JP2015098519A - 樹脂組成物、部材、光学装置および電子装置 - Google Patents

樹脂組成物、部材、光学装置および電子装置 Download PDF

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大輔 磯部
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Abstract

【課題】長期の使用によっても優れた透光性を有する部材を形成することができる樹脂組成物、かかる樹脂組成物を用いて形成された優れた透光性を有する光が透過する部材、かかる部材を備える信頼性に優れた光学装置および電子装置の提供。【解決手段】光が透過する部材であり、例えば、透光性基板Aを形成するために用いられ、下記式(I)で表わされる化合物と、反応開始剤とを含有する樹脂組成物。[各基Rは、それぞれ独立して、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基又はイソシアネート基、nは、それぞれ独立して、1以上の整数]【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、部材、光学装置および電子装置に関する。
近年、有機EL表示装置、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)のような表示装置(電子装置)が備える基板には透明性が必要とされるため、この基板(透光性基板)として、透明樹脂フィルム(透光性基板)を用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
かかる構成の表示装置において、例えば、有機EL表示装置では、有機EL表示装置が備える発光素子が発光する際に発熱し、これに起因して、透光性基板が加熱されるために、有機EL表示装置の長期の使用により透光性基板に黄変等による着色が生じ、透光性基板の透光性が低下するという問題があった。
特開2007−249185号公報
本発明の目的は、長期の使用によっても優れた透光性を有する部材を形成することができる樹脂組成物、かかる樹脂組成物を用いて形成された優れた透光性を有する光が透過する部材、かかる部材を備える信頼性に優れた光学装置および電子装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(14)に記載の本発明により達成される。
(1) 光が透過する部材の形成に用いられる樹脂組成物であって、
下記一般式(I)で表わされる化合物と、反応開始剤とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
Figure 2015098519
[前記一般式(I)中、各基Rは、それぞれ独立して、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基またはイソシアネート基であり、nは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す。]
(2) 各前記基Rは、それぞれ、エポキシ基である上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 各前記nは、それぞれ独立して、2以上の整数を表す上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 前記反応開始剤は、光酸発生剤である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5) 当該樹脂組成物中における前記一般式(I)で表わされる化合物の含有量は、2wt%以上、100wt%未満である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6) 当該樹脂組成物は、さらに、酸化防止剤を含有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7) 前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である上記(6)に記載の樹脂組成物。
(8) 当該樹脂組成物は、室温において、液状をなしている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(9) 上記(1)ないし(8)いずれかに記載の樹脂組成物を硬化させることにより形成された、光透過性を備える硬化物を含んで構成されることを特徴とする部材。
(10) 当該部材は、透光性基板、封止材、光学用レンズまたはプリズムである上記(9)に記載の部材。
(11) 上記(9)または(10)に記載の部材を備えることを特徴とする光学装置。
(12) 当該光学装置は、半導体装置を備える上記(11)に記載の光学装置。
(13) 上記(9)または(10)に記載の部材を備えることを特徴とする電子装置。
(14) 当該電子装置は、有機EL表示装置である上記(13)に記載の電子装置。
本発明によれば、前記一般式(I)で表わされる化合物と、反応開始剤とを含有する樹脂組成物を用いて、長期の使用によっても優れた透光性を有する、光が透過する部材を形成することができる。したがって、かかる部材を備える光学装置および電子装置を優れた信頼性を有するものとすることができる。
本発明の電子装置が適用された有機エレクトロルミネッセンス表示装置の実施形態を示す縦断面図である。 図1に示す有機エレクトロルミネッセンス表示装置が備える透光性基板を製造する方法を説明するための縦断面図である。 本発明の部材が適用されたマイクロレンズアレーの実施形態を示す縦断面図である。 本発明の部材が適用されたマイクロプリズムアレーの実施形態を示す縦断面図である。 本発明の部材を備える発光ダイオードの実施形態を示す縦断面図である。 本発明の部材を備える撮像装置の実施形態を示す縦断面図である。
以下、本発明の樹脂組成物、部材、光学装置および電子装置について、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の電子装置が適用された有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)について説明する。
<有機EL表示装置>
図1は、本発明の電子装置が適用された有機エレクトロルミネッセンス表示装置の実施形態を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図1に示す有機EL表示装置1は、透光性基板(樹脂フィルム)Aと、画素毎に対応してそれぞれ設けられた発光素子Cと、各発光素子Cをそれぞれ駆動するための複数の薄膜トランジスタBとを有している。
なお、本実施形態において、有機EL表示装置1は、発光素子Cが光を発光すると、その光を透光性基板A側から取り出す(透過させる)ボトムエミッション構造のディスプレイパネルである。
透光性基板Aは、その全体形状が平板状をなし、本実施形態では、その上面(薄膜トランジスタBおよび発光素子Cが形成される側の面)が平坦面で構成され、下面(薄膜トランジスタBおよび発光素子Cが形成されるのと反対側の面)が凸部112を備える凹凸面で構成されている。
この透光性基板(樹脂フィルム)A上には、有機EL表示装置1が備える複数の発光素子Cに対応して薄膜トランジスタBが設けられ、これらの薄膜トランジスタBを覆うように、絶縁材料で構成された平坦化層301が形成されている。
各薄膜トランジスタBは、透光性基板A上に形成されたゲート電極200と、ゲート電極200を覆うように設けられたゲート絶縁層201と、ゲート絶縁層201上に設けられたソース電極202およびドレイン電極204と、ソース電極202とドレイン電極204との間のチャネル領域に形成され、例えば、酸化物半導体材料からなる半導体層203とを有している。
また、平坦化層301上には、各薄膜トランジスタBに対応して、発光素子(有機EL素子)Cが設けられている。
これら発光素子Cは、本実施形態では、それぞれ、陽極302および陰極306と、これらの間に陽極302側から積層された、正孔輸送層303と、発光層304と、電子輸送層305とをこの順に備える。
また、各発光素子Cの各陽極302は、各薄膜トランジスタBのドレイン電極204に導電部300により電気的に接続されている。
