JP2015089860A - コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、当該混和材を用いたコンクリート及びその製造方法 - Google Patents

コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、当該混和材を用いたコンクリート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンクリートの塩化物イオン浸透性を抑制するとともに、強度発現性に優れる、コンクリートに配合するコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材を提供することである。
【解決手段】コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材は、珪酸質系鉱物質微粉末、炭酸リチウム、及び、膨張材または早強ポルトランドセメントから成り、当該珪酸質系鉱物質微粉末を84.5〜91.5質量%、炭酸リチウムを1.0〜3.0質量%、膨張材または早強ポルトランドセメントを7.5〜12.5質量%で含む。当該コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材を結合材100質量部中に15〜30質量部含有されるように配合してコンクリートを調製する。
【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、当該混和材を用いたコンクリート及びその製造方法に関し、特にプレキャストコンクリート製品の外部からの塩化物イオン浸透抵抗性を改善するためのコンクリートに配合する無機化合物混和材、当該混和材を用いたコンクリート及びその製造方法に関する。
近年、土木・建築分野において、コンクリート構造物の耐久性向上に対する要望が高まっており、その一つに外部からの塩化物イオン浸透抵抗性の向上がある。
コンクリート構造物の劣化要因は、塩化物イオンの存在によってコンクリート構造物の内部にある鉄筋が腐食されることに起因している。
特に、海岸地域における飛来塩分や、寒冷地域で使用される凍結防止剤に含まれる塩化物イオンは、コンクリート中に浸透・拡散して、コンクリート内の鉄筋を腐食させる。
かかる塩害を抑制するために、コンクリートの塩化物イオン浸透抵抗性を高める手法が提案されている。
例えば、特開2010−100472号公報(特許文献1)には、CaO/Alモル比が0.15〜0.7のブレーン比表面積値で2000〜7000cm/gのカルシウムアルミネート化合物30〜90質量部と収縮低減剤70〜10質量部とを含有してなるセメント混和材であって、収縮低減剤が、低分子量アルキレンオキシド共重合体系、グリコールエーテル・アミノアルコール誘導体、低級アルコールのアルキレンオキシド付加物の中から選ばれる1種又は2種以上である、セメント混和材及び当該混和材を用いたコンクリートが開示されている。
また、「コンクリートの塩化物イオン拡散係数試験方法の制定と規準化が望まれる試験方法の動向」(土木学会:コンクリート技術シリーズ55、PP33−34、2004)(非特許文献1)には、一般にコンクリートの塩化物イオンの抵抗性を高めるのには、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、メタカオリン等の鉱物質微粉末を混合することがよいことが記載されている。
しかし、上記従来の混和材をセメント材料に配合すると、強度発現性が劣ってしまう。特に、蒸気養生等を行うプレキャストコンクリート製品に、上記従来の混和材を用いると、強度発現性が低下し、所定の時間で型枠の解体等の次工程に迅速に移行することができないという問題があった。
特開2010−100472号公報
「コンクリートの塩化物イオン拡散係数試験方法の制定と規準化が望まれる試験方法の動向」(土木学会:コンクリート技術シリーズ55、PP33−34、2004)
本発明の目的は、コンクリートの塩化物イオン浸透性を抑制するとともに、強度発現性に優れる、コンクリートに配合するコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材を提供することである。
また、本発明のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材を含むことで、外部からの塩化物イオン浸透性を抑制するとともに、強度発現性に優れるコンクリート、特にプレキャストコンクリート、及び当該コンクリートの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するために、特定の材料から成るとともに、当該材料を特定の配合割合で含有する無機混和材が、上記目的を達成することを見出し、本発明に到った。
請求項1に記載の発明は、珪酸質系鉱物質微粉末、炭酸リチウム、及び、膨張材または早強ポルトランドセメントから成り、当該珪酸質系鉱物質微粉末を84.5〜91.5質量%、炭酸リチウムを1.0〜3.0質量%、膨張材または早強ポルトランドセメントを7.5〜12.5質量%で含むことを特徴とする、コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材において、珪酸質系鉱物質微粉末はSiOを55〜65質量%含み、膨張材はカルシウムサルホアルミネート系膨張材、石灰系膨張材及びエトリンガイト−石灰複合系膨張材からなる群より選ばれることを特徴とする、コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材である。
