本発明の電気エネルギ変換装置にかかる第1の構成は、複数の側面を有するケースと、前記ケース内に収納され、前記ケース外の電力供給装置から出力される電気エネルギを熱エネルギに変換可能な抵抗体とを備えた電気エネルギ変換装置であって、前記複数の側面は、対向する一対の通気面と、前記一対の通気面とは異なる一対の側面であって、対向する一対の運搬面とを含む。また、前記電気エネルギ変換装置は、前記一対の通気面において、対向する位置に形成された吸気口と排気口と、前記一対の運搬面の少なくとも1つに設けられ、前記ケースの内側へ突出するよう形成された凹部を有し、前記ケースを運搬する際に把持される把持部と、前記吸気口から前記排気口へ向けて気体の流れを発生させる送風部とをさらに有し、前記ケースの内側において、前記把持部の凹部の裏側の頂部が、前記気体の流れ方向から見て、当該把持部が形成された運搬面に最も近い吸気口よりも当該運搬面側にある。
この第1の構成によれば、通気面とは異なる面(運搬面)に把持部が設けられているので、吸気口と排気口の大きさを確保することができる。これにより、吸排気抵抗を抑えることができ、冷却(換気)効率が向上するという利点がある。また、ケースの内側において、前記把持部の凹部の裏側の頂部が、当該把持部が形成された運搬面に最も近い吸気口よりも当該運搬面側にあることにより、吸気口から排気口への空気の流れが把持部によって妨げられることが抑制される。したがって、持ち運びの利便性と冷却性能との両立を図ることができる。
前記第1の構成において、さらに、前記ケースの内側において、前記把持部の凹部の裏側の頂部が、前記気体の流れ方向に略平行であることが好ましい(第2の構成)。
この第2の構成によれば、把持部の凹部の裏側の頂部が、吸気口から排気口への風流れを阻害しないという利点がある。
前記第2の構成において、さらに、前記把持部の凹部の長手方向が、前記気体の流れ方向に略平行であることが好ましい(第3の構成)。
この第3の構成によれば、気体の流れ方向において、ケース内側に突出した凹部の、気体の流れ方向に対向する断面をより小さくすることができる。これにより、吸気口から排気口への風流れを阻害しないという利点がある。
前記第1〜第3のいずれかの構成において、さらに、前記運搬面に複数の把持部が設けられ、前記複数の把持部は、前記気体の流れ方向に略平行な方向に配列されていることが好ましい(第4の構成)。
この第4の構成によれば、例えば複数人による運搬を可能とするために凹部を複数設けた場合であっても、ケース内側に突出した凹部の、気体の流れ方向に対向する断面をより小さくすることができる。これにより、吸気口から排気口への風流れを阻害しないという利点がある。
前記第1〜第4のいずれかの構成において、さらに、前記抵抗体は、軸線方向に延びるように柱状に形成された複数の抵抗器を有し、前記複数の抵抗器は、前記吸気口及び前記排気口に向かって延びるように、前記ケース内に平行に並んで配置されているとともに、前記抵抗器の軸線方向から見て、互いに等間隔で配置されていることが好ましい(第5の構成)。
これにより、ケース内で複数の抵抗器を効率良く冷却することができる。すなわち、抵抗器を吸気口及び前記排気口に向かって延びるように配置することで、該抵抗器に沿って気体が流れる。しかも、抵抗器同士の間隔は等しく平行に配置されているため、抵抗器同士の間に熱だまりが生じるのを防止できる。
また、抵抗体として抵抗器を用いることにより、簡単で且つ衝撃等によって破損しにくい構成とすることができる。しかも、上述のように抵抗器同士を等間隔で平行に配置することにより、ケース内に複数の抵抗器を効率良く配置することができる。
前記第1〜第5のいずれかの構成において、前記送風部は、前記吸気口から前記排気口を見て、前記吸気口、前記排気口及び前記抵抗体と重なるように配置されていることが好ましい(第6の構成)。
この第6の構成によれば、送風部によってケース内に気体を流すことができるため、該ケース内の抵抗体を効率良く冷却することができる。しかも、送風部は、吸気口から排気口を見て、該吸気口、排気口及び抵抗体と重なるように配置されているため、送風部によってケース内に吸気口から排気口に向かって気体を効率良く流すことができるとともに、抵抗体の周辺に気体を効率良く流すことができる。したがって、ケース内の抵抗体をより効率良く冷却することができる。
前記第6の構成において、さらに、前記送風部は、前記排気口よりも前記吸気口に近い位置に配置されていることが好ましい(第7の構成)。
この第6の構成によれば、ケース内に効率良く気体を流し込むことができる。すなわち、送風部を排気口の近傍に設けた場合、ケース内に熱だまりが生じるが、上述の構成のように送風部を吸気口の近傍に設けた場合にはケース内に効率良く気体を流すことができる。よって、上述の構成により、ケース内の抵抗体をより効率良く冷却することができる。
前記第5の構成において、さらに、前記ケースの前記複数の面は、メンテナンス用の開口部が形成された開口面をさらに含み、前記ケースは、前記開口面を有するケース本体と、前記開口部を覆うように前記ケース本体に対して開閉可能な扉とを有し、前記複数の抵抗器は、前記ケース内に複数段で配置されるように、前記ケース本体及び前記扉にそれぞれ並んで配置されていることが好ましい(第8の構成)。
上述の構成においてケースの扉を開くことにより、開口部からケース内の抵抗器に容易にアクセスすることができる。よって、ケース内に収容された複数の抵抗器を容易にメンテナンスすることができる。しかも、複数の抵抗器は、ケース本体及び扉にそれぞれ並んで配置されている。そのため、扉を開けることにより、ケース本体及び扉にそれぞれ配置された抵抗器を容易にメンテナンスすることができる。
また、複数の抵抗器をケース内に複数段で配置することにより、該ケース内に複数の抵抗器を効率良く配置することができる。したがって、電気エネルギ変換装置全体をコンパクトな構成にすることができる。
前記第1〜第8のいずれかの構成において、前記ケースは、前記吸気口及び前記排気口の少なくとも一方を覆うように開閉可能に設けられたカバーを有することが好ましい(第9の構成)。
これにより、吸気口及び排気口からケースの内部に水や埃等が進入するのを防止できる。よって、ケース内に収納された抵抗体を運搬する場合に、ケース内に水や埃等が進入して抵抗体が故障するのを防止できる。
前記第9の構成において、さらに、前記ケースには、前記電力供給装置と前記抵抗体とを接続する接続部が設けられている。前記接続部は、前記カバーによって覆われるように、前記通気面上に前記吸気口及び前記排気口の少なくとも一方と並んで設けられていることが好ましい(第10の構成)。
このようにケースの通気面上に吸気口及び排気口の少なくとも一方と並んで接続部を設けて、カバーによって接続部も覆うことにより、該接続部に水や埃等が付着するのを防止できる。したがって、電力変換装置と抵抗体とを接続する接続部を保護することができる。
前記第6または第7の構成において、さらに、前記ケースには、前記送風部に電力を供給するための電力供給配線が接続される電力供給用接続部が設けられていて、前記ケースは、前記排気口を覆う排気口カバーを有し、前記電力供給用接続部は、前記通気面上に前記排気口と並んで設けられているとともに、前記排気口カバーによって覆われていることが好ましい(第11の構成)。
この第11の構成によれば、送風部に電力を供給する電力供給配線が接続される電力供給用接続部は、排気口とともに排気口カバーによって覆われる。よって、電力供給用接続部に水や埃等が付着するのを防止することができる。
