JP2007334318A - 光フィルタおよび色分離プリズム - Google Patents

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Abstract

【課題】カットオフ波長が入射角度に依存しない光フィルタであって、薄膜化が可能で有害物質を含まない波長選択フィルタなどを提供する。
【解決手段】金属微粒子を誘電体中に分散させた微粒子分散薄膜35a〜35cを積層して成る積層体を有したフィルタであって、微粒子分散薄膜35aの(透過特性Aの)の表面プラズマ共鳴吸収の長波長側の裾の吸収特性を、目標とするフィルタの短波長側の透過カットオフ特性とし、微粒子分散薄膜35bの(透過特性B)の表面プラズマ共鳴吸収の短波長側の裾の吸収特性および微粒子分散薄膜35cの(透過特性C)の表面プラズマ共鳴吸収の短波長側の裾の吸収特性を、目標とするフィルタの長波長側の透過カットオフ特性とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光を波長選択的に透過させる光フィルタおよび色分離プリズムに関する。
近年、光を波長選択的に透過させる光フィルタは、一般的にダイクロイックフィルタと呼ばれ、例えば、染料、顔料を用いるもの、金属などの着色イオンを利用したものがある。これらは電子遷移による光吸収を利用している。このうち染料や顔料を用いたものは高分子材料であるため、高い信頼性を要求される機器には使用しにくい。
前記光吸収を利用したタイプは、波長吸収性のイオンや有機色素をガラスや樹脂中に添加してなるものであり、色ガラス(例えば特許文献1参照)、染料・顔料フィルタ(例えば特許文献2参照)が一般的である。
一方、無機材料からなるものは、ガラス中に金属イオンを分散させるものが着色ガラスとして広く知られている。フィルタ特性はイオン種やその価数によって決まるが、これはガラス製造中の様々な化学反応によって左右される。その際に、着色成分だけでなくさまざまな添加物によって、フィルタ光学特性や信頼性などに関わる化学反応を制御することが行なわれている。
また光フィルタとしては、誘電体(無機又は有機)多層薄膜の干渉を利用したものもある。この種のフィルタは、プロジェクションディスプレイや撮像デバイスなどRGBの色分離合成を行う場合や、互いに波長の異なる複数の半導体レーザを用いる光ピックアップなどでもCD/DVD/BDなどの信号分離のために用いられている(例えば特許文献3参照)。
このタイプは上記吸収型のフィルタに比べて信頼性や設計の自由度など多くの利点を持つ。しかしながら、その欠点の一つに角度依存性がある。干渉特性は光学膜厚によって決まるために、斜め入射によって光が通過する実効的な光路長が変化した場合には、それに対応してフィルタ特性が変化する。
撮像デバイスの色分離などで用いられる場合、フィルタはレンズ等による集光光束中に置かれる場合が多く、結像を明るくすべく大きな開口数のレンズを用いた場合、フィルタに入射する光の角度は中心部と周縁部で大きく異なることになり、この入射角度差によって画面内で透過特性が変化してしまうという問題があった。また、干渉型のフィルタは透過しない光は全て反射光となるが、反射成分が他の色成分撮像素子に混入したり多重反射によってゴーストやフレアの原因となったりするという問題もある。
すなわち、多層膜干渉型のフィルタでは透過しない光は反射成分として後方への戻り光となるが、機器によってはこの不要な戻り光が迷光となって、目的とする光波長を受光するフォトダイオード若しくは撮像素子などに到達し信号のSN比を劣化させてしまうという場合があった。
尚従来、例えば青色ガラスおよび青色フィルタについては下記特許文献4に、光学色ガラスおよび光学的シャープエッジフィルタについては下記特許文献5に、島状薄膜を用いた薄膜分光フィルタについては下記特許文献6に、金属微粒子分散液および透明着色膜については下記特許文献7に各々記載されている。