かかる構成の発光素子Cを複数備える有機EL表示装置1において、各発光素子Cの発光輝度を、薄膜トランジスタBを用いて制御することにより、すなわち各発光素子Cへ印加する電圧を制御することにより、有機EL表示装置1のフルカラー表示が可能となる。また、各発光素子Cを同時に発光させることで単色表示も可能である。
さらに、これらの発光素子C上には、本実施形態では、これらを覆うように封止基板400が形成されている。これにより、発光素子Cの気密性が確保され、酸素や水分の浸入を防止することができる。
かかる構成の有機EL表示装置1において、上記の通り発光素子Cで発光した光が透光性基板Aを透過することで有機EL表示装置1の外側に取り出され、さらに、発光素子Cが発光する際に発熱することから、有機EL表示装置1を優れた信頼性を有するものとするためには、透光性基板Aは、長期の使用によっても黄変等が生じることなく優れた透光性を有することが求められる。
このように、透光性基板A(本発明の部材(光が透過する部材))を、長期の使用によっても優れた透光性を有するものとするために、本発明では、下記一般式(I)で表わされる化合物と、反応開始剤とを含有する樹脂組成物(本発明の樹脂組成物)を用いて形成されたものとする。
<樹脂組成物>
以下、この樹脂組成物(光が透過する部材の形成に用いられる樹脂組成物)に含まれる各構成材料について詳述する。
(下記一般式(I)で表わされる化合物)
下記一般式(I)で表わされる化合物は、樹脂組成物(光透過性部材形成用樹脂組成物)の主材料を構成し、透光性基板Aを、下記一般式(I)で表わされる化合物を、反応開始剤で重合させることで得られる反応物を主材料として構成するために、樹脂組成物中に含まれるものである。
Figure 2015098519
[前記一般式(I)中、各基Rは、それぞれ独立して、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基またはイソシアネート基であり、nは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す。]
前記一般式(I)で表される化合物は、主骨格としてトリアジン骨格を有することから、透光性基板Aは、優れた耐熱性を発揮するものとなるとともに、有機EL表示装置1の長期の使用によっても、発光素子Cの発熱により、透光性基板Aが黄変等により着色することなく、優れた透光性を維持するものとなる。
また、各基Rは、樹脂組成物から得られる反応物(硬化物)中において、前記一般式(I)で表される化合物が重合反応する際の官能基として機能するが、かかる基(官能基)Rを3つ有していることから、前記一般式(I)で表される化合物が重合反応することにより形成されるネットワークを緻密なものとすることができる。そのため、有機EL表示装置1の長期の使用によっても、透光性基板Aの透光性が低下するのを確実に抑制または防止することができる。
かかる構成の前記一般式(I)で表される化合物において、各基Rは、それぞれ独立して、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基またはイソシアネート基を表すが、3つの基Rは、ともにエポキシ基であることが好ましい。すなわち、前記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(Ia)で表されるトリアジン骨格型エポキシ樹脂前駆体であることが好ましい。これにより、前記一般式(Ia)で表される化合物が重合反応することにより形成されるネットワークをより緻密なものとすることができる。
Figure 2015098519
[前記一般式(Ia)中、nは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す。]
また、前記一般式(I)で表される化合物において、各nは、それぞれ独立して、1以上の整数を表すが、2以上の整数を表すことが好ましく、2以上、5以下の整数を表すことがより好ましい。これにより、前記一般式(I)で表される化合物が有する窒素原子と、官能基Rとの離間距離が適切な大きさに設定されて、反応開始剤を介した、官能基R同士の反応をより確実に進行させることができる。
(反応開始剤)
反応開始剤としては、樹脂組成物中に含まれることで、前記一般式(I)で表される化合物同士の重合反応を開始させ得るものであれば、特に限定されず、例えば、酸発生剤(カチオン系反応開始剤)、塩基発生剤(アニオン系反応開始剤)、酸無水物、脂肪族アミン等の架橋剤、ラジカル系反応開始剤等が挙げられ、これらの反応開始剤の1種または2種以上の混合物が用いられる。
カチオン系反応開始剤としては、加熱によりカチオン重合を開始させる物質を放出するもの、例えばオニウム塩系カチオン反応開始剤、またはアルミニウムキレート系カチオン反応開始剤や、活性エネルギー線によってカチオン重合を開始させる物質を放出させるもの、例えばオニウム塩系カチオン系反応開始剤、またこれらの混合物等が挙げられる。
光カチオン系反応開始剤(光酸発生剤)としては、多官能カチオン重合性化合物および単官能カチオン重合性化合物を光カチオン重合により反応させ得るものであればよく、例えば、ルイス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のヨードニウム塩、ルイス酸のスルホニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。光カチオン系反応開始剤の具体例としては、四フッ化ホウ素のフェニルジアゾニウム塩、六フッ化リンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化アンチモンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化ヒ素のトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、四フッ化アンチモンのトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、またこれらの混合物等が挙げられる。
また、樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂の種類によっては、イルガキュアシリーズ(チバ・ジャパン株式会社製)のような光ラジカル反応開始剤等も用いられる。
一方、熱カチオン系反応開始剤としては、例えば芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アンモニウム塩、アルミニウムキレート、三フッ化ホウ素アミン錯体、またこれらの混合物等が挙げられる。また、上記光カチオン系反応開始剤と熱カチオン系反応開始剤を混合しても良い。
このようなカチオン系反応開始剤の含有量は、特に限定されないが、カチオン系反応開始剤を除く樹脂組成物100質量部に対して0.1〜5質量部程度であるのが好ましく、特に0.5〜3質量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると樹脂組成物の硬化性が低下する場合があり、前記上限値を超えると透光性基板Aが脆くなる場合がある。
光硬化させる場合は、樹脂組成物の硬化反応を促進させるため、必要に応じて、増感剤、酸増殖剤等も併せて用いることができる。
アニオン系反応開始剤(アニオン系触媒)としては、例えばアミン系反応開始剤が挙げられる。硬化性樹脂としてエポキシ樹脂が含まれる場合、このエポキシ樹脂中のエポキシ基と共有結合を形成することが可能な1級アミンまたは2級アミンを分子中に2個以上含むものであれば、特に分子量や構造は限定されるものではない。そのようなアミン系反応開始剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、m−キシレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン脂肪族ポリアミン、イソフォロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ノルボルネンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサンなどの脂環式ポリアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなどのピペラジン型のポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ジエチルトルエンジアミン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエートなどの芳香族ポリアミン類等が挙げられる。これらの反応開始剤は、単独で用いても、2種以上の反応開始剤を配合して用いても良い。また、アミン系反応開始剤と併用/または単独でイミダゾール化合物を使用することも挙げられる。イミダゾール化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−C11H23−イミダゾール等の一般的なイミダゾールやトリアジンやイソシアヌル酸を付加し、保存安定性を付与した2,4−ジアミノ−6−{2−メチルイミダゾール−(1)}−エチル−S−トリアジン、又そのイソシアネート付加物等が挙げられ、これらは1種類あるいは複数種を併用して使うことが可能である。
