JP2015093033A - 医療機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】医療機器は、長尺で可撓性を有するシース部10と、シース部10の中に延在し、シース部10の遠位部に先端を固定されている複数の操作線30a、30bと、シース部10の近位端側に設けられ、少なくとも一の操作線30aを牽引すると共に他の操作線30bを送り出し、牽引された一の操作線30aに対応する方向へシース部10を屈曲させるワイヤ固定盤64(屈曲操作部)と、を備え、操作線30bの一部領域が、螺旋状または渦巻状に成形されているバネ領域33bであり、ワイヤ固定盤64により送り出された他の操作線30bに弛みが生じることが、バネ領域33bによって抑制されている。
【選択図】図5
Description
この種のカテーテルとして、下記の特許文献1を例示する。
特許文献1には、操作線の先端をカテーテル遠位部に、基端を制御機構内の定力バネに固定し、当該操作線をプーリーに掛架し、動滑車の法則を利用してより小さい操作盤の回転でより大きい屈曲操作を実現した技術が記載されている。
特許文献1に記載の技術は、操作線の一端が定力バネに固定されており、当該定力バネで操作線の弛みを吸収することが記載されている。しかし、定力バネであり、一定の張力が常に操作線に負荷されるため、経時につれシースはその長手方向に縮んでしまう。また、操作線の劣化も早まり、断線しやすくなる。あるいは、特許文献1に記載の技術において、仮に、定力バネによる初期負荷をゼロとすれば、上述の懸念は解消されるものの、操作盤を操作した時、牽引される一方の操作線の張力は専ら定力バネが繰り出されることに費やされ、シースの遠位部に張力を与えることができず、シースを屈曲させることができない。また、他方の操作線に生じる弛みを吸収することもできない。
はじめに、本実施形態のカテーテル100の概要を説明する。
図1(a)は、本実施形態のカテーテル100の全体構成を示す平面図である。図1(b)は、屈曲操作部60を一方向(同図における時計回り)に操作した状態を示すカテーテル100の平面図である。図1(c)は、屈曲操作部60を他方向(同図における反時計回り)に操作した状態を示すカテーテル100の平面図である。
図2は、カテーテル100の横断面図であり、図1(a)のII−II線断面図である。
図3は、カテーテル100の遠位部DEの縦断面図であり、図2のIII−III線断面図である。
図4は、操作部50の側面図である。
図5は、操作部50の内部構造を示す平面図である。図5においては、上側本体82、ロックスライダ88、ダイヤル操作部61、リミッター部材62、掛合部材63(図6参照)、ハブコネクタ70およびプロテクタ87を図示省略している。
図6は、下側本体84および屈曲操作部60の分解斜視図である。
シース部10は、長尺で可撓性を有する。操作線30は、シース部10の中に延在し、シース部10の遠位部DEに先端を固定されている。屈曲操作部60は、シース部10の近位端側に設けられ、少なくとも一の操作線30を牽引すると共に他の操作線30を送り出し、牽引された一の操作線30に対応する方向へシース部10を屈曲させる。操作線30の一部領域は、螺旋状または渦巻状に成形されているバネ領域33であり、屈曲操作部60により送り出された他の操作線30に弛みが生じることが、バネ領域33によって抑制されている。
なお、遠位部DEは、カテーテル100(シース部10)の遠位端を含む所定の長さ領域のことをいう。
ここで、渦巻状とは、上記の螺旋状(空間曲線)の軸方向成分を、平面曲線とみなせる程度に、その径と比して十分に小さく縮めた形状をいい、円や円弧も含むものとする。また、渦巻状の操作線30はいわゆる渦巻ばねと言える。
図2および図3に示すように、シース部10には操作線30a、30bが挿通されている。操作線30a、30bは操作部本体80の内部でシース部10から側方に引き出されて、屈曲操作部60に直接的または間接的に連結されている。
図2および図3を用いてシース部10の構造を説明する。
シース部10は、内部に主管腔20が通孔形成された中空管状かつ長尺の部材である。シース部10は、肝臓の8つの亜区域の何れにも進入させることが可能な外径および長さに形成されている。シース部10の遠位部DEの外径は1mm未満であり、本実施形態のカテーテル100は末梢血管に挿入可能なマイクロカテーテルである。
