JP2015101271A - ハイブリッド車のエンジン始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド車のエンジンの始動を電力消費を抑制し、かつもたつき感を生じさせることなく実行する。【解決手段】クラッチの伝達トルク容量を予め定めた目標伝達トルク容量に設定するとともに、動力分割機構の入力回転数が予め定めた目標回転数となるように第1モータ・ジェネレータのトルクを制御し、入力回転数が前記目標回転数に達した場合に、モータによってクラッチに掛かるトルクが目標伝達トルク容量と等しいトルクとなるようにモータのトルクを制御し、入力回転数が目標回転数から予め定めた所定値以上離れた場合に、モータの出力トルクをそのモータの慣性モーメントと動力分割機構のギヤ比とに基づいて求めた補正トルクで補正する(ステップS4)。【選択図】図1

Description

この発明は、モータリングして始動されるエンジンとモータとを駆動力源として備えたハイブリッド車において、そのモータが出力する駆動力によってエンジンをモータリングするように構成されたエンジン始動制御装置に関するものである。
動力分割機構を構成している遊星歯車機構におけるサンギヤに第1の回転電機が連結されるとともに、キャリヤにクラッチを介してエンジンが連結され、さらにリングギヤを出力要素としてリングギヤから駆動輪にトルクを出力し、そのリングギヤから出力されるトルクに第2の回転電機が出力するトルクを付加するように構成されたハイブリッド装置が特許文献1に記載されている。この特許文献1の装置では、クラッチを解放して停止させていたエンジンを始動する場合、先ず、第1の回転電機の回転数を予め定めた所定の回転数に増大させ、その状態でクラッチの伝達トルク容量を増大させてクラッチを構成している駆動側および従動側の回転部材同士の回転数差を低下させ、その回転数差がなくなってクラッチが完全に係合した後にエンジンに対して燃料を供給するなどの始動制御を実行している。
特開2012−201255号公報
上記の特許文献1に記載された装置では、第1の回転電機の目標回転数をエンジンの始動回転数に設定し、クラッチにおける上記の回転数差が次第に小さくなるように制御している。したがって、クラッチが次第に係合することに伴うトルクが第1の回転電機に作用するので、第1の回転電機の回転数制御をフィートバック制御によって行っている。クラッチにおける回転数差の要因は、伝達トルク容量の変化だけでなく、クラッチに掛かるトルクの変動や摩擦係数の変動あるいは潤滑油の状態なども要因となるから、上記のフィードバック制御においては、第1の回転電機の電流を頻繁に変化させることになり、その結果、エンジンの始動に伴う電力消費量が多くなる可能性がある。
この発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、クラッチを係合させつつモータによってエンジンを始動する際に、電力消費量を抑制でき、また始動の遅れを抑制することのできるエンジン始動制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、三つの回転要素で差動作用を行う動力分割機構における第1の回転要素に発電機能のあるモータが連結され、かつ第2の回転要素に伝達トルク容量を制御可能なクラッチを介してエンジンが連結され、さらに第3の回転要素が駆動輪に対してトルクを出力する出力要素とされたハイブリッド車のエンジン始動制御装置において、前記クラッチを解放した状態で停止しているエンジンを始動する場合にそのクラッチの伝達トルク容量を予め定めた目標伝達トルク容量に設定するとともに、前記第2の回転要素もしくはその第2の回転要素と一体となって回転する部材の回転数が予め定めた目標回転数となるように前記モータのトルクを制御し、前記第2の回転要素もしくはその第2の回転要素と一体となって回転する部材の回転数が前記目標回転数に達した場合に前記クラッチの前記第2の回転要素に連結されている部材に掛かるトルクが前記目標伝達トルク容量と等しいトルクとなるように前記モータのトルクを制御し、前記第2の回転要素もしくはその第2の回転要素と一体となって回転する部材の回転数が前記目標回転数から予め定めた所定値以上離れた場合に、前記モータの出力トルクをそのモータの慣性モーメントと前記動力分割機構のギヤ比とに基づいて求めた補正トルクで補正するように構成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、エンジンをモータリングするためのモータのトルクが、クラッチの伝達トルク容量に基づいて求まるいわゆる釣り合いトルクに制御される。