また、酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ドデシニルコハク酸、無水ジクロルコハク酸、無水メチルナジック酸、無水ピロメリット酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸、アルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体、テトラブロム無水フタル酸、ポリアゼライン酸無水物、無水クロレンディク酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いてもよい。また、酸無水物系反応開始剤と併用してイミダゾール化合物を使用することも挙げられる。イミダゾール化合物としては、例えば前記記載したものが挙げられる。
さらに、樹脂組成物中には、前記一般式(I)で表わされる化合物と、反応開始剤との他に、他の樹脂が含まれていてもよく、この樹脂としては、硬化性樹脂(熱および/または光架橋性樹脂)が好ましく用いられる。
このような、硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、アクリレート樹脂、オレフィン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアリルカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、シルセスキオキサン化合物等が挙げられ、中でも、エポキシ樹脂であることが好ましい。これにより、前記一般式(I)で表される化合物による重合反応を、このエポキシ樹脂を介して行うことができ、得られる反応物を、有機EL表示装置1の長期の使用によっても、優れた透光性を有するものとすることができるとともに、優れた耐熱性を有するものとすることができる。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、またはこれらの水添化物、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート骨格を有するエポキシ樹脂、カルド骨格を有するエポキシ樹脂、ポリシロキサン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式多官能エポキシ樹脂、水添ビフェニル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA骨格を有する脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのエポキシ樹脂の1種または2種以上の混合物を用いることができる。
なお、硬化前の樹脂組成物(樹脂組成物)中には、エポキシ樹脂の前駆体(樹脂前駆体)が含まれていてもよい。
かかるグリシジル型エポキシ樹脂または樹脂前駆体の具体例としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ、クレゾールノボラック型エポキシ等のノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ等のビスフェノール型エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルアミン、アミノフェノール型グリシジルアミンのような芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ、ビフェニル型エポキシ、スチルベン型エポキシ、トリフェノールメタン型エポキシ、トリフェノールプロパン型エポキシ、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ、トリアジン核含有エポキシ、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ、ナフトール型エポキシ、ナフタレン型エポキシ、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ等のアラルキル型エポキシ等のエポキシ樹脂、フルオレン骨格を有するグリシジル型エポキシ樹脂、n−ブチルグリシジルエーテル、バーサティック酸グリシジルエステル、スチレンオキサイド、エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル等単官能エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、脂環式エポキシ樹脂または樹脂前駆体の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’、4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシ)シクロヘキシル−5,5−スピロ−(3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、1,2:8,9−ジエポキシリモネン、ジシクロペンタジエンジオキサイド、シクロオクテンジオキサイド、アセタールジエポキシサイド、ビニルシクロヘキサンジオキシド、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソーエキソビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,2−ビス(4−(2,3−エポキシプロピル)シクロヘキシル)プロパン、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシシクロヘキシル−p−ジオキサン)、2,6−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ノルボルネン、リノール酸二量体のジグリシジルエーテル、リモネンジオキシド、2,2−ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロパン、o−(2,3−エポキシ)シクロペンチルフェニル−2,3−エポキシプロピルエーテル、1,2−ビス[5−(1,2−エポキシ)−4,7−ヘキサヒドロメタノインダンキシル]エタン、シクロヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびジグリシジルヘキサヒドロフタレート、ε−カプロラクトンオリゴマーの両端にそれぞれ3,4−エポキシシクロヘキシルメタノールと3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸がエステル結合したもの、エポキシ化されたヘキサヒドロベンジルアルコール等が挙げられる。
なお、2官能脂環式エポキシ樹脂前駆体としては、下記化学式(1)、(2)または(3)で示される脂環式エポキシ構造前駆体が挙げられる。
Figure 2015098519
[上記式(1)中、−X−は−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CH−、−CH(CH)−、または−C(CH−を表す。]
Figure 2015098519
Figure 2015098519
一方、分子内に1個のエポキシシクロヘキサン環を有する脂環式エポキシ樹脂前駆体としては、下記化学式(4)、(5)で示される脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2015098519
Figure 2015098519