また、本発明の一実施形態にかかる電力供給システム(第12の構成)は、電気エネルギを熱エネルギに変換可能な抵抗体と、該抵抗体を収納するケースとを備えた電気エネルギ変換装置に対し、電力供給装置によって電力を供給する電力供給システムにおいて、前記ケースは、前記ケース内に気体を通過させるための吸気口及び排気口が対向する位置に形成されるように、対向して配置された一対の通気面と、前記ケースを運搬するための運搬手段が設けられた運搬面とを有する。前記電気エネルギ変換装置は、前記抵抗体を冷却するための送風部を有し、前記一対の通気面のうち一方の面には、前記吸気口と並んで配置され、前記抵抗体に電力を供給するための接続配線が接続される接続部と、前記吸気口及び前記接続部を覆う吸気口カバーとが設けられていて、前記一対の通気面のうち他方の面には、前記排気口と並んで配置され、前記送風部に電力を供給するための電力供給配線が接続される電力供給用接続部と、前記排気口及び前記電力供給用接続部を覆う排気口カバーとが設けられていて、前記電力供給装置は、前記電力供給用接続部に前記電力供給配線が接続されているとともに前記接続部に前記接続配線が接続されている場合に、前記接続配線を介して前記電気エネルギ変換装置に対して電力を供給するように構成されている。
この第12の構成にかかる電力供給システムでは、電気エネルギ変換装置の電力供給用接続部に対して電力供給配線が接続されているとともに、前記電気エネルギ変換装置の接続部に対して接続配線が接続されている場合には、吸気口カバー及び排気口カバーが開いた状態である。したがって、電気エネルギ変換装置に対して電力供給配線及び接続配線がそれぞれ接続されている状態では、ケースの吸気口及び排気口が露出していて、該ケース内に気体が効率良く流れる状態である。よって、このように抵抗体を効率良く冷却可能な状態で、電力供給装置が接続配線を介して電気エネルギ変換装置に対して電力を供給することにより、ケース内が高温になるのをより確実に防止できる。
すなわち、簡単な構成によって、ケース内の冷却性能を確保しつつ抵抗体に電力を供給することが可能になる。
前記第12の構成において、さらに、前記電力供給装置は、前記電力供給用接続部に前記電力供給配線が接続されているかどうかを検出する配線接続検出部と、前記配線接続検出部によって前記電力供給配線が前記電力供給用接続部に接続されていることが検出された場合に、前記接続配線を介して前記電気エネルギ変換装置に対して電力供給を開始する電力供給制御部とを有することが好ましい(第13の構成)。
これにより、第11の構成を実現することができる。配線接続検出部によって、電気エネルギ変換装置の電力供給用接続部に電力供給配線が接続されていることを検出することにより、排気口が開状態であるのことを確認することができる。ここで、接続配線が電気エネルギ変換装置の接続部に接続されていなければ、該電気エネルギ変換装置には電力は供給されない。そのため、接続配線を介して電気エネルギ変換装置に電力を供給する際には、吸気口も開状態である。このように吸気口及び排気口がそれぞれ開状態で、電力供給制御部によって、接続配線を介して電力供給装置から電気エネルギ変換装置に対して電力が供給される。したがって、ケース内の冷却性能を確保しつつ該ケース内に配置された抵抗体に電力を供給することができる。
前記第12または第13の構成において、さらに、前記電気エネルギ変換装置は、前記ケース内の温度を検出する温度検出部をさらに有し、前記電力供給装置は、前記温度検出部による検出結果が閾値以上の場合に前記電気エネルギ変換装置に対する電力供給を停止する停止制御部を有することが好ましい(第14の構成)。
これにより、電気エネルギ変換装置のケース内の温度が閾値以上の場合には、電力供給装置から電気エネルギ変換装置への電力供給が停止される。したがって、例えば送風部が故障している場合などのようにケース内が十分に冷却されていない場合に、電気エネルギ変換装置への電力供給を停止することができ、電気エネルギ変換装置のケース内部で異常な温度上昇が生じるのを防止できる。
また、前記第1の構成において、前記抵抗体が、前記吸気口と前記排気口との間に位置するように前記ケース内に配置されていることが好ましい(第15の構成)。これにより、ケース内に配置された抵抗体を、吸気口と排気口との間に流れる気体によって効率良く冷却することができる。すなわち、吸気口と排気口との間に抵抗体を配置することで、該抵抗体の周りに熱だまりが生じるのを防止できる。
以下、本発明の移動体用充電評価システム及び移動体用充電評価装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[実施形態1]
(充電システム)
図1に、実施形態1に係る移動体用充電評価装置1(電力供給システム)の概略構成を示す。この移動体用充電評価装置1は、電気自動車の充電装置5(電力供給装置)及び該充電装置5に対して充電用電力を供給する充電器4とともに充電システム10を構成する。
まず、図2を用いて、電気自動車2と充電器4とによって構成される充電システム7について簡単に説明する。一般的に、電気自動車2は、モータ(図示省略)を駆動させるための電力を蓄えるバッテリ装置3を有する。このバッテリ装置3内の電力は、電気自動車2の外部から充電器4によって供給される。
また、電気自動車2には、図2に示すように、充電器4から供給された電力をバッテリ装置3内に充電する際に充電制御を行う充電装置5が設けられている。
充電装置5は、電気自動車2の制御部6から各種信号が入力されることにより、充電制御を行うように構成されている。この制御部6にはバッテリ装置3から出力される信号(例えばバッテリ充電時のバッテリ残容量などに関する信号)も入力される(図2の実線矢印参照)。そのため、充電装置5は、制御部6を介してバッテリ装置3に関する信号も得ることができる。これにより、充電装置5は、バッテリ装置3の状態に応じて出力される制御部6からの信号に基づいて充電制御を行うことができる。
また、充電装置5は、充電器4との間で信号の送受信可能に構成されている(図2の実線矢印参照)。これにより、充電装置5は、充電器4との間で充電に必要な情報を交換することにより、該充電器4と協働して、電気自動車2内のバッテリ装置3を効率良く充電することができる。
さらに、充電装置5は、充電器4が例えば100Vから200Vなどの比較的電圧が低い家庭用の交流電圧で充電を行う普通充電器の場合に、直流電圧に変換するとともに昇圧させる変圧機能も有する。そのため、充電器4が普通充電器の場合、図2に実線の白抜き矢印で示すように、充電器4から充電装置5に供給された交流の電力は、該充電装置5で所定の直流電圧に変換された後、バッテリ装置3に供給される。
本実施形態に係る移動体用充電評価装置1は、上述の電気自動車2の代わりとして機能するとともに、電気自動車2の充電装置5と充電器4との間で送信される信号を検出可能に構成されている。移動体用充電評価装置1は、電気自動車2に搭載されている充電装置5を利用して電気自動車2を模擬的に再現している。
図3に、電気自動車2の代わりに移動体用充電評価装置1を用いて、該移動体用充電評価装置1及び充電器4によって構成した充電システム10を示す。この充電システム10は、電気自動車2の充電装置5及び充電器4を用いることによって、実際の電気自動車2を用いた充電システム7を再現したものである。すなわち、この充電システム10では、移動体用充電評価装置1の後述する充電評価制御部13が電気自動車2の制御部6として機能するとともに、移動体用充電評価装置1の後述する負荷抵抗12がバッテリ装置3として機能する。
詳しくは後述するように、移動体用充電評価装置1の充電評価制御部13は、充電器4と充電装置5との間で送信される信号(図3の実線矢印)を検出するように構成されている(図3のハッチング付き矢印)。これにより、充電システム10内の移動体用充電評価装置1は、充電器4及び電気自動車2によって構成される充電システム7の充電状態を、該充電システム7を再現した充電システム10を用いて検出することができる。なお、上述の図2と同様、図3において、実線の白抜き矢印は普通充電の場合の電力の流れを示している。