内層22の材料は、例えば、フッ素系の熱可塑性ポリマー材料を挙げることができる。このフッ素系の熱可塑性ポリマー材料としては、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)およびペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)を挙げることができる。内層22をこのようなフッ素系ポリマー材料で構成することにより、主管腔20を通じて薬液等を供給する際のデリバリー性が良好となる。また、主管腔20にガイドワイヤーを挿通する場合に、ガイドワイヤーの摺動抵抗が低減される。
外層38には無機フィラーを混合してもよい。無機フィラーとしては、硫酸バリウムや次炭酸ビスマスなどの造影剤を例示することができる。外層38に造影剤を混合することで、体腔内におけるシース部10のX線造影性を向上することができる。
ワイヤ補強層26は補強ワイヤ24を巻回してなる。補強ワイヤ24の材料には、タングステン(W)、ステンレス鋼(SUS)、ニッケルチタン系合金、鋼、チタン、銅、チタン合金または銅合金などの金属材料のほか、内層22および第一外層34よりも剪断強度が高いポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)またはポリエチレンテレフタレート(PET)などの樹脂材料を用いることができる。本実施形態では、補強ワイヤ24としてステンレス鋼の細線を挙げる。
ワイヤ補強層26は、補強ワイヤ24をコイル巻回またはメッシュ状に編組してなる。補強ワイヤ24の条数や、コイルピッチ、メッシュ数は特に限定されない。本実施形態のワイヤ補強層26は、多条の補強ワイヤ24をメッシュ状に編組したブレード層である。
中空管28は、外層38よりも曲げ剛性率および引張弾性率が高い材料で構成されている。
操作線30としては、低炭素鋼(ピアノ線)、ステンレス鋼(SUS)、耐腐食性被覆した鋼鉄線、チタンもしくはチタン合金、またはタングステンなどの金属線を用いることができる。このほか、操作線30としては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド(PI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはボロン繊維などの高分子ファイバーを用いることができる。
第二補強層40は第二補強ワイヤ42をコイル巻回またはメッシュ状に編組してなる。第二補強ワイヤ42には、ワイヤ補強層26の補強ワイヤ24として例示した上記の材料を用いることができる。第二補強ワイヤ42と補強ワイヤ24とは同種の材料でもよく、または異種の材料でもよい。本実施形態では、第二補強ワイヤ42として、補強ワイヤ24と同種の材料(ステンレス鋼)からなる細線をメッシュ状に編組したブレード層を例示する。
第二補強ワイヤ42と補強ワイヤ24との線径および条数は、互いに同一でもよく、または異なってもよい。
操作線30の先端部は、シース部10のうち第二マーカー16よりも遠位側の部分に固定されている。操作線30を牽引することで、遠位部DEのうち第二マーカー16よりも遠位側の部分が屈曲する。本実施形態のカテーテル100では、操作線30の先端部は第一マーカー14に固定されている。操作線30を第一マーカー14に固定する態様は特に限定されず、ハンダ接合、熱融着、接着剤による接着、操作線30と第一マーカー14との機械的掛止などを挙げることができる。
内層22の遠位端は、シース部10の遠位端まで到達していてもよく、または遠位端よりも僅かに基端側で終端していてもよい。内層22の近位端は、シース部10の近位端、すなわち操作部50の内部に位置している。
主管腔20の直径は400μm〜600μm(上限値および下限値を含む。以下同じ。)、内層22の厚さは5μm〜30μm、外層38の厚さは10μm〜200μmである。中空管28の肉厚は内層22よりも薄く、かつ1μm〜10μmである。ワイヤ補強層26の内径は410μm〜660μm、ワイヤ補強層26の外径は450μm〜740μm、第二補強層40の内径は560μm〜920μm、第二補強層40の外径は600μm〜940μmである。
第一マーカー14の内径は450μm〜740μm、第一マーカー14の外径は490μm〜820μm、第二マーカー16の内径は600μm〜940μm、第二マーカー16の外径は640μm〜960μmである。
