JP2015098547A - 成型用フィルムおよびそれを用いた成型用転写箔 - Google Patents

成型用フィルムおよびそれを用いた成型用転写箔 Download PDF

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Abstract

【課題】成型用転写箔離型層との密着性と成型転写面の平滑性を両立し、さらに外観品位が高く、成型性に優れる成型用フィルムを提供する。【解決手段】 環状オレフィン系樹脂を主成分とする成型用フィルムであって、無配向であり、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする、成型用フィルム。(1)フィルムの一方の面(A面)の表面粗さSRmaxが500nm以上1500nm以下であり、他面(B面)の表面粗さSRmaxが500nm以上10,000nm以下である。(2)A面の表面自由エネルギーが45mN/m以上80mN/m未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、成型用転写箔離型層との密着性と成型転写面の平滑性を両立し、さらに外観品位が高く、成型性に優れる成型用フィルムに関する。
近年、環境意識の高まりにより、建材、自動車部品や携帯電話、電機製品などで、溶剤レス塗装、メッキ代替などの要望が高まり、フィルムを使用した加飾方法の導入が進んでおり、三次元形状基材を加飾する方法として、熱可塑性樹脂フィルムに、加飾層を積層し、成型と同時に基材に転写させる方法が知られている。この転写による加飾方法は、成型後に熱可塑性樹脂フィルムを剥離するため、熱可塑性樹脂フィルムと加飾層との剥離性が重要である。
例えば、剥離性フィルム層と、硬化性樹脂層との熱成形後の濡れ指数の差の絶対値を特定の範囲に制御することによって成形後の剥離性を制御した積層シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、フィルム上に、離型層、保護層、着色層及び接着剤層をこの順に積層し、離型層と保護層との剥離強度を特定の範囲とした転写加飾フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、フィルムへ各種表面処理を施すことにより、印刷インキや塗膜との密着性を改良する提案もされている(例えば、特許文献3〜5参照)。
特開2008−132654号公報 特開2011−88421号公報 特開2008−101110号公報 特開2006−290108号公報 特開2011−190378号公報
特許文献1記載のフィルムは、接着剤を介してアクリル系樹脂との接着、あるいは溶融状態のオレフィン系樹脂との接着を想定しており、成型用転写箔のように成型後にフィルムを剥離して使用する用途へ配慮されている設計ではなかった。
特許文献2では、接着剤を介してポリエステル系樹脂と接着させる他に、離型層を形成し、成型後にトップコート層との剥離を行っているフィルムが記載されているが、離型性が高く、トップコート層の材質によっては、成型工程中にフィルムとトップコート層との自然剥離が起こり、成型後の表面外観が低下する問題があった。
特許文献3〜5に記載のフィルムは、オレフィンフィルムにコロナ処理、あるいはUV処理を行って印刷インキや塗膜との密着性を改良しているが、表面処理の強度が強いため、表面粗さが高い、あるいはフィルムの変形が起こりやすいなどの問題があり、成型用転写箔のように成型後にフィルムを剥離して使用する用途へ十分配慮されている設計ではなかった。
そこで本発明の課題は、上記した問題点を解消することにある。すなわち、成型用転写箔として用いた場合に、成型用転写箔離型層との密着性と成型転写面の平滑性を両立できるフィルムを提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、以下の構成を有する。
1)環状オレフィン系樹脂を主成分とする成型用フィルムであって、
無配向であり、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする、成型用フィルム。
(1)フィルムの一方の面(A面)の表面粗さSRmaxが500nm以上1500nm以下であり、他面(B面)の表面粗さSRmaxが500nm以上10,000nm以下である。
(2)A面の表面自由エネルギーが45mN/m以上80mN/m未満である。
2) 前記成型用フィルムが、a1層とa2層とを有する積層フィルムであり、
該a1層は、環状オレフィン共重合樹脂(以下、COCという)を主成分とし、
該a2層は、環状オレフィン樹脂(以下、COPという)を主成分とすることを特徴とする、1)に記載の成型用フィルム。
3) a2層、a1層、及びa2層が、この順に直接積層されたことを特徴とする、2)に記載の成型用フィルム。
4) a1層のガラス転移温度が70℃以上140℃以下であることを特徴とする、2)または3)に記載の成型用フィルム。
5) a2層のガラス転移温度が70℃以上140℃以下であり、B層のガラス転移温度がA層のガラス転移温度以上であることを特徴とする、2)〜4)のいずれかに記載の成型用フィルム。
6) 前記成型用フィルムが、単層フィルムであり、
該単層フィルムのガラス転移温度が70℃以上140℃以下であることを特徴とする、1)記載の成型用フィルム。
7) 1)〜6)のいずれかに記載の成型用フィルムの少なくとも片面に、離型層、樹脂層、着色層、及び接着層をこの順に積層して得られることを特徴とする、成型用転写箔。
本発明は、成型用転写箔として用いた場合に、工程中の、成型用転写箔離型層との密着性と成型転写面の平滑性を両立できることから、建材、自動車部品や携帯電話、電機製品、遊技機部品などの成型部材の加飾に好適に用いることができる。
本発明は、環状オレフィン系樹脂を主成分とする成型用フィルムであって、無配向であり、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする、成型用フィルム。
(1)フィルムの一方の面(A面)の表面粗さSRmaxが500nm以上1500nm以下であり、他面(B面)の表面粗さSRmaxが500nm以上10,000nm以下である。
(2)A面の表面自由エネルギーが45mN/m以上80mN/m未満である。
以下、本発明の各要件について説明する。

本発明の成型用フィルムは、環状オレフィン系樹脂を主成分とする無配向の単層フィルムまたは積層フィルムである。本発明は、成型用として環状オレフィン系樹脂を主成分とするフィルムを適用することで、成型体の加飾用途において、深絞り成型が必要とされる成型部材に対しても優れた成型追従性が可能となる。
ここで、環状オレフィン系樹脂を主成分とするとは、フィルムの全成分の合計を100質量%として、環状オレフィン系樹脂を50質量%以上100質量%以下含有することを意味する。本発明の成型用フィルムが2層以上の積層フィルムの場合、環状オレフィン系樹脂を主成分とするとは、積層フィルムを構成する全ての層の全成分の合計を100質量%として、全ての層の環状オレフィン系樹脂の合計が50質量%以上100質量%以下であることを意味する。また、環状オレフィン系樹脂を主成分とするとは、より好ましくは、フィルムの全成分の合計を100質量%として、環状オレフィン系樹脂を70質量%以上100質量%以下、さらに好ましくは80質量%以上100質量%以下、90質量%以上100質量%以下であれば最も好ましい。