また従来、例えば、吸収特性のモデルについては下記非特許文献1に、分光吸収特性については下記非特許文献2に各々記載されている。
特許2510146 特開2005−99378号公報 特開2001−331965号公報 特開2004−250285号公報 特開2003−146695号公報 特開平7−294729号公報 特開2004−51997号公報 K.Baba, et al. "Anisotropic optical media from laminated island film", Journal of Optical Society pf America A, Vol.8, No4, pp.619, 1991 J.Appl.Phys.,Vol.79, No.3, pp.1244,1996
着色ガラスを用いた光フィルタのうち主に青色のみを透過し黄色〜赤色を吸収する特性を持つものとしては、例えば、特許文献4に酸化コバルトCo2O3を含むものが開示されている。コバルトは青色以外360nm以下、600nm以上の波長を吸収し、青色のための本質的な添加物となっている。ガラスにはこの他にもガラスの溶融性や耐候性を改善したりするために、ナトリウム、ボロン、鉛、砒素、カドミウムなどが添加される。
赤色を透過し、緑、青を吸収するものについては、カドミウム化合物のエネルギーバンドギャップを用いるために、例えば特許文献5に記載されているように有害物であるカドミウム化合物の添加をなくすことが本質的に難しい。
色ガラスの場合、透過特性が入射角度に依存しないという利点はあるものの、バルクであることによって研磨などの後加工が必要となることや、その際添加物が鉛、砒素やカドミウムといった有害なものを含むことが多く、環境に対する影響のため研磨くずや廃液などの処理を適切に管理する必要があり、製造コストの増加を招くという問題があった。
また前記光吸収を利用したタイプでは、材料自体が特殊であり吸収特性などの自由度が小さく、これを補うために蒸着やスパッタなど一般的な光学多層膜形成プロセスによるものと組み合わせ複合膜として構成させることが難しいという問題があった。
本発明の目的は、カットオフ波長が入射角度に依存しない光フィルタに関し、不要反射成分が少なく、設計自由度が高く、薄膜化が可能で有害物質を含まない波長選択フィルタなどの光フィルタおよび色分離プリズムを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の光フィルタは、金属微粒子或いは半導体微粒子を誘電体中に分散させた微粒子分散薄膜を、複数積層して成る積層体を有したフィルタであって、前記微粒子分散薄膜の表面プラズマ共鳴吸収の短波長側の裾の吸収特性を、フィルタの長波長側の透過カットオフ特性としたことを特徴としている。
また前記微粒子分散薄膜の表面プラズマ共鳴吸収の長波長側の裾の吸収特性を、フィルタの短波長側の透過カットオフ特性としたことを特徴としている。
また前記微粒子分散薄膜は、島状化した薄膜であることを特徴としている。
また、前記課題を解決するための本発明の色分離プリズムは、複数の光学部材を接合して成る色分離プリズムにおいて、前記光学部材の非接合面に前記の光フィルタを設けたことを特徴としている。
さらに前記課題を解決するための本発明の光フィルタは、誘電体多層膜と、金属若しくは半導体ナノ微粒子分散膜を積層して成ることを特徴としている。
また、基板上に前記微粒子分散膜および前記誘電体多層膜を順次積層するか、又は基板上に前記誘電体多層膜および前記微粒子分散膜を順次積層して構成されていることを特徴としている。
(1)請求項1〜4に記載の発明によれば、カットオフ波長が入射角度に依存することなく、薄膜形状での適用が可能になることによって機能性が向上するのみならず、着色ガラスのように有害な添加物を含まず、顔料や染料を用いるタイプのように有機材料による信頼性劣化の問題がない、光フィルタを構成することができる。
