例えば、自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、例えば、図4および図5に示すように構成されている。ケーシング50の内側には入力軸1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11が回転自在に挟持されている。
図4中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられると共に、入力側ディスク2の背面(図4の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
図5は、図4のA−A線に沿う断面図である。図5に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図5においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図5の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部23bの周囲には、各パワーローラ11がラジアルニードル軸受35を介して回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図5の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図5の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は円筒面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持するシリンダボディ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図5で上下逆方向)となっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向となっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向となった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図5の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成されたシリンダボディ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33とシリンダボディ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、さらにこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図5の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。
その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動する。
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
ところで、トロイダル型無段変速機等の機械では、各部材の組み立てのために、例えば、部材に軸が貫通するような部分において、部材の貫通孔の内径と軸の外径との間の隙間を最適なものにする必要がある。例えば、軸と部材とが固定されるのか、軸と部材とが相対的に軸の軸方向に沿って移動するのかあるいは軸が回転するのか等によって隙間の大きさを考慮する必要がある。
例えば、上述のように軸と部材とが軸方向に相対的に移動する場合に、隙間が狭いと、軸や部材が動作中に外部からの力により弾性変形した際に、軸を部材が挟み込んでしまい、移動が困難になってしまう虞がある。
また、軸受を介して部材に対して軸が相対的に回転する場合に、軸の外周面と軸受の玉やニードルの外周面と、部材の貫通孔の内周面とのそれぞれの隙間を合わせた隙間が狭いと、動作中に軸や部材が外部からの力により弾性変形した場合に、軸受及び軸を部材が挟み込んで、回転が困難になる虞がある。また、上述のような隙間に基づく振動や部材の中心軸と回転中心のズレ等が生じると、フレッチング発生の要因になる場合がある。