この釣り合いトルクは、クラッチにおけるモータ側の部材に掛かるトルクが、伝達トルク容量に所定の誤差の範囲内で一致するトルクである。したがって、モータトルクをフィードバック制御することがないので、エンジンの始動に伴ってモータで消費する電力量を抑制することができる。また、モータからトルクが伝達される第2の回転要素もしくはこれと一体の部材の回転数が目標回転数から所定値以上外れると、モータトルクがモータの慣性モーメントおよび動力分割機構のギヤ比に基づいて求められた補正トルクによって補正されるので、滑りがなくクラッチが係合した時点のエンジン回転数が上記の目標回転数に上記の所定値の範囲内の偏差で一致する。その結果、クラッチが係合した後にモータでエンジン回転数を引き上げたり、それに伴ってモータが本来のハイブリッド制御に使用できずに、実質的なエンジン始動あるいはハイブリッドモードへの移行に遅れが生じたり、あるいはエンジン回転数が目標回転数より高くなるのを待ってクラッチの係合が完了するなどのことによる実質的なエンジン始動あるいはハイブリッドモードへの移行に遅れが生じるなどのことを防止もしくは抑制することができる。
この発明に係るエンジン始動制御装置で実行される第1モータ・ジェネレータの出力トルクを補正する制御例を説明するためのフローチャートである。 実際のクラッチトルクが大きい方にずれる場合に第1モータ・ジェネレータのトルク補正を行った場合と、行わない場合との係合判定タイミングの相違を説明するためのタイムチャートである。 実際のクラッチトルクが小さい方にずれる場合に第1モータ・ジェネレータのトルク補正を行った場合と、行わない場合との係合判定タイミングの相違を説明するためのタイムチャートである。 この発明で対象とすることのできるハイブリッド車のパワートレーンの一例を示す模式図である。 エンジン始動時に第1モータ・ジェネレータの出力トルクをクラッチトルクに釣り合わせる制御を実行する場合の各指令値および回転数の変化を模式的に示すタイムチャートである。
図4にこの発明で対象とすることのできるハイブリッド車におけるパワートレーンの一例を模式的に示してある。ここに示す例では、モータはそれぞれ発電機能のあるモータ・ジェネレータによって構成されており、エンジン(E/G)1とこの発明におけるモータに相当する第1モータ・ジェネレータ(MG1)2とが動力分割機構3に連結されている。動力分割機構3は、エンジン1が出力した動力を第1モータ・ジェネレータ2と出力要素4とに分割して伝達する機構であって、三つの回転要素を有していてそれらの回転要素の間で差動作用を行う差動機構によって構成されている。その差動機構の一例は遊星歯車機構であって、シングルピニオン型遊星歯車機構が採用されている場合には、そのサンギヤに第1モータ・ジェネレータ2が連結され、またキャリヤにクラッチ5を介してエンジン1が連結され、さらにリングギヤが出力要素4とされる。
出力要素4とされているリングギヤにカウンタドリブンギヤ6が噛み合っている。そのカウンタドリブンギヤ6はカウンタシャフト7に取り付けられており、そのカウンタシャフト7にはカウンタドライブギヤ8が更に取り付けられている。そして、このカウンタドライブギヤ8が終減速機であるデファレンシャルギヤ9のリングギヤ10に噛み合っている。また、上記のカウンタドリブンギヤ6には、第2モータ・ジェネレータ(MG2)11のモータ軸に取り付けられているギヤ12が噛み合っていて、動力分割機構3で分割されたエンジン1の駆動力に、第2モータ・ジェネレータ11が出力する駆動力を付加するように構成されている。なお、第2モータ・ジェネレータ11のトルクは、上記の出力要素(リングギヤ)4に伝達するように構成することもできる。
上記の第1モータ・ジェネレータ2と第2モータ・ジェネレータ11とは、図示しないインバータや蓄電装置に接続され、相互に電力を授受できるように構成されている。また、クラッチ5は摩擦クラッチであって、図示しない所定のアクチュエータによって駆動されて係合および解放させられ、かつ伝達トルク容量を適宜に制御できるように構成されている。このような制御を電気的に行うための電子制御装置(ECU)13が設けられている。その電子制御装置13は、マイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されたデータや予め記憶しているデータに基づいて演算を行い、その演算の結果を制御指令信号として上記のインバータやアクチュエータあるいはエンジン1などに出力して所定の制御を行うように構成されている。その入力されるデータは、エンジン回転数や前述した第2の回転要素の回転数もしくはクラッチ5における第2の回転要素側の回転数、アクセル開度や車速、蓄電装置の充電残量(SOC)などであり、また記憶しているデータは、クラッチ5の伝達トルク容量の指令値を定めたマップ、エンジン1を始動する際の目標係合回転数を定めたマップ、第1モータ・ジェネレータ2の指令値を定めたマップなどである。
