー部と前記送出口側コーナー部に対向する対向面側コーナー部とに、前記傾斜面に載置された前記棒状部材群が前記傾斜面の中央部側に寄るように、前記傾斜面に向かって傾斜する補助傾斜面が前記整列レール方向に徐々に幅広に形成されたコーナーブロックを装着することにより、傾斜面の略中央部側に棒状部材群を寄せることができ、傾斜面の隅に棒状部材が嵌り込むことを防止できる。
また、前記整列レールを構成する前記二枚の板状体の各上端面に、交互に切欠部を形成することにより、二枚の板状体に整列された棒状部材上に非整列状態の棒状部材が重なったとき、非整列状態の棒状部材が切欠部に接触して落下し、送出口に非整列状態の棒状部材が嵌り込むことを防止できる。
更に、前記プッシャーには、前記整列レールに整列された前記棒状部材に当接する当接面に対して反対面側方向に板状部を延出することにより、プッシャーが送出口側に移動しつつ、整列レールの間隔内に整列された棒状部材を送出口に押し出す際に、プッシャーの移動方向に対して反対側に棒状部材が廻り込むことを防止できる。
前記プッシャーに、前記整列レールを構成する前記二枚の板状体上に非整列状態で載置された前記棒状部材を前記リフターの方向に排除するテーパ面を形成することにより、非整列状態の棒状部材で送出口を閉塞されることを防止できる。
前記棒状部材が鍔付棒状部材であって、その鍔部が前記整列レールを構成する前記二枚の板状体の上端面に載置された状態で前記二枚の板状体の間に垂下された前記鍔付棒状部材と前記プッシャーとが二点で当接するように、前記二枚の板状体の間に挿入された前記プッシャーの先端部に、前記鍔部に当接する当接面よりも突出した突出部を設けることにより、整列レールの隙間に整列された鍔付棒状部材を安定して送出口に移動できる。
前記送出口の近傍に、前記整列レールを構成する前記二枚の板状体の上端面に前記鍔部が重複状態で載置された前記鍔付棒状部材が前記プッシャーで押圧されて移動してきたとき、前記重複状態の鍔部のうち、上側の鍔部を押圧して前記重複状態を解消するピンを設けることにより、鍔部が重複状態で載置された鍔付棒状部材で送出口が閉塞されることを防止できる。
複数本の棒状部材がランダムな向きで堆積されている棒状部材群から所定向きに整列した棒状部材のユーザーへの供給速度を向上するには、棒状部材群の全体に亘って棒状部材の堆積状態を一旦解消し、各棒状部材が自由に運動可能状態とすることが、棒状部材群の棒状部材を所定向きに整列する整列速度の向上を図るうえで必要である
本発明に係るパーツフィーダーでは、傾斜面に棒状部材群が傾斜面に載置された一対のリフターを交互に昇降しつつ、リフター一方を他方のリフターよりも高位置としたとき、高位置のリフターの傾斜面から棒状部材群の各棒状部材が、整列レールの二枚の板状体の上端面を経由して低位置のリフターの傾斜面に転がり落ちる。その際に、高位置のリフターの棒状部材群全体に亘って棒状部材の堆積状態を一旦解消できる。堆積状態が解消された各棒状部材は、高位置のリフターの傾斜面を転がりつつ、その向きを自由に変えて二枚の板状体の上端面を通過するため、二枚の板状体の間に所定向きに整列された状態で留まる棒状部材の確立が高くなり、棒状部材の整列速度の向上を図ることができ、所定向きに整列した棒状部材のユーザーへの供給速度を向上できる。
本発明に係るパーツフィーダーの一例を示す断面正面図である。 図1に示すパーツフィーダー10の断面側面図である。 図2に示す整列レール14の斜視図である。 図2に示す一対のリフター18a,18b及び整列レール14の上面図、及びリフター18a(18b)の斜視図である。 図1に示すプッシャー28の正面図及び部分拡大斜視図である。 図1及び図2に示すパーツフィーダー10の制御部34の制御方法を説明するフローチャートである。 図1及び図2に示す一対のリフター18a,18bへの鍔付棒状部材15の供給方法を説明する断面図である。 鍔付棒状部材群が載置された一対のリフター18a,18bのうち、リフター18aを上昇させたときの状態を示す断面図である。 鍔付棒状部材群が載置された一対のリフター18a,18bのうち、リフター18bを上昇させたときの状態を示す断面図である。 鍔付棒状部材15に代えて鍔なしの直状棒状部材25を用いたとき、整列レール14上の直状棒状部材25の整列状態を説明する斜視図である。
