JP2015099909A - 巻線型コイル部品およびその製造方法 - Google Patents

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高之 山北
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高之 山北
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Abstract

【課題】ワイヤの始線部及び終線部に空中配線部分が発生するのを防止又は抑制できる巻線型コイル部品およびその製造方法を提供する。【解決手段】本巻線型コイル部品1は、巻芯部と一対のつば部とを有するコア2と、巻芯部に巻回された第1、第2のワイヤ3、4と、つば部の外周面にそれぞれ形成された第1〜第4の端子電極5a〜5dとを備える。第1のワイヤ3の始線部3aは、第1の端子電極5aに対してコア軸線方向に接続されるとともに、巻芯部2aの外周に巻回される。第2のワイヤ4の始線部4aは、第2の端子電極5bに対してコア軸線方向に接続されるとともに、第2の端子電極から巻芯部に向かって延び、かつ第2の端子電極に近接した巻芯部の外周位置で折り曲げられて巻芯部の外周面に巻回される。第1、第2のワイヤの終線部も同様である。このように斜めの空中配線部分が発生しないので、ワイヤの断線を予防でき、ショートの発生リスクを低減できる。【選択図】 図1

Description

本発明は、複数本のワイヤをコアに巻回してなる巻線型コイル部品およびその製造方法に関する。特に、コアの両端のつば部に形成された端子電極にワイヤの始線側と終線側とを接続する構造および接続方法に関するものである。本発明が対象とするコイル部品には、例えば2ライン、3ラインなどのコモンモードチョークコイル又はコモンモードノイズフィルタなどが含まれる。
従来より、図15(a)、(b)に示すような構造のコイル部品100(ここでは2ラインコモンモードチョークコイルを示す)が知られている。101は磁性体からなるコアであり、その中央部に巻芯部101aを有し、軸方向両端部に一対のつば部101b,101cを有している。巻芯部1aには2本のワイヤ102,103が並列に巻回されている。つば部101b、101cの同一面側(図15では上面側)にはそれぞれ2個の突部(合計4個)が設けられ、これらの突部の頂面を含む表面に端子電極104a〜104dが形成されている。ワイヤ102、103の始線部102a、103aは一方のつば部101bの端子電極104a,104b上に接続固定され、ワイヤ102、103の終線部102b、103bは他方のつば部101cの端子電極104c,104d上に接続固定されている。ワイヤ102の始線部102aは、端子電極104a上にコア軸線とほぼ平行(つば部の外壁面に対してほぼ垂直)に接続固定されているが、ワイヤ103の始線部103aは、端子電極104b上にコア軸線に対して斜め方向に接続固定されている。一方、ワイヤ102の終線部102bは、端子電極104c上にコア軸線に対して斜め方向に接続固定されているが、ワイヤ103の終線部103bは、端子電極104d上にコア軸線とほぼ平行に接続固定されている。
一方のワイヤ102の始線部102aは、端子電極104aに接続固定された後、つば部101bの内壁面に沿うように折り曲げられ、その直下にある巻芯部101aへ巻回されるので、ワイヤ102の始線部102aには空中配線部分が殆ど発生しない。ここで、空中配線部分とは、巻芯部から端子電極との間に斜め方向に延びるワイヤの部分であって、特に巻芯部から離間した部分を指す。これに対し、他方のワイヤ103の始線部103aは、端子電極104b上に接続固定された後、巻芯部101aへと巻回されるまでの間、端子電極104bと巻芯部101aとの段差及び幅方向の距離のために斜め方向の空中配線部分103xが発生してしまう。また、ワイヤ102の終線部102bについても同様の空中配線部分が発生する。すなわち、一方のワイヤ102の終線部102bは、巻芯部101aから引き出された後、端子電極104cへと接続されるまでの間、端子電極104cと巻芯部101aとの段差及び幅方向の距離のために斜め方向の空中配線部分102xが発生する。なお、他方のワイヤ103の終線部103bは、巻芯部101aから直上にある端子電極104cへと最短距離で接続されるので、空中配線部分は殆ど発生しない。
上述のような斜め方向の空中配線部分103x、102xが発生すると、その空中配線部分に対して外部から他の部品Xなどが衝突することにより、断線するリスクが高くなる。この問題は、端子電極がつば部から突起状に形成されている場合、つまり端子電極の間に凹部101d,101eが存在する場合に、空中配線部分103x、102xが凹部101d、101eを斜め方向に横切る形となるため、顕著になる。また、コイル部品100を実装基板にはんだ付けした後、その表面を防湿コート樹脂で被覆することがあるが、空中配線部分とつば部の内壁面との隙間又は巻芯部との隙間に防湿コート樹脂が入り込み、この樹脂が温度変化により伸縮を繰り返すことで、空中配線部分に応力が繰り返し作用し、断線に至る可能性もある。さらなる問題は、空中配線部分103x、102xと電位の異なる端子電極104a、104dとの間で、ショートが発生する懸念があることである。すなわち、ワイヤの周面には絶縁被膜が形成されているが、空中配線部分103x、102xが端子電極104b、104cと巻芯部101aとの間に斜め方向に延びているので、空中配線部分103x、102xが電位の異なる端子電極104a、104dと位置P1、P2で近接し、両者の間でショートの発生リスクが高まる。