また、本発明の成型用フィルムは、無配向フィルムであることが重要である。無配向フィルムとすることで、成型時にフィルムが伸ばされた時の応力を抑えることが可能となり、深絞り成型が必要とされる成型部材に対しても優れた成型追従性が可能となる。ここで、無配向フィルムとは、面配向係数(fn)が0.00〜0.05の範囲であることを意味する。面配向係数(fn)を0.00〜0.05としたフィルムを得るためには、無延伸フィルムとする方法が挙げられる。無延伸フィルムであっても製膜時にドラフトがかかり、機械方向(以下、長手方向という)にフィルムがやや配向する場合があるので、面配向係数を0.00〜0.05とするためには無延伸の場合であっても配向を抑制することが重要である。面配向係数(fn)が0.05を超えると、成型時に長手方向と幅方向の成型性が異なる場合がある。より好ましくは0.00〜0.03の範囲であり、さらに好ましくは0.00〜0.02の範囲である。面配向係数(fn)とは、アッペ屈折計などを用いて測定されるフィルム長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(それぞれNx、Ny、Nz)から次式により算出される値である。
・面配向係数:fn={(Nx+Ny)/2}−Nz
ここで、フィルムの長手方向や幅方向が分からない場合は、フィルム面内において最大屈折率を有する方向を長手方向、フィルム面内における長手方向に直行する方向を幅方向、フィルム面内に対して直行する方向を厚み方向として、面配向係数(fn)を求めることができる。また、フィルム面内における最大屈折率の方向は、面内全ての方向の屈折率をアッペ屈折計で測定してもよいし、例えば、位相差測定装置(複屈折測定装置)などにより遅相軸方向を決定することで求めてもよい。

本発明の成型用フィルムは、A面の表面自由エネルギーが45mN/m以上80mN/m未満であることが重要である。A面の表面自由エネルギーを45mN/m以上80mN/m未満とするためには、例えば、A面に対して改質処理を行う方法を挙げることができる。
本発明において、フィルム片面に行う改質処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、コロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、レーザー処理、火炎処理、高周波処理、グロー放電処理、オゾン酸化処理などが挙げられ、改質処理の際のフィルムの熱変形が少ない点から、コロナ放電処理、紫外線照射処理が好ましく用いられ、特に高精度にフィルム片面の酸素原子と炭素原子のモル比(酸素原子/炭素原子)を、0.10以上0.30以下に制御できるため、紫外線照射処理が好ましく用いられる。紫外線照射処理、コロナ放電処理は空気、窒素、二酸化炭素、及びそれらの混合物の中で行ってもよい。
フィルム片面の改質処理の方法として紫外線照射処理を用いる場合、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、エキシマランプなど各種光源を使用することができる。中でも、フィルムの熱変形が少ない点から、エキシマランプ、低圧水銀ランプが好ましい。フィルム片面の少なくとも片面の酸素原子と炭素原子のモル比(酸素原子/炭素原子)を、0.10以上0.30以下に制御するための好ましい積算光量は、メタルハライドランプや高圧水銀ランプを用いる場合は、300〜390nmにおける積算光量を2,000mJ/cm以上とすることが好ましい。一方で、積算光量を高くすると発熱が大きくなるため、フィルムへのダメージを考慮すると、40,000mJ/cm以下とすることが好ましい。また、低圧水銀ランプを用いる場合は、230〜280nmにおける積算光量は750mJ/cm以上2,000mJ/cm以下であることが好ましく、1,000mJ/cm以上1,600mJ/cm以下であることがより好ましい。また、エキシマランプの場合は、140〜227nmにおける積算光量は、50mJ/cm以上300mJ/cm以下であることが好ましく、75mJ/cm以上250mJ/cm以下であることがより好ましく、100mJ/cm以上200mJ/cm以下であることが特に好ましい。
フィルム表面の改質処理の方法として紫外線照射処理を用いる場合、フィルムの熱変形抑制の観点から、フィルムへの照射時間の合計は短いほうが好ましい。具体的には、60秒以下が好ましく、より好ましくは30秒以下、特に好ましくは20秒以下である。また、照射時間の合計は、改質処理を進行させる観点から、2秒以上が好ましい。ここで、照射時間の合計とは、紫外線ランプからの紫外線を受ける空間を通過した時間の合計を指し、連続で照射しても、照射と非照射を交互に繰り返しても、いずれでも構わないが、フィルムの熱変形が大きい場合は照射と非照射を交互に繰り返し、非照射の間にフィルムを冷却することが好ましい。
フィルム片面の改質処理の方法としてコロナ放電処理を用いる場合、オレフィン系樹脂を主成分とするフィルムの酸素原子と炭素原子のモル比(酸素原子/炭素原子)はコロナ放電処理時の強度(E値)を変更することにより制御が可能である。ここで、E値=W/(D×V)で求められ、Wは処理強度(W)、Dは処理幅(m)、Vはフィルム速度(m/分)である。
フィルム表面の改質処理の方法としてコロナ放電処理を用いる場合、E値を大きくしすぎると、フィルムを成型用転写箔などの成型用シートとして用いた場合に成型後の剥離が重くなり、フィルムの剥離が困難となったり、強い力を加えて剥離した際に生じる剥離痕により成型体の外観が低下する場合がある。また、E値を小さくしすぎると、フィルムを成型用転写箔などの成型用シートとして用いた場合に、工程中にフィルムに積層した樹脂と自然剥離が起こり成型後の表面外観が低下する場合がある。そのため、コロナ放電処理を用いた場合のE値は20〜100W・分/mが好ましく、30〜80W・分/mがより好ましく、35〜75W・分/mが特に好ましい。

本発明の成型用フィルムにおいて、A面の表面粗さSRmaxが500nm以上1500nm以下にするには、例えば、Tダイから押出されたシート状の溶融ポリマーを平滑な表面を有するキャストロールにて冷却固化する方法などがある。キャストロールの平滑な表面がキャストしたフィルムに転写され、キャストロール接触面側のフィルムの表面平滑性が向上する。
上記した方法において、キャストロール表面のJIS B−0601−2001に準拠して測定した算術平均粗さRaは50nm以下であることが好ましく、より好ましくは40nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。また、キャストロールの算術平均粗さRaの下限は特に制限されないが、フィルムのロール巻取性を考慮すると2nm以上が好ましい。キャストロールの表面粗さは、従来公知の研削方法から適宜選択することによって所望の表面粗さを得れば良いが、より精度良く表面性を制御するためには、研削後にバフ研磨工程を経ることが好ましい。また、キャストロールの表面粗さを測定する方法としては、トリアセチルセルロースなどを有機溶媒に溶解させたものをロール面に圧着、乾燥させてロール表面形状を転写させたサンプルをレプリカサンプルとして作成し、そのレプリカサンプルの表面粗さを測定する方法、ロール表面を直接表面粗さ計で測定する方法などが挙げられる。また、キャストロールの平滑性をフィルムにより強く転写させて、表面平滑性を向上させる方法としては、ワイヤー状電極を用いて静電印可によりフィルムをキャストロールに密着させる方法、エアナイフ、エアチャンバーで空気を吹き付けることによりロールに密着させる方法、Tダイから押出されたシート状の溶融ポリマーをキャストロールとニップロールからなる一対の冷却ロールによりニップし、続いてキャストロールに密着させながら引取る方法などを用いることができる。