以下、本発明に係るパーツフィーダーの一例について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
本発明に係るパーツフィーダーの一例を図1及び図2に示す。図1はパーツフィーダー10の断面正面図であり、図2はパーツフィーダー10の断面側面図である。図1及び図2に示すパーツフィーダー10は、ボルト等の鍔付棒状部材用であって、横断面形状が四角形のケーシング12の上部の空間部は、多数本の鍔付棒状部材が貯留されるストックホッパー11から複数本の鍔付棒状部材が供給されるフィーダ部24である。ストックホッパー11内には、複数本の鍔付棒状部材をフィーダ部24に供給するフィード板11aがフィーダ部24の供給口に対して接離動自在に設けられている。このフィード板11aは、駆動装置としてのフィードシリンダー11bによって駆動される。更に、ストックホッパー11には、貯留された鍔付棒状部材がなくなり空状態となったことを検知するストックホッパーセンサー11cが設けられている。フィーダ部24には、ストックホッパー11から鍔付棒状部材が過剰に供給等されて満杯状態になったことを検知する満杯センサー24aが設けられている。ストックホッパーセンサー11c及び満杯センサー24aとしては、光電センサーを好適に用いることができる。光電センサーを用いたストックホッパーセンサー11cや満杯センサー24aでは、光電管からの光を受光素子が受光しなくなったとき、ストックホッパー11に鍔付棒状部材が貯留されていること、或いはフィーダ部24が鍔付棒状部材で満杯状態になっていることを検知できる。
フィーダ部24の下端側のケーシング12内は、所定間隔を介して立設された二枚の板状体14a,14bから成る整列レール14によって、フィーダ部24の下端側のケーシング12内が仕切られ、一対の仕切部16,16が形成されている。二枚の板状体14a,14bが側端部の一方側は、ケーシング12に形成された送出口19に挿入されている。この送出口19は、整列レール14に鍔部が上向きの姿勢に整列された鍔付棒状部材15を送り出す送出口であって、整列された鍔付棒状部材15をユーザーに送り出すシュート部26に接続されている。この二枚の板状体14a,14bの上端面には、図3に示すように複数の切欠部17が互いに重複しないように交互、好ましくは千鳥状に形成されている。
また、シュート部26には、整列されて貯留された複数本の鍔付棒状部材15の移動を停止するストッパー27bと、ユーザーに送る鍔付棒状部材15を停止するストッパー27aとが設けられ、ストッパー27a,27bの間にユーザーに送る1本の鍔付棒状部材15が確保されている。ストッパー27a,27bは、ストッパーシリンダー27c、27dで駆動される。ユーザーに鍔付棒状部材15を送り出す際は、ストッパー27bが閉じた状態でストッパー27aが開き、ストッパー27a,27bの間に確保していた1本の鍔付棒状部材15をユーザーに送り出す。次いで、ストッパー27aが閉じたとき、ストッパー27bが開き、シュート部26に整列されて貯留された複数本の鍔付棒状部材15の先頭の鍔付棒状部材15がストッパー27aに当接したとき、ストッパー27bを閉じ、ストッパー27a,27bの間に1本の鍔付棒状部材15を確保する。ストッパーシリンダー27c,27dはユーザーからの信号で駆動する。
シュート部26には、例えばストッパー27a,27bにより鍔付棒状部材15のユーザーへの送り出しの停止状態が続き、シュート部26に貯留できる鍔付棒状部材15が満杯状態となったとき、このことを検知するシュート部センサー26aが設けられている。シュート部センサー26aは、鍔付棒状部材15が通過したことも検知するものでもあり、光電センサーを好適に用いることができる。光電センサーを用いたシュート部センサー26aは、光電管からの光を受光素子が所定時間継続して受光しなくなったとき、シュート部26に鍔付棒状部材15が満杯状態で貯留されていることを検知できる。また、光電管からの光を受光素子が一旦受光しなくなっても、直ちに受光が回復したときは、鍔付棒状部材15がセンサーの設置位置を通過したことを検知できる。
