JP2015091287A - 香りケース - Google Patents
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Description
しかし、このような使用状態では、揮発当初に置いては強烈な香りが漂い他人に不快感を与えたり、着衣や他物に香水液染みを付けたり、高価な香水液を多く消費して維持費が増えるものと成っていた。
そこで現代でも、なるべく香りを抑えながら、個性的な香りを漂わせるために、耳たぶや手首内側等に、香水一滴を付ける等している。
これ等の場合は、暑くて汗をかいたり、顔や手・腕を洗うと、香の匂いが消滅したり変動してしまい、香りを安定して持続発生することが難かしかった。
まず、請求項1に記載の発明は、所定外径有底筒状の基本筒部(1)と所定外径有底筒状の蓋体筒部(2)で両者内側間の対向筒部を嵌合部(3)を介して組付け、蓋体筒部(2)内周部に、揮発室(4)または揮発開口(13)部を有する香気保持体(5)の基端部を取付け、蓋体筒部(2)の有底壁(6)に香気通路(7)を開口することを特徴とした香りケースの構成とする。
そして、非使用時のキャップは、径小筒部(10)に固定しておけるから、夫々のキャップを無くすことも防げる。
樹脂材で構成する、図例の香りケースには、公知文献と同様にクリップ(21)が付いており、衣服類や身のまわり小物類に取り付け携帯可能としている。
図例では、クリップ(21)が通路付キャップ(20)と一体化しており、この通路付キャップ(20)の開口通路(22)と、蓋体筒部(2)の有底壁(6)に設けた香気通路(7)が、空隙(35)を介し対向接近して臨んでいる。
蓋体筒部(2)の基端一端側である有底壁(6)側は、円筒体の外径を細くした径小蓋部(11)としているが、蓋体筒部の外径を同寸法としキャップ内径を大きくする形態にすれば、円筒体の製作がより容易になる。
また、図例の筒体は円筒の方が製作容易であるが、角筒であっても収納室(29)である内部空間のあるケース体で、同様の効果があれば、形状は多角形の筒体としていても良い。
香気保持体(5)の第1図例「1型」は、図3・図4で詳示のように、複数の部材を組み合わせて構成しており、外周パイプ(23)内に揮発筒(18)を挿入している。
外周パイプ(23)は、基端部側の外径「D」部分を取付孔(12)と略同径とし、反取付孔方向の突出端側に、細管で内部に一本の円形通路である小孔(31)を有する細管パイプ(14)(14a)を、一体または図7で示す別体化としての取り付けとしている。
細管パイプ(14a)は、エラストマーや軟質プラスチック材等から成る、長寸の細長い円形チューブ材を必要な長さに切断して利用するもので、等径の市販パイプを使えば、樹脂材の外周パイプ(23a)に長くて細い細管パイプを一体して突出する部分が無くなり、外周パイプ(23a)の製作が容易である。
この香気筒「組」(39)は、「1型」の香気保持体(5)や、後述する「2型」の香気保持体(5a)、「3型」の香気保持体(5b)等の、別形態の香気筒「組」(39)として、何れに利用するのも可能である。
第1図例「1型」では、図4で示すように、入口側を径大とした径大内側孔(34)としている。
図3で示すように、揮発筒(18)は,ロケットの弾頭状に先端部をテーパー(24)状に尖らせた形状として押込み容易とし、外周パイプ(23)の内方取付孔(16)内周面に、揮発筒(18)筒体外周面を密着させ一体化している。
テーパー(24)の先端面には1本の案内溝(25)が設けられ、筒体外周面には1本の螺旋小溝(17)が刻設されている。
外周パイプ(23)の内方取付孔(16)内周面に、一体取付した揮発筒(18)筒体外周面の螺旋小溝(17)は、毛細管現象を利用する範囲の細溝断面である時、揮発室(4)近傍まで香水液として到達する。
また、揮発筒体外周面の有底壁(6)接触側は、外方細径筒部(26)として間隙を広くして毛細管現象を断ち、液の気化を促している。
