JP2015089091A - モード変換器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】励振ピンを設けるためのスルーホール形成を、簡素化した工程により行うことができ、これによって作業工程の効率化を図ることができるモード変換器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】信号伝送路C1と導波路40との間で信号を相互に変換するモード変換器であって、第一主面10aおよび第二主面10bを有する第一基板10と、第一基板10の第一主面10a側に積層された第二基板42と、高周波信号を伝播する平面回路Cと、基板10、42を貫通する導電性の励振ピン22と、接地導体層30,31および壁部21Aを有する導波路40と、を備えたモード変換器1。第二主面10b側の接地導体層31と励振ピン22の端部22bとの間にはアンチパッド33が形成されている。第一基板10の基材2は液晶ポリマーからなる。
【選択図】図3
【解決手段】信号伝送路C1と導波路40との間で信号を相互に変換するモード変換器であって、第一主面10aおよび第二主面10bを有する第一基板10と、第一基板10の第一主面10a側に積層された第二基板42と、高周波信号を伝播する平面回路Cと、基板10、42を貫通する導電性の励振ピン22と、接地導体層30,31および壁部21Aを有する導波路40と、を備えたモード変換器1。第二主面10b側の接地導体層31と励振ピン22の端部22bとの間にはアンチパッド33が形成されている。第一基板10の基材2は液晶ポリマーからなる。
【選択図】図3
Description
本発明は、モード変換器およびその製造方法に係り、特にミリ波帯の通信用の導波路に用いられる技術に関する。
近年、ミリ波帯を利用した数G[bps]の高速大容量通信が提案され、その一部が実現されつつある。特に、60GHz帯で動作する無線通信機器は、より重要性を増している。国内においては、59GHzから66GHzまでの広い周波数帯域を、無免許で利用可能であることから、民生分野への普及が期待されており、安価で小型のミリ波通信モジュールの実現が急務である。
小型で安価なミリ波通信モジュールを実現する形態として、非特許文献1、特許文献1には、プリント基板による導波路(ポスト壁導波路アンテナ:PWA Post-Wall Waveguide Antenna)を利用したミリ波モジュールが開示されている。
特許文献1の図1〜図7に示すように、上記技術は、従来の導波路の側壁(金属壁)を、プリント基板のスルーホール群(ポスト群)で置き換えている。無線通信IC(CMOS−IC)がPWAの上に実装されており、ワイヤボンド、バンプ接続などの方法で無線通信IC(特許文献1の明細書中では半導体チップ4と表記。以下同)から出力されたミリ波信号は、一旦、平面回路による伝送線路(マイクロストリップ、コプレーナ、ストリップ等の線路24と表記)を伝わり、平面回路・導波路変換構造(中心導体23と表記)を経て、最終的には導波路構造部(導波路2と表記)へと導かれる。
特許文献1の図1〜図7に示すように、上記技術は、従来の導波路の側壁(金属壁)を、プリント基板のスルーホール群(ポスト群)で置き換えている。無線通信IC(CMOS−IC)がPWAの上に実装されており、ワイヤボンド、バンプ接続などの方法で無線通信IC(特許文献1の明細書中では半導体チップ4と表記。以下同)から出力されたミリ波信号は、一旦、平面回路による伝送線路(マイクロストリップ、コプレーナ、ストリップ等の線路24と表記)を伝わり、平面回路・導波路変換構造(中心導体23と表記)を経て、最終的には導波路構造部(導波路2と表記)へと導かれる。
R.Suga,et al."Cost-FFfective 60-GHz Antenna-Package with End-Fire Radiation from Open-Ended Post-Wall Waveguid FF or Wireless File-Transfer System,"2011 IEEE MTT-S International Microwave Symposiμm, pp. 348-351
前述の技術では、マイクロストリップライン等の伝送線路に接続されるブラインドビアが基板に形成される。
このブラインドビアは、例えば、積層セラミクス基板(LTCC)技術等を用いて、スルーホールを予め形成しておいた二つの基板と、スルーホールを形成しない一つの基板を積層させることで形成される。ブラインドビアの長さは、スルーホールを形成した基板の厚みの合計となる。
しかしながら、前記構造は、基板積層時のスルーホール導体の位置ずれおよび積層時に用いる接着材の影響により、それぞれ、反射特性が劣化する等、設計通りの特性が得られない、導波路の損失が大きくなる等の様々な問題を有していた。
このブラインドビアは、例えば、積層セラミクス基板(LTCC)技術等を用いて、スルーホールを予め形成しておいた二つの基板と、スルーホールを形成しない一つの基板を積層させることで形成される。ブラインドビアの長さは、スルーホールを形成した基板の厚みの合計となる。
しかしながら、前記構造は、基板積層時のスルーホール導体の位置ずれおよび積層時に用いる接着材の影響により、それぞれ、反射特性が劣化する等、設計通りの特性が得られない、導波路の損失が大きくなる等の様々な問題を有していた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、励振ピンを設けるためのスルーホール形成を、簡素化した工程により行うことができ、これによって作業工程の効率化を図るとともに、特性低下を防止できるモード変換器及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、伝送路と導波路との間で信号を相互に変換するモード変換器であって、第一主面およびその反対面である第二主面を有する第一基板と、前記第一基板の第一主面側に積層された第二基板と、前記伝送路を含み、前記第二基板上に形成されて高周波信号を伝播する平面回路と、前記平面回路と接続され、前記第一基板および第二基板を一括して貫通する貫通孔内に設けられた導電性の励振ピンと、前記第一基板の両主面にそれぞれ形成された接地導体層およびこれらを互いに連結する導電性の壁部を有する前記導波路と、を備え、前記第二主面側の接地導体層と前記励振ピンの端部との間に、アンチパッドが形成され、前記第一基板の基材は液晶ポリマーからなるモード変換器を提供する。