上述したパワートレーンを備えたハイブリッド車は、エンジン1が出力する駆動力で走行するいわゆるハイブリッド(HV)走行モード以外に、第2のモータ・ジェネレータ11を蓄電装置の電力で駆動して走行するモータ(EV)走行モードとに設定することができる。そのEV走行モードでは、燃料の消費を抑えるためにエンジン1を停止することがあり、その状態で走行している際にアクセルペダルが踏み込まれて要求駆動力が増大するなどエンジン1の始動条件が成立すると、エンジン1の始動制御が開始される。
その始動制御は、クラッチ5の伝達トルク容量を目標容量(目標トルク)に設定し、また第1モータ・ジェネレータ2のトルクを正回転方向もしくは負回転方向に増大させてエンジン1をモータリングすることにより行われる。その目標トルクは、停止しているエンジン1を自立回転可能な回転数(目標回転数)にまでモータリングするのに過不足のないトルクであり、予め測定して求めておくことができる。また、第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクは、前述した第2の回転要素の回転数もしくはこれと一体の部材(例えば動力分割機構3の入力軸)の回転数(以下、入力回転数という)が上記の目標回転数に達するまでと、目標回転数に達した後との二つに分けて制御される。すなわち、入力回転数は主として車速によって異なるから、その回転数が目標回転数にまで変化する過程で慣性力などによってショックが生じず、また目標回転数に達するまでの時間が過度に長くならないように、第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクが制御される。そのトルクは、例えば車速に応じたトルクとして予め用意しておくことができる。また、入力回転数が上記の目標回転数に達した後は、第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクはクラッチ5の伝達トルク容量に釣り合うトルクに制御される。ここで、釣り合うトルクとは、クラッチ5を構成している部材のうち第1モータ・ジェネレータ2からトルクが伝達される部材(第1モータ・ジェネレータ2側の部材)に掛かるトルクがクラッチ5の伝達トルク容量と実質的に一致(所定の誤差範囲内で一致)するトルクであり、下記の(1)式で表される。
Tgeq =Tclt ×ρ/(1+ρ) …(1)
ここで、Tgeq は第1モータ・ジェネレータ2のトルク(釣り合いトルク)、Tclt はクラッチ5の伝達トルク容量(クラッチトルク)、ρは動力分割機構3を構成している遊星歯車機構のギヤ比もしくは第1モータ・ジェネレータ2からクラッチ5までの間のギヤ比である。
このような制御を行った場合の第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値およびクラッチトルク指令値ならびに回転数の変化の一例を図5に模式的に示してある。ここに示す例は、クラッチ5を解放しかつエンジン1を停止した状態で所定の車速で走行しているさいにエンジン1の始動条件が成立してエンジン1を始動する場合の例である。図4に示すパワートレーンでは、第1モータ・ジェネレータ2はトルクを出力しておらず、またクラッチトルク指令値は「0」である。エンジン始動の判断が成立すると、クラッチトルク指令値はエンジン1のモータリングに過不足のない伝達トルク容量を設定する指令値に増大させられる。また、第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値は、その時点の車速に応じた入力回転数が、上記のクラッチトルクの下で、所定時間内に目標回転数(目標係合回転数)に達するように予め定められた値に設定される。その結果、エンジン1にはクラッチ5を介してトルクが伝達されるのでその回転数が次第に増大し、またそれに伴う反力がクラッチ5における第2の回転要素側の部材に作用するので、入力回転数が次第に低下する。
入力回転数がエンジン始動のための目標回転数に達すると(t1 時点)、第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値がクラッチトルクに釣り合うトルクに変更される。そのトルク指令値は所定の勾配で変化させられるので、t1 時点から所定の時間経過したt2 時点に上記の釣り合うトルクに到達し、それ以降は、クラッチトルクに釣り合うトルクに維持される。なお、クラッチトルクはエンジン回転数が目標回転数に近づいたことにより低下させられるので、それに応じて第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値も低下する。