このようなトロイダル型無段変速機においては、例えば、入力側ディスク2,2が入力軸1に固定されているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、一対の出力側ディスク3,3の入力軸1が貫通する貫通孔に、外周側に出力歯車44を備える筒状の部材が圧入されたトロイダル型無段変速機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、入力軸1を回転自在に支持する軸受の入力軸1と軸受(ニードルや球)との径方向に沿った隙間が、入力軸1と出力側ディスク3との間に配置される軸受と、この軸受に支持される被支持部材(入力軸1または出力側ディスク3)との径方向に沿った隙間より大きくされたトロイダル型無段変速機が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
背面に油圧式の押圧装置12の油室を備える入力側ディスク2において、前記油室を構成する有蓋円筒状の第1シリンダの内周面に入力側ディスク2の外周面が略当接した状態に配置され、入力側ディスク2の入力軸1が貫通する貫通孔の内周面に入力軸1の外周面が略当接した状態に配置されている場合に、第1シリンダの内周面と、入力側ディスク2の外周面との間の隙間(クリアランス)が入力側ディスク2の貫通孔の内周面と、入力軸1の外周面との隙間より大きくされたトロイダル型無段変速機が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
また、入力側ディスク2の背面側にローディングナット9が配置されて入力側ディスク2の背面側への移動が規制されている構造において、このローティングナットと入力側ディスク2との間に配置されるワッシャに油溝を設けて油を供給することにより、入力側ディスク2の背面のフレッチング摩耗を防止するトロイダル型無段変速機が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
ところで、上述の各特許文献1〜5においては、入力軸1の外周面と、入力軸1に支持されるディスク(入力側ディスク2)の貫通孔の内周面との間の隙間や、入力軸1に対して軸受を介して回転自在に支持されるディスク(出力側ディスク3)の軸受の隙間等の各隙間の関係が記載されていない。
たとえば、一対の入力側ディスク2,2においいて、押圧装置12側の一方の入力側ディスク2は、押圧装置12に押された際に、押圧装置12の押圧に基づいて、入力軸1の軸方向へ移動できるようになっている必要がある。他方の入力側ディスク2は、押圧装置12により一方の入力側ディスク2を押した場合に、相対的に入力軸を引っ張る状態となり、それに対応して他方の入力側ディスク2は、入力軸1と一体に回転可能かつ軸方向に移動可能になっている。すなわち、他方の入力側ディスク2は、入力軸1に固定されている。したがって、同じ入力側ディスク2,2であっても、入力軸に対する状況が異なり、上述の隙間もそれらを考慮したものとする必要がある。また、これらの隙間に対して、入力軸1に軸受を介して回転自在に支持される出力側ディスク3における軸受の隙間の関係も問題になる。
しかし、上述のように、各隙間の関係が規定されていないことから、例えば、一対の入力側ディスク2,2の上述の各隙間が同じにされた場合に、一方の入力側ディスク2において、入力側ディスク2が弾性変形した場合に、入力軸1を挟み込んで軸方向に沿った移動が困難になる虞がある。また、他方の入力側ディスク2において、隙間が大きすぎるために入力側ディスク2に僅かな傾きを生じフレッチング発生の要因になる虞がある。また、出力側ディスク3の場合も入力軸1や軸受を挟み込んで、回転が困難になる虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、入力側または出力側の各ディスクとこれらディスクを支持する軸との間の直接的な隙間や、軸受を介した間接的な隙間等の関係を適切にすることが可能なトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた一対の入力側ディスクおよび一対の出力側ディスクと、これら入力側ディスクおよび出力側ディスクの中心部を貫通してこれら入力側ディスクおよび出力側ディスクを支持する軸と、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスク、前記出力側ディスクおよび前記パワーローラに押し付け力を付与する押圧装置とを備えるトロイダル型無段変速機において、一対の前記入力側ディスクおよび一対の前記出力側ディスクのうちの一方の一対のディスクの間に他方の一対のディスクを一体化した一体化ディスクが配置されると共に、前記一体化ディスクと前記軸との間にラジアル軸受が配置されて前記一体化ディスクが前記軸に対して回転自在とされ、一方の一対の前記ディスクのうちの1つの前記ディスクの背面側に、このディスクを前記軸に対して、前記軸の軸方向に沿って押圧する前記押圧装置が設けられ、前記押圧装置が設けられている前記ディスクの内周面とこのディスクを貫通する前記軸の外周面との間の隙間Xが、一方の一対の前記ディスクのうちの他の前記ディスクの内周面とこのディスクを貫通する前記軸の外周面との間の隙間Yより大きく、前記一体化ディスクと前記軸との間のラジアル軸受部分の隙間Zが前記隙間Yより大きいことを特徴とする。