なお、上述の説明では2本のワイヤを使用した2ラインコモンモードチョークコイルの例を示したが、3本のワイヤを使用した3ラインコモンモードチョークコイルの場合でも同様の問題が存在する。この場合には、1つのつば部に3個の端子電極が隣接して形成されるため、端子電極間の距離がさらに短くなる。そのため、3本のワイヤのうち、2本のワイヤの始線部又は終線部が空中配線部分になる可能性があり、それら空中配線部分と電位の異なる端子電極との距離はさらに短くなり、ショートの発生リスクがさらに高まる。
特許文献1には、図16に示すようなコイル部品100'を製造するための巻線装置が開示されている。このコイル部品100'では、2本のワイヤ102、103の始線部と終線部とを、端子電極104a〜104d上にコア軸線方向に接続固定するよう工夫している。特に、ワイヤ102、103の終線部102b、103bを巻芯部101aに対して線押え手段105によって押圧することにより、ワイヤを一時的に固定し、その固定部から複数のワイヤをコアの軸線方向に向けて外側へ導くようにしている。したがって、ワイヤの終線部102b、103bに関しては、線押え手段105の押え方によっては、上述のような空中配線部分の発生を抑制又は防止することが可能である。しかし、ワイヤの始線部103aについては、斜め方向の空中配線部分の発生を防止し得ない。
特開2002−134347号公報
そこで、本発明の目的は、ワイヤの始線部および終線部において、斜め方向の空中配線部分が発生するのを防止又は抑制し、上述のような課題を解消できる巻線型コイル部品およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る巻線型コイル部品は、上下面および両側面を有する直方体状の巻芯部及びその両端に形成された一対のつば部を有するコアと、前記巻芯部に巻回された複数のワイヤと、両端のつば部に形成され前記ワイヤの始線部と終線部とがそれぞれ接続された複数の端子電極と、を備えている。巻芯部の一側面から近距離にある一端側つば部の端子電極に接続されたワイヤの始線部は、当該端子電極に対してコア軸線方向に接続され、この接続位置から一側面に向かって直線的に延びており、巻芯部の一側面から遠距離にある一端側つば部の端子電極に接続されたワイヤの始線部は、当該端子電極に対してコア軸線方向に接続され、この接続位置から巻芯部の上面の接近位置に向かって延び、巻芯部の上面で折り曲げられた後、一側面方向に巻回されている。巻芯部の他側面から近距離にある他端側つば部の端子電極に接続されたワイヤの終線部は、他側面から端子電極に向かって直線的に延びた後、端子電極に対してコア軸線方向に接続されており、巻芯部の他側面から遠距離にある他端側つば部の端子電極に接続されたワイヤの終線部は、巻芯部の上面にそって端子電極との接近位置まで巻回され、接近位置で折り曲げられた後、端子電極に向かって延び、端子電極に対してコア軸線方向に接続されている。
本発明に係る巻線型コイル部品の製造方法は、まず上下面および両側面を有する直方体状の巻芯部及びその両端に形成されたつば部を有し、両端のつば部にそれぞれ複数の端子電極が形成されたコアを準備するステップを有する。さらに、前記コアの一端側つば部をスピンドルチャックによりチャックするステップと、ノズルから複数のワイヤを繰り出しながら、当該ノズルを一端側つば部の外側から内側へ移動させて、前記ワイヤの始線部を一端側つば部の端子電極上にそれぞれ配線するステップと、前記巻芯部の一側面から遠距離にある一端側つば部の端子電極に配線された前記ワイヤの始線部を、第1ワイヤ押え部材により巻芯部に押しつけるステップと、前記第1ワイヤ押え部材を前記スピンドルチャックと一体に回転させて、前記ノズルから繰り出される複数のワイヤを巻芯部に一緒に巻回するステップと、巻回ステップの終了後に、前記巻芯部の他側面から遠距離にある他端側つば部の端子電極に接続されるべきワイヤの終線部を第2ワイヤ押え部材により巻芯部に押しつけるステップと、前記第2ワイヤ押え部材によりワイヤの終線部を押しつけた状態で、前記ノズルを他端側つば部の内側から外側へ移動させて前記ワイヤの終線部を他端側つば部の端子電極上にそれぞれ配線するステップと、を有する。
ここで、本発明の巻線方法を、2本のワイヤをコアに巻回する場合を例にして説明する。まず、コアの一方のつば部をスピンドルチャックによりチャックする。このチャックされるつば部は、例えば第1と第2の端子電極が形成されたつば部とするのがよい。次に、第1と第2のワイヤの始端部をスピンドルチャックに保持し、ノズルから第1と第2のワイヤを繰り出しながら、ノズルを一端側つば部の外側から内側へ移動させ、両ワイヤの始線部をそれぞれ第1と第2の端子電極上に配線する。ここで、「配線する」とは、ワイヤを端子電極上に配置するだけでもよいし、はんだ付けや熱圧着などにより固定してもよい。つまり、配線の段階で第1と第2のワイヤの始線部をそれぞれ第1と第2の端子電極に固定してもよいし、第1と第2の端子電極に固定せずに巻線ステップを実行し、巻線ステップが終了した後で、両ワイヤを端子電極に固定してもよい。