請求項3記載の発明は、セメント、請求項1または2記載のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、粗骨材及び細骨材を含み、前記セメント及びコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材からなる結合材100質量部中、前記コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材が15〜30質量部含有されてなることを特徴とする、コンクリートである。
請求項4記載の発明は、セメント、前記セメント及び請求項1又は2記載のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材からなる結合材100質量部中に15〜30質量部の含有割合となるように配合される請求項1または2記載のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、粗骨材、細骨材及び水を配合して練り混ぜ、蒸気養生することにより調製することを特徴とする、コンクリートの製造方法である。
請求項5記載の発明は、請求項4記載のコンクリートの製造方法において、前記蒸気養生後、常温で封かん養生することを特徴とする、コンクリートの製造方法である。
本発明のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材を、任意のコンクリート、特にプレキャストコンクリートに含有させることにより、強度発現性を損ねることなく、外部から侵入する塩化物イオンの浸透抵抗性を向上させることが可能となる。
また、特に蒸気養生等をおこなって得られるコンクリート、特にプレキャストコンクリートに用いることで、強度発現性を良好に保持するとともに、塩化物イオンの浸透抵抗性を向上させる。
更に、本発明のコンクリートの製造方法は、強度発現性を損ねることなく、塩化物イオンの浸透抵抗性を向上させたコンクリート、特に蒸気養生等を用いて強度発現性を損ねることなく耐塩化物イオン浸透性を向上させたプレキャストコンクリートを有効に製造することができる。
図1は、本発明のコンクリートを製造する際の蒸気養生条件の一例を示す線図である。
本発明を以下の実施の形態により説明するが、これらに限定されるものではない。
なお、本発明において、「結合材」とは、セメント及びコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材を意味するものである。
本発明の塩化物イオン浸透抑制無機混和材は、珪酸質系鉱物質微粉末、炭酸リチウム、及び、膨張材または早強ポルトランドセメントから成り、当該珪酸質系鉱物質微粉末を84.5〜91.5質量%、炭酸リチウムを1.0〜3.0質量%、膨張材または早強ポルトランドセメントを7.5〜12.5質量%で含むことを特徴とする、コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材である。
本発明の塩化物イオン浸透抑制無機混和材に含まれる珪酸質系鉱物質微粉末としては、SiOを55〜65質量%含む鉱物微粉末を好適に使用することができる。特に珪酸質系鉱物質微粉末は、微粉末とすることが塩化物イオン浸透性を抑制する点から望ましく、ブレーン比表面積は5050〜5850cm/gであること望ましい。
更に、該珪酸質系鉱物質微粉末は、湿分が約0.2質量%以下、強熱減量が約2.4質量%以下、密度が2.35〜2.45g/cmであるものがより望ましく例示される。
また本発明の塩化物イオン抑制無機混和材に含まれる膨張材としては、カルシウムサルホアルミネート系膨張材、石灰石膨張材及びエトリンガイト−石灰複合系膨張材等を例示することができる。特に、カルシウムサルホアルミネート系膨張材を、好適に用いることができる。
例えばカルシウムサルホアルミネート系膨張材は、ブレーン比表面積が2550〜3350cm/g、強熱減量が1.6質量%以下、MgOが1.0〜2.0質量%を含むものを好適に例示することができる。
また、例えばエトリンガイト−石灰複合系膨張材は、遊離石灰を約50質量%、アーウイン(3CaO・Al・CaSO)を約20質量%、無水石膏を約30質量%、MgOを0.9〜2.0質量%含み、ブレーン比表面積が2900〜3300cm/g、強熱減量が1.6質量%以下のものを好適に例示することができる。
また本発明の塩化物イオン抑制無機混和材に含まれる早強ポルトランドセメントは、CSが60〜68質量%、CSが6〜14質量%、間隙室(CA+CAF)が15.5〜18質量%、ブレーン比表面積が4400〜7000cm/gのものを好適に例示することができる。
また本発明の塩化物イオン抑制無機混和材に含まれる炭酸リチウムは、LiCOを95質量%以上含み、レーザー回折・散乱式粒度分析計(日機装(株)製マイクロトラック)によって測定した10%通過粒径が3〜8μm、50%通過粒径が7〜20μm、90%通過粒径が12〜150μmとなる粒度分布を有するものを好適に例示することができる。
本発明の塩化物イオン抑制無機混和材は、珪酸質系鉱物質微粉末、炭酸リチウム及び、膨張材又は早強ポルトランドセメントから成り、珪酸質系鉱物質微粉末を84.5〜91.5質量%、炭酸リチウムを1.0〜3.0質量%、膨張材または早強ポルトランドセメントを7.5〜12.5質量%で含むものである。かかる構成とすることで、上記効果を奏することが可能となる。
かかる本発明の塩化物イオン浸透抑制無機混和材に用いる珪酸質系鉱物質微粉末は、上記珪酸質系鉱物質微粉末と、炭酸リチウムと、膨張材又は早強ポルトランドセメントとを均一に混合することにより得られ、これらの材料が均一に混合されればその混合方法は特に限定されない。