一対の仕切部16,16の各々には、リフター18a又はリフター18bが昇降可能に設けられており、リフター18a,18bの各々には、整列レール14の方向に傾斜する傾斜面20が形成されている。傾斜面20は、リフター18a又はリフター18bが設けられた仕切部16の底面に相当する。一対のリフター18a,18bの傾斜面20は、図4(a)に示すように、整列レール14を挟んで向き合っている。また、一対のリフター18a,18bの各々には、図4(b)に示すように、傾斜面20aの送出口側コーナー部と送出口側コーナー部に対向する対向面側コーナー部とに、傾斜面20aに向かって傾斜する補助傾斜面20b,20bが整列レール14の方向に徐々に幅広に形成されたコーナーブロック21,21が装着されている。
この一対のリフター18a,18bは、昇降駆動装置としての整列リフトシリンダー22によって交互に昇降する。一対のリフター18a,18bの各上死点は、一対のリフター18a,18bの各傾斜面20aの下端が、整列レール14の上端近傍、好ましくは整列レール14の上端となる位置である。
整列レール14を構成する二枚の板状体14a,14bの間には、図1に示すように鍔部が上向きの姿勢に整列された鍔付棒状部材15を整列レール14の送出口に搬送するプッシャー28の少なくとも一部が挿入されている。プッシャー28は、ケーシング12の送出口19に対して往復動可能に設けられており、往復動駆動装置としての搬送シリンダー30によって駆動される。搬送シリンダー30はロッドレスシリンダーであって、その三本のスライド軸30aに沿ってスライドするスライド部30bに、プッシャー28の上端部に形成された連結部29が連結されている。
プッシャー28は、図1に示すように、その先端部が二枚の板状体14a,14bの間に挿入されており、板状体14a,14bの間に垂下された鍔付棒状部材15を送出口19の方向に搬送する際に、鍔付棒状部材15と二カ所で当接する。すなわち、板状体14a,14bの上端面から露出している鍔付棒状部材15の鍔部とプッシャー28の当接面28aとが当接すると共に、板状体14a,14bの間に挿入されたプッシャー28の先端部であって、当接面28aよりも突出した突出部28bの先端面と板状体14a,14bの間に垂下された鍔付棒状部材15の棒状部とが当接する。
このようなプッシャー28は、図5に示すように、幅狭の当接面28aの両面側がテーパ面28cに形成されている。このテーパ面28cは、プッシャー28が整列レール14の送出口方向に移動する際に、板状体14a,14bの上端面に斜めに載置等されている非整列状態の鍔付棒状部材15をリフター18a又はリフター18bの傾斜面20aに払い落とすためのものである。
また、プッシャー28には、当接面28aに対して反対面側方向に板状部28dが延出されている。この板状部28dは、プッシャー28が送出口19の方向に移動しつつ、整列レール14に整列された鍔付棒状部材15を送出口に押し出す際に、プッシャー28の移動方向に対して反対側に鍔付棒状部材15が廻り込むことを防止するためのものである。
図1に示すパーツフィーダー10には、ケーシング12の送出口19の近傍に、整列レール14の板状体14a,14bの上端面に鍔部が重複状態で載置された鍔付棒状部材15,15がプッシャー28で押圧されて移動してきたとき、重複状態の鍔部のうち、上側の鍔部を押圧して重複状態を解消するピン31が設けられている。このピン31は、ピンシリンダー32で突出入できる。
図1及び図2に示す各センサーからの検知信号は制御部34に送信され、検知信号に基づいて制御部34は構成部材を制御する。具体的には、制御部34は、各傾斜面20a上にランダムな向きで堆積された鍔付棒状部材群を載置したリフター18a,18bを交互に昇降しつつ、鍔付棒状部材15を整列レール14の板状体14a,14bの間に所定向きに整列し、プッシャー28で整列した鍔付棒状部材15をシュート部26に搬送するように構成部材を制御する。その制御方法を図6のフローチャートに示す。制御部34では、シュート部26のシュート部センサー26aからの鍔付棒状部材15の通過信号を所定時間内に受信しないとき、リフター18a,18bの傾斜面20a上に鍔付棒状部材15が存在しないものと判断して制御する。
