JP2015099295A - 光学フィルタ、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学フィルタは、SiO2 からなる基板10と、基板10上にSiからなる第1層11a、b、SiO2 からなる第2層12、Siからなる第1層11b、SiO2 からなる第3層13の順に積層された積層構造と、を有している。光学フィルタは、その積層構造による干渉によって設計波長λ(=870nm)、設計入射角度θ(=50°)の光を透過するバンドパスフィルタとして動作する。第1層11a、bは、設計波長λ近傍のある波長よりも短波長側を吸収する材料であるSiからなる。第1層11a、bの膜厚は210nmであり、第2層の膜厚は180nmである。
【選択図】図1
Description
n1・d1/cosθ1=m・λ/2・・・ (1)
を満たすようにした。式(1)の左辺n1・d1/cosθ1は、第1層11aを透過する光の光学距離を表わしている。ここで、n1は第1層11aの屈折率、d1は第1層11aの厚さ、θ1は第1層11aを透過する光の厚さ方向に対する角度(第1層11a主面に対する角度)、λは設計波長、mは自然数である。厚さd1がこの式を満たすとき、基板10と第1層11aとの界面での反射と、第1層11aと第2層12との界面での反射が打ち消すため、第1層11aの透過率は最大となる。
n2・d2/cosθ2=(2m−1)・λ/4・・・ (2)
を満たすようにした。式(2)の左辺は、第2層12を透過する光の光学距離を表わしている。また、n2は第2層12の屈折率、d2は第2層12の厚さ、θ2は第2層12を透過する光の厚さ方向に対する角度、λは設計波長、mは自然数である。空気の屈折率はおよそ1、SiO2 の屈折率はおよそ1.45であるから、sinθ=n2・sinθ2より、θ2は31.9°となる。実施例1では、透過率向上のため式(2)において第2層が最も薄くなるm=1とし、d2として180nmを採用した。
n1・d1=m・λ/2・・・ (3)
を満たすように設計してもよく、第2層12の厚さd2は、
n2・d2=(2m−1)・λ/4・・・ (4)
を満たすように設計してもよい。式(3)、(4)においてn1、n2、m、λは式(1)、(2)と同様である。
比較例1として、図4に示すような構成の光学フィルタを作製した。比較例1の光学フィルタは、SiO2 からなる基板(石英基板)100上に、光学膜厚がλ/4のTiO2 からなる高屈折率層101と、光学膜厚がλ/4のSiO2 からなる低屈折率層102を交互に2回繰り返し積層し、次に光学膜厚がλ/2のTiO2 からなる高屈折率層103を積層し、さらにその上に低屈折率層102と高屈折率層101を交互に2回繰り返し積層し、最後にSiO2 からなるキャップ層104を積層した構造である。また、設計波長λは870nmとした。この積層構造による光の干渉により、波長λの光を選択的に透過するバンドパスフィルタとして動作するようにしている。
図7は、比較例2の光学フィルタの構成を示した図である。比較例2の光学フィルタは、実施例2の光学フィルタにおいて、第1層21と第3層13の間に、さらに第2層202と第1層201を第1層21側から順に積層させた構造を設けたものである。それ以外の構成は実施例2の光学フィルタと同様である。また、第1層201は第1層11a、b、21と同一の材料、厚さであり、第2層202は第2層12、22と同一の材料、厚さである。すなわち、比較例2の光学フィルタは、実施例2の光学フィルタの積層構造の積層数を3から4に1つ増やした構造である。
実施例2の光学フィルタにおいて、第1層11、21の厚さを210nmから110nmに変更し、第1層11、21の積層数を3から6に増加させた光学フィルタを作製し、透過スペクトルを測定した。その結果、透過率は実施例2の光学フィルタと同等であったが、バンドパスフィルタとしての特性が低下していた。つまり、透過ピーク近傍の帯域以外にも透過率の高い帯域が生じていた。
11a、b、21、201:第1層
12、22、202:第2層
13:第3層
Claims (14)
- 複数の第1層と、各前記第1層の間に位置し、前記第1層とは異なる屈折率の第2層と、により構成される積層構造を有し、その積層構造による干渉によって設計波長λの光を透過させる光学フィルタであって、
前記第1層の層数は、2または3であり、
前記第1層は、前記設計波長近傍のある波長よりも長波長側あるいは短波長側を吸収する材料であり、
前記第2層は、前記波長帯の光を透過する材料であり、かつ、第1層よりも屈折率の低い材料である、
ことを特徴とする光学フィルタ。 - 前記光学フィルタの設計入射角をθ、n1、n2はそれぞれ前記第1層、前記第2層の屈折率、d1、d2はそれぞれ前記第1層、前記第2層の厚さ、θ1、θ2はそれぞれ前記第1層、前記第2層を透過する光が前記第1層、前記第2層主面に垂直な方向に対して成す角度、として、
前記第1層の光学膜厚n1・d1は、(λ/2)・cosθ1の整数倍、ここで、sinθ=n1・sinθ1、であり、
前記第2層の光学膜厚n2・d2は、(λ/4)・cosθ2の奇数倍、ここで、sinθ=n2・sinθ2、である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。 - 前記第1層の光学膜厚は、(λ/2)・cosθ1またはλcosθ1であり、
前記第2層の光学膜厚は、(λ/4)・cosθ2である、
ことを特徴とする請求項2に記載の光学フィルタ。 - 前記設計入射角θは、20〜70°であることを特徴とする請求項2または請求項3のに記載の光学フィルタ。
- 前記第1層の光学膜厚は、(λ/2)の整数倍であり、
前記第2層の光学膜厚は、(λ/4)の奇数倍である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。 - 前記第1層の光学膜厚は、λ/2またはλであり、
前記第2層の光学膜厚は、λ/4である、
ことを特徴とする請求項5に記載の光学フィルタ。 - 前記設計波長λは、700〜2500nmである、ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 入射角度を0°から80°に変化させたときの透過ピークの変化範囲が50nm以下である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 前記第1層は、屈折率が3以上の材料であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 前記第1層は、半導体であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 前記第1層は、Siであることを特徴とする請求項10に記載の光学フィルタ。
- 前記第2層は、酸化物、窒化物、または酸窒化物であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 前記第2層は、SiO2 であることを特徴とする請求項12に記載の光学フィルタ。
- 複数の第1層と、各前記第1層の間に位置し、前記第1層とは異なる屈折率の第2層と、により構成される積層構造を有し、その積層構造による干渉によって設計波長の光を透過させる光学フィルタを製造する方法であって、
前記第1層の層数は、2または3であり、
前記第1層は、前記設計波長近傍のある波長よりも長波長側あるいは短波長側を吸収する材料であり、
前記第2層は、前記設計波長の光を透過する材料であり、かつ、第1層よりも屈折率の低い材料であり、
前記光学フィルタの設計入射角をθ、n1、n2はそれぞれ前記第1層、前記第2層の屈折率、d1、d2はそれぞれ前記第1層、前記第2層の厚さ、θ1、θ2はそれぞれ前記第1層、前記第2層を透過する光が前記第1層、前記第2層主面に垂直な方向に対して成す角度、として、
前記第1層は、その光学膜厚n1・d1が、(λ/2)・cosθ1の整数倍、ここで、sinθ=n1・sinθ1、となるように形成し、
前記第2層は、その光学膜厚n2・d2が、(λ/4)・cosθ2の奇数倍、ここで、sinθ=n2・sinθ2、となるように形成する、
ことを特徴とする光学フィルタの製造方法。
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