本発明の塩化物イオン浸透抑制無機混和材は、コンクリートに配合添加することで、得られるコンクリートに、良好な強度発現性と塩化物イオン浸透抵抗性を付与することが可能となる。
本発明のコンクリートは、セメント、本発明の上記コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、粗骨材及び細骨材を含み、当該セメント及びコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材からなる結合材100質量部中、前記コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材が15〜30質量部、望ましくは20〜30質量部含有されてなるものである。
本発明の塩化物イオン浸透無機混和材は、任意のコンクリートに配合することができ、特にプレキャストコンクリートに有効に用いることができる。またセメントモルタルやセメントペーストにも配合して用いることができる。
また、本発明のコンクリートの製造方法は、セメント、当該セメント及び本発明のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材からなる結合材100質量部中に15〜30質量部の含有割合となるように配合されるコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、粗骨材、細骨材及び水等を配合して練り混ぜ、蒸気養生することにより調製することができる。
本発明のコンクリートには、塩化物イオン浸透無機混和材のほかに、セメント、粗骨材、細骨材及び水、更に必要に応じて混和剤等を含み、これらの材料とともに、本発明の塩化物イオン浸透無機混和材を練り混ぜ、打設して、養生することにより、本発明のコンクリートを製造することができる。
コンクリート中の水/結合材質量比は限定されず、任意の水/結合材質量比のコンクリートに、本発明の塩化物イオン浸透無機混和材を配合することで、上記効果を奏することが可能である。
セメントとしては、特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、耐硫酸性ポルトランドセメント等のJIS R 5210:2009に規定されるポルトランドセメント、JIS R 5211:2009に規定される高炉セメント、JIS R 5213:2009に規定されるフライアッシュセメント、JIS R 5212:2009に規定されるシリカセメント及びJIS R 5214:2009に規定されるエコセメント等を用いることができる。
また、細骨材や粗骨材は特に限定されるものでなはなく、例えば細骨材としては、川砂、山砂、陸砂、砕砂、海砂、珪砂3〜7号等の比較的粒径の細かい細骨材、JIS A 5011:2003に記載される高炉スラグ骨材、フェロニッケルスラグ骨材、銅スラグ骨材、電気炉酸化スラグ骨材または珪砂粉、石灰石粉等の微粉末等の公知の細骨材を使用することができる。
また、必要に応じて、減水剤、AE剤、高性能AE減水剤、発泡剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、空気量調整剤等の混和剤を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合して、上記材料とともに配合し、混練することが可能である。
コンクリートを製造する混練装置としては、任意の公知の装置を使用することが可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ等を例示することができる。
養生方法としては、公知の任意の養生方法を適用することができるが、特に蒸気養生が望ましい。また、蒸気養生後に、例えば20〜25℃程度の常温で封かん養生することが望ましい。
養生の条件としては、例えば、20℃で3時間前養生を行い、その後40℃で3時間蒸気養生を行い、次いで20℃で封かん養生する方法が例示できるが、これらに限定されるものではない。
このようにして製造された本発明のコンクリートは、水結合材質量比36.0%の場合にJIS A 1108:2006コンクリートの圧縮強度試験方法による材齢14日の圧縮強度が45.5N/mm以上、土木学会規準JSCE−G571−2007電気泳動による塩化物の実効拡散係数が0.7cm/年以下となり、優れた強度発現性を有するとともに、外部からの塩化物イオン浸透抵抗性が改善されたものとなる。
本発明を以下の実施例、比較例及び試験例により説明するが、これらに限定されるものではない。
(材料)
下記表1に使用する材料を示す。
Figure 2015089860
(実施例及び比較例)
上記表1の材料を用いて、下記表2に示す配合割合にて各無機混和材(SO)a〜kを混練し調製した。
Figure 2015089860
(試験例1)
上記表1の材料及び表2の各無機混和材を用いて、下記表3に示す配合割合で、各材料を均一に練り混ぜてコンクリート組成物を調製した。
Figure 2015089860
上記各コンクリート組成物を用いて打設し、直径100mm×高さ50mmの円柱供試体を製造した。
各円柱供試体を図1に示す条件(但し、「注水」とは、コンクリート練り混ぜ時に水とその他の材料を混合した時間のことを表す。前養生は20℃の室内もしくは蒸気を入れていない蒸気養生槽内で実施し、蒸気は前養生終了後(3時間後)に注入を開始した。昇温速20℃/1時間で温度を上昇させ、40℃を3時間保持して蒸気養生を行った後、蒸気の供給を停止し、そのままの状態で18時間自然に常温まで温度を低下させる)の蒸気養生を実施して、材齢14日において、土木学会規準JSCE−G571−2007電気泳動によりコンクリート中の塩化物イオンの実効拡散係数試験法(案)(土木学会規準JSCE−G571−2007)にしたがって、各円柱供試体の実効拡散係数を測定した。その結果を表3に示す。