一方、B面側の表面粗さSRmaxを500nm以上10,000nm以下の範囲とするには、フィルム原料に粒子を添加して表面を粗面化する方法、フィルムをキャストロール上で成型する際にポリマーを結晶化させて表面を粗面化する方法、Tダイから押出されたシート状の溶融ポリマーをキャストロールとニップロールからなる一対の冷却ロールにニップし、続いてキャストロールに密着させながら引取る方法において、ニップロールの表面を適度な表面粗さに加工しておき、フィルム面に転写させる方法等がある。
本発明の成型用フィルムの製造方法としては、フィルムの表面粗さの制御性という観点から、Tダイから押出されたシート状の溶融ポリマーを、A面を形成するキャストロールとB面を形成するニップロールからなる一対の冷却ロールによってニップし、続いてキャストロールに密着させながら引取る方法において、ニップロールの表面を適度な表面粗さに加工しておき、フィルム面に転写させる方法が好ましい。フィルムを製造する際のキャストロール、およびニップロールに用いられる材料は特に制限は無いが、平滑な面(A面)を形成したい場合は金属材料が好ましく、一方、巻取性向上のために表面をエンボス状に荒らしたい面(B面)はゴム材料が好ましい。
なお、本発明の成型用フィルムの特徴的な点として、本発明における環状オレフィン系樹脂は、フィルム表面を粗面化する方法として粒子等の滑材を全く含有していない。一般的に、粒子を原料に添加させることでフィルム表面を粗面化させて滑り性を付与する方法は公知であるが、粒子の脱落によるフィルムの表面欠陥が発生する恐れが有り、添加させない方が望ましいからである。特に成型用途の場合は、成型時にフィルムが伸ばされることで、フィルム表面の粒子が脱落して表面欠陥が形成される可能性が高いため、粒子を添加しないほうがよい。

本発明の成型用フィルムは、a1層とa2層とを有する積層フィルムであることが好ましい。ここでa1層とは、環状オレフィン共重合樹脂(以下、COCという)を主成分とする層を意味し、a2層とは、環状オレフィン樹脂(以下、COPという)を主成分とする層を意味する。
また、a1層とa2層とを有する積層フィルムの場合、該フィルムのa2層、a1層、a2層がこの順に直接積層されたことが好ましい。本発明は、a1層においてCOCを主成分とすることで、優れた成型性、成型体の表面外観が得られることを見出した。
ここでa1層においてCOCを主成分とするとは、フィルムのA層の全成分の合計を100質量%として、COCを50質量%以上100質量%以下含有することを意味する。本発明における積層フィルムは、a1層の全成分を100質量%として、COCを70質量%以上100質量%以下含む態様が好ましく。COCを80質量%以上100質量%以下含む態様であればさらに好ましく、COCを90質量%以上100質量%以下含む態様であれば特に好ましい。
本発明の好ましい態様は、a2層においてCOPを主成分とすることで、たとえばa1層によって得られる成型用途としての優れた成型性、成型体の表面外観を維持しながら、優れた耐引裂性を有する成型用フィルムが得られることを見出した。
ここで、a2層において、COPを主成分とするとは、フィルムのa2層の全成分の合計を100質量%として、COPを50質量%以上100質量%以下含有することを意味する。本発明における積層フィルムは、B層の全成分を100質量%として、COPを70質量%以上100質量%以下含む態様がより好ましく、80質量%以上100質量%以下含む態様であればさらに好ましく、90質量%以上100質量%以下含む態様であれば特に好ましい。
本発明における環状オレフィン樹脂(COP)とは、「主鎖に環状オレフィンを含有した繰り返し単位」のみを重合させた態様の樹脂を意味し、本発明における環状オレフィン共重合樹脂(COC)とは、「主鎖に環状オレフィンを含有した繰り返し単位」と「主鎖に環状オレフィンを含有しないオレフィンからなる繰り返し単位」の少なくとも2種類以上の繰り返し単位を重合させた態様の樹脂を意味する(環状オレフィンを含有した繰り返し単位を環状オレフィンモノマーということがある)。
COP、COCを構成する環状オレフィンとしては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエンといった単環式オレフィン、
ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−メチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エンといった二環式オレフィン、
トリシクロ[4,3,0,12.5]デカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4,3,0,12.5]デカ−3−エン、トリシクロ[4,3,0,12.5]ウンデカ−3,7−ジエン若しくはトリシクロ[4,3,0,12.5]ウンデカ−3,8−ジエン又はこれらの部分水素添加物(又はシクロペンタジエンとシクロヘキセンの付加物)であるトリシクロ[4,3,0,12.5]ウンデカ−3−エン;5−シクロペンチル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エンといった三環式オレフィン、
テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、8−メチリデンテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、8−ビニルテトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エンといった四環式オレフィン、
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4,4,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−シクロペンチル−テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エン、テトラシクロ[7,4,13.6,01.9,02.7]テトラデカ−4,9,11,13−テトラエン、テトラシクロ[8,4,14.7,01.10,03.8]ペンタデカ−5,10,12,14−テトラエン、ペンタシクロ[6,6,13.6,02.7,09.14]−4−ヘキサデセン、ペンタシクロ[6,5,1,13.6,02.7,09.13]−4−ペンタデセン、ペンタシクロ[7,4,0,02.7,13.6,110.13]−4−ペンタデセン、ヘプタシクロ[8,7,0,12.9,14.7,111.17,03.8,012.16]−5−エイコセン、ヘプタシクロ[8,7,0,12.9,03.8,14.7,012.17,113.16]−14−エイコセンといった四量体等の多環式オレフィンなどが挙げられる。