次に、第1ワイヤ押え部材により第2のワイヤの始線部を巻芯部に押しつけ、この始線部を折り曲げる。つまり、巻芯部の一側面から遠い位置にある第2の端子電極と接続された第2のワイヤの始線部を巻芯部へ押しつけて折り曲げる。なお、折り曲げ角度は直角である必要はない。そして、第1ワイヤ押え部材をスピンドルチャックと一体に回転させて、ノズルから繰り出される第1と第2のワイヤを巻芯部に一緒に巻回する。つまり、第1のワイヤ押え部材により第2のワイヤの始線部を巻芯部に押しつけた状態で巻回ステップを実施するため、空中配線部が発生せず、かつ第2のワイヤの弛みを防止できる。しかも、第2のワイヤと第1の端子電極との距離を確保できるので、ショートの発生リスクを低減できる。なお、第1のワイヤの始線部については、第1の端子電極から巻芯部にかけてほぼ最短距離で張力を保った状態で巻回されるので、ワイヤ押え部材により押えなくても空中配線部が発生しない。
巻回ステップの終了後、第2ワイヤ押え部材により第1のワイヤの終線部を巻芯部に押しつけながら、ノズルを他端側つば部の内側から外側へ移動させて第1と第2のワイヤの終線部を第3と第4の端子電極に対して配線する。このとき、第1のワイヤの終線部は巻芯部の外周面にそって第3の端子電極との接近位置まで巻回され、接近位置で折り曲げられた後、第3の端子電極に向かって引き出される。この段階で、第1と第2のワイヤの終線部をそれぞれ第3と第4の端子電極に接続固定してもよいし、第1と第2のワイヤの終線部を第3と第4の端子電極に対して配置した後、両ワイヤの張力を保ったまま両ワイヤの終端部を保持し、その後で第1と第2のワイヤの終線部を第3と第4の端子電極に接続固定してもよい。
上述のように、本発明の巻線型コイル部品では、第1と第2のワイヤの始線部が、第1と第2の端子電極に対してコア軸線方向に接続される。ここで、「コア軸線方向」とは、コア軸線と厳密に平行な方向に限るものではなく、コア軸線に対して傾斜していてもよく、例えば端子電極の内側縁(巻芯部側)と外側縁(つば部外面側)とを結ぶように延びておればよい。第1のワイヤの始線部は、第1の端子電極からその直下にあるコアの巻芯部に巻回されるので、押え部材で第1のワイヤを押えなくても、斜め方向の空中配線は殆ど発生しない。一方、第2のワイヤの始線部は、第2の端子電極に対してコア軸線方向に接続された後、巻芯部の上面の接近位置に向かって延び、巻芯部の上面で折り曲げられた後、巻芯部に巻回されている。つまり、第2のワイヤの始線部は第2の端子電極との接続部から巻芯部の接近位置へ直線的に延び、巻芯部の外周部で折り曲げられるので、従来のような斜め方向の空中配線が発生しない。そのため、上述の空中配線に起因する問題を解消できる。なお、巻芯部の「接近位置」とは、第2の端子電極に対する巻芯部の最接近位置である必要はなく、したがって第2のワイヤの始線部と第2の端子電極の頂面との角度は、厳密な直交方向である必要はなく、斜め方向の空中配線が発生しない程度の傾きは許容される。
一方、第1のワイヤの終線部は、巻芯部の上面に沿って他方のつば部の第3の端子電極と近接した位置まで巻回され、その位置から第3の端子電極方向に向かって折り曲げられるとともに、第3の端子電極上にコア軸線方向に接続される。そのため、従来のような斜め方向の空中配線部分が発生しない。第2のワイヤの終線部については、巻芯部の他側面から第4の端子電極に対して直線的に引き出されるとともに、コア軸線方向に接続されているため、空中配線部分が殆ど発生しない。
一端側つば部の端子電極及び他端側つば部の端子電極は、巻芯部の両側面の延長線上に形成されているのが望ましい。直方体状とは、コーナ部がエッジである必要はなく、曲面や斜面であってもよい。この場合には、第1のワイヤの始線部を巻芯部の一側面に沿って配線できるので、斜め方向のワイヤ部分が生じにくく、同様に第2のワイヤの終線部についても巻芯部の他側面に沿って配線できるので、斜め方向のワイヤ部分が発生しにくい。そのため、ワイヤの断線リスクを低減できると共に、巻芯部の外周部に接するワイヤの距離が相対的に長くなり、磁気効率が向上する。
2ラインコモンモードチョークコイルのほかに3ラインコモンモードチョークコイルも存在する。本発明を3ラインに適用した場合、つまり複数のワイヤが第1〜第3のワイヤで構成されている場合、第1のワイヤの始線部は、巻芯部の一側面から近距離にある一端側つば部の端子電極に接続されており、第2と第3のワイヤの始線部は、巻芯部の一側面から順次遠距離にある一端側つば部の端子電極にそれぞれ接続されており、第3のワイヤの終線部は、巻芯部の他側面から近距離にある他端側つば部の端子電極に接続されており、第2と第1のワイヤの終線部は、巻芯部の他側面から順次遠距離にある他端側つば部の端子電極にそれぞれ接続されている構成としてもよい。3ラインコモンモードチョークコイルの場合、空中配線部分が発生すると、2ラインコモンモードチョークコイルに比べてショートが発生する可能性が高くなる。本発明では、第2と第3のワイヤの始線部および第2と第1のワイヤの終線部において、斜め方向の空中配線部分の発生を防止できるので、3ラインコモンモードチョークコイルであってもショートの発生リスクを低減できる。