カテーテル100の軸心から中空管28の中心までの半径(距離)は300μm〜450μm、中空管28の内径(直径)は40μm〜100μm、操作線30の太さは25μm〜60μmである。
シース部10の直径は700μm〜980μm、すなわち外径が直径1mm未満であり、シース部10は末梢血管に挿入可能なマイクロカテーテルを構成する。
また、シース部10の膨潤係数は操作線30の膨潤係数よりも大きい。ここで、シース部10の線膨張係数または膨潤係数とは、シース部10の積層構造の全体でみた場合の線膨張係数または膨潤係数である。すなわち、内層22、外層38、ワイヤ補強層26、第二補強層40、中空管28およびその他の互いに密着して一体化された構成要素(操作線30を除く)の複合構造体としての合成の線膨張係数または膨潤係数である。上記各構成要素の単独の線膨張係数または膨潤係数に、それぞれのヤング率と、断面積における面積比率を乗じて概算することができる。
一方、冬季において、本実施形態のカテーテル100は、気温低下に伴いシース部10が熱収縮するが、これに対しバネ領域33も追随して短縮するので、操作線30に生じる弛みが吸収される。
次に、操作部50の内部構造について詳細に説明する。
シース部10の基端部PEは屈曲操作部60の下部を通過して、操作部本体80(下側本体84)の後端部84bよりも後方まで引き出されている。シース部10の基端部PEには、操作部本体80の内部にあたる位置において、外周面から中空管28に至る側孔12が穿設されている。側孔12は中空管28の周面を貫通している。操作線30a、30bは、この側孔12を通じて中空管28の外部側方に引き出されている。
本実施形態の操作線30a、30bの一部領域は、螺旋状に成形されていることによってバネ領域33a、33bを形成しており、屈曲操作部60により送り出された他の操作線30(牽引された一の操作線が30aならば他の操作線は30b、牽引され一の操作線が30bなら他の操作線は30a)において、バネ領域33の短縮長さが他の直線状領域の短縮長さより大きい。
ここで、バネ領域33の短縮長さとは、操作線30の線材方向への短縮長さではなく、バネ領域33の巻軸方向への短縮長さを意味している。
これにより、屈曲操作部60により送り出された操作線30に生じる弛みを、バネ領域33により局所的に吸収しうる。
図5に示すように、屈曲操作部60は複数の係合部66を有し、複数本の操作線30a、30bの基端が係合部66に係合され、屈曲操作部60に固定されている。具体的な係合の態様として、操作線30a、30bは、係合部66に対して交絡されたうえ接着剤により固着されている。
2本の操作線30a、30bは、ワイヤ固定盤64の周囲に互いに逆向きに巻回されている。操作線30a、30bは、それぞれ、360度を超える巻回角度でワイヤ固定盤64に巻回されている。これにより、図1(a)の初期状態から屈曲操作部60を360度に亘って回転操作しても、弛められる側の操作線30の送り出し長さが不足することがない。
ワイヤ固定盤64の上面には複数本の突起部64dが形成されている。突起部64dが掛合部材63の凹欠部63bに嵌合することにより、掛合部材63はワイヤ固定盤64に対して回転不可に固定され、両者は軸部材65に対して回転自在に軸支されている。
なお、本実施形態では所定以下のトルク(牽引力)に制限する牽引量制限部の構成例を示したが、操作線30を牽引した距離(牽引長)を所定以下に制限する構成にしてもよい。
に突出する回転軸65aと、下方にそれぞれ突出するガイドリブ65b、65cを備えている。
回転軸65aにはダイヤル操作部61、リミッター部材62、掛合部材63およびワイヤ固定盤64が回転可能に装着される。これにより屈曲操作部60が一体に構成される。
ガイドリブ65b、65cは二対の平行な板状の突起部である。一対のガイドリブ65cには、それぞれ外向きに突出する爪部68が形成されている。
軸部材65を下側本体84に装着すると、爪部68が空隙84hに係合し、ガイドリブ65cは一対の間欠リブ84iの内側に沿って配置され、ガイドリブ65bは内側ガイド84jと間欠リブ84iとの間に挟まれて配置される。
図7は、ワイヤ固定盤64の回転とバネ領域33a、33bの伸張の関係を示す模式図である。このうち(a)はワイヤ固定盤64を時計回りに回転させた時、(b)はワイヤ固定盤64を反時計回りに回転させた時をそれぞれ示す。