前記第二基板は、液晶ポリマーからなる層を含むことが好ましい。
前記壁部は、前記第一基板の両主面間を貫通する複数の貫通孔の内部にそれぞれ形成された複数の導電性のポストからなるポスト壁であることが好ましい。
前記第二基板は、液晶ポリマーからなる層を含むことが好ましい。
前記壁部は、前記第一基板の両主面間を貫通する複数の貫通孔の内部にそれぞれ形成された複数の導電性のポストからなるポスト壁であることが好ましい。
本発明は、伝送路と導波路との間で信号を相互に変換するモード変換器を製造する方法であって、基材が液晶ポリマーからなり、第一主面およびその反対面である第二主面を有する第一基板に対し、前記両主面に形成された接地導体層およびこれらを互いに連結する導電性の壁部を有する前記導波路を設け、前記第一基板の第一主面側に、第二基板を積層し、前記伝送路を含み、高周波信号を伝播する平面回路を前記第二基板上に形成し、前記第一基板および第二基板に、これらを一括して貫通する貫通孔を形成し、前記貫通孔内に、前記平面回路と接続された導電性の励振ピンを形成し、前記第二主面側の接地導体層と前記励振ピンの端部との間に、アンチパッドを形成するモード変換器の製造方法を提供する。
本発明によれば、第一基板の基材が液晶ポリマーで形成されているので、第一基板に第二基板を積層した後でも、ドリル加工により、第一基板を破損させることなく、貫通孔を形成することができる。
ドリル加工による貫通孔形成を、一回の孔開けプロセスにより形成することができるため、作業工程の効率化を図るとともに、作業の信頼性や歩留まりを向上させることかできる。
また、第一基板と第二基板に一括して貫通孔の形成が可能であるので、2つの基板にそれぞれ孔開け作業を行う場合と比較して、各貫通孔間の位置合せが不要になり、その結果、位置ずれが無くなり、位置ずれに起因した伝送特性バラツキを無くすことが可能となる。
また、励振ピンの位置および径が、基板内で画一的に定められるため、伝送特性バラツキの低減に有利である。
また、液晶ポリマーは、誘電率、比誘電率が低く、また、ほとんど吸水をしないために、高周波伝送に適した材料であり、ミリ波帯においても十分な特性を発揮することが可能である。
また、基板に、第一主面から第二主面まで貫通する貫通孔が形成されるので、孔の高さ方向の制御も不要となり、製造が容易となる。
ドリル加工による貫通孔形成を、一回の孔開けプロセスにより形成することができるため、作業工程の効率化を図るとともに、作業の信頼性や歩留まりを向上させることかできる。
また、第一基板と第二基板に一括して貫通孔の形成が可能であるので、2つの基板にそれぞれ孔開け作業を行う場合と比較して、各貫通孔間の位置合せが不要になり、その結果、位置ずれが無くなり、位置ずれに起因した伝送特性バラツキを無くすことが可能となる。
また、励振ピンの位置および径が、基板内で画一的に定められるため、伝送特性バラツキの低減に有利である。
また、液晶ポリマーは、誘電率、比誘電率が低く、また、ほとんど吸水をしないために、高周波伝送に適した材料であり、ミリ波帯においても十分な特性を発揮することが可能である。
また、基板に、第一主面から第二主面まで貫通する貫通孔が形成されるので、孔の高さ方向の制御も不要となり、製造が容易となる。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について図1〜図15を参照して説明する。
なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために、例を挙げて説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本発明の第一実施形態について図1〜図15を参照して説明する。
なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために、例を挙げて説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
本発明の一実施形態に係るモード変換器1の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1(A)および図1(B)は、モード変換器1の構成を模式的に示す図である。図2はモード変換器1の平面図である。図3はモード変換器1の断面図である。
図1〜図3に示すように、モード変換器1は、第一基板10と、第二基板42と、高周波信号伝播用の信号伝送路C1を含む平面回路Cと、基板10,42を貫通する励振ピン22と、導波路40(図3参照)と、を備えている。
第一基板10は、基材2の両面に銅箔3a、3bが積層された構成とすることができる(図3参照)。
基材2は、例えば単一層のLCP(液晶ポリマー)からなる。LCPは熱可塑性の樹脂であるため、LCPの両面に所望の銅箔3a、3bを貼り合せ、熱プレスにより熱融着することによってCCLを作製することが可能である。また、LCPは、誘電率、比誘電率が低く、また、ほとんど吸水をしないために、高周波伝送に適した材料であり、ミリ波帯においても十分な特性を発揮することが可能である。
基材2は、例えば単一層のLCP(液晶ポリマー)からなる。LCPは熱可塑性の樹脂であるため、LCPの両面に所望の銅箔3a、3bを貼り合せ、熱プレスにより熱融着することによってCCLを作製することが可能である。また、LCPは、誘電率、比誘電率が低く、また、ほとんど吸水をしないために、高周波伝送に適した材料であり、ミリ波帯においても十分な特性を発揮することが可能である。