なお、ここに開示する移動体用充電評価装置1は、電気エネルギを内部に蓄える移動体に対して、正常に充電制御が行われるかどうかを評価するためにも用いられる。
移動体の充電の状態は、電力を供給するシステムの状態によって大きく影響を受ける。世界中で電力システムが整備されつつあることに伴い、今後、世界各国で電気エネルギを動力源として用いる移動体が普及することが考えられる。ただし、電力供給システムのインフラ整備のレベルは各国でばらつきがあり、電力の供給事情が異なると共に、電力品質も必ずしも一定であるとはいえない。そのため、各地での電力供給システムの実情を把握することが重要である。
ところが、電力供給システムと移動体とを接続して充電動作を行う際にどのような現象が生じるかは、実際に両者を接続して充電動作を行わないと、正確に把握することが難しい。そのため、実際の移動体を各地へ運んで、その場所の電力供給システムによって移動体に充電を行うことにより、電力供給システムに繋がった電力供給装置と移動体とによって構成される充電システムで生じる現象を確認する必要がある。
しかしながら、実際の移動体を各地へ運んで電力供給システムの評価を行うことは、現実的には難しい。なぜならば、上述のように世界各国で電力供給システムの状態が異なるうえに、各国内でも電力の供給状況及び電力品質に大きなバラツキがあるため、全ての国及び地域で移動体を用いた検証を行おうとすると、移動体を運ぶための莫大なコストや手間がかかり、現実的ではないからである。
そのため、ここに開示する移動体用充電評価装置1は、移動体へ電気を供給する電力供給システムにおいて充電時に生じる現象を、実際の移動体を用いることなく容易に把握可能とするために、移動体における電気熱変換を模擬するためにも用いられる。
(移動体用充電評価装置の構成)
移動体用充電評価装置1の具体的な構成を、図1に基づいて説明する。図1に示すように、移動体用充電評価装置1は、充電器4(普通充電器)と、接続部11(普通充電器用接続部)と、抵抗ボックス12と、充電評価制御部13とを備えている。なお、本実施形態では、充電器4は普通充電器である。
接続部11は、充電器4の図示しない充電器側コネクタが接続可能に構成されている。接続部11は、充電器4から電力を受け取ることができるとともに、該充電器4との間で信号の授受が可能に構成されている。すなわち、接続部11は、電力線用及び信号線用の接続端子を有する。
接続部11は、交流電力線23を介して充電装置5に電気的に接続されている。この交流電力線23を流れる電流及び電圧は、電力品質モニタ16によって検出されている。交流電力線23には、後述する電力開閉部14が設けられている。
充電装置5と抵抗ボックス12との間には、交流電力線23によって充電装置5に供給された交流電力を該充電装置5で直流電力に変換した後、抵抗ボックス12に供給するための直流電力線24が設けられている。
接続部11、交流電力線23、充電装置5、直流電力線24及び抵抗ボックス12によって、普通充電時の充電回路が形成される。
また、接続部11は、制御信号線25を介して充電装置5と信号を授受可能に接続されている。この制御信号線25によって、接続部11から充電装置5に対して、接続部11に充電器側コネクタが接続された場合に生成される嵌合信号や、充電器4から出力される電源の情報に関する信号などが送信される。
制御信号線25は、嵌合信号や電源情報信号などのように電圧変化等を利用した物理的な信号を送信可能に構成されている。詳しくは後述するように、制御信号線25で送信される信号は、充電評価制御部13によって検出される。
制御信号線25には、信号の送信を強制的に停止させることができるように、断線テストスイッチ15aが設けられている。
抵抗ボックス12は、ケース40(図4参照)と、負荷抵抗60と、ファン70(送風部)と、ケース40内の温度を検出する温度センサ76(温度検出部)とを有する。負荷抵抗60及びファン70は、ケース40内に配置されている。ケース40、負荷抵抗60及びファン70の詳しい構成については後述する。温度センサ76は、ケース40の排気口46cの近傍に設けられている。温度センサ76によって検出された値は、後述するように、スイッチボックス80の制御に用いられる。
図1に示すように、負荷抵抗60は、直流電力線24を介して充電装置5に電気的に接続されている。負荷抵抗60は、充電装置5から供給される電力を熱に変換可能に構成されている。
ファン70は、負荷抵抗60で生じる熱をケース40の外に排出するように該ケース40内に空気の流れを生じさせる。
以上のように、負荷抵抗12によって、充電装置5から供給される電力を熱に変換することにより、実際の電気自動車のようなバッテリ装置を用いることなく、負荷抵抗12によって充電システム10の充電状態を再現することが可能になる。
電力開閉部14は、リレー部14aを有する。リレー部14aは、充電装置5から出力される信号によって、オン・オフの制御が行われる。
電力開閉部14は、リレー部14aの入力端子が、交流電力線23を介して接続部11に接続されている一方、リレー部14aの出力端子が、交流電力線23を介して充電装置5に接続されている。この構成により、リレー部14aがオン状態のときに、接続部11から充電装置5に対して交流電力が供給される一方、リレー部14aがオフ状態のときに接続部11から充電装置5への電力供給が遮断される。
電力開閉部14には、後述するスイッチングボックス80から出力されるリレー開閉制御信号が入力される。後述するファン70に通電可能な状態であり且つケース40内の温度が閾値未満の場合に、スイッチボックス80からリレー開閉制御信号としてリレー閉信号が出力される一方、それ以外の場合には、スイッチボックス80からリレー開閉制御信号としてリレー開信号が出力される。よって、ファン70に通電可能な状態であり且つケース40の温度が閾値未満の場合には、リレー部14aがオン状態になる一方、それ以外の場合には、リレー部14aはオフ状態になる。
充電評価制御部13は、充電装置5に対して充電制御に必要な各種信号を出力するように構成されているとともに、充電システム10内の充電状態を検出可能に構成されている。すなわち、充電評価制御部13は、電気自動車2の制御部6の代わりとして、充電装置5に対して、該充電装置5の駆動に必要な信号を出力するように構成されている。
また、充電評価制御部13は、制御信号線25に送信される信号を検出するとともに、接続部11と充電装置5との間を接続する交流電力線23に流れる電流及び電圧を検出する電力品質モニタ16の出力信号が入力されるように構成されている。さらに、充電評価制御部13は、検出した各種信号を図示しない画面上に表示するとともに、該信号に基づいて評価を行ってその評価結果を図示しない画面上に表示するように構成されている。
具体的には、図1に示すように、充電評価制御部13は、制御信号線25及び電力品質モニタ16の信号を検出する検出部31と、該検出部31で検出された信号が規定範囲内であるかどうかを判定する判定部32とを備えている。
また、充電評価制御部13は、検出部31及び判定部32の出力結果を記憶する記憶部33と、該記憶部33に記憶されているデータの一部または全部を画面上に出力表示する表示部34とを備えている。
さらに、充電評価制御部13は、充電装置5との間で信号を送受信可能に構成されていて且つ該充電装置5の駆動に必要な各種信号を出力する動作制御部35も備えている。
充電評価制御部13は、例えば汎用のコンピュータに搭載したプログラムによって実現可能である。この場合には、コンピュータのキーボード等によって入力操作を行うとともに、図示しない画面に検出結果や判定結果などを表示する。なお、本実施形態では、汎用のコンピュータによって充電評価制御部13を構成しているが、専用の制御装置によって充電評価制御部13を構成してもよい。