尚、ストッパー27a,27bを駆動するストッパーシリンダー27c,27dは、ユーザー側で制御し、パーツフィーダー10の制御部34では制御しない。
パーツフィーダー10の電源がONとなったとき、制御部34の制御が開始する(ステップS10)。先ず、制御部34では、ストックホッパーセンサー11cからの検知信号に基づいてストックホッパー11が空状態か或いは鍔付棒状部材15が貯留されている状態か判断する(ステップS12)。ストックホッパー11が空状態であると判断したときは、制御は終了する(ステップS50)。一方、ストックホッパー11に鍔付棒状部材15が貯留されている状態と判断したとき、図7(a)に示すように、フィードシリンダー11bを駆動してフィード板11aがフィーダ部24方向に移動し、ストックホッパー11からフィーダ部24内に複数本の鍔付棒状部材15を供給する(ステップS14)。この際のリフター18a,18bは、図7(a)に示すように上死点に位置している。この上死点は、一対のリフター18a,18bの各傾斜面20aの下端が、整列レール14の上端近傍、好ましくは整列レール14の上端となる位置である。
フィーダ部24内に供給された複数本の鍔付棒状部材15は、図7(b)に示すように、上死点に位置するリフター18a,18bの傾斜面20a上にランダムな向きで堆積されて鍔付棒状部材群を形成する。このように複数本の鍔付棒状部材15をフィーダ部24内に供給する際に、リフター18a,18bを上死点に上昇させておくことにより、リフター18a,18bに対する鍔付棒状部材15の落下負荷を軽減し、騒音も減少できる。傾斜面20aの各々には、図4に示すように、送出口側コーナー部と送出口側コーナー部に対向する対向面側コーナー部とに、傾斜面20aに向かって傾斜する補助傾斜面20bが整列レール14の方向に徐々に幅広に形成されたコーナーブロック21,21が装着されている。このため、傾斜面20aの略中央部側に鍔付棒状部材群を寄せることができ、傾斜面20aの隅に鍔付棒状部材15が嵌り込むことを防止できる。鍔付棒状部材群が傾斜面20a上に形成したリフター18a,18bは、図8(a)に示すように一旦下死点まで降下する。
このようにリフター18a,18bが下死点まで降下するまでの間に、鍔付棒状部材群から、整列レール14の方向に転がり、図1に示すように板状体14a,14bの間隔内に整列された鍔付棒状部材15がある。このため、プッシャー28を送出口19に対して往復動し、板状体14a,14bの間隔内に整列された鍔付棒状部材15を送出口19からシュート部26に搬送し、ストックホッパー11からフィーダ部24内への鍔付棒状部材15の供給が終了する。
フィーダ部24内への鍔付棒状部材15の供給が終了したとき、制御部34では、満杯センサー24aの検知信号に基づいてフィーダ部24内に空間が十分に存在していることを確認する(ステップS16)。
尚、フィーダ部24内に鍔付棒状部材15を供給している際に、ステップS16において、ストックホッパー11から鍔付棒状部材15が過剰に供給されてフィーダ部24が満杯状態と判断したときは、直ちにストックホッパー11から鍔付棒状部材15の供給を停止し、制御を終了する(ステップS50)。
フィーダ部24内への鍔付棒状部材15の供給が終了し且つステップS16でフィーダ部24内に鍔付棒状部材15を貯留する空間が存在していると判断したときは、内蔵されているタイマーをリセットし(ステップS18)、タイマーをONとする(ステップS20)。このタイマーは、リフター18a,18bの傾斜面20a上に鍔付棒状部材15が存在しているか否かを判断に用いるものであり、所定時間が予めセットされている。更に、シュート部26に整列した鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在するか、シュート部センサー26aからの検知信号に基づいて判断する(ステップS22)。シュート部26に整列した鍔付棒状部材15が収容する隙間が存在していると判断したとき、制御部34は整列リフトシリンダー22に駆動信号を発信し、リフター18aを昇降する(ステップS24)。
