JP2015093598A - 輸送手段用燃料タンク断熱材 - Google Patents

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森  薫
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Abstract

【課題】 厚みの均一性を保ち、且つ跳石等に耐えうる強度を有する輸送手段用燃料タンク断熱材を提供すること。【解決手段】 厚みR率が20%以下の断熱部材と、この断熱部材の外側の少なくとも一部を覆うように設けられた樹脂製カバーと、により構成された輸送手段用燃料タンク断熱材とする。【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の輸送手段に備えられる輸送手段用燃料タンク断熱材に関する。
自動車等に備えられる燃料タンクは、内部に収容された燃料の温度変化を抑制することが好ましいが、燃料タンクは外気、排気管、路面からの輻射などから熱を受ける。これらの熱による燃料タンクの温度上昇を防止するために、たとえば特許文献1では、燃料タンクに断熱層を設けた構造が提案されている。しかし、この場合は分割された多数の断熱材を成形加工する必要があり、一般的な成形加工のように板状の発泡体から成形加工を行った場合は厚みの均一性に欠ける問題があった。また、ポリスチレンに代表される型内発泡による成形加工を行った場合は金型などが高価であるため経済的に不利になる課題があった。さらに、特に自動車等に使用される燃料タンクは車体底部に配置される場合が多く、断熱材等がむき出しになっている場合、跳石などにより損傷する場合があった。しかし、断熱性能を高めるためには発泡倍率を上げ、熱伝導率を下げる必要があり、跳石などに耐えうる強度を得ることと相反している。
これらを解決する方法として、例えば特許文献2では、カバー部材により発泡体を保護することが提案されている。しかし、ここで用いる合成樹脂発泡小球状体は合成樹脂の種類に制限があり、目的などに合わせて自由に選択できないという問題があった。また、合成樹脂発泡小球状体の場合は油分などを吸い込むことによって、物性の低下が懸念されていた。
特開2010−221777号公報 特開2012−224113号公報
本発明は、上記の課題に鑑み、断熱効果を最大限に活かす為に厚みの均一性を保ち、且つ跳石等に耐えうる強度を有する輸送手段用燃料タンク断熱材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、厚みR率が20%以下の断熱部材と、この断熱部材の外側の少なくとも一部を覆うように設けられた樹脂製カバーと、により構成された輸送手段用燃料タンク断熱材であることを特徴とする。
本発明により、後述するように断熱効果を最大限に活かす為に厚みの均一性を保ち、且つ跳石等に耐えうる強度を有する輸送手段用燃料タンク断熱材が得られる。
模造燃料タンクを示す概略図である。 樹脂製カバーを示す概略図である。 模造燃料タンク、断熱部材および樹脂製カバーを取り付けた際のイメージを示す概略図である。 図3の一部の概略断面図である。 断熱部材の展開図である(分割態様)。 断熱部材の展開図である(一体態様)。 サンプリング位置を示す概略図である。 展開部材を説明するための概略図である。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材は、厚みR率が20%以下の断熱部材を使用することを特徴としている。この断熱部材は、合成樹脂発泡体により構成されていることが好ましい。
この合成樹脂発泡体に使用する合成樹脂は、種々の樹脂を使用することができ、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の如何を問わない。熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトレフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体等に代表されるフッ素樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリε−カプロラクタム(ナイロン6)、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸共重合体(ナイロン66)に代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等に代表されるポリエステル、ポリフェニレンエートル、ポリカーボネイト、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、熱可塑性エラストマー、ポリ乳酸に代表される生分解性ポリマーあるいは上記樹脂の共重合体などが例示される。
上記ポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどに代表されるポリエチレン系樹脂(ここでいう密度の定義は以下の通り。超低密度:0.910g/cm未満、低密度:0.910g/cm以上0.940g/cm以下、高密度:0.940g/cmより大きく0.965g/cm以下)や、エチレンを主成分とする共重合体、もしくはホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などに代表されるポリプロピレンなどが挙げられ、またこれらの混合物のいずれでもよい。上記エチレンを主成分とする共重合体としては、例えばエチレンと炭素数4つ以上のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる)を重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとノルボルネンのような環状モノマーと共重合した環状ポリオレフィン等を挙げることができる。