これらの環式オレフィンは、それぞれ単独であるいは2種以上組合せて用いることができる。
上記した中でも、生産性、表面性の観点から、COP及びCOCを構成する環状オレフィンとして、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン(以下、ノルボルネンとする)、トリシクロ[4,3,0,12.5]デカ−3−エンなどの、炭素数10の三環式オレフィン(以下、トリシクロデセンとする)、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]ドデカ−3−エンなどの、炭素数12の四環式オレフィン(以下、テトラシクロドデセンとする)、シクロペンタジエン、または1,3−シクロヘキサジエンが好ましく用いられる。
COPの製造方法としては、環状オレフィンモノマーの付加重合、あるいは開環重合などの公知の方法が挙げられ、例えば、ノルボルネン、トリシクロデセン、テトラシクロドデセン、およびこれらの誘導体を開環メタセシス重合させた後に水素化させる方法、ノルボルネンおよびその誘導体を付加重合させる方法、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンを、1,2−、1,4−付加重合させた後に水素化させる方法などが挙げられる。
本発明におけるCOPは、生産性、表面性、成型性の観点から、ノルボルネン、トリシクロデセン、テトラシクロドデセン、およびこれらの誘導体を開環メタセシス重合させた後に水素化させた樹脂が最も好ましい態様となる。
本発明におけるCOCの「主鎖に環状オレフィンを含有しないオレフィンからなる繰り返し単位」としては、側鎖に環状オレフィンを含有した態様、側鎖に環状オレフィンを含有しない態様のいずれでも構わないが、生産性、コストの観点からは、側鎖に環状オレフィンを含有しない態様である、いわゆる鎖状オレフィンであることが好ましい。好ましい鎖状オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等が挙げられる。これらの中でも、生産性、コストの観点から、エチレンを特に好ましく用いることができる。
COCの製造方法としては、環状オレフィンモノマーと鎖状オレフィンモノマーの付加重合などの公知の方法が挙げられ、例えば、ノルボルネンおよびその誘導体とエチレンを付加共重合させる方法などが挙げられる。
本発明におけるCOCの、「主鎖に環状オレフィンを含有した繰り返し単位」と「主鎖に環状オレフィンを含有しないオレフィンからなる繰り返し単位」の質量比率は、「主鎖に環状オレフィンを含有した繰り返し単位」/「主鎖に環状オレフィンを含有しないオレフィンからなる繰り返し単位」=60/40〜85/15が好ましく、65/35〜80/20であることがより好ましい。COC中の「主鎖に環状オレフィンを含有した繰り返し単位」の割合が60質量%未満の場合、ガラス転移温度が低く、耐熱性が不十分な場合がある。また、COC中の「主鎖に環状オレフィンを含有した繰り返し単位」の割合が85質量%を超える場合、成型性、耐引裂性が不十分な場合がある。
本発明におけるCOCは、生産性、表面性、成型性の観点から、ノルボルネンとエチレンの共重合体が最も好ましい態様となる。
本発明におけるCOC、COPは、フィルムとした際にフィルムと塗膜の密着性を良好にする観点から、極性基を含有してもよい。極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、COC、COPに極性基を含有させる方法としては、極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合させる方法などが挙げられる。極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
本発明の成型用フィルムは、a1層において、COCを主成分とすること、および、a2層においてCOPを主成分とすることさえ満たしていれば、a1層、a2層の各層において、主成分であるCOCまたはCOPのみから構成されていても、その他のオレフィン系樹脂を含有しても、またオレフィン系樹脂以外の樹脂を含有してもよい。
COC、COP以外のオレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタセロン触媒を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体といった各種ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体といった各種ポリプロピレン系樹脂、メチルペンテンポリマー等のポリオレフィン系樹脂を用いることができる。また、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などのα−オレフィンモノマーからなる重合体、該α−オレフィンモノマーからなるブロック共重合体なども使用することができる。中でも、COCおよび/またはCOPとの相溶性の観点から、COC、COP以外のオレフィン系樹脂としては、各種ポリエチレン系樹脂、各種ポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
本発明の成型用フィルムは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂を含有させることで、押出工程でのせん断応力を低下させることができ、架橋による異物の発生を抑制させることが可能となり、さらにCOC、COP特有の脆性も抑制できるため好ましい。
一方、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂の含有量が多くなると、自己保持性が低下したり、積層フィルムの表面外観、透明性が低下したり、成型体表面外観が低下したりする場合がある。表面外観、加工性、耐引裂性、自己保持性の観点から、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂の合計含有量は、フィルム全体100質量%に対して、1質量%以上40質量%以下とすることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であればさらに好ましく、1質量%以上20質量%以下であれば最も好ましい。ここで、「ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂の合計含有量」とは、ポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂の両方を含有する場合は、両方の合計の含有量である。そして本発明の成型用フィルムは、2層以上の積層フィルムの場合、フィルム全体100質量%に対して、ポリエチレン系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂の合計含有量が1質量%以上40質量%以下であるとは、各層の合計の質量を「フィルム全体」として扱い、また各層のポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂の合計含有量」として扱って判断するものとする。