なお、図7においては、操作線30、ワイヤ固定盤64、軸部材65およびシース部10を図示し、他の部材を図示省略している。
この場合、ワイヤ固定盤64により送り出された他の操作線30bに弛み生じ、この弛みはバネ領域33bにより局所的に吸収されうる。
このように引張荷重が伝達されることによって、カテーテル100(シース部10)は、牽引された操作線30aに対応する方向(シース部10の中心軸から視て操作線30aが挿通されている中空管28の方向)へ屈曲することができる。
なお、上述の通り、本実施形態のカテーテル100は、リミッター部材62および掛合部材63により牽引量制限部を構成し、屈曲操作部60による操作線30の牽引量を所定量以下に制限する。また、カテーテル100は、シース部10の中に埋設され、操作線30が挿通され、当該操作線30が引き出される側孔12(開口部)が基端側に設けられた中空管28を備えている。
この場合、ワイヤ固定盤64により送り出された他の操作線30aに弛み生じ、この弛みはバネ領域33aにおいて局所的に吸収されうる。
また、螺旋状に形成されたバネ領域33は、ワイヤ固定盤64に巻き取られると一対からなるフランジ部64bに挟まる可能性もある。
従って、所定量に制限される牽引操作の範囲内の何れにおいても、バネ領域33はワイヤ固定盤64により巻き取られない、且つ、中空管28に挿通されない領域に形成されることが好ましい。なお、中空管28に挿通されないと言っても、バネ領域33の全部が実質的に挿通しないことをいい、バネ領域33の長手方向の寸法に比して十分に小さいバネ領域33の一部が中空管28に挿通することは許容してもよい。
仮に、本実施形態のバネ領域33が、いわゆる定力バネの特性を有するコイルとすると、バネ領域33が伸びきるまで引張荷重が一定となり、カテーテル100の操作者にとっては、牽引操作の負担が増すからである。
ここで、正比例とは、厳密な意味ではなく、両者(引張荷重とひずみ)が互いに関連して増減し、両者の比が概ね一定となっていることをいう。なお、本実施形態のカテーテル100については、通常の使用範囲において操作されることを前提として説明しており、屈曲操作部60の牽引操作によってバネ領域33が弾性変形する範囲内において正比例であるものとする。
本実施形態におけるカテーテル100を構成する部材およびその特性について、第一実施形態と共通部分の説明は省略し、共通となる構成要素には同じ符号を割り振るものとする。
図8は、第二実施形態における操作線30aの経路とバネ領域35aとを示す模式平面図である。(a)は初期状態(巻付部64cの回転角度がゼロの状態)、(b)は巻付部64cを反時計回りにθ回転させた時をそれぞれ示す。図9は、バネ領域を有さないカテーテル(図示せず)において、巻付部164cを反時計回りにθ回転させた時の操作線130aの経路を示す模式平面図である。
なお、図8においては、シース部10、巻付部64cおよび操作線30aを図示し、その他の部材を図示省略している。図9においては、シース部10と同等のシース部110、巻付部64cと同等の巻付部164cおよび巻付部164cに基端を固定され、その周囲に巻き回されている操作線130aとを図示し、その他の部材を図示省略している。
より詳細には、操作線30aは、操作線30aの基端側に定められた始点37aから、始点37aより先端側に位置する終点39aまでの間で巻付部64cに沿う形状に塑性加工されてバネ領域35aを形成している。始点37aから終点39aまでの寸法は、巻付部64c側周面の円周長さより大きくしてもよい。
ここで、巻付部64cに沿う形状とは、巻付部64cの側周面に近づく方向に湾曲した形状のことをいう。
また、バネ領域35aの終点39aは、初期状態において操作線30aが巻付部64cの側周面から接離する位置(初期接離点)の近傍とすることができる。
本実施形態の操作線30aは、始点37aを基点として360°を超える巻回角度で巻付部64cの側周面に巻き回されている。
ここで、固定される前におけるバネ領域35aの径とは、径が拡大又は縮小する方向に荷重をかけていない状態におけるバネ領域35aの径のことをいう。
ここで、巻き方向とは、バネ領域35aを巻付部64cに巻き付けた方向であり、本実施形態においては反時計回りである。