上記の熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド、ポリウレタンなどを使用することができる。
本発明においては、これまで成形等の加工が困難で利用がし難かった熱硬化性樹脂を用いた合成樹脂発泡体についても使用可能になる。これまでは熱硬化性樹脂の合成樹脂発泡体を立体的な物品に適用するには金型内で発泡を行う型内発泡法などが主流であった。しかし、この場合は専用の金型を使用するため汎用性が低く、平板状の汎用性が高い形状から加工できる熱可塑性樹脂を利用した発泡体に比べて、金型への初期投資費用や金型の保管のための場所の確保、立体形状にしてから輸送するため物流コストの増加などがあり経済的に不利となる場合があった。本発明はこれを改善するのにも有効な手段である。
上記断熱部材、合成樹脂発泡体は発明の特徴を損なわない限り一つもしくは複数選択することができる。
また、断熱部材は、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリル樹脂、メラミン樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つの合成樹脂を発泡させた合成樹脂発泡体により構成されていることが好ましい。更に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンである。
上記合成樹脂発泡体は平板形状を有していることが好ましい。ここでいう平板形状とは巻物にした場合に大きな隙間が発生しない(ここで言う「大きな隙間」とは合成樹脂発泡体の厚み以上の隙間をいう)か、もしくは曲げ強度が高く巻物にしにくいものにおいては一定の、例えば合成樹脂発泡体の全幅、全長にわたって平滑面を有するものをいう。上記した平板形状を有する合成樹脂発泡体は、主に長尺巻物形状を有しているが、型内発泡に用いる単板のものも平板形状である。このような平板形状のものは汎用性に富み、他の用途にも転用が利くため好適に用いられる。
本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材およびそれに使用される断熱部材、合成樹脂発泡体の厚みは求める断熱性能により適宜選定すればよいが、それぞれ1mmから30mmであることが好ましい。更に好ましくは2mmから25mmであり、最も好ましくは5mmから20mmである。1mmを下回ると本発明の特徴である断熱性能が得られにくく、30mmを超えると燃料タンク全体が嵩張ってしまい他の部材と干渉しやすくなる。
本発明において使用される断熱部材、合成樹脂発泡体の厚みR率は20%以下であることが好ましい。ここでいう厚みR率とは、断熱部材、合成樹脂発泡体の一部を打ち抜き、測定された厚み(5点)の最大値と最小値の差を同試験片の平均厚みで除したものの百分率をいう。なお、測定対象には、角部などで過度に圧縮された部分や、嵌合後に燃料タンクなどにより圧縮されて変形されているところは含まない。測定器具としてはダイヤルゲージを用いるが、ダイヤルゲージが使用できない場合は、ノギス、鋼尺の順に測定を試み、最初に測定できた器具を採用するものとする。なお、複数の試験片を測定する際に、異なる測定器具を用いてはならない。厚みR率が20%を超えると断熱性能にバラツキが発生して、本発明の目的が達成できなくなる可能性がある。
なお、断熱部材として複数の部材が採用された燃料タンク断熱材である場合、そのうちの一つでも厚みR率が20%以下である断熱部材であれば、他の要件を備えることを前提として、その燃料タンク断熱材は、本願発明の輸送手段用燃料タンク断熱材を構成する。
上記の断熱部材として合成樹脂発泡体を用いる場合、その発泡倍率は求める断熱性能に合わせて種々選択できるものであり、特に規定はしないが、2倍から100倍であることが好ましい。更に好ましくは5倍から50倍であり、最も好ましくは20倍から40倍である。2倍を下回ると本発明の特徴である断熱性能が得られにくくなり、100倍を超えると所定の形状での保持が困難となり、取り付け作業に支障を来たすことがある。
上記合成樹脂発泡体の25%圧縮硬さは50kPa以下であることが好ましい。更に好ましくは40kPa以下である。50kPaを超えると立体的に組み立てたとき、形が沿いにくくなり、燃料タンク及び樹脂製カバーに干渉して嵌合性が低下することがある。また、下限値としては好ましくは15kPa以上である。
上記合成樹脂発泡体の熱伝導率は、求める断熱性能によって決めることができる。そのため、特に規定はしないが、0.040W/(m・K)以下が好ましい。0.040W/(m・K)を超えると本発明の特徴である断熱性能が不十分となる場合がある。
上記合成樹脂発泡体の発泡方法としては、特に限定されないが、押出機内でガスあるいは気化する溶剤を溶融させ高圧下で押出しながら発泡する押出発泡法、ガスあるいは気化する溶剤を含有した樹脂粒子を予備発泡し更に金型内で発泡融着するビーズ発泡法、高圧容器内で合成樹脂にガスを溶解し常圧で加熱し発泡するガス含浸法といった溶剤気散法や合成樹脂と熱分解型化学発泡剤を溶融混錬し常圧加熱にて発泡する常圧発泡法、押出機内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し高圧下で押出ながら発泡する押出発泡法、プレス金型内で熱分解型化学発泡剤を加熱分解し減圧しながら発泡するプレス発泡法、熱硬化性樹脂など反応性液体を金型内で混合し、重合した際に発生したガスにより発泡せしめる反応型発泡法等が例示される。