(2)請求項5、6に記載の発明によれば、カットオフ波長が入射角度に依存することなく、薄膜形状での適用が可能になることによって機能性が向上するのみならず、着色ガラスのように有害な添加物を含まず、顔料や染料を用いるタイプのように有機材料による信頼性劣化の問題がない、光フィルタを備えた色分離プリズムを構成することができる。
(3)請求項7,8に記載の発明によれば、ナノ微粒子分散膜による波長選択吸収膜と無吸収の誘電体多層膜との複合多層膜構成とすることで、設計の自由度や作製の容易性を高めることができる。これにより干渉型でありながら不要反射成分の少ないフィルタを作製することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
光吸収には金属や半導体微粒子のプラズマ振動によるものもある。この原理に基づく吸収フィルタとして、微粒子として薄膜形成の初期に見られる島状薄膜を用いる例が特許文献6に開示されている。また吸収特性のモデルについては、非特許文献1に詳しく述べられており、これによれば島状粒子のサイズや形状や密度を、作製条件で最適化することで吸収特性を制御することができる。金属微粒子中の自由電子による表面プラズマ共鳴吸収では、微粒子サイズが電子の平均自由行程より大きい場合急峻な吸収ピーク特性が得られる。
撮像デバイスで用いられる波長選択フィルタは、主にRGBの色分離に関するものである。このうち図3に示す色分離プリズムを用いるタイプでは、光の利用効率を高めるために、まず多層膜干渉型のフィルタで大まかな色分離を行ないつつ、各RGBへのカットオフとなる半値波長は、角度依存性を持たない着色ガラスによって実質的に決められる構造をとる。
すなわち図3において、色分離プリズム1を構成するプリズムガラス11と12は誘電体多層膜から成る第1のダイクロイックフィルタ21を介して接合され、プリズムガラス12と13は誘電体多層膜から成る第2のダイクロイックフィルタ22を介して接合されている。
色分離プリズム1に入射した光は第1のダイクロイックフィルタ21によって緑成分のみ取り出される。緑成分はプリズム前面によって全反射されプリズムガラス11から出射し撮像素子(図示省略)に届く。プリズムガラス11の出射面には光路調整と分散調整のためにダミーガラス基板14が接着されている。このダミーガラス基板14の表面には反射防止膜が形成されている。
緑成分のみ取り出された残りの光(補色成分=黄色)は、続く第2のダイクロイックフィルタ22で青成分が取り除かれる。青成分はそのままプリズムガラス12の出射面に達し、青チャンネルへの波長選択を行う着色ガラスフィルタ15を通過した後、撮像素子に到達する。この着色ガラスフィルタ15は金属イオンが添加されたガラスで表面には反射防止膜が形成されている。
残った赤色成分は、プリズムガラス13の出射面に接着された、赤チャンネルへの波長選択を行う着色ガラスフィルタ16を通過して撮像素子に到達する。
第1、第2のダイクロイックフィルタ21,22は通常、SiO2、Ta2O5、Nb2O5、Al2O3など酸化物やフッ化物などの誘電体の積層構造からなり、真空蒸着やスパッタリングによって形成された数十〜数百nmの膜が数十層積層したものとなっている。多層膜間の干渉によって透過反射を制御し所望の波長選択性を有するように設計される。
前記着色ガラスフィルタ15を通過する前の青チャンネル出射光(第2のダイクロイックフィルタ22の出射光)の入射角度依存性を図4に示す。図4は2つの入射角度(0degと−11deg)における波長と透過率の関係を表す分光特性を示しており、この図から、入射角度の違いによって遮断エッジ波長が大きく変化していることがわかる。
一方、図5は着色ガラスフィルタ15を通過した後の青チャンネル出射光の入射角度依存性を表している。図5は、図4と同様に2つの入射角度における波長と透過率の関係を示しており、この図から、入射角度の違いによって遮断エッジ波長はあまり変化しなくなることがわかる。