これ等の、細管パイプ(14)と外周パイプ(23)と揮発筒(18)を一体組付化することで、図1で示す揮発室(4)付きの香気保持体「1型」(5)を構成している。
また、図7で示す別形態の香気筒「組」(39)を、「1型」に利用しても、同効である。
また、蓋体筒部(2)内端方の軸孔内周面には、雌ネジ(9)が設けられており、嵌合部(3)の説明時に後述する。
図5で示す「2型」の香気保持体(5a)は、外周パイプ(23)や細菅パイプ(14)等を「1型」と同形部材の透明な樹脂材とし、外周パイプ(23)内に内装する香気保持筒(18a)を、「1型」とは別部材の、綿やスポンジ等の浸透性材としている。
また、図7で示す別形態の香気筒「組」(39)を、「2型」に利用しても、同効である。
この香気保持筒(18a)を、プラスチック樹脂材の外周パイプ(23)内部に挿入すると、図12で示す「2型」の香気保持体(5a)と成る。
浸透性材は、外気接触表面積が大きいと、揮発量が大と成る性質を有するので、開口(13)側である出口側近傍のみを、図で示すように、小面積の香気発散面とし、他の入口テーパー面側から筒体外周囲を、外周パイプ(23)の内面に押し付けて、香液や香気の保持維持力を高めている。
図6で示す「3型」の香気保持体(5b)は、外周パイプ(23)や細菅パイプ(14)等を「1型」と同部材とし、外周パイプ(23)内の下方に内装する短香気保持筒(18b)と、上方出口側に挿入する短揮発筒(18c)を、別部材としている。
また、図7で示す別形態の香気筒「組」(39)の構成を、「3型」に利用しても、同効である。
「3型」は、「1型」と「2型」の折衷案であり、以下、特徴点を説明する。
図1・図8で示す基本筒部(1)は、透明樹脂材から成る有底筒状の構成としており、図例では円筒状の収納室(29)を設けている。
そして、外方端部は細径の径小筒部(10)とし、内端細径軸筒(30)部に雄ネジ(8)を設け、前述した蓋体筒部(2)の雌ネジ(9)と、この雄ネジ(8)とを係合締め付ける嵌合部(3)としている。
この香りケース本体「K」は、図1で示す「上方香り発散方式」である形態Aに於いても、図2として後述する「下方香り発散方式」である形態Bに於いても、単に上下反転して使用するだけで、同部品の構成としている。
香りの発散を規制する時は、図例上下の夫々のキャップを入れ替えて取り付けると、香気通路(7)を密閉キャップ(19)が密閉する。
香気の発散量が大きく変動すると、ほのかな良い匂いであっても、きつい悪い匂いに感じたり、匂いが薄れる等の不具合を感じることがある。
図12・図13の断面図で示す、「2型・3型」の香気保持体(5a)・(5b)に折り込んだ香気の外部発散調整構成は、図14の展開斜視図として示しているが、これは、「1型」の香気保持体(5)に折り込んでも、同効である。
さらに、通路付キャップ(20b)に開口する通路の数を、図示のように半減した開口通路(22a)とした点である。
矢印F方向に回転を続けるか、反転して図12・図14の状態まで移動すれば、香気の外部発散は全開位置になる。
このように、香気発散は有段階としても、開閉調節できる。
香りケース本体「K」の嵌合部(3)を緩め方向に回転して、筒体蓋部(2)に香気保持体(5)(5a)(5b)を内装したまま香りケース本体を2分割する。
基本筒部(1)や細菅パイプ(14)(14a)等を透明材としておくと、分割前に内部の香液状態を外から覗くことが可能である。
分割後、筒体蓋部(2)の嵌合部(3)から外方に大きく突出する細管パイプ(14)(14a)の先端開口部(32)を香水液に浸す。
図示しないが、小孔(31)の内周壁面には、軸方向に複数本の細凹溝、または細凸溝を設けておくと、平滑面よりも吸引力を増やすことができる。
本発明「1型」では、この小孔(31)と通過間隙(28)と螺旋小溝(17)等との合計容積を1本の小孔や狭隘間隙や小溝とすることで、微細な全体液の容量として香水液使用量を少なくしている。