これらのエポキシ樹脂の中でも、前記化学式(1)または(2)で示される脂環式エポキシ構造前駆体であることが好ましい。これにより、反応開始剤、特にカチオン系反応開始剤による反応がさらに促進され、また、前記化学式(1)または(2)で示される脂環式エポキシ構造前駆体が前記一般式(I)で表される化合物(特に、前記一般式(Ia)で表される化合物)が重合反応することにより形成されるネットワーク内に取り込まれるようにして、樹脂組成物から透光性基板Aが得られることから、この透光性基板Aは、有機EL表示装置1の長期の使用によっても、優れた透光性を発揮するとともに、より優れた耐熱性、耐光性を発揮するものとなる。
また、樹脂組成物には、脂環式エポキシ樹脂とともにシルセスキオキサン系化合物を使用しても良い。このようなオキセタニル基を有するシルセスキオキサン系化合物としては、例えば、OX−SQ、OX−SQ−H、OX−SQ−F(いずれも東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
さらに、樹脂組成物(光が透過する部材の形成に用いられる樹脂組成物)中には、酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等の添加剤が含まれていることが好ましい。これにより、前記一般式(I)で表される化合物を確実に重合反応させることができ、透光性基板Aを透光性および耐熱性により優れたものとすることができる。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が用いられるが、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。これにより、特に、エポキシ系において酸化防止の効果が顕著に発揮される。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、BHT、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ペンタエリトリトール=テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。
樹脂組成物中の酸化防止剤の含有量は、0.01質量%以上5質量%以下であるのが好ましく、0.1質量%以上3質量%以下程度であるのがより好ましい。酸化防止剤の含有量を前記範囲内にすることにより、光学異方性の低い透光性基板Aとすることができ、かつ、信頼性試験においても光学異方性の悪化の程度の小さい透光性基板Aとすることができる。
また、酸化防止剤の重量平均分子量は、200〜2000であるのが好ましく、500〜1500であるのがより好ましく、1000〜1400であるのがさらに好ましい。酸化防止剤の重量平均分子量が上記範囲内であれば、酸化防止剤の揮発が抑制されるとともに、樹脂材料に対する相溶性が確保される。このような酸化防止剤は、湿熱処理のような信頼性試験を経ても、透光性基板A中に残存して、光学異方性の悪化を抑制し得る透光性基板Aを実現することができる。
また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤以外のフェノール系酸化防止剤としては、例えば、水酸基を挟むように位置する置換基の一方がメチル基等に置換されているセミヒンダード型のフェノール系酸化防止剤や、水酸基を挟む2つの置換基の双方がメチル基等に置換されているレスヒンダード型のフェノール系酸化防止剤が挙げられる。これらは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤より少ない添加量で、樹脂材料中に添加される。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリデシルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト等が挙げられる。
なお、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを併用することにより、それらの相乗効果が発揮される。これにより、樹脂材料の酸化防止、および透光性基板Aの光学異方性の悪化の抑制がより顕著になる。これは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とで、樹脂材料の酸化防止のメカニズムが異なるため、両者が独立して働き、さらには相乗的な効果が生じているからであると考えられる。
このようなヒンダードフェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤(特にリン系酸化防止剤)の添加量は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤100質量部に対して、好ましくは30〜300質量部程度とされ、より好ましくは50〜200質量部程度とされる。これにより、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とそれ以外の酸化防止剤とが、それぞれの効果を埋没させる(相殺する)ことなく発揮し、相乗効果をもたらすことができる。
なお、樹脂材料中には、その特性を損なわない範囲で必要に応じて、熱可塑性樹脂等を含んでいてもよい。
上述したような前記一般式(I)で表される化合物の樹脂組成物中における含有量は、好ましくは2wt%以上、100wt%未満、より好ましくは5wt%以上、90wt%以下、さらに好ましくは10wt%以上、80wt%以下である。前記一般式(I)で表される化合物の含有量をかかる範囲内に設定することにより、有機EL表示装置1の長期の使用によっても、発光素子Cの発熱により、形成される透光性基板Aが優れた透光性を維持するものとなるとともに、樹脂組成物の低粘度化を実現することができるため、透光性基板Aを形成する際の作業性を向上させることができる。
(フィラー)
さらに、樹脂組成物中には、上述した樹脂系の材料の他に、さらに、フィラーが含まれていてもよい。このようにフィラーが含まれる構成とすることで、透光性基板Aのヘイズ値を高めること、又は表面に凹凸を形成することができる。そのため、光が透光性基板Aを透過する際に、この光の透光性基板Aにおける拡散性が向上することから、透光性基板Aの端部から光が漏出するのを的確に抑制または防止できるため、光の取り出し効率が優れたものとなる。
フィラーを用いる場合、フィラーと前記一般式(I)で表される化合物との屈折率差は、0.01以上、3.0以下であることが好ましい。この屈折率差をかかる範囲内に設定することにより、透光性基板Aのヘイズ値を確実に高めることができる。
フィラーに使用する材質としては、例えば、無機材料、有機材料、および、それらの混合物等が挙げられ、無機材料としては、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化チタン、シリカ、またはこれらの混合物等が挙げられる。また、有機材料としては、アクリル、スチレン、またはこれらの混合物を使用したもの等が挙げられる。フィラーの形状としては、球状、棒状、平面状のもの等が挙げられる。
フィラーの含有量は、樹脂組成物中に含まれる樹脂系の材料100質量部に対して1〜90質量部程度であるのが好ましく、3〜70質量部程度であるのがより好ましい。
なお、フィラーが粒子の場合、その換算粒径は0.1μm以上100μm以下であるのが好ましい。0.1μm以下及び100μm以上では拡散機能を十分に発揮できないという問題がある。
また、樹脂系の材料の他に、ガラス布が含まれていてもよい。ガラス布が含まれることで、熱による膨張、収縮を抑制することができる。
ガラス布としては、ガラス織布(ガラスクロス)、ガラス不織布などが挙げられるが、前記熱による膨張・収縮抑制を効果的に行うためにガラスクロスが好ましく用いられる。
ガラスクロスは、ガラス繊維の集合体であり、ガラス繊維を束ねたヤーンを織り込んだものである。織り方としては、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織り等により織り込まれたものが挙げられる。
ガラスクロスを構成するガラス材料としては、例えば、Eガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Tガラス、Dガラス、NEガラス、クオーツ、低誘電率ガラス、高誘電率ガラス等が挙げられる。これらの中でも、特に30℃から250℃における平均線膨張係数が5ppm以下であるSガラスまたはTガラスが好ましく用いられ、さらに入手が容易な点からEガラスがより好ましく用いられる。
なお、樹脂系の材料の他に、フィラーやガラス布が含まれる場合、これらの双方が含まれていてもよいし、これらのうちのいずれか一方が含まれていてもよい。