青チャンネルへの波長選択を行なう着色ガラスフィルタ15では、波長400nm〜450nmの光は透過し、透過率半値波長が450nm〜500nmにあるものが用いられる。波長が400nmより小さい成分については、プリズムの前置や撮像素子直前に設けられるUVカットフィルタ(図示省略)や硝材自体の紫外吸収性によっても遮断され、実質的にフィルタとしての要求機能はこの450〜500nmのカットオフ特性にある。
また赤チャンネルへの波長選択を行う着色ガラスフィルタ16では、550〜600nmに透過半値波長があるものが多く用いられる。この場合も700nm以上の波長は前置のIRカットフィルタ(図示省略)によって遮断される場合も多く、この場合も青チャンネルと同様にフィルタへの実質的な要求機能は550〜600nmへのカットオフ特性であることも多い。
一方、非特許文献2や特許文献7ではSiO2中にAu微粒子を分散させたものについて、その分光吸収特性について記載されている。表面プラズマ共鳴吸収の短波長のエッジが450〜500nmに、長波長側のエッジが550〜600nmに位置している。
そこで本実施形態例では、前記着色ガラスフィルタ15,16として以下の構成の光フィルタを用いるものである。すなわち、金属微粒子或いは半導体微粒子を誘電体中に分散させた薄膜において、表面プラズマ共鳴吸収の短波長側、長波長側の裾の吸収特性を、フィルタの長波長側、短波長側の各々透過カットオフ特性とするものである。
プラズマ共鳴による吸収はピーク状であり、共鳴波長より大きく離れた長波長側や短波長側では吸収機能はない。一般的な帯域透過型のフィルタでは帯域外の広い範囲で吸収することが求められるが、図3の色分離プリズム1のように、干渉型のフィルタ(誘電体多層膜から成る第1、第2のダイクロイックフィルタ21,22)と組み合わせて用いられるような場合は、必ずしも広い範囲の吸収帯域が必要とされない。
図1は本実施形態例の原理を表し、(a)〜(c)は透過率と波長の関係を表す透過特性を示し、(d)は光フィルタの要部断面を示している。まず光フィルタの目標とする透過特性を例えば図1(a)に示す特性とした場合、図1(d)のように、金属微粒子(又は半導体微粒子)を誘電体中に分散させた図1(b)の透過特性Aを有する微粒子分散薄膜35aと、金属微粒子(又は半導体微粒子)を誘電体中に分散させた図1(b)の透過特性Bを有する微粒子分散薄膜35bと、金属微粒子(又は半導体微粒子)を誘電体中に分散させた図1(b)の透過特性Cを有する微粒子分散薄膜35cとを積層する。
この場合、微粒子分散薄膜35a(の特性A)の表面プラズマ共鳴吸収の長波長側の裾の吸収特性を、目標とするフィルタの短波長側の透過カットオフ特性とし、微粒子分散薄膜35b(の特性B)の表面プラズマ共鳴吸収の短波長側の裾の吸収特性および微粒子分散薄膜35c(の特性C)の表面プラズマ共鳴吸収の短波長側の裾の吸収特性を、目標とするフィルタの長波長側の透過カットオフ特性とする。
これによって目標とする透過特性(図1(a))を含んだ図1(c)のフィルタの透過特性が得られる。
尚図1(d)では、微粒子分散薄膜35a〜35cを積層するための石英ガラスなどの基板は図示省略している。
上記のように、複数の金属微粒子分散薄膜(バンドリジェクション型)35a〜35cから成るフィルタを組み合わせて所望(バンドパス型)のフィルタ(図1(a)の目標透過特性を含んだ図1(c)の透過特性を有したフィルタ)を実現することができ、前記微粒子分散薄膜の組み合わせは図1に限らず任意に変更するものである。
前記誘電体(マトリクス)材料としては、SiO2のほか、TiO2、Nb2O5、Ta2O5、Al2O3、ITOなどの各種酸化物、MgFなどのフッ化物、SiNなどの窒化物などが用いられる。分散させる微粒子については、Au, Ag, Al, Ti, Cu, Co, など微粒子が所望の吸収特性を持つ他、分散性や成膜性など勘案して使用される。また、複数の材料を組み合わせて一つのフィルタを構成してもよい。