以上のように、本発明によれば、ワイヤの終線部だけでなく、ワイヤの始線部についても空中配線部分が発生しないので、ワイヤの断線リスクを低減できる。さらに、ワイヤの始線部/終線部と電位の異なる端子電極との距離を確保できるので、ショートの発生リスクを低減できる。その結果、信頼性の高いコイル部品を提供できる。
本発明に係る巻線型コイル部品の一例の平面図、正面図、A−A線断面図及びB−B線断面図である。 本発明に係る巻線装置の第1実施例の全体正面図(a)及び全体平面図(b)である。 図2のA−A線断面図(a)及びB−B線断面図(b)である。 第1ワイヤ押え部材の一例の斜視図である。 第2ワイヤ押え部材の一例の斜視図である。 図2に示す巻線装置の第1工程における全体正面図(a)、全体平面図(b)、A−A線断面図(c)及びB−B線断面図(d)である。 図2に示す巻線装置の第2工程における全体正面図(a)、全体平面図(b)、A−A線断面図(c)及びB−B線断面図(d)である。 図2に示す巻線装置の第3工程における全体正面図(a)、全体平面図(b)、A−A線断面図(c)及びB−B線断面図(d)である。 図2に示す巻線装置の第4工程における全体正面図(a)、全体平面図(b)、A−A線断面図(c)及びB−B線断面図(d)である。 図2に示す巻線装置の第5工程における全体正面図(a)、全体平面図(b)、A−A線断面図(c)及びB−B線断面図(d)である。 図2に示す巻線装置の第6工程における全体正面図(a)、全体平面図(b)、A−A線断面図(c)及びB−B線断面図(d)である。 図2に示す巻線装置の第7工程における全体正面図(a)、全体平面図(b)、A−A線断面図(c)及びB−B線断面図(d)である。 本発明に係る巻線型コイル部品の第2実施例の部分正面図である。 本発明に係る巻線型コイル部品の第3実施例の平面図及びA−A線断面図である。 従来の巻線型コイル部品の一例の平面図及びA−A線断面図である。 従来の巻線型コイル部品の他の例の平面図及びA−A線断面図である。
−巻線型コイル部品の第1実施例−
図1は本発明に係る巻線型コイル部品1の一例を示し、ここでは2ラインコモンモードチョークコイルの例を示す。本コイル部品1は磁性体からなるコア2を備えている。コア2は、その中央部に巻芯部2aを有し、軸方向両端部に一対のつば部2b,2cを有している。巻芯部2aは上下面および両側面を有する直方体状をしており、その巻芯部2aの周面に2本のワイヤ3,4が並列に巻回されている。なお、2本のワイヤを区別するために、第1のワイヤ3には斜線を付けず、第2のワイヤ4に斜線を付してある。つば部2b、2cの同一面側(図1では上側に示されているが、回路基板への実装時には下面側)にはそれぞれ2個の突部(合計4個)が設けられ、これらの突部の頂面を含む周面に端子電極5a〜5dが形成されている。つまり、端子電極5aと5bとの間、及び端子電極5cと5dとの間に、それぞれ凹部2d,2eが形成されている。なお、端子電極5a〜5dは突部の頂面のみに形成されていてもよい。ワイヤ3、4の始線部3a、4aは、一方のつば部2bの端子電極5a,5b上にそれぞれコア軸線とほぼ平行(つば部2bの外壁面とほぼ直角α)に接続固定されている。ワイヤ3、4の終線部3b、4bも、他方のつば部2cの端子電極5c,5d上にコア軸線とほぼ平行(つば部2cの外壁面とほぼ直角α)に接続固定されている。接続固定方法としては、例えばはんだ付けや熱圧着、スポット溶接などが用いられる。
図1の(c)に示すように、一方のワイヤ3の始線部3aは、端子電極5aの頂面に接続固定された後、つば部2bの内壁面に沿って端子電極5aの頂面に対してほぼ直角方向(角度β)に折り曲げられ、最短距離で巻芯部2aの裏側へ巻回されるので、ワイヤ3の始線部3aには空中配線部分が殆ど発生しない。他方のワイヤ4の始線部4aは、その先端4a1が端子電極5bの頂部に接続固定された後、つば部2bの内壁面に沿って端子電極5bの頂面に対してほぼ直角方向(角度β)に折り曲げられて巻芯部2aの外周部へと引き延ばされ、巻芯部2aの上面でほぼ直角方向に折り曲げられた後、巻芯部2aの外周に沿って巻回される。そのため、ワイヤ4の始線部4aにも斜め方向の空中配線部分が発生しない。その結果、従来品(図15、図16参照)に比べて、ワイヤの巻芯部と当接している長さが長くなり、磁気効率が向上し、インダクタンスが向上する。さらに、空中配線部分が発生しないことで、ワイヤ4の始線部4aと電位の異なる端子電極5aとのショートを抑制できる。