検出部31は、制御信号線25及び電力品質モニタ16の信号を常時、検出するように構成されている。そして、検出部31は、検出した信号が何の信号であるかを判別した後、判定部32及び記憶部33に出力する。
判定部32は、検出部31によって検出された信号が、規定範囲内であるかどうかを判定するように構成されている。この規定範囲は、外部入力によって設定変更可能である。この判定部32の判定結果は、記憶部33に信号出力されて、該記憶部33で記憶される。
記憶部33は、メモリ装置などによって構成されていて、検出部31の検出結果及び判定部32の判定結果を保存可能に構成されている。
表示部34は、例えばディスプレイ装置等によって構成されていて、記憶部33に記憶されているデータを表示することができる。なお、充電評価制御部13を汎用のコンピュータによって構成する場合には、該コンピュータのディスプレイが表示部34を構成する。
動作制御部35は、充電装置5に対して該充電装置5の駆動に必要な制御信号を出力するとともに、該充電装置5からも信号が入力されるように構成されている。すなわち、動作制御部35は、充電装置5との間で、電気自動車2の制御部6の代わりに信号の授受を行う。動作制御部35と充電装置5との間を接続する制御信号線26には、信号の送受信を強制的に停止させることができるように、断線テストスイッチ15bが設けられている。なお、本実施形態において、動作制御部35と充電装置5との間で送信される信号は、CAN信号である。
また、動作制御部35は、充電装置5の駆動に必要な各センサの出力信号を生成するセンサ信号出力部17に対して生成信号を出力するように構成されている。このセンサ信号出力部17では、充電評価制御部13の動作制御部35から生成信号を受け取ると、電気自動車2内で出力されるセンサ信号のうち充電装置5の駆動に必要な信号を生成して、該充電装置5に対して出力する。
移動体用充電評価装置1は、抵抗ボックス12内のファン70に対して駆動させるための直流電力を供給するファン電源部19を有する。ファン電源部19は、ファン70が収容された抵抗ボックス12のファン電源用接続部75(電力供給用接続部)に対してファン電源配線27によって電気的に接続されている。
(抵抗ボックスの構成)
次に、抵抗ボックス12の構成を、図4から図11を用いて説明する。なお、以下の説明において、上下方向とは抵抗ボックス12が図4に示すように直立した状態で上下方向を意味し、横方向とは抵抗ボックス12が図4に示すように直立した状態で横方向を意味する。また、厚み方向とは、抵抗ボックス12の後述する一対の幅広面41,42が並ぶ方向を意味する。
図4から図11に示すように、抵抗ボックス12は、直方体状のケース40を備えている。ケース40は、横方向(図4において横方向)の長さよりも上下方向(図4において上下方向)の長さが長く、且つ、厚み方向(図4において紙面方向)の長さが横方向及び上下方向の長さよりも短い直方体状に形成されている。すなわち、ケース40は、横方向の長さよりも上下方向の長さが長い一対の幅広面41,42と、ケース40の上側に位置する上面43(運搬面)と、ケース40の下側に位置する下面44(運搬面)と、一対の幅広面41,42同士を接続する側面45,46とを有する。なお、一対の幅広面41,42、上面43、下面44及び側面45,46によってケース本体40a(図4参照)が構成される。
ケース40の下面44には、該下面44の四隅に対応して車輪47(運搬手段)が設けられている。すなわち、ケース40の下面44には、4つの車輪47が設けられている。各車輪47は、下面44に回転可能に支持されている。これにより、ケース40を4つの車輪47によって移動させることができる。
また、各車輪47は、下面44に対して横方向(図4において横方向)に回転可能に取り付けられている。これにより、ケース40の移動方向を4つの車輪47によって変えることができる。
図4から図6に示すように、ケース40の上面43及び下面44には、それぞれ複数の把持部48(運搬手段)が設けられている。具体的には、把持部48は、上面43及び下面44にそれぞれ2つずつ設けられている。上面43及び下面44において、2つの把持部48は、ケース40の横方向(図4から図6において横方向)に並んで配置されている。
図5及び図6に示すように、各把持部48は、上面43及び下面44に取り付けられた状態でケース40の内方に向かって凹状に形成されたベース部48aと、該ベース部48aにケース40の横方向に延びるように取り付けられた取っ手48bとを有する。ベース部48aを上述のようにケース49の内方に向かって凹状に形成することで、取っ手48bがケース40の外方に突出するのを抑制できる。これにより、よりコンパクトな構成を有するケース40が得られるとともに、ケース40を運搬する際に取っ手48bが邪魔になるのを防止できる。このように、把持部48は、外面に突起物がないので、運搬時に他の物体に引っかかることがない。また、航空機等で持ち運ぶ際ににもサイズ的に有利であるし、梱包も容易である。
上述のように、ケース40の上面43及び下面44にそれぞれ把持部48を設けることにより、ケース40を容易に持ち上げて運搬することができる。また、後述するが、ケース40の側面45,46には吸気口と排気口が形成される。把持部48を、吸気口と排気口が形成される側面45,46ではなく、上面43及び下面44に設けたことにより、吸気口と排気口の大きさを確保することができる。これにより、吸排気抵抗を抑えることができ、冷却(換気)効率が向上するという利点がある。さらに、側面45,46は、吸気口と排気口が設けられることで面強度が低下することは避けられないので、装置全体の重量(負荷)がかかる把持部48を、側面45,46とは異なる面に設けることで、ケースの強度を高めることができるという利点もある。
図4に示すように、ケース40の一対の幅広面41,42のうち一方の幅広面41(開口面)には、開口部41aが形成されている。開口部41aは、略長方形状の幅広面41の外周部に沿うように略長方形状に形成されている。
開口部41aには、メンテナンス用扉49(扉)が配置されている。このメンテナンス用扉49は、開口部41aを塞ぐような大きさを有する。メンテナンス用扉49は、開口部41aの周縁部に複数の接続部材50によって開閉可能に取り付けられている。特に図示しないが、メンテナンス用扉49は、開口部41aの周縁部に対してボルト等によって固定されている。ケース40の内部をメンテナンスする際には、ボルトを外してメンテナンス用扉49を開けることにより、開口部41を開放させることができる。
メンテナンス用扉49の上下にはそれぞれ取っ手51が設けられている。取っ手51は、ケース40の内方に向かって突出するように凹状に形成されている。メンテナンス用扉49に取っ手51を設けることにより、該メンテナンス用扉49を容易に開けることができる。
メンテナンス用扉49を閉じた状態では、メンテナンス用扉49及び開口部41aの周縁部によって、ケース40の幅広面41が構成される。
なお、図9に示すように、メンテナンス用扉49の内面には、負荷抵抗60を構成する複数の抵抗器61(抵抗体)が取り付けられている。複数の抵抗器61は、長方形状のメンテナンス用扉49に、長手方向(上下方向)に並んで配置されている。複数の抵抗器61の取付構造は後述する。
図7にケース40の左側の側面45を示すとともに、図8にケース40の右側の側面46を示す。ケース40の側面45,46にも、幅広面41と同様、それぞれ、開口部45a,46aが形成されている。開口部45a,46aは、それぞれ、略長方形状の側面45,46の外周部に沿うように略長方形状に形成されている。