上述したような樹脂組成物を用いて形成される透光性基板Aは、本実施形態では、発光素子Cが形成される側の面が平坦面で構成され、発光素子Cが形成される側の面と反対側の面が凸部112を備える凹凸面で構成されている。すなわち、透光性基板Aの最表面が凹凸面で構成されている。このように透光性基板Aを、凹凸面を備える構成とすることで、この透光性基板Aを外光が透過する透過率を向上させることができる。そのため、外光の反射率を低減させることができ、その結果、外光の反射に起因するコントラスト低下や像の映り込みが的確に抑制または防止されることとなる。すなわち、透光性基板Aの凹凸面に、反射防止膜としての機能を付与することができる。
この凸部112を備える凹凸面は、外光の透過率を向上させるには、モスアイ構造を有していることが好ましい。
凹凸面がモスアイ構造をなしていることにより、透光性基板Aの表面と、外気との間における屈折率が、透光性基板Aの厚さ方向において、連続的に漸次変化することとなり、その結果、凸部112を備える凹凸面において入射する外光が反射することが的確に抑制または防止される。
なお、本明細書において、モスアイ構造とは、複数の円錐状または角錐状をなす凸部(突起)112が高密度に乱立することで形成された微細な凹凸構造のことを言う。
このようなモスアイ構造において、モスアイ構造の周期、換言すれば、凸部112の頂点同士の距離は、入射光の波長よりも短くなっていることが好ましい。これにより、凹凸面において入射光が反射するのをより的確に抑制または防止することができる。
具体的には、凸部112の頂点同士の距離、すなわち凹凸のピッチは、300nm以下であることが好ましく、100nm以上、200nm以下であることがさらに好ましい。これにより、凸部112の頂点同士の距離を、入射光の波長よりも容易に短く設定することが可能となる。
また、凸部112の高さは、0.02μm以上、0.95μm以下であるのが好ましく、0.05μm以上、0.90μm以下であるのがより好ましい。
凸部112のピッチおよび高さを前記範囲内に設定することにより、凹凸面において入射する外光が反射するのをより的確に抑制または防止することができる。
また、透光性基板Aの屈折率は、1.4以上、2.0以下であることが好ましく、1.5以上、1.9以下であることがより好ましい。かかる範囲内の屈折率を有する透光性基板Aに対して、上述したような構成の凸部112を設けることにより、外光の透過率を向上させることが容易となる。
その結果、透光性基板Aに入射する入射光の反射率を、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下に設定することができる。
また、透光性基板Aの平均厚さは、特に限定されないが、5〜1000mm程度であるのが好ましく、10〜500mm程度であるのがより好ましい。
以上のような構成の透光性基板Aは、基材101上に、例えば、以下のようにして製造することができる。すなわち、透光性基板Aは、以下のようにして製造することができる。
<透光性基板の製造方法>
透光性基板Aは、室温において、液状とされた樹脂組成物(樹脂ワニス)を硬化させることで形成されるものである。
以下では、この透光性基板Aを、平板状をなす基材101上に形成し、その後、この基材101から剥離することで得る場合について説明する。
図2は、図1に示す有機エレクトロルミネッセンス表示装置が備える透光性基板を製造する方法を説明するための縦断面図である。
[1]まず、基材101を用意する。
基材101の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合せて用いることができる。
[2]次に、樹脂組成物を含有する液状材料、すなわち樹脂ワニスを調製する。
樹脂ワニスは、上述した樹脂組成物を、必要に応じて有機溶剤に溶解または分散させることにより調製することができる。
有機溶剤としては、特に限定されず、例えば、クレゾール、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン(DMI)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げられ、これらの単独溶剤、または、これらを混合した混合溶剤として用いることができる。
[3]次に、得られた樹脂ワニス102を基材101上に供給する。
樹脂ワニス102を基材101に供給する方法としては、特に限定されず、例えば、ダイコート法、インクジェット法、スピンコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法のような各種液相成膜法を用いることができる。
その後、必要に応じて、樹脂ワニス102に脱泡処理を施す。さらには、必要に応じて、樹脂ワニス102を乾燥させる。
[4]次に、樹脂ワニス102が供給された基材101を板状に成形しつつ、樹脂ワニス102を硬化させる。これにより、基材101上に形成された透光性基板Aを得ることができる。
樹脂ワニスの硬化は、樹脂ワニスを加熱すること、および/または、樹脂ワニスにエネルギー線を照射することにより行うことができるが、エネルギーの照射により行うことが好ましい。すなわち、樹脂組成物中に反応開始剤として、光酸発生剤が含まれていることが好ましい。
これにより、透光性基板Aを形成する際に、透光性基板Aが加熱されるのを確実に防止することができるため、加熱する際に透光性基板Aに反りが生じたり、加熱後に冷却(除熱)する際に透光性基板Aが熱収縮したりすることを確実に防止することができるため、寸法精度に優れた透光性基板Aを得ることができる。
エネルギー線の照射(光照射)により樹脂ワニスを硬化させる場合、波長200〜400nm程度の紫外線等を照射することにより樹脂組成物(樹脂ワニス)を硬化させることが好ましい。
また、付与する光エネルギー量(積算光量)は、例えば、50mJ/cm以上5000mJ/cm以下であるのが好ましく、75mJ/cm以上4000mJ/cm以下であるのがより好ましく、100mJ/cm以上3000mJ/cm以下であるのがさらに好ましい。積算光量が前記範囲内であれば、ムラなく均一かつ確実に樹脂ワニスを硬化させることができる。
また、本明細書中において「硬化する」とは、樹脂組成物において、硬化反応に関与し得る官能基の多くが反応していることをいい、具体的には、前記一般式(I)で表わされる化合物が備える官能基Rがエポキシ基である場合、樹脂組成物のエポキシ開環率が50%以上であることをいう。
なお、エポキシ開環率とは、樹脂硬化物におけるエポキシ基の開環割合に相当する指標である。
また、エポキシ開環率の測定方法としては、まず、フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR)により、樹脂硬化物の試料の吸光度スペクトルを取得する。
次いで、得られた吸光度スペクトルについて、波数914cm−1付近に位置するエポキシ基由来のピークの面積を、波数2900cm−1付近に位置するメチレン基由来のピークの面積で標準化し、これを試料の「エポキシ相対強度」とする。ここでは、メチレン基由来のピーク面積に対するエポキシ基由来のピーク面積の割合を試料のエポキシ相対強度Xとし、求めるべき試料のエポキシ開環率をY(%)とする。
一方、試料のエポキシ相対強度を測定する際には、あらかじめ硬化前の樹脂組成物のエポキシ相対強度を測定しておく。硬化前の樹脂組成物ではエポキシ基が開環していないと推定されるので、これを標準試料とすることができ、樹脂組成物のエポキシ相対強度は、エポキシ開環率0%に対応する強度であるとみなすことができる。なお、硬化前の樹脂組成物のエポキシ相対強度を100とする。
なお、上記のようにエネルギー線の照射(光照射)により樹脂ワニスを硬化させた場合、この光照射(1次処理)の後に、上述したような優れた寸法精度の透光性基板Aが得られる範囲内において、2次処理として加熱処理を施すようにしてもよい。これにより、樹脂ワニスの硬化をより確実に進行させることができる。
また、2次処理における加熱条件としては、好ましくは加熱温度が150〜300℃程度、加熱時間が0.1〜5時間程度とされ、より好ましくは加熱温度が200〜280℃程度、加熱時間が0.2〜3時間程度とされる。
なお、光照射を省略して、加熱処理単独とする場合、その際の加熱条件としては、加熱温度が好ましくは60〜300℃程度、加熱時間が5分〜3時間程度とされ、より好ましくは加熱温度が70〜280℃程度、加熱時間が10分〜2時間程度とされる。
また、本実施形態では、基材101上に供給された樹脂ワニスを板状に成形して透光性基板Aを得る際に、基材101と反対側の面に、凸部112を形成することで、透光性基板Aの一方の面を凹凸面で構成する。