一方、ステップS22において、シュート部26に整列した鍔付棒状部材15を収容する隙間がないと判断したときは、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間ができるまでタイマーの進行を停止して待機する。まず、ステップS11でタイマーの進行を停止した後,再度、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間がないか、シュート部センサー26aからの検知信号に基づいて判断する(ステップS13)。ステップS13でシュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在すると判断したとき、タイマーの進行を再開し(ステップS15)、ステップS24に進む。
ステップS24でリフター18aが昇降する際に、図8(b)に示すように、リフター18aの傾斜面20a上の鍔付棒状部材群の各鍔付棒状部材15は、その堆積状態が解消され、リフター18aの傾斜面20aを転がりつつ、整列レール14を超えてリフター18aよりも低位置のリフター18bの傾斜面20aに転がり落ちる。傾斜面20aの送出口側コーナー部と送出口側コーナー部に対向する対向面側コーナー部とには、図4に示すように、コーナーブロック21,21が装着されており、傾斜面20aの略中央部から鍔付棒状部材15が転がり落ちることができ、傾斜面20aの隅に鍔付棒状部材15が引っ掛かることを防止できる。
このようにリフター18aの傾斜面20aを転がり落ちる鍔付棒状部材15は、その向きを自由に変えつつ、整列レール14の板状体14a,14bの上端面を通過するから、図9(a)に示すように、板状体14a,14bの間に所定向きに整列された状態で留まる鍔付棒状部材15の確立を高くできる。また、板状体14a,14bの上端面には、図3に示すように千鳥状に切欠部17が形成されていることから、板状体14a,14bに整列された鍔付棒状部材15上に非整列状態の鍔付棒状部材15が重なったとき、非整列状態の鍔付棒状部材15は切欠部17と接触して、低位置のリフター18bの傾斜面20aに落下し、非整列状態の鍔付棒状部材15が送出口19に嵌り込むことを防止でき、パーツフィーダー10の異常停止を防止できる。
リフター18aの上昇が終了した後、リフター18aが降下して下死点に到達したとき、制御部34から搬送シリンダー30に駆動信号を発信し、整列レール14の板状体14a,14bの送出口に対して反対側に位置しているプッシャー28を往復動する(ステップS26)。このプッシャー28が、送出口19の方向に移動したとき、図9(a)に示すように板状体14a,14bの間隔内に所定向きに整列された状態で留まる鍔付棒状部材15を送出口19からシュート部26に搬送する。この際に、整列状態の鍔付棒状部材15に対し、板状体14a,14bの上端面から露出しているプッシャー28の当接面28aと、板状体14a,14bの隙間に挿入されたプッシャー28の突出部28bとの二点で当接し、安定した状態で鍔付棒状部材15を送出口方向に移送できる。
また、プッシャー28は、図5に示すように、当接面28aの両面側がテーパ面28cに形成されている。このテーパ面28cは、プッシャー28が整列レール14の送出口方向に移動する際に、板状体14a,14bの上端面に斜めに載置等されている非整列状態の鍔付棒状部材15をリフター18a,18bの傾斜面20a側に払い落とすためのものである。更に、プッシャー28には、図5に示すように、当接面28aに対して反対面側方向に板状部28dが延出されている。この板状部28dによって、プッシャー28が整列レール14の送出口方向に移動しつつ、整列レール14の整列された鍔付棒状部材15を送出口に押し出す際に、プッシャー28の移動方向に対して反対側に鍔付棒状部材15が廻り込み、プッシャー28の移動を停止させる事態を防止するためのものである。