このような構成によれば、一方の一対のディスクの押圧装置が設けられた1つのディスクは、押圧装置に押された際に軸に対して軸方向に移動するのに対して、他の押圧装置が設けられていないディスクは、例えば、軸と共に軸方向に移動することになる。この場合に軸に対して移動するディスクと軸との間の隙間Xが小さいと、動作中に外力によりディスクが弾性変形した場合に軸を挟み込んで、軸に対するディスクの移動が阻害される。
また。押圧装置が設けられず、軸に対して移動しないディスクと軸との間の隙間Yは、軸に対してディスクが移動しないので、ディスクが弾性変形して軸を挟み込んでも問題が生じない。それに対して、隙間Yが大きすぎると、ディスクに大きな隙間Yに基づく振動等のためにフレッチング発生の要因となる虞がある。これらのことから隙間Xは、隙間Yより大きい必要がある。
また、一体化ディスクと、軸との間のラジアル軸受の部分の隙間Zにおいても、隙間Zが狭すぎる場合に、一体化ディスクが弾性変形した際に、ラジアル軸受を挟み込んで、一体化ディスクの回転が阻害される。したがって、隙間Zが上述の隙間Yより大きい必要がある。このように隙間Yより隙間Xおよび隙間Zが大きくなるように、これら隙間X,Y,Zに差を設けた設計とすることにより、上述のような問題の発生を防止できる。
また、別の態様の本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた一対の入力側ディスクおよび一対の出力側ディスクと、これら入力側ディスクおよび出力側ディスクの中心部を貫通してこれら入力側ディスクおよび出力側ディスクを支持する軸と、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスク、前記出力側ディスクおよび前記パワーローラに押し付け力を付与する押圧装置とを備えるトロイダル型無段変速機において、一対の前記入力側ディスクおよび一対の前記出力側ディスクのうちの一方の一対のディスクの間に他方の一対のディスクが配置されると共に、他方の一対の前記ディスクと前記軸との間にラジアル軸受が配置されて他方の一対の前記ディスクが前記軸に対して回転自在とされ、他方の一対の前記ディスクと一体に回転する歯車部材の筒部が、他方の一対の前記ディスクの前記軸が貫通する孔に、他方の一対の前記ディスクと一体に回転可能に嵌合され、一方の一対の前記ディスクのうちの1つの前記ディスクの背面側に、このディスクを前記軸に対して、前記軸の軸方向に沿って押圧する前記押圧装置が設けられ、前記押圧装置が設けられている前記ディスクの内周面とこのディスクを貫通する前記軸の外周面との間の隙間Xが、一方の一対の前記ディスクのうちの他の前記ディスクの内周面とこのディスクを貫通する前記軸の外周面との間の隙間Yより大きく、他方の一対の前記ディスクと前記軸との間のラジアル軸受部分の隙間Zが前記隙間Yより大きく、他方の一対の前記ディスクの内周面と、前記歯車部材の前記筒部の外周面との間の隙間Wが前記隙間Xおよび前記隙間Zより小さいことを特徴とする。
このような構成によれば、隙間Zが上述の隙間Yより大きい必要がある。このように隙間Yより隙間Xおよび隙間Zが大きくなるように、これら隙間X,Y,Zに差を設けた設計とすることにより、上述の本発明と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、歯車部材の筒部と一体に回転するディスクにおけるディスクの内周面と筒部の外周面との隙間Wは、筒部と一体に回転することから、隙間Wが小さくても問題がないが、上述の隙間Yと同様に、隙間Wが大きいとフレッチング発生の要因となる。
以上のことから、隙間Wが上述の隙間Xおよび隙間Zより小さくなるように各隙間W,X,Yに差を設けた設計とすることにより、弾性変形による挟み込みや、フレッチングの発生といった問題を解消することができる。
