JP2015101322A - フロアパネル用シール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトながら防水性が高くコスト高騰も回避したフロアパネル用シール構造を提供。【解決手段】フロアパネル用シール構造は、リアフロアパネル110の開口の上部にバッテリ112を覆って被さる樹脂製のアッパカバー114と、リアフロアパネル110の開口の縁から下方に延びる第2フランジ126と、アッパカバー114の第1フランジ120の下面に貼り付けられ開口の縁に押し付けられる第1発泡性シール材122と、第1発泡性シール材122の外側に隣接して第1フランジ120の下面に貼り付けられ第1フランジ120とリアフロアパネル110との間隙をシールする第2発泡性シール材124とを備え、第1発泡性シール材122は、第2発泡性シール材124に比較して上下方向の厚みが大きく弾性が低く、圧縮されて第1フランジ120と第2フランジ126との間隙をシールする。【選択図】図11

Description

本発明は、床面を構成するフロアパネルに形成された開口の上部に被さるカバーとフロアパネルとの間隙をシールするフロアパネル用シール構造に関するものである。
電気自動車やハイブリッドカーなどの車両に搭載される高電圧バッテリ(以下「バッテリ」と略称することあり)は、車両床面にレイアウトされる。バッテリは、車両の航続距離を確保するため大型化する傾向がある。そのため、とりわけ車両後部の床面を構成するリアフロアパネル上にバッテリをレイアウトした場合、大型のバッテリが車両後部の荷室空間を占有し、荷室の使い勝手が悪化する。荷室空間を確保するには、ラゲッジボード下へバッテリを搭載する必要があるが、大型のバッテリはラゲッジボード下のスペースには収まりきらない。
このような荷室空間が不足する問題を解消するため、リアフロアパネル下面にバッテリを固定し、バッテリを完全に車室外へレイアウトする従来技術が存在する(例えば特許文献1)。しかしバッテリには通常、ブレーカを内蔵したブレーカボックスが付設されているため、少なくともバッテリの上半分を車室内に露出させ、ブレーカボックスのオン/オフ操作を可能にすることが好ましい。
そこで、リアフロアパネルに開口を形成し、この開口にバッテリを組み付けてリアフロアパネルの上下にまたがるように設置する従来技術が存在する(例えば特許文献2)。
特開平7−242125号公報 特開平6−344950号公報
しかし特許文献2のような従来技術の場合、リアフロアパネルの開口とバッテリとの間隙をシールして車室内への水の浸入を防止する必要がある。バッテリのうち車室内に露出している上部には、通常、樹脂製のカバーが被さっていて、このカバーがリアフロアパネルに固定される。そのため、実際には、カバーとリアフロアパネルとの間隙をシールする必要がある。
従来の一般的な車両フロアパネル用シール構造には、Oリングやウェザストリップがある。しかしこうしたシール構造は、1重の構成であるため、防水が破られた場合に対処できない場合があり、しかも大型化しがちであった。
特許文献2ではZ型の2重シール構造を用い、防水性を向上させている。しかし特許文献2のZ型の2重シール構造では、水平なシール面を2箇所設け、さらにこれらのシール面に高低差をつける必要もあった。よって、シール構造の大型化の問題は依然として解消されていない。
また、高価なシール材を利用すると、シール構造の大型化に伴ってコスト高騰も問題となる。
本発明は、このような課題に鑑み、フロアパネルの開口の上部に被さるカバーとフロアパネルとの間隙をシールする、コンパクトでありながら防水性が高くコスト高騰も回避可能なフロアパネル用シール構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の代表的な構成は、床面を構成し開口が形成されたフロアパネルを備えるフロアパネル用シール構造において、フロアパネルの開口の上部に被さる樹脂製のカバーであって、フロアパネルの開口の縁に沿う側壁および側壁から外側に屈曲してフロアパネルの上面に固定される第1フランジを有するカバーと、フロアパネルの開口の縁から下方に延びる第2フランジと、第1フランジの下面に貼り付けられ開口の縁に押し付けられる第1シール材と、第1シール材の外側に隣接して第1フランジの下面に貼り付けられ第1フランジとフロアパネルとの間隙をシールする第2シール材とをさらに備え、第1シール材は、第2シール材に比較して上下方向の厚みが大きく弾性が低く、圧縮されて第1フランジと第2フランジとの間隙をシールすることを特徴とする。
上記の構成によれば、第1シール材は上下方向の厚みが大きいため、第2シール材よりも下方に突出している。このように第1・第2シール材は、断面L字形状の第2フランジに対応した、コンパクトなL型形状になっている。