また、図1の(d)に示すように、ワイヤ3の終線部3bは、巻芯部2aの上面に沿って端子電極5cとの近接位置まで巻回され、その位置からつば部2cの内壁面に沿って端子電極5cの頂面に対してほぼ直角方向(角度β)に折り曲げられ、さらに端子電極5cの上面でつば部2cの端面に対してほぼ直角方向(角度α)に折り曲げられ、終線部3bの先端3b1が端子電極5cに接続固定される。そのため、ワイヤ3の終線部3bに空中配線部分が発生しない。他方のワイヤ4の終線部4bは、巻芯部2aからつば部2cの内壁面に沿って端子電極5dの頂面に対してほぼ直角方向(角度β)に引き出され、端子電極5dへと最短距離で接続されるので、やはり空中配線部分が発生しない。
図1では、各端子電極5a、5bに接続されているワイヤ3、4の始線部3a,4aはコア軸線と平行、つまりつば部2bの外壁面に対してほぼ直角(α≒90°)とされている例を示したが、厳密に直角である必要はなく、多少の傾きは許容される。また、つば部2bの内壁面に沿って端子電極5a、5bと巻芯部2aとの間に張られたワイヤ3、4の始線部3a,4aは、端子電極5a,5bの頂面に対して垂直(β≒90°)とされているが、この角度βも厳密に垂直である必要はない。なお、図1(c)に示すように端子電極5aが巻芯部2aの左側面(一方の側面)の延長線上にある場合には、角度βを90°近傍にすることが容易になる。ワイヤ4の終線部4bと端子電極5dとの関係も、始線部3aと端子電極5aとの関係と同じであり、端子電極5bが巻芯部2aの右側面(他方の側面)の延長線上にある場合には、角度βを90°近傍にすることが容易になる。
−巻線装置−
図2、図3は、前述の巻線型コイル部品1にワイヤ3、4を巻回するための巻線装置の一例を示す。この巻線装置10は、大略、スピンドルチャック11と、固定台20と、2本のワイヤ3,4を繰り出すノズル30、31とを備える。ここで、スピンドルチャック11と固定台20との対向方向(コア軸線方向)をY軸とし、それと直交方向(水平方向)をX軸とし、鉛直方向をZ軸とする。
スピンドルチャック11は、本体部12と可動部13とを備えており、可動部13は本体部12に対して図示しない作動手段により接近、離間方向(X軸方向)に移動可能である。本体部12と可動部13とのチャック部12a,13a間でコア2の始線側のつば部2bの両側縁、つまりX軸方向の両側縁を把持できるようになっている。ここで、端子電極5a〜5dが上側を向くように、コア2は把持される。本体部12の後部には、本体部12と可動部13とを一体に水平軸(Y軸)を中心軸として回転駆動させるサーボモータ14が設けられている。本体部12の上面には、ワイヤクランプ15と2本のフッキングピン16a、16bとが設けられている。フッキングピン16a、16bの位置は、ワイヤ3、4の一端部をワイヤクランプ15に固定し、ワイヤ3、4をそれぞれフッキングピン16a、16bに引っ掛けた状態でノズル30、31をY軸方向に移動させたとき、ワイヤ3、4の始線部3a,4aを端子電極5a、5bの中央部上にY軸方向(コア軸線と平行)に配置できる位置に設定されている。
スピンドルチャック11の本体部12の前側の側部には、Y軸方向の支軸17aを中心として第1ワイヤ押え部材17が回動可能に取り付けられている。この実施例の第1ワイヤ押え部材17は、図4に示すようにコ字形に形成された部材であり、その下側アーム17bと本体部12との間には、第1ワイヤ押え部材17を図3(a)の反時計回り方向に回転させる圧縮ばね18が配置されている。第1ワイヤ押え部材17の上側アーム17cの先端部には、ワイヤ4の始線端4a1を端子電極5b上に押しつける第1押圧部17c1と、始線端に連なる始線部4a(端子電極5bと接続された部分の直後の部分)を巻芯部2aに押しつける第2押圧部17c2とが形成されている。第2押圧部17c2は、巻芯部2aへのワイヤの巻回を邪魔しないように薄肉とされている。第1ワイヤ押え部材17の下側アーム17bより下方の固定部には、プッシュシリンダ19が設けられている。プッシュシリンダ19は、初期状態(巻回作業前)で作動され、下側アーム17bを上方へ押圧することにより、第1ワイヤ押え部材17を図3(a)の時計回り方向に回転させ、圧縮ばね18を圧縮させる。そのため、押圧部17c1、17c2がコア2から離れる。この状態で、前述のノズル30、31がY軸方向に移動され、ワイヤ3、4の始線部3a,4aが端子電極5a、5b上に配置される。なお、ワイヤ3、4の始線部3a,4aが端子電極5a、5b上に配置された後、プッシュシリンダ19は後退し、下側アーム17bへの押圧力を解除するので、第1ワイヤ押え部材17は圧縮ばね18の力により押圧部17c1、17c2がワイヤ4をコア2へ押圧した位置になる。第1ワイヤ押え部材17でワイヤ4の始線部4aを押えることにより、ワイヤ4の始線部4aに空中配線部が発生するのを防止できる。第1ワイヤ押え部材17と圧縮ばね18はスピンドルチャック11の本体部12に取り付けられているので、スピンドルチャック11と一体的に回転する。この実施例では、第1ワイヤ押え部材17が一方のワイヤ4の始線部側だけを押圧する例を示したが、両方のワイヤ3、4の始線部側を同時に押圧してもよい。さらに、第1ワイヤ押え部材17が作動する前にワイヤ3、4の始線部が端子電極5a,5bに接続固定されている場合には、第1ワイヤ押え部材17は第1押圧部17c1を備えていなくてもよい。つまり、第1ワイヤ押え部材17は第2押圧部17c2だけを有していてもよい。