上記溶剤気散法に用いるガスあるいは気化する溶剤は特に限定するものではなく、例えば有機、無機系の各種があり、有機系物理発泡剤としてはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン等の環式脂肪族炭化水素、シクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、テトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素が例示され、無機系物理発泡剤としては炭酸ガス、窒素、ヘリウム等が例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記熱分解型化学発泡剤とは、熱を加えることで分解しガスを放出する化学発泡剤であれば特に限定するものではなく、例えば有機、無機系の各種があり、有機系にはアゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシベンゼンスルフォニルヒドラジドなど、無機系には重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、カルシウムアジドなどが例示され、それぞれ単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができ、必要に応じて熱分解型発泡剤の分解性を改善する尿素、脂肪酸の金属塩、亜鉛華等の発泡助剤を添加してもよい。
上記合成樹脂発泡体の気泡は独立気泡でも連続気泡でも構わないが、好ましくは独立気泡である。ここでいう独立気泡とは合成樹脂内に形成される細孔それぞれが独立に存在し、隣り合った細孔同士での空気の往来が発生しないものをいう。これに対して連続気泡とは隣り合った細孔同士の壁面の中に孔があり空気の往来が発生するものをいう。
従来、真空成形などを実施する場合は独立気泡のものを用いるか、連続気泡の発泡体の上に空気等を通さないシートを一体化した後に真空成形をする必要があったが本発明においてはこのシートと一体化する工程が不要となる。また、粘着加工などを行う場合は連続気泡の方が粘着剤を多く必要とする場合があり、連続気泡よりも独立気泡の方が有利である。更に、本発明における断熱部材は燃料タンク付近に存在することから油分や水分が付着した場合にも独立気泡の方が吸い込まないため物性上安定しやすい。ビーズ発泡法と呼ばれる一度発泡させた球体(発泡ビーズ)を型内に充填して、その後、加熱蒸気を通して二次発泡させ球体と球体を溶着させる方法があるが、この場合は気泡としては独立気泡であるが、球体と球体の間に隙間ができるため、油分や水分が浸透しやすいという特徴がある。この場合も連続気泡の発泡体と同様に物性の低下が懸念される。
上記合成樹脂発泡体は使用する樹脂が架橋されていてもよい。架橋を行うと耐熱性などが向上するため好ましい。架橋の方法としては特に規定しないが、電離性放射線を照射し架橋させる電子線架橋法、ジクミルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーベンゾエート、ジターシャリーブチルパーオキサイド等の有機過酸化物を混練し発泡時に該有機過酸化物を分解し架橋させる化学架橋法、シラン基を持つ合成樹脂を混合し加熱水分と接触することで架橋させるシラン架橋法などが例示される。
上記合成樹脂発泡体は発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を添加しても構わない。添加剤としては特に限定しないが、例えば、発泡剤の分解促進剤、気泡核調整剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、無機充填剤等が例示できる。
合成樹脂発泡体から所定の形状に切断せしめることにより断熱部材として用いることができるが、必要とする特性に合わせて使用する部位毎に、上記合成樹脂、厚み、発泡倍率や熱伝導率などを選択することも可能である。
本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材に使用する断熱部材は、上記した合成樹脂発泡体により構成されていることが好ましく、この合成樹脂発泡体から所定の形状に切断加工されて使用されることが好ましい。その切断方法として、例えば、人の手によって、鋏やカッターなどの刃物によって切断する方法はもとより、所定の形状に加工された打抜刃型を合成樹脂発泡体の上に配置し、プレス機等で圧縮して切断する打抜法やCADなどの図面から直接データを取り込みX−Yプロッタのペン先にカッターを配して切断するプロッタ法、プログラムの設定されたロボットに刃物を持たせるロボット法などが例示される。打抜刃型による打抜加工が加工速度等の作業性や、金型などの初期投資費用などの観点から最も好ましい。
なお、本発明において使用する断熱部材(合成樹脂発泡体)は、1個の展開部材からなることが好ましい。ここでいう展開部材とは、燃料タンクの各構成面(底面や側面など)を平面状の部材に投影・展開し、この展開された形状に沿って切断された1個の部材をいう。燃料タンクが単純な立方体や直方体の形状であればその展開部材も正方形や四角形を組み合わせた形状となるが、複雑な立体形状を有した燃料タンクであっても、その構成面を必要な形に投影・展開した展開図を用いることにより、接着加工や粘着加工の必要性がなく、比較的簡便に施工することが可能となる。従い、経済的にみても有利となる。