そして、エンジン回転数が目標回転数に達すると、クラッチ5での滑りがなくなり(t3 時点)、クラッチ5の係合完了(完全係合)の判定が成立する。それに伴ってエンジン1に燃料の供給が開始され、また点火制御が実行され、エンジン1は自立回転し始める(t4 時点)。また、クラッチトルクは完全係合状態を維持するように増大させられ、また第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値はエンジン1のモータリングが完了したことにより所定の勾配で低下させられるとともに、HV走行モードでのトルク制御が行われる。
この発明に係る制御装置は、上記の図5を参照して説明したエンジン始動制御の際に、入力回転数が目標回転数から外れることを防止もしくは抑制するように第1モータ・ジェネレータ2のトルクを補正する。すなわち、クラッチ5で実際に設定される伝達トルク容量は、クラッチディスクの温度や、アクチュエータによる実ストロークと目標ストロークとの偏差により係合力の変化、あるいはクラッチカバーのヒステリシスなどの影響を受けて指令値とは異なる場合がある。これに対して第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値はクラッチトルク指令値に基づいて求められているから、第1モータ・ジェネレータ2の実際のトルクが、クラッチ5における実際の伝達トルク容量とは釣り合わず、その結果、入力回転数が目標回転数からずれる場合がある。そこで、この発明に係る制御装置は、そのような「ずれ」を防止もしくは抑制して、エンジン始動のもたつきあるいは遅れを無くすために以下の制御を行うように構成されている。
図1はその制御例を説明するためのフローチャートであって、ここに示すルーチンは、第1モータ・ジェネレータ2のトルクを補正するためのルーチンであり、所定の短時間ごとに繰り返し実行される。先ず、停止しているエンジン1をクラッチ5を解放して動力分割機構3から切り離した状態からそのエンジン1を始動する制御が実行されているか否か、あるいはその始動制御を行う条件が成立しているか否かが判断される(ステップS1)。このステップS1で否定的に判断された場合には、エンジン1を始動しないので、特には制御を行うことなく、図1に示すルーチンを一旦終了する。これに対してステップS1で肯定的に判断された場合には、上述した図5を参照して説明した制御が開始もしくは実行されていることになり、この場合は、入力回転数が目標(係合)回転数に達したか否かが判断される(ステップS2)。この判断は、入力回転数と目標回転数との偏差が予め定めた値以下になったか否かを判断することにより行うことができる。
クラッチトルク指令値および第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値が前述したように出力されることにより、目標回転数に向けて変化し、車両が所定の車速で走行している場合には、入力回転数が次第に低下する。したがって、入力回転数が目標回転数に達していないことによりステップS2で否定的に判断された場合には、第1モータ・ジェネレータ2のトルクを補正する条件が成立していないので、あるいは補正する必要がないので、図1に示すルーチンを一旦終了する。これに対して、入力回転数が目標回転数に達したこと、あるいは達したことがあることによりステップS2で肯定的に判断された場合には、入力回転数が、上記の目標回転数を中心として設定した所定の回転数範囲を外れているか否かが判断される(ステップS3)。なお、この判断は入力回転数が所定の回転数範囲を外れる方向に変化しているか否かを判断することにより行ってもよい。この所定範囲は、入力回転数の目標回転数のずれが、後述するエンジン始動完了もしくはHV走行モードへの移行の遅れもしくはもたつき感の要因にならない回転数のずれの範囲を定めたものであり、実験やシミュレーションなどによって予め定めておくことができる。
入力回転数が上記の所定範囲に入っていたり、あるいは所定範囲に入っている状態を維持することによりステップS3で否定的に判断された場合には、図1に示すルーチンを一旦終了する。これに対して入力回転数が上記の所定の範囲を外れたり、外れるように変化していることによりステップS3で肯定的に判断された場合には、第1モータ・ジェネレータ2の慣性モーメントと動力分割機構3を構成している遊星歯車機構のギヤ比もしくは第1モータ・ジェネレータ2からクラッチ5までの間のギヤ比に基づいて、第1モータ・ジェネレータ2のトルクについての補正トルクが求められてそのトルクの補正が行われる(ステップS4)。その補正トルクは、入力回転数を目標回転数にまで変化させる際の慣性トルクと、これらの回転数の差に応じたトルク差とによって決めることができ、例えば下記の(2)式によって算出できる。