この凸部112を設ける方法としては、特に限定されないが、例えば、[I]凹凸を表面に持つ転写型と、樹脂ワニスが供給された基材101とを接触させ、形状転写することで凸部112を形成する方法、または、[II]フィラーを表面に固定させることで凸部112を形成する方法等が挙げられるが、[I]の方法を用いるのが好ましい。[I]の方法によれば、寸法精度に優れる凸部112を容易に形成することができる。
以下、[I]の方法を代表して詳細に述べる。
(転写型を用いる方法)
表面凹凸を転写するための転写型は、図2(a)または図2(b)に示す転写型5、6のように、基材101に供給された樹脂ワニスの表面に凸部112を形成するための凹凸7を有していればよく、特に材質は制限するものではないが、繰り返し使用という観点から、樹脂材料または金属材料であることが好ましい。
なお、転写型5、6上に凹凸加工を施す方法としては、表面フィラー固定、マット加工(サンドブラスト)、エンボス加工等が挙げられ、適時最適な方法を使用することが出来る。また、エンボス加工等を施した型転写型の表面にエンボス形状を転写する方法も採用できる。
一つの方法は、エンボス加工を施した型上で基板を作製し、基板を硬化させた後、型から外し、型の凹凸を転写する方法がある。
その他の方法として、転写型基板表面に粒子を固定化して転写型を作成する方法について説明する。
転写型基板表面に凹凸を設ける方法で最も簡便で単純な方法は、転写型基板表面に、粒子を固定化することである。例えば、フィラーを溶媒に分散させて、転写型基板表面に塗布、乾燥させて転写型基板表面にフィラーを固定する方法、転写型基板状に基板表面にフィラーを塗布した後、プレスして固定する方法、転写型基板表面に接着層を設けてフィラーを固定する方法などが挙げられる。
また、マット加工により、転写型基板表面に凹凸を設ける方法としては、砂などの研磨剤をフィルム表面にぶつけることで物理的に凹凸を形成するサンドブラストや、酸、アルカリ、溶剤などで化学的に表面をあらすことで凹凸を形成する方法などが挙げられる。
なお、転写型の形状は特に限定するものではなく、図2(b)に示す平板状であっても、図2(a)に示すロール状のものであっても良い。
図2(a)に示すロール状転写型5の場合は、連続的に、樹脂ワニスが供給された基材101をプレスし続けることが出来ることから、連続生産に好適である。
具体的にロール状転写型5は、樹脂や金属をロール状に加工したものの表面を、マット加工(サンドブラスト)、エンボス加工、機械的加工により表面に凹凸7をつけることが好適である。
また、樹脂をロール状に加工した転写型基板と、樹脂ワニスが供給された基材101とを貼り合わせ、凹凸を転写する方法の一形態としては、送り部と、張り合わせ部と、剥離部とを備えた装置による転写方法が挙げられる。送り部は、樹脂ワニスが供給された基材101を一方向に送る。張り合わせ部は、樹脂ワニスが供給された基材101に転写型基板を張り合わせる。貼り合わせには、ロール等を使用する。その後、本方法では剥離部をさらに備えることが好ましい。剥離部は、樹脂ワニスが供給された基材101の送り方向下流側に配置され、樹脂ワニスが供給された基材101から転写型基板を剥離させる。そして、剥離時には、樹脂ワニスが供給された基材101は、転写型基板によって、表面に凸部が付与された状態を保持している。そのため、樹脂ワニスが供給された基材101の表面に効果的に凸部を付与することが出来る。
なお、樹脂組成物に硬化性樹脂が含まれる場合は、貼り合わせ部と剥離部との間に光硬化部をさらに備えても良い。これにより、貼り合わせ部で貼り合わせた転写型基板の凹凸を効率的に樹脂ワニスが供給された基材101に転写することが出来る。
連続的に行う場合は、表面凹凸加工を施した転写型を型として金属で作製しておくと基板表面の凹凸を再現性良く作製することが可能であり、量産に適している。
また、表面凹凸加工を施した転写型上で、透光性基板Aを作製することも可能である。
また、樹脂ワニスが供給された基材101が、長尺状であった場合は、各々の工程を連続して実施することが可能である。この場合、工程のいくつかを連続的に行ってもよい。こうすることで透光性基板Aの連続生産が可能となる。
[5]次に、基材101上に形成された透光性基板Aを、基材101から剥離させる。これにより、透光性基板Aを得ることができる。
基材101から透光性基板Aを剥離する方法としては、特に限定されないが、基材101と透光性基板Aとの界面に、光を照射する方法が挙げられる。かかる方法によれば、透光性基板Aを変質・劣化させることなく、基材101から透光性基板Aを容易に剥離させることができる。
透光性基板Aに照射する光としては、この透光性基板Aへの光の照射により、基材101と透光性基板Aとの界面で、基材101から透光性基板Aを剥離させ得るものであれば特に限定されないが、レーザー光であるのが好ましい。レーザー光を用いることにより、基材101と透光性基板Aとの界面において、基材101から透光性基板Aをより確実に剥離させることができる。
また、レーザー光としては、パルス発振型または連続発光型のエキシマレーザー、炭酸ガスレーザー、YAGレーザーおよびYVOレーザー等が挙げられる。
以上、透光性基板の製造方法を記載したが、必ずしもこれに限られるものではなく、組み合わせる材料等により適時最適な方法を用いて製造される。
また、かかる構成の透光性基板Aを用いて、有機EL表示装置1を、以下のようにして製造することができる。
(有機EL表示装置1の製造方法)
[1]まず、上述した透光性基板Aを用意する。
[2]次に、透光性基板A上に、形成すべき画素毎に対応するように、薄膜トランジスタBをそれぞれ形成した後に、これら薄膜トランジスタBを覆うように平坦化層301を形成する。
[2−A]まず、透光性基板Aの凸部112が形成された凹凸面と反対側の平坦面上に、薄膜トランジスタBを形成する。
[2−Aa]まず、透光性基板A上に、導電膜を形成した後、この導電膜をパターニングすることで、ゲート電極200を形成する。
透光性基板A上への導電膜の形成は、例えば、アルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属材料をスパッタ法等により供給することにより行うことができる。その他、前記金属材料を備える金属系化合物を溶媒または分散媒中に溶解または分散させた液状材料を用いた、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキのような湿式メッキ法およびゾル・ゲル法により行うことができる。
[2−Ab]次いで、ゲート電極200を覆うように、ゲート絶縁層201を形成する。
このゲート絶縁層201は、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスおよび窒素ガスなどを原料ガスとするプラズマCVD法等を用いることで、酸化シリコンまたは窒化シリコン等を主材料として構成されるものを形成することができる。
[2−Ac]次いで、ゲート絶縁層201上に、導電膜を形成した後、この導電膜をパターニングすることで、ソース電極202およびドレイン電極204を形成する。
ゲート絶縁層201上への導電膜の形成は、前記工程[2−Aa]で説明したのと同様の方法を用いて行うことができる。
[2−Ad]次いで、ソース電極202とドレイン電極204との間に位置するチャネル領域に半導体層203を形成する。
この半導体層203は、例えば、前述した酸化物半導体材料に含まれる半金属元素および/または金属元素を含有する金属ターゲットを用いた酸素(および窒素)含有雰囲気下におけるスパッタ法により形成することができる。
[2−B]次に、薄膜トランジスタBを覆うように平坦化層301を形成するとともに、陽極302と、ドレイン電極204とを電気的に接続する導電部300を形成する。
[2−Ba]まず、透光性基板A、および、この透光性基板A上に形成された薄膜トランジスタBを覆うように、平坦化層301を形成する。
[2−Bb]次いで、コンタクトホールを形成し、その後、コンタクトホール内に導電部300を形成する。
[3]次に、平坦化層301上に、各薄膜トランジスタBにそれぞれ対応するように、発光素子(電子素子)Cを形成する。
[3−A]まず、平坦化層301上に、各導電部300に対応するように、陽極(個別電極)302を形成する。
[3−B]次いで、陽極302を覆うように、正孔輸送層303を形成する。
[3−C]次いで、正孔輸送層303を覆うように、発光層304を形成する。
