JP2015089233A - 回転電機のステータ - Google Patents
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Abstract
【課題】締結用部材を通すための締結部がヨーク外周面より径方向外側へ突出して設けられたステータにおいて、ヨークが径方向に振動する共振モードを抑制する。
【解決手段】ヨーク外周面23aよりステータ径方向外側でボルト挿通穴45よりステータ径方向内側の位置にスリット46を設けることで、締結部25が設けられたステータ周方向位置と締結部25が設けられていないステータ周方向位置とでヨーク23のステータ径方向剛性の差を小さくすることができる。その結果、締結部25が設けられたステータ周方向位置を節、締結部25が設けられていないステータ周方向位置を腹としてヨーク23がステータ径方向に振動する円環振動モードの発生を抑制することができる。
【選択図】図1
【解決手段】ヨーク外周面23aよりステータ径方向外側でボルト挿通穴45よりステータ径方向内側の位置にスリット46を設けることで、締結部25が設けられたステータ周方向位置と締結部25が設けられていないステータ周方向位置とでヨーク23のステータ径方向剛性の差を小さくすることができる。その結果、締結部25が設けられたステータ周方向位置を節、締結部25が設けられていないステータ周方向位置を腹としてヨーク23がステータ径方向に振動する円環振動モードの発生を抑制することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機のステータに関し、特に、締結用部材を通すための締結部がヨーク外周面より径方向外側へ突出して設けられたステータに関する。
下記特許文献1には、ボルト締結部がヨーク外周面より径方向外側へ突出して設けられたステータが開示されている。
特許文献1のように、ボルト締結部がヨーク外周面より径方向外側へ突出して設けられたステータでは、ヨークの径方向剛性は、ボルト締結部が設けられた箇所で高くなり、ボルト締結部が設けられていない箇所で低くなる。その結果、ボルト締結部が設けられた箇所を節、ボルト締結部が設けられていない箇所を腹としてヨークが径方向に振動する共振モードが発生しやすくなる。
本発明は、締結用部材を通すための締結部がヨーク外周面より径方向外側へ突出して設けられたステータにおいて、ヨークが径方向に振動する共振モードを抑制することを目的とする。
本発明に係る回転電機のステータは、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る回転電機のステータは、ステータ周方向に沿って延びるヨークと、ヨークよりステータ径方向内側へ突出するティースと、ヨーク外周面よりステータ径方向外側へ突出し、締結用部材を通すための挿通空間が形成された締結部と、を備え、締結部においては、ヨーク外周面よりステータ径方向外側で挿通空間よりステータ径方向内側の位置に、締結部が設けられたステータ周方向位置でのヨークのステータ径方向の変形を許容するための変形許容部が設けられていることを要旨とする。
本発明によれば、締結部が設けられたステータ周方向位置と締結部が設けられていないステータ周方向位置とでヨークのステータ径方向剛性の差を小さくすることができる。その結果、ヨークが径方向に振動する共振モードを抑制することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る回転電機のステータの概略構成を示す図であり、ステータの中心軸10に沿った方向から見た図を示す。以下の説明において、ステータ軸方向は、ステータの中心軸10に沿った方向であり、ステータ周方向は、ステータの中心軸10まわりに沿った方向であり、ステータ径方向は、ステータの中心軸10(ステータ軸方向)と直交する方向である。
本実施形態に係るステータは、図示しないロータの外周側に配置され、ステータコア21と、ステータコア21に巻装されたコイル22とを含んで構成される。ステータコア21は、ステータ周方向に沿って延びる円環状のヨーク23と、ヨーク23の内周面よりステータ径方向内側(ロータ側)へ突出する複数のティース24と、ヨーク23の外周面23aよりステータ径方向外側へ突出し、締結用ボルト(締結用部材)15を通すための複数の締結部(耳部)25とを含む。複数のティース24はステータ周方向に互いに間隔をおいて(等間隔で)配置され、各ティース24にコイル22が巻装されている。複数の締結部25も、ステータ周方向に互いに間隔をおいて(等間隔で)配置されている。各締結部25には、締結用ボルト15を通すためのボルト挿通穴(ボルト挿通空間)45がステータ軸方向に沿って形成されている。各締結部25のボルト挿通穴45に締結用ボルト15をステータ軸方向に通してねじ締結を行うことで、ステータコア21を図示しないケーシング(固定部材)に固定することができ、さらに、積層鋼板をステータ軸方向に複数積層してステータコア21を構成する場合は、複数の積層鋼板の締結を行うこともできる。図1では、説明の便宜上、一部のボルト挿通穴45に締結用ボルト15が通されているが、実際には、すべてのボルト挿通穴45に締結用ボルト15が通される。
回転電機においては、ステータのコイル22に交流電流を流すことで、各ティース24が順次磁化してステータ周方向に回転する回転磁界が形成される。そして、ステータの回転磁界とロータの界磁束との電磁気相互作用(吸引及び反発作用)により、ロータにトルクを作用させることができる。その際には、トルクの振動によって、ステータ径方向の加振力(電磁力)がティース24からヨーク23に作用する。ステータコア21は締結部25でケーシングに固定されているため、ヨーク23のステータ径方向剛性は、締結部25が設けられたステータ周方向位置(締結用ボルト15による締結箇所)で高くなりやすく、締結部25が設けられていないステータ周方向位置で低くなりやすい。締結部25が設けられたステータ周方向位置と締結部25が設けられていないステータ周方向位置とでヨーク23のステータ径方向剛性の差が大きくなると、ステータ径方向の加振力に対して、例えば図2に示すような、締結部25が設けられたステータ周方向位置を節、締結部25が設けられていないステータ周方向位置を腹としてヨーク23がステータ径方向に振動する共振モード(円環振動モード)が発生しやすくなる。特に大径多極の回転電機においては、ヨーク23のステータ径方向幅が小さくなるため、ヨーク23のステータ径方向剛性が低下しやすくなり、円環振動モードが発生しやすくなる。