ここで、Tg_add は補正トルク、Ig は第1モータ・ジェネレータ2の慣性モーメント、ΔNintgtは目標回転数からの許容されるずれ回転数であり、したがって上記の所定範囲は目標回転数を中心とした±ΔNintgtとなる。さらに、Δtは入力回転数が上記の所定範囲外になるのに要する時間であって入力回転数の変化勾配に基づいて求めることができる。そして、Tgofsetは入力回転数を目標回転数に戻すのに要するトルクであって入力回転数と目標回転数との偏差から求めることができる。
第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値は、入力回転数が目標回転数から所定値以上ずれると、上記の補正トルクTg_add により補正される。例えば入力回転数が目標回転数に対して所定値以上低下する場合には、第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値が増大させられ、また反対に入力回転数が目標回転数に対して所定値以上高回転数になる場合には、第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値が低下させられる。このような補正制御を行った場合の第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値およびクラッチトルク指令値ならびに回転数の変化を、補正制御を行わなかった場合と比較して図2および図3にタイムチャートとして示してある。
図2はクラッチ5の実際の伝達トルク容量が指令値より大きく、その結果、入力回転数が目標回転数より引き下げられる場合の例である。エンジン1を始動する判断もしくは条件が成立して第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値およびクラッチトルク指令値が、前述した図5を参照して説明したように制御され、それに伴って入力回転数が目標回転数に到達する(t11時点)。図2において網掛けして示してある範囲が前述した目標回転数についての所定の回転数範囲であり、t11時点の入力回転数の変化勾配と回転数範囲を決めている上記のずれ回転数ΔNintgtとから決まる所定時間Δtの後に入力回転数が上記の回転数範囲を外れる(t12時点)。これは、図1に示すステップS3で肯定的に判断された時点であり、したがって第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクが補正される。図2に示す例では、補正トルクTg_add が加算される。
その後、クラッチトルク指令値が低下すると(t13時点)、それに合わせて第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクが低下するが、そのトルク値は上記の補正トルクTg_add が加算されたトルクである。補正トルクTg_add は、前述したように、入力回転数を目標回転数に戻すためのトルクを含んでいるから、第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクが上記のように補正されていることにより入力回転数は目標回転数に一致し、あるいは所定の誤差の範囲内で一致する。そして、エンジン回転数は設計上想定したように変化して、想定したタイミングから大きく外れることなく目標回転数に一致する(t14時点)。そして、クラッチ5の係合が完了したことの判定が成立し、それ以降は、図5を参照して説明したのと同様に制御されてエンジン1が自立回転に到る。
図2の実線は上記のトルク補正を行った場合の例を示しており、これに対して上記のトルク補正を行わない場合の例を図2に破線で示してある。補正トルクを付加しないとした場合、入力回転数は目標回転数を下回って上記の回転数範囲から外れてしまう。その状態でエンジン回転数が次第に引き上げられるから、入力回転数とエンジン回転数とが目標回転数より低い回転数で一致し、クラッチ5の係合判定が成立する(t15時点)。その時点ではエンジン回転数が目標回転数より低回転数であるから、第1モータ・ジェネレータ2が更にモータとして機能してエンジン回転数を引き上げることになるから、エンジン1が自立回転に到ってHV走行モードに移行するまでに時間が掛かってしまう。しかも、第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクがクラッチトルクに対して不足していることにより入力回転数が目標回転数を下回ってしまう事態となっているのであるから、エンジン回転数を引き上げるのに更に時間を要することになる。したがって、第1モータ・ジェネレータ2が発電機として機能する本来の走行状態もしくは駆動状態に到るまでに時間が掛かり、いわゆるもたつき感が生じてしまう。