また、材齢14日における各円柱供試体に圧縮強度を、JIS A 1108:2006コンクリートの圧縮強度試験方法に準じて行った。その結果も表3に示す。
材齢14日の圧縮強度が45.5N/mm以上、実効拡散係数が0.7cm/年以下のコンクリートが、強度を保持しつつ、塩化物イオン浸透抵抗性が改善されたものである。
表3より、本発明の無機混和材を配合したコンクリート(配合No.4、7および12)は、配合No.1の無機混和材を配合しないコンクリートや本発明以外のコンクリート(配合No.2〜3、5〜6、8〜11)と比較して実行拡散係数が大きく減少しており、塩化物イオン浸透抵抗性が改善されていることがわかる。
(試験例2)
下記表4に示す配合割合で、各材料を均一に混合してコンクリート組成物を練り混ぜた以外は、上記試験例1と同様にして円柱供試体を製造して、実効拡散係数及び圧縮強度を測定した。その結果を表4に示す。表4より、異なる目標強度の配合においても、本発明の無機混和材を配合したコンクリートは、無機混和材を配合しないコンクリートと比較して実行拡散係数が大きく減少しており、塩化物イオン浸透抵抗性が改善されていることがわかる。
Figure 2015089860
(試験例3)
下記表5に示す配合割合で、コンクリート中のセメントと本発明の無機混和材からなる結合材の質量に対する無機混和材の質量割合を変え、上記試験例1と同様にして円柱供試体を製造して、実効拡散係数及び圧縮強度を測定した。その結果を表5に示す。表4のコンクリートや表3のコンクリートNo.1、4とを比較することによって、上記質量割合が15.0から30.0の範囲では、無機混和材を配合しないコンクリートと比較して実行拡散係数が大きく減少しており、塩化物イオン浸透抵抗性が改善されていることがわかる。
Figure 2015089860
(試験例4)
本発明の無機混和材に換えて、一般に耐塩害性を向上させることが知られているフライアッシュII種(SiOが59.0質量%、湿分が0.12質量%、強熱減量が1.7質量%、密度が2.28g/cm、ブレーン比表面積が3960cm/g、表中の略号FA)を表6示す配合割合で使用した。
Figure 2015089860
表1の材料及び本発明の無機混和材に代えてフライアッシュII種を用いて、上記表6に示す配合割合で、各材料を均一に混合してコンクリート組成物を調製した以外は、上記試験例1と同様にして円柱供試体を製造して、実効拡散係数及び圧縮強度を測定した。その結果を表6に示す。
表6と表3のコンクリート配合No.4を比較すれば、本発明の無機混和材はフライアッシュII種より、実行拡散係数が大きく減少しており、塩化物イオン浸透抵抗性が改善されていることがわかる。また、本発明の無機混和材はフライアッシュII種より、材齢14日の圧縮強度が大きく、強度発現性も改善されていることが明らかである。
本発明のコンクリートの塩化物イオン浸透抵抗性を高める無機混和材は、建築及び土木分野に使用されるコンクリートに配合して適用することができ、特にプレキャストコンクリート製品の塩化物イオン浸透抵抗性を高めるのに有効に適用することができる。

Claims (5)

  1. 珪酸質系鉱物質微粉末、炭酸リチウム、及び、膨張材または早強ポルトランドセメントから成り、当該珪酸質系鉱物質微粉末を84.5〜91.5質量%、炭酸リチウムを1.0〜3.0質量%、膨張材または早強ポルトランドセメントを7.5〜12.5質量%で含むことを特徴とする、コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材。
  2. 請求項1記載のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材において、珪酸質系鉱物質微粉末はSiOを55〜65質量%含み、膨張材はカルシウムサルホアルミネート系膨張材、石灰系膨張材及びエトリンガイト−石灰複合系膨張材からなる群より選ばれることを特徴とする、コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材。
  3. セメント、請求項1または2記載のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、粗骨材及び細骨材を含み、前記セメント及びコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材からなる結合材100質量部中、前記コンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材が15〜30質量部含有されてなることを特徴とする、コンクリート。
  4. セメント、前記セメント及び請求項1又は2記載のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材からなる結合材100質量部中に15〜30質量部の含有割合となるように配合される請求項1または2記載のコンクリート用塩化物イオン浸透抑制無機混和材、粗骨材、細骨材及び水を配合して練り混ぜ、蒸気養生することにより調製することを特徴とする、コンクリートの製造方法。
  5. 請求項4記載のコンクリートの製造方法において、蒸気養生後、常温で封かん養生を行うことを特徴とするコンクリートの製造方法。
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