第一基板10は、図3に示すように、主面10a(第一主面)と、その反対面である主面10b(第二主面)とを有する。第一基板10には、主面10a、10b間を貫通する貫通孔11〜13(第一貫通孔11、第二貫通孔12および第三貫通孔13)が形成されている。
図3に示すように、励振ピン22は、第二貫通孔12の内壁12aに設けられた金属層22a(導体層)を有する。金属層22aは、信号伝送路C1に達している。
導体柱21は、第一貫通孔11の内壁11aに設けられた金属層21a、21b(導体層)を有する。金属層21aは、第一基板10の主面10a、10bに形成された導体膜14および導体膜15に達している。
GND接続ビア23は、第三貫通孔13の内壁13aに設けられた金属層23a(導体層)を有する。金属層23aは、信号伝送路C1に達している。
以下、導体柱21、励振ピン22、GND接続ビア23をピン20と総称することがある。
導体柱21は、第一貫通孔11の内壁11aに設けられた金属層21a、21b(導体層)を有する。金属層21aは、第一基板10の主面10a、10bに形成された導体膜14および導体膜15に達している。
GND接続ビア23は、第三貫通孔13の内壁13aに設けられた金属層23a(導体層)を有する。金属層23aは、信号伝送路C1に達している。
以下、導体柱21、励振ピン22、GND接続ビア23をピン20と総称することがある。
平面回路Cは、第一基板10の主面10aの接地導体層30上において、接着層16を介して積層された誘電体層17と、誘電体層17上に銅箔18を介して積層された信号伝送路C1とからなる。
平面回路Cでは、信号伝送路C1の端部に高周波信号(ミリ波信号)を印加すると、信号伝送路C1と接地導体層30との間を、TEMモードの電磁波が伝搬する。
平面回路Cでは、信号伝送路C1の端部に高周波信号(ミリ波信号)を印加すると、信号伝送路C1と接地導体層30との間を、TEMモードの電磁波が伝搬する。
平面回路Cを形成する誘電体層17と、誘電体層17上に積層された銅箔18とは、第二基板42を構成する。また、誘電体層17としては、LCP(液晶ポリマー)からなるフィルムが使用できる。
導体膜14は、第一基板10の主面10aに形成されるものであり、主面10a上にて銅箔3aとともに接地導体層30を構成する。また、導体膜15は、第一基板10の主面10bに形成されるものであり、銅箔3bとともに接地導体層31を構成する。
これら接地導体層30、31は、それぞれ銅等の導体によって構成され、電気的に接地された配線(GND)として機能する。
なお、銅箔3aは接地導体層30の一部として扱うことができるため、基材2の上面を主面10aとみなすことができる。同様に、銅箔3bは接地導体層31の一部として扱うことができるため、基材2の下面を主面10bとみなすことができる。
これら接地導体層30、31は、それぞれ銅等の導体によって構成され、電気的に接地された配線(GND)として機能する。
なお、銅箔3aは接地導体層30の一部として扱うことができるため、基材2の上面を主面10aとみなすことができる。同様に、銅箔3bは接地導体層31の一部として扱うことができるため、基材2の下面を主面10bとみなすことができる。
導波路40は、第一基板10の一方の主面10aおよび他方の主面10bにそれぞれ配された接地導体層30、31と、ポスト壁21Aとから構成される。ポスト壁21Aは、接地導体層30、31の間に立設し、両者を連結する複数の導体柱(ポスト)21からなる。
ポスト壁21Aを構成する複数の導体柱21は、図1(A)に示すように、第一基板10の平面視において励振ピン22をU字形に囲むように配置されている。
ポスト壁21Aを構成する複数の導体柱21は、図1(A)に示すように、第一基板10の平面視において励振ピン22をU字形に囲むように配置されている。
導体柱21の中心軸間距離は、導体柱21の直径の2倍と同じか、それよりも小さくなるように設定するのが好ましい。これによって、隣り合う導体柱21の間隔は導体柱21の直径以下となり、励振ピン22から励振される電磁波を反射して漏洩を防止する効果を高めることができる。
なお、図示例では、複数の導体柱21からなるポスト壁21Aが採用されているが、これに代えて、励振ピンをU字形に囲むように延在する金属板などの導体板からなる連続的な壁部を採用してもよい。
第一基板10の主面10aには、励振ピン22の周囲に、アンチパッド32が形成されている。主面10bには、励振ピン22の端部22bの周囲に、アンチパッド33が形成されている。
アンチパッド32、33は、励振ピン22の周囲に環状に形成され、接地導体層30、31と励振ピン22とを絶縁する領域を確保することにより、平面回路Cおよび励振ピン22の入力インピーダンスとのインピーダンス整合を図るものである。
アンチパッド32、33は、励振ピン22の周囲に環状に形成され、接地導体層30、31と励振ピン22とを絶縁する領域を確保することにより、平面回路Cおよび励振ピン22の入力インピーダンスとのインピーダンス整合を図るものである。
アンチパッド32、33は、第二貫通孔12の開口部から外側に広がる絶縁領域であり、例えば、励振ピン22の周囲の、接地導体層30、31が形成されていない環状領域としてよい。
アンチパッド32、33は、電気的な絶縁領域であればよく、励振ピン22と接地導体層30、31との間に確保された空隙により構成してもよいし、この空隙に充填された絶縁体(樹脂等)により構成してもよい。
図示例では、主面10b側のアンチパッド33には、絶縁樹脂層41を構成する樹脂が充填されている。
アンチパッド32、33は、電気的な絶縁領域であればよく、励振ピン22と接地導体層30、31との間に確保された空隙により構成してもよいし、この空隙に充填された絶縁体(樹脂等)により構成してもよい。
図示例では、主面10b側のアンチパッド33には、絶縁樹脂層41を構成する樹脂が充填されている。
信号伝送路C1は、一端側が励振ピン22の外部側端部に接続され、他端側がGSGパッド34に接続されており、マイクロストリップラインを構成している。