開口部45a,46aには、それぞれ、吸気口カバー52及び排気口カバー53が配置されている。開口部45aに取り付けられる吸気口カバー52は、該開口部45aを塞ぐような大きさを有する。開口部46aに取り付けられる排気口カバー53は、該開口部46aを塞ぐような大きさを有する。
吸気口カバー52は、開口部45aの周縁部に複数の接続部材56によって開閉可能に取り付けられている。吸気口カバー52は、ネジ57によって開口部45aの周縁部に対して固定されている。ネジ57を外すことにより、吸気口カバー52を開口部45aに対して容易に開閉することができる。なお、吸気口カバー52は、開口部45aの周縁部分に設けられた磁石58によっても該周縁部分に固定されている。したがって、ネジ57を外した状態でも、吸気口カバー52を引張らなければ該吸気口カバー52は開かない。
排気口カバー53は、開口部46aの周縁部に複数の接続部材56によって開閉可能に取り付けられている。排気口カバー53は、吸気口カバー52と同様、ネジ57によって開口部46aの周縁部に対して固定されている。ネジ57を外すことにより、排気口カバー53を開口部46aに対して容易に開閉することができる。なお、排気口カバー53は、開口部46aの周縁部分に設けられた磁石58によっても該周縁部分に固定されている。したがって、ネジ57を外した状態でも、排気口カバー53を引張らなければ該排気口カバー53は開かない。
吸気口カバー52及び排気口カバー53には、それぞれ取っ手54が設けられている。取っ手54も、取っ手51と同様、ケース40の内方に向かって突出するように凹状に形成されている。取っ手54を設けることにより、吸気口カバー52及び排気口カバー53を容易に開けることができる。
開口部45a,46a内には、それぞれ隔壁45b,46b(一対の通気面)が設けられている。隔壁45b,46bは、それぞれ、吸気口カバー52及び排気口カバー53よりもケース40の内方に設けられている。すなわち、ケース40の側面45,46は、吸気口カバー52及び排気口カバー53と隔壁45b,46bとを有する。これにより、ケース40は隔壁45b,46bによって覆われているため、吸気口カバー52及び排気口カバー53を開いても、ケース40の内部は露出しない。
図7及び図10に示すように、隔壁45bには、ファン70が配置される吸気口45cが形成されている。後述するように、ファン70は、隔壁45bの長手方向に複数、並んで配置されている。よって、隔壁45bに形成される吸気口45cも、ファン70に対応して該隔壁45bの長手方向に複数、並んで設けられている。本実施形態では、ファン70及び吸気口45cは、4つ設けられている。なお、特に図示しないが、吸い込み口45cには、指等が入らないようにガード部材を設けてもよい。
また、隔壁45bには、吸気口45cと並んで電力用接続部65(接続部)が設けられている。電力用接続部65は、後述するように、直流電力線24を抵抗ボックス12に電気的に接続するための接続端子を有する。後述するように、電力用接続部65の接続端子は、負荷抵抗60の抵抗器61に対して電気的に接続されている。
このように、隔壁45bに電力用接続部65を設けることにより、吸気口カバー52を開かないと電力用接続部65に直流電力線24を接続することができない。すなわち、直流電力線24を介して充電装置5から抵抗ボックス12に電流を流す際には、吸気口カバー52が開いた状態である。したがって、抵抗ボックス12に電流を流す際に、抵抗ボックス12のケース40内をファン70によって冷却することができる。
図8及び図11に示すように、隔壁46bには、該隔壁46bの長手方向に並んで複数の排気口46cが形成されている。各排気口46cは、隔壁45bに形成された吸気口45cに対応して設けられている。すなわち、各排気口46cは、ケース40の側方から見て(図8及び図11の紙面方向に見て)、隔壁45bの吸気口45cとほぼ同じ位置に形成されている。これにより、ファン70によって隔壁45bの吸気口45cから吸い込まれた空気は、排気口46cに向かってほぼ直線状に流れる。こうすることで、抵抗ボックス12のケース40内を空気が直線状に流れるため、該ケース40内を効率良く冷却することができる。なお、特に図示しないが、排気口46cにも、吸気口45cと同様、指等が入らないようにガード部材を設けてもよい。
また、把持部48のベース部48a(図4参照)は、吸気口45cから排気口46cへの空気の流れを阻害しないように設けられている。すなわち、図4に示すように、把持部48のベース部48aは、当該把持部48に最も近い位置にある吸気口45cおよび吸気口46cにおいて、当該把持部48が形成された運搬面に最も近い箇所同士を結ぶ仮想線L1(L2)よりも、ケース40の内側へ突出しないように形成されている。
言い換えると、ケース40の内側において、把持部48のベース部48aの裏側の頂部が、空気の流れ方向から見て、当該把持部48が形成された運搬面に最も近い吸気口(または排気口)よりも、当該運搬面側にある。
図4に示した構成においては、上面43に設けられた把持部48のベース部48aは、ケース40の内側において、上面43に最も近い吸気口45c(図7参照)の上端と、上面43に最も近い排気口46c(図8参照)の上端とを結ぶ仮想線L1よりも、上面43に近い側にある。言い換えると、上面43に設けられた把持部48のベース部48aは、その裏側(ケース40の内部)における頂部が、仮想線L1を超えてケース40内に突出しないように形成されている。
同様に、下面44に設けられた把持部48のベース部48aは、ケース40の内側において、下面44に最も近い吸気口45cの下端と、下面44に最も近い排気口46cの下端とを結ぶ仮想線L2よりも、下面44に近い側にある。言い換えると、下面44に設けられた把持部48のベース部48aは、その裏側(ケース40の内部)における頂部が、仮想線L2を超えてケース40内に突出しないように形成されている。
このように把持部48のベース部48aを設けることにより、吸気口45cから排気口46cへの空気の流れが悪化することが抑制される。したがって、把持部48が上面43および下面44から突出しないことによる持ち運びの利便性と、冷却性能との両立を図ることができる。
また、隔壁45bには、排気口46cと並んでファン電源用接続部75が設けられている。ファン電源用接続部75は、後述するように、ファン電源用配線27(電力供給配線)を抵抗ボックス12に電気的に接続するための電源端子75aを有する。後述するように、ファン電源用接続部75の電源端子75aは、ファン70に対して電気的に接続されている。
図9に示すように、抵抗ボックス12内には、複数の抵抗器61が配置されている。各抵抗器61は、軸線方向に延びるように円柱状に形成されている。抵抗器61は、例えば大電流用の巻線抵抗器である。
複数の抵抗器61は、ケース40の幅方向に延びるように、互いに平行に配置されている。複数の抵抗器61は、図10及び図11に示すように、ケース40の厚み方向(図10及び図11の上下方向)に2段に並んで配置されている。すなわち、複数の抵抗器61は、図9に示すように、一部が、ケース40の開口部41aが形成されていない幅広面42上に配置される下段の抵抗器61と、該下段の抵抗器61よりも開口部41a側に配置される上段の抵抗器61とを含む。
下段の抵抗器61は、ケース40の幅広面42の内面上に取り付けられた一対の固定部材62に対し、ボルト等によって固定されている。各固定部材62は、一方向に長い棒状の部材であり、幅広面42上にケース40の上下方向に延びるように配置されている。一対の固定部材62は、円柱状の抵抗器61の端部と固定されるように、幅広面42の内面上に所定の間隔で平行に配置されている。これにより、下段の抵抗器61は、固定部材62に沿うようにケース40内に上下方向に並んで配置されている。なお、特に図示しないが、下段の抵抗器61は、互いに配線によって電気的に接続されている。