[3−D]次いで、発光層304を覆うように、電子輸送層305を形成する。
[3−E]次いで、電子輸送層305を覆うように、陰極306を形成する。
なお、前記工程[3−A]〜[3−E]で形成する各層は、例えば、スパッタ法、真空蒸着法、CVD法等の気相成膜法や、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法等の液相成膜法を用いて形成することができる。なお、液相成膜法を用いる場合、各層の形成は、各層の構成材料を溶媒または分散媒中に溶解または分散させた液状材料を調製し、この液状材料を、前記液相成膜法を用いて各層を形成すべき層上に供給した後、乾燥することにより行うことができる。
[4]次に、封止基板400を用意し、この封止基板(被覆層)400により陰極306を覆うこと、すなわち発光素子Cを覆うように封止基板400を形成することにより、発光素子Cを封止基板400で封止する。
なお、このような封止基板400による封止は、陰極306と封止基板400との間に接着剤を介在させた後、この接着剤を乾燥させることにより行うことができる。
上記のような工程[1]〜[4]を経ることで、透光性基板Aと薄膜トランジスタBと発光素子Cと、封止基板400とを備える有機EL表示装置1を得ることができる。
透光性基板Aは、長期の使用によっても優れた透光性を有するものであるため、かかる透光性基板Aを、上記のような有機EL表示装置1が備える表示面用基板として使用することができる。また、本実施形態のような透光性基板Aを、有機EL表示装置1が備える表示面用基板に適用することで、入射光の反射が低減された有機EL表示装置を作製することができる。
なお、本実施形態では、発光素子Cの平面視形状(発光領域)を四角形としたが、これに限定されず、任意の形状にすることができ、例えば、三角形、六角形のような多角形、真円、楕円のような円形であってもよい。
また、表紙面用基板に、入射光の反射を低減する反射防止膜としての機能を付与する必要がない場合には、透光性基板Aの一方の面を、凸部112を備える凹凸面で構成することなく、平坦面で構成すればよい。
以上、本発明の樹脂組成物、部材、光学装置および電子装置を実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の樹脂組成物、部材、光学装置および電子装置において、各構成は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができ、あるいは、任意の構成のものを付加することができる。
さらに、前記実施形態では、光が透過する本発明の部材を備える電子装置(本発明の電子装置)を、透光性基板を備える有機EL表示装置に適用したが、これに限定されるものではない。
例えば、光が透過する本発明の部材としては、透光性基板の他に、光学レンズ、プリズム、フィルターのような光学素子や封止材が挙げられる。
なお、光学レンズとしては、特に限定されないが、図3に示すマイクロレンズアレー500が挙げられ、プリズムとしては、図4に示すマイクロプリズムアレー600が挙げられる。
マイクロレンズアレー500は、図3に示すように、平板状をなす透明基板501と、この透明基板501上に、その面方向に等間隔で複数配列されたマイクロレンズ502とを有している。また、マイクロプリズムアレー600は、図4に示すように、平板状をなす透明基板601と、この透明基板601上に、その面方向に等間隔で複数配列されたマイクロプリズム602とを有している。
このように、マイクロレンズアレー500およびマイクロプリズムアレー600は、それぞれ、透明基板501、601上に、マイクロレンズ502およびマイクロプリズム602を備えるが、これらはともに数十マイクロメートルのピッチで設けられた微細な形状を有している。かかる微細な形状を有するマイクロレンズアレー500およびマイクロプリズムアレー600が本発明の部材、すなわち、マイクロレンズアレー500およびマイクロプリズムアレー600の形成に本発明の樹脂組成物が適用されるが、上述したように、樹脂組成物に反応開始剤として光酸発生剤が含まれる構成とすることで、部材を優れた寸法精度で形成することができるため、このようなマイクロレンズアレー500およびマイクロプリズムアレー600であったとしても、確実に形成することができる。
なお、マイクロレンズアレー500およびマイクロプリズムアレー600の製造方法としては、前述した透光性基板Aの製造方法で挙げたのと同様の方法を用いることができる他、例えば、樹脂組成物の硬化後に硬化物を加工してマイクロレンズアレー500およびマイクロプリズムアレー600を得る方法、形成すべきマイクロレンズアレー500およびマイクロプリズムアレー600の形状に対応した鋳型を用意し、この鋳型に樹脂組成物を注入したのち硬化させることでマイクロレンズアレー500およびマイクロプリズムアレー600得る方法等が挙げられる。
また、光が透過する本発明の部材を備える電子装置としては、有機EL表示装置の他、例えば、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)等が挙げられる。なお、有機EL表示装置に適用する場合、有機EL表示装置を、透光性基板Aに代えて、マイクロレンズアレー500またはマイクロプリズムアレー600を備える構成のものとすることもできる。
さらに、光が透過する本発明の部材を備える半導体装置としては、例えば、図5に示す発光ダイオード、図6に示す撮像装置(受光装置)、半導体レーザー等が挙げられる。
発光ダイオード700は、例えば、図5に示すように、GaAlAs、GaP等よりなる発光素子701と、メタルステム702と、メタルポスト703と、発光素子701を封止するとともにレンズとしての機能を有するモールド部704とを有している。
発光素子701が備える裏面電極はメタルステム702に銀ペースト等で接着され電気的に接続されており、発光素子701が備える表面電極は他端子であるメタルポスト703から伸ばされた金線705によりその表面でワイヤボンドされ、さらに発光素子701は透明なモールド部704でモールドされている。
かかる構成の発光ダイオード700おいて、レンズおよび封止材としての機能を備えるモールド部704を本発明の部材で構成することができる。
撮像装置800は、図6に示すように、ベース基板801と、ベース基板801に対向配置された透光性基板802と、ベース基板801上に形成された受光部を含む個別回路803と、受光部を含む個別回路803の縁部に形成されたスペーサ804と、ベース基板801の下面に形成された半田バンプ806とを有する。
ベース基板801は、半導体基板であり、この半導体基板には図示しない回路(後述する半導体ウエハーが備える個別回路)が設けられている。
ベース基板801上には、受光部を含む個別回路803が設けられている。この受光部を含む個別回路803は、例えば、ベース基板801側から受光素子と、受光素子を封止する封止部と、マイクロレンズアレーとがこの順に積層された構成となっている。
スペーサ804は、受光部を含む個別回路803が備えるマイクロレンズアレーと透光性基板802とを、これらの縁部において直接接着されており、ベース基板801および透光性基板802を接着するものである。そして、このスペーサ804は、受光部を含む個別回路803(マイクロレンズアレー)と透光性基板802との間に空隙805を形成している。
このスペーサ804は、受光部を含む個別回路803の縁部に、この受光部を含む個別回路803の中心部を取り囲むように配置されているため、受光部を含む個別回路803のうち、スペーサ804に取り囲まれた部分が実質的な受光部として機能する。
なお、受光部を含む個別回路803が備える受光素子としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー等が挙げられ、この受光素子において、受光部を含む個別回路803で受光した光が電気信号に変換されることとなる。
半田バンプ806は、導電性を有し、ベース基板801の下面及び中において、このベース基板801に設けられた配線と電気的に接続されている。これにより、受光部を含む個別回路803で光から変換された電気信号が、半田バンプ806に伝達される。
かかる構成の撮像装置800おいて、透光性基板802と、封止部と、マイクロレンズアレーとを本発明の部材で構成することができる。
また、半導体装置を備える電子装置としては、発光ダイオード700を備える照明装置、電光掲示装置および液晶表示装置、半導体レーザーを備える半導体レーザー装置等が挙げられる。