具体的に図8を用いて説明する。図8において、燃料タンク10の各構成面(底面および側面)を平面状部材に展開したものが展開部材11である。この展開部材11について、所定の形状となるように折り曲げ線12を加えて組み立てる。この組み立て体13を樹脂カバー14に嵌め込み、さらに燃料タンク10を入れることにより、これらを固定することができる。これにより、組み込み作業の熟練性が不要となり、製品の断熱特性の安定性の面からも有利に働く。
本発明において、断熱部材を平板形状の合成樹脂発泡体より所定の形状に切断して得る場合、厚みの均一性を保つことができる。汎用の合成樹脂発泡体を燃料タンクのような立体的形状に賦形する方法として真空成形法があるが、例えば雄引真空成形の場合、型の天面に始めに接触し、そこから成形するため側面部が引き伸ばされ薄くなる傾向にある。一方、雌引真空成形の場合は型の底面が最も延ばされて薄くなる傾向にある。但し、雌引真空成形の場合はブローにより一度合成樹脂発泡体を膨らました後に成形加工することにより、厚みの均一性を保つ方法があるが傾向としては同様である。上記のように薄くなる部分があるため、ここを基準に要求される断熱性能を保持するため合成樹脂発泡体の厚みを決める必要があり、部分的に必要以上に厚みがある箇所が出てくるなどの寸法上及び経済上の問題が発生する。一方、上記のように1個の展開部材により断熱部材を構成すれば、このような問題の解決を図ることが可能となる。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲において、断熱部材には、その少なくとも一部に立体成形加工が施されていてもよい。これは部分的に位置決め等のために凸部もしくは凹部を形成する場合や、形沿いをよくする為に一部に熱による加工を施す場合や、部品名称などを表記するためなど、本発明の効果である断熱性能が著しく低下するような厚み低下が起こらない範囲で可能である。
本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材は、断熱部材が燃料タンクの周囲に配置されて使用される。この場合、燃料タンクの底面、側面、場合によっては天面に沿って配置されることが好ましい。断熱部材は複数に分割された状態で配置されてもよいし、底面、側面、場合によっては天面にあわせて展開された1個の展開部材の状態で配置されてもよい。前者においては各部材を樹脂製カバー内もしくは燃料タンクに沿って配置するため粘着もしくは接着により部材同士が固着していることが好ましい。後者においては樹脂製カバー内に配置して上から燃料タンクを入れ込むため必ずしも固着の必要はない。なお、断熱部材は燃料タンク本体もしくは樹脂製カバーもしくはその両方に粘着剤もしくは接着剤により固着していることが施工方法によっては好ましい場合がある。
ここでいう固着とは粘着、接着、融着などのことをさし、リベットやビスなど物理的に固定する方法などは含まない。
上記粘着剤はゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤が例示される。一方接着剤については、でんぷん糊や木工ボンド(酢酸ビニルエマルジョン)のような水溶接着剤、ゴム系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリル系接着剤、ビニール系接着剤、シリコーンゴム系接着剤、ホットメルト系接着剤などが例示される。また、これらの代用品として粘着テープや接着テープなどを使用することができる。
本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材は上記した断熱部材と、この断熱部材の外側の少なくとも一部を覆うように設けられた樹脂製カバーとにより構成される。この樹脂製カバーは跳石などによる傷つき、破損、貫通を留めることを目的としているため断熱部材の外側に配置される。
樹脂製カバーを構成する樹脂としては合成樹脂発泡体で例示したものと同様のものが挙げられる。すなわち、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等に代表されるポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトレフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体等に代表されるフッ素樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリε−カプロラクタム(ナイロン6)、ヘキサメチレンジアミン−アジピン酸共重合体(ナイロン66)に代表されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等に代表されるポリエステル、ポリフェニレンエートル、ポリカーボネイト、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、熱可塑性エラストマー、ポリ乳酸に代表される生分解性ポリマーあるいは上記樹脂の共重合体などが例示される。
ポリオレフィンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどに代表されるポリエチレン系樹脂(ここでいう密度の定義は以下の通り。超低密度:0.910g/cm未満、低密度:0.910g/cm以上0.940g/cm以下、高密度:0.940g/cmより大きく0.965g/cm以下)や、エチレンを主成分とする共重合体、もしくはホモポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などに代表されるポリプロピレンなどが挙げられ、またこれらの混合物のいずれでもよい。上記エチレンを主成分とする共重合体としては、例えばエチレンと炭素数4つ以上のα−オレフィン(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる)を重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンとノルボルネンのような環状モノマーと共重合した環状ポリオレフィン等を挙げることができる。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケイ素樹脂、ポリイミド、ポリウレタンなどがある。
また、これらの合成樹脂をガラス繊維や炭素繊維などを用いて強度を強化した繊維強化プラスチックなども本発明においては有効な手段である。また、上記のような繊維に限らず、タルクなどのフィラーによる強化も可能である。
用いる合成樹脂は本発明の効果を損なわない限り一つもしくは複数選択することができる。
また、これらの合成樹脂から好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂が選択される。
本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材に用いる樹脂製カバーに使用する合成樹脂のガラス転移温度は10℃未満であることが好ましい。更に好ましくは−20℃未満である。ここでいうガラス転移温度とはポリマー分子の相対的な位置は変化しないが分子鎖が回転や振動(ミクロブラウン運動)を開始もしくは停止する温度をいう。ガラス転移温度より高くなると分子運動が開始され、低くなると停止する。
本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材に用いる樹脂製カバーは多くの場合、自動車等においては車体底部に位置するため跳石などによる傷つき、穴あきに懸念がある。また、一方で自動車は寒冷地での使用も想定される。分子運動が停止した状態(ガラス状)になると硬くはなるが脆くなるため、ガラス転移温度が10℃以上であると寒冷地での使用時に穴あきなどの発生が懸念される。また、ガラス転移温度はそれぞれの樹脂に固有に存在するものであるが、複数存在する場合はこのうち低いものを採用するものである。
上記樹脂製カバーの製造方法としては種々あるが、型内で溶融した樹脂を所定の形状に加工する射出成形法、板状にした合成樹脂シートを加熱・軟化させた後型内に配置された孔から真空により賦形する真空成形法、合成樹脂シートをプレス機など常温もしくは高温下で圧縮して賦形する圧縮成形法、溶融パリソンを金型内に配置させ内側に圧空を入れて賦形させるブロー成形法などが挙げられる。
樹脂製カバーの厚みについては、特に規定はしないが0.5mmから10.0mmが好ましい。更に好ましくは0.8mmから5.0mmであり、最も好ましくは1.0mmから3.0mmである。0.5mmを下回る場合は強度が足りず跳石などを防ぎきれない可能性があり、10.0mmを超えると燃料タンク全体の質量が重くなり、軽量化及び燃費の面にとって不利になる。
本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材に用いる樹脂製カバーは、発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を添加しても構わない。添加剤としては特に限定しないが、例えば、発泡剤の分解促進剤、気泡核調整剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、無機充填剤等が例示できる。
燃料タンク本体と樹脂製カバーは固定されていることが好ましい。固定する方法としては、特に規定はしないが、ビスやリベットなどを使用する方法、木材による建築に用いられるホゾ、仕口を利用する方法や、スナップフィット(フック式)やピンによる圧入等によって固定する方法や燃料タンクもしくは樹脂製カバーもしくはその両方を加熱し溶着する方法、粘着剤や接着剤によって固着する方法などが例示される。断熱部材と燃料タンク本体及び樹脂製カバーのどちらにも固着されていない場合でも燃料タンク本体と樹脂製カバーの固定をすることにより固定が可能となる。
本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材は、各種の輸送手段に好適に用いることができる。輸送手段とは、例えば自動車、自動二輪車、船舶、飛行機、ロケットなどを例示することができる。すなわち本発明の輸送手段用燃料タンク断熱材を備えた輸送手段用燃料タンクは、上記に例示した各種の輸送手段に好適に用いることができる。
以下本発明を、実施例を用いて更により詳細に説明するが、以下の実施例は一例であり、本願発明がこれら実施例により限定されるものではない。
なお、本実施例においては擬似的に作成した燃料タンク(以下、模造燃料タンク)による性能評価を行っている。
本実施例で断熱部材として使用した合成樹脂発泡体の種類と物性については、表1の通りである。
Figure 2015093598
本実施例で使用した樹脂製カバーの合成樹脂は表2の通りである。
Figure 2015093598
本実施例で評価を行った模造燃料タンクの寸法は表3の通りである。