上段の抵抗器61は、開口部41aに開閉可能に取り付けられたメンテナンス用扉49に固定された一対の固定部材63に対し、ボルト等によって固定されている。各固定部材63も、固定部材62と同様、一方向に長い棒状の部材であり、メンテナンス用扉49の内面上に上下方向に延びるように配置されている。一対の固定部材63は、円柱状の抵抗器61の端部と固定されるように、メンテナンス用扉49上に所定の間隔で平行に配置されている。これにより、上段の抵抗器61は、固定部材63に沿うようにケース40内に上下方向に並んで配置されている。なお、特に図示しないが、上段の抵抗器61も、下段の抵抗器61と同様、互いに配線によって電気的に接続されている。
このように、固定部62,63に対して抵抗器61をボルト等によって固定することにより、抵抗器61をケース40に対して容易に着脱することができる。したがって、ケース40に固定する抵抗器61の数を容易に増やしたり、抵抗器61の数を容易に減らしたりすることができる。また、抵抗器61が損傷を受けた場合にも、抵抗器61を容易に取り換えることができる。
しかも、下段の抵抗器61をケース40の幅広面42の内面上に固定するとともに、上段の抵抗器61をメンテナンス用扉49の内面上に固定することにより、メンテナンス用扉49を開いて抵抗器61を容易にメンテナンスすることができる。
図9から図11に示すように、上段の抵抗器61と下段の抵抗器61とは、抵抗器61の軸線がケース40の厚み方向に重ならないように配置されている。すなわち、隣り合う上段の抵抗器61と下段の抵抗器61とは、ケース40の上下方向に異なる位置に配置されている。これにより、隣り合う抵抗器61同士の間隔はほぼ等しくなる。したがって、ケース40内に抵抗器61をほぼ等間隔で配置することができる。よって、ケース40内の温度が局所的に高くなるのを抑制することができる。
図12に複数のファン70に対する電流の流れを模式的に示す。図13に複数の抵抗器61に対する電流の流れを模式的に示す。
図12に示すように、隔壁45bに設けられた複数のファン70は、ファン電源用接続部75と電気的に接続されている。また、複数のファン70は、互いに直列に接続されている。これにより、複数のファン70には、ファン電源用接続部75から電力が供給される。
図13に示すように、ケース40内に配置された複数の抵抗器61は、電力用接続部65に電気的に接続されている。具体的には複数の抵抗器61は、下段の抵抗器61が互いに直列に接続されているとともに上段の抵抗器61が互いに直列に接続されている。また、下段の抵抗器61と上段の抵抗器61とは、複数の抵抗器61が直列回路を形成するように互いに電気的に接続されている。これにより、複数の抵抗器61には、電力用接続部65から電力が供給される。
(リレー制御)
次に、電力開閉部14のリレー制御について説明する。本実施形態の移動体用充電評価装置1では、抵抗ボックス12のファン70に対して電力供給が可能かどうかに応じて、電力開閉部14のリレー部14aを開状態または閉状態にする。
図14は、移動体用充電評価装置1の配線を概略的に示す回路図である。図15は、図14に示す回路において、各配線を端子に接続した状態を示す図である。以下、図1、図14及び図15を用いてリレー部14aの開閉制御について説明する。
図1に示すように、普通充電器用接続部11と充電装置5との間の交流電力線23には、電力開閉部14が設けられている。具体的には、図14に示すように、普通充電器用接続部11は、電源端子11a,11bを有する。電力開閉部14は、普通充電器用接続部11の電源端子11a,11bに電気的に接続される入力端子14b,14cと、充電装置5に電気的に接続される出力端子14d,14eとを有する。充電装置5は、電力開閉部14の出力端子14d,14eにそれぞれ電気的に接続される電源端子5a,5bを有する。電源端子11aと入力端子14b、出力端子14dと電源端子5a、電源端子11bと入力端子14c、出力端子14eと電源端子5bを、それぞれ配線によって接続することにより、普通充電器用接続部11、電力開閉部14及び充電装置5を電気的に接続することができる。
電力開閉部14のリレー部14aは、入力端子14b,14cと出力端子14d,14eとをそれぞれ電気的に接続する。すなわち、リレー部14aの開閉により、入力端子14b,14cと出力端子14d,14eとを電気的に切断または接続することができる。
電力開閉部14は、リレー部14aを開閉させるための操作コイル14fと、操作コイル14fに接続される操作コイル用端子14g,14hとを有する。操作コイル用端子14g,14hに対して外部から電力が入力された場合、操作コイル14fに電流が流れた際に生じる磁力によって、リレー部14aを閉状態にする。すなわち、リレー部14aは、操作コイル14fに生じる磁力によって閉状態となる一方、操作コイル14fに磁力が生じていない場合には開状態となるように構成されている。なお、操作コイル用端子14g,14hに対して外部から入力される電力が、リレー開閉制御信号に対応する。
充電装置5は、抵抗ボックス12と電気的に接続されている。具体的には、充電装置5は、直流電源端子5c,5dを有する。充電装置5の直流電源端子5c,5dは、直流電力線24を介して抵抗ボックス12の電力用接続部65に電気的に接続されている。直流電力線24は、抵抗ボックス12の電力用接続部65の端子に接続可能な直流電力用コネクタ24aを有する。充電装置5と抵抗ボックス12とを直流電力線24によって電気的に接続することにより、充電装置5から抵抗ボックス12の抵抗器61に電力を供給することができる。
スイッチングボックス80は、第1リレー部81と、第2リレー部82(停止制御部)と、電源スイッチ83と、温度調節部84と、出力端子85と、接続検出用端子86とを有する。
第1リレー部81は、接続検出用端子86がファン電源部19を介して抵抗ボックス12に電気的に接続されている場合に、出力端子85から電力開閉部14に対して電力を出力する。具体的には、第1リレー部81は、開閉部81a(電力供給制御部)と、該開閉部81aの開閉制御を行う操作コイル81b(配線接続検出部)とを備える。操作コイル81bは、接続検出用端子86に電気的に接続されていて、該接続検出用端子86を介して電力が供給された場合には、開閉部81aを閉状態にする。開閉部81aは、第2リレー部82と出力端子85とを電気的に切断または接続するように構成されている。開閉部81aが操作コイル81bによって閉状態になると、開閉部81aは、第2リレー部82と出力端子85とを電気的に接続する。
第2リレー部82は、抵抗ボックス12内の温度が閾値以上である場合には、温度調節部84によって第1リレー部81への電力供給を停止する。具体的には、第2リレー部82は、開閉部82aと、該開閉部82aの開閉制御を行う操作コイル82bとを備える。操作コイル82bは、温度調節部84と電気的に接続されていて、抵抗ボックス12内の温度が閾値以上の場合に温度調節部84から出力される電圧によって磁力を生じる。開閉部82aは、操作コイル82bに磁力が生じると、開状態になる。開閉部82aは、12Vの電位の端子と第1リレー部81とを電気的に切断または接続するように構成されている。抵抗ボックス12内の温度が閾値以上の場合には、開閉部82aが開状態になるため、第1リレー部81が12Vの電位の端子と切断される。これにより、電力開閉部14の操作コイル14fには電力が供給されないため、該電力開閉部14のリレー部14aは開状態となる。なお、上述のように電力開閉部14の操作コイル14fに電力が供給されない状態が、スイッチボックス80からリレー開信号を出力している状態である。