また、別の態様の本発明のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的にかつ回転自在に設けられた一つの入力側ディスクおよび一つの出力側ディスクと、これら入力側ディスクおよび出力側ディスクの中心部を貫通してこれら入力側ディスクおよび出力側ディスクを支持する軸と、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラと、前記入力側ディスク、前記出力側ディスクおよび前記パワーローラに押し付け力を付与する押圧装置とを備えるトロイダル型無段変速機において、1つずつの前記入力側ディスクおよび前記出力側ディスクのうちの一方の前記ディスクの背面側に、このディスクを前記軸に対して、前記軸の軸方向に沿って押圧する前記押圧装置が設けられ、他方の前記ディスクと前記軸との間にラジアル軸受が配置されて他方の前記ディスクが前記軸に対して回転自在とされ、他方の前記ディスクと一体に回転する歯車部材の筒部が他方の前記ディスクの前記軸が貫通する孔に、他方の前記ディスクと一体に回転可能に嵌合され、他方の前記ディスクと前記軸との間の前記ラジアル軸受部分の隙間Zが、前記押圧装置が設けられている前記ディスクの内周面とこのディスクを貫通する前記軸の外周面との間の隙間Xより大きく、他方の前記ディスクの内周面と、前記歯車部材の前記筒部の外周面との間の隙間Wが前記隙間Xおよび前記隙間Zより小さいことを特徴とする。
このような構成によれば、ラジアル軸受を介して軸に対して回転自在なディスクにおけるラジアル軸受部分の隙間Zが、押圧装置に押されて軸方向に移動するディスクと軸との間の隙間Xより大きくなっているので、ディスクが弾性変形してもラジアル軸受を介してディスクが円滑に回転可能になると共に、押圧装置が設けられたディスクと軸の隙間Xが大きくなりすぎるのを抑制し、フレッチングの発生等を抑制できる。
また、前記筒部に一体に回転可能に嵌合するディスクと筒部との間の隙間Wを上述の隙間Zおよび隙間Xより小さくすることみより、この部分におけるフレッチングを抑制することができると共に、ディスクの弾性変形に基づく上述の隙間Zにおけるラジアル軸受の挟み込みや、隙間Xにおける軸の挟み込みを防止し、これらディスクを円滑に回転することができる。すなわち、各隙間W,X,Zに上述のような差を設ける設計とすることにより、フレッチングの防止やディスクの円滑な回転を実現できる。
本発明によれば、軸とディスクとの間の各隙間に差を設けることによって、フレッチングの防止と、入力側ディスクや出力側ディスクの回転の円滑化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
なお、本実施の形態のトロイダル型無段変速機の特徴は、入力軸(軸)が貫通する入力側ディスク(ディスク)における入力側ディスクの貫通孔の内周面と、入力軸の外周面との間の隙間(クリアランス)や、入力軸に対してラジアルニードル軸受(ラジアル軸受)を介して回転自在な出力側ディスク(ディスク)のラジアルニードル軸受部分の隙間等において、各隙間の大きさの関係を規定することにあるので、以下ではこの点について詳細に説明し、それ以外の部分については、従来と同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機は、一対の入力側ディスク2,2の間に一対の出力側ディスク3,3と出力歯車4とを一体化した一体型出力側ディスク(一体化ディスク)34を配置し、これら一対の入力側ディスク2,2と一体型出力側ディスク34との中央を入力軸(軸)1が貫通した状態となっている。
また、一方の入力側ディスク2(図中左側のディスク)の背面には、一方の入力側ディスク2の背面に油圧室80を備える油圧式押圧装置12が設けられている。この油圧式押圧装置12は、入力軸1に対して一方の入力側ディスク2を一体型出力側ディスク34に向けて押し出すようになっている。言い換えれば、押圧装置12は、一方の入力側ディスク2に対して入力軸1を引っ張るようになっている。
したがって、入力軸1に対して一方の入力側ディスク2は、軸方向に移動自在となっている。この実施の形態では、ボールスプライン6により、入力軸1に対して一方の入力側ディスク2が軸方向に移動自在で回転不可となっており、一方の入力側ディスク2は、入力軸1と一体に回転する。