また分散方法も、成膜当初の島状薄膜を用いたもの(例えば特許文献6に記載の技術による)、複数のターゲットを用いたスパッタ、複数の蒸着源を用いた蒸着、複数のソースガスを用いたCVDなどを用いることができる。
本構成によって、薄膜形状での適用が可能になることによって機能性が向上するのみならず、着色ガラスのように有害な添加物を含まず、顔料や染料を用いるタイプのように有機材料による信頼性劣化の問題がない、光フィルタを構成することができる。
(実施例1)
微粒子としてAuを、誘電体としてSiO2を用いる。石英ガラスの基板にAuとSiO2を同時蒸着にて230nmの厚さに形成する。基板温度は200度としている。その後再びSiO2を200nm成膜した。上部のSiO2成膜前のAu微粒子を透過電子顕微鏡で観察したところ、粒子形状はほぼ円形で20〜40nmの大きさであった。実施例1における微粒子分散薄膜の分光特性の測定結果を図2に示す。
前記微粒子分散薄膜を複数積層したフィルタを青チャンネルフィルタとして、図3の色分離プリズム1のプリズムガラス12の出力端面に貼り付け、分光特性を測定したところ、波長480nm近傍に透過特性のエッジが見られ、これは角度によって変化しないことが確認できた。また赤チャンネル出力端(図3の色分離プリズム1のプリズムガラス13の出力端)に貼り付けたところ、波長570nm近傍に透過特性のエッジが見られ、これは入射角度によって変化することはなかった。
また、前記青チャンネルに設置された当該フィルタに入射する光は、前段の多層膜によるダイクロイックフィルタ21,22によって、その赤色成分と緑色成分は除去されており、当該フィルタのプラズマ共鳴波長の長波長側にある透過波長帯域による他の色成分の回り込みは殆ど見られなかった。同様に、前記赤チャンネル側に設けたフィルタに対しても、共鳴波長の短波長側の透過帯域による回りこみは殆ど見られなかった。
(実施例2)
前記と同様にAu/SiO2を用い微粒子形成方法としてAu,SiO2共にスパッタを用いた。基板温度は特に制御せず交互積層によって230nmの厚さに成膜し、次にこれを空気中で900度7時間の熱処理を行なった。実施例1と同様にAu粒子の形状を観察したところ、この熱処理の前後で粒子の大きさが5nmから20nmに増加していた。フィルタ特性についてはカットオフ領域の傾きが異なるものの前記実施例1と顕著な違いは見られなかった。
次に、本発明の他の実施形態例を図6〜図8とともに説明する。前記図1の実施形態例において、プラズマ吸収波長や吸収カットオフ特性(半値波長、スロープ)は微粒子材料の状態、周囲の誘電体の状態などによって決まり、各々の特性を個別に最適化をすることは若干難しいという問題がある。
そこで本実施形態例では、ナノ微粒子分散膜と誘電体多層膜を積層した構成とすることにより、多層膜部分による高精度なカットオフ波長やカットオフスロープの設計を可能とし、不要光の吸収については微粒子分散膜で行うことで、設計・作製の自由度を大幅に改善した。またカットオフ特性を吸収膜と干渉膜とで補完しあうため、カットオフ特性の角度依存性についても低減することができる。
(実施例3)
本実施例では、図6(a)のように、基板51上に、微粒子分散膜52a、誘電体多層膜53、微粒子分散膜52bを順次積層して構成した。
ナノ微粒子材料:Au、マトリクス誘電体:SiO2からなるAuSiO2を用い、誘電体多層膜53として高屈折率層:Nb2O5、低屈折率層:SiO2、基板:BK7を用いた例について記載する。膜構成の詳細を表1に示す。
Figure 2007334318
まずAuSiO2膜を作製する。微粒子分散方法としてここでは積層蒸着によるものとし、BK7の基板51上にこの総膜厚2300nmからなるAuSiO2を成膜した後、誘電体多層膜53としてNb2O5/SiO2の蒸着を行った。膜の緻密化の目的でプラズマアシストを用いた。