固定台20は所定位置に固定された部材であり、その上面にはワイヤクランプ21と2本のフッキングピン22a、22bとが設けられている。フッキングピン22a、22bの位置は、コア2から引き出されたワイヤ3、4の終線部をそれぞれフッキングピン22a、22bに引っ掛け、ワイヤクランプ21に固定したとき、ワイヤ3、4の終線部3b,4bが端子電極5c、5d上であってつば部2cの外壁面に対して直角方向(コア軸線と平行)となる位置に設定されている。固定台20には、アクチュエータ23により第2ワイヤ押え部材24がY軸回りに回動可能に取り付けられている。すなわち、第2ワイヤ押え部材24は、水平位置と垂直位置との2位置に回動可能であり、水平位置においてワイヤ3の終線部3bをコア2の巻芯部2a上に押し付ける役割を持つ。なお、第2ワイヤ押え部材24は固定台20とは別の固定部に取り付けられていてもよい。この実施例の第2ワイヤ押え部材24は、図5に示すように軸部25の先端に直方体形状のブロック26を固定したものである。水平位置へ回転した状態において、ブロック26の下面(押圧面)26aがワイヤ3の終線部3b(端子電極5cと接続された部分の直前部分)をコア2の巻芯部2aに押し付け、ブロック26の先端面(係止面)26bがワイヤ3の終線部3bを端子電極5cとの接続位置とX軸方向においてほぼ等しい位置に係止できるように設定されている。なお、この実施例では、第2ワイヤ押え部材24のブロック26は、2本のワイヤ3、4の終線部3b,4bを巻芯部2aに押し付け得る大きさに形成されているが、一方のワイヤ3の終線部3bだけを押し付けても良い。第2ワイヤ押え部材24でワイヤ3の終線部3bを押えることにより、ワイヤ3の終線部3bに空中配線部が発生するのを防止できる。
上記実施例では、第1ワイヤ押え部材17、第2ワイヤ押え部材24をY軸と平行な軸を中心として回動可能としたが、X軸と平行な軸を中心として回動可能としてもよいし、上下方向に直動可能としてもよい。また、第1ワイヤ押え部材17、第2ワイヤ押え部材24の構造は図2、図3に記載の例に限るものではなく、同様の機能を果たすものであれば構造は任意である。
−巻線装置の作動説明−
ここで、上記構成からなる巻線装置10の動作について、図6〜図12を参照して説明する。図6は第1工程を示す。この工程では、スピンドルチャック11のチャック部12a,13aがコア2のつば部2bの両側面を、端子電極5a〜5dが上側を向くように把持する。第1ワイヤ押え部材17及び第2ワイヤ押え部材24は共に退避位置(非押え位置)にある。ノズル30、31から繰り出されたワイヤ3、4の端部をワイヤクランプ15に固定し、ワイヤ3、4をそれぞれフッキングピン16a、16bに引っ掛けた状態で、ノズル30、31をコア2上へY軸方向に移動させることで、ワイヤ3、4の始線部3a,4aを端子電極5a、5b上にY軸と平行に配置することができる。
図7は第2工程であり、プッシュシリンダ19を後退させて、第1ワイヤ押え部材17を押え位置へ回転させる。なお、第2ワイヤ押え部材24は依然として退避位置にある。第1ワイヤ押え部材17を押え位置へ作動させることにより、押圧部17c1、17c2がワイヤ4の始線部4aをコア2に押し付けた状態になる。具体的には、第1押圧部17b1が始線端4a1を端子電極5bの頂面に押し付け、第2押圧部17b2がワイヤ4の始線部4aを屈曲させてつば部2bの巻芯部2aに押し付ける。
図8は第3工程であり、第1ワイヤ押え部材17がワイヤ4の始線部4aをコア2へ押し付けた状態で、サーボモータ14を駆動し、スピンドルチャック11を回転させる。つまり、コア2を回転させる。回転と同時にノズル30、31をY軸方向及びX軸方向へ移動させ、2本のワイヤ3、4をコア2の巻芯部2aに並列に巻回する。巻回工程の間、第1ワイヤ押え部材17はスピンドルチャック11と一体回転するので、ワイヤ4の始線部4aをコア2に押し付けた状態を維持でき、ワイヤ4に弛みが発生しない。そのため、図1(c)のようにワイヤ4の始線部4aを屈曲状態で保持でき、空中配線部の発生を防止できる。なお、ワイヤ3については、ワイヤクランプ15からフッキングピン16aを介して張力を保ったまま巻芯部2aに巻回されるので、ワイヤ3の始線部3aをコア2に押し付けなくても、弛みが発生しない。
図9は第4工程であり、巻芯部2aへのワイヤ3、4の巻線作業を終了し、スピンドルチャック11の回転を端子電極5a〜5dが上側を向く位置で停止させる。そして、一方のワイヤ4の終線部4bが端子電極5dを横断するように、ワイヤ4を繰り出すノズル31をフッキングピン22bの側方を通過する位置までY軸方向に移動させる。ワイヤ4は巻芯部2aの下側から端子電極5dへと直交方向に引き上げられるので、空中配線部が発生しない。なお、ワイヤ3を繰り出すノズル30については、図8と同じ位置、つまりコア2に対して横方向(X軸方向)にオフセットした位置で待機させる。
図10は第5工程であり、アクチュエータ23を作動させて、第2ワイヤ押え部材24を押え位置へ回動させる。第2ワイヤ押え部材24を押え位置へ回動させることにより、ブロック26の下面26aがワイヤ3の終線部3bを巻芯部2aに押し付けた状態となる。なお、他方のワイヤ4の終線部4bは、第4工程(図9)に示す位置で引っ張られているので、第2ワイヤ押え部材24で押えなくてもよい。