GSGパッド34の両外側には、図2に示すように、GSGパッド34から離間してGNDパッド35が形成される。GNDパッド35には、GND接続ビア23が接続される。GND接続ビア23は、接地導体膜31に達して形成される。
前述した導体柱21、励振ピン22、およびGND接続ビア23は、少なくとも表面がCu、Ag、Auなどの導体から形成されていればよく、内部については、表面と同様の導体、空洞、あるいは、絶縁樹脂などで占有された構造とすることができる。
図3に示すように、この例では、第一基板10の他方の主面10b側に設けた絶縁樹脂層41を構成する樹脂が導体柱21、励振ピン22、GND接続ビア23内に充填されている。
GSGパッド34の両外側には、図2に示すように、GSGパッド34から離間してGNDパッド35が形成される。GNDパッド35には、GND接続ビア23が接続される。GND接続ビア23は、接地導体膜31に達して形成される。
前述した導体柱21、励振ピン22、およびGND接続ビア23は、少なくとも表面がCu、Ag、Auなどの導体から形成されていればよく、内部については、表面と同様の導体、空洞、あるいは、絶縁樹脂などで占有された構造とすることができる。
図3に示すように、この例では、第一基板10の他方の主面10b側に設けた絶縁樹脂層41を構成する樹脂が導体柱21、励振ピン22、GND接続ビア23内に充填されている。
主面10b側の接地導体層31の下面側には、熱硬化性樹脂、LCP(液晶ポリマー)などからなる絶縁樹脂層41が形成されている。
図示例の絶縁樹脂層41は、接地導体層31の下面側の全領域に形成されているが、絶縁樹脂層41は、接地導体層31の下面側の全領域に形成する必要はなく、少なくとも励振ピン22の端部22b(第二主面10b側の端部)およびアンチパッド33を覆うように形成してもよい。例えば、接地導体層31の下面側の領域のうち、励振ピン22の端部22bおよびアンチパッド33を含む一部領域のみに形成してもよい。
「少なくとも励振ピン22の端部22bおよびアンチパッド33を覆う」とは、平面視において、励振ピン22の端部22bおよびアンチパッド33と重なる領域を有することをいう。
図示例の絶縁樹脂層41は、接地導体層31の下面側の全領域に形成されているが、絶縁樹脂層41は、接地導体層31の下面側の全領域に形成する必要はなく、少なくとも励振ピン22の端部22b(第二主面10b側の端部)およびアンチパッド33を覆うように形成してもよい。例えば、接地導体層31の下面側の領域のうち、励振ピン22の端部22bおよびアンチパッド33を含む一部領域のみに形成してもよい。
「少なくとも励振ピン22の端部22bおよびアンチパッド33を覆う」とは、平面視において、励振ピン22の端部22bおよびアンチパッド33と重なる領域を有することをいう。
モード変換器1では、平面回路Cにおいて信号伝送路C1に高周波信号が入力された場合、信号伝送路C1と導波路上部広壁14間に電界が発生し、マイクロストリップモードとして電磁波が伝搬する。
電磁波は、励振ピン22を新たなTEモードの励振源として導波路基板10内にTEモードを誘起させ、TEモードとして導波路基板10内を伝搬する。
電磁波は、励振ピン22を新たなTEモードの励振源として導波路基板10内にTEモードを誘起させ、TEモードとして導波路基板10内を伝搬する。
図1〜図3に示したモード変換器1の製造方法の一例について、図4から図15を参照して段階的に説明する。
まず、第一工程として、図4に示すように、基材となるLCPフィルム102の両面に、銅箔103aおよび銅箔103bが張り合わされた、いわゆる銅張積層板(Copper Clad Laminate(CCL))からなる第一基板110を準備する。なお、この第一基板110は、図1〜図3の第一基板10に相当する。
まず、第一工程として、図4に示すように、基材となるLCPフィルム102の両面に、銅箔103aおよび銅箔103bが張り合わされた、いわゆる銅張積層板(Copper Clad Laminate(CCL))からなる第一基板110を準備する。なお、この第一基板110は、図1〜図3の第一基板10に相当する。
LCP(液晶ポリマー)は熱可塑性の樹脂であるため、LCPの両面に所望の銅箔103a、103bを貼り合せ、熱プレスにより熱融着することによってCCLを作製することが可能である。両面に張り合わされる銅箔103a、103bの厚さは、LCPとの貼り合せ時のハンドリング性を考えると12μm以上の厚さが好ましいが、熱プレスでCCL作製後に、硫酸過水等の薬液を用いて一部の銅箔103a、103bを溶解、除去することにより、所望の薄さに調整することが可能である。
なお、銅箔103a、103bの厚さは、後の回路形成性に影響するため、電気信号を流す際に影響が無い範囲で、薄い方が好ましい。また、LCPフィルム102の厚さは、例えば100μm〜750μmである。銅箔103a、103bの厚さは、例えば2〜18μmである。
なお、銅箔103a、103bの厚さは、後の回路形成性に影響するため、電気信号を流す際に影響が無い範囲で、薄い方が好ましい。また、LCPフィルム102の厚さは、例えば100μm〜750μmである。銅箔103a、103bの厚さは、例えば2〜18μmである。
次に、図5に示すように、第二工程として、ドリル加工により、第一基板110の一方の主面110aから他方の主面110bまで達する第一貫通孔111を形成する。
第一貫通孔111の孔径は、使用するドリル刃の径によって調整可能であり、製造する部品の用途に応じて、例えば75μm〜500μmの範囲で、適宜設定することができる。
なお、第一貫通孔111は、図1〜図3の第一貫通孔11に相当している。
第一貫通孔111の孔径は、使用するドリル刃の径によって調整可能であり、製造する部品の用途に応じて、例えば75μm〜500μmの範囲で、適宜設定することができる。
なお、第一貫通孔111は、図1〜図3の第一貫通孔11に相当している。