弾性が低い第1シール材は、開口の縁に押し付けられると、低い応力で容易に圧縮される。また第1シール材は、第2シール材よりも下方に突出していることも手伝って、カバー組付方向に平行な第2フランジの開口側に広がる。その結果、第1シール材は、組付方向に直交する第1フランジと、第1フランジの下方に位置し第1フランジと平行でない(組付方向と平行な)第2フランジとの間に生じる広範囲の間隙を、好適にシール可能である。
一方、第2シール材は、第1シール材の圧縮によりフロアパネルに到達する。そして互いに平行(水平)な第1フランジとフロアパネルとの狭い間隙をシールする。第2シール材は、高い応力でなければ圧縮されないため、カバーとフロアパネルとの位置関係を安定的に保つ。
このように本願発明によれば、床面を構成するフロアパネルに形成された開口の上部に被さるカバーとフロアパネルとの間隙を、第1および第2シール材という2種類のシール材によって二重にシールしている。これによって、フロアパネルの上側すなわち車室内への水の浸入が、より高い防水性をもって防止される。
本願発明によるシール構造は、厚みに差を設けた2種類のシール材をカバーの下面に隣接して貼り付けただけのコンパクトな構造である。よって本願発明によるシール構造は、ウェザストリップ等を用いたシール構造に比較して、格段に小型化されている。しかも、カバーの組付と同時に第1シール材が圧縮されることでシール構造が容易に完成され、面倒な組付作業を必要としない。
また、防水のほとんどを受け持つ第1シール材は、第2シール材よりも体積が大きいものの、低廉であるため、コストの高騰は招かない。第2シール材は、高価ではあるが、狭い間隙をシールするため体積も小さくて済み、コスト高騰を招くことがない。基本的には第1シール材のみで十分に防水可能であるが、万一の場合を想定して第1フランジと第2フランジの接触部分の近傍で高価な第2シール材を採用することで、コストアップを抑えている。
当該フロアパネル用シール構造は、カバーの第1フランジから開口の内部へ下方に突出するリブをさらに備え、第1シール材は、リブの開口内部側、下側およびフロアパネル側にわたってリブに巻き付けられているとよい。
第1シール材は、第1フランジの下面に貼り付けられているため、もとより、安定して定位置に固定されている。しかし上述のように、第1シール材を、さらにリブに巻きつけることで、カバー組付時に開口の縁に押し付けられる第1シール材の剥がれが、より十全に防止される。
上記カバーの第1フランジは、外側に位置する外フランジと、外フランジより一段上の高さを有し内側に位置する内フランジとを含み、第2シール材は、外フランジと内フランジとの境界の段差に沿って、内フランジの下面に配置されているとよい。かかる構成によれば、段差の角に配置された第2シール材の位置ずれが防止できるからである。
本発明によれば、フロアパネルの開口の上部に被さるカバーとフロアパネルとの間隙をシールする、コンパクトでありながら防水性が高くコスト高騰も回避可能なフロアパネル用シール構造を提供可能である。
本発明によるフロアパネル用シール構造の実施形態が適用される車両後部を示す斜視図である。 図1のラゲッジボードを取り外した車両後部を示す斜視図である。 図2のハイブリッドバッテリユニットを車両左斜め前方から見た斜視図である。 図3のリアフロアパネルを下方から見た斜視図である。 図4のハイブリッドバッテリをリアフロアパネルに組み付けた状態を示す図である。 図5のリアフロアパネルの開口の上部にハイブリッドバッテリを覆って樹脂製のアッパカバーを被せる様子を示す図である。 図6のアッパカバーの斜視図である。 図7のアッパカバーを下方から見た斜視図である。 図7のアッパカバーを下方から見た斜視図である。 図3のA−A断面図である。 図10の一部拡大図である。 図3のB−B断面図である。 図12の一部拡大図である。 比較例におけるシール構造を例示する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明によるフロアパネル用シール構造の実施形態が適用される車両後部を示す斜視図である。同図中、車両前前方を矢印Fwd、車両右側を矢印Rh、車両上方を矢印Upで表す。図1に示すように、車両100の後部には、リアシート102の後側に、上面が平坦なラゲッジボード104が備えられる。
図2は、図1のラゲッジボード104を取り外した状態を示す斜視図である。図2に示すように、ラゲッジボード104の下にはハイブリッドバッテリユニット106と補機バッテリユニット108とが備えられる。本実施形態にかかる自動車100はハイブリッドカーであるが、電気自動車またはガソリンエンジン自動車であってもよい。
図3は図2のバッテリユニット106を車両左斜め前方から見た斜視図である。図3では図示の便宜上、リアシート102を図示省略している。図3に示すように、バッテリユニット106は、車両床面を構成する開口116(図4参照)が形成されたリアフロアパネル110に取付けられている。