また、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂の中でも、環状オレフィン系樹脂との相溶性の観点から、ポリエチレン系樹脂が好ましく用いられ、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンが好ましく用いられ、線状ポリエチレンが最も好ましく用いられる。
なお、本発明におけるポリエチレン系樹脂とは、重合体100質量%中において、エチレン由来成分の合計が50質量%以上100質量%以下である重合体を意味する。また、本発明におけるポリプロピレン系樹脂とは、重合体100質量%中において、プロピレン由来成分の合計が50質量%以上100質量%以下である重合体を意味する。

本発明の成型用フィルムの積層フィルムを構成するa1層(COC)は、加工時の寸法安定性、成型性の観点から、ガラス転移温度が70℃以上140℃以下であることが好ましい。A層のガラス転移温度が70℃未満であると、コーティング、ラミネート、印刷、蒸着といった加工工程で、本発明の成型用フィルムの寸法変化抑制が不十分となり、加工したフィルムの平面性等が不十分となる場合がある。また、a1層のガラス転移温度が140℃を超えると、本発明の成型用フィルムの成型性が不十分となる場合がある。
さらに高い寸法安定性と成型性を両立させるためには、a1層のガラス転移温度は80℃以上130℃以下であればより好ましく、90℃以上120℃以下であれば特に好ましい。なお、A層のガラス転移温度が複数存在する場合は、高温側のガラス転移温度を採用する。
a1層のガラス転移温度を70℃以上140℃以下とするためには、例えば、COCとして、ノルボルネンとエチレンの共重合体を使用する場合、a1層中のノルボルネンの含有量を増加させていくことで、ガラス転移温度を調整することが可能である。さらに、ノルボルネンの含有量の異なる2種類のCOCをブレンドさせることによっても、a1層のガラス転移温度を調整することが可能である。

本発明の成型用フィルムの積層フィルムを構成するa2層(COP)は、加工時の寸法安定性、成型性の観点から、ガラス転移温度が70℃以上140℃以下であることが好ましい。a2層のガラス転移温度が70℃未満であると、コーティング、ラミネート、印刷、蒸着といった加工工程で本発明の成型用フィルムの寸法安定性が不十分となる場合がある。また、B層のガラス転移温度が140℃を超えると、本発明の成型用フィルムの成型性が不十分となる場合がある。
さらに高い寸法安定性と成型性を両立させるためには、a2層のガラス転移温度は80℃以上130℃以下であればより好ましく、90℃以上120℃以下であれば特に好ましい。
なお、a2層のガラス転移温度が複数存在する場合は、高温側のガラス転移温度を採用する。
例えば、COPとして、ノルボルネン、トリシクロデセン、テトラシクロドデセン、及びこれらの誘導体を開環メタセシス重合させた後に水素化させた樹脂を使用する場合において、B層のガラス転移温度を70℃以上140℃以下とするためには、重合する環状オレフィン(ノルボルネン、トリシクロデセン、テトラシクロドデセン、及びこれらの誘導体)の分子量を大きくする、あるいは、環の数を多くして剛直な構造にすることにより、ガラス転移温度を調整することが可能である。さらに、ガラス転移温度の異なる2種類のCOPをブレンドさせることによってもフィルムのガラス転移温度を調整することが可能である。
なお、本発明の成型用フィルムが積層フィルムの場合、寸法安定性と成型性を両立させるために、a2層のガラス転移温度がa1層のガラス転移温度以上であることが好ましい。このような構成にすることで、a2層で寸法安定性と高離型性の機能を、a1層で成型性の機能をそれぞれ分けて持たせることができる。
本発明の成型用フィルムは、積層フィルムの場合、a1層及びa2層を有していることが好ましい。a1層、a2層を有し、それぞれを所定の要件とすることで、優れた外観品位と成型性を達成することができる。また、透明性、自己保持性、表面外観の観点から積層比(B層の合計厚み/フィルム総厚み(=中央領域の厚みt))は、0.2〜0.7であることが好ましい。フィルムの積層比は、フィルムの断面を走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、光学顕微鏡などで観察して測定することができる。また、積層構成は、取扱い性(カール抑制)の観点から、a1層、a2層の2層構成よりも、a2層、a1層、a2層の3層構成であることが好ましく、特に、a2層、a1層、a2層が、この順に直接積層された3層構成とすることが好ましい。

本発明の成型用フィルムは、単層フィルムの場合、上記の積層フィルムのa1層(COC)又はa2層(COP)と同様に、加工時の寸法安定性、成型性の観点から、ガラス転移温度が70℃以上140℃以下であることが好ましい。
本発明の成型用フィルムは、必要に応じて酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、粘着性付与剤、消泡剤、顔料又は染料などの着色剤を適量含有することができる。
本発明の成型用フィルムは、外観品位が高く、成型性に優れるため、深絞り成型が必要とされる成型部材に対しても優れた成型追従性が可能であり、成型加飾方法の中でも特に成型用転写箔のベースフィルムとして好ましく用いられる。本発明の成型用フィルムの転写面側に加飾層を積層し、成型と同時に成型体(被転写体)へ転写させることで、本発明の成型用フィルムと加飾層が容易に剥離でき、表面外観の優れた加飾層を有する成型部材を得ることができる。成型用転写箔の構成としては、特に限定されないが、本発明の成型用フィルムに加飾層を積層した構成であることが好ましい。ここで、加飾層は、着色、柄模様、木目調、金属調、パール調、大理石調などの装飾を付加させるための層である。転写後の成型部材の耐傷性、耐候性、意匠性の観点から、さらにクリア層を積層することが好ましい。この場合、クリア層は成型用フィルム側に積層することが好ましい。ただし、本発明の成型用フィルム自体が離型性を有しているが、成型用フィルムとクリア層との材質的相性により、クリア層との離型性が悪い場合にのみ、本発明の成型用フィルムへ公知の離型層用素材をコートすればよい。

本発明の成型用転写箔は、成型用フィルムの少なくとも片面に、離型層、樹脂層、着色層、及び接着層をこの順に積層して得られるものであればよい。転写後の成型体(被転写体)と着色層との密着性の観点から、接着層を積層することが好ましい。この場合、接着層は、成型体(被転写体)側に積層することが好ましい。
成型用転写箔の好ましい態様として、本発明の成型用フィルム/離型層/樹脂層/着色層/接着層という構成が挙げられる。ここでいうクリア層とは、成型部材の最表層に位置する層であり、転写後の成型部材の耐傷性、耐候性、意匠性を付加させるための層である。また、ここでいう加飾層とは、着色、柄模様、木目調、金属調、パール調、大理石調などの装飾を付加させるための層である。