次に、第二工程の前工程である下地形成工程として、第一貫通孔111の壁面に導電性被膜を形成する。導電性被膜の形成は、例えばDPP(Direct Plating Process)処理といった、既知の手法を用いて実施する。
この導電性被膜は、パラジウムやカーボンなどによって構成することが可能であるが、後述する第三工程での電解銅めっき処理によって、銅めっきが可能であればよく、導電性被膜の構成材料には特に制限はない。
この導電性被膜は、パラジウムやカーボンなどによって構成することが可能であるが、後述する第三工程での電解銅めっき処理によって、銅めっきが可能であればよく、導電性被膜の構成材料には特に制限はない。
次いで、第三工程として銅めっきを行い、図6に示すように、第一基板110の一方の主面110aと、他方の主面110bと、第一貫通孔111の内壁面に、銅めっき層を形成する。第一基板110の一方の主面110aに形成されためっき層をめっき層114とし、他方の主面110bに形成されためっき層をめっき層115とし、第一貫通孔110の内部に形成されためっき層を導体柱121とする。
また、銅箔103aおよびめっき層114からなる導体層を接地導体層130とし、銅箔103bおよびめっき層115からなる導体層を接地導体層131という。
めっき層の厚みは、ミリ波帯の信号による表皮深さよりも厚いことが望ましいという観点で考えた場合、60GHzの信号における表皮深さが270nmであることから、第一貫通孔壁面のめっき厚が2μm以上とすれば十分と考えられる。
なお、導体柱121、接地導体層130、接地導体層131は、図1〜図3の導体柱21、接地導体層30、接地導体層31にそれぞれ相当している。
また、銅箔103aおよびめっき層114からなる導体層を接地導体層130とし、銅箔103bおよびめっき層115からなる導体層を接地導体層131という。
めっき層の厚みは、ミリ波帯の信号による表皮深さよりも厚いことが望ましいという観点で考えた場合、60GHzの信号における表皮深さが270nmであることから、第一貫通孔壁面のめっき厚が2μm以上とすれば十分と考えられる。
なお、導体柱121、接地導体層130、接地導体層131は、図1〜図3の導体柱21、接地導体層30、接地導体層31にそれぞれ相当している。
第四工程の前工程として、図7に示すように、第一基板110の接地導体層130上にアンチパッド形成用のエッチングレジスト150を形成し、さらに接地導体層131にエッチングレジスト151を形成する。
エッチングレジスト150、151を形成する方法としては既知の手法が可能であるが、例えば次の手法が可能である。まず、第一基板の接地導体層130および接地導体層131に、感光性ドライフィルムを、熱ロールによってラミネートする。次いで、フォトリソグラフィー法を用いて、ドライフィルムを所望の形状にパターニングし、エッチングレジストとする。
なお、本構造では、第四工程において接地導体層131には、アンチパッド等の回路形成は実施しないため、接地導体層131面にはエッチングレジスト151が全面に形成されることになる。すなわち、接地導体層131に形成されるエッチングレジスト151は、銅のエッチング液から接地導体層131を保護するためにのみ、使用される。
エッチングレジスト150、151を形成する方法としては既知の手法が可能であるが、例えば次の手法が可能である。まず、第一基板の接地導体層130および接地導体層131に、感光性ドライフィルムを、熱ロールによってラミネートする。次いで、フォトリソグラフィー法を用いて、ドライフィルムを所望の形状にパターニングし、エッチングレジストとする。
なお、本構造では、第四工程において接地導体層131には、アンチパッド等の回路形成は実施しないため、接地導体層131面にはエッチングレジスト151が全面に形成されることになる。すなわち、接地導体層131に形成されるエッチングレジスト151は、銅のエッチング液から接地導体層131を保護するためにのみ、使用される。
第四工程として、図8に示すように、先ほど形成したエッチングレジストをマスクとして、既知の方法であるウェットエッチングによって、接地導体層130にアンチパッド132を形成する。エッチング液には、塩化第二鉄や、塩化第二銅などの薬液が使用可能である。ただし、これら使用するエッチング液はあくまで一例であり、これらに限定される訳ではない。
エッチング後、エッチングレジストを剥離する。剥離液は、水酸化ナトリウム水溶液や、水酸化カリウム水溶液を使用するのが一般的である。剥離液は、使用するエッチングレジストに応じて、推奨される薬液を用いるのが好ましい。
エッチング後、エッチングレジストを剥離する。剥離液は、水酸化ナトリウム水溶液や、水酸化カリウム水溶液を使用するのが一般的である。剥離液は、使用するエッチングレジストに応じて、推奨される薬液を用いるのが好ましい。
次に、第五工程の前工程として、図9に示すように、LCPフィルム117の片面に銅箔118が張り合わされた、いわゆる銅張積層板からなる第二基板142を準備する。LCPフィルム117の厚さは例えば12〜100μmであり、その片面に張り合わされた銅箔118の厚さは例えば2〜18μmである。
なお、第二基板142は、図1〜図3の第二基板42に相当している。
なお、第二基板142は、図1〜図3の第二基板42に相当している。
第五工程として、図10に示すように、接地導体層130上に、接着剤シート116を介して、第二基板142を積層する。このとき、第二基板142のLCPフィルム117の一方の面と、接着剤シート116が向かい合うように積層を行う。この結果、第一基板110と第二基板142を、接着剤シート116を介して積層した構造を有する積層基板200を得る。
第五工程における積層方法の一例を挙げる。まず、接地導体層130上に、接着剤シート116を、50〜100℃で熱ラミネートし、次いで、接着剤シート116上に、第二基板142を50〜100℃で熱ラミネートする。その後、加圧熱プレス機を用いて、圧力を加えながら接着剤層を熱硬化し、積層させることが可能である。なお、圧力は25〜65kgf/cm2、温度は140〜200℃程度が一般的である。