さらに、半導体装置を備える光学装置としては、例えば、撮像装置800を備えるデジタルビデオカメラ、デジタルカメラおよび内視鏡等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
1.透光性基板の形成
(実施例1)
(A)まず、下記一般式(Ia)に示すエポキシ化合物(式中、n=3)であるTEPIC−VL(日産化学製)50質量部、脂環式エポキシ樹脂前駆体として下記化学式(1a)に示す脂環式エポキシ樹脂前駆体(E−DOA,ダイセル製)50質量部に、(B)反応開始剤としてアンチモン系スルホニウム塩型光酸発生剤(SP−170、ADEKA製)1質量部を投入し、均一になるまで混合した後に穴径10μmのフィルターでろ過を行い、樹脂組成物を作製した。
Figure 2015098519
(Ia)ここで、n=3
Figure 2015098519
次いで、基材として、縦20cm×横20cm×平均厚さ5mmのポリアミド基板を用意し、この基材上に、作製したワニスを70℃下でダイコート法を用いて供給させたあと、室温で真空脱泡を行った。
次いで、真空脱泡したワニスが供給された基材を、片面(ワニスが供給されていない面)を転写材PET、もう片方(ワニスが供給された面)を25μmのPPフィルム(トレファン#25−YM17S:東レ製、マットフィルムの表面粗さRz:22.3μm、Sm:8.3μm)で両面から挟み込み、60℃に加温したラミネーターでラミネートした後、UV光により硬化させることで、基材上に平均厚さ100μmの透光性基板を得た。
(UV条件:高圧水銀ランプ、積算光量約800mJ/cm2
その後、転写材は剥がして除去した。UV硬化後の基板は窒素オーブンにて荷重をかけて引っ張りながら250℃で1h窒素下にてアニールを実施した。
次いで、基材と透光性基板との界面にエキシマレーザーを照射することにより、基材から透光性基板を剥離することで、実施例1の透光性基板を得た。
(実施例2)
(A)として、前記一般式(Ia)に示すエポキシ化合物(式中、n=3)であるTEPIC−VL(日産化学製)30質量部、脂環式エポキシ樹脂前駆体として下記化学式(2)に示すビシクロヘキシル−3、3’−ジオキシド(EBP,ダイセル製)70質量部とした以外は、前記実施例1と同様にして実施例2の透光性基板を得た。
Figure 2015098519
(実施例3)
(A)として、前記一般式(Ia)に示すエポキシ化合物(式中、n=3)であるTEPIC−VL(日産化学製)30質量部、エポキシ樹脂前駆体としてビスフェノールA型エポキシ樹脂jER828(三菱化学製)70質量部とした以外は、前記実施例1と同様にして実施例3の透光性基板を得た。
(実施例4)
(A)として、前記一般式(Ia)に示すエポキシ化合物(式中、n=3)であるTEPIC−VL(日産化学製)30質量部、アクリル樹脂としてビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート70質量部とした以外は、前記実施例1と同様にして実施例4の透光性基板を得た。
(比較例1)
樹脂前駆体としてビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレート100質量部に硬化剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF社製イルガキュア184)1質量部を投入し、均一になるまで混合した後に穴径0.1μmのフィルターでろ過を行い、樹脂組成物を作製した。以下、実施例1と同様にして比較例1の透光性基板を得た。
(比較例2)
(A)として、脂環式エポキシ樹脂前駆体(E−DOA,ダイセル製)100質量部を使用した以外は、実施例1と同様にして比較例2の透光性基板を得た。
2.評価
得られた各実施例および各比較例の透光性基板を、以下の方法で評価した。
2−1.変色の評価
各実施例および各比較例の透光性基板を、それぞれ、空気雰囲気下の加熱炉中で160℃/100時間処理したのち、各実施例および各比較例の透光性基板における黄変の有無を目視にて観察した。
また、判定基準は相対的に黄変が少ない順に◎、○、△、×とした。
2−2.ガラス転移温度(Tg)の評価
各実施例および各比較例の透光性基板のガラス転移温度は、JIS K 6911に準じて測定した。
すなわち、各実施例および各比較例の透光性基板について、動的粘弾性(SII社製、「EXSTAR6000」)を測定し(昇温速度:5℃/分、周波数:1Hz、荷重:800g)、tanδピーク温度をガラス転移温度として読み取った。
以上のようにして得られた各実施例および比較例の透光性基板における評価結果を、それぞれ、下記の表1に示す。
Figure 2015098519
表1に示したように、各実施例では、透光性基板における黄変が抑制され、さらに、優れた耐熱性を示す結果となった。
これに対して、比較例では、明らかな黄変が認められ、かつ各実施例と比較して耐燃性に劣る結果となった。
1 有機EL表示装置
5 ロール状転写型
6 転写型
7 凹凸
101 基材
102 樹脂ワニス
112 凸部
200 ゲート電極
201 ゲート絶縁層
202 ソース電極
203 半導体層
204 ドレイン電極
300 導電部
301 平坦化層
302 陽極
303 正孔輸送層
304 発光層
305 電子輸送層
306 陰極
400 封止基板
500 マイクロレンズアレー
501 透明基板
502 マイクロレンズ
600 マイクロプリズムアレー
601 透明基板
602 マイクロプリズム
700 発光ダイオード
701 発光素子
702 メタルステム
703 メタルポスト
704 モールド部
705 金線
800 撮像装置
801 ベース基板
802 透光性基板
803 個別回路
804 スペーサ
805 空隙部
806 半田バンプ
A 透光性基板
B 薄膜トランジスタ
C 発光素子

Claims (14)

  1. 光が透過する部材の形成に用いられる樹脂組成物であって、
    下記一般式(I)で表わされる化合物と、反応開始剤とを含有することを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2015098519
    [前記一般式(I)中、各基Rは、それぞれ独立して、エポキシ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基またはイソシアネート基であり、nは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す。]
  2. 各前記基Rは、それぞれ、エポキシ基である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 各前記nは、それぞれ独立して、2以上の整数を表す請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記反応開始剤は、光酸発生剤である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 当該樹脂組成物中における前記一般式(I)で表わされる化合物の含有量は、2wt%以上、100wt%未満である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 当該樹脂組成物は、さらに、酸化防止剤を含有する請求項1ないし5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤である請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. 当該樹脂組成物は、室温において、液状をなしている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の樹脂組成物を硬化させることにより形成された、光透過性を備える硬化物を含んで構成されることを特徴とする部材。
  10. 当該部材は、透光性基板、封止材、光学用レンズまたはプリズムである請求項9に記載の部材。
  11. 請求項9または10に記載の部材を備えることを特徴とする光学装置。
  12. 当該光学装置は、半導体装置を備える請求項11に記載の光学装置。
  13. 請求項9または10に記載の部材を備えることを特徴とする電子装置。
  14. 当該電子装置は、有機EL表示装置である請求項13に記載の電子装置。
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