Figure 2015093598
本実施例に示す試験片等の作成方法については次の通りである。
(模造燃料タンクの作成)
実施例において使用する模造燃料タンクを射出成形により作成した。所定の寸法(各寸法は表3参照)になるように作成した金型内に220℃に加熱した溶融樹脂(日本ポリプロ製“ノバテック”BC6C)を射出し、冷却のため15分放置した後、金型を開け、脱型した。
(断熱部材の作成)
合成樹脂発泡体を所定の形状に切断して断熱部材を得た。切断する方法としては以下の方法を採用した。カッティングプロッター(ミマキエンジニアリング社製、型式CFR−1220T)に所定の形状になるように寸法データを入力しカットを行った。但し、カッティングプロッターでカットし難い部分などにおいては鋼尺とカッターを用いてカットした。
(樹脂製カバーの作成)
まずは合成樹脂(合成樹脂の種類は表2参照)を所定の温度に加熱し、ニーダルーダを用いて溶融・混練を行い、ミキシングロールを用いて、所定の厚みにシート状にした(以下、合成樹脂シート)。
模造燃料タンクを基本として各寸法を出すために粘土等で肉盛り、補強した型を作成し、真空孔を任意に開けて真空型とした。その後、熱風オーブンにより所定の温度に加熱した上記合成樹脂シートを型上に置き、真空ポンプを用いて真空孔から空気を抜くことで賦形し、冷却後脱型を行った。
(合成樹脂発泡体の粘着加工方法)
離形紙上にアクリル系粘着剤(綜研化学製SKダイン1491)と硬化剤(綜研化学製硬化剤L−45)を調製、混合したものを50μm塗布し、80℃のオーブンに入れ溶剤を乾燥させた後、合成樹脂発泡体と貼り合せて転写した。
比較例として実施する成形方法について以下の通り説明する。
(真空成形方法)
模造燃料タンクを補強した型を作成し、真空孔を任意に開けて真空型とした。その後、熱風オーブンにより所定の温度に加熱した合成樹脂発泡体を型上に置き、真空ポンプを用いて真空孔から空気を抜くことで賦形し、冷却後脱型を行った。
(圧縮成形方法)
所定の金型を作成して、プレス機を用いて圧縮成形を行った。所定の温度に加熱した金型内に合成樹脂発泡体を置き、金型を型締めして賦形を行い、金型を冷却した後脱型を行った。
本実施例における評価方法は次の通りである。
(合成樹脂発泡体の厚み、見掛け密度の測定方法)
JIS K 7222(2001年版JISハンドブック記載)に準じた測定方法で測定した。具体的には50mm角に裁断した試験片をダイヤルゲージを用いて厚みを測定した。見掛け密度については上記試験片の質量を電子天秤により計量し、これを上記の厚み、面積で除した値を採用した。
(樹脂製カバーの厚み測定方法)
樹脂製カバーの厚みの測定方法としては、図7に示すサンプリング位置でサンプリングを行い、5cm角にカッターで切った試験片を、ダイヤルゲージを用いて試験片の四隅及び中央の厚み(計5点)を測定し、各測定値の平均を持って厚みとした。なお、A〜C面が別部材であるときは、それぞれの面について試験片を採取し、各部材の厚みを測定するが、一つの部材で構成されているときなどは試験片を一つ採取して測定を行う(本実施例においてはA面のみ)。
(熱伝導率の測定方法)
JIS A 1412−2(2001年度版JISハンドブック記載)に記載されている平板熱流計法により測定した。
(25%圧縮硬さの測定方法)
JIS K 6767(1999年度版JISハンドブック記載)に記載の方法を用いて測定した。
(輸送機器用燃料タンク断熱材および断熱部材、樹脂製カバーの寸法の測定方法)
各寸法を鋼尺を用いて測定を実施した。また、得られた数値の少数点以下は切り捨てた。形状によって区切りがはっきりしない場合は目視により標線を設定し、その線を元に各線分の長さを測定した。
(断熱部材の平均厚み測定方法)
作成した燃料タンク用断熱材から図7に示すサンプリング位置でサンプリングを行い、5cm角にカッターで切った試験片を、ダイヤルゲージを用いて試験片の四隅及び中央の厚み(計5点)を測定、その平均を持って断熱部材厚みとした。試験片の採取法は樹脂製カバーの厚みの測定方法の述べたのと同様である。
(断熱部材の厚みR率測定方法)
上記、断熱部材の厚み測定方法で5点の厚みを測定した際の計測値の最大値から最小値を引いた差(R)を同試験片の平均厚みで除したものの百分率を厚みR率と規定した(小数点以下四捨五入)。
(ガラス転移温度の測定方法)
示差走査熱量計を用いてガラス転移温度を測定した。具体的にはアルミパンに5mgの試料をのせ、示差走査熱量計(島津製作所製、型式:DSC−60 PLUS)に入れ、昇温速度10℃/minにより昇温させたときのDSCカーブのベースラインと変曲点での接線の交点をガラス転移温度とした。
(タンク内温度(温間)測定方法)
模造燃料タンク内へ15℃の水を入れ、50℃環境下で30分間放置した後の水温を測定した。
(タンク内温度(温間)の評価方法)
上記測定により得られた数値によって判定を行った。
到達温度が30℃を超えるもの・・・・×
到達温度が30℃以下のもの・・・・・○
(分銅落下評価方法)
常温時(気温23℃、湿度50%)、釣りなどに使用するオモリ(ナス型40号、150g)を使用して、試験片(断熱部材の厚み測定時に採取したもの)の上方30cmの高さから落としたときの判定方法を以下に示す。
貫通、もしくは深さ1.5mm以上の凹みが発生した場合・・・・×
それ以外のもの・・・・○
(冷間衝撃評価方法)
測定環境を−20℃、湿度20%とし、上記環境下で1時間放置後に、分銅落下評価と同様の方法により試験を実施した。
貫通、もしくは深さ1.5mm以上の凹みが発生した場合・・・・×
傷(白化を含む)がつくもの・・・・△