制御部34は、ステップS22において、プッシャー28を往復動するように搬送シリンダー30に駆動信号を発信すると共に、ピン31を突出するようにピンシリンダー32を駆動する突出信号を発信する。突出したピン31は、整列レール14の板状体14a,14bの上端面に鍔部が重複状態で載置された鍔付棒状部材15,15がプッシャー28で押圧されて移動されてきたとき、重複状態の鍔部のうち、上側の鍔部を押圧して重複状態を解消するものである。制御部34からは、プッシャー28の往復動が終了したとき、突出したピン31を後退させる後退信号がピンシリンダー32に発信する。
プッシャー28の往復動が終了したとき、制御部34は、シュート部センサー26aから鍔付棒状部材15が通過した通過信号を受信したか否か判断する(ステップS28)。ステップS28において、鍔付棒状部材15の通過信号を受信したと判断したとき、タイマーをリセットし(ステップS30)、再度、タイマーをONとする(ステップS32)。その後、タイマーがON状態であるか判断する(ステップS34)。ステップS34において、タイマーがON状態でない(タイマーがUP状態である)と判断したとき、リフター18a,18bの傾斜面20a上に鍔付棒状部材15が存在せず、ステップS12に戻り、フィーダ部24にストックホッパー11から鍔付棒状部材15を供給する。
一方、ステップS28において、シュート部センサー26aからの通過信号を受信していないと判断したとき、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在するか否かを判断する(ステップS17)。ステップS17において、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在すると判断したとき、ステップS34に戻る。ステップS17において、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在しないと判断したとき、ステップS19でタイマーの進行を停止した後,再度、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間がないか、シュート部センサー26aからの検知信号に基づいて判断する(ステップS21)。ステップS21でシュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在すると判断したとき、タイマーの進行を再開し(ステップS23)、ステップS34に進む。
ステップS34において、タイマーがON状態であると判断したとき、制御部34は整列リフトシリンダー22に駆動信号を発信し、リフター18bを昇降する(ステップS36)。このリフター18bが上昇する際に、図9(b)に示すように、リフター18bの傾斜面20a上の鍔付棒状部材群の各鍔付棒状部材15は、その堆積状態が解消され、リフター18bの傾斜面20aを転がりつつ、整列レール14を超えてリフター18bよりも低位置のリフター18aの傾斜面20aに転がり落ちる。その際に、リフター18aの上昇の場合と同様に、板状体14a,14bの間に所定向きに整列された鍔付棒状部材15が留まる。
リフター18bの昇降が終了し、リフター18bが降下して下死点に到達したとき、制御部34から搬送シリンダー30に駆動信号を発信し、整列レール14の板状体14a,14bの送出口19に対して反対側に位置しているプッシャー28を往復動する(ステップS40)。このプッシャー28が、送出口19の方向に移動したとき、図9(b)に示すように板状体14a,14bの間隔内に所定向きに整列された状態で留まる鍔付棒状部材15を送出口19からシュート部26に搬送する。
制御部34は、ステップS38において、プッシャー28を往復動するように搬送シリンダー30に駆動信号を発信すると共に、ピン31を突出するようにピンシリンダー32を駆動する突出信号を発信し、整列レール14の板状体14a,14bの上端面に鍔部が重複状態で載置された状態で搬送されてきた鍔付棒状部材15,15のうち、上側の鍔部を押圧して重複状態を解消する。プッシャー28の往復動が終了したとき、制御部34は、突出したピン31を後退させる後退信号をピンシリンダー32に発信する。