このような押圧装置12が背面に設けられた一方の入力側ディスク2の内周面2dと、入力軸1の外周面1aのうちの前記内周面2dに対向する部分の隙間を隙間Xとする。この場合に、隙間Xは、ボールスプライン6のボールが無い部分の隙間であり、例えば、スプライン結合している部分で、内周面2dの内径の最大値(最小値)と、外周面1aの外径の最大値(最小値)との差の1/2の値を隙間Xとすることができる。なお、隙間Xは、ボールスプライン6のボールの部分において、一方の入力側ディスク2の内周面2dの内径と、それに対向する入力軸1の外周面1aの外径との差の1/2の値から、ボールスプライン6のボールの径を引いたものであってもよい。
また、油圧式押圧装置12は、入力軸1と一体に回転可能であり、油圧式押圧装置12と一方の入力側ディスク2の外周側をスプライン結合させて、入力側ディスク2を回転させるようにしてもよい。この場合に、一方の入力側ディスク2の内周面2dおよび入力軸1の外周面1aに、スプライン溝を設ける必要がなく、これら外周面1aと内周面2dが対向する部分で、これらを径が一定の円筒状としてもよい。この場合は、例えば、外周面1aと内周面2dが対向する部分における内周面2dの内径と外周面1aの外径との差の1/2の値を隙間Xとしてもよい。
他方の入力側ディスク2は、入力軸1が貫通する貫通孔の内周面2cに径が変化する段差2bを備え、この段差2bが入力軸1の外周面1aの段差1dに係合し、入力軸1の軸方向に沿って押圧装置12に近づく側の移動(位置)が規制されている。また、入力軸1の他方の入力側ディスク2の背面側には、コッタ溝73が設けられ、このコッタ溝73にコッタ72が取り付けられると共に、コッタ72がコッタホルダ74で押さえられている。
このコッタ72は、上述の段差1dと段差2bが突き当たって位置決めされた状態で、他方の入力側ディスク2の背面の位置(移動)を規制する。これにより、他方の入力側ディスク2は、入力軸1の軸方向に沿った移動が規制されている。また、入力軸1と他方の入力側ディスク2は、スプライン結合しており、入力軸1と他方の入力側ディスク2とが一体に回転する。
この他方の入力側ディスク2の内周面2cと、入力軸1の外周面1aのうちの内周面2cに対向する部分との隙間を隙間Yとする。この隙間Yは、スプライン結合していない部分の隙間であり、内周面2cの内径と、内周面2cに対向する外周面1aの外径との差の値の1/2を隙間Yとする。なお、スプライン結合部分において、内周面2cの内径の最大値(最小値)と、内周面2cに対向する外周面1aの外径の最大値(最小値)との差の値の1/2を隙間Yとしてもよい。
一体型出力側ディスク34は、従来の一対の出力側ディスク3,3と出力歯車4とが一体に形成されたものである。この一体型出力側ディスク34は、その両面がそれぞれ一対の入力側ディスク2,2のいずれかに対向する上述の内側面3a,3aとされている。また、一体型出力側ディスク34の外周面に出力歯車4としての歯41が設けられている。
一体型出力側ディスク34の内周面77と、入力軸1の外周面1aのうちの内周面77との間には、一対のラジアルニードル軸受5が設けられている。これらラジアルニードル軸受5は、一体型出力側ディスク34の軸方向の両端部にそれぞれ設けられている。このラジアルニードル軸受5における隙間を隙間Zとする。
この場合に、例えば、ラジアルニードル軸受5を介して対向する部分における一体型出力側ディスク34の内周面77(ラジアルニードル軸受5の部分)の内径と入力軸1の外周面1aの外径との差の値からラジアルニードル軸受5のニードルの直径の2倍を減算して1/2とした値を隙間Zとする。
本実施の形態においては、隙間X>隙間Yであり、かつ、隙間Z>隙間Yとなっており、隙間Yが隙間Xおよび隙間Zより小さくなっている。言い換えれば、隙間Xおよび隙間Zは、隙間Yより大きくなっている。
ここで、隙間Xは、入力軸1に対して軸方向に移動自在な一方の入力側ディスク2における隙間であり、この隙間Xが小さすぎると、入力軸1や入力側ディスク2が外力で弾性変形した場合に、入力側ディスク2が入力軸1を挟み込んで、入力軸1に対して一方の入力側ディスク2が移動できなくなる虞がある。
それに対して、他方の入力側ディスク2は、入力軸1に対して軸方向移動も回転移動もせず、入力軸1と略一体に動作する構造なので、動作中に外力により弾性変形して入力軸1を挟み込むような状態となって、入力軸1に対して移動できなくなっても問題がない。したがって、隙間Yを隙間Xより小さくすることが好ましい。また、隙間Yが大きすぎると、入力軸1に対して他方の入力側ディスク2が僅かに傾くなどしてフレッチング発生の要因になる虞があり、隙間Yを隙間Xより小さくすることが好ましい。