一方、抵抗ボックス12内の温度が閾値よりも低い場合には、温度調節部84から電圧が出力されないため、操作コイル82bに磁力は生じない。そのため、開閉部82aは閉状態であり、第1リレー部81は第2リレー部82を介して12Vの電位の端子と電気的に接続される。これにより、電力開閉部14の操作コイル14fに電力が供給されるため、該電力開閉部14のリレー部14aは閉状態になる。なお、上述のように電力開閉部14の操作コイル14fに電力が供給されている状態が、スイッチボックス80からリレー閉信号を出力している状態である。
電源スイッチ83は、スイッチONの状態で、図示しない基板に対して12Vの電位を与えるように構成されている。図示しないスイッチは、作業者が操作可能な位置に設けられている。
温度調節部84は、抵抗ボックス12内の温度を検出する図示しない温度センサの出力結果に応じて動作する。具体的には、温度調節部84は、抵抗ボックス12内の温度が閾値よりも低い場合には開状態である一方、抵抗ボックス12内の温度が閾値以上の場合には閉状態となるスイッチ84aを有する。温度調節部84は、スイッチ84aによって、12Vの電位の端子と第2リレー部82とを電気的に切断または接続するように構成されている。
出力端子85は、電力開閉部14の操作コイル用端子14g,14hに接続された出力配線28のコネクタ28aが接続可能に構成されている。出力端子85は、第1リレー部81に電気的に接続されている。
接続検出用端子86は、ファン電源部19に接続された接続検出用配線29の一方の端部に設けられたコネクタ29aが接続可能に構成されている。接続検出用端子86は、第1リレー部81の操作コイル81bに電気的に接続されている。また、接続検出用端子86は、12Vの電位を有する端子と電気的に接続されている。すなわち、接続検出用端子86は、接続検出用配線29のコネクタ29aが接続された状態で、該接続検出用配線29の一方の配線を12Vの電位を有する端子に電気的に接続する一方、接続検出用配線29の他方の配線を第1リレー部81に電気的に接続する。
ファン電源部19は、抵抗ボックス12のファン70に対して直流電力を供給する。ファン電源部19は、接続検出用配線29の他方の端部に設けられたコネクタ29bが接続可能な接続検出用端子20と、ファン電源用配線27の一方の端部に設けられたコネクタ27aと接続可能な電源端子21とを有する。本実施形態では、電源端子21は、接続検出用端子20に対して分岐して2つ設けられている。
ファン電源用配線27は、他方の端部に設けられたコネクタ27bが抵抗ボックス12のファン電源用接続部75の電源端子75aに接続されている。
以上の構成において、図15に示すように、出力配線28のコネクタ28aをスイッチボックス80の出力端子85に接続する。また、接続検出用配線29のコネクタ29aをスイッチボックス80の接続検出用端子86に接続するとともに、コネクタ29bをファン電源部19の接続検出用端子20に接続する。さらに、ファン電源用配線27のコネクタ27aをファン電源部19の電源端子21に接続するとともに、コネクタ27bを抵抗ボックス12の電源端子75aに接続する。これにより、電力開閉部14とスイッチボックス80とが電気的に接続されるとともに、スイッチボックス80、ファン電源部19及び抵抗ボックス12が電気的に接続される。
上述のように、スイッチボックス80の接続検出用端子86には12Vの電位を有する端子が接続されているため、接続検出用配線29、ファン電源部19、ファン電源用配線27及び抵抗ボックス12によって形成された回路に、12Vの電位が与えられる。そうすると、スイッチボックス80の接続検出用端子86に接続された第1リレー部81の操作コイル81bにも12Vの電位が与えられて、該操作コイル81bに磁力が生じる。これにより、第1リレー部81の開閉部81aが閉状態になる。よって、第2リレー部82、第1リレー部b81及び出力配線28を介して12Vの電位が電力開閉部14に与えられる。そうすると、電力開閉部14でも操作コイル14fで磁力を生じて、リレー部14aを閉状態にする。したがって、普通充電器用接続部11から充電装置5に電力が供給されて、該充電装置5による充電制御が行われる。
一方、出力配線28とスイッチボックス80とが接続されていない場合、または、接続検出用配線29とスイッチボックス80及びファン電源部19とが接続されていない場合、あるいは、ファン電源用配線27とファン電源部19及び抵抗ボックス12とが接続されていない場合には、電力開閉部14のリレー部14aは閉状態にならない。具体的には、出力配線29とスイッチボックス80とが出力配線28によって接続されていない場合には、電力開閉部14の操作コイル14fに磁力は生じない。また、接続検出用配線29がスイッチボックス80及びファン電源部19に接続されていない場合、またはファン電源用配線27がファン電源部19及び抵抗ボックス12に接続されていない場合には、前記回路が形成されないため、スイッチボックス80の第1リレー部81の操作コイル81bに磁力が生じない。よって、スイッチボックス80の第1リレー部81の開閉部81aは開状態のままであり、電力開閉部14には12Vの電位が与えられない。
以上のようなリレー制御について図16に示すフローを用いて説明する。
まず、ステップS1として、スイッチボックス80の電源スイッチ83をON状態にすると、スイッチボックス80及びファン電源部19に接続検出用配線29が接続されており、ファン電源部19及び抵抗ボックス12にファン電源用配線27が接続されているかどうか(ステップS2)によって、スイッチボックス80内の動作が異なる。
スイッチボックス80及びファン電源部19に接続検出用配線29が接続されており、ファン電源部19及び抵抗ボックス12にファン電源用配線27が接続されている場合(ステップS2においてYESの場合)には、スイッチボックス80内の第1リレー部81の開閉部81aが開状態から閉状態に切り替えられる(ステップS3)。
一方、スイッチボックス80及びファン電源部19に接続検出用配線29が接続されていない、または、ファン電源部19及び抵抗ボックス12にファン電源用配線27が接続されていない場合(ステップS2においてNOの場合)には、スイッチボックス80内の第1リレー部81の開閉部81aが開状態のままである(ステップS4)。これにより、電力開閉部14は開状態のままである(ステップS10)。その後、このフローを終了する(エンド)。
スイッチボックス80内の第1リレー部81の開閉部81aが開状態から閉状態に切り替えられると、抵抗ボックス12の排気温度が設定温度未満かどうかを検出する(ステップS5)。抵抗ボックス12の排気温度が設定温度未満の場合(ステップS5においてYESの場合)には、スイッチボックス80内の第2リレー部82の開閉部82aは閉状態のままであり(ステップS6)、電力開閉部14の開閉部14aが開状態から閉状態に切り替えられる(ステップS7)。これにより、充電装置5が接続部11と接続されて、該充電装置5による充電動作が可能になる(ステップS8)。
これに対し、抵抗ボックス12の排気温度が設定温度以上の場合(ステップS5においてNOの場合)には、スイッチボックス80内の第2リレー部82の開閉部82aが閉状態から開状態に切り替えられる(ステップS9)。これにより、電力開閉部14は開状態のままである(ステップS10)。その後、このフローを終了する(エンド)。