プッシャー28の往復動が終了したとき、制御部34は、シュート部センサー26aから鍔付棒状部材15が通過した通過信号を受信したか否か判断する(ステップS40)。ステップS40において、鍔付棒状部材15の通過信号を受信したと判断したとき、タイマーをリセットし(ステップS42)、再度、タイマーをONとする(ステップS44)。その後、タイマーがON状態であるか判断する(ステップS46)。ステップS46において、タイマーがON状態でない(タイマーがUP状態である)と判断したとき、リフター18a,18bの傾斜面20a上に鍔付棒状部材15が存在しないと判断し、ステップS12に戻り、フィーダ部24にストックホッパー11から鍔付棒状部材15を供給する。
一方、ステップS40において、シュート部センサー26aからの通過信号を受信していないと判断したとき、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在するか否かを判断する(ステップS25)。ステップS25において、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在すると判断したとき、ステップS46に戻る。ステップS29において、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在しないと判断したとき、ステップS27でタイマーの進行を停止した後,再度、シュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間がないか、シュート部センサー26aからの検知信号に基づいて判断する(ステップS29)。ステップS29でシュート部26に鍔付棒状部材15を収容する隙間が存在すると判断したとき、タイマーの進行を再開し(ステップS31)、ステップS46に進む。
ステップS46において、タイマーがUP状態にあるとき、リフター18a,18bの傾斜面20a上に鍔付棒状部材15が存在しないと判断し、ステップS48に進み、ストックホッパ―センサー11cからの検知信号に基づいてストックホッパー11が空状態か否か判断する。ストックホッパー11が空状態であるとき、制御は終了する(ステップS50)。一方、ステップS46において、タイマーがUP状態でないとき(タイマーがON状態にあるとき)、ステップS24に戻り、再度、リフター18aを昇降する。
このようにリフター18a,18bを交互の昇降することにより、リフター18a,18bの傾斜面20a上の鍔付棒状部材15を徐々に整列レール14の板状体14a,14bの間に整列し、シュート部26に搬送して順次ユーザーに提供できる。この整列速度は、リフター18a,18bの交互の昇降に代えて、整列レール14を昇降して鍔付棒状部材15を整列する場合に比較して向上できる。リフター18a,18bを交互に昇降することにより、リフター18a,18bの傾斜面20a上の鍔付棒状部材群全体の堆積状態を簡単に壊すことができ、鍔付棒状部材15の各々が傾斜面20を転がり落ちつつ、その姿勢を変えることができることに因るものと推察される。
図1〜図9に示すパーツフィーダー10では、棒状部材として鍔付棒状部材15を扱っていたが、図10に示すように鍔なしの直状棒状部材25でも扱うことができる。直状棒状部材25は、両端部にネジ25aが形成されたものであり、二枚の板状体14a,14bの上端面の長手方向に横たわりつつ、その一部が板状体14a,14bの間に挿入された状態で整列される。
また、図1の制御部34では、リフター18a,18bの傾斜面20a上に鍔付棒状部材15が存在しないとの判断をタイマーを用いて行っていたが、リフター18a,18bの昇降回数で行ってもよい。つまり、リフター18a,18bの昇降が所定回数経過するまでに、シュート部26のシュート部センサー26aからの鍔付棒状部材15の通過信号を制御部34が受信しないとき、リフター18a,18bの傾斜面20a上に鍔付棒状部材15が存在しないものと判断する。
本発明に係るパーツフィーダーは、ボルト、ねじ等の棒状部材を所定向きに整列して機械の組立装置等への供給装置として用いることができる。
10 パーツフィーダー
11 ストックホッパー
11a フィード板
11b フィードシリンダー
11c ストックホッパーセンサー
12 ケーシング
14 整列レール