それ以外のもの・・・・○
(吸水性評価方法)
断熱部材の吸水量測定(JIS A 9511(2009年度版JISハンドブック記載))を実施した。
2.0g/100cmより大きいもの・・・・×
2.0g/100cm以下のもの・・・・○
(嵌合性評価方法)
嵌合性に関しては官能検査の結果、良好のものを○、嵌め合わせにくいものを×として評価した。
(施工性評価方法)
施工性に関しては官能検査の結果、良好のものを○、施工し難いものを×として評価した。
(総合判定基準)
総合判定として、以下を基準とした。
製作ができず試験ができなかったものもしくは、タンク内温度(温間)の判定で×または分銅落下評価方法の判定で×のもの・・・・×
それ以外のもの・・・・○
(実施例1)
“トーレペフ”(登録商標)30240DG00(東レ製30倍24mmポリエチレン架橋発泡体:F1(表1記載の水準番号))を、カッティングプロッターを用いてA面用としてa辺を120mm、L辺を110mmになる様に2枚カットした(a辺、L辺は図5参照)。また、B面用(b辺:120mm、L辺:110mm)として2枚、C面用(a1辺:168mm、b1辺:168mm)として1枚、それぞれカットした。このときのカットした材料についての展開図を図5に示している。これを“トヨラック”(登録商標)300(東レ製ABS樹脂:R1(表2記載の水準番号))で作成した樹脂製カバー(厚みt:0.6mm、a1辺:168mm、b1辺:168mm、L1辺:134mm)の中に入れた後、模造燃料タンク(水準1(表3記載の水準番号))を入れ、固定孔にボトルとナットによってこの模造燃料タンクと樹脂製カバーを固定した。
ここに15℃に温度調整された水を図3および4で示した水面の高さまで注ぎ、50℃の熱風オーブン内で30分間、放置した。その後、水温を測定したところ20℃であった(タンク内温度(温間)判定:○)。これから採取された試験片により分銅落下評価を実施したところ、1.5mm以上の凹みが発生しなかった(判定:○)。
その他の評価結果については表4に示すとおりである。これらの結果から総合判定を行い、○判定であった。
Figure 2015093598
(実施例2〜7)
合成樹脂発泡体水準、各試験片の寸法、合成樹脂水準、模造燃料タンク水準を表4のとおりに変更した以外は実施例1と同様に行った。評価結果は表4および5のとおりである。
Figure 2015093598
(実施例8〜10)
合成樹脂発泡体水準をA面、B面とC面を別水準とした以外は実施例1と同様に任意に各試験片寸法、合成樹脂水準、模造燃料タンク水準を規定して試験を行った(表5参照)。評価結果は表5のとおりである。
(実施例11〜12)
合成樹脂発泡体の片側に先に示す方法によって粘着加工を行い、樹脂製カバーに貼り付けた以外は実施例1と同様に任意の各試験片寸法、合成樹脂水準、模造燃料タンク水準を規定して試験を行った。評価結果は表6のとおりである。
Figure 2015093598
(実施例13〜14)
合成樹脂発泡体の片側に粘着加工を行い、模造燃料タンクに貼り付けた以外は実施例1と同様に任意の各試験片寸法、合成樹脂水準、模造燃料タンク水準を規定して試験を行った。評価結果は表6のとおりである。
(実施例15)
合成樹脂発泡体の両側に粘着加工を行い、樹脂製カバーと模造燃料タンクに貼り付けた以外は実施例1と同様に任意の各試験片寸法、合成樹脂水準、模造燃料タンク水準を規定して試験を行った。評価結果は表6のとおりである。
(実施例16)
“バソテクト”(登録商標)G(イノアックコーポレーション製100倍15mmメラミン樹脂発泡体:F6)を、鋼尺とカッターを用いてA面、B面、C面が一体となる様にカットした(寸法に関しては表7参照)。折り曲げ部分はヒンジになる様にカッターで1mm程度残るようにカットした(形状に関しては図6参照)。これを模造燃料タンク(水準1)を入れ、模造燃料タンクと樹脂製カバーを固定した。
その後、タンク内温度(温間)測定を行ったところ、28℃であった(タンク内温度(温間)判定:○)。一方、分銅落下評価を実施したところ、判定○であったため、総合判定が○となった。その他の評価結果については表7に示すとおりである。
Figure 2015093598
(実施例17〜20)
合成樹脂発泡体水準、各試験片の寸法、合成樹脂水準、模造燃料タンク水準を表7のとおりに変更した以外は実施例16と同様に行い、評価結果は表7のとおりである。
(比較例1)
粘着加工を施した“バソテクト”(登録商標)G(イノアックコーポレーション製100倍15mmメラミン樹脂発泡体:F6)を、鋼尺とカッターを用いてA面用(a辺:120mm、L辺:60mm)として2枚、B面用(b辺:120mm、L辺:60mm)として2枚、C面用(a1辺:150mm、b1辺:150mm)として1枚、それぞれカットした。これを模造燃料タンクに貼り付けた。
その後、タンク内温度(温間)測定を行ったところ、30℃であった(タンク内温度(温間)判定:○)。しかし、分銅落下評価を実施したところ、貫通が発生したため、判定を×とし、総合判定が×となった。その他の評価結果については表8に示すとおりである。
Figure 2015093598
(比較例2)
合成樹脂発泡体水準、各試験片の寸法、模造燃料タンク水準を表8のとおり変更した以外は比較例1と同様に行い、評価結果は表8のとおりである。
(比較例3)