図11は第6工程であり、第2ワイヤ押え部材24を押え位置で保持したまま、ワイヤ3を繰り出すノズル30をフッキングピン22aの側方を通過する位置までY軸方向に移動させ、両方のワイヤ3、4をワイヤクランプ21に固定した状態を示す。このとき、ワイヤ3の終線部3bは、第2ワイヤ押え部材24のブロック26の先端面26bで係止された状態でフッキングピン22aに引っ掛けられるので、つば部2cの内側面に沿って端子電極5cの頂面に対して直交方向に配線されると共に、端子電極5c上にY軸方向に配置される。このように、ワイヤ3に張力が作用しても、終線部3bの巻芯部2aへの巻回位置、つまりX軸方向の位置を第2ワイヤ押え部材24によって保持できる。換言すると、図1(d)のようにワイヤ3の終線部3bの屈曲状態を維持でき、斜め方向の空中配線部の発生を防止できる。
図12は第7工程(熱圧着工程)であり、巻線終了後、第1ワイヤ押え部材17及び第2ワイヤ押え部材24を共に退避位置(非押え位置)へ回動させ、上方からヒータチップ35、36を端子電極5a〜5d上に降下させる。一方のヒータチップ35はワイヤ3、4の始線部3a,4aを端子電極5a,5bに押し付け、はんだ付けする。同時に、他方のヒータチップ36はワイヤ3、4の終線部3b,4bを端子電極5c,5dに押し付け、はんだ付けする。なお、はんだ付け方法として、端子電極5a〜5dに予めはんだ層を形成しておき、そのはんだ層をヒータチップにより溶融させてはんだ付けしてもよいし、別にはんだ材を供給してはんだ付けしてもよい。なお、熱圧着、スポット溶接などの他の手法を用いてワイヤを端子電極に接続固定してもよい。はんだ付けと同時又はその後に、つば部2b,2cの外壁面に沿ってワイヤ3、4をカットすることで、図1に示すコイル部品1を完成する。
−巻線型コイル部品の第2実施例−
図13は、コイル部品1における端子電極とワイヤの端末部(始線部又は終線部)の変形例を示す。図13の(a)は、つば部2bの端子電極5bが形成された内壁面を傾斜面2b1とし、ワイヤ3、4の始線部3a,4aをこの傾斜面2b1に接触するように固定したものである。図13の(b)は、つば部2bの内壁面を凹円弧面2b2とし、ワイヤ3、4の始線部3a,4aをこの凹円弧面2b2に接触するように固定したものである。いずれの場合も、ワイヤ3、4の始線部3a,4aを直角に折り曲げずに済むので、断線のリスクを低減でき、磁気効率が向上する。
上記のようにつば部2bの内壁面を傾斜面2b1又は凹円弧面2b2とした場合には、第1ワイヤ押え部材17の押圧部17c1、17c2の形状もそれに応じて適合させるのが望ましい。つまり、ワイヤの始線部が傾斜面2b1又は凹円弧面2b2に接合するように押圧するのが望ましい。
−巻線型コイル部品の第3施例−
図14は、コイル部品の第3実施例を示す。このコイル部品1Aは、本発明を3ラインコモンモードチョークコイルに適用した例を示し、図1と同一又は対応する部分には同じ符号を付して重複説明を省略する。コア2のつば部2b,2cの上面側には、3個の突部が形成され、その表面にそれぞれ端子電極5a〜5c、5d〜5fが形成されている。端子電極5a、5dが巻芯部2aの一側面の延長線上に形成され、端子電極5b、5eが巻芯部2aの他側面の延長線上に形成されている。巻芯部2aの周面には3本のワイヤ3,4、6が並列に巻回されている。ワイヤ3の始線部3aは端子電極5aに接続され、ワイヤ4の始線部4aは端子電極5bに接続され、ワイヤ6の始線部6aは端子電極5cに接続されている。各端子電極5a〜5cに接続されているワイヤ3、4、6の始線部3a,4a,6aはつば部2bの外壁面に対してほぼ直角をなしている。つまり、α≒90°とされている。また、つば部2bの内壁面に沿って各端子電極5a〜5cと巻芯部2aとの間に張られたワイヤ3、4、6の始線部3a,4a,6aは、端子電極5a〜5cの頂面に対してほぼ垂直に配置されている。つまり、β≒90°とされている。なお、ワイヤ3、4、6の終線部3b,4b,6bと端子電極5d〜5fとの関係も同様である。
3ラインコモンモードチョークコイルの場合、1つのつば部に3個の端子電極が間隔を開けて形成されているので、3本のワイヤのうち、2本のワイヤについて空中配線部分が発生する懸念がある。例えば、図14(b)に示すようにワイヤ3、4、6の始線部について見ると、左端のワイヤ3の始線部3aには殆ど空中配線部が発生しないが、残りの2本のワイヤ4、6の始線部4a,6aを巻芯部2aの左側面から端子電極5b,5cへ直接接続すると、空中配線部が発生する。図14のように、始線部4a,6aを巻芯部2aの上面に沿って端子電極5b,5cの接近位置まで巻回し、その位置から端子電極5b,5cの頂面に向かってほぼ直交方向に屈曲させているため、空中配線部の発生を抑制できる。