14a,14b 板状体
15 鍔付棒状部材
16 仕切部
17 切欠部
18a,18b リフター
19 送出口
20a 傾斜面
20b 補助傾斜面
21 コーナーブロック
22 整列リフトシリンダー
24 フィーダ部
24a 満杯センサー
25 直状棒状部材
25a ネジ
26 シュート部
26a シュート部センサー
27a,27b ストッパー
27c,27d ストッパーシリンダー
28 プッシャー
28a 当接面
28b 突出部
28c テーパ面
28d 板状部
29 連結部
30 搬送シリンダー
30a スライド軸
30b スライド部
31 ピン
32 ピンシリンダー
34 制御部

Claims (7)

  1. ケーシングに形成され、複数本の棒状部材がランダムな向きで堆積されている棒状部材群から所定向きに整列された前記棒状部材を送り出す送出口に、前記ケーシング内を仕切るように所定間隔を介して立設された二枚の板状体の側端部の一方側が挿入されている整列レールと、
    前記整列レールで仕切られた前記ケーシング内の一対の仕切部内に昇降可能に設けられ、前記仕切部の各底面に相当する面が前記整列レールの方向に傾斜する傾斜面に形成されている一対のリフターと、
    前記傾斜面に前記棒状部材群を載置した前記一対のリフターを、前記整列レールの上端近傍に前記傾斜面の下端が位置するまで交互に昇降する昇降動駆動装置と、
    前記整列レールの前記間隔内に少なくとも一部が挿入された状態で前記送出口に対して往復動可能に設けられ、前記整列レールの上端近傍に到達した前記リフターの一方の傾斜面を、前記一方のリフターよりも低位置の他方のリフターの傾斜面の方向に転がり落ちる前記棒状部材のうち、前記整列レールの前記間隔内に整列された前記棒状部材を前記送出口方向に押し出すプッシャーと、
    前記プッシャーを前記送出口に対して往復動する往復動駆動装置とが設けられていることを特徴とするパーツフィーダー。
  2. 前記一対のリフターの各傾斜面の前記送出口側コーナー部と前記送出口側コーナー部に対向する対向面側コーナー部とに、前記傾斜面に載置された前記棒状部材群が前記傾斜面の中央部側に寄るように、前記傾斜面に向かって傾斜する補助傾斜面が前記整列レール方向に徐々に幅広に形成されたコーナーブロックが装着されていることを特徴とする請求項1記載のパーツフィーダー。
  3. 前記整列レールを構成する前記二枚の板状体の各上端面に、交互に切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のパーツフィーダー。
  4. 前記プッシャーには、前記整列レールに整列された前記棒状部材に当接する当接面に対して反対面側方向に板状部が延出されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のパーツフィーダー。
  5. 前記プッシャーには、前記整列レールを構成する前記二枚の板状体上に非整列状態で載置された前記棒状部材を前記リフターの方向に排除するテーパ面が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のパーツフィーダー。
  6. 前記棒状部材が鍔付棒状部材であって、その鍔部が前記整列レールを構成する前記二枚の板状体の上端面に載置された状態で前記二枚の板状体の間に垂下された前記鍔付棒状部材と前記プッシャーとが二点で当接するように、前記二枚の板状体の間に挿入された前記プッシャーの先端部に、前記鍔部に当接する部分よりも突出した突出部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載のパーツフィーダー。
  7. 前記送出口の近傍には、前記整列レールを構成する前記二枚の板状体の上端面に前記鍔部が重複状態で載置された前記鍔付棒状部材が前記プッシャーで押圧されて移動してきたとき、前記重複状態の鍔部のうち、上側の鍔部を押圧して前記重複状態を解消するピンが設けられていることを特徴とする請求項6記載のパーツフィーダー。
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