なぜならば、操作線30aは極めて細く可撓性が高いため、操作線30aは側孔12の中に実質的にはほとんど押し込まれず、巻付部64cの回動により送り出された操作線30aは側孔12と巻付部64cの側周面の間で滞留する。側孔12と巻付部64cの側周面の距離は、初期状態における終点39aから側孔12に挿通するまでの操作線30aの長さより短いため、滞留している操作線30aの一部は巻付部64cに密接するからである。
巻付部164cの径を一対のフランジ部(図示せず)の径より小さくすることで、一定の操作線130aの脱離は許容できるものの、それを超えるとフランジ部からも操作線130aは外れてしまい、巻き取りできなくなる。
また、巻付部164cから大きく外れるので、操作線130aは図示しない他の操作線等に絡まりやすくなる。
すなわち、本実施形態のカテーテル100は、バネ領域35aを有することにより、屈曲操作部60から操作線30aが脱離し、牽引不能となることを防止することができる。
例えば、カテーテル100は、第一実施形態で説明した螺旋状のバネ領域33と、第二実施形態で説明した渦巻状のバネ領域35aと、双方を備えてもよい。
例えば、屈曲操作部60は回動自在の回転体として説明したが、操作部本体80に対して個別に進退移動にするスライド部を設け、当該スライド部により操作線30を牽引操作する構成としてもよい。この場合、操作線30の中途にバネ領域33に相当する螺旋状の領域を形成することにより、第一実施形態で説明した効果を奏することができる。
例えば、リミッター部材62および掛合部材63により牽引量制限部を構成する実施形態で説明したが、単一の部材で牽引量制限部を構成してもよい。
(1)長尺で可撓性を有するシース部と、前記シース部の中に延在し、前記シース部の遠位部に先端を固定されている複数の操作線と、前記シース部の近位端側に設けられ、少なくとも一の前記操作線を牽引すると共に他の前記操作線を送り出し、牽引された前記一の操作線に対応する方向へ前記シース部を屈曲させる屈曲操作部と、を備え、前記操作線の一部領域が、螺旋状または渦巻状に成形されたバネ領域であり、前記屈曲操作部により送り出された前記他の操作線に弛みが生じることが、前記バネ領域によって抑制されている医療機器。
(2)前記屈曲操作部は、複数の前記操作線の基端を固定された回動自在の回転体を有し、前記一の操作線は、前記回転体の回動で巻き取られることにより牽引される(1)に記載の医療機器。
(3)前記操作線の一部領域が螺旋状に成形されていることによって前記バネ領域を形成しており、前記屈曲操作部により送り出された前記他の操作線において、前記バネ領域の短縮長さが他の直線状領域の短縮長さより大きい(1)または(2)に記載の医療機器。
(4)前記屈曲操作部による前記一の操作線の牽引量を所定量以下に制限する牽引量制限部と、前記シース部の中に埋設され、前記操作線が挿通され、当該操作線が引き出される開口部が基端側に設けられた中空管と、を備え、前記屈曲操作部による前記一の操作線の牽引量が前記所定量に達したとき、前記他の操作線の前記バネ領域は、前記開口部より前記シース部の近位端側に位置する(3)に記載の医療機器。
(5)前記屈曲操作部による前記一の操作線の牽引量が前記所定量に達したとき、前記他の操作線の前記バネ領域は、前記屈曲操作部から当該他の操作線が接離する位置と、前記開口部との間に位置する(4)に記載の医療機器。
(6)前記バネ領域において、前記操作線の延在方向への引張荷重とひずみとの関係が正比例となっている(3)から(5)のいずれか一項に記載の医療機器。
(7)前記操作線は前記回転体の周囲に巻かれており、初期状態において前記回転体に巻かれている前記操作線の少なくとも一部が、前記回転体に沿う形状に塑性加工され、前記回転体の周囲で渦巻状に前記バネ領域を形成している(2)に記載の医療機器。
(8)前記バネ領域の少なくとも一部が前記回転体に圧接している(7)に記載の医療機器。
(9)前記シース部の中に埋設され、前記操作線が挿通され、当該操作線が引き出される開口部が基端側に設けられた中空管を備え、前記回転体の回動により送り出された前記他の操作線と前記回転体とが接離する位置である接離点は、前記初期状態において当該他の操作線が前記回転体から接離する位置より前記開口部の近距離に位置し、当該他の操作線は、前記接離点の近傍領域において当該他の操作線の前記バネ領域の巻き方向に対して逆方向に湾曲し、且つ、当該近傍領域と前記開口部との間において前記開口部に向かう方向に湾曲する(7)または(8)に記載の医療機器。
10 シース部
12 側孔