以上のように、本実施形態では、出力配線28、接続検出用配線29及びファン電源用配線27の接続によって、電力開閉部14のリレー部14aを閉状態にして充電装置5による充電が可能になる。すなわち、ファン電源用配線27によって抵抗ボックス12のファン70に電力を供給可能な状態で、充電装置5による充電が可能になる。ここで、既述のとおり、充電装置5は、直流電力線24を介して抵抗ボックス12の電力用接続部65に接続されている。したがって、抵抗ボックス12内でファン70が動作することなく、充電装置5によって抵抗ボックス70内の抵抗器61に電力が供給されるのを防止できる。
(実施形態の効果)
以上より、この実施形態では、充電器4及び電気自動車2によって構成される充電システム7を、移動体用充電評価装置1を用いて再現することができる。そして、移動体用充電評価装置1において、複数の抵抗器61を有する負荷抵抗12を電気自動車2のバッテリ装置の代わりとして用いることができる。これにより、実際の電気自動車2を用いることなく、該電気自動車2を充電する際の充電システムを模擬的に構築することが可能になる。しかも、簡単な構成の負荷抵抗12によって、電気エネルギを消費することができる。
負荷抵抗12は、複数の抵抗器61が収納される直方体状のケース40を有する。このケース40には、下面44に車輪47が設けられている。これにより、複数の抵抗器61をケース40内に収納した状態で容易に運搬することができる。また、ケース40には、上面43及び下面44にそれぞれ把持部48が設けられている。これにより、車輪47によって運搬できないような場合でもケース40を容易に運搬できるとともに、該ケース40の積み下ろしを容易に行うことができる。
ケース40には、対向する側面45,46に設けられた隔壁45b,46bに、それぞれ吸気口45c及び排気口46cが設けられている。また、吸気口45cには、ファン70が設けられている。これにより、ケース40内に空気を効率良く流すことができ、該ケース40内に熱だまりが生じるのを防止できる。複数の抵抗器61は、ケース40内に、吸気口45cと排気口46cとの間に配置されている。これにより、ケース40内を流れる空気によって抵抗器61を効率良く冷却することができる。
しかも、ファン70は、吸気口45cから排気口46cを見て、吸気口45c、抵抗器61及び排気口46cと重なる位置に配置されている。これにより、抵抗器61に対してより効率良く空気を流すことができ、該抵抗器61をより効率良く冷却することができる。
ケース40の隔壁45b,46bに設けられた吸気口45c及び排気口46cは、開閉可能な吸気口カバー52及び排気口カバー53によって覆われている。これにより、負荷抵抗12を使用しない場合に、吸気口カバー52及び排気口カバー53を閉状態にすることで、吸気口45c及び排気口46cから水や塵埃等が進入するのを防止できる。
また、隔壁45bには吸気口45cと並んで、直流電力線24に接続される電力用接続部65が設けられていて,隔壁46bには排気口46cと並んで、ファン電源用配線27に接続されるファン電源用接続部75が設けられている。これらの電力用接続部65及びファン電源用接続部75も、それぞれ吸気口カバー52及び排気口カバー53によって覆われている。これにより、負荷抵抗12を使用しない場合に、吸気口カバー52及び排気口カバー53を閉状態にすることで、電力用接続部65及びファン電源用接続部75に水分や塵埃等が付着するのを防止できる。なお、負荷抵抗12を使用する際には、吸気口カバー52及び排気口カバー53を開状態にして、電力用接続部65に直流電力線24を接続するとともにファン電源用接続部75にファン電源用配線27を接続するため、吸気口45c及び排気口46cによってケース40内に空気を流すことができる。
移動体用充電評価装置1は、負荷抵抗12のファン電源用接続部75がファン電源部19スイッチボックス15と電気的に接続されている場合、すなわちファン電源用接続部75に対してファン電源用配線27を介して電力供給が可能な場合に、充電装置5に対して電力を供給するように構成されている。また、直流電力線24を介して負荷抵抗12の電力用接続部65に電力を供給するためには、直流電力線24を電力用接続部65に接続する必要がある。したがって、負荷抵抗12の抵抗器61に電力を供給するためには、電力用接続部65及びファン電源用接続部75を覆う吸気口カバー52及び排気口カバー53を開状態にする必要がある。そのため、負荷抵抗12の抵抗器61に電力を供給する際には、ケース40の吸気口45c及び排気口46cは必ず開状態になり、該ケース40内に空気を流すことができる。したがって、ケース40内の冷却性能を確保した状態で、抵抗器61に対して電力を供給することができる。
ケース40の幅広面41には、開口部41aが設けられているとともに、該開口部41aを覆うようにメンテナンス用扉49が設けられている。メンテナンス扉49を開状態にすることで、ケース40の内部に容易にアクセスすることができる。また、ケース40の幅広面42の内面上及びメンテナンス用扉49の内面上に、それぞれ、複数の抵抗器61を並べて配置することで、各抵抗器61を容易にメンテナンスすることができる。しかも、複数の抵抗器61は、ボルト等によって固定部材62,63に固定されているため、取り外しや取付を容易に行うことができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
前記実施形態では、移動体用充電評価装置1を、電気自動車2の代わりとして用いて、模擬的な充電システムを構成している。しかしながら、充電を行う装置であれば、移動体以外の充電装置に、移動体用充電評価装置1を用いて模擬的な充電システムを構成してもよい。
前記実施形態では、普通充電を模擬的に行う充電システムに、負荷抵抗12を用いている。しかしながら、例えば400Vから500Vの比較的電圧が高い直流電圧を供給する急速充電器に接続される充電システムに、負荷抵抗12を用いてもよい。この場合、移動体用充電評価装置1は、移動急速充電器に接続される急速充電器用接続部が必要になるとともに、急速充電器用接続部と充電装置5との間で急速充電に必要な信号の授受も行う必要がある。
前記実施形態では、充電を模擬的に行う充電システムに負荷抵抗12を用いている。しかしながら、負荷抵抗12を自動車のバッテリ装置等に接続してもよい。これにより、バッテリ装置内に蓄えられた電力を負荷抵抗12によって消費することができる。よって、バッテリ装置内の電力を減らしたい場合やゼロにしたい場合などに、負荷抵抗12を利用することができる。なお、この場合には、バッテリ装置等の蓄電装置が電力供給装置に相当する。
前記実施形態では、直方体状のケース40内に複数の抵抗器61が配置されている。しかしながら、ケース40は、複数の抵抗器61を配置可能で且つ該抵抗器61を冷却可能な構成であれば、どのような形状であってもよい。また、前記実施形態では、抵抗器61が、ケース40内に横方向に延びるとともにケース40の厚み方向に二段に位置するように配置されている。しかしながら、複数の抵抗器61は、冷却可能な配置であればケース40内にどのような配置されていてもよい。
前記実施形態では、ケース40の幅広面41に開口部41aが形成されているとともに、該開口部41aを覆うようにメンテナンス用扉49が設けられている。しかしながら、ケース40内をメンテナンス可能な構成であれば、他の構成であってもよい。
前記実施形態では、負荷抵抗60として円柱状の抵抗器61を用いている。しかしながら、電力を消費可能な構成であれば、負荷抵抗60として抵抗器以外の抵抗体を用いてもよい。
前記実施形態では、運搬手段の例として、車輪47と把持部48とを例示した。しかし、運搬手段の具体例はこれらのみに限定されない。運搬手段には、ケースを移動させる際にケースが置かれた面との摩擦を低減してケースを移動させやすくするためのあらゆる構成を含み得る。また、運搬手段には、ケースを移動させる人がケースに動力を伝えやすくするためのあらゆる構成を含み得る。