離型層として使用される樹脂は、特に限定されないが、熱硬化性樹脂、光または紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。熱硬化性樹脂、光または紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。熱硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく用いられ、光または紫外線硬化性樹脂としては、例えばウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂などが好ましく用いられる。これらの樹脂には必要に応じて、光重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、顔料、可塑剤、紫外線吸収剤、紫外線反射剤、光安定剤などを混合してもよい。また、離型層で用いられる樹脂は共重合体であってもよく、また、2種類以上の樹脂の混合物であってもよい。なお、光または紫外線硬化樹脂を使用する場合は、成型用転写箔の成型性を良好にする観点から、成型後に硬化処理をすることが好ましい。
また、離型層には意匠性に応じて粒子を混ぜてもよい。
また、離型層は、厚みが1〜50μmであることが好ましく、2〜30μmであればさらに好ましく、3〜10μmであれば最も好ましい。
離型層の形成方法としては、直接成型用フィルムへコートして形成させる方法、キャリアフィルムへ一旦形成させて転写させる方法などが挙げられる。離型層を形成させた後の乾燥温度を高温にする必要が有る場合は、一旦キャリアフィルムへ形成させて、その後、転写させる方法が好ましく用いられる。離型層の形成方法としては、ローラー塗装法、刷毛塗装法、スプレー塗装法、浸漬塗装法の他、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーターを用いた方法が挙げられる。
樹脂層として使用される樹脂は、高透明樹脂であれば特に限定されないが、耐傷性の観点から、熱硬化性樹脂、光または紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。熱硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂などが好ましく用いられ、光または紫外線硬化性樹脂としては、例えばウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂などが好ましく用いられる。これらの樹脂には必要に応じて、光重合開始剤、硬化剤、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、顔料、可塑剤、紫外線吸収剤、紫外線反射剤、光安定剤などを混合してもよい。また、樹脂層で用いられる樹脂は共重合体であってもよく、また、2種類以上の樹脂の混合物であってもよい。なお、光または紫外線硬化樹脂を使用する場合は、成型用転写箔の成型性を良好にする観点から、成型後に硬化処理をすることが好ましい。
また、樹脂層は、耐傷性、意匠性の観点から厚みが5〜100μmであることが好ましく、7〜70μmであればさらに好ましく、10〜50μmであれば最も好ましい。
クリア層の形成方法としては、直接成型用フィルムへコートして形成させる方法、キャリアフィルムへ一旦形成させて転写させる方法などが挙げられる。樹脂層を形成させた後の乾燥温度を高温にする必要が有る場合は、一旦キャリアフィルムへ形成させて、その後、転写させる方法が好ましく用いられる。樹脂層の形成方法としては、ローラー塗装法、刷毛塗装法、スプレー塗装法、浸漬塗装法の他、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーター、バーコーター、ナイフコーターを用いた方法が挙げられる。
着色層の形成方法としては特に限定されないが、例えば、コート、印刷、金属蒸着などによって形成することができる。コートする場合は、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法を用いることができる。また、印刷する場合は、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法を用いることができる。このとき使用される樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂などが好ましく使用される。使用される着色剤としては特に限定されないが、分散性などを考慮して、染料、無機顔料、有機顔料などから適宜選択される。
コート、印刷により形成される着色層の厚みとしては、成型後の色調保持性、意匠性の観点から、10〜100μmであることが好ましく、15〜80μmであればさらに好ましく、20〜60μmであれば最も好ましい。
成型体(被転写体)への接着性を付与する目的で設ける接着層の素材としては、感熱タイプあるいは感圧タイプを用いることができる。成型体(被転写体)として射出成型などによって成型される樹脂成型体を用いる場合、これらへ転写させる成型用転写箔の接着層は、対象となる樹脂成型体の材質に合わせて接着層の材質を設計することができる。例えば、アクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを用いることが好ましい。樹脂成型体がポリプロピレン系樹脂からなる場合は、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、環化ゴム、クマロンインデン系樹脂を用いることが好ましい。
接着層の形成方法としては特に限定されないが、例えばロールコート法、グラビアコート法、コンマコート法などのコート法、また、例えばグラビア印刷、スクリーン印刷などの印刷法が用いられる。本発明の成型用フィルムを用いた成型用転写箔を使用して加飾させる成型体(被転写体)としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、アクリル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル・スチレン、ポリアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンなどといった樹脂や、金属部材などが用いられる。
本発明の成型用フィルムは、フィルムの製造および加工工程での巻取性に優れるため、フィルムの搬送状態が良好であり、巻姿の良好なフィルムロールが得られる。ここで、フィルムロールとは、本発明の成型用フィルムを紙やプラスチック等からなるコアに巻き付けたものを指す。具体的には、フィルム製造時にワインダーで巻き取られた製品(または中間)ロール、製膜後にスリッターで必要幅に加工された製品ロール、加工工程で各種塗工を施された製品ロールなどである。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)フィルムの厚み、および各層の厚み
フィルムの全体厚みを測定する際は、ダイヤルゲージを用いて、シートから切り出した試料の任意の場所5ヶ所の厚みを測定し、平均値を求めた。
また、フィルム、および成型用転写箔の各層の層厚みを測定する際は、ライカマイクロシステムズ(株)製金属顕微鏡LeicaDMLMを用いて、成型用転写箔の断面を倍率100倍の条件で透過光を写真撮影した。そして撮影した写真から、成型用転写箔の各層ごとに任意の5ヶ所の厚みを測定し、その平均値を各層の層厚みとした。
(2)フィルムのガラス転移温度
示差走査熱量計(セイコー電子工業製、RDC220)を用い、JIS K7121−1987、JIS K7122−1987に準拠して測定および解析を行った。