14 第一マーカー
16 第二マーカー
20 主管腔
22 内層
24 補強ワイヤ
26 ワイヤ補強層
28 中空管
30、30a、30b 操作線
32 副管腔
33、33a、33b バネ領域
34 第一外層
35a バネ領域
36 第二外層
37a 始点
38 外層
39a 終点
40 第二補強層
42 第二補強ワイヤ
50 操作部
60 屈曲操作部
61 ダイヤル操作部
61c 開口部
62 リミッター部材
62a バネ係合部
62b 軸部
62c 係止凸部
63 掛合部材
63a 凹凸部
63b 凹欠部
64 ワイヤ固定盤
64a スリット
64b フランジ部
64c 巻付部
64d 突起部
64e 接離点
65 軸部材
65a 回転軸
65b、65c ガイドリブ
66 係合部
68 爪部
70 ハブコネクタ
80 操作部本体
81 分離面
82 上側本体
84 下側本体
84b 後端部
84h 空隙
84i 間欠リブ
84j 内側ガイド
87 プロテクタ
88 ロックスライダ
110 シース部
112 側孔
130a 操作線
164c 巻付部
DE 遠位部
PE 基端部
Claims (9)
- 長尺で可撓性を有するシース部と、
前記シース部の中に延在し、前記シース部の遠位部に先端を固定されている複数の操作線と、
前記シース部の近位端側に設けられ、少なくとも一の前記操作線を牽引すると共に他の前記操作線を送り出し、牽引された前記一の操作線に対応する方向へ前記シース部を屈曲させる屈曲操作部と、を備え、
前記操作線の一部領域が、螺旋状または渦巻状に成形されたバネ領域であり、
前記屈曲操作部により送り出された前記他の操作線に弛みが生じることが、前記バネ領域によって抑制されている医療機器。 - 前記屈曲操作部は、複数の前記操作線の基端を固定された回動自在の回転体を有し、
前記一の操作線は、前記回転体の回動で巻き取られることにより牽引される請求項1に記載の医療機器。 - 前記操作線の一部領域が螺旋状に成形されていることによって前記バネ領域を形成しており、
前記屈曲操作部により送り出された前記他の操作線において、前記バネ領域の短縮長さが他の直線状領域の短縮長さより大きい請求項1または2に記載の医療機器。 - 前記屈曲操作部による前記一の操作線の牽引量を所定量以下に制限する牽引量制限部と、
前記シース部の中に埋設され、前記操作線が挿通され、当該操作線が引き出される開口部が基端側に設けられた中空管と、を備え、
前記屈曲操作部による前記一の操作線の牽引量が前記所定量に達したとき、前記他の操作線の前記バネ領域は、前記開口部より前記シース部の近位端側に位置する請求項3に記載の医療機器。 - 前記屈曲操作部による前記一の操作線の牽引量が前記所定量に達したとき、前記他の操作線の前記バネ領域は、前記屈曲操作部から当該他の操作線が接離する位置と、前記開口部との間に位置する請求項4に記載の医療機器。
- 前記バネ領域において、前記操作線の延在方向への引張荷重とひずみとの関係が正比例となっている請求項3から5のいずれか一項に記載の医療機器。
- 前記操作線は前記回転体の周囲に巻かれており、
初期状態において前記回転体に巻かれている前記操作線の少なくとも一部が、前記回転体に沿う形状に塑性加工され、前記回転体の周囲で渦巻状に前記バネ領域を形成している請求項2に記載の医療機器。 - 前記バネ領域の少なくとも一部が前記回転体に圧接している請求項7に記載の医療機器。
- 前記シース部の中に埋設され、前記操作線が挿通され、当該操作線が引き出される開口部が基端側に設けられた中空管を備え、
前記回転体の回動により送り出された前記他の操作線と前記回転体とが接離する位置である接離点は、前記初期状態において当該他の操作線が前記回転体から接離する位置より前記開口部の近距離に位置し、
当該他の操作線は、前記接離点の近傍領域において当該他の操作線の前記バネ領域の巻き方向に対して逆方向に湾曲し、且つ、当該近傍領域と前記開口部との間において前記開口部に向かう方向に湾曲する請求項7または8に記載の医療機器。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2013-11-12 JP JP2013233753A patent/JP2015093033A/ja active Pending
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