同様に隙間Zを狭くし過ぎると、一体型出力側ディスク34がラジアルニードル軸受5および入力軸1を挟み込んで回転できなくなる虞があるので、ラジアルニードル軸受5における隙間Zは、隙間Yより大きくする必要がある。
このようなトロイダル型無段変速機によれば、各隙間X,Y,Zの関係が適切なものとなり、一方の入力側ディスク2の軸方向の円滑な移動と、一体型出力側ディスク34の円滑な回転を確保することができると共に、他方の入力側ディスク2のフレッチングを防止することができる。
(第2の実施の形態)
図2に示すように、第2の実施の形態のトロイダル型変速機においては、図4に示す従来の場合と同様に、一対の出力側ディスク3,3と出力歯車4が別々の部材からなっている。また、従来と同様に出力歯車4の筒状のフランジ部(筒部)4aが一対の出力側ディスク3,3のそれぞれの大径部の内周面77bに挿入され、例えば、スプライン結合により、フランジ部4aと一対の出力側ディスク3,3が一体に回転するようになっている。また、出力側ディスク3,3の内周面77bと、フランジ部4aの外周面とはインロー構造になっている。なお、インロー構造の部分より小径側が入力軸1にスプライン結合するようになっている。
このインロー構造におけるフランジ部4aの外周面と、出力側ディスク3,3の内周面77bとの間の隙間を隙間Wとする。この隙間Wは、基本的には、出力側ディスク3,3の内周面77bのインロー構造部分における内径と、フランジ部4aのインロー構造部分における外径と差の1/2である。
また、出力側ディスク3,3の小径部分の内周面77aとそれに対向する部分の入力軸1の外周面1aとの間には、ラジアルニードル軸受5が設けられている。このラジアルニードル軸受5の部分の隙間を第1の実施の形態の隙間Zと同様に隙間Zとする。
また、押圧装置12が取り付けられる一方の入力側ディスク2の内周面2dと入力軸1の外周面1aとの隙間を第1の実施の形態の隙間Xと同様に隙間Xとする。
また、押圧装置12が取り付けられていない側の他方の入力側ディスク2の内周面2cと入力軸1の外周面1aとの隙間を第1の実施の形態の隙間Yと同様に隙間Yとする。
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様に、隙間X>隙間Yであり、かつ、隙間Z>隙間Yとなっており、隙間Yが隙間Xおよび隙間Zより小さくなっている。言い換えれば、隙間Xおよび隙間Zは、隙間Yより大きくなっている。これにより、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、第2の実施の形態においては、隙間X>隙間W、隙間Z>隙間Wとされている。隙間Xは、上述のように小さすぎると、入力側ディスク2が外力で弾性変形した場合に、入力側ディスク2が入力軸1を挟み込んで、入力軸1に対して一方の入力側ディスク2が移動できなくなる虞がある。
隙間Zは、上述のように出力側ディスク3,3の小径部分の内周面77aとそれに対向する入力軸1の部分の外周面1aとの間に設けられたラジアルニードル軸受5の部分の隙間であり、小さすぎると、出力側ディスク3,3が弾性変形した際に、ラジアルニードル軸受5を挟み込んで回転が困難になる。
また、隙間Wは、出力歯車4のフランジ部4aの外周面と、出力側ディスク3,3の内周面77bとの間の隙間であり、出力歯車4と出力側ディスク3,3が一体に回転することから隙間Wが狭くても問題がない。一方、隙間Wが大きすぎると、フラッチング発生の要因になる虞がある。したがって、上述のように隙間X>隙間W、隙間Z>隙間Wとすることにより、上述のような問題を解消できるように各隙間を適切なものにすることができる。
(第3の実施の形態)
図3に示すように、第3の実施の形態においては、第1の実施の形態のトロイダル型無段変速機がダブルキャビティ型だったのに対して、シングルキャビティ型のトロイダル型無段変速機になっている。
シングルキャビティ型では、入力側ディスク2と、出力側ディスク3とが1つずつ設けられ、これら入力側ディスク2と出力側ディスク3との間にパワーローラ11が挟持されている。
また、この例では、ローディングカム式の押圧装置12が入力側ディスク2の背面側に設けられている。この押圧装置12が入力軸1と一体に回転可能なのに対して、押圧装置12が背面側に設けられる入力側ディスク2は、入力軸1に対してラジアルニードル軸受78を介して回転自在となっている。なお、入力トルクが変化しない状態では、押圧装置12により入力側ディスク2に対して押し付け力が作用した状態で、押圧装置12(入力軸1)と入力側ディスク2が略一体に回転する。但し、トルクが入力した際(変化した際)にローディングカムに対して入力側ディスク2が回転しないと、押圧装置12の押圧力を変化させられない。また、入力側ディスク2は、入力軸1の軸方向に移動可能となっている。