また、図3は、クラッチ5の実際の伝達トルク容量が指令値より小さく、その結果、入力回転数が目標回転数にまで引き下げられない場合の例である。エンジン1を始動する判断もしくは条件が成立して第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値およびクラッチトルク指令値が、前述した図5を参照して説明したように制御され、それに伴って入力回転数が目標回転数に到達する(t21時点)。その時点で第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値は、前述したクラッチトルクに釣り合うトルクに増大させられる。その場合に、実際のクラッチトルクがクラッチトルク指令値より小さいと、入力回転数は次第に増大する。エンジン1の始動条件が成立したように、駆動力の増大要求があるからである。
こうして増大した入力回転数が所定時間Δtの後に上記の回転数範囲を超え(t22時点)、前述した補正トルクTg_add によって第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値が補正される。この場合、補正トルクTg_add は負のトルクであり、したがって第1モータ・ジェネレータ2のトルク指令値は減少させられる。その結果、入力回転数は目標回転数に一致し、あるいは所定の誤差で一致する。そして、エンジン回転数は設計上想定したように変化して、想定したタイミングから大きく外れることなく目標回転数に一致する(t23時点)。そして、クラッチ5の係合が完了したことの判定が成立し、それ以降は、図5を参照して説明したのと同様に制御されてエンジン1が自立回転に到る。
図3の実線は上記のトルク補正を行った場合の例を示しており、これに対して上記のトルク補正を行わない場合の例を図3に破線で示してある。補正トルクを付加しないとした場合、入力回転数は目標回転数に達した後に目標回転数を上回って上記の回転数範囲から外れてしまう。その状態でエンジン回転数が次第に引き上げられるとしても、入力回転数が目標回転数より高回転数であるから、エンジン回転数が目標回転数に達しても入力回転数に一致せず、それより更に時間が経過したt24時点に入力回転数とエンジン回転数とが一致し、クラッチ5の係合判定が成立する。すなわち、エンジン1に燃料を供給するなど、自立回転させるための制御の開始がこのt24時点まで遅延することになり、これがもたつき感となる。この発明に係るエンジン始動制御装置によれば、図2および図3に実線で示したように、クラッチ5の係合の判定あるいはエンジン始動の実質的な完了に遅れが生じないので、エンジン始動時のいわゆるもたつき感を防止もしくは抑制することができる。
1…エンジン(E/G)、 2…第1モータ・ジェネレータ(MG1)、 3…動力分割機構、 4…出力要素、 5…クラッチ、 13…電子制御装置(ECU)。

Claims (1)

  1. 三つの回転要素で差動作用を行う動力分割機構における第1の回転要素に発電機能のあるモータが連結され、かつ第2の回転要素に伝達トルク容量を制御可能なクラッチを介してエンジンが連結され、さらに第3の回転要素が駆動輪に対してトルクを出力する出力要素とされたハイブリッド車のエンジン始動制御装置において、
    前記クラッチを解放した状態で停止しているエンジンを始動する場合にそのクラッチの伝達トルク容量を予め定めた目標伝達トルク容量に設定するとともに、
    前記第2の回転要素もしくはその第2の回転要素と一体となって回転する部材の回転数が予め定めた目標回転数となるように前記モータのトルクを制御し、
    前記第2の回転要素もしくはその第2の回転要素と一体となって回転する部材の回転数が前記目標回転数に達した場合に前記クラッチの前記第2の回転要素に連結されている部材に掛かるトルクが前記目標伝達トルク容量と等しいトルクとなるように前記モータのトルクを制御し、
    前記第2の回転要素もしくはその第2の回転要素と一体となって回転する部材の回転数が前記目標回転数から予め定めた所定値以上離れた場合に、前記モータの出力トルクをそのモータの慣性モーメントと前記動力分割機構のギヤ比とに基づいて求めた補正トルクで補正する
    ように構成されていることを特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。
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