第六工程として、図11に示すように、先ほど得られた積層基板200の所定の位置に、ドリル加工により、積層基板200の一方の主面200aから、他方の主面200bにまで達する、第二貫通孔112および第三貫通孔113を形成する。
第二貫通孔112は、接地導体層130に形成されたアンチパッド132の内側に形成される。
本実施形態において、第二貫通孔112および第三貫通孔113の孔径は、使用するドリル刃の径によって調整可能であり、製造する部品の用途に応じて、例えば75μm〜500μmの範囲で適宜設定することができる。
なお、第二貫通孔112および第三貫通孔113は、図1〜図3の第二貫通孔12および第三貫通孔13にそれぞれ相当している。
第二貫通孔112は、接地導体層130に形成されたアンチパッド132の内側に形成される。
本実施形態において、第二貫通孔112および第三貫通孔113の孔径は、使用するドリル刃の径によって調整可能であり、製造する部品の用途に応じて、例えば75μm〜500μmの範囲で適宜設定することができる。
なお、第二貫通孔112および第三貫通孔113は、図1〜図3の第二貫通孔12および第三貫通孔13にそれぞれ相当している。
第六工程においては、ドリル加工をする際、所定の位置に孔(第二貫通孔112および第三貫通孔113)が形成されるように、積層基板200とドリル装置の位置合わせを実施する必要がある。位置合せの方法としては、既知の手法を用いることが可能である。
一例を挙げると、接地導体層130へのアンチパッド132の形成と同時に、接地導体層130に位置合せ用のガイドマークを形成する。第五工程での積層後、X線画像処理装置によって、接地導体層130に形成されたガイドマークを認識することで、そのガイドマークに目がけて、ピンを挿入するためのピン孔を開ける。さらに、このピン孔に対して、積層基板200の厚さよりも長いピンを挿入する。さらに、挿入したピンを、ドリル装置の加工ステージ上にある基準孔に差し込むことで、基板とドリル装置との位置合せ行う、と言った手法が採用可能である。
一例を挙げると、接地導体層130へのアンチパッド132の形成と同時に、接地導体層130に位置合せ用のガイドマークを形成する。第五工程での積層後、X線画像処理装置によって、接地導体層130に形成されたガイドマークを認識することで、そのガイドマークに目がけて、ピンを挿入するためのピン孔を開ける。さらに、このピン孔に対して、積層基板200の厚さよりも長いピンを挿入する。さらに、挿入したピンを、ドリル装置の加工ステージ上にある基準孔に差し込むことで、基板とドリル装置との位置合せ行う、と言った手法が採用可能である。
次に、第七工程の前工程である下地形成工程として、第二貫通孔112および第三貫通孔113の壁面に導電性被膜を形成する。詳細は、第三工程で説明した手法と同じ手法を用いることが可能である。
次いで、第七工程として、銅めっきを行い、図12に示すように、積層板200の一方の主面200aと、他方の主面200bと、第二貫通孔112の内壁面と、第三貫通孔113の内壁面に、銅めっき層を成長させる。
ここで、主面200a側のめっき層をめっき層201aとし、主面200b側のめっき層をめっき層201bとし、第二貫通孔112の内部に形成されためっき層を励振ピン122とし、第三貫通孔113の内部に形成されためっき層をGND接続ビア123としてそれぞれ表記する。
また、積層基板200の一方の主面200a側の、銅箔およびめっき層をまとめて接地導体層202と表記し、他方の主面200b側の銅箔およびめっき層をまとめて接地導体層203と表記する。
また、励振ピン122、GND接続ビア123は、図1〜図3の励振ピン22、GND接続ビア23に相当している。
ここで、主面200a側のめっき層をめっき層201aとし、主面200b側のめっき層をめっき層201bとし、第二貫通孔112の内部に形成されためっき層を励振ピン122とし、第三貫通孔113の内部に形成されためっき層をGND接続ビア123としてそれぞれ表記する。
また、積層基板200の一方の主面200a側の、銅箔およびめっき層をまとめて接地導体層202と表記し、他方の主面200b側の銅箔およびめっき層をまとめて接地導体層203と表記する。
また、励振ピン122、GND接続ビア123は、図1〜図3の励振ピン22、GND接続ビア23に相当している。
第八工程の前工程として、図13に示すように、積層基板200の接地導体層202上に、アンチパット、マイクロストリップライン、およびGNDパッド形成用のエッチングレジスト152を形成し、接地導体層203にアンチパッド形成用のエッチングレジスト153を形成する。
エッチングレジストを形成する方法としては、第四工程で挙げた、既知の方法が利用可能である。
エッチングレジストを形成する方法としては、第四工程で挙げた、既知の方法が利用可能である。
次いで、第八工程として、図14に示すように、前工程で形成したエッチングレジスト152をマスクとして、エッチング法により、接地導体層202上に、励振ピン122とつながる、マイクロストリップライン128(図1〜図3の信号伝送路C1に相当)、およびGNDパッド135を形成することにより、平面回路Cを形成する。また、接地導体層203に、アンチパッド133を形成する。なお、122bは励振ピン122の端部である。
エッチング方法としては、第四工程で挙げたような、既知の方法であるウェットエッチングを用いることが可能である。
エッチング方法としては、第四工程で挙げたような、既知の方法であるウェットエッチングを用いることが可能である。
次いで、第九工程として、図15に示すように、接地導体層203に絶縁層141を形成する。
絶縁層141は、例えば、第一基板110の接地導体層203に熱硬化性樹脂などからなるシートをラミネートし、加圧熱プレスにより絶縁層141とする手法により形成することができる。
この絶縁シートは、単一の材料から構成されていてもよいし、本体シートと接着層とを有する複合材であってもよい。また、熱プレスの際に、励振ピン122内部やGND接続ビア内部に樹脂が埋め込まれるが、いずれの場合も、モード変換器への特性には影響を及ぼさず、問題とはならない。