フィルム5mgをサンプルとした。サンプルを25℃から20℃/分で300℃まで昇温した際のガラス状態からゴム状態への転移に基づく比熱変化を読み取った。各ベースラインの延長した直線から縦軸(熱流を示す軸)方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の中間点ガラス転移温度を求め、ガラス転移温度とした。なお、ガラス転移温度が複数存在する場合は、高温側のガラス転移温度をフィルムのガラス転移温度として採用した。
(3)表面粗さ
成形用フィルムの表面を、(株)菱化システムVertScan2.0 R5300GL-Lite-ACを使用して幅方向に撮影し、付属の解析ソフトにより撮影画面を多項式4次近似にて面補正して表面粗さSRmaxを求めた。撮影条件は以下の通り。
製造元 : 株式会社菱化システム
装置名 : VertScan2.0 R5300GL-Lite-AC
測定条件 : CCDカメラ SONY HR-57 1/2インチ
対物レンズ 5x
中間レンズ 0.5x
波長フィルタ 530nm white
測定モード Focus
測定ソフトウェア : VS-Measure Version5.5.1
解析ソフトフェア : VS-Viewer Version5.5.1
(4)フィルムの表面自由エネルギー
23℃、65%RHの条件下で、該条件で24時間調湿したフィルムについて、接触角計(協和界面化学製CA−D型)を使用して、水、エチレングリコ−ル、ホルムアミド、及びヨウ化メチレンの4種類の測定液を用い、協和界面化学(株)製接触角計CA−D型を用いて、フィルム表面に対する静的接触角を求めた。それぞれの液体について得られた接触角と測定液の表面張力の各成分を下式にそれぞれ代入し、4つの式からなる連立方程式をγL 、γ+ 、γ- について解いた。
Lγj L )1/2 +2(γ+ γj -)1/2 +2(γj +γ- )1/2 =(1+cosθ)[γj L+2(γj + γj - )1/2 ]/2
ただし、γ=γL +2(γ+ γ- )1/2γj=γj L +2(γj + γj - )1/2ここで、γ、γL 、γ+ 、γ-は、それぞれ、基材表面の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターを、また、γj 、γj L、γj + 、γj - は、それぞれ、用いた測定液の表面自由エネルギー、長距離間力項、ルイス酸パラメーター、ルイス塩基パラメーターをあらわすものとする。
ここで用いた各液体の表面張力は、Oss("Fundamentals ofAdhesion", L.H.Lee(Ed.), p153, Plenum ess, New York(1991))によって提案された表1の値を用いた。
(5)巻取性
フィルム製造時の巻取工程における、フィルムの搬送状態およびワインダーで巻き取られたフィルムロールの表面状態を観察し、巻取性を次の基準で評価した。
A:フィルムの搬送状態が特に良好であり、巻き取ったフィルムロールに皺、傷、凹み、凸状変形などが全く目視で観察されなかった。
B:フィルムの搬送状態が良好であり、巻き取ったフィルムロールに皺、傷、凹み、凸状変形などがほとんど目視で観察されなかった。
C:フィルムの搬送状態は良好であるが、巻き取ったフィルムロールに実用上問題無いレベルの皺、傷、凹み、凸状変形などが目視で観察された。
D:フィルムの搬送状態が悪く、巻き取ったフィルムロールに顕著な皺、傷、凹み、凸状変形などが目視で観察された。
(6)加熱時自然剥離テスト
本発明の積層シートを真空成型装置(布施真空製、NGF−0406−T)内の上部にあるシートクランプ枠にセットした。続いて、上下ボックス内の真空度を99.0kPaに減圧し、赤外線ヒータを用いて加熱していった際の挙動について、下記の基準で評価を行った。
A:シート温度140℃でも、熱可塑性樹脂基材(A)層/離型(B)層/樹脂(C)層間に剥離が発生しなかった。
B:シート温度120℃以上140℃未満で、熱可塑性樹脂基材(A)層/離型(B)層/樹脂(C)層間に剥離が発生した。
C:シート温度100℃以上120℃未満で、熱可塑性樹脂基材(A)層/離型(B)層/樹脂(C)層間に剥離が発生した。
D:シート温度100℃未満で、熱可塑性樹脂基材(A)層/離型(B)層/樹脂(C)層層間に剥離が発生した。
(7)成型性
真空成型装置(布施真空製、NGF−0406−T)内の上下昇降テーブル上に、ポリプロピレン製形状体(長さ100mm×幅100mm、高さは20mm、25mm、30mmの3種類)を置き、本発明の積層シート(長さ300mm×幅200mm)を上記装置内の形状体の上部にあるシートクランプ枠にセットした。続いて、上下ボックス内の真空度を99.0kPaに減圧し、赤外線ヒータを用いて積層シート表面温度を、熱可塑性樹脂基材(A)層のガラス転移温度+20℃になるまで加熱し、形状体を上昇させて、形状体と積層シートを密着させ、3秒間保持した。その後、上ボックスのみを大気圧に開放することで、積層シートを賦型させて、加飾成型体を得た。なお、ガラス転移温度が測定できなかったものについては、加熱到達温度、および保持温度を110℃とした。
実施例1〜19、比較例1〜4は、上記のようにして得られた加飾成型体について、下記のような評価を行った。
A:高さ30mmで成型できた。
B:高さ25mmで成型できたが、30mmでは形状を再現できなかった。
C:高さ20mmで成型できたが、25mmでは形状を再現できなかった。
D:高さ20mmで形状を再現できなかった。
(8)成型後剥離性
(7)のようにして得られた加飾成型体について、離型(B)層/樹脂(C)層間で剥離を行い、下記の基準で評価を行った。なお、樹脂(C)層が硬化性樹脂の場合は、樹脂(C)層を硬化させた後に剥離を行った。本実施例においては、高圧水銀ランプにて、積算光量1,000mJ/cmとなるように、離型(B)層側から紫外線照射処理を行い、樹脂(C)層を硬化させた。
A:問題なく剥離できた。
B:離型(B)層/樹脂(C)層間で剥離する際に、熱可塑性樹脂(A)層/離型(B)層が僅かに剥離した。
C:離型(B)層/樹脂(C)層間で剥離する際に、熱可塑性樹脂(A)層/離型(B)層が剥離した。
D:成型機内から取り出す際に、剥がれてしまった。
E:剥がれなかった。
B以上を合格とした。
(9)成型後表面外観
(8)のようにして得られた加飾成型体について、以下の基準にて評価を行った。
A:表面光沢が高く、蛍光灯の輪郭がほぼくっきりと映りこんでいた。
B:表面に部分的にうねり状のムラが観察されたが、それ以外はAと同様、蛍光灯の輪郭がほぼくっきりと映りこんでいた。
C:表面にうねり状のムラが観察され、蛍光灯の輪郭がぼんやりしていた。
D:剥がれなかったため、評価ができなかった。
(10)積算光量
フィルムに紫外線照射を行う場合と同じ条件(搬送速度、フィルムとランプの距離)で照度計を搬送し、積算光量を測定した。なお、ランプの種類に応じて下記照度計を使用した。
メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、:岩崎電気社製“PD−365”(測定波長範囲300〜390nm)
低圧水銀ランプ:岩崎電気社製“PD−254”(測定波長範囲230〜280nm)
エキシマランプ:岩崎電気社製“EVUV−200”(測定波長範囲140〜227nm、校正波長172nm)
(11)本発明のフィルムの製造に用いた樹脂。
(環状オレフィン共重合樹脂A)
ポリプラスチックス社製 TOPAS 8007F−04 を用いた。
(環状オレフィン共重合樹脂B)