揮発室(4)の容積量は、図4で示すように、外方細径筒部(26)の外径寸法を細くすれば、外周パイプ(23)の内方取付孔(16)との間隙量が増え、太くすると減り、揮発室(4)は0から最大容量まで、設計時点で、必要に応じ増減調節することができる。
上方香り発散方式「A」では、前記状態の蓋体筒部(2)を、基本筒部(1)に嵌合部(3)を介して締め込むと、香りケース本体「K」となる。
外周パイプ(23)(23a)内部に、綿やスポンジ等の浸透性材から成る香気保持筒(18a)を挿入した状態での香水液の流れは、香りケース本体を2分割した、筒体蓋部(2)の嵌合部(3)から外方に大きく突出する細管パイプ(14)(14a)の先端を香水液に浸すと、毛管現象で吸引される香水液が香液吸入端部(28a)を経て、香気保持筒(18a)内に吸い上げられる。
浸透性材は、外気接触表面積が大きいと、揮発量が大と成る性質を有するので、開口(13)側である出口側近傍のみを、小面積の香気発散面とし、他の入口テーパー面側から筒体外周囲を、外周パイプ(23)(23a)の内面に押し付けて、発散を抑制し香気の保持力を高めている。
図14で示す、通路付キャップ(20b)と、開口通路閉鎖壁(37)の天井面(38)利用の、有段階絞り方式とすると、更に香気発散を抑制し得る。
図6で示す「3型」の香気保持体(5b)は、外周パイプ(23)(23a)や細菅パイプ(14)(14a)等を「1型」と同形部材とし、外周パイプ(23)(23a)内の下方に内装する短香気保持筒(18b)と、上方出口側に挿入する短揮発筒(18c)を、別部材としており、短香気保持筒(18b)は、綿やスポンジ等の浸透性材から成り、短揮発筒(18c)は「1型」と同素材とし、両部材を組み付けると図13で示すように、「1型」で示す揮発筒(18)全体と、外形を略同形状としている。
「1型」が、長期間に亘り仄かな香りを発散し、「2型」が、大きな浸透性材により多くの香気容量を保有し、絞り部を少なくして香気を出し易くするものに対し、「3型」構成は、中程度の浸透性材である短香気保持筒(18b)と、絞り部である短螺旋小溝(17c)とにより、細菅パイプ(14)(14a)から吸引する香水液を、短香気保持筒(18b)部の浸透性材中で液体又は気化させて保有し、絞り部である短螺旋小溝(17c)部に、液体又は気化状態の香気を作用させるから、小さな絞り部で目詰まりを生じ難くし香気の流れを阻害しない。
下方香り発散方式「B」では、香りケース本体「K」を上下反転して使用するだけで、部材の形状に変更は無いので、作用や効果で異なっている点を主体に説明し、「A」方式と変わらない点は省略する。
通路付キャップ(20a)は、香りケース本体「K」の下端部に配する、蓋体筒部(2)の有底壁(6)に開口する香気通路(7)全体外周を覆う、着脱自在のキャップである。
密閉キャップ(19a)は、クリップ(21)を一体化しており、香りケース本体「K」の基本筒部(1)上端部に取り付けている。
香水液は、揮発筒(18)の1本の微細な螺旋小溝(17)内を毛細管現象にて進んで行くが、揮発室(4)入り口部の間隙が広くなり毛細管現象が起こらず、また、細管パイプ(14)の小孔(31)から新たな液補給も無いので、香水液が滴下漏出する恐れも生じず、安定した香気のみの発生を続けることができる。
香気の外部への発散を止める時は、上下のキャップを差し替えて、密閉キャップ(19a)で、香りケース本体「K」の下端部に設けた蓋体筒部(2)の有底壁(6)に開口する香気通路(7)全体を覆えば良い。
また、図例の香りケース本体では、上下両端部を径小筒部(10)と径小蓋部(11)としているが、中央部分の筒体と同径の両端部とし、キャップ側の内径を大きくしていても同効である。
図例中で、クリップを有しない香りケース図12・図13・図14では、両端のキャップの何れか、または、筒部、筒体の一部等に紐通し小孔部を設け、小孔に紐を付けてぶら下げれば良い。