また、出力歯車4は、1つの出力側ディスク3に対応して1つの筒状のフランジ部4aを備えている。このフランジ部4aが出力側ディスク3,3の大径部の内周面77bに挿入され、例えば、スプライン結合により、出力歯車4のフランジ部4aと出力側ディスク3,3が一体に回転するようになっている。また、出力側ディスク3,3の内周面77bと、フランジ部4aの外周面とはインロー構造になっている。なお、出力側ディスク3,3は、インロー構造の部分より小径側が入力軸1にスプライン結合するようになっている。
出力側ディスク3は、入力軸1との間にラジアルニードル軸受5を備え、入力軸1に対して回転可能になっている。すなわち、出力側ディスク3は、出力側ディスク3と出力歯車4が一体に回転し、出力側ディスク3が入力軸1に対して回転する。
シングルキャビティ型のトロイダル型無段変速機には、ケーシング50に支持されて押圧装置12の押し付け力に基づいて出力側ディスク3にかかるスラスト荷重を受ける出力側アンギュラ軸受81と、押圧装置12が入力側ディスク2に対して入力軸1を引き込むとにより作用するスラスト荷重を受ける入力側アンギュラ軸受82と備えている。
第3の実施の形態において、入力側ディスク2のラジアルニードル軸受78が無い部分の内周面84と、入力軸1の外周面1aのうちの内周面84と対向する部分との隙間を隙間Xとする。この隙間Xは、上述の第1および第2の実施の形態の隙間Xと同様の隙間である。
また、出力側ディスク3の小径部の内周面77aと、入力軸1の外周面1aの内周面77aに対向する部分との間のラジアルニードル軸受5の隙間を隙間Zとする。この隙間Zは、上述の第1および第2の実施の形態の隙間Zと同様のものである。
また、出力側ディスク3の大径部のインロー部の内周面77bと、出力歯車4の円筒状のフランジ部4aの外周面との隙間を隙間Wとする。この隙間Wは、上述の第2の実施の形態の隙間Wと同様のものである。
第3の実施の形態においては、隙間Z>隙間Xであり、かつ、隙間X>隙間Wであると共に、隙間Z>隙間Wである。すなわち、ラジアルニードル軸受5を介して入力軸1に対して回転自在な出力側ディスク3におけるラジアルニードル軸受5の部分の隙間Zが押圧装置12に押されて軸方向に移動する入力側ディスク2と入力軸1との間の隙間Xより大きくなっているので、出力側ディスク3が弾性変形してもラジアルニードル軸受5を介して出力側ディスク3が円滑に回転可能になると共に、押圧装置12が設けられた入力側ディスク2と入力軸1の隙間Xが大きくなりすぎるのを抑制し、フレッチングの発生等を抑制できる。
また、隙間Wは、隙間Xおよび隙間Zより小さい。ここで、隙間Xは、入力軸1に対して回転自在かつ軸方向に移動自在な入力側ディスク2と入力軸1との隙間であり、隙間Xが小さ過ぎると、入力側ディスク2が外力により弾性変形した際に、入力軸1を挟み込んで回転移動、軸方向移動ができなくなる。
同様に、入力軸1と出力側ディスク3との間のラジアルニードル軸受5の部分の隙間Zが小さ過ぎると、出力側ディスク3が外力により弾性変形した際に、ラジアルニードル軸受5を挟み込み、入力軸1に対して出力側歯車が回転できなくなる。
それに対して、出力歯車4のフランジ部4aに対して出力側ディスク3は、回転不可となっていると共に軸方向移動も不可となっている。すなわち、出力歯車4と出力側ディスク3は一体に移動するようになっている。したがって、出力側ディスク3が弾性変形してフランジ部4aを挟み込んでも問題がなく、この部分の隙間Wを隙間Xおよび隙間Zより狭くすることができる。このように隙間Z>隙間X、隙間X>隙間W、隙間Z>隙間Wとすることにより各隙間を最適なものにすることができる。
なお、第1〜第3の実施の形態において、入力側ディスク2と出力側ディスク3との配置や軸との関係を逆にするように入れ替えてもよい。例えば、一対の出力側ディスク3の間に一対の入力側ディスク2を配置したり、出力側ディスク3の背面に押圧装置12を設けたり、入力軸1を出力側の軸としたり、出力歯車4に代えて入力側ディスク2と一体に回転するに入力歯車を設けたりしてもよい。また、押圧装置12は、油圧式であってもローディングカム式であってもよい。
本発明は、シングルキャビティ式やダブルキャビティ式の様々なハーフトロイダル型無段変速機の他、トラニオンが無いフルトロイダル型無段変速機にも適用することができる。