“スーパーオプセル” (登録商標)LC−3000#2(三和化工製30倍10mmポリエチレン架橋発泡体:F5)を、カッティングプロッターを用いてA面用(a辺:120mm、L辺:110mm)として2枚、B面用(b辺:120mm、L辺:110mm)として2枚、C面用(a1辺:140mm、b1辺:140mm)として1枚、それぞれカットした。合成樹脂発泡体に粘着加工を施さず樹脂製カバーもないため、固定ができなかった。そのため、評価できず総合判定×とした。
(比較例4)
“ノバテック(登録商標)PP”BC6C(日本ポリプロ製ポリプロピレン:R3)で作成した樹脂製カバー(厚みt:1.1mm、a1辺:150mm、b1辺:150mm、L1辺:180mm)を作成し間に合成樹脂発泡体を入れず、模造燃料タンク(水準1(表3記載の水準番号))を入れ、固定孔にボトルとナットによってこの模造燃料タンクと樹脂製カバーを固定した。
その後、タンク内温度(温間)測定を行ったところ、40℃であった(タンク内温度(温間)判定:×)。一方、分銅落下評価を実施したところ、判定○であったが、総合判定が×となった。その他の評価結果については表8に示すとおりである。
(比較例5)
樹脂製カバーをつけない以外は実施例16と同様にしたが、比較例3と同様に固定ができなかった。そのため、評価できず総合判定×とした。
(比較例6)
“トーレペフ”(登録商標)30240DG00(東レ製30倍24mmポリエチレン架橋発泡体:F1)を先に示した方法により真空成形を行った。このときの成形品を“トヨラック”(登録商標)300(東レ製ABS樹脂:R1)で作成した樹脂製カバー(厚みt:1.1mm、a1辺:168mm、b1辺:168mm、L1辺:134mm)の中に入れた後、模造燃料タンク(水準1)を入れ、固定孔にボトルとナットによってこの模造燃料タンクと樹脂製カバーを固定した。
その後、タンク内温度(温間)測定を行ったところ、33℃であった(タンク内温度(温間)判定:×)。一方、分銅落下評価を実施したところ、判定○であったが、総合判定が×となった。その他の評価結果については表9に示すとおりである。
Figure 2015093598
(比較例7)
合成樹脂発泡体水準、各試験片の寸法を表9のとおりに変更した以外は比較例6と同様に行った。
その後、タンク内温度(温間)測定を行ったところ、35℃であった(タンク内温度(温間)判定:×)。一方、分銅落下評価を実施したところ、判定○であったが、総合判定が×となった。その他の評価結果については表9に示すとおりである。
(比較例8)
“スーパーオプセル” (登録商標)LC−3000#2(三和化工製30倍10mmポリエチレン架橋発泡体:F5)を先に示した方法により圧縮成形を行った。しかし、良品が得られなかったため、評価できず総合判定×とした。
(比較例9)
合成樹脂発泡体水準、各試験片の寸法、合成樹脂水準、模造燃料タンク水準を表9のとおりに変更し、比較例8と同様に圧縮成形を行ったところ、良品が得られた。これを“ノバテック(登録商標)PP”BC6C(日本ポリプロ製ポリプロピレン:R3)で作成した樹脂製カバー(厚みt:1.1mm、a1辺:150mm、b1辺:150mm、L1辺:75mm)の中に入れた後、模造燃料タンク(水準2)を入れ、固定孔にボトルとナットによってこの模造燃料タンクと樹脂製カバーを固定した。
その後、タンク内温度(温間)測定を行ったところ、37℃であった(タンク内温度(温間)判定:×)。一方、分銅落下評価を実施したところ、判定○であったが、総合判定が×となった。その他の評価結果については表9に示すとおりである。
(比較例10)
“バソテクト” (登録商標)G(イノアックコーポレーション製100倍15mmメラミン樹脂発泡体:F6)を、比較例6と同様に真空成形を行った。しかし、良品が得られなかったため、評価ができず総合判定×とした。
1 模造燃料タンク
2 固定孔
3 樹脂製カバー
4 平板状断熱部材
5 水面
6 水
7 ボルト
8 ナット
9 サンプリング位置
10 燃料タンク
11 展開部材
12 折り曲げ線
13 組み立て体
14 樹脂製カバー

Claims (8)

  1. 厚みR率が20%以下の断熱部材と、この断熱部材の外側の少なくとも一部を覆うように設けられた樹脂製カバーと、により構成された輸送手段用燃料タンク断熱材。
  2. 断熱部材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリル樹脂、メラミン樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つの合成樹脂を発泡させた合成樹脂発泡体により構成されている、請求項1に記載の輸送手段用燃料タンク断熱材。
  3. 断熱部材は、合成樹脂発泡体から所定の形状に切断加工されたものである請求項1または2に記載の輸送手段用燃料タンク断熱材。
  4. 断熱部材が1個の展開部材からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の輸送手段用燃料タンク断熱材。
  5. 断熱部材は、その少なくとも一部が立体成形加工されている、請求項1〜4のいずれかに記載の輸送手段用燃料タンク断熱材。
  6. 断熱部材が、独立気泡を有する合成樹脂発泡体により構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の輸送手段用燃料タンク断熱材。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の輸送手段用燃料タンク断熱材を備えた輸送手段用燃料タンク。
  8. 請求項7に記載の輸送手段用燃料タンクを備えた輸送手段。
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