また、各部材で透明材としての説明が特に無かった部材は、半透明材や不透明材や表面をメッキ等で処理し、それぞれの変化を楽しんで良い。
3 嵌合部 4 揮発室
5 香気保持体「1型」 5a 香気保持体「2型」
5b 香気保持体「3型」 6 有底壁
6a 有底壁 7 香気通路
7a 香気通路 8 雄ネジ
9 雌ネジ 10 径小筒部
11 径小蓋部 12 取付孔
13 開口 14 細管パイプ
14a 細管パイプ 15 筒状中間部
16 内方取付孔 17 螺旋小溝
17c 短螺旋小溝 18 揮発筒
18a 香気保持筒 18b 短香気保持筒
18c 短揮発筒 19 密閉キャップ
19a 密閉キャップ 20 通路付キャップ
20a 通路付キャップ 20b 通路付キャップ
21 クリップ 22 開口通路
22a 開口通路 23 外周パイプ
23a 外周パイプ 24 テーパー
25 案内溝 26 外方細径筒部
27 内方細径筒部 28 通過間隙
28a 香液吸入端部 29 収納室
30 内端細径軸筒 31 小孔
32 先端開口部 33 調整孔
34 径大内側孔 35 空隙
36 フィルター体 37 開口通路閉鎖壁
38 天井面 39 香気筒「組」
40 取付座 41 小孔
A 上方香り発散方式 B 下方香り発散方式
D 外径 F 回転方向
K 香りケース本体
Claims (6)
- 所定外径有底筒状の基本筒部(1)と所定外径有底筒状の蓋体筒部(2)で両者内側間の対向筒部を嵌合部(3)を介して組付け、蓋体筒部(2)内周部に、揮発室(4)または揮発開口(13)部を有する香気保持体(5)の基端部を取付け、蓋体筒部(2)の有底壁(6)に香気通路(7)を開口することを特徴とした香りケース。
- 嵌合部(3)は雄ネジ(8)と雌ネジ(9)のネジ嵌合とし、さらに筒部の両外側端部を夫々径小外径の径小筒部(10)と径小蓋部(11)とし、この径小蓋部(11)内周部の取付孔(12)に香気保持体(5)の外側端部を嵌入することを特徴とした請求項1記載の香りケース。
- 香気保持体(5)は、略等径で細長い揮発筒(18)と、その外周囲を覆う外周パイプ(23)と、外周パイプ(23)から内端方向に突設する細管パイプ(14)の組合せであって、揮発筒(18)の基端側を小径とした外方細径筒部(26)とし、内端側に香液通過間隙(28)を設け、その揮発筒(18)外周面に1本の螺旋小溝(17)を刻設し、細管パイプ(14)内には、先端開口部(32)付きの1本の小孔(31)を設けていることを特徴とした請求項1乃至2記載の香りケース。
- 香気保持体(5a)は、略等径で細長い浸透性材から成る香気保持筒(18a)と、その外周囲を覆う外周パイプ(23)と、外周パイプ(23)から内端方向に突設する細管パイプ(14)の組合せとし、香気保持筒(18a)の基端側に揮発開口(13)部を臨ませ、内端側に香液吸入端部(28a)を位置させ、細管パイプ(14)内には、先端開口部(32)付きの1本の小孔(31)を設けていることを特徴とした請求項1乃至2記載の香りケース。
- 香気保持体(5b)は、外周パイプ(23)内周の基端側に略等径で細長い非浸透性材から成り外周面に1本の短螺旋小溝(17c)を刻設した短揮発筒(18c)を配設し、内端側に浸透性材から成る短香気保持筒(18b)とを配し、外周パイプ(23)の内端からさらに内方側に突設する細管パイプ(14)を設け、この細管パイプ(14)内には、先端開口部(32)付きの1本の小孔(31)を設けていることを特徴とした請求項1乃至2記載の香りケース。
- ケース体筒部両外端の径小筒部(10)と径小蓋部(11)部分には、同内径とした密閉キャップ(19)または通路付きキャップ(20)の何れかを着脱自由に取付けることを特徴とした請求項1乃至5記載の香りケース。
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