なお、絶縁層141は、図1〜図3の絶縁体41に相当している。
絶縁層141は、例えば、第一基板110の接地導体層203に熱硬化性樹脂などからなるシートをラミネートし、加圧熱プレスにより絶縁層141とする手法により形成することができる。
この絶縁シートは、単一の材料から構成されていてもよいし、本体シートと接着層とを有する複合材であってもよい。また、熱プレスの際に、励振ピン122内部やGND接続ビア内部に樹脂が埋め込まれるが、いずれの場合も、モード変換器への特性には影響を及ぼさず、問題とはならない。
なお、絶縁層141は、図1〜図3の絶縁体41に相当している。
モード変換器1では、第一基板110(10)の基材がLCPフィルム2(102)で形成されているので、第一基板110の第一主面110a(10a)に、第二基板142(42)を積層した後でも、ドリル加工(第六工程)により、第一基板110(10)を破損させることなく、貫通孔112、113(12、13)を形成することができる。
また、ドリル加工による貫通孔112、113形成を、一回の孔開けプロセスにより形成することができるため、作業工程の効率化を図るとともに、作業の信頼性や歩留まりを向上させることかできる。
また、第一基板110と第二基板142に、一括して貫通孔112、113の形成が可能であるので、2つの基板にそれぞれ孔開け作業を行う場合と比較して、各貫通孔112、113間の位置合せが不要になり、その結果、位置ずれが無くなり、位置ずれに起因した伝送特性バラツキを無くすことが可能となる。
また、ドリル加工による貫通孔112、113形成を、一回の孔開けプロセスにより形成することができるため、作業工程の効率化を図るとともに、作業の信頼性や歩留まりを向上させることかできる。
また、第一基板110と第二基板142に、一括して貫通孔112、113の形成が可能であるので、2つの基板にそれぞれ孔開け作業を行う場合と比較して、各貫通孔112、113間の位置合せが不要になり、その結果、位置ずれが無くなり、位置ずれに起因した伝送特性バラツキを無くすことが可能となる。
さらに、励振ピン122(22)の位置および径が、基板内で画一的に定められるため、伝送特性バラツキの低減に有利である。
また、基板110、142(10、42)に用いられるLCPは、誘電率、比誘電率が低く、また、ほとんど吸水をしないために、高周波伝送に適した材料であり、ミリ波帯においても十分な特性を発揮することが可能である。
また、基板110、142(10、42)からなる積層基板200の第一主面200aから第二主面200bまで貫通する貫通孔112、113(12、13)が形成される構成であるので、孔の高さ方向の制御も不要となり、製造が容易となる。
また、基板110、142(10、42)に用いられるLCPは、誘電率、比誘電率が低く、また、ほとんど吸水をしないために、高周波伝送に適した材料であり、ミリ波帯においても十分な特性を発揮することが可能である。
また、基板110、142(10、42)からなる積層基板200の第一主面200aから第二主面200bまで貫通する貫通孔112、113(12、13)が形成される構成であるので、孔の高さ方向の制御も不要となり、製造が容易となる。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態について図16〜図20を参照して説明する。
第二実施形態に示されるモード変換器1の製造方法が、第一実施形態と異なるのは、第六工程(図11参照)と、第七工程(図12参照)との間に、以下の図16〜図20に示す工程を有する点である。
本発明の第二実施形態について図16〜図20を参照して説明する。
第二実施形態に示されるモード変換器1の製造方法が、第一実施形態と異なるのは、第六工程(図11参照)と、第七工程(図12参照)との間に、以下の図16〜図20に示す工程を有する点である。
具体的には、第七工程(図12参照)の2回目のめっき処理工程では、励振ピン122およびGND接続ビア123のみが形成できればよいことから、図16に示すように、めっき形成が不要である部分に、銅めっき前に予めめっきレジスト154、155を形成しておき、その後、図17に示すように、励振ピン122を形成するために2回目のめっき処理(めっき部分を符号122´、123´で示す)を行なう。
図18に示すように、不要となっためっきレジスト154、155を除去する。
次いで、図19に示すように両側にエッチングレジスト156、157を設けた後、図20に示すように、不要な銅箔118をエッチングにより取り除く。
これにより、第七〜第九工程(図12〜図15参照)における、接地導体層202および接地導体層203の回路形成において、領域M(図20参照)で示す回路形成部分の銅層の総厚を薄くすることが可能であり、その結果、回路形成における回路幅、回路厚の制御が容易になる。
次いで、図19に示すように両側にエッチングレジスト156、157を設けた後、図20に示すように、不要な銅箔118をエッチングにより取り除く。
これにより、第七〜第九工程(図12〜図15参照)における、接地導体層202および接地導体層203の回路形成において、領域M(図20参照)で示す回路形成部分の銅層の総厚を薄くすることが可能であり、その結果、回路形成における回路幅、回路厚の制御が容易になる。
次に、上述したモード変換器を用いた実験例について説明する。
本実施形態によるモード変換器を用いた場合において、マイクロストリップ線路の端部をポートとし、反射損失に関するシミュレーションを行った。シミュレーションには3次元電磁界解析ソフトHFSSを用いた。結果を図21に示す。
なお、本実施形態のモード変換器では、励振ピンが200μm径であり、励振ピンのランド部の径が350μmであり、励振ピンの周囲に位置するアンチパッド(32、33)のスペース幅(励振ピンの径方向に沿う幅)を、85μm、100μm、125μm、135μm、150μmとした。また、グラフの横軸は周波数を示し、縦軸は反射損失の大きさを示している。