バッテリユニット106は、リチウムイオン2次電池等で構成される高電圧のハイブリッドバッテリ112(図4参照)と、その上部に被さる樹脂製のアッパカバー114とを含む。アッパカバー114は、ブレーカボックス(図示省略)の操作時以外に乗員がバッテリ112に接触するのを防止する。車両重量の増加を回避する観点から、アッパカバー114は硬質樹脂製とするのが好ましい。
図4は、図3のリアフロアパネル110を下方から見た斜視図である。図4に示すように、リアフロアパネル110には、リアシート102(図2参照)が設置される位置よりも後方に開口116が形成されている。バッテリユニット106をリアフロアパネル110に組み付けるときは、まず、図4に示すように、バッテリ112を、リアフロアパネル110の上下にまたがるように、開口116に通してリアフロアパネル110に固定する。図5は、図4のバッテリ112をリアフロアパネル110に組み付けた状態を示す図である。
図6は、図5のリアフロアパネル110の開口116の上部にバッテリ112を覆って樹脂製のアッパカバー114を被せる様子を示す図である。このようにアッパカバー114を開口116の上部にバッテリ112を覆うように被せることで、バッテリユニット106のリアフロアパネル110への組付が完了し、図3に示す状態となる。
すなわち、車室内および車室外の双方の領域にわたってバッテリユニット106を設置することで、図1のラゲッジボード104上の荷物の収納スペースや後方視界の確保が図れる。また、バッテリ112に含まれるバッテリセル(図示省略)を上下に重ねて配置しても最低地上高を確保できる。バッテリを完全に車室外へレイアウトする場合と異なり、リアフロアパネル110の下部に、バッテリセルを水平方向の広範囲にわたって平面的に配置する必要もないので、サスペンションや燃料タンクとの干渉といった問題も生じない。
本実施形態では、車両床面を構成するフロアパネルの例としてリアフロアパネル110を挙げて説明しているが、これに限らず、フロントフロアパネルに開口を形成して同様にバッテリユニット106を設置してもよい。
図7は図6のアッパカバー114の斜視図である。アッパカバー114は、リアフロアパネル110の開口116の縁に沿う側壁118および側壁118から外側に屈曲してリアフロアパネル110の上面に固定される第1フランジ120を有する。
図8および図9は、それぞれ、図7のアッパカバー114を下方の別々の方向から見た斜視図である。図8および図9では、アッパカバー114の天面は外されている。アッパカバー114の第1フランジ120の下面には、第1発泡性シール材122が連続して一周にわたり貼り付けられている。第1フランジ120の下面には、さらに、第1発泡性シール材122の外側に隣接して第2発泡性シール材124が一周にわたり貼り付けられている。なお第2発泡性シール材124が第1発泡性シール材122に「隣接」するという用語の意味は、第1発泡性シール材122に対して隙間なく接触していることを要するものではない。図8および図9に示すように、シール材122・124がわずかに間隙を空けて配置されていることも含む。
図10は図3のA−A断面図であり、本実施形態にかかる車両フロアパネル用シール構造の全体図である。図11は図10の一部拡大図であり、図11(a)(b)はそれぞれ、図10の領域Zおよび領域Yの拡大図である。図12は図3のB−B断面図であり、本実施形態にかかる車両フロアパネル用シール構造の全体図である。図13は図12の一部拡大図であり、図13(a)(b)はそれぞれ、図12の領域Xおよび領域Wの拡大図である。なお、図10および図12では、便宜上、バッテリ112の内部構造の図示を省略している。
図11(a)(b)および図13(a)(b)に示すように、リアフロアパネル110の開口116の縁からは、第2フランジ126が下方に延びている。第1発泡性シール材122は、第2発泡性シール材124に比較して上下方向の厚みが大きく、弾性が低い。なお、第1発泡性シール材122は、連続発泡性である。
図6に示したようにリアフロアパネル110の開口116の上部にバッテリ112を覆って樹脂製のアッパカバー114を被せたとき、図11(a)(b)および図13(a)(b)に示すように、第1発泡性シール材122は、開口116の縁(第2フランジ126の付け根)に押し付けられる。これによって第1発泡性シール材122は圧縮されて第1フランジ120と第2フランジ126との間隙をシールする。一方、第2発泡性シール材124は、第1フランジ120とリアフロアパネル110との間隙をシールする、独立発泡性のシール材である。
第1・第2発泡性シール材122・124は、いずれも合成ゴム製としてよく、典型的にはEPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)ゴムを用いてよい。本実施形態では、好適なシール材としてこのような発泡性のシール材を用いているが、シール材が発泡性であることは必須ではない。