3ラインコモンモードチョークコイルの場合、1つのつば部に3個の端子電極が隣接して形成されているので、空中配線部分が発生すると、2ラインコモンモードチョークコイルに比べてショートが発生する可能性が高くなる。例えば端子電極5aに対してワイヤ6の始線部6a又はワイヤ4の始線部4aが接触したり、端子電極5cに対してワイヤ4の始線部4aが接触したりして、ショートが発生する可能性がある。図14のように、ワイヤ6の始線部6aとワイヤ4の始線部4aとを屈曲させることにより、ワイヤ4、6に空中配線部分が発生しないので、上記のようなショートの発生リスクを低減できる。
上記実施例のコイル部品では、1つのつば部の上面側に複数の突部が形成され、その突部の頂面だけでなく、その外周面にも端子電極が形成された例を示したが、突部の頂面だけに端子電極が形成されていてもよい。また、つば部に複数の突部が形成され、その突部に端子電極を形成した(端子電極の間に凹部2d,2eが形成されている)が、必ずしも端子電極の間に凹部が存在しなくてもよい。つまり、連続したつば部に複数の端子電極が間隔をあけて形成されていてもよい。
1 コイル部品
2 コア
2a 巻芯部
2b、2c つば部
3 第1のワイヤ
4 第2のワイヤ
3a,4a 始線部
3b,4b 終線部
5a〜5d 端子電極(第1〜第4の端子電極)
10 巻線装置
11 スピンドルチャック
14 サーボモータ
17 第1ワイヤ押え部材
17c1 第1押圧部
17c2 第2押圧部
18 圧縮ばね
19 プッシュシリンダ
20 固定台
23 アクチュエータ
24 第2ワイヤ押え部材
26 ブロック
26a 下面(押圧面)
26b 先端面(係止面)
30、31 ノズル

Claims (4)

  1. 上下面および両側面を有する直方体状の巻芯部及びその両端に形成された一対のつば部を有するコアと、前記巻芯部に巻回された複数のワイヤと、両端のつば部に形成され前記ワイヤの始線部と終線部とがそれぞれ接続された複数の端子電極と、を備えた巻線型コイル部品において、
    前記巻芯部の一側面から近距離にある一端側つば部の端子電極に接続された前記ワイヤの始線部は、当該端子電極に対してコア軸線方向に接続され、この接続位置から前記一側面に向かって直線的に延びており、
    前記巻芯部の一側面から遠距離にある一端側つば部の端子電極に接続された前記ワイヤの始線部は、当該端子電極に対してコア軸線方向に接続され、この接続位置から巻芯部の上面の接近位置に向かって延び、巻芯部の上面で折り曲げられた後、前記一側面方向に巻回されており、
    前記巻芯部の他側面から近距離にある他端側つば部の端子電極に接続された前記ワイヤの終線部は、前記他側面から前記端子電極に向かって直線的に延びた後、前記端子電極に対してコア軸線方向に接続されており、
    前記巻芯部の他側面から遠距離にある他端側つば部の端子電極に接続された前記ワイヤの終線部は、巻芯部の上面にそって前記端子電極との接近位置まで巻回され、前記接近位置で折り曲げられた後、前記端子電極に向かって延び、前記端子電極に対してコア軸線方向に接続されている、巻線型コイル部品。
  2. 前記一端側つば部の端子電極及び他端側つば部の端子電極が、前記巻芯部の両側面の延長線上に形成されている、請求項1に記載の巻線型コイル部品。
  3. 前記複数のワイヤは第1〜第3のワイヤで構成され、
    前記第1のワイヤの始線部は、前記巻芯部の一側面から近距離にある一端側つば部の端子電極に接続されており、
    前記第2と第3のワイヤの始線部は、前記巻芯部の一側面から順次遠距離にある一端側つば部の端子電極にそれぞれ接続されており、
    前記第3のワイヤの終線部は、前記巻芯部の他側面から近距離にある他端側つば部の端子電極に接続されており、
    前記第2と第1のワイヤの終線部は、前記巻芯部の他側面から順次遠距離にある他端側つば部の端子電極にそれぞれ接続されている、請求項1に記載の巻線型コイル部品。
  4. 上下面および両側面を有する直方体状の巻芯部及びその両端に形成されたつば部を有し、両端のつば部にそれぞれ複数の端子電極が形成されたコアを準備するステップと、
    前記コアの一端側つば部をスピンドルチャックによりチャックするステップと、
    ノズルから複数のワイヤを繰り出しながら、当該ノズルを一端側つば部の外側から内側へ移動させて、前記ワイヤの始線部を一端側つば部の端子電極上にそれぞれ配線するステップと、
    前記巻芯部の一側面から遠距離にある一端側つば部の端子電極に配線された前記ワイヤの始線部を、第1ワイヤ押え部材により巻芯部に押しつけるステップと、
    前記第1ワイヤ押え部材を前記スピンドルチャックと一体に回転させて、前記ノズルから繰り出される複数のワイヤを巻芯部に一緒に巻回するステップと、
    巻回ステップの終了後に、前記巻芯部の他側面から遠距離にある他端側つば部の端子電極に接続されるべきワイヤの終線部を第2ワイヤ押え部材により巻芯部に押しつけるステップと、
    前記第2ワイヤ押え部材によりワイヤの終線部を押しつけた状態で、前記ノズルを他端側つば部の内側から外側へ移動させて前記ワイヤの終線部を他端側つば部の端子電極上にそれぞれ配線するステップと、
    を備えた巻線型コイル部品の製造方法。
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