次に再び前記と同じ微粒子分散膜52bを形成した後、600度4時間の熱処理を行い、膜面をBK7ガラスと光学接着剤を用いて貼り合わせて分光特性を評価した。結果を図7に示す。比較のために誘電体多層膜53の部分は同じでAuSiO2部分(52a,52b)がないものの分光特性を図8に示す。図7(a)の透過特性については、半値波長:586nm、スロープ係数=2.1[T%/nm]であった。図8(a)の透過特性については半値波長:582nm、スロープ係数=2.3[T%/nm]と図7に比べて透過特性自体は変わらないが、波長<600nmでの反射率は図7(b),図8(b)のように大きく異なっている。AuSiO2膜を形成したものでは図7(b)のように短波長域の反射が大幅に抑制されており、本構成の有用性が証明されている。
(実施例4)
実施例3と同様の膜材料で図6(b),(c)の構成のものを作製し同様に評価した。光の入射方向が異なるものについて評価したところ、微粒子分散膜→誘電体多層膜の順に光が通過する場合には反射抑制効果が大きいが、逆方向の光についてはあまり抑制されない結果となった。これは、入射光が先に多層膜部分(53)に通過するとこの部分での干渉が直接反射光となるため、微粒子分散膜による吸収効果の影響を受けないことに起因する。本実施例は光ピックアップなど双方向で異なる波長選択特性を得たい際に好適である。
本発明の一実施形態例の原理を表し(a)〜(c)は透過特性図、(d)はフィルタの要部断面図。 本発明の一実施形態例の微粒子分散薄膜の分光特性を示す特性図。 本発明が適用される色分離プリズムの一例を示す構成図。 図3の色分離プリズムにおける着色ガラスフィルタ通過前の分光の入射角度依存性を示す特性図。 図3の色分離プリズムにおける着色ガラスフィルタ通過後の分光の入射角度依存性を示す特性図。 本発明の他の実施形態例のフィルタの要部断面図。 本発明の他の実施形態例のフィルタの分光特性を示し、(a)は透過特性図、(b)は反射特性図。 従来のフィルタの分光特性を示し、(a)は透過特性図、(b)は反射特性図。
符号の説明
1…色分離プリズム、11,12,13…プリズムガラス、15,16…着色ガラスフィルタ、21,22…ダイクロイックフィルタ、35a〜35c…微粒子分散薄膜、51…基板、52a,52b…微粒子分散膜、53…誘電体多層膜。

Claims (8)

  1. 金属微粒子或いは半導体微粒子を誘電体中に分散させた微粒子分散薄膜を、複数積層して成る積層体を有したフィルタであって、
    前記微粒子分散薄膜の表面プラズマ共鳴吸収の短波長側の裾の吸収特性を、フィルタの長波長側の透過カットオフ特性としたことを特徴とする光フィルタ。
  2. 前記微粒子分散薄膜の表面プラズマ共鳴吸収の長波長側の裾の吸収特性を、フィルタの短波長側の透過カットオフ特性としたことを特徴とする請求項1に記載の光フィルタ。
  3. 前記微粒子分散薄膜は、島状化した薄膜であることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
  4. 前記微粒子分散薄膜は、島状化した薄膜であることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ。
  5. 複数の光学部材を接合して成る色分離プリズムにおいて、前記光学部材の非接合面に請求項1に記載の光フィルタを設けたことを特徴とする色分離プリズム。
  6. 複数の光学部材を接合して成る色分離プリズムにおいて、前記光学部材の非接合面に請求項2に記載の光フィルタを設けたことを特徴とする色分離プリズム。
  7. 誘電体多層膜と、金属若しくは半導体ナノ微粒子分散膜を積層して成ることを特徴とする光フィルタ。
  8. 基板上に前記微粒子分散膜および前記誘電体多層膜を順次積層するか、又は基板上に前記誘電体多層膜および前記微粒子分散膜を順次積層して構成されていることを特徴とする請求項7に記載の光フィルタ。
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