なお図11(a)(b)および図13(a)(b)では、図示の便宜上、圧縮される前の矩形の第1発泡性シール材122および第2発泡性シール材124をそのまま示している。したがって、これらの図においてリアフロアパネル110よりも下に逸脱している第1発泡性シール材122および第2発泡性シール材124は、実際には、リアフロアパネル110によって圧縮され、リアフロアパネル110より下に逸脱することはない。
上記の構成によれば、第1発泡性シール材122は上下方向の厚みが大きいため、第2発泡性シール材124よりも下方に突出している。このように第1・第2発泡性シール材122・124は、断面L字形状の第2フランジ126に対応した、コンパクトなL型形状になっている。
弾性が低い第1発泡性シール材122は、開口116の縁(第2フランジ126の付け根)に押し付けられると、低い応力で容易に圧縮される。また第1発泡性シール材122は、第2発泡性シール材124よりも下方に突出していることも手伝って、アッパカバー114の組付方向(図11および図13の上下方向)に平行な第2フランジ126の開口116側に広がる。その結果、第1発泡性シール材122は、アッパカバー114の組付方向に直交する第1フランジ120と、第1フランジ120の下方に位置し第1フランジ120と平行でない(アッパカバー114の組付方向と平行な)第2フランジ126との間に生じる広範囲の間隙を、好適にシール可能である。
一方、第2発泡性シール材124は、図11(a)(b)および図13(a)(b)に示すように、第1発泡性シール材122の圧縮によりリアフロアパネル110に到達する。そして互いに平行(水平)な第1フランジ120とリアフロアパネル110との狭い間隙をシールする。第2発泡性シール材124は、高い応力でなければ圧縮されないため、アッパカバー114とリアフロアパネル110との位置関係を安定的に保つ。
このように本実施形態によれば、車両床面を構成するリアフロアパネル110の上下にまたがって設置されたバッテリ112を覆うように開口116の上部に被さるアッパカバー114とリアフロアパネル110との間隙を、第1および第2発泡性シール材122・124という2種類のシール材によって二重にシールしている。これによって、リアフロアパネル110の上側すなわち車室内への水の浸入が、より高い防水性をもって防止される。
本実施形態では、第1発泡性シール材122として、第2発泡性シール材124に比較して防水性が低いものを用いている。ただし第1発泡性シール材122は、防水性が低いとは言うものの、あくまで第2発泡性シール材124に比較した性能であり、防水性に乏しいわけではなく、発泡性シール材としての性能は十分に有する。それどころか、リアフロアパネル110の開口116における防水の大部分は第1発泡性シール材122が行う。
図14は本実施形態と比較される比較例におけるシール構造を例示する図である。図14において、本実施形態と同様の要素には、同一の参照符号を付す。図14(a)(b)はいずれも、図11(a)に対応する断面図である。図14(a)はウェザストリップ130を用いてアッパカバー114とリアフロアパネル110との間隙をシールするシール構造である。図14(b)は特許文献2と同様の、Z型シール131を用いたシール構造である。
図14(a)(b)の比較例は、いずれも、アッパカバー114をリアフロアパネル110の付近で大きく隆起させた隆起部132を形成し、その下にウェザストリップ130またはZ型シール131を介在させる、大型の構成を余儀なくされている。
一方、本実施形態によるシール構造は、図11(a)に示すように、厚みに差を設けた2種類の発泡性シール材122・124をバッテリ112のアッパカバー114の下面に隣接して貼り付けただけのコンパクトな構造である。よって本実施形態によるシール構造は、図14の比較例のウェザストリップ等を用いたシール構造に比較して、格段に小型化されている。しかも、アッパカバー114の組付と同時に第1発泡性シール材122が圧縮されることでシール構造が容易に完成され、面倒な組付作業を必要としない。
また、防水のほとんどを受け持つ第1発泡性シール材122は、第2発泡性シール材124よりも体積が大きいものの、低廉であるため、コストの高騰は招かない。第2発泡性シール材124は、高価ではあるが、狭い間隙をシールするため体積も小さくて済み、コスト高騰を招くことがない。基本的には体積が大きいが低廉な第1発泡性シール材122のみで十分に防水可能である。しかし万一の場合を想定して第1フランジ120と第2フランジ126の接触部分の近傍でのみ、高価であるがコンパクトな第2シール材を採用している。これによって本実施形態ではコストアップを抑えている。