ポリプラスチックス社製 TOPAS 6013F−04 を用いた。
(環状オレフィン樹脂C)
日本ゼオン社製“ZEONOR 1060R”を用いた。
(ポリエチレン系樹脂)
プライムポリマー社製 エボリュー SP2540 を用いた。
(12)本発明の離型(B)層の製造に用いた樹脂
主剤と硬化触媒、溶媒A、溶媒Bを以下の配合比で混合した。
・主剤: ニカラックMX−706(三和ケミカル製) 20質量部
・硬化触媒: プラスコートDEPクリア(和信化学工業製)4質量部
・溶媒A:メチルエチルケトン 70質量部
・溶媒B:メチルセロソルブ 50質量部。
(13)本発明の樹脂(C)層の製造に用いた樹脂。
KHC−T1(共栄社化学製、紫外線硬化型樹脂、固形分:50%)
(14)本発明の装飾(D)層の製造に用いた樹脂
主剤と硬化剤を以下の配合比で混合したものを装飾層用塗料組成物とした。
・主剤:R2325(日本ビー・ケミカル製、固形成分:36%) 100質量部
・硬化剤:D−178N(三井化学製、固形成分:100%) 2質量部
(15)本発明の接着(E)層の製造に用いた樹脂
以下のポリオレフィン系ホットメルト接着剤と溶剤を以下の配合比で混合したものを接着層用塗料組成物とした。
・ポリオレフィン系ホットメルト接着剤:M−28(東洋紡績製、無水マレイン酸変性塩素化ポリプロピレン) 20質量部
・溶剤:トルエン 80質量部
(実施例1)
フィルムについて、3層構成とした。各層の組成を表のようにし、それぞれ単軸押出機(L/D=28)に供給し、供給部温度220℃、それ以降の温度を240℃で溶融し、濾過精度20μmのリーフディスクフィルターを通過させた後、ダイの上部に設置したフィードブロック内にてa2層/a1層/a2層(積層厚み比は表参照)となるように積層した後、Tダイ(リップ間隙:0.4mm)より、50℃に温度制御した鏡面のキャストロール(表面粗さ0.2s)と40℃に温度制御したゴムロール(表面粗さRa0.3μm)間にシート状に吐出し該ロールでニップして成形し、続いて、25℃に温度制御した鏡面ロールでフィルムを冷却して、コロナ処理による表面改質をし(E値:40)、フィルム厚み100μmのフィルムをワインダーで巻き取り、幅500mm、長さ500mの本発明の成型用フィルムを得た。
得られたフィルムを熱可塑性樹脂基材(A)層として、その片面に、エキシマランプにて積算光量が25mJ/cmとなるように照射時間10秒で紫外線照射処理を行った後、紫外線照射処理面の上に、離型(B)層をスロットダイコーターで塗工を行い、80℃条件下で5分間乾燥を行った。続いて、樹脂(C)層と着色(D)層を、さらに粘着(E)層を離型(B)層と同様の条件にて塗工を行い、成型用転写箔を得た。
得られた成型用転写箔について、(1)〜(9)に記載の方法にて評価を行った。
(実施例2、3)
実施例1と同じ組成で、鏡面キャストロールおよびニップするゴムロールの表面粗さを変更して、フィルムを製膜し、該フィルムおよびそれを用いて作製した成型用転写箔を得た。
得られた成型用転写箔について、(1)〜(9)に記載の方法にて評価を行った。
(実施例4、5)
実施例1と同じ組成で、コロナ処理の出力条件を変更して、フィルムを製膜し、該フィルムおよびそれを用いて作製した成型用転写箔を得た。
得られた成型用転写箔について、(1)〜(9)に記載の方法にて評価を行った。
(実施例6)
樹脂組成を表の通りとした以外は、実施例1と同様に製膜してフィルムおよびそれを用いて成型用転写箔積を得た。
得られた成型用転写箔について、(1)〜(9)に記載の方法にて評価を行った。
(実施例7、8)
実施例6と同じ組成で、鏡面キャストロールおよびニップするゴムロールの表面粗さを変更して、フィルムを製膜し、該フィルムおよびそれを用いて作製した成型用転写箔を得た。
得られた成型用転写箔について、(1)〜(9)に記載の方法にて評価を行った。
(実施例9、10)
樹脂組成を表の通りとした以外は、実施例1と同様に製膜してフィルムおよびそれを用いて成型用転写箔積を得た。
(比較例1、2)
実施例1と同じ組成で、コロナ処理の出力条件を変更して、フィルムを製膜し、該フィルムおよびそれを用いて作製した成型用転写箔を得た。得られたフィルムおよびその成型転写箔の特性評価結果は表3の通りであり、成形性や成型後剥離性、成型後表面外観が劣るものであった。
得られた成型用転写箔について、(1)〜(9)に記載の方法にて評価を行った。
(比較例3、4)
実施例6と同じ組成で、コロナ処理の出力条件を変更して、フィルムを製膜し、該フィルムおよびそれを用いて作製した成型用転写箔を得た。得られたフィルムおよびその成型転写箔の特性評価結果は表3の通りであり、成形性や成型後剥離性、成型後表面外観が劣るものであった。
得られた成型用転写箔について、(1)〜(9)に記載の方法にて評価を行った。
Figure 2015098547
Figure 2015098547
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本発明の成型用フィルムは、フィルムの製造および加工工程での巻取性と成型転写面の平滑性を両立し、真空成型、圧空成型、プレス成型といった各種成型方法において、優れた外観品位と成型性を達成することができるため、例えば、建材、自動車部品、携帯電話、家電やパソコンなどの成型部材の加飾に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 環状オレフィン系樹脂を主成分とする成型用フィルムであって、
    無配向であり、下記(1)及び(2)を満たすことを特徴とする、成型用フィルム。
    (1)フィルムの一方の面(A面)の表面粗さSRmaxが500nm以上1500nm以下であり、他面(B面)の表面粗さSRmaxが500nm以上10,000nm以下である。
    (2)A面の表面自由エネルギーが45mN/m以上80mN/m未満である。
  2. 前記成型用フィルムが、a1層とa2層とを有する積層フィルムであり、
    該a1層は、環状オレフィン共重合樹脂(以下、COCという)を主成分とし、
    該a2層は、環状オレフィン樹脂(以下、COPという)を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の成型用フィルム。
  3. a2層、a1層、及びa2層が、この順に直接積層されたことを特徴とする、請求項2に記載の成型用フィルム。
  4. a1層のガラス転移温度が70℃以上140℃以下であることを特徴とする、請求項2または3に記載の成型用フィルム。
  5. a2層のガラス転移温度が70℃以上140℃以下であり、a2層のガラス転移温度がa1層のガラス転移温度以上であることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の成型用フィルム。
  6. 前記成型用フィルムが、単層フィルムであり、
    該単層フィルムのガラス転移温度が70℃以上140℃以下であることを特徴とする、請求項1記載の成型用フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の成型用フィルムの少なくとも片面に、離型層、樹脂層、着色層、及び接着層をこの順に積層して得られることを特徴とする、成型用転写箔。
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