この図より、反射損失の大きさは、アンチパッドのサイズによって変化することがわかった。したがって、この結果から、アンチパッドのサイズを調整することによって、ピン入力端における入力インピーダンスの制御が可能であることがわかった。
また、アンチパッドのサイズには100μm〜150μm、最適値として125μmを選択することが好ましく、当該最適値の選択によって、反射損失を著しく低減させ得ることもわかった。
本実施形態によるモード変換器を用いた場合において、マイクロストリップ線路の端部をポートとし、反射損失に関するシミュレーションを行った。シミュレーションには3次元電磁界解析ソフトHFSSを用いた。結果を図21に示す。
なお、本実施形態のモード変換器では、励振ピンが200μm径であり、励振ピンのランド部の径が350μmであり、励振ピンの周囲に位置するアンチパッド(32、33)のスペース幅(励振ピンの径方向に沿う幅)を、85μm、100μm、125μm、135μm、150μmとした。また、グラフの横軸は周波数を示し、縦軸は反射損失の大きさを示している。
この図より、反射損失の大きさは、アンチパッドのサイズによって変化することがわかった。したがって、この結果から、アンチパッドのサイズを調整することによって、ピン入力端における入力インピーダンスの制御が可能であることがわかった。
また、アンチパッドのサイズには100μm〜150μm、最適値として125μmを選択することが好ましく、当該最適値の選択によって、反射損失を著しく低減させ得ることもわかった。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、アンチパッドは第一基板の第一主面と第二主面のうちいずれか一方にのみ形成してもよい。
本発明は、モード変換器に係り、特にミリ波帯の通信用の導波路に用いられる技術に関する。
10、100・・・第一基板、10a、100a・・・主面(第一主面)、10b、100b・・・主面(第二主面)、11、111・・・第一貫通孔、12、112・・・第二貫通孔、13、113・・・第三貫通孔、17、117・・・誘電体層、22、122・・・励振ピン、22b、122b・・・励振ピンの端部、23、123・・・GND接続ビア、30、130・・・接地導体層、31、131・・・接地導体層、32、132、33、133・・・アンチパッド、42、142・・・第二基板、C・・・平面回路、C1・・・信号伝送路。
本発明は、モード変換器の製造方法に係り、特にミリ波帯の通信用の導波路に用いられる技術に関する。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、励振ピンを設けるためのスルーホール形成を、簡素化した工程により行うことができ、これによって作業工程の効率化を図るとともに、特性低下を防止できるモード変換器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、伝送路と導波路との間で信号を相互に変換するモード変換器を製造する方法であって、基材が液晶ポリマーからなり、第一主面およびその反対面である第二主面を有する第一基板に対し、前記両主面に形成された接地導体層およびこれらを互いに連結する導電性の壁部を有する前記導波路を設け、前記第一基板の第一主面側に、第二基板を積層し、前記伝送路を含み、高周波信号を伝播する平面回路を前記第二基板上に形成し、前記第一基板および第二基板に、ドリル加工によりこれらを一括して貫通する貫通孔を形成し、前記貫通孔内に、前記平面回路と接続された導電性の励振ピンを形成し、前記第二主面側の接地導体層と前記励振ピンの端部との間に、アンチパッドを形成するモード変換器の製造方法を提供する。
前記第二基板は、液晶ポリマーからなる層を含むことが好ましい。
前記壁部は、前記第一基板の両主面間を貫通する複数の貫通孔の内部にそれぞれ形成された複数の導電性のポストからなるポスト壁であることが好ましい。
前記第二基板は、液晶ポリマーからなる層を含むことが好ましい。
前記壁部は、前記第一基板の両主面間を貫通する複数の貫通孔の内部にそれぞれ形成された複数の導電性のポストからなるポスト壁であることが好ましい。
Claims (4)
- 伝送路と導波路との間で信号を相互に変換するモード変換器であって、
第一主面およびその反対面である第二主面を有する第一基板と、
前記第一基板の第一主面側に積層された第二基板と、
前記伝送路を含み、前記第二基板上に形成されて高周波信号を伝播する平面回路と、
前記平面回路と接続され、前記第一基板および第二基板を一括して貫通する貫通孔内に設けられた導電性の励振ピンと、
前記第一基板の両主面にそれぞれ形成された接地導体層およびこれらを互いに連結する導電性の壁部を有する前記導波路と、を備え、
前記第二主面側の接地導体層と前記励振ピンの端部との間に、アンチパッドが形成され、
前記第一基板の基材は液晶ポリマーからなるモード変換器。 - 前記第二基板は、液晶ポリマーからなる層を含む請求項1に記載のモード変換器。
- 前記壁部は、前記第一基板の両主面間を貫通する複数の貫通孔の内部にそれぞれ形成された複数の導電性のポストからなるポスト壁である請求項1または2に記載のモード変換器。
- 伝送路と導波路との間で信号を相互に変換するモード変換器を製造する方法であって、
基材が液晶ポリマーからなり、第一主面およびその反対面である第二主面を有する第一基板に対し、前記両主面に形成された接地導体層およびこれらを互いに連結する導電性の壁部を有する前記導波路を設け、
前記第一基板の第一主面側に、第二基板を積層し、
前記伝送路を含み、高周波信号を伝播する平面回路を前記第二基板上に形成し、
前記第一基板および第二基板に、これらを一括して貫通する貫通孔を形成し、
前記貫通孔内に、前記平面回路と接続された導電性の励振ピンを形成し、
前記第二主面側の接地導体層と前記励振ピンの端部との間に、アンチパッドを形成するモード変換器の製造方法。
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