例えば図11(a)に示すように、本実施形態におけるシール構造は、アッパカバー114の第1フランジ120から開口116の内部へ下方に突出するリブ140をさらに備えている。第1発泡性シール材122は、リブ140の開口106内部側、下側およびリアフロアパネル110側にわたってリブ140に巻き付けられている。
第1発泡性シール材122は、第1フランジ120の下面に貼り付けられているため、もとより、安定して定位置に固定されている。しかし上述のように、第1発泡性シール材122を、さらにリブ140に巻きつけることで、アッパカバー114組付時に開口116の縁(第2フランジ126の付け根)に押し付けられる第1発泡性シール材122の剥がれが、より十全に防止される。
本実施形態では、アッパカバー114の側壁118がリアフロアパネル110の開口116の内側に位置し、リブ140は、第1フランジ120のうち側壁118との境界から垂直下方に突出している。すなわち、リブ140はほとんど側壁118の延長上に位置している。ただし、図示しないが、アッパカバー114の側壁118がリアフロアパネル110の開口116の外側に位置してもよく、その場合、リブ140が垂直下方よりも開口116寄りに傾斜して開口116の内部へ突出することとしてもよい。
例えば図11(a)に示すように、アッパカバー114の第1フランジ120は、外側に位置する外フランジ120Aと、外フランジ120Aより一段上の高さを有し内側に位置する内フランジ120Bとを含む。外フランジ120Aはリアフロアパネル110にスタッドボルト142または144によって固定される。なお要素145はハーネスである。
第2発泡性シール材124は、外フランジ120Aと内フランジ120Bとの境界の段差146に沿って、内フランジ120Bの下面に配置されている。かかる構成によれば、段差146の角に配置された第2発泡性シール材124の位置ずれが防止できるからである。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本文では、本願発明を車両フロアパネル用シール構造を実施形態として説明した。しかし本発明は車両用に限定されるものではなく、あらゆる床面を構成するフロアパネルに形成された開口の上部に被さるカバーとフロアパネルとの間隙をシールするフロアパネル用シール構造に利用してよい。
本発明は、床面を構成するフロアパネルに形成された開口の上部に被さるカバーとフロアパネルとの間隙をシールするフロアパネル用シール構造に利用することができる。
100 …車両、102 …リアシート、104 …ラゲッジボード、106 …ハイブリッドバッテリユニット、108 …補機バッテリユニット、110 …リアフロアパネル、112 …ハイブリッドバッテリ、114 …アッパカバー、116 …開口、118 …側壁、120 …第1フランジ、120A …外フランジ、120B …内フランジ、122 …第1発泡性シール材、124 …第2発泡性シール材、126 …第2フランジ、130 …ウェザストリップ、131 …Z型シール、140 …リブ、142、144 …スタッドボルト、145 …ハーネス、146 …段差

Claims (3)

  1. 床面を構成し開口が形成されたフロアパネルを備えるフロアパネル用シール構造において、
    前記フロアパネルの開口の上部に被さる樹脂製のカバーであって、前記フロアパネルの開口の縁に沿う側壁および該側壁から外側に屈曲して前記フロアパネルの上面に固定される第1フランジを有するカバーと、
    前記フロアパネルの開口の縁から下方に延びる第2フランジと、
    第1フランジの下面に貼り付けられ前記開口の縁に押し付けられる第1シール材と、
    第1シール材の外側に隣接して第1フランジの下面に貼り付けられ第1フランジと前記フロアパネルとの間隙をシールする第2シール材とをさらに備え、
    第1シール材は、第2シール材に比較して上下方向の厚みが大きく弾性が低く、圧縮されて第1フランジと第2フランジとの間隙をシールすることを特徴とするフロアパネル用シール構造。
  2. 当該フロアパネル用シール構造は、前記カバーの第1フランジから前記開口の内部へ下方に突出するリブをさらに備え、
    第1シール材は、前記リブの開口内部側、下側およびフロアパネル側にわたって該リブに巻き付けられていることを特徴とする請求項1に記載のフロアパネル用シール構造。
  3. 前記カバーの第1フランジは、
    外側に位置する外フランジと、
    前記外フランジより一段上の高さを有し内側に位置する内フランジとを含み、
    第2シール材は、前記外フランジと内フランジとの境界の段差に沿って、該内フランジの下面に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフロアパネル用シール構造。
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