これに対して本実施形態では、締結部25が設けられたステータ周方向位置(締結用ボルト15による締結箇所)でのヨーク23のステータ径方向の変形を許容するための変形許容部としてスリット46を各締結部25に設けている。各スリット46は、ヨーク外周面23aよりステータ径方向外側で、且つボルト挿通穴45(締結用ボルト15)よりステータ径方向内側の位置に形成されている。図1の例では、スリット46はステータ周方向に沿って形成され、締結部25はステータ周方向両端部でヨーク23とつながっている。締結部25(締結用ボルト15よりステータ径方向内側)にスリット46を設けることで、締結部25が設けられたステータ周方向位置でのヨーク23のステータ径方向剛性を低くして、締結部25が設けられたステータ周方向位置と締結部25が設けられていないステータ周方向位置とでヨーク23のステータ径方向剛性の差を小さくすることができる。そのため、ティース24からヨーク23に作用するステータ径方向の電磁力に対して、締結部25が設けられたステータ周方向位置でのヨーク23のステータ径方向の変形が許容される。したがって、締結部25が設けられたステータ周方向位置を節、締結部25が設けられていないステータ周方向位置を腹としてヨーク23がステータ径方向に振動する共振モード(円環振動モード)の発生を抑制することができる。その結果、トルク振動に対するステータの振動・騒音を抑制することができる。その際には、ステータコア21にスリット46を形成するだけで対応可能なため、ステータのコスト増加を抑制することができる。
なお、スリット46をヨーク23に設けた場合は、ヨーク23の磁路断面積がスリット46を設けた箇所で減少する。その結果、ヨーク23を流れる磁束がスリット46を設けた箇所で飽和してトルクが減少する。これに対して本実施形態では、スリット46を締結部25(ヨーク外周面23aよりステータ径方向外側)に設けているため、ヨーク23の磁路断面積を減少させることなく(トルクを減少させることなく)、円環振動モードの発生を抑制することができる。
また、スリット46を設けていない場合は、ボルト締結でステータコア21が変形することによる応力は、例えば図3に示すように、締結部25が設けられたステータ周方向位置で広範囲に発生し、鉄損増加の要因となる。これに対して本実施形態では、スリット46を設けることで、ボルト締結でステータコア21が変形することによる応力は、例えば図4に示すように、ヨーク23と締結部25をつなぐ部分の狭い範囲に減少するため、鉄損を低減することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
15 締結用ボルト、21 ステータコア、22 コイル、23 ヨーク、23a 外周面、24 ティース、25 締結部、45 ボルト挿通穴、46 スリット。
Claims (1)
- ステータ周方向に沿って延びるヨークと、
ヨークよりステータ径方向内側へ突出するティースと、
ヨーク外周面よりステータ径方向外側へ突出し、締結用部材を通すための挿通空間が形成された締結部と、
を備え、
締結部においては、ヨーク外周面よりステータ径方向外側で挿通空間よりステータ径方向内側の位置に、締結部が設けられたステータ周方向位置でのヨークのステータ径方向の変形を許容するための変形許容部が設けられている、回転電機のステータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013225765A JP2015089233A (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 回転電機のステータ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=53051490
Family Applications (1)
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JP2013225765A Pending JP2015089233A (ja) | 2013-10-30 | 2013-10-30 | 回転電機のステータ |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019129622A (ja) * | 2018-01-25 | 2019-08-01 | 本田技研工業株式会社 | 回転電機及びステータ |
US10763710B2 (en) | 2017-06-13 | 2020-09-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Stator for rotary electric machine |
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2013
- 2013-10-30 JP JP2013225765A patent/JP2015089233A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10763710B2 (en) | 2017-06-13 | 2020-09-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Stator for rotary electric machine |
JP2019129622A (ja) * | 2018-01-25 | 2019-08-01 | 本田技研工業株式会